JPH0362196B2 - - Google Patents

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JPH0362196B2
JPH0362196B2 JP58237885A JP23788583A JPH0362196B2 JP H0362196 B2 JPH0362196 B2 JP H0362196B2 JP 58237885 A JP58237885 A JP 58237885A JP 23788583 A JP23788583 A JP 23788583A JP H0362196 B2 JPH0362196 B2 JP H0362196B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pitch
heat treatment
quinoline
soluble
content
Prior art date
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Expired - Lifetime
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JP58237885A
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English (en)
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JPS60130676A (ja
Inventor
Masaaki Itoi
Taizo Sugioka
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Priority to JP58237885A priority Critical patent/JPS60130676A/ja
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  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Working-Up Tar And Pitch (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は炭素材用ピツチの製造方法に関し、詳
しくは均質で紡糸性がよく炭素材料、特に炭素繊
維の製造に好適なピツチの製造方法に関する。 炭素繊維はプラスチツクや金属の複合材料とし
て従来から知られており、その性能は高く評価さ
れている。これまで炭素繊維はポリアクリロニト
リル繊維を原料として製造されてきたが、原料が
高価である上に炭化収率が低いという問題があつ
た。このため、近年は炭化収率の良いピツチを原
料とする炭素繊維の製法方法が数多く提案されて
いる。 しかしながら、たとえばピツチを加熱処理して
得たメソ相が40〜90%のピツチを用いる方法で
は、メソ相ピツチと等方性ピツチの混合物とな
り、両者の相溶性が悪いため均一な紡糸が困難で
あるという欠点がある。また、同様な加熱処理に
よつて得た本質的にメソ相100%のピツチを用い
る方法では、軟化点が高く紡糸し難いという問題
がある。 このような問題点を解決する方法が種々提案さ
れているが、未だ充分に満足しうる方法が見出さ
れていない。本発明は従来このような問題点を解
消し、熱処理時間が短時間で済み、しかも均質で
紡糸性がよく炭素材料、特に炭素繊維の製造に好
適なピツチの製造方法を提供することを目的とす
るものである。 すなわち本発明は、石油系重質油を熱処理する
ことにより炭素材用ピツチを製造する方法におい
て、熱処理を二段階で行ない、第一段熱処理で生
成した等方性ピツチを溶剤処理によりトルエンに
不溶でかつキノリンに可溶なピツチの含有量が50
〜95重量%のピツチとし、次いでこのピツチを第
二段階熱処理することを特徴とする炭素材用ピツ
チの製造方法を提供するものである。 本発明の方法に用いる原料油は、石油系重質油
である。ここで石油系重質油としては様々なもの
が挙げられるが、特に接触分解残渣油、熱分解残
渣油などの芳香族炭化水素に富む重質油が好適で
ある。 本発明においては、上記石油系重質油をまず第
一段熱処理する。 この第一段熱処理は、常圧または減圧下におい
て400〜500℃の温度に加熱することにより行な
う。また、この第一段熱処理は窒素ガスなど不活
性ガスの流通下に行なうことが好ましい。なお、
熱処理時間は通1〜12時間、好ましくは1〜5時
間である。 次に、上記の第一段熱処理で生成したピツチを
等方性ピツチとメソ相ピツチに分離する。この等
方性ピツチとメソ相ピツチとの分離は比重差分離
により行なつてもよく、あるいは溶剤を用いて行
なつてもよい。ここで比重差分離はメソ相含有ピ
ツチの軟化点以上、通常250〜430℃の温度で0.5
〜2時間静置することにより行なわれる。 このようにして得られた等方性ピツチを溶剤処
理する。この溶剤処理は、まずトルエンで、次い
でキノリンで処理することにより行なわれる。す
なわち、まず等方性ピツチとトルエンを混合、撹
拌後、固液分離により固形分、換言すれば実質的
にトルエン不溶分を別して取出す。このトルエ
ン不溶分にはトルエン可溶部が一部含有されてい
てもよく、トルエンの使用割合や処理条件等でト
ルエン不溶分の含有量を調整することができる。
次いで、取出された固形分にキノリンを加えて撹
拌し、キノリン不溶分を別除去してキノリン可
溶分を採取する。 このようにして採取されたキノリン可溶分より
キノリンを蒸発除去することによつてトルエンに
不溶で、かつキノリンに可溶なピツチの含有量が
50〜95重量%のピツチを得る。ここでトルエンに
不溶で、かつキノリンに可溶なピツチの含有量が
50重量%未満であると、後記する第二段熱処理に
おける熱処理時間が長くなるため、生産性が低下
する。一方、95重量%を超えると、紡糸性が悪化
するので好ましくない。 また、このピツチにはキノリンに可溶があつ
て、かつトルエンにも可溶なものが5〜50重量%
含有されている。 さらに、このようにして得られたトリエンに不
