JPH059476B2 - - Google Patents

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JPH059476B2
JPH059476B2 JP9605190A JP9605190A JPH059476B2 JP H059476 B2 JPH059476 B2 JP H059476B2 JP 9605190 A JP9605190 A JP 9605190A JP 9605190 A JP9605190 A JP 9605190A JP H059476 B2 JPH059476 B2 JP H059476B2
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JP
Japan
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solvent
pitch
mesophase
molecular weight
carbon fibers
Prior art date
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Application number
JP9605190A
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JPH03292393A (ja
Inventor
Maki Hamaguchi
Kenji Ushigoe
Setsu Nishizawa
Nobuyuki Komatsu
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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  • Inorganic Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、プラスチツク、セラミツク、炭素、
金属などの強化材として有用な高性能ピツチ系炭
素繊維(黒鉛繊維を含む)の原料に用いられるメ
ソフエーズピツチに関するものである。 [従来の技術] ピツチ中の縮合多環芳香族分子が互いに平行に
配列した液晶相(メソフエーズ)を形成したメソ
フエーズピツチの中でも、メソフエーズ含有率の
高いピツチは高性能炭素繊維紡糸用ピツチとして
好適なものであり、該メソフエーズを形成する分
子(メソフエーズ形成成分)はある大きさ以上に
大きいことが必要とされている。そこで、一般に
は原料を加熱し、分子量の小さいメソフエーズ形
成阻害成分を蒸発除去しながら同時に重合させて
メソフエーズ形成成分に転化させる方法や、メソ
フエーズ形成阻害成分を可溶分として除去した後
転化させる方法(特公昭63−5433号等)が利用さ
れている。また原料として分子量の小さいものを
使用し、処理法を限定して単一の主ピークを含む
分子量分布を有するピツチを製造する方法(特公
昭62−54886号)も提案されている。 [発明が解決しようとする課題] 前述のようにメソフエーズ形成々分であるため
にはある程度の分子の大きさが必要であるが、分
子量の大きすぎる成分(超高分子量成分)は、得
られる炭素繊維の強度を低下させる。また、前記
特公昭62−54886号の方法はその点をある程度解
消していはいるが、操作が非常に煩雑であるとい
う欠点を有している。そこで本発明者らは2段階
の溶媒抽出工程を含有すると共に、より簡便でよ
り高強度の炭素繊維が得られるピツチの製造方法
を発明し、先に出願した(特願平1−7150号)。
本発明は先願発明と同様、高強度の炭素繊維が簡
便に得られるピツチの製造方法を提供しようとす
るものである。 [課題を解決するための手段] 本発明の高性能炭素繊維用メソフエーズピツチ
の製造方法は、水素化処理した炭素質ピツチを (A) 溶剤抽出してピリジン不溶分が5%以下であ
る一次溶剤可溶分を得、 (B) 該可溶分を溶剤抽出して200℃より高い軟化
点を有する二次溶剤不溶分を得、 (C) 該不溶分を熱処理することに要旨がある。 [作用] の原料の炭素質ピツチとしては、石炭系ピツチ
や石油系ピツチ、石炭液化生成物、各種の高分子
化合物、芳香族化合物等の他に、これら炭素質ピ
ツチ類に熱処理、分別処理、混合処理等を施した
ピツチ類を用いることができる。 上記ピツチ類はまず水素化処理が施される。水
素化処理の目的は、溶解性を高めることによつて
次の溶媒抽出工程での分離能を高めることや、分
子中に脂肪族構造を導入して溶融紡糸性及び不融
化反応性を高めること、黒鉛化性を低下させる酸
素、窒素、硫黄等の元素の含有率を低減すること
等である。 水素化処理は公知の方法により実施することが
できる。例えば炭素質ピツチを水素化アントラセ
