JPH0574820A - トランジスタ及び結晶成長方法 - Google Patents
トランジスタ及び結晶成長方法Info
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- JPH0574820A JPH0574820A JP23307691A JP23307691A JPH0574820A JP H0574820 A JPH0574820 A JP H0574820A JP 23307691 A JP23307691 A JP 23307691A JP 23307691 A JP23307691 A JP 23307691A JP H0574820 A JPH0574820 A JP H0574820A
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- inalas
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- inp substrate
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 InAlAsバッファ層とInP基板との界
面構造に改良を加え、特性を向上する。また、高抵抗で
安定なInAlAs層の形成を可能にする。 【構成】 InP基板1と高抵抗InAlAsバッファ
層3との間にInAlAs保護層2を設ける。InAl
As保護層は、InP基板1の自然酸化膜除去温度と同
じ温度で形成する。
面構造に改良を加え、特性を向上する。また、高抵抗で
安定なInAlAs層の形成を可能にする。 【構成】 InP基板1と高抵抗InAlAsバッファ
層3との間にInAlAs保護層2を設ける。InAl
As保護層は、InP基板1の自然酸化膜除去温度と同
じ温度で形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速に動作するトラン
ジスタ及びこのトランジスタの製造に用いることのでき
るInP基板上に高抵抗のInAlAsのエピタキシャ
ル層を形成するための結晶成長方法に関する。
ジスタ及びこのトランジスタの製造に用いることのでき
るInP基板上に高抵抗のInAlAsのエピタキシャ
ル層を形成するための結晶成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高速動作トランジスタ実現のため
に、InAlAs/InGaAs積層膜を用いたトラン
ジスタの研究が活発に行われている。これは、InAl
As層がInGaAs層により形成されるチャネルに対
して、十分高抵抗のバッファ層となるからであり、また
InAlAs層はInGaAs層に比して十分電子親和
力が小さく、禁制幅が大きくなるからである。
に、InAlAs/InGaAs積層膜を用いたトラン
ジスタの研究が活発に行われている。これは、InAl
As層がInGaAs層により形成されるチャネルに対
して、十分高抵抗のバッファ層となるからであり、また
InAlAs層はInGaAs層に比して十分電子親和
力が小さく、禁制幅が大きくなるからである。
【0003】このInAlAs/InGaAs積層膜は
InP基板上にInAlAs層がエピタキシャル成長さ
れ、この上にInGaAs層がエピタキシャル成長され
て作製される。この際、InP基板には例えば以下のよ
うな前処理が施される。
InP基板上にInAlAs層がエピタキシャル成長さ
れ、この上にInGaAs層がエピタキシャル成長され
て作製される。この際、InP基板には例えば以下のよ
うな前処理が施される。
【0004】すなわち、InP基板を導入室より分子線
エピタキシ装置に導入され、直ちに高真空下の予備室に
導入されて約300℃予備加熱が施される。これは、I
nP基板表面に物理的に吸着したH2O等の不純物を取
り除くためである。予備加熱を終えたInP基板は、高
真空下の通路を通り、高真空下の成長室に導入される。
成長室に導入されたInP基板は、大気中あるいはエッ
チング作業中に形成された自然酸化膜に覆われている。
しかし、この酸化膜は予備室での予備加熱では取り除く
ことができない。このためInP基板は清浄表面を得る
ために更に成長室内でAs4分子線を基板表面に照射さ
れながらより高温の約560℃で一定時間加熱される。
これはInP基板は、酸化膜を取り除くためにInPの
分解温度以上の温度に加熱する必要があるためである。
従って、InP基板表面の酸化膜除去の際InPは分解