溶で、かつキノリンに可溶なピツチの含有量が50
〜95重量%のピツチを第二段熱処理する。この第
二段熱処理は常圧下、400〜500℃の温度に加熱す
ることにより行なう。なお熱処理時間は通常1分
間〜1時間である。この第二段熱処理により実質
的に100%メソ相ピツチを得ることができる。 本発明によれば均質で紡糸性のよい実質的に
100%メソ相ピツチを得ることができる。しかも、
製法上からは熱処理時間が短時間で済むなどの特
色がある。 したがつて、本発明の方法によつて得られるピ
ツチは炭素材料、例えば繊維、フイラメント、ヤ
ーン、フイルム、バインダーの原料、とりわけ炭
素繊維の原料として好適に用いられる。 次に本発明を実施例により詳細に説明する。 実施例 1 軽油の流動接触分解装置からの残渣油を減圧蒸
留して得た残油3500gを5の反応器に仕込み、
窒素気流下に10mmHgの減圧下、420℃において
2.5時間熱処理(第一段熱処理)することにより、
1012gのピツチを得た(収率29%)。得られたピ
ツチを直径50mm、長さ200mmの試験管に入れ、380
℃において1時間静置し、下方からメソ相ピツチ
を抜出すことにより、等方性ピツチとメソ相ピツ
チを分離した。得られた等方性ピツチを粉砕し、
ピツチ粉末190gとトルエン700mlを1のフラス
コに入れ、80℃に昇温して撹拌後、固液分離によ
り固形分を別して取立した。この固形分に対し
てさらにキノリン300mlを加えて100℃において撹
拌し、キノリン不溶分を別除去してキノリン可
溶分を取出し、さらにキノリンを蒸発除去するこ
とによつて、トルエンに不溶で、かつキノリンに
可溶なピツチの含有量が88.7重量%のピツチを得
た。なお、この含有量の測定はJIS K2425に準拠
して行なつた。また、キノリンに可溶であつて、
かつトルエンに可溶なピツチの含有量は11.3重量
%であつた。 このようにして得られたピツチを窒素気流下、
420℃において5分間熱処理(第二段熱処理)す
ることによつて速やかに実質的に100%のメソ相
ピツチが得られた。なお、ここで得られたメソ相
ピツチのキノリン不溶分を測定したところ23.4重
量%であつた。 得られたピツチを孔径0.5mmの口金から紡糸温
度350℃、巻取速度660m/分の条件で溶融紡糸
し、不融化処理をした後、1500℃において焼成し
炭素繊維を得た。得られた炭素繊維についてその
物性を測定した結果を第1表に示す。 実施例 2 実施例1において、第二段熱処理の熱処理時間
を30分間としたこと以外は実施例1と同様にして
実質的に100%のメソ相ピツチを得、炭素繊維を
製造した。得られた炭素繊維についてその物性を
測定した結果を第1表に示す。 実施例 3 実施例1において、第二段熱処理の熱処理時間
を1時間としたこと以外は実施例1と同様にして
実質的に100%のメソ相ピツチを得、炭素繊維を
製造した。得られた炭素繊維についてその物性を
測定した結果を第1表に示す。 比較例 1 実施例1における第一段熱処理後に静置分離し
て抜出されたメソ相ピツチを用い、実施例1と同
様にして炭素繊維を製造した。得られた炭素繊維
についてその物性を測定した結果を第1表に示
す。 比較例 2 実施例1における溶剤処理をトルエン1400mlを
用いて行なうことによりトルエンに不溶で、かつ
キノリンに可溶なピツチの含有量が98重量%であ
り、キノリンに可溶であつて、かつトルエンに可
溶なピツチの含有量が2重量%のピツチを得た。
ここで得られたピツチについて実施例1と同様に
熱処理してメソ相ピツチを得た。得られたメソ相
ピツチは軟化点が高く、紡糸が困難であつた。 比較例 3 実施例1における溶剤処理をトルエン100mlを
用いて行なうことによりトルエンに不溶で、かつ
キノリンに可溶なピツチの含有量が40重量%であ
り、キノリンに可溶であつて、かつトルエンに可
溶なピツチの含有量が60重量%のピツチを得た。
ここで得られたピツチについて実施例1と同様に
して第二段熱処理を施したが、この熱処理による
メソ相ピツチへの転化に6時間を要した。 【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 石油系重質油を熱処理することにより炭素材
    用ピツチを製造する方法において、熱処理を二段
    階で行ない、第一段熱処理で生成した等方性ピツ
    チを溶剤処理によりトリエンに不溶で、かつキノ
    リンに可溶なピツチの含有量が50〜95重量%のピ
    ツチとし、次いでこのピツチを第二段熱処理する
    ことを特徴とする炭素材用ピツチの製造方法。 2 第一段熱処理を常圧または減圧下、400〜500
    ℃の温度で1〜12時間行なうものである特許請求
    の範囲第1項記載の製造方法。 3 第二段熱処理を常圧下、400〜500℃の温度で
    1分間〜1時間行なうものである特許請求の範囲
    第1項記載の製造方法。
JP58237885A 1983-12-19 1983-12-19 炭素材用ピツチの製造方法 Granted JPS60130676A (ja)

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JP58237885A JPS60130676A (ja) 1983-12-19 1983-12-19 炭素材用ピツチの製造方法

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JPS60130676A JPS60130676A (ja) 1985-07-12
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JPS60202189A (ja) * 1984-03-26 1985-10-12 Idemitsu Kosan Co Ltd 炭素材用ピッチの製造方法

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JPS60130676A (ja) 1985-07-12

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