JPH0551513A - Abs系熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

Abs系熱可塑性樹脂組成物

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JPH0551513A
JPH0551513A JP36056591A JP36056591A JPH0551513A JP H0551513 A JPH0551513 A JP H0551513A JP 36056591 A JP36056591 A JP 36056591A JP 36056591 A JP36056591 A JP 36056591A JP H0551513 A JPH0551513 A JP H0551513A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
compound
abs
resin
vinyl
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JP36056591A
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English (en)
Inventor
Toshio Inoue
敏夫 井上
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L55/00Compositions of homopolymers or copolymers, obtained by polymerisation reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, not provided for in groups C08L23/00 - C08L53/00
    • C08L55/02ABS [Acrylonitrile-Butadiene-Styrene] polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L67/00Compositions of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L67/02Polyesters derived from dicarboxylic acids and dihydroxy compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L69/00Compositions of polycarbonates; Compositions of derivatives of polycarbonates

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  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ABSを中心とする熱可塑性樹脂が本来有す
る剛性、耐衝撃特性、加工性等の長所を損なうことな
く、 それ自体の特性を改善し、 または異種樹脂との組
合せによって特性を改善した熱可塑性樹脂組成物を提供
することを目的とする。 【構成】 ジエン系モノマー、多価ビニル化合物および
多価アリル化合物から選ばれた少なくとも1種を含む成
分からなる重合体に、芳香族ビニル系モノマー、メタク
リル酸エステル系モノマー、シアン化ビニル系モノマー
から選ばれた少なくとも1種を含むビニル系モノマーを
グラフト重合して得られる共重合体を含む熱可塑性樹脂
を、炭素ラジカル誘発剤の存在下に動的熱処理を行うこ
とによってABS系熱可塑性樹脂組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ABS樹脂を中心とす
る熱可塑性樹脂組成物に関し、詳しくはABS系熱可塑
性樹脂を炭素ラジカル誘発剤の存在下に動的熱処理を行
うことによって得られる、各種性状の優れた熱可塑性樹
脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体、アクリルニトリル−(トリアリルイソシア
ヌレート−n−ブチルメタクリレート)−スチレン共重
合体のような、1種以上のジエン系モノマー、多価ビニ
ル化合物、多価アリル化合物を含む重合体に、芳香族ビ
ニル系モノマー、メタクリル酸エステル系モノマー、シ
アン化ビニル系モノマーから選ばれる少なくとも1種を
含むビニル系モノマーをグラフト重合して得られる熱可
塑性共重合体樹脂は、剛性、加工性、耐衝撃特性等のバ
ランスに優れた材料であるが、用途によっては耐熱性や
耐溶剤性が問題となることがある。これらの短所を補う
ため、またはその長所をより一層発揮させるために種々
の試みが行われてきている。
【0003】第1の手法は、耐熱性や耐溶剤性に優れた
他の熱可塑性樹脂とブレンドする方法であり、特公昭5
1−255261号公報と特公告54−34381号公
報には「アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体とポリブチレンテレフタレート樹脂のブレンド