される。その結果蒸気圧の高いPのみが蒸発し、Inが
析出される結果となる。このため基板表面にAs4分子
線が照射されるようにしておき、P原子が抜けた格子位
置をAs原子が埋めることによりInの析出を防ぎなが
ら基板の自然酸化膜を除去し清浄表面を得ている。次い
で、このInP基板上にInAlAs層がエピタキシャ
ル成長される。
エピタキシ装置に導入され、直ちに高真空下の予備室に
導入されて約300℃予備加熱が施される。これは、I
nP基板表面に物理的に吸着したH2O等の不純物を取
り除くためである。予備加熱を終えたInP基板は、高
真空下の通路を通り、高真空下の成長室に導入される。
成長室に導入されたInP基板は、大気中あるいはエッ
チング作業中に形成された自然酸化膜に覆われている。
しかし、この酸化膜は予備室での予備加熱では取り除く
ことができない。このためInP基板は清浄表面を得る
ために更に成長室内でAs4分子線を基板表面に照射さ
れながらより高温の約560℃で一定時間加熱される。
これはInP基板は、酸化膜を取り除くためにInPの
分解温度以上の温度に加熱する必要があるためである。
従って、InP基板表面の酸化膜除去の際InPは分解
される。その結果蒸気圧の高いPのみが蒸発し、Inが
析出される結果となる。このため基板表面にAs4分子
線が照射されるようにしておき、P原子が抜けた格子位
置をAs原子が埋めることによりInの析出を防ぎなが
ら基板の自然酸化膜を除去し清浄表面を得ている。次い
で、このInP基板上にInAlAs層がエピタキシャ
ル成長される。
【0005】このInAlAs層はInP基板との格子
整合を図るために、通常AlAsの組成比が0.48と
なるように選ばれる。そして、このようにAlAsの組
成比が高い場合には、基板温度が一定温度以上になると
分子線エピタキシャル法による成長中にAlがnTyp
eの不純物を取り込んでInAlAs層がn型となるの
で、基板温度はあまり高くならないように設定される。
整合を図るために、通常AlAsの組成比が0.48と
なるように選ばれる。そして、このようにAlAsの組
成比が高い場合には、基板温度が一定温度以上になると
分子線エピタキシャル法による成長中にAlがnTyp
eの不純物を取り込んでInAlAs層がn型となるの
で、基板温度はあまり高くならないように設定される。
【0006】例えば、図6に示すように、約560℃に
加熱されて自然酸化膜の除去されたInP基板が、In
AlAs層の最適成長温度(図では350℃)まで冷却
され、この後、InとAlのシャッタが開けられた基板
にInとAlの分子線が照射されてInAlAs層がエ
ピタキシャル成長される。尚、Asの供給は先のAs4
分子線がそのまま用いられる。
加熱されて自然酸化膜の除去されたInP基板が、In
AlAs層の最適成長温度(図では350℃)まで冷却
され、この後、InとAlのシャッタが開けられた基板
にInとAlの分子線が照射されてInAlAs層がエ
ピタキシャル成長される。尚、Asの供給は先のAs4
分子線がそのまま用いられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図6に示した従来方法
を用いると、AlがnTypeの不純物を取り込むのを
防ぐことができて、十分に高抵抗のInAlAs膜が得
られる。しかしながら、InP基板を冷却していくと、
十分高温であった場合には基板から解離していた浮遊不
純物が、基板温度の低下と共に解離できなくなって冷却
中にInP基板上に物理吸着される。また、酸化膜の除
去されたInP基板表面から2〜3分子層では、Pが抜
けた後をAsが置換することでInAsが形成されてお
り、基板表面は非常に不安定な状態となる。
を用いると、AlがnTypeの不純物を取り込むのを
防ぐことができて、十分に高抵抗のInAlAs膜が得
られる。しかしながら、InP基板を冷却していくと、
十分高温であった場合には基板から解離していた浮遊不
純物が、基板温度の低下と共に解離できなくなって冷却
中にInP基板上に物理吸着される。また、酸化膜の除
去されたInP基板表面から2〜3分子層では、Pが抜
けた後をAsが置換することでInAsが形成されてお
り、基板表面は非常に不安定な状態となる。
【0008】このようなことから、図6に示した従来の
方法では非常に不安定なInP表面層に浮遊不純物が吸
着することになって、エピタキシャル層と基板との界面
に非常に不安定な層が挿入されることになり、InAl
