JPH0424217A - 汎用炭素繊維用プリカーサーピッチの製造方法 - Google Patents

汎用炭素繊維用プリカーサーピッチの製造方法

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JPH0424217A
JPH0424217A JP12529790A JP12529790A JPH0424217A JP H0424217 A JPH0424217 A JP H0424217A JP 12529790 A JP12529790 A JP 12529790A JP 12529790 A JP12529790 A JP 12529790A JP H0424217 A JPH0424217 A JP H0424217A
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aromatic oil
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Kozo Yumitate
弓立 浩三
Yukihiro Osugi
大杉 幸広
Fumihiro Miyoshi
史洋 三好
Masayuki Sumi
角 誠之
Mamoru Kamishita
神下 護
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JFE Steel Corp
Nitto Boseki Co Ltd
Original Assignee
Nitto Boseki Co Ltd
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、汎用炭素繊維を製造するために紡糸原料とし
て用いるプリカーサ−ピッチの製造方法に関する。
(従来の技術) 炭素繊維の製造方法は、原料により大別すると、ポリア
クリロニトリル(PAN)等の合成繊維を原料とする方
法と、石油ピッチ及びコールタールピッチを原料とする
方法に分けられる。ポリアクリロニトリル(PAN)等
を原料とする方法は、得られる繊維が高強度の高性能(
HP  HighPerformance)炭素繊維で
はあるが、原料が高価であるため費用がかかり、かつ炭
化収率が低いという欠点を有する。一方、石油ピッチや
コールタールピッチを原料とする方法は、石油、石炭化
学工業からの副産物を原料として用いることができるの
で、原料を多量にかつ安価に入手することができる。
一般に、プリカーサ−ピッチは、紡糸性の良好なものは
不融化が困難であり、不融化性の良好なものは紡糸が困
難であるという性質を有している。
従って、炭素繊維用プリカーサ−ピッチとして、紡糸性
、不融化性に優れ、かつ十分な強度及び弾性率を有する
炭素繊維を得るために、原料ピッチの溶剤分割、水素化
処理、熱処理等のピッチの特殊な調整が実施されている
また、コールタールピッチを原料とする場合、不溶固型
分としてピッチ中に含まれる直径1μm以下の微粒子で
あるフリーカーボンの分離除去が必要となり、当該分離
除去の方法としては、濾過、沈降分離等が一般に知られ
ている。
溶剤分割による原料ピッチの調整法は、グレートレイク
社の特公昭52−6372号公報に開示されており、こ
れは、原料ピッチ中のフリーカーボン等の高分子量成分
をベンゼン等の溶剤で抽出分離した後、ピッチ中の低分
子量成分をベンゼン等の溶剤で抽出分離して原料ピッチ
中の高分子量成分と低分子量成分を分離除去し、ピッチ
を得る方法である。また、特開昭57−159885号
公報には、原料ピッチをアセトンまたはメチルエチルケ
トン等の沸点200℃以下のケトン類溶剤を添加混合し
、不溶性沈殿物を分離除去する方法が開示されている。
更に、特公昭45−28018号公報には、プリカーサ
−ピッチの不融化性を向上させることを目的として、原
料ピッチをあらかじめ水素化する方法が開示されている
また、一般に、原料ピッチ中の軽質成分を除去し、かつ
原料ピッチを高分子化させてピッチの軟化点を高めるた
め、原料ピッチを減圧下若しくは常圧下で熱処理するこ