物」、特開昭48−25053号公報には「アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合体とポリアリレー
トのブレンド物」、特開昭53−71155号公報には
「アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体と
ポリアリレートとポリカーボネートのブレンド物」が提
示されている。これらの方法によりある程度の改良効果
は得られるが、単純なブレンドであるため相溶性の限界
から十分な機械的特性が得られていない。
【0004】第2の手法は、相溶化剤を添加する方法で
第1法の効果を高めようとするものである。この手法
は、特公昭61−29985号公報、特公昭62−91
36号公報の「特定構造を有する水添ブロック共重合体
を添加する方法」に見られるように、ブレンド物の相分
離構造を改良することによってある程度の効果を得てい
るものの、別個に相溶化剤を製造する手間に加え、十分
な改良効果を与えるためには相当量の相溶化剤を添加し
なければならない場合が多く、最終ブレンド物に関与す
る相溶化剤の影響が無視できなくなり、機械的特性に好
ましくない結果を与えることがある。また一般に、これ
らの相溶化剤がコスト的に高価なものであることが障害
になる。
【0005】第3の手法は、第1法で得られるようなブ
レンド物中で化学反応を生じさせ、樹脂間の相溶性を高
めようとするものである。このために、有機過酸化物や
アゾ化合物の存在下において改質をする試みが種々のブ
レンド物について行われているが、有機過酸化物の存在
下に架橋する樹脂は、架橋により熱可塑性を著しく失う
ので、組成物の構成成分として有機過酸化物の存在下に
架橋しない樹脂を加えておく必要があり、任意のブレン
ド物に適用することができない(例えば特開昭63−3
0547号公報)。本発明は、「1種以上のジエン系モ
ノマーと芳香族ビニルモノマーを含む2種以上のビニル
系モノマーから構成される熱可塑性樹脂の剛性、加工
性、耐衝撃特性等の優れたバランス」に更に別の特性を
付与するため本手法を用いるものであるが、これまで試
みられた例がなかったのは上記の理由によると考えられ
る。また、第3の手法を利用して、任意の不飽和化合物
を付加させ変性を行うことも可能であるが、同様の理由
で効果を得られていない。すなわち、特公昭56−18
613号公報には、種々の熱可塑性樹脂中に不飽和結合
を有するマレイミド系化合物を溶融混練した樹脂組成物
が例示されているが、ラジカル発生下にこれを積極的に
付加させる試みは行われていない。
【0006】そこで本発明者は、従来の有機過酸化物の
ような過激なラジカル発生剤ではなく、副反応の発生し
難い炭素ラジカル誘発剤を使用した熱可塑性樹脂の変性
方法を提案した(特開平2−49065号公報、特開平
3−28214号公報、特願平3−202639号公
報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
み、ジエン系モノマー、多価ビニル化合物および多価ア
リル化合物から選ばれた少なくとも1種を含む成分から
なる重合体に、芳香族ビニル系モノマー、メタクリル酸
エステル系モノマー、シアン化ビニル系モノマーから選
ばれた少なくとも1種を含むビニル系モノマーをグラフ
ト重合して得られる共重合体が本来有する剛性、耐衝撃
特性、加工性等の長所を損なうことなく、それ自体の特
性を改良した組成物、あるいは、異種樹脂との組合せに
よって特性を改良した組成物を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
に沿って鋭意検討した結果、ジエン系モノマー、多価ビ
ニル化合物および多価アリル化合物から選ばれた少なく
とも1種を含む成分からなる重合体に、芳香族ビニル系
モノマー、メタクリル酸エステル系モノマー、シアン化
ビニル系モノマーから選ばれた少なくとも1種を含むビ
ニル系モノマーをグラフト重合して得られる共重合体を
含む熱可塑性樹脂を、炭素ラジカル誘発剤の存在下に動
的に熱処理して得られる熱可塑性樹脂組成物が、従来よ
り著しく優れた性状を有することを見出し、これに基づ
いて本発明に到達した。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。ま
ず本発明に使用する「ジエン系モノマー」とは、直鎖型
ジエン類、例えばブタジエンおよびその任意の水素がア
ルキル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基および
そのエステル基、ハロゲンで置換された誘導体等、また
は脂環式ジエン類、例えばシクロペンタジエン、エチリ
デンノルボルネンおよびその任意の水素がアルキル基、
シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基およびそのエステ
ル基、ハロゲンで置換された誘導体等で代表される化合
物である。この中でもブタジエンおよびエチリデンノル
ボルネンが好ましい。
【0010】「多価アリル化合物」または「多価ビニル
化合物」とは、トリアリルイソシアヌレート、トリアリ