As層の上に2次元電子ガスが蓄積されるような積層構
造をエピタキシャル成長した場合に、電子濃度・電子移
動度の高い2次元電子ガスが再現良く得られないという
問題が生じる。
方法では非常に不安定なInP表面層に浮遊不純物が吸
着することになって、エピタキシャル層と基板との界面
に非常に不安定な層が挿入されることになり、InAl
As層の上に2次元電子ガスが蓄積されるような積層構
造をエピタキシャル成長した場合に、電子濃度・電子移
動度の高い2次元電子ガスが再現良く得られないという
問題が生じる。
【0009】そこで、図7に示すように約560℃に加
熱してInP基板の自然酸化膜を除去した後、すぐに、
InとAlのシャッタを開けてInAlAs層のエピタ
キシャル成長を開始し、これと同時にInP基板を35
0℃になるように冷却する方法を用いてきた。この方法
によって、冷却中にInP基板上に不純物が吸着される
ことがなく、InAlAs層のエピタキシャル成長層を
冷却中に形成される下層はnTypeとなるものの、実
質的にバッファ層となる上層部は低温で成長されるの
で、上層では高抵抗のInAlAs層が得られるように
なった。
熱してInP基板の自然酸化膜を除去した後、すぐに、
InとAlのシャッタを開けてInAlAs層のエピタ
キシャル成長を開始し、これと同時にInP基板を35
0℃になるように冷却する方法を用いてきた。この方法
によって、冷却中にInP基板上に不純物が吸着される
ことがなく、InAlAs層のエピタキシャル成長層を
冷却中に形成される下層はnTypeとなるものの、実
質的にバッファ層となる上層部は低温で成長されるの
で、上層では高抵抗のInAlAs層が得られるように
なった。
【0010】しかしながら、このようにして作製された
InAlAs層上にInGaAs層を形成して作製され
る高電子移動度トランジスタも十分に満足する特性を示
さない。例えば、ドレイン電流遮断が不十分であった
り、IーV特性曲線にKinkが生じたりする。ところ
が、これまでは何故このような素子特性の不良が生じる
のか、その原因が不明であった。そこで、素子構造を更
に検討した結果、InAlAsにより形成されるバッフ
ァ層部分に改良を加えると上記素子特性の不良がなくな
ることがわかった。
InAlAs層上にInGaAs層を形成して作製され
る高電子移動度トランジスタも十分に満足する特性を示
さない。例えば、ドレイン電流遮断が不十分であった
り、IーV特性曲線にKinkが生じたりする。ところ
が、これまでは何故このような素子特性の不良が生じる
のか、その原因が不明であった。そこで、素子構造を更
に検討した結果、InAlAsにより形成されるバッフ
ァ層部分に改良を加えると上記素子特性の不良がなくな
ることがわかった。
【0011】以上に鑑み、本発明は、InP基板とIn
AlAsバッファ層との界面構造に改良を加えることに
より、動作特性の良好なトランジスタを提供することを
目的とし、また、このようなトランジスタの作製を可能
とする結晶成長方法を提供することを目的とする。
AlAsバッファ層との界面構造に改良を加えることに
より、動作特性の良好なトランジスタを提供することを
目的とし、また、このようなトランジスタの作製を可能
とする結晶成長方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のトランジスタ
は、InP基板上にInAlAsの保護層が形成され、
該保護層上にInAlAsの高抵抗バッファ層が形成さ
れ、該バッファ層上にチャネル層が形成されていること
を特徴とする。
は、InP基板上にInAlAsの保護層が形成され、
該保護層上にInAlAsの高抵抗バッファ層が形成さ
れ、該バッファ層上にチャネル層が形成されていること
を特徴とする。
【0013】上記InAlAsの保護層は、好ましくは
100Å以下の厚みとするのが良い。
100Å以下の厚みとするのが良い。
【0014】上記保護層は、InP基板の自然酸化膜が
加熱除去された後すぐに形成されたものが良く、従っ
て、通常n−Typeとなる。
加熱除去された後すぐに形成されたものが良く、従っ
て、通常n−Typeとなる。
【0015】本発明の結晶成長方法は、InP基板を加
熱して自然酸化膜を除去し、該自然酸化膜除去時の温度
を維持したままで分子線エピタキシャル法を用いてIn
AlAsの保護層を形成し、該InAlAsの保護層の
形成されたInP基板の温度を高抵抗InAlAs層の
成長適温度にまで下げ、該成長温度に達した後、上記I
