JPH0531148U - ねじ締め型コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 雌型コネクタの嵌合フード部内への雄型コネ
クタのコネクタハウジングの嵌合作業性が向上すると共
に保護カバーが不要となるねじ締め型コネクタを提供す
る。 【構成】 本考案のねじ締め型コネクタ３１は、雌型コ
ネクタ３９の嵌合フード部３７への雄型コネクタ３３の
コネクタハウジング３５の嵌合方向（矢印ａ方向）に対
して交差する方向に回転力付与部である頭部５１を形成
したことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、雄型コネクタのコネクタハウジングに設けたボルトと雌型コネクタ の嵌合フード部内に設けたナットとを螺合して締め付けることにより雄型コネク タが雌型コネクタに嵌合・保持されるねじ締め型コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図５には、特開昭６３−１３２８３号公報等で提案された従来のねじ締め型コ ネクタ１が示されている。同図においてねじ締め型コネクタ１は、雄型コネクタ ３と、この雄型コネクタ３のコネクタハウジング５が嵌合される嵌合フード部７ を有する雌型コネクタ９とで構成されている。

【０００３】 上記雄型コネクタ３のコネクタハウジング５には図示しない端子収容室が形成 されており、これらの端子収容室内には、雌型端子金具（図示せず）がそれぞれ 収容されている。また、上記雄型コネクタ３のコネクタハウジング５の略中央部 には、嵌合フード部７へのコネクタハウジング５の嵌合方向に沿って貫通穴１７ が形成されており、この貫通穴１７内には、嵌合フード部７側に雄ねじ部１７ａ が位置し、コネクタハウジング５の電線引き出し側に回転力付与部であるボルト 頭部１５が位置するようにボルト１１が挿入されている。また、コネクタハウジ ング５の電線１９の引き出し側は、電線保護カバー２１が図示しない固定手段に より固定され、コネクタハウジング５の図示しない端子収容室内から電線引き出 し側に引き出された複数本の電線１９を略直角に折り曲げている。

【０００４】 上記雌型コネクタ９の嵌合フード部７と一体に形成されたハウジング部２３に は複数の端子収容室（図示せず）が形成されており、これらの端子収容室内には 雄型端子金具（図示せず）がそれぞれ収容されている。これらの雄型端子金具の 先端部は、嵌合フード部７内に突出されており、雄型コネクタ３のコネクタハウ ジング５が嵌合フード部７内嵌合された状態では、雌型端子金具と嵌合して電気 的に接続されるようになっている。また、上記雌型コネクタ９の嵌合フード部７ 内の略中央部には、支持部２５が突設されており、この支持部２５には雌螺子体 であるナット１３が埋設され、このナット１３の雌ねじ部と連通する開口２５ａ が先端部に形成されている。

【０００５】 上記雄型コネクタ３を雌型コネクタ９嵌合するには、図６（ａ）に示す如くコ ネクタハウジング５を嵌合フード部７内に挿入し、雄螺子体であるボルト１１の 先端部を支持部２５の開口部２５ａに挿入する。そして、ボルト１１のボルト頭 部１５と回転力を付与する治具として例えばインパクトレンチ２７の先端係合部 ２９をボルト頭部１５に係止する。このインパクトレンチ２７を回転させること によりボルト１１に回転力を付与して、ナット１１と螺合させる。

【０００６】 さらにボルト１１を回転して締め付けることにより、コネクタハウジング５が 嵌合フード部７内の奥方に挿入・嵌合される。コネクタハウジング５が嵌合フー ド部７内に完全に嵌合した状態では、図６（ｂ）に示す如くボルト１１とナット １３の締結状態によりコネクタハウジング５が嵌合フード部７内に完全に嵌合・ 保持される。これにより雌型端子金具と雄型端子金具とが電気的に接続される。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、保護カバーを付けないねじ締め型コネクタ１では、嵌合フード 部７へのコネクタハウジング５の嵌合方向（矢印ａ方向）に沿ってボルト１１の ボルト頭部１５が位置しているので、端子収容室から引き出された電線１９が邪 魔になりインパクトレンチ２７によるボルト１１の締め付け作業性が悪いという 問題がある。

【０００８】 また、コネクタハウジング５の電線引き出し側にボルト頭部１５が位置してい るため、インパクトレンチ２７から電線を保護する為の保護カバー２１が必要と なり、コネクタ１のコストが高くなるという問題がある。

【０００９】 そこで本考案は、雌型コネクタの嵌合フード部内への雄型コネクタのコネクタ ハウジングの嵌合作業性が向上すると共に保護カバーが不要となるねじ締め型コ ネクタを提供することが目的である。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため本考案では、嵌合フード部への前記コネクタハウジン グの嵌合方向に対して交差する方向に回転力付与部を形成したことを特徴として いる。