ルシアヌレートまたはジビニルベンゼン、トリアクリル
ホルマール、エチレングリコールジメタクリレート等の
化合物であり、これらは炭素−炭素二重結合の2つ以上
を有する化合物であり、反応性が高く、過剰架橋を避け
るため、配合比を10重量%以下にしてメタクリル酸エ
ステル系モノマーと併用して使用される。併用されるメ
タクリル酸エステル系モノマーとしてはn−ブチルメタ
クリレート、 エチルメタクリレート、 プロピルブチル
メタクリレート等、炭素数1〜13個のアルキル基を有
する化合物であり、単独で使用しあるいは併用すること
ができる。代表的な組み合わせとしては、トリアリルイ
ソシアヌレートとn−ブチルメタクリレートが挙げられ
る。
【0011】「芳香族ビニル系モノマー」とは、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシ
レン、トリメチルスチレン、ハロゲン化スチレン(例え
ば臭素化スチレン)等で代表される化合物であり、特に
スチレンが好ましい。
【0012】「メタクリル酸エステル系モノマー」と
は、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、tert−ブチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、プロピルブチルメタクリレート等、炭素数1〜13
個のアルキル基を有する化合物であり、単独で使用しあ
るいは併用することができる。これらのなかでは、メチ
ルメタクリレートが好ましい。
【0013】「シアン化ビニル系モノマー」とは、アク
リロニトリル、メタクリルニトリル等であり、アクリロ
ニトリルが好ましい。
【0014】本発明においては、上記以外の「ビニル系
モノマー」を使用してもよい。例えば、不飽和カルボン
酸系モノマー(例えば無水マレイン酸)等が挙げられ
る。
【0015】ABS系樹脂の材料設計について検討する
と、ジエン系モノマーの重合部分で「耐衝撃性」を、芳
香族ビニル系モノマーの重合部分で「剛性」を、更に他
の1種のビニル系モノマーの重合部分で別の任意の特性
を付加するような構成とする方法が一般的に用いられて
いる。しかしながら、これらによって耐衝撃性と剛性と
のバランスは向上するが、重合反応がビニル系モノマー
のみで行われるので、必ずしも全ての任意の特性を有す
る素材が得られるものではない。その場合には、なんら
かの方法で別途に特性を付与する必要が生ずる。これら
の樹脂の中で好ましい組み合せは、ABS樹脂(アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、AS樹
脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、 AAS
樹脂(アクリロニトリル−(トリアリルイソシアヌレー
ト−n−ブチルメタクリレート)−スチレン共重合
体)、 MBS(メタクリル酸エステル−ブタジエン−
スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−
エチリデンノルボルネン−スチレン共重合体)、ACS
樹脂(アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレ
ン共重合体)から選択された1種、またはこれらの一部
を他のモノマーで置換して共重合させたもの、およびそ
の変性物である。
【0016】これらの熱可塑性樹脂の共重合体は、公知
の溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、またはこ
れらの組み合せにより得られる。
【0017】本発明では、ジエン系モノマー、多価ビニ
ル化合物および多価アリル化合物から選ばれた少なくと
も1種を含む成分からなる重合体に、芳香族ビニル系モ
ノマー、 メタクリル酸エステル系モノマー、 シアン化
ビニル系モノマーから選ばれた少なくとも1種を含むビ
ニル系モノマーをグラフト重合して得られる共重合体
に、更に他の熱可塑性樹脂を加えて溶融混練してもよ
い。このときに共存させる樹脂に制限はないが、上記共
重合体に不足する特性を補うような組み合せを選んで本
発明を実施することにより、きわめて商品価値の大きい
素材を得ることができる。
【0018】好ましい組み合せとしては、ABS/ポリ
ブチレンテレフタレート系樹脂(以下PBTと略)、
ABS/ポリエチレンテレフタレート系樹脂 (以下P
ETと略)、 ABS/ポリカーボネート系樹脂(以下
PCと略)、 ABS/ナイロン6、ABS/ナイロン
66、ABS/ポリプロピレン系樹脂(以下PPと
略)、ABS/ポリビニルクロライド系樹脂(以下PV
Cと略)、ABS/ポリスルホン系樹脂(以下PSFと
略)、 ABS/スチレン−ブタジエン−スチレン・ブロ
ック共重合体(以下SBSと略)、 ABS/エチレン
−プロピレン−ジエン・ランダム共重合体(以下EPD
Mと略)、AAS/PVC、AES/PBT、ABS/P
BT、PC/PBT/ABS等が挙げられる。また3種
以上の組み合せでもよく、公知の相溶化剤を含むもので
もよい。
【0019】相溶化剤としては、通常、2種以上のモノ
マーから構成される分子量1000以上の高分子化合物