ン油やテトラヒドロキノリン等の水素供与性溶剤
と共に加熱し、水素化する方法、あるいは溶剤お
よび水素化触媒と共に水素加圧下で加熱する方法
等が挙げられる。水素化処理条件は、使用する水
素供与性溶剤や触媒の種類、ピツチの性状などに
合わせて適宜選択されるべきであるが、処理効率
や水素化の制御しやすさを考慮すれば処理温度は
380〜500℃、好ましくは400〜460℃、処理時間は
120分以下、好ましくは10〜30分とする。380℃未
満では、極めて長時間を処理を要するだけでな
く、ピツチの水素化が不十分になるため前述の水
素化の目的を達成することができない。500℃を
超えて処理すると水素化が進みすぎ、低分子量成
分が多量に生成するためメソフエーズピツチの収
率が低下する。 次に水素化処理した炭素質ピツチを水素化処理
時に用いた溶剤と共にあるいは溶剤を留去した
後、一次溶剤抽出工程に供する。一次溶剤抽出工
程は比較的高分子量の成分を除去することを目的
とする。本工程における抽出の目安はピリジン不
溶分含有量が5%以下となる様にする。ピリジン
不溶分量が5%を超える場合には、熱処理後のメ
ソフエーズの割合が高くなる点では好ましいが、
分子量分布が広くなり、高分子量成分を比較的多
量に含むことになるので、これらのピツチからは
高性能炭素繊維を得ることはできない。 第一次溶剤抽出工程は上記の様な性状の溶剤可
溶成分を得ることが眼目であり、抽出条件や抽出
用の溶剤に対して制限はないが、用いる溶剤とし
てはピリジン、テトラヒドロフラン、N−メチル
ピロリドン、エチレンジアミンあるいはこれらと
同等の溶解力を有する溶剤あるいは混合溶剤を用
いることが好ましい。これらのうち特に好ましい
溶剤としてはピリジン及びテトラヒドロフランが
挙げられる。抽出方法としては例えばピツチ1g
に対して溶剤を5〜50ml用い、室温あるいは溶剤
の沸点以下で抽出する方法が簡便である。またキ
ノリン等の様に溶解力が極めて高い溶剤を使つ
て、溶剤可溶分が飽和になる様な条件で行つても
良い。この一次溶剤抽出工程においては濾過や遠
心分離等の公知の方法により溶剤不溶分から溶剤
可溶分を分離する。 二次溶剤抽出工程は炭素質ピツチ中の比較的低
分子量の成分を除去することを目的とする。これ
らの成分はピツチのメソフエーズ化を阻害するの
でメソフエーズピツチの製造に先がけて除去して
おく必要がある。ここで従来の様に熱処理によつ
て低分子量成分を除去しようとするときは熱処理
条件を過酷にしなくてはならず、ピツチの分子量
分布を制御することが困難になると共に化学構造
の変化も避けられない。そこで本発明においては
前記の様な比較的低分子量の成分を二次溶剤抽出
工程において抽出除去し、分子量分布を調整す
る。分子量分布の目安として軟化点を用いる。即
ち軟化点が200℃以上である場合には、ピツチ成
分中の分子は、配向するのに十分な平面性と大き
さを持つ。軟化点が200℃未満の場合には、多量
の低分子量成分を含有することになるのでメソフ
エーズの含有量の高いピツチを得ることができな
い。 二次溶剤抽出工程における抽出方法や使用する
溶剤は特に制限はないが、トルエン、キシレン、
ベンゼンあるいはこれらと同等の溶解力を有する
溶剤または混合溶剤を用い、例えばピツチ1gに
対し、溶剤5〜20mlを加え、室温で抽出する方法
が簡便である。また溶解力のより大きい溶剤、例
えばクロロホルムやアントラセン油をピツチに対
して少量加え溶剤可溶分の飽和濃度近くで抽出し
たり、逆に溶解力が低いアセトンやヘプタン等を
用いて高温あるいは高圧下の溶解力の大きい条件
下で抽出することも可能である。即ち本工程にお
いては、軟化点200℃以上である二次溶剤不溶分
を得ることが眼目となり、使用する溶剤や抽出の
方法は問わない。二次溶剤抽出工程後の溶剤不溶
分は濾過や遠心分離等の公知の方法により、溶剤
可溶分の溶液から分離する。 以上の様にして得た溶剤不溶分は、次に熱処理
するが、該熱処理では実質的に重合や分解等の反
応が起こらない温度に加熱し溶融させるだけで速
やかにメソフエーズピツチに転化する。したがつ
て本発明における熱処理は従来の様に反応の制御
が困難な高温域で行う必要がなく、低温、短時間
でメソフエーズピツチを得ることができる。また
このためピツチの化学構造が変化するのを最少限
に抑えることができる。 さらに熱処理には特別な操作を必要としないの
で公知の方法を用いて行なうことができる。例え
ば二次溶剤抽出工程後の抽出溶液から溶剤を留去
して二次溶剤可溶分を得たあと、熱処理してメソ
フエーズピツチとするか、溶剤を留去しつつ熱処
理しても良い。また溶剤留去後の二次溶剤可溶分
を紡糸機に充填し、紡糸機内でメソフエーズ化し
つつ溶融紡糸を行つても良い。 二次溶剤抽出工程で得た溶剤不溶分を熱処理し