とが知られている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記方法においては、溶剤は非常に高価
であり、工業的に負担の多い溶剤抽出分離を2度も繰り
返さなければならず、フリーカーボンの沈降速度が非常
に小さくなり、また該溶剤のピッチに対する溶解力は小
さいため、溶剤可溶分を用いる方法では、プリカーサ−
ピッチの収率が低くなる欠点を有する。更に、これらの
方法は多大な時間と労力を費やさなければならず、特に
、水素化には、多くの費用を要するため、汎用炭素繊維
用プリカーサ−ピッチの製造方法としては好ましくない
また、熱処理する場合、原料ピッチを不融化に十分であ
る軟化点まで上昇させようとすると、高分子量成分が重
縮合し、不融性若しくは難融性のメソフェーズ小球体が
生成し、かかるピッチを溶融紡糸するとノズル閉塞、糸
ぎれ等が生じ、逆にメソフェーズの生成前に熱処理を停
止すると、軟化点か十分に高いプリカーサ−ピッチを得
ることができないという問題点を有していた。
従って、本発明の目的は、上述した種々の問題を解決し
、原料ピッチに特殊な処理を施す事なく、精製調製され
た原料を用いて、通常の熱処理により効率よくピッチの
軟化点を上昇させ、紡糸性及び不融化性に優れかつ炭素
繊維とした場合、優れた機械特性を有する汎用炭素繊維
用のプリカーサ−ピッチを製造する方法を提供すること
にある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討した結
果、原料ピッチの調製、精製が容易であり、優れた紡糸
性及び不融化性等を呈する汎用炭素繊維用プリカーサ−
ピッチの製造方法を発明するに至ったものである。即ち
本発明は、特にコールタール系軟ピッチ若しくは中ピッ
チに、タール軽油、カルボル油、ナフタリン油、吸収油
等の芳香族油を添加し、芳香族油不溶分を分離除去し、
得られた可溶分から溶剤を回収することにより、軟化点
が60°c−ioooC、テトラヒドロフラン(THF
)不溶分の含有量が2重量%以下、ピリジン不溶分の含
有量が0.5重量%以下、キノリン不溶分の含有量が0
.01重量%以下の中間ピッチを得、次いで該中間ピッ
チに不活性カスを吹き込みなから10mmHg以下の減
圧下350〜500℃で熱処理することによりベンゼン
不溶分の含有量が50〜60重量%、キノリン不溶分の
含有量が0.5重量%以下の光学的に全体が等方性を示
す汎用炭素繊維用プリカーサ−ピッチの製造方法である
次ぎに、本発明の詳細な説明する。
本発明には、石炭を高温乾留(1000〜1300°C
)して得られるコールタールを蒸留した残渣であるコー
ルタールピッチを用いることかできる。かかるコールタ
ールピッチは、芳香族性に富み、真比重が大きく、粘性
が低いという特性を有している。
特に、本発明の原料には、軟化点が30〜70°Cであ
る軟ピッチ及び軟化点が70〜110°Cである中ピッ
チが好ましい。軟化点が30°C以下のピッチは、低分
子量成分を多く含有しているため、プリカーサ−ピッチ
の収率が著しく低(なり好ましくなく、また、軟化点が
110℃以上のピッチは、高分子量成分を多く含有して
いるために、芳香族油の添加により芳香族油不溶分量が
多く可溶分量が少なくなり、その結果としてプリカーサ
−ピッチの収率が著しく低くなるため好ましくない。
該高温乾留コールタールピッチ中には、フリーカーボン
と称されるキノリン不溶分が0.5〜10重量%存在す
るが、その含有量はコークス炉の構造及び運転条件に依
存する。該フリーカーボンがプリカーサ−ピッチ中に残
留すると、紡糸時のノズル閉塞、糸ぎれ、更には炭素繊
維の欠陥原因となり、繊維の強度の低下をもたらす。従
って、該フリーカーボンを効率よく容易に除去するため
、コールタール軟ピッチ若しくは中ピッチに、芳香族油
を添加し、該芳香族油不溶分を分離除去することが必要
である。かかる原料ピッチに添加する芳香族油には、工
業的規模で簡単かつ安価に入手しうるタール軽油、カル
ボル油、ナフタリン油、吸収油のようなものが含まれる
前記芳香族油はピッチに対する溶解力が大きいものでは
ないため、芳香族油の不溶分は、即ち原料ピッチ中の高
分子量成分であり、該高分子量成分は次いで行う熱処理