で、共重合、グラフト反応、あるいは、過酸化物化合物
等のラジカル発生剤存在下にグラフト化することによ
り、構成モノマーのうち少なくとも一つが混合される熱
可塑性樹脂の構成モノマーと親和性が大きいものを含有
するか(例えば、ABS樹脂中のスチレン、および、ポ
リカーボネート樹脂中のビスフェノールAと水添スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体中のスチレ
ン)、熱可塑性樹脂と溶融混練下に化学反応を生じるも
の(例えば、ポリアミド樹脂中のアミド基と無水マレイ
ン酸で変性された水添スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体中の無水マレイン酸、 あるいは、 ポ
リエステル樹脂中のカルボキシル基と[エチレン−グリ
シジルメタクリレ−ト共重合体]−[スチレン]グラフ
ト共重合体中のエポキシ基)を使用することができる。
これらは、溶融混練下で(反応するものは反応後のグラ
フト反応物を含む)混合される異種熱可塑性樹脂の界面
に配位することにより界面張力を減少させる作用を及ぼ
して、良好な分散状態を与えるものである。種々のもの
が合成され入手可能であるが、例示すれば、スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体、これらの水添
物(特に、ABS/ポリカーボネート樹脂またはポリエ
ステル樹脂を含有する場合に有効)、スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体またはこれらの水添物
の無水マレイン酸あるいはアクリル酸変性物、無水マレ
イン酸あるいはアクリル酸変性ポリオレフィン(特にポ
リアミドを含有する場合に有効)、エチレン−グリシジル
メタクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体(特に、ポリカーボネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂を含有する場合に有効)等がある。この他にも、
オキサゾリン含有ポリスチレン、過酸化物モノマー含有
ポリスチレンに任意の熱可塑性樹脂をグラフト結合させ
た相溶化剤も使用することができる。また、付加反応の
生成物が相溶性の改良に寄与することを目的として、任
意の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物を共存させて
もよい。例えばABS/ナイロン6/無水マレイン酸、
ABS/PBT/グリシジルメタクリレート等が挙げら
れる。
【0020】以下、本発明の効果の発現機構について、
「ジエン系モノマー」含有共重合体に例をとり発明者の
考えを述べるが、「多価アリル化合物」または「多価ビ
ニル化合物」含有共重合体についても同様の機構と考え
てよい。本発明で使用する炭素ラジカルは、有機過酸化
物の開裂によって生ずる酸素ラジカルに比べて、 通常
の炭素−水素結合からの水素引抜き能力が弱い。 すな
わち、水素引き抜きを主としてアリル位において進行さ
せるので、共重合体樹脂のジエン系モノマー重合部のア
リル位を中心にラジカル反応が進行する。従って本発明
においては、(1)共重合体樹脂のジエン系モノマー重
合部の部分架橋による耐衝撃特性、耐熱性、耐溶剤性等
の向上、(2)共重合体樹脂のジエン系モノマー重合部
と異種熱可塑性樹脂との間のラジカル会合によるグラフ
トポリマーの生成に起因する相溶性の改善、(3)異種
熱可塑性樹脂間のラジカル会合によるグラフトポリマー
の生成に起因する相溶性の改善等を主とした改質が行わ
れ、任意の特性を有する素材を得ることができる。なお
本発明は、上記の反応に基づく改善のみに限定されるも
のではない。また、存在する熱可塑性樹脂の中のジエン
系モノマー重合部以外の化学構造を大きく変化させるこ
とがないので、加工特性、機械的特性等を大幅に低下さ
せるなどの変化を生じさせることがない。すなわち、本
発明の実施の際に、一つの炭素−炭素不飽和結合を有す
る化合物は主として共存する熱可塑性樹脂に付加し、二
つ以上の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物は、主と
して共存する熱可塑性樹脂に付加するか、または熱可塑
性樹脂を架橋し、熱可塑性樹脂は、共存する熱可塑性樹
脂に付加するかまたは架橋することによって本発明の効
果を与える。
【0021】また、樹脂の架橋部分は造核剤としても作
用し、結晶化速度を改善するので、本発明は結晶化速度
と耐衝撃特性が問題となっているポリエステル系樹脂に
対する改良効果の点で特に顕著である。すなわち結晶性
熱可塑性ポリエステル樹脂は、一般に射出成形において
結晶化速度が小さいために、結晶核(造核剤)を添加
して結晶化し易くすること、可塑化成分を添加するこ
とによりポリエステル分子間の運動を活発化させて(ガ
ラス転移温度を低下させて)結晶化のための分子配向を
促進することなどが行れているが、これらの添加物の分
散不良による組成物の不均一化、ブリード、PETの分
子量低下等の問題があった。一方、耐衝撃特性に関して