nAlAsの保護層上に高抵抗InAlAs層をエピタ
キシャル成長させることを特徴とする。
熱して自然酸化膜を除去し、該自然酸化膜除去時の温度
を維持したままで分子線エピタキシャル法を用いてIn
AlAsの保護層を形成し、該InAlAsの保護層の
形成されたInP基板の温度を高抵抗InAlAs層の
成長適温度にまで下げ、該成長温度に達した後、上記I
nAlAsの保護層上に高抵抗InAlAs層をエピタ
キシャル成長させることを特徴とする。
【0016】上記自然酸化膜除去のための基板温度は約
560℃が良く、高抵抗InAlAs層成長時の基板温
度は約350℃が良い。また、保護層厚は100Å以下
とするのが良い。
560℃が良く、高抵抗InAlAs層成長時の基板温
度は約350℃が良い。また、保護層厚は100Å以下
とするのが良い。
【0017】
【作用】本発明のトランジスタでは、InP基板上に形
成されるInAlAsの保護層が、InP基板表面を安
定に保つとともにInP基板上への不純物の付着を防ぐ
とともに、この上に形成されるInAlAsのバッファ
層の働きを良好にしてチャネル層内への電子の閉じ込め
を十分にするように働く。この作用は、保護層厚が10
0Å以下で特に有効に働く。
成されるInAlAsの保護層が、InP基板表面を安
定に保つとともにInP基板上への不純物の付着を防ぐ
とともに、この上に形成されるInAlAsのバッファ
層の働きを良好にしてチャネル層内への電子の閉じ込め
を十分にするように働く。この作用は、保護層厚が10
0Å以下で特に有効に働く。
【0018】本発明の結晶成長方法では、InP基板の
自然酸化膜が除去された後、基板温度を低下させること
なくInAlAsの保護層が形成されるため、InP基
板界面付近への不純物の取り込みが少ない状態で保護層
が形成されるため、より良好な保護層となる。
自然酸化膜が除去された後、基板温度を低下させること
なくInAlAsの保護層が形成されるため、InP基
板界面付近への不純物の取り込みが少ない状態で保護層
が形成されるため、より良好な保護層となる。
【0019】また、保護層がこの後の基板冷却時に、I
nP基板表面への不純物の付着を防ぎ、InAlAs保
護層表面への不純物の付着も少ない。また保護層表面が
不安定となることもない。従って、高抵抗で、この上に
形成される動作層に悪影響を与えることのない安定なI
nAlAs層が形成される。
nP基板表面への不純物の付着を防ぎ、InAlAs保
護層表面への不純物の付着も少ない。また保護層表面が
不安定となることもない。従って、高抵抗で、この上に
形成される動作層に悪影響を与えることのない安定なI
nAlAs層が形成される。
【0020】
【実施例】図1及び図2を用いた実施例により本発明の
トランジスタ及び結晶成長方法をさらに説明する。図1
は本実施例トランジスタの断面構造図、図2は本実施例
成長方法を説明する基板温度プロファイル図である。以
下、製造工程に従って説明する。
トランジスタ及び結晶成長方法をさらに説明する。図1
は本実施例トランジスタの断面構造図、図2は本実施例
成長方法を説明する基板温度プロファイル図である。以
下、製造工程に従って説明する。
【0021】Fe添加半絶縁性InP基板1は、通常の
方法で脱脂、エッチングされ、分子線エピタキシャル装
置に導入される。その後半絶縁性InP基板は、高真空
(1×10-9Torr)下の予備室で300℃で予備加
熱され、比較的低温で解離可能な不純物が除去される。
その後、InP基板1は、高真空(1×10-10Tor
r)下の成長室に導入される。このときのInP基板1
の温度は、室温程度までに降温されている。なお、成長
に用いられる各ソース材料のセルは成長速度が約1μm
/hrに、分子線比As/(In+Al or Ga)
は約7となるようにセル温度を設定している。以下の基
板温度に関しての記述は、分子線エピタキシャル装置内
の絶対温度の測定が不可能なため、基板の投入電力、熱
電対出力電圧、放射温度計からの測定である。
方法で脱脂、エッチングされ、分子線エピタキシャル装
置に導入される。その後半絶縁性InP基板は、高真空
(1×10-9Torr)下の予備室で300℃で予備加
熱され、比較的低温で解離可能な不純物が除去される。
その後、InP基板1は、高真空(1×10-10Tor
r)下の成長室に導入される。このときのInP基板1
の温度は、室温程度までに降温されている。なお、成長
に用いられる各ソース材料のセルは成長速度が約1μm
/hrに、分子線比As/(In+Al or Ga)