において、重縮合反応により容易にメソフェーズとなる
ので、フリーカーボンと同様にあらかじめ原料ピッチよ
り分離除去する必要がある。
かかる芳香族不溶分の高分子量成分は、原料ピッチ中の
フリーカーボンを取り囲んで凝集体を形成するため、芳
香族油不溶分を分離除去することにより、当該高分子量
成分及びフリーカーボンを同時に分離除去でき、従って
、該凝集体を分離除去するほうがフリーカーボンのみを
分離除去するよりも簡単に行うことができる。
かかる芳香族油と原料ピッチの混合比(−芳香族油/原
料ピッチ;重量比)は2〜10が好ましい。
この混合比が2以下であれば、芳香族油不溶分量が少な
くなり、有効に原料ピッチ中の高分子量成分が除去でき
ず、更に混合溶液の粘度が高くなり、芳香族油不溶分が
効率よく除去できなくなる。また、混合比が10以上で
あれば、芳香族油不溶分の量が多くなり、可溶分から溶
剤を回収して得られた中間ピッチには、高分子量成分の
含有量が少なくなるために次いで行う熱処理において、
メソフェーズの生成を抑制してベンセン不溶分の含有量
を多くすることができず、プリカーサ−ピッチの収率が
低下してしまう。
芳香族油と原料ピッチの混合及び抽出は、芳香族油の沸
点以下の温度で実施し、芳香族油の種類に応じて70〜
280℃の温度範囲、例えば、タール軽油では170°
C以下、カルホル油では200°C以下、ナフタリン油
では250℃以下、吸収油では280 ’C以下の温度
が選定される。
一般に、芳香族油のコールタールピッチに対する溶解性
は、芳香族油の沸点が高くなるほど増加する。また、該
溶解性は、混合及び抽出温度にも依存し、混合・抽出温
度が高い程、溶解性は増加する。高分子量成分を多(分
離除去する場合には、沸点の低い芳香族油を用いて低温
で抽出するピッチに対して溶解性か小さくなる抽出条件
を、また高分子量を少なく分離除去する場合には、沸点
の高い芳香族油を用いて高い温度で抽出するピッチに対
して溶解性が大きくなる抽出条件を選定する。
芳香族油不溶分を分離除去(抽出)するには、濾過、沈
降分離、遠心分離等の既知の方法を用いることができる
次いで、得られた芳香族油可溶分を蒸留して溶剤として
使用した芳香族油を回収し、中間ピッチを得る。かかる
中間ピッチの特性は、軟化点(Ring&Ba11法)
60〜100℃、THF不溶分の含有量が2重量%以下
、ピリジン不溶分の含有量が0.5重量%以下、キノリ
ン不溶分をほとんど含有しない(0,01重量%以下)
ものである。
次いで、重縮合反応によりピッチを重質化し揮発性軽質
成分を除去するために、かかる中間ピッチを熱処理して
、該ピッチの粘度を高めて汎用炭素繊維用プリカーサ−
ピッチを製造する。この際中間ピッチに熱反応性の高い
高分子量成分が含まれると、熱処理により該成分はキノ
リンに不溶となるメソフェーズに容易になりやすく好ま
しくなく、また、等方性ピッチのマトリックス中にメソ
フェーズが生じたピッチは、均質性が悪く、特に数μm
〜数十μmの球状のメソフェーズを含むピッチは紡糸時
にノズル閉塞、糸ぎれ等を起こす原因となる。一方、メ
ソフェーズの発生を抑えるため軽度の熱処理を行うと、
軽質成分がピッチに残留し、紡糸時の発泡を招き、更に
は軟化点が十分に上がらないために不融化時に融着する
原因となる。
しかし、本発明においては、高分子量成分が除去された
中間ピッチを用いるので、高温での熱処理か可能となる
。更に、軽質成分を十分に除去するため、高温・減圧下
で実施するするのが好ましい。即ち、該熱処理は、得ら
れた中間ピッチに不活性ガスを吹き込みながら、10m
mHg以下の減圧下において、350〜500°Cで行
う。真空度が10mmHg以上だと、軽質成分の除去が
十分に行われず、温度が500°C以上ではメソフェー
ズか発生して好ましくない。
得られる汎用炭素繊維用プリカーサ−ピッチは、ヘンセ
ン不溶分の含有量が50〜60重量%、キノリン不溶分
の含有量が0.5重量%以下で光学的に全体が等方性を
示すものである。ベンセン不溶分の含有量が50重量%
以下の場合には、軽質成分が十分除去されず、ピッチの
重質化か不十分であるため不融化時の融着が生じやすく
、600重量部上であれば、プリカーサ−ピッチの粘度