【００１１】

【作用】

本考案によれば、回転力付与部を、嵌合フード部へのコネクタハウジングの嵌 合方向に対して交差する方向に形成したので、コネクタハウジングの電線引き出 し側から引き出された電線を、回転力付与部に回転力を付与する例えば治具等に より傷付けることがない。また、電線を保護するための保護カバーが不要になる 。さらに、嵌合フード部へのコネクタハウジングの嵌合方向に作業スペースが狭 い場合でも、この嵌合方向に沿って交差する方向に回転力付与部を設けたので、 電線が邪魔になることがなく作業性が向上し、電線を傷付けることもない。

【００１２】

【実施例】

次に本考案に係るねじ締め型コネクタの実施例について説明する。

【００１３】 第１実施例 図１及び図２には第１実施例のねじ締め型コネクタ３１が示されている。同図 においてねじ締型コネクタ３１は、雄型コネクタ３３と、この雄型コネクタ３３ のコネクタハウジング３５が嵌合される嵌合フード部３７が形成された雌型コネ クタ３９とで構成されている。

【００１４】 上記雄型コネクタ３３のコネクタハウジング３５の略中央部には空所３５ａが 形成され、この空所３５ａ内の中間部には、支持段部３４が形成されている。こ の支持段部３４の間には、つば付きカラー５３を介して雄螺子体であるボルト４ １の首部が挿通されプッシュナット５９で抜けが阻止されている。このボルト４ １は、雄ねじ部４３と、電線引き出し側に固定されたかさ歯車４５とで構成され ている。

【００１５】 また、ボルト４１に対して交差する方向すなわち嵌合フード部３７へのコネク タハウジング３５の嵌合方向（矢印ａ方向）に対して交差する方向に沿って貫通 穴３５ｂが形成され、この貫通穴３５ｂ内には、つば付きカラー５５を介して回 転軸４７が挿通されている。この回転軸４７には、下端部にかさ歯車４５と噛み 合うかさ歯車４９が固定され、上端部に回転力付与部である頭部５１が形成され てコネクタハウジング３５の外周に露出している。この頭部５１の周囲には、コ ネクタハウジング３５の外周から矩形状の保護壁５７が突出され、雌型コネクタ ３９の嵌合フード部３７の矩形状の切欠２４に嵌合される。

【００１６】 上記雄型コネクタ３３のコネクタハウジング３５に、ボルト４１、回転軸４７ を組み付ける手順について説明する。

【００１７】 先ずボルト４１を組み付けるには、予め形成されたコネクタハウジング３５の 空所３５ａ内につば付きカラー５３を挿入し、支持段部３４に挿通する。そして 、ボルト４１をつば付きカラー５３に沿って挿入する。次に、プッシュナット５ ９を雄ねじ部４３側からボルト４１に嵌合する。これにより、ボルト４１の空所 ３５ａからの抜けが防止される。

【００１８】 次に回転軸４７を組み付けるには、つば付きカラー５５を広げて回転軸４７を 挿入する。そして、コネクタハウジング３５に予め形成された貫通穴３５ｂ内に つば付きカラー５５をつぼめてすなわち径を小さくした状態で挿入し、かさ歯車 ４９をかさ歯車４５に螺合させる。つば付きカラー５５が貫通穴３５ｂを挿通す ると、つば部５５ａが広がりストッパとなる。この状態では回転軸４７はつば付 きカラー５５により回転自在にコネクタハウジング３５に支持される。

【００１９】 上記構成の雄型コネクタ３３のコネクタハウジング３５を雌型コネクタ３９の 嵌合フード部３７内に嵌合するには、コネクタハウジング３５を嵌合フード部３ ７に位置合わせした後に嵌合フード部３７側に移動し、ボルト４１の先端部を支 持部２５の開口部２５ａ内に挿入し、ボルト４１の雄ねじ部４３を雌螺子体であ るナット１３に螺合させる。そして、頭部５１にインパクトエンチ２７の先端部 を係止する。この状態からインパクトレンチ２７を回転させると、回転軸４７が 回転し、かさ歯車４５、４９を介してボルト４１に回転力が伝達されて回転し、 雄ねじ部４３がナット１３に螺合して締め付けられる。これによってコネクタハ ウジング３５が嵌合フード部３７内に嵌合され、コネクタハウジング３５が嵌合 フード部７内に完全に嵌合した状態では、回転軸４７の頭部５１が切欠２４内に 位置しコネクタハウジング３５が嵌合フード部７内に嵌合・保持される。

【００２０】 このように本実施例によれば、嵌合フード部７へのコネクタハウジング３５の 嵌合方向に対して交差する方向に頭部５１を設けたので、コネクタハウジング３ ５から引き出された電線１９が邪魔になることがなく、雌型コネクタの嵌合フー ド部内への雄型コネクタのコネクタハウジングの嵌合作業性が向上すると共に保 護カバーが不要になる。