は、高分子量PETの使用、柔軟成分共重合による
PETの変性、柔軟・弾性材料のブレンドが知られて
いるが、耐熱性を犠牲にすることが多く、また、これら
2点を同時に解決する手法は知られていなかった。
【0022】本発明で使用する炭素ラジカル誘発剤と
は、特定の化合物と相互作用を起こして両者が炭素ラジ
カルになる化合物の組合せ(以下 「炭素ラジカル誘発
剤(I)」という)および炭素ラジカルを熱分解によって
自発的に生じる化合物(以下「炭素ラジカル誘発剤(I
I)」という)等をいう。炭素ラジカル誘発剤(I) には2
種類ある。以下これらについて説明する。
【0023】炭素ラジカル誘発剤(I) の第1は、電荷移
動錯体を形成する化合物の組合せである。すなわち、同
錯体中で一方の化合物から他方の化合物に、例えば水素
原子を移動させて両方の不飽和結合をラジカル化するも
のである。この目的に使用される化合物の組合せとして
は、両化合物の不飽和結合の電子密度e値に差があれば
よく、種々の組合せが相互共重合体として公知である。
それらの中でも、e値が大きい化合物として、ラジカル
化後の反応性の高さから、マレイミド、N−置換マレイ
ミド(例えばN−メチルマレイミド、N−エチルマレイ
ミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシ
ルマレイミド、N−デシルマレイミド、N−フェニルマ
レイミド、N−フェニル−α−メチルマレイミド、N−
フェニル−α,β−ジメチルマレイミド、 N−フェニル
−α−エチルマレイミド、N−フェニル−α,β−ジエ
チルマレイミド、N−(4−カルボキシフェニル)マレイ
ミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−
(α−クロロフェニル)マレイミド)、 ビスマレイミド
(例えばN,N'−m−フェニレンビスマレイミド、N,
N'−p−フェニレンビスマレイミド、N,N'−エチレ
ンビスマレイミド)、α,β−不飽和カルボン酸およびそ
の無水物(例えばアクリル酸およびメタクリル酸または
それらのエステル誘導体、無水マレイン酸またはその誘
導体)を用いることが好ましい。
【0024】これらの化合物と電荷移動錯体を形成する
化合物としては、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル
−1,2−ジヒドロキノリン、ポリ(2,2,4−トリメチ
ル−1,2−ジヒドロキノリン)、スチレン、α−メチル
スチレン、 trans−スチルベン、ビニルフェロセン、4
−ビニルピリジン、2−イソプロペニルナフタレン、N
−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、インド
ール、ベンゾフラン、フラン、ジヒドロフラン、 3,4
−ジヒドロ−2−ピラン、4H−クロメンに代表される
環状ビニルエーテル、酢酸フルフリルに代表されるフラ
ン誘導体、n−オクタデシルビニルエーテル、エチルビ
ニルエーテルに代表されるアルキルビニルエーテル、ケ
テンアセタール、酢酸イソプロペニル、1−アミノ−1
−メトキシエチレンに代表されるケトン、エステル、ラ
クトン、アルデヒド、アミド、ラクタム等のカルボニル
化合物のエノールエーテル、エノールエステル、アリル
アセテート、 ビニルアセテート、1,2−ジメトキシエ
チレン、p−ジオキセン、2−クロロエチルビニルエー
テル、 2−フェニルビニルアルキルエーテル、 2−フ
ェニルアルケニルエーテル、ヘプタフルオロイソプロピ
ルアルケニルエーテル、エチルビニルスルフィド、スチ
リルアルケニルチオエーテル、p−オキサジエン、シク
ロペンテン、シクロヘキセン、ジビニルエーテル、ブタ
ジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペ
ンタジエン、ジメチルジビニルシラン等が挙げられる。
【0025】また本発明においては、上記錯体が共重合
体を生成せず、ラジカルとして解離することが好ましい
ので、両者のラジカルの反応性(モノマーのQ値から判
断できる)も大きく異なることが好ましい。これらの中
でも、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−
ジヒドロキノリン、 ポリ(2,2,4−トリメチル−1,
2−ジヒドロキノリン) 等のジヒドロキノリン誘導体ま
たはその重合体と上記マレイミド系化合物や不飽和カル
ボン酸の無水物との組み合せが好ましい。すなわち、前
者が「相対的にe値が大きくQ値が小さい不飽和化合
物」であり、後者が「相対的にe値が小さくQ値が大き
い不飽和化合物」であるため、e値とQ値とのバランス
がよく、また両者とも不飽和結合部に張力がかかる構造
であるなどの理由で高活性を示す。なお、本発明の効果
から判断すると、ジヒドロキノリン誘導体またはその重
合体を単独添加した場合に、同化合物は熱可塑性樹脂中
の不飽和結合部分と直接に電荷移動錯体を形成するもの
と考えられる。また、同化合物は入手の容易さ、反応に
関与しなかった残留分が老化防止剤として作用するなど
の点からも好ましい。
【0026】炭素ラジカル誘発剤(I) の第2は、水素供
