JPH0556903B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明はＸ線撮影系に対する距離が可変可能に
支持されたＸ線管を移動させて種類の異なる複数
の撮影台のセンタ位置決めとＸ線撮影系に対する
距離設定を可能にしたＸ線管支持装置に関する。

（従来の技術） 天井吊方式のＸ線撮影システムにおいては、Ｘ
線管を例えば臥位撮影台に対するセンタ位置決め
のための移動とＸ線管の焦点からＸ線フイルム面
までの距離（以下SIDと称する）設定のための移
動ができるようにしたＸ線管支持装置が採用され
ている。

第３図ａ，ｂはかかるＸ線管支持装置の構成例
を示すもので、ａは正面図、ｂは側面図である。
第３図に示すように、天井面に取付けられた長手
レール１と、この長手レール１に直交するように
配設されその長手方向に沿つて移動可能に取付け
られた横手レール２とから移動機構が構成されて
いる。また、横手レール２には先端部にＸ線管３
および絞り装置４が設けられた伸縮移動可能な支
持柱５を保持する支持器本体６が横手レール２の
横手方向に沿つて移動可能に取付けられている。

ところで、従来このような構成のＸ線管支持装
置において、例えば第３図に示すような臥位撮影
台に対する位置決めを行なうには、支持器本体６
を目視により移動機構を介して撮影台８のセンタ
位置まで移動させ、メジヤー等による測定でSID
の位置決めを行なつた後、絞り装置４に内臓され
たブツキライト、照射野ライト等により、上下、
左右、Ｘ線入射角度の位置決めを行ない、手動操
作によりその位置に固定するようにしていた。

また、前述同様にメジヤー等による測定でSID
の位置決めを行なつた状態でその位置に対応する
支持器本体６と移動機構の横手レール２、長手レ
ール１の該当する部分にテープ等を利用してマー
カを付し、このマーカを基準として目視により位
置決めを行ない、手動操作によりその位置に固定
するようにしていた。

（発明が解決しようとする課題） しかし、このようなＸ線管支持装置の位置決め
では、一般の撮影システムのように検査者の視覚
により様々な術式を行なう場合、臥位撮影台や立
位撮影台等、撮影台の種類が異なる毎に検査者の
視覚により位置決めを行なわなければならないた
め、多くの手間と時間がかかり、しかも視覚に頼
る作業を行なうことは検査者に大きな負担がかか
るという問題があつた。

本発明は検査者の視覚に頼ることなく、撮影台
に対する位置決め作業を簡単且つ容易に行なうこ
とができるＸ線管支持装置を提供することを目的
とする。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 本発明では上記のような目的を達成するため、
Ｘ線管をＸ線撮影系に対する距離が可変できるよ
うに支持し、且つ種類の異なる複数の撮影台のセ
ンタ位置へそれぞれ移動可能に支持するＸ線管支
持機構を備えたＸ線管支持装置において、前記Ｘ
線管支持機構の移動経路に設けられた位置検出手
段と、前記Ｘ線管支持機構を所定位置に固定する
固定手段と、前記各種の撮影台に対するそれぞれ
のセンタ位置及び前記Ｘ線管の焦点からＸ線撮影
系までの複数の所定距離に応じた前記Ｘ線管支持
機構の位置情報が格納された記憶手段と、前記撮
影台の種類の選択指令及びＸ線管の焦点からＸ線
撮影系までの距離の選択指令が入力されると、前
記記憶手段より該当する位置情報を読出して前記
位置検出手段により出力される現在のＸ線管支持
機構の位置を示す位置信号と比較し、両者が一致
しているかどうかを判定する位置判定手段とを備
え、この位置判定手段により現在の位置信号と読
み出された位置情報との一致が判定されると前記
固定手段にロツク指令を与え、前記ロツク手段は
その位置に前記Ｘ線管支持機構を固定するように
したものである。

（作用） このような構成のＸ線管支持装置にあつては、
検査者が撮影台の種類の選択およびＸ線管の焦点
からＸ線撮影系までの距離の選択を行なうことに
より、記憶手段からその選択された撮影台の該当
するセンタ位置情報とＸ線管の焦点からＸ線撮影
系までの距離に応じた位置情報が読み出されてＸ
線管支持機構の移動過程で検出される位置信号と
比較され、両者が一致するとその位置にＸ線管支
持機構が固定されるので、検査者はＸ線支持機構
の位置決め作業を視覚に頼ることなく、迅速に行
なうことが可能となる。