【００２１】 第２実施例 次に第２実施例のねじ締め型コネクタ６１について図３及び図４を用いて説明 する。本実施例は雌型コネクタの嵌合フード部にボルトを設けて、雄型コネクタ にナットを埋設した例である。

【００２２】 図３に示す如く、本実施例のねじ締型コネクタ６１は、雄型コネクタ６３と、 雄型コネクタ６３のコネクタハウジング６５が嵌合される嵌合フード部６７が形 成された雌型コネクタ６９とで構成されている。 上記雄型コネクタ６３のコネクタハウジング３５の略中央部には、図４に示す 如く、空所３５ａが形成され、この空所３５ａの中間部には支持段部３４が形成 されている。この支持段部３４には、雌螺子体であるナット１３が埋設されてい る。

【００２３】 また、上記雌型コネクタ６９のハウジング６８には略中央部に空所６８ａが形 成されており、この空所６８ａの中間部には、支持段部６６が形成されている。 この支持段部６６には、ボルト７１の首部がつば付きカラー８３を介して挿通さ れている。ボルト７１は、先端部に雄ねじ部７３が形成され、中間部にスクリュ ウ７５が形成されている。

【００２４】 ボルト７１に対して交差する方向すなわち嵌合フード部６７へのコネクタハウ ジング６５の嵌合方向（矢印ａ方向）に対して交差する方向に沿って貫通穴６４ が形成され、この貫通穴６４内には、つば付きカラー８５を介して回転軸７７が 回転自在に挿通されている。この回転軸７７は、下端部にスクリュウ７５と噛み 合うスクリュウ７９が形成され、上端部には回転力付与部である頭部８１が形成 されコネクタハウジング３５の外周に露出している。この頭部８１の周囲には、 コネクタハウジング３５の外周から保護壁８７が突出している。

【００２５】 上記構成の雌型コネクタ６９の嵌合フード部６７に雄型コネクタ６３のコネク タハウジング６５を嵌合させるには、コネクタハウジング６５を嵌合フード部６ ７内に挿入し、ボルト７１を支持段部３４内に挿入して、雄ねじ部７３をナット １３に螺合させる。そして、頭部８１にインパクトレンチ２７を係止して、回転 させると、この回転力がスクリュウ７５、７９を介してボルト７１に伝達され、 ボルト７１が回転して、ナット１３に締め付けられる。これにより、コネクタハ ウジング６５が嵌合フード部６７内に挿入・嵌合される。

【００２６】 このように本実施例によれば、嵌合フード部６７へのコネクタハウジング６５ の嵌合方向に対して交差する方向に設けたので、コネクタハウジング６５から引 き出された電線１９が邪魔になることがなく、雌型コネクタ６９の嵌合フード部 ６７内への雄型コネクタ６３のコネクタハウジング６５の嵌合作業性が向上する と共に保護カバーが不要になる。

【００２７】

【考案の効果】

以上説明したように本考案に係るねじ締め型コネクタによれば、雌型コネクタ の嵌合フード部内への雄型コネクタのコネクタハウジングの嵌合作業性が向上す ると共に保護カバーが不要となるという優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例のねじ締め型コネクタを示
す斜視図である。

【図２】第１実施例のねじ締め型コネクタを示す断面図
である。

【図３】本発明の第２実施例のねじ締め型コネクタを示
す斜視図である。

【図４】第２実施例のねじ締め型コネクタを示す断面図
である。

【図５】従来のねじ締め型コネクタを示す斜視図であ
る。

【図６】従来のねじ締め型コネクタを示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１３ ナット ３１、６１ ねじ締め型コネクタ ３３、６３ 雄型コネクタ ３５、６５ コネクタハウジング ３７、６７ 嵌合フード部 ３９、６９ 雌型コネクタ ４１ ７１ ボルト ４３、７３ 雄ねじ部 ５１、８１ 頭部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 雄型コネクタと、この雄型コネクタのコ
   ネクタハウジングが嵌合される嵌合フード部を有する雌
   型コネクタと、前記雄型コネクタ及び雌型コネクタのい
   ずれか一方に形成された雄螺子体と、他方に形成されて
   前記雄螺子体と螺合する雌螺子体と、前記雄螺子体に回
   転力を付与する回転力付与部とを備え、前記雄螺子体と
   前記雌螺子体とを螺合して、前記回転力付与部から前記
   雄螺子体に回転力を付与して締め付けることにより前記
   コネクタハウジングが前記嵌合フード部内に嵌合・保持
   されるねじ締め型コネクタにおいて、前記嵌合フード部
   への前記コネクタハウジングの嵌合方向に対して交差す
   る方向に前記回転力付与部を形成したことを特徴とする
   ねじ締め型コネクタ。