与性化合物と水素受容性化合物の組合せである。すなわ
ち、前者から後者に水素原子を移動させて両者がラジカ
ル化するものである。水素供与性化合物とは、水素ラジ
カル供与後もそれ自体は共鳴安定化できる化合物であ
り、特性的には、所定量の同化合物を350℃、50気
圧(N2下)、 無触媒の条件下で水素受容体としてのア
ントラセンと30分間反応させたとき、 同化合物から
アントラセンへの水素移行量が少なくとも0.1−水素
原子/アントラセン分子であるものをいう。 具体例と
しては、1,2−ジヒドロベンゼン、 1,2−ジヒドロ
ナフタレン、 9,10−ジヒドロフェナントレン、オク
タヒドロフェナントレン、オクタヒドロアントラセン、
テトラリン、インデン、テトラヒドロフラン、 2,3−
ジヒドロベンゾフラン、フルオレン等が挙げられる。こ
れらの化合物の中でも、オクタヒドロフェナントレン、
オクタヒドロアントラセン、テトラリン、インデン、フ
ルオレン等は、容易に入手できるほか、最終組成物が着
色しない点、熱可塑性樹脂中にアミド基やエステル結合
を分解するような官能基を有しない点で優れている。
【0027】水素受容性化合物は、上記の水素ラジカル
が付加されてラジカルとなったとき共鳴安定化が少ない
化合物で、一般に過酸化物を用いたゴム架橋時に架橋助
剤として用いられる化合物が使用される。具体的には、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレン
ジメタクリレートに代表されるメタクリル酸の高級エス
テル類、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、
ジアリルフタレートに代表される多官能性ビニルモノマ
ー類が挙げられる。しかしながら本発明では、ラジカル
としての反応性の高さから、マレイミド系化合物(例え
ばN,N'−m−フェニレンビスマレイミド、N,N'−エ
チレンビスマレイミド)、不飽和カルボン酸の無水物
(例えば無水マレイン酸およびその誘導体、エチレング
リコールジメタクリレート)が好ましい。
【0028】炭素ラジカル誘発剤(II) の具体例として
は、1,1,2,2−テトラメチル−1,2−ジフェニルエ
タン(通称「ジクミル」)が挙げられる。
【0029】炭素ラジカル誘発剤(I) では、ラジカルが
直接に付加および/または架橋する化合物や熱可塑性樹
脂の中に生成する点で、より効率よく上記効果を得るこ
とができる。一方、炭素ラジカル誘発剤(II) では、 生
成する炭素ラジカルが他の化合物中の不飽和結合に関与
することによって本発明の目的とする反応が開始するの
で、効率が悪いばかりでなく、 熱可塑性樹脂の特性の
変化等の副反応が多い。 ただし、この副反応も有機過
酸化物のラジカルの場合に比べれば著しく少ないので、
有効な組成物を得ることができる。
【0030】また、別の炭素ラジカル誘発方法として、
ビスマレイミド系化合物の単独添加や活性化剤との併用
も有効である。活性化剤としては、ベンゾチアゾール系
化合物またはベンゾチアゾリルスルフェンアミド系化合
物が挙げられるが、これらは上記炭素ラジカル誘発剤に
比べて一般に活性が低く、また硫黄ラジカルが発生する
ため、臭気、着色の点で使用分野が制限される場合があ
る。これらの誘発剤は、単独で使用するほか併用しても
よく、また本発明の目的を損なわない範囲で、微量の有
機過酸化物またはアゾ化合物を併用してもよい。
【0031】炭素ラジカル誘発剤の添加量は、任意に選
択できる。すなわち、熱可塑性樹脂成分の組成、炭素ラ
ジカル誘発剤の種類または動的熱処理の装置・条件によ
り適切な添加量が用いられる。過剰に添加すると、場合
によっては組成物の帯色またはコストの増大を招くの
で、これらのバランスから添加量を選択する。実際的な
添加量は、通常いずれの誘発剤も熱可塑性樹脂全体を1
00重量部として0.01〜5重量部、好ましくは0.0
5〜3重量部である。2種以上の熱可塑性樹脂成分を使
用する場合は、炭素ラジカルの発生が開始する前に混合
物をあらかじめ溶融混練して、できるだけ良好に分散さ
せておくことが好ましい。
【0032】本発明では、上記のようにして得られた2
種以上の成分からなる熱可塑性樹脂混合物を、炭素ラジ
カル誘発剤の存在下に動的に熱処理して樹脂組成物とす
る。動的熱処理に当たっては、高剪断速度を与える混合
機を用いて、混合物中にラジカルが発生し易くすること
が好ましい。本発明の目的とする動的熱処理の効果を得
るためには、動的熱処理後の組成物における射出成形物
の収縮率が、炭素ラジカル誘発剤成分を添加せずに溶融
混練した組成物の射出成形物の収縮率より大きいか、ま
たは沸騰キシレン不溶分が増加していることが必要であ
る。これら値の増加は、前述したように、1種以上の
ジエン系モノマーと芳香族ビニル系モノマーを含む2種
以上のビニル系モノマーから構成される熱可塑性樹脂の
架橋、上記樹脂と共存する熱可塑性樹脂との間のラジ
カル会合によるグラフトポリマーの生成、その他の本発
明の効果を知る上で指標の役割を果たすものであり、一
般に組成物の射出成形物の収縮率および/または沸騰キ
シレン不溶分が増大するほど各種改良効果が大きい。た
だし、不飽和化合物の付加を主目的とするときはこの限