（実施例） 以下本発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図ａ，ｂは本発明によるＸ線管支持装置の
構成例を示すもので、ａは平面図、ｂは側面図で
ある。なお、第３図と同一部分には同一記号を付
して示す。

第１図に示すように天井面に取付けられた矩形
状の長手レール１に直交するように矩形状の横手
レール２が配設され、この横手レール２は長手レ
ール１の長手方向に沿つて移動可能に取付けられ
ている。また、先端部にＸ線管３および絞り装置
４が取付けられた伸縮移動可能な支持柱５を支持
器本体６により保持して構成されたＸ線管支持機
構７が横手レール２にその横手方向に沿つて移動
可能に取付けられている。この場合、長手レール
１、横手レール２と臥位撮影台８、立位撮影台９
との位置関係は、横手レール２が長手レール１の
長手方向に移動させるとＸ線管支持機構７が臥位
撮影台８に対して平行に、また立位撮影台９に対
しては前後方向、つまりSIDの位置決め方向にそ
れぞれ移動できるようになつている。また、横手
レール２の横手方向にＸ線管支持機構７を移動さ
せるとこのＸ線管支持機構７は臥位撮影台８に対
して横方向に平行に、立位撮影台９に対しては平
行にそれぞれ移動できるようになつている。な
お、支持柱５を上下方向に移動させると臥位撮影
台８に対するSIDの位置決めが可能であり、また
立位撮影台９に対してはその長手方向に移動でき
るようになつている。

このような構成の天井吊方式のＸ線撮影システ
ムにおいて、本実施例では第１図に示すように長
手レール１の長手方向に沿つて移動する横手レー
ル２の移動経路、横手レール２の横手方向に沿つ
て移動するＸ線管支持機構７の移動経路およびＸ
線管支持機構７の支持柱５の上下方向に伸縮する
経路のそれぞれ複数の特定位置に該位置の識別可
能な位置検出器（エンコーダ、ポテンシヨメー
タ、位置識別センサ等）１０をそれぞれ設ける構
成とするものである。すなわち、長手レール１の
長手方向には立位撮影台９に対するSID−１識別
位置、SID−２識別位置、SID−３識別位置
および臥位撮影台８の長手センタ識別位置に
位置検出器１０がそれぞれ配設され、また横手レ
ール２の横手方向には立位撮影台９のセンタ識別
位置、臥位撮影台８のセンタ識別位置に位置
検出器９がそれぞれ配設され、さらにＸ線管支持
機構の支持柱５が伸縮する上下方向には臥位撮影
台８に対するSID−１識別位置、SID−２識別
位置に位置検出器１０がそれぞれ配設される。
そして、これらの各識別位置〜には電磁マグ
ネツト方式により横手レール２およびＸ線管支持
機構７の移動、支持柱５の伸縮移動を拘束して固
定する固定機構がそれぞれ設けられている。

一方、第２図はＸ線管支持機構を臥位撮影台
８、立位撮影台９の撮影位置に位置決めするため
の回路構成を示すものである。第２図に示す位置
決め回路は、臥位撮影台８および立位撮影台９に
対するそれぞれのセンタ位置およびSID位置に該
当する位置情報が格納された記憶部２１、撮影台
の種類の選択指令が入力されると記憶部２１より
該当する長手／横手停止位置情報を読出す第１の
情報読出部２２、SIDの選択指令が入力されると
記憶部２１より該当する長手／横手停止位置情報
を読出す第２の情報読出部２３、第１の情報読出
部２２から臥位、立位時の横手位置情報、つまり
臥位撮影台、立位撮影台のセンタ位置情報が入力
されるとこの位置情報と位置検出器１０により検
出された現在のセンタ識別確認位置信号とを比較
し、両者が一致しているかどうかを判定し、一致
が判定されると該当する確認位置の固定機構に横
手マグネツト固定指令を与える横手位置判定部２
４、第１の情報読出部２２から臥位時の長手位置
情報、つまり臥位撮影台の長手センタ位置情報
が、第２の情報読出部２３から立位時の長手位置
情報、つまり立位撮影台のSID停止位置情報が入
力されるとこの位置情報と位置検出器１０により
検出された現在の臥位撮影台の長手センタ識別確
認位置信号、立位撮影台のSID識別位置信号とを
比較して両者が一致しているかどうかを判定し、
一致が判定されると該当する確認位置の固定機構
に長手マグネツト固定指令を与える長手位置判定
部２５、第１の情報読出部２２から臥位時の長
手／支持柱の上下停止位置情報が入力されるとこ
の位置情報と位置検出器１０により検出された支
持柱５の現在の上下確認位置信号とを比較して両
者が一致しているかどうかを判定し、一致が判定
されると該当する確認位置の固定機構に上下マグ
ネツト固定指令を与える上下位置判定部２６から
構成されている。