てメソフエーズピツチとすると、該ピツチはピリ
ジン不溶分含有量が5〜30%増加するがメソフエ
ーズ含有率が高いにもかかわらず、溶融粘度が低
く、高性能炭素繊維の製造に適した紡糸用ピツチ
が再現性良く得られる。 尚本発明においてトルエン不溶分及びピリジン
不溶分とは、60メツシユ以下に粉砕したピツチ1
gに対し、100mlの溶剤を加え、前者においては
65℃、後者においては96℃で1時間抽出した時の
溶剤不溶分の重量分率を目安とした。 また、軟化点とは、溶剤を含まないピツチ試料
を不活性ガス雰囲気中ホツトステージ付顕微鏡下
で加熱しながら観察したときに変形を始める温度
とした。 [実施例] 実施例 1 石炭系硬ピツチ1Kgと水素供与性溶剤であるテ
トラヒドロキノリン2を、内容積5のオート
クレーブに位込み、窒素初気圧5Kgf/cm2、440
℃で20分間加熱し、硬ピツチを水素化したのち、
減圧下で溶剤を留去し水素化ピツチを得た。この
水素化ピツチ100gを100mesh以下に粉砕し、200
mlのテトラヒドロフランに加えて、室温で20分間
撹拌後、No.1定性濾紙で濾過した。濾液から溶剤
を留去し、溶剤可溶分を得た。該溶剤可溶分を
100mesh以下に粉砕し、10倍量のトルエンに加え
て、室温で60分間撹拌後、濾過した。該溶剤不溶
分を、5mmHgの圧力下、7℃/分の昇温速度で
加熱し400℃で1分間熱処理しメソフエーズピツ
チ化した。 こうして得られたメソフエーズピツチを、直径
0.5mmのノズル孔を有する紡糸機に充填し、溶融
後0.015Kgf/cm2の窒素圧(ゲージ圧)で押出し
て高速回転するボビンに巻き取つて紡糸した。そ
の結果800〜100m/minの引取り速度でほとんど
糸切れすることなくピツチ繊維が得られた。この
ピツチ繊維を空気中300℃で10分間熱処理し不融
化したのち、アルゴン雰囲気中2400℃で焼成し炭
素繊維を得た。 実施例 2 実施例1と同様にして水素化ピツチを得、一次
溶剤抽出工程の溶媒にピリジンを使用し、二次抽
出の溶媒としてアセトン/テトラヒドロフラン
[70/30(vol.)]を使用してメソフエーズピツチ
を得た。更に実施例1に準じて処理を行ない炭素
繊維を得た。 比較例 1 一次溶剤抽出工程を省略した以外は実施例1に
準じて処理を行ない炭素繊維を得た。 比較例 2 二次溶剤抽出工程を省略し、下記の条件で溶剤
可溶分を熱処理した以外は実施例1に準じて処理
を行ない炭素繊維を得た。 (熱処理条件) 圧力:5mmHg、省温速度7℃/min.、 処理温度:480℃、処理時間5min. 上記実施例及び比較例の夫々の工程での収率一
次溶剤抽出工程のピリジン不溶分の割合、二次溶
剤抽出工程後の軟化点、熱処理後の光学的異方性
成分の割合、紡糸温度及び得られた炭素繊維の平
均繊維径、平均引張強度、平均引張弾性率を第1
表に示す。
【表】 第1表から明らかな様に、実施例1及び2のピ
ツチを用いて作成され炭素繊維は優れた引張強度
及び引張弾性率を示しているが、比較例1は超高
分子量成分を含有しているので、光学的異方性成
分の割合が高いにもかかわらず、得られた炭素繊
維の引張強度及び引張弾性率が低く、比較例2は
低分子量の成分を含有しているので従来の過激な
熱処理によつてしかメソフエーズ相を形成でき
ず、超高分子量成分を含有していると考えられ、
更にメソフエーズ相の割合が低いので、得られた
炭素繊維はかなり低い引張強度及び引張弾性率を
示している。 [発明の効果] 本発明は以上の様に構成されているので簡便な
操作で、狭い分子量分布を示し、しかも紡糸性に
優れたピツチを再現性良く得ることができる。更
に得られたピツチからはPAN系炭素繊維に匹敵
する機械的特性を有する炭素繊維を製造すること
ができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水素化処理した炭素質ピツチを (A) 溶剤抽出してピリジン不溶分が5%以下であ
    る一次溶剤可溶分を得、 (B) 該可溶分を溶剤抽出して200℃より高い軟化
    点を有する二次溶剤不溶分を得、 (C) 該不溶分を熱処理することを特徴とする 高性能炭素繊維用メソフエーズピツチの製造方
    法。
JP9605190A 1990-04-10 1990-04-10 高性能炭素繊維用メソフェーズピッチの製造方法 Granted JPH03292393A (ja)

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JP9605190A JPH03292393A (ja) 1990-04-10 1990-04-10 高性能炭素繊維用メソフェーズピッチの製造方法

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