は約7となるようにセル温度を設定している。以下の基
板温度に関しての記述は、分子線エピタキシャル装置内
の絶対温度の測定が不可能なため、基板の投入電力、熱
電対出力電圧、放射温度計からの測定である。
【0022】その後半絶縁性InP基板1は300℃程
度まで温度勾配が一定になるように昇温される。基板面
内で温度が一定になるようにその温度で基板温度は約8
分間保持される。時間経過後、基板温度を再び温度勾配
一定に上昇させる。その際に2×10-5Torr程度の
As4分子線を基板に照射しておく。基板温度が560
℃迄上昇したら、その温度で約3分間保持する。通常は
この間にInP基板1の自然酸化膜は、完全に除去され
ている。
度まで温度勾配が一定になるように昇温される。基板面
内で温度が一定になるようにその温度で基板温度は約8
分間保持される。時間経過後、基板温度を再び温度勾配
一定に上昇させる。その際に2×10-5Torr程度の
As4分子線を基板に照射しておく。基板温度が560
℃迄上昇したら、その温度で約3分間保持する。通常は
この間にInP基板1の自然酸化膜は、完全に除去され
ている。
【0023】その後も基板温度をそのまま保持し、In
とAlのシャッタを開けて、InとAlの分子線を基板
に照射することにより100ÅInAlAs保護層2を
成長する。
とAlのシャッタを開けて、InとAlの分子線を基板
に照射することにより100ÅInAlAs保護層2を
成長する。
【0024】100Å成長したらInとAlのシャッタ
を閉じ、基板に照射されていた分子線を遮断することに
より成長中断をする。その間に基板温度を350℃に変
える。その後、基板温度が350℃±3℃程度になるま
でAs4分子線を基板に照射しつつ成長中断を継続す
る。
を閉じ、基板に照射されていた分子線を遮断することに
より成長中断をする。その間に基板温度を350℃に変
える。その後、基板温度が350℃±3℃程度になるま
でAs4分子線を基板に照射しつつ成長中断を継続す
る。
【0025】基板温度が350℃±3℃程度になった
ら、InとAl分子線を基板に照射し、約3800Å程
度基板温度を固定しInAlAs層3を成長する。38
00Å程度成長したら、再びInとAlの分子線を遮断
することにより成長中断する。その間に基板温度を再び
520℃程度に変える。基板温度が520℃±3℃程度
になるまで成長中断を継続する。基板温度が520℃±
3℃程度になったら、InとAl分子線を基板に照射
し、約100Å程度意図的に不純物を添加しないInA
lAs層4を成長する。
ら、InとAl分子線を基板に照射し、約3800Å程
度基板温度を固定しInAlAs層3を成長する。38
00Å程度成長したら、再びInとAlの分子線を遮断
することにより成長中断する。その間に基板温度を再び
520℃程度に変える。基板温度が520℃±3℃程度
になるまで成長中断を継続する。基板温度が520℃±
3℃程度になったら、InとAl分子線を基板に照射
し、約100Å程度意図的に不純物を添加しないInA
lAs層4を成長する。
【0026】次に基板温度を520℃に固定したまま、
通常の方法でInAlAsチャネル層5を200Å、I
nAlAsスペーサ層6を15Å、Siドープ(1×1
019cm-3)されたn型InAlAs電子供給層7を5
0Å、InAlAsショットキー電極形成層8を300
Å、Siドープ(1×1019cm-3)されたn型InG
aAsオーミック電極形成層9を100Å積層する。こ
れらの各層は、InP基板に格子整合するようにInG
aAs、InAlAs各層の組成は、In0.53Ga0.47
As、In0.52Al0.48とした。
通常の方法でInAlAsチャネル層5を200Å、I
nAlAsスペーサ層6を15Å、Siドープ(1×1
019cm-3)されたn型InAlAs電子供給層7を5
0Å、InAlAsショットキー電極形成層8を300
Å、Siドープ(1×1019cm-3)されたn型InG
aAsオーミック電極形成層9を100Å積層する。こ
れらの各層は、InP基板に格子整合するようにInG
aAs、InAlAs各層の組成は、In0.53Ga0.47
As、In0.52Al0.48とした。
【0027】本実施例の高電子移動度トランジスタで
は、InGaAsチャネル層5におけるInAlAsス
ペーサ層6との界面近傍に2次元電子ガス層が形成され
る。なお、基板温度を350℃から520℃にまで変化
させて成長したのは、InAlAs電子供給層5のドー