りでない。
【0033】溶融混練および動的熱処理に用いる装置と
して、開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリ
ミキサー、押出機、ニーダー、二軸押出機等従来公知の
ものを使用することができる。前記の配合組成により本
発明を実施する場合の条件としては、混練温度150〜
350℃、熱処理時間20秒〜20分の範囲が好まし
い。
【0034】本発明の組成物は、一般のゴム、染料、顔
料、有機充填材、無機充填材、金属充填材、軟化剤(鉱
物油系軟化剤および合成油系軟化剤)、難燃剤、結晶化
促進剤、熱光安定剤およびその他のプラスチックに加え
られる通常の添加剤を加えることができる。
【0035】本発明の樹脂組成物は優れた成形性、機械
的性質、化学的性質、電気的性質、耐熱性、耐候性、塗
装性等を有するため、射出成形、中空成形、押出成形、
プレス成形等、現在使用されている熱可塑性樹脂成形技
術により各種の有用な成形品を得ることができる。この
ような製品の例としては、ABS系樹脂として高い性能
が要求される分野に好適で、コネクター、コイルボビ
ン、カプラー等の電機・電子部品分野、ハウジング、キ
ーボード等の事務機器分野、ドアハンドル、インストル
メント・パネル、バンパー、外板等の自動車部品分野、
その他各種産業用容器、食料品容器等が挙げられる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。先ず組成物の製造法、射出成形の条件および試験・
測定方法について述べる。 <組成物の製造法> (1)ジエン系モノマー、多価ビニル化合物および多価
アリル化合物から選ばれた少なくとも1種を含む成分か
らなる重合体に、芳香族ビニル系モノマー、メタクリル
酸エステル系モノマー、シアン化ビニル系モノマーから
選ばれた少なくとも1種を含むビニル系モノマーをグラ
フト重合して得られる共重合体熱可塑性樹脂(以下「A
成分」という)と、熱可塑性樹脂(以下「B成分」とい
う)を所定の配合割合に調合し、ヘンシェルミキサーで
混合した。ただし、1種類のみのA成分で本発明を行う
ときは、工程(1)および(2)は省略する。 (2)上で得られた混合物を、二軸連続混練押出機(3
0mmφ、プラスチック工学研究所(株)製)を用いて溶融
混練した。 (3)上で得られた混合物に、所定量の炭素ラジカル誘
発剤(以下「a成分」という)を加え、ヘンシェルミキ
サーで混合した。なお、a成分の配合量は、A成分およ
びB成分の合計量を100重量部として wphr で示す。 (4)上で得られた混合物を、(2)で使用した二軸連
続混練押出機により溶融混練した。この際、押出機出口
の組成物温度と押出機内の滞留時間を測定・制御して条
件の調整を行った。この時の組成物温度および滞留時間
を熱処理条件として後記する。なお組成物温度は押出機
に装着した樹脂温度計で測定した。
【0037】<射出成形の条件> 成形機 IS−90B(東芝機械(株)製) 射出圧力 800〜1,000kg/cm2 成形温度 230〜300℃ 金型温度 40〜110℃
【0038】<試験・測定方法>試験片は、特に記載の
ないかぎり、射出成形によって得られたものをアニーリ
ングして使用した。 (引張降伏強さ)および(引張破壊伸び) ASTM
D 630 (曲げ弾性率) ASTM D 790 (アイゾット衝撃値) ASTM D 256 (成形収縮率) 引張降伏強さ試験(ASTM D 63
0) 用のダンベル形試験片について、射出成形の流れ
方向における収縮後の寸法と金型寸法の差から求めた。 (金型離型性) 射出成形特性の目安として試験を行
い、 一定の射出サイクルタイムと金型温度で成形した
成形品について、離型の難易度を次の3段階で評価し
た: ○‥‥突き出しピンで容易に離脱する。 △‥‥一部金型に残るため、手作業による取り出しが必
要である。 ×‥‥ほとんど金型に残るため、手作業による取り出し
が必要であり、かつ当作業によって成形品が変形する。
【0039】実施例に使用した炭素ラジカル誘発剤は以
下のとおりである。 a1:N,N'−m−フェニレンビスマレイミド a2:ポリ(2,2,4−トリメチルジヒドロキノリン) a3:6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジ
ヒドロキノリン a4:シクロヘキセン a5:9,10−ジヒドロフェナントレン a6:インデン a7:ジクミル
【0040】<実施例1〜3、比較例1>A成分である
アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(商
品名:JSR ABS10、日本合成ゴム(株)製)(以
下「A1」と略す)のみを用いて実験を行った。押出機
出口組成物温度は250℃、押出機内滞留時間は50秒
とした。配合組成を表1に、組成物の性状を表2に示す
(以下同じ)。
【0041】<実施例4、比較例2>A成分としてアク
リルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(商品
名:JSR ABS35、日本合成ゴム(株)製)(以下
「A2」と略す)を用い、B成分としてポリブチレンテ