が高くなり過ぎるために紡糸が著しく困難となる。また
、キノリン不溶分の含有量が0.5重量%以下であれば
光学的に等方性を示し、0.5重量%以上であれば紡糸
時のノズル閉塞、糸切れ等の原因となるメソフェーズが
存在することとなる。
以上、コールタールピッチを原料とした場合について記
載したがこれに限定されるものではなく、本発明の範囲
内で種々の変更が可能であり、特に石油系クールピッチ
を用いて汎用炭素繊維用プリカーサ−ピッチを製造する
こともできる。
(実施例及び比較例) 本発明を次の実施例及び比較例により説明する。
(実施例1) コールタール中ピッチ(軟化点が73.28C、ヘンセ
ン不溶分が15.2重量%、キノリン不溶分が2.6重
量%、JIS K−2425に従い測定:以下間し)1
重量部に対して、カルホル油を5重量部添加し、120
0Cで混合抽出した。該溶液を濾過することにより、カ
ルボル油不溶分を分離除去した。次いて、カルボル油可
溶分を温度250°Cで常圧蒸留して溶媒であるカルホ
ル油を回収し、軟化点が78.2°C,THF不溶分が
1.6重量%、ピリジン不溶分が0.2重量%で、キノ
リン不溶分を全く含有しない中間ピッチを得た。次いで
得られた中間ピッチに不活性ガスを吹き込みながら8 
mmHgの減圧下、405℃で熱処理して汎用炭素繊維
用プリカーサ−ピッチを得た。該プリカーサ−ピッチは
、ベンゼン不溶分か55重量%、キノリン不溶分が0.
3重量%で、偏光顕微鏡観察において、全面的に光学的
等方性であった。またこのプリカーサ−ピッチを、ノズ
ル径(D) −0,3mmφ、L/D 〜3(L:ノズ
ル長さ)のノズルを有する円筒形容器に入れ、紡糸温度
(290°C)で加熱溶融させた後、N2ガスで加圧(
5kg/am2)することにより紡糸したところ、8〜
10μmの繊維径のピッチ繊維を120分以上糸切れす
ることなく巻き取ることかできた。このピッチ繊維を空
気中310℃で不融化し、更に窒素中1000℃で1時
間炭化処理することにより炭素繊維を得た。得られた炭
素繊維は、繊維径7〜8μm、引張強度90〜110k
g/mm2及び引張弾性率3.5〜4.5t/mm2の
特性を有しているものであり、これは汎用炭素繊維とし
ては優れた特性である。
(実施例2) コールタール中ピッチ(軟化点が90.3°C、ベンゼ
ン不溶分が31.5重量%、キノリン不溶分が8.5重
量%)1重量部に対して、吸収油を4重量部添加し、2
00℃で混合抽出した。該溶液を遠心分離することによ
り、吸収油不溶分を分離除去した。
次いで、吸収油可溶分を温度280℃で常圧蒸留して溶
媒である吸収油を回収し、軟化点が85.3°C1TH
F不溶分が1.8重量%、ピリシン不溶分が0.4重量
%で、キノリン不溶分を全く含有しない中間ピッチを得
た。次いで得られた中間ピッチに不活性ガスを吹き込み
なから6 mmHgの減圧下、420°Cで熱処理して
汎用炭素繊維用プリカーサ−ピッチを得た。該プリカー
サ−ピッチは、ベンセン不溶分が58重量%、キノリン
不溶分が0.1重量%で、偏光顕微鏡観察において、全
面的に光学的等方性であった。またこのプリカーサ−ピ
ッチを実施例1と同様に、溶融紡糸、不融化、炭化処理
して、炭素繊維を得た。得られた炭素繊維は、繊維径8
〜9μm1引張強度100〜120kg/mm2、引張
弾性率3.8〜4.5t/mm2の特性を有しているも
のであり、これは汎用炭素繊維としては優れた特性であ
る。
(実施例3) コールタール軟ピッチ(軟化点が64.5°C、ベンセ
ン不溶分が16.9重量%、キノリン不溶分が0.2重
量%)1重量部に対して、ナフタリン油を6重量部添加
し、180℃で混合抽出した。該溶液を静置分離するこ
とにより、ナフタリン油不溶分を分離除去した。次いで
、ナフタリン油可溶分を温度260°Cで常圧蒸留して
溶媒であるナフタリン油を回収し、軟化点が68.2℃
、T)IF不溶分が0.8重量%、ピリジン不溶分が0
.2重量%で、キノリン不溶分を含有しない中間ピッチ
を得た。次いで得られた中間ピッチに不活性ガスを吹き
込みなから5mmHgの減圧下、420℃で熱処理して
汎用炭素繊維用プリカーサ−ピッチを得た。該プリカー