ピング特性を安定化させるためである。
は、InGaAsチャネル層5におけるInAlAsス
ペーサ層6との界面近傍に2次元電子ガス層が形成され
る。なお、基板温度を350℃から520℃にまで変化
させて成長したのは、InAlAs電子供給層5のドー
ピング特性を安定化させるためである。
【0028】このようにして作製したトランジスタで
は、ドレイン電流遮断不良及びエーレ曲線Kinkが生
じなかった。
は、ドレイン電流遮断不良及びエーレ曲線Kinkが生
じなかった。
【0029】図3に本実施例と同条件でInP基板上に
1μmの厚さに形成したInAlAs層中の不純物濃度
の深さ方向分布の測定結果を示す。尚、1μmのうち1
00ÅはInAlAs保護層である。図4に比較のため
に図7に示した方法を用いて保護層を設けることなくI
nAlAs層を1μmの厚さに形成した場合の同様の測
定結果を示す。
1μmの厚さに形成したInAlAs層中の不純物濃度
の深さ方向分布の測定結果を示す。尚、1μmのうち1
00ÅはInAlAs保護層である。図4に比較のため
に図7に示した方法を用いて保護層を設けることなくI
nAlAs層を1μmの厚さに形成した場合の同様の測
定結果を示す。
【0030】図からわかるように、図7に示した方法で
作製したものでは、表面から1μmの位置の基板界面付
近で不純物濃度が非常に大きくなっており、基板から約
0.2μmの位置まで不純物の高濃度領域が存在し、こ
れに対して本実施例の方法で作製したものでは、不純物
の高濃度領域が存在していないことがわかる。
作製したものでは、表面から1μmの位置の基板界面付
近で不純物濃度が非常に大きくなっており、基板から約
0.2μmの位置まで不純物の高濃度領域が存在し、こ
れに対して本実施例の方法で作製したものでは、不純物
の高濃度領域が存在していないことがわかる。
【0031】図5に本実施例のトランジスタにおいて、
InAlAs層の厚みを50Å,100Å,150Åと
変えた場合の2次元電子ガス濃度とその電子移動度を示
した。尚、比較のために保護層を形成しない従来のトラ
ンジスタについての値も併記した。
InAlAs層の厚みを50Å,100Å,150Åと
変えた場合の2次元電子ガス濃度とその電子移動度を示
した。尚、比較のために保護層を形成しない従来のトラ
ンジスタについての値も併記した。
【0032】同図から、本実施例のトランジスタでは2
次元電子ガスの特性が向上していることがわかる。ま
た、同図から保護層厚は100Å以下とするのが良いこ
とがわかった。
次元電子ガスの特性が向上していることがわかる。ま
た、同図から保護層厚は100Å以下とするのが良いこ
とがわかった。
【0033】
【発明の効果】本発明のトランジスタによれば、例えば
ドレイン電流遮断不良及びIーV曲線のKinkの発生
を防止でき、特性良好なトランジスタが得られる。
ドレイン電流遮断不良及びIーV曲線のKinkの発生
を防止でき、特性良好なトランジスタが得られる。
【0034】また、本発明の結晶成長方法によれば、本
発明トランジスタで用いられるInAlAs保護層及び
InAlAsバッファ層を特性良く作製できる。また、
このInAlAs層上に2次元電子ガス構造を形成する
と、2次元電子ガスの電子移動度、電子濃度を大きくで
き、さらに安定にできる。
発明トランジスタで用いられるInAlAs保護層及び
InAlAsバッファ層を特性良く作製できる。また、
このInAlAs層上に2次元電子ガス構造を形成する
と、2次元電子ガスの電子移動度、電子濃度を大きくで
き、さらに安定にできる。
【0035】尚、本発明のトランジスタの構造は高電子
移動度トランジスタ、MESFET等広くトランジスタ
に利用でき、本発明の結晶成長方法は、InP基板上に
高抵抗で安定なInAlAs層をエピタキシャル成長す
る方法として広く利用できる。
移動度トランジスタ、MESFET等広くトランジスタ
に利用でき、本発明の結晶成長方法は、InP基板上に
高抵抗で安定なInAlAs層をエピタキシャル成長す
る方法として広く利用できる。
【図1】本発明実施例のトランジスタの概略断面構造図
である。
である。
【図2】本発明実施例の結晶成長方法を説明する温度プ
ロファイル図である。
ロファイル図である。
【図3】実施例InAlAs不純物濃度深さ方向分布を
示す図である。
示す図である。
【図4】比較例InAlAs層の不純物濃度深さ方向分
布を示す図である。
布を示す図である。
【図5】InAlAs保護層厚と2次元電子ガス特性と