なお、上記実施例を述べた長手、横手、支持柱
５の上下位置を検出する位置検出器１０として、
エンコーダを用いる場合にはデイジタル値とし
て、ポテンシヨメータの場合には電圧値として、
位置識別センサの場合には識別コードとして記憶
部２１に記憶される。

次にこのように構成されたＸ線管支持装置の作
用について述べる。

いま、第１の読出部２２に例えば立位撮影台９
の選択指令が与えられ、また第２の情報読出部２
３に立位撮影台のSID識別位置としての選択指
令が与えられると、まず第１の情報読出部２２で
は記憶部２１より立位撮影台のセンタ識別位置
の位置情報を読出して横手位置判定部２４に入力
する。このとき第１図において、手動操作により
Ｘ線管支持機構７を横手レール２に沿つて図示実
線矢印方向に移動させると、その移動経路に配設
された位置検出器１０により横手方向の現在位置
が検出され、その検出信号が横手位置判定部２４
に加えられる。この横手位置判定部２４では、第
１の読出部２２から入力される立位撮影台９のセ
ンタ識別位置と横手方向の現在位置の検出信号
とを比較して両者が一致しているかどうかを判定
し、一致していることが判定されるとセンタ識別
位置に設けられている電磁マグネツトにロツク
信号を与え、その位置にＸ線管支持機構７が固定
される。

一方、第２の情報読出部２３では記憶部２１よ
り立位撮影台のSID識別位置の位置情報を読出
して長手位置判定部２５に入力する。このとき第
１図において、手動操作により横手レール２を長
手レール１に沿つて図示点線矢印方向に移動させ
ると、その移動経路に配設された位置検出器１０
により長手方向の現在位置が検出され、その検出
信号が長手位置判定部２５に加えられる。この長
手位置判定部２５では第２の情報読取部２３より
入力される立位撮影台のSID識別位置の位置情
報と長手方向の現在位置検出信号とを比較して両
者が一致しているかどうかを判定し、一致してい
ることが判定されるとSID識別位置に設けられ
ている電磁マグネツトにロツク信号を与え、その
位置に横手レール２が固定される。

上記では立位撮影台９のSID識別位置として
を選択した場合であるが、SID識別位置として
、を選択した場合においても、前述と同様の
作用により横手レール２がSID識別位置、に
達すると、その位置に設けられている電磁マグネ
ツトにより横手レール２が固定される。

次に第１の情報読取部２２に臥位撮影台８の選
択指令が与えられ、また第２の情報読出部２３に
Ｘ線管支持機構７の支持柱５に対する上下方向の
SID識別位置としての選択指令が与えられる
と、まず第１の読出部２２では記憶部２１より臥
位撮影台８の横手センタ識別位置の位置情報を
読出して横手位置判定部２４に入力する。このと
き第１図において、手動操作により横手レール２
を長手レール１に沿つて図示実線矢印方向に移動
させると、その移動経路に配設された位置検出器
１０により横手方向の現在位置が検出され、その
検出信号が横手位置判定部２４に加えられる。こ
の横手位置判定部２４では第１の情報読出部２２
より入力される臥位撮影台８の横手センタ識別位
置の位置情報と横手方向の現在位置検出信号と
を比較して両者が一致しているかどうかを判定
し、一致していることが判定されるとセンタ識別
位置に設けられている電磁マグネツトにロツク
信号を与え、その位置に横手レール２が固定され
る。また、第１の読出部２２では記憶部２より臥
位撮影台８の長手センタ識別位置の位置情報を
読出して長手位置判定部２４に入力している。し
たがつて、この状態で横手レール２を長手レール
１に沿つて臥位撮影台８の長手センタ識別位置
方向に移動させると、長手位置判定部２４では長
手方向の現在位置検出信号と長手センタ識別位置
の位置情報とを比較して両者が一致しているか
どうかを判定し、一致していることが判定される
と長手センタ識別位置に設けられている電磁マ
グネツトにロツク信号を与え、その位置に横手レ
ール２が固定される。