サ−ピッチは、ベンゼン不溶分が56.5重量%、キノ
リン不溶分を含有せず、偏光顕微鏡観察において、全面
的に光学的等方性であった。またこのプリカーサ−ピッ
チを実施例1と同様に、溶融紡糸、不融化、炭化処理し
て炭素繊維を得た。得られた炭素繊維は、繊維径9〜1
0μm、引張強度90〜110kg/mm2、引張弾性
率4.0〜4.5t/mm2の特性を有しているもので
あり、これは汎用炭素繊維としては優れた特性である。
(比較例1) コールタール中ピッチ(軟化点が75.0℃、ベンゼン
不溶分が16,0重量%、キノリン不溶分が3.2重量
%)1重量部に対して、吸収油を1重量部添加し、28
0°Cで混合抽出した。該溶液を濾過することにより、
吸収油不溶分を分離除去した。次いで、吸収油可溶分を
温度250℃で常圧蒸留して溶媒である吸収油を回収し
、軟化点が75.0°C,THF不溶分が6.2重量%
、ピリジン不溶分が2.5重量%で、キノリン不溶分を
含有しない中間ピッチを得た。次いで得られた中間ピッ
チに不活性ガスを吹き込みながら9 mmHgの減圧下
、410°Cで熱処理して、ベンゼン不溶分か64.2
重量%、キノリン不溶分が1.8重量%のピッチを得た
。該ピッチを偏光顕微鏡観察すると、直径が2〜5μm
の微小なメソフェーズか多数確認された。また、このピ
ッチを実施例1で用いた溶融紡糸装置で紡糸すると、紡
糸開始後1分でノズルが閉塞して紡糸することが不可能
となった。
(比較例2) 比較例1で用いたコールタール中ピッチ1重量部に対し
てアントラセン油(沸点範囲;280〜3200C)を
4重量部添加し、300℃で混合抽出した。
該溶液を濾過することによりアントラセン油不溶分を分
離除去した。次いで、アントラセン油可溶分を温度25
0°Cで減圧蒸留してアントラセン油を回収し、軟化点
が95°C,THF不溶分が5.8重量%、ピリジン不
溶分が3.2重量%で、キノリン不溶分を含有しない中
間ピッチを得た。次いで得られた中間ピッチに不活性ガ
スを吹き込みながら8 mmHgの減圧下、380℃で
熱処理して、ベンゼン不溶分が51.2重量%、キノリ
ン不溶分が2.3重量%で、偏光顕微鏡で観察すると1
〜4μmの微小なメソフェーズが多数含有するピッチが
得られた。また、このピッチを実施例1で用いた溶融紡
糸装置で紡糸すると、紡糸開始後30秒でノズルが閉塞
して紡糸することか不可能となった。
(実施例4) 実施例3で得られた中間ピッチ(軟化点が68.2℃、
THF不溶分が0.8重量%、ピリジン不溶分が0.2
重量%で、キノリン不溶分を含まないピッチ)を不活性
ガスを吹き込みながら5 mmHgの減圧下、各々36
0℃、400℃、480℃で熱処理して表1に示すプリ
カーサ−ピッチを得た。これらのプリカーサ−ピッチを
実施例1と同様に溶融紡糸、不融化、次いで炭化処理し
て炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の特性も表1に示
した。いづれも汎用炭素繊維として優れた特性を有する
ものである。
(比較例3) 実施例3で得られた中間ピッチ(軟化点が68.2℃、
THF不溶分が0.8重量%、ピリジン不溶分が0.2
重量%で、キノリン不溶分を含まないピッチ)を不活性
ガスを吹き込みなから5 mmHgの減圧下、各々34
0°C,510°Cで熱処理して表1に示すプリカーサ
−ピッチを得た。340℃で処理したピッチはベンゼン
不溶分が46.2重量%であり、溶融紡糸することによ
りピッチ繊維を得たものの、不融化工程において、繊維
間での融着がおこり、炭素繊維を得ることはできなかっ
た。また510℃で処理したピッチはベンゼン不溶分を
63.2重量%、キノリン不溶分を1.8重量%で、偏
光顕微鏡観察すると1〜5μmのメソフェーズが確認さ
れた。このピッチを溶融紡糸すると紡糸開始後1分でノ
ズルが閉塞して紡糸することか不可能となった。
(実施例5) 石油系クールピッチ(軟化点が108,0℃、ベンゼン
不溶分が13.0重量%、キノリン不溶分が0.8重量
%)1重量部に対して、タール軽油を2重量部添加し、
150℃で混合抽出した。該溶液を濾過することにより