の関係を示す図である。
の関係を示す図である。
【図6】従来の結晶成長方法を説明する温度プロファイ
ル図である。
ル図である。
【図7】本発明以前の結晶成長方法を説明する温度プロ
ファイル図である。
ファイル図である。
1 InP基板 2 InAlAs保護層 3 InAlAs層 4 InAlAs層 5 InGaAsチャネル層 6 InAlAsスペーサ層 7 InAlAs電子供給層 8 InAlAsショットキー電極形成層 9 InGaAsオーミック電極形成層
Claims (3)
- 【請求項1】 InP基板上にInAlAsの保護層が
形成され、該保護層上にInAlAsの高抵抗バッファ
層が形成され、該バッファ層上にチャネル層が形成され
ていることを特徴とするトランジスタ。 - 【請求項2】 上記保護層厚が100Å以下であること
を特徴とする請求項1のトランジスタ。 - 【請求項3】 InP基板を加熱して自然酸化膜を除去
し、 上記InP基板の温度を上記自然酸化膜除去時の温度に
維持して分子線エピタキシャル法を用いてInAlAs
を成長して保護層を形成し、 該保護層の形成されたInP基板の温度を高抵抗InA
lAs層の分子線エピタキシャル成長に適した温度にま
で降温し、 該成長温度に達した後、上記保護層上に高抵抗InAl
As層を分子線エピタキシャル成長により形成すること
を特徴とする結晶成長方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23307691A JP3205575B2 (ja) | 1991-09-12 | 1991-09-12 | トランジスタ及び結晶成長方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23307691A JP3205575B2 (ja) | 1991-09-12 | 1991-09-12 | トランジスタ及び結晶成長方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0574820A true JPH0574820A (ja) | 1993-03-26 |
JP3205575B2 JP3205575B2 (ja) | 2001-09-04 |
Family
ID=16949428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP23307691A Expired - Fee Related JP3205575B2 (ja) | 1991-09-12 | 1991-09-12 | トランジスタ及び結晶成長方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3205575B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005078780A1 (ja) * | 2004-02-17 | 2005-08-25 | Nippon Mining & Metals Co., Ltd. | 気相成長方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63111672A (ja) * | 1986-10-30 | 1988-05-16 | Fujitsu Ltd | 電界効果半導体装置 |
JPH02275642A (ja) * | 1989-04-17 | 1990-11-09 | Hitachi Cable Ltd | 電界効果トランジスタ |
-
1991
- 1991-09-12 JP JP23307691A patent/JP3205575B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US7883998B2 (en) | 2004-02-17 | 2011-02-08 | Nippon Mining & Metals Co., Ltd. | Vapor phase growth method |
JP4838587B2 (ja) * | 2004-02-17 | 2011-12-14 | Jx日鉱日石金属株式会社 | 気相成長方法 |
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JP3205575B2 (ja) | 2001-09-04 |
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