レフタレート系樹脂(商品名:東レPBT 1401、
東レ(株)製)(以下「B1」と略す)を用いた。押出機
出口組成物温度は250℃、押出機内滞留時間は50秒
とした。
【0042】<実施例5、比較例3>A成分として上記
A2 を用い、B成分としてポリカーボネート系樹脂(商
品名:パンライト L1250、帝人化成(株)製)(以
下「B2」と略す)を用いた。押出機出口組成物温度は
280℃、押出機内滞留時間は50秒とした。
【0043】<実施例6、7;比較例4>A成分として
前記A1 を用い、B成分としてポリエチレンテレフタレ
ート系樹脂(フェノール/テトラクロロエタン(1:
1)30℃溶液中で測定した固有粘度1.2 dl/g)(以
下「B3」と略す)を用いた。押出機出口組成物温度は
295℃、押出機内滞留時間は45秒とした。実施例と
比較例について、金型離型性を比較した。
【0044】<実施例8、比較例5>A成分として前記
A1 を、B成分として前記B1 およびB2 を用い実験を
行った。押出機出口組成物温度は280℃、押出機内滞
留時間は50秒とした。
【0045】<実施例9、比較例6>A成分としてアク
リロニトリル−エチリデンノルボルネン−スチレン共重
合体(商品名:UCLAXS SK30、宇部興産(株)
製)(以下「A3」と略す)を用い、B成分として前記
B1 を用いた。押出機出口組成物温度は250℃、押出
機内滞留時間は50秒とした。
【0046】<実施例10、比較例7>A成分としてア
クリロニトリル−スチレン−特殊アクリルゴム[トリア
リルイソシアヌレートとn−ブチルメタクリレートとの
共重合体]共重合体(商品名:バイタックス V610
0A、日立化成(株)製)(以下「A4」と略す)を用
い、B成分として前記B1 を用いた。押出機出口組成物
温度は250℃、押出機内滞留時間は50秒とした。
【0047】<実施例11、比較例8>A成分として
前記A4、B成分として、ナイロン6(商品名:カネボ
ウナイロン MC−112、鐘紡(株)製)(以下「B4」
と略す)を用いた。押出機出口組成物温度は250℃、
押出機内滞留時間は50秒とした。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明による熱可塑性樹脂組成物は、実
施例から明かなように、引張強さ、曲げ弾性率などに加
えて、耐衝撃性および金型離型性の点できわめて優れた
性能を示すことがわかった。 従って、 同組成物は高い
性能が要求される電機・電子部品、事務機器、自動車部
品、容器等の各種分野において、エンジニアリングプラ
スチックとして広く利用することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエン系モノマー、多価ビニル化合物お
    よび多価アリル化合物から選ばれた少なくとも1種を含
    む成分からなる重合体に、芳香族ビニル系モノマー、メ
    タクリル酸エステル系モノマー、シアン化ビニル系モノ
    マーから選ばれた少なくとも1種を含むビニル系モノマ
    ーをグラフト重合して得られる共重合体を含む熱可塑性
    樹脂を、炭素ラジカル誘発剤の存在下に動的熱処理を行
    うことによって得られるABS系熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記共重合体としてのABS系樹脂の1
    種を他の熱可塑性樹脂の存在下で動的熱処理を行うこと
    によって得られる請求項1に記載のABS系熱可塑性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記炭素ラジカル誘発剤が電荷移動錯体
    を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のAB
    S系熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記炭素ラジカル誘発剤が水素供与性化
    合物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の
    ABS系熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記電荷移動錯体を含む炭素ラジカル誘
    発剤がジヒドロキノリン誘導体またはその重合体とビス
    マレイミド系化合物からなることを特徴とする請求項3
    に記載のABS系熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記水素供与性化合物を含む炭素ラジカ
    ル誘発剤が 0.1−水素原子/アントラセン分子以上の
    水素移行量を有することを特徴とする請求項4に記載の
    ABS系熱可塑性樹脂組成物。
JP36056591A 1990-12-29 1991-12-30 Abs系熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH0551513A (ja)

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