、タール軽油不溶分を分離除去した。次いで、タール軽
油可溶分を温度150’Cで常圧蒸留してタール軽油を
回収し、軟化点が63.2°C1THF不溶分が0.7
重量%、ピリジン不溶分が0.2重量%で、キノリン不
溶分を含有しない中間ピッチを得た。次いで得られた中
間ピッチに不活性ガスを吹き込みなから10mrr+H
gの減圧下、42Q’Cで熱処理してベンゼン不溶分が
56.8重量%で、キノリン不溶分を含まず、偏光顕微
鏡観察において全面的に光学的等方性を示すプリカーサ
−ピッチを得た。また、このプリカーサ−ピッチを実施
例1と同様に溶融紡糸、不融化、炭化処理して繊維径9
〜10μm、引張強度90〜110kg/mm2、引張
弾性率4.0〜4.5t/mm2の炭素繊維を得た。か
かる特性は汎用炭素繊維としては優れたものである。
(発明の効果) 本発明の方法によると、原料ピッチの精製、調整を容易
に行うことかでき、重質分を含まない中間ピッチを熱処
理することによりメソフェーズを含まないプリカーサ−
ピッチを得ることかでき、また該プリカーサ−ピッチは
、紡糸性、不融化性、炭化特性に優れ、性能の優れた汎
用炭素繊維を得ることかできるという効果が得られる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、汎用炭素繊維用プリカーサーピッチを製造するにあ
    たり、コールタール軟ピッチまたは中ピッチに芳香族油
    を添加し、混合した後、芳香族油不溶分を除去し、得ら
    れた芳香族油可溶分から溶剤である芳香族油を蒸留回収
    して中間ピッチを得、得られた中間ピッチに、不活性ガ
    スを吹き込みながら10mmHg以下の減圧下、温度3
    50〜500℃で熱処理することを特徴とする汎用炭素
    繊維用プリカーサーピッチの製造方法。 2、前記芳香族油が、タール軽油、カルボル油、ナフタ
    リン油、吸収油であることを特徴とする請求項1記載の
    方法。 3、前記芳香族油と原料ピッチとの添加混合及び続いて
    行う除去を2〜10の混合比(芳香族油/原料ピッチ)
    で、芳香族油の沸点以下の温度で行うことを特徴とする
    請求項1又は2記載の方法。 4、上記中間ピッチの軟化点が60〜100℃、テトラ
    ヒドロフラン不溶分の含有量が2重量%以下、ピリジン
    不溶分の含有量が0.5重量%以下、キノリン不溶分の
    含有量が0.01重量%以下であることを特徴とする請
    求項1記載の方法。 5、汎用炭素繊維用プリカーサーピッチが、ベンゼン不
    溶分の含有量が50〜60重量%、キノリン不溶分の含
    有量が0.5重量%以下で、光学的に全体が等方性を示
    す請求項1記載の方法。
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JP12529790A Pending JPH0424217A (ja) 1990-05-17 1990-05-17 汎用炭素繊維用プリカーサーピッチの製造方法

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JP (1) JPH0424217A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104004538A (zh) * 2014-04-11 2014-08-27 郑州大学 煤焦油精制炭材料原料的综合利用工艺
CN104004537A (zh) * 2014-04-11 2014-08-27 郑州大学 煤沥青精制炭材料原料的综合利用工艺

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104004538A (zh) * 2014-04-11 2014-08-27 郑州大学 煤焦油精制炭材料原料的综合利用工艺
CN104004537A (zh) * 2014-04-11 2014-08-27 郑州大学 煤沥青精制炭材料原料的综合利用工艺

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