一方、第２の情報読出部２３では記憶部２１よ
り支持柱５に対する上下方向のSID識別位置の
位置情報を読出して上下位置判定部２６に入力す
る。このとき第１図において、支持柱５を電動駆
動により図示点線矢印方向に移動させると、その
移動経路に配設された位置検出器１０により上下
方向の現在位置が検出され、その検出信号が上下
位置判定部２５に加えられる。この上下位置判定
部２６では第２の情報読出部２３より入力される
支持柱５に対するSID識別位置の位置情報と上
下方向の現在位置検出信号とを比較して両者が一
致しているかどうかを判定し、一致していること
が判定されるとSID識別位置に設けられている
電磁マグネツトにロツク信号を与え、その位置に
支持柱５が固定される。

上記では臥位撮影台８のSID識別位置として
を選択した場合であるが、SID識別位置として
を選択した場合においても、前述と同様の作用に
より支持柱５がSID識別位置に達すると、その
位置に設けられている電磁マグネツトにより支持
柱５が固定される。

このように本実施例では、臥位、立位撮影台に
対するセンタ位置およびSID位置の各撮影位置情
報を記憶させておき、撮影術式に応じて選択的に
臥位撮影台８、立位撮影台９を呼出すことで、立
位撮影台９に関しては横手センタ識別位置と立
位撮影台９に対するSID識別位置、、が決
定され、また臥位撮影台８に関しては横手センタ
識別位置と長手センタ識別位置および支持柱
５の上下方向に対するSID識別位置、が決定
されので、後はＸ線管支持機構７を横手レール２
に沿つて移動させたり、またこの横手レール２を
長手レール１に沿つて移動させたり、さらに支持
柱５を伸縮させて上下方向に移動させることによ
り、それぞれ設定された位置でマグネツトロツク
が作動してその位置にＸ線管支持機構７が固定さ
れるようにしたものである。

したがつて、検査者がＸ線管支持機構７の位置
決め作業を行なうに際して、従来のように視覚に
頼ることなくＸ線管支持機構７が固定される位置
まで移動させるだけでよいので、その作業が容易
になり、しかも位置決めに要する時間を短縮する
ことができると共に検査者の負担を軽減すること
ができる。

なお、本発明は上記した実施例に限定されるも
のではなく、その要旨を変更しない範囲内で種々
変形して実施できるものである。

［発明の効果］ 以上述べたように本発明によれば、検査者の視
覚に頼ることなく、撮影台に対する位置決め作業
を簡単且つ容易に行なうことができるＸ線管支持
装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本発明によるＸ線管路支持装置
の一実施例を適用した撮影システムの構成を示す
もので、ａは上面図、ｂは側面図、第２図は同実
施例における位置決め回路のブロツク図、第３図
ａ，ｂは従来のＸ線管路支持装置を適用した撮影
システムの構成を示すもので、ａは正面図、ｂは
側面図である。 １……長手レール、２……横手レール、３……
Ｘ線管、４……絞り装置、５……支持柱、６……
支持器本体、７……Ｘ線管支持機構、８……臥位
撮影台、９……立位撮影台、１０……位置検出
器、２１……記憶部、２２，２３……第１、第２
の定法読出部、２４……横手位置判定部、２５…
…長手位置判定部、２６……上下位置判定部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ Ｘ線管をＸ線撮影系に対する距離が可変でき
   るように支持し、且つ種類の異なる複数の撮影台
   のセンタ位置へそれぞれ移動可能に支持するＸ線
   管支持機構を備えたＸ線管支持装置において、 前記Ｘ線管支持機構の移動経路に設けられた位
   置検出手段と、 前記Ｘ線管支持機構を所定位置に固定する固定
   手段と、 前記各種の撮影台に対するそれぞれのセンタ位
   置及び前記Ｘ線管の焦点からＸ線撮影系までの複
   数の所定距離に応じた前記Ｘ線管支持機構の位置
   情報が格納された記憶手段と、 前記撮影台の種類の選択指令及びＸ線管の焦点
   からＸ線撮影系までの距離の選択指令が入力され
   ると、前記記憶手段より該当する位置情報を読出
   して前記位置検出手段により出力される現在のＸ
   線管支持機構の位置を示す位置信号と比較し、両
   者が一致しているかどうかを判定する位置判定手
   段とを備え、 この位置判定手段により現在の位置信号と読み
   出された位置情報との一致が判定されると前記固
   定手段にロツク指令を与え、前記ロツク手段はそ
   の位置に前記Ｘ線管支持機構を固定することを特
   徴とするＸ線管支持装置。