JP2013020905A - ボルト締めコネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電線30の端末に接続された雌端子32をキャビティ21内に収容した雌ハウジング10と、雄端子67を一体的に装着した雄ハウジング60とを備え、雌ハウジング10に回転可能に設けたボルト35を雄ハウジング60に設けたねじ孔63に螺合して締め付けることで、両ハウジング10,60を互いに引き寄せて嵌合し、対応する雌端子32と雄端子67同士を接続するようにしたボルト締めコネクタにおいて、雌ハウジング10におけるボルト35の頭部36の締結箇所の周りには保護壁40が設けられ、この保護壁40に、電線30を固定する弾性挟持部52を備えた振動伝達壁50が一体的に形成されている。
【選択図】図9
Description
なお、雄側のコネクタが例えば機器側コネクタであって、雄ハウジングが機器の側壁から一体に形成され、同雄ハウジングに対してタブ状の雄端子が一体的に装着された形式のものにあっても、上記のような微摺動摩耗についての不具合は同様に生ずるところである。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、特に雄ハウジングが雄端子を一体的に装着した形式のボルト締めコネクタにおいて、雌雄の端子金具間の微摺動摩耗を防止するところにある。
この状態において、雌ハウジングから引き出された電線が振動を受けた場合、同電線の端末に接続されて雌ハウジングに収容された雌端子が振動する一方、電線の振動が、保護壁の内側で雌ハウジングに押し付けられたボルトを介して、同ボルトが固定された相手の雄ハウジングに伝達され、ひいては雄ハウジングに一体的に装着された雄端子が、雌端子と同じような形態で同期して振動する。そのため、雌雄の端子金具間で微摺動摩耗が生じることが防止される。
(1)前記保護壁は、前記ボルトの頭部の座面を設けた形状をなして前記雌ハウジングとは別体に形成されており、前記雌ハウジングに設けられた被取付部に対してロック機構を介して装着されている。
保護壁が別体であることにより、電線の振動が雌ハウジングに伝わることが抑制され、その分ボルトを介して雄ハウジングにより伝わるようになり、雌雄の端子金具がさらに同期して振動しやすくなる。
電線のうち保護壁の座面から遠い位置が振動伝達部の固定部で固定されている場合と比較すると、電線の振動を受けて保護壁が回動し難く、結果ボルトの緩みが防止される。
電線は弾性挟持部に向けて径方向に押し込むだけでよいから、電線の振動伝達部に対する固定作業がしやすい。
電線は、一対の弾性挟持部により径方向の両側から閉じるように挟まれ、電線の外れ防止がより確実になされる。
本発明の実施形態1を図1ないし図12によって説明する。
この実施形態では、ワイヤハーネスの端末に設けられたハーネス側コネクタC1を、電子機器ユニット(ECU)等の機器に一体的に設けられた機器側コネクタC2に対してボルト35の締め付けを介して嵌合するボルト締めコネクタを例示する。本コネクタはまた、大きさを異にする複数種の端子金具を収容したハイブリッド式のコネクタである。
雌ハウジング10は詳細には、メインハウジング11の3側面にサブハウジング12,13が組み付けられて構成されている。
この保護壁40は合成樹脂製であって、ボルト35の頭部36が当てられる座面41の全周に、周壁42を立ち上がり形成した構造である。この保護壁40の座面41の下面には、外形正方形をなす脚体43が垂設され、座面41の中心から同脚体43の中心を貫通して、ボルト35の軸部37が挿通される挿通孔44が形成されている(図6参照)。
一方、雌ハウジング10の取付筒部15の上方突出部16Uにおける左右の側面には、上記した外筒45の取付板46のロック孔47にそれぞれ嵌合可能なロック突部17が形成されている。
この振動伝達壁50の上端部には、半円よりも若干大きい円弧形の筒状をなす弾性挟持部52が、ほぼ背中合わせの姿勢を取って一体形成されている。この弾性挟持部52には、一番大きい雌端子32を接続した最も太い電線30が、径方向から無理嵌め可能となっている。両弾性挟持部52の振動伝達部50側の間の位置には、詰め部53が形成されて補強されている(図5参照)。
雄ハウジング60の底壁61は、上げ底状に形成されており、この底壁61の上面における雌ハウジング10側の取付筒部15と対向する位置には、同取付筒部15内に緊密に嵌合する角柱部62が立設されている。この角柱部62の中心には、保護壁40の脚体43に形成された挿通孔44と同心位置において、ボルト35の軸部37に形成された雄ねじが螺合されるねじ孔63が形成されている。なお、ねじ孔63を形成することに代えて、ナットを埋設してもよい。
雄ハウジング60の底壁61における角柱部62の周りには、雌ハウジング10における取付筒部15の下方突出部16Dが挿入されるガイド溝65が形成されている。
ハーネス側コネクタC1を組み付けるに当たっては、メインハウジング11とサブハウジング12,13とを組み付けてブロック状の雌ハウジング10を形成する。一方、保護壁40に突設された振動伝達壁50の上端に設けられた2個の弾性挟持部52に対し、一番大きい雌端子32を端末に接続した最も太い電線30の途中位置が、径方向に押し込まれて嵌められる。
続いて、弾性挟持部52を電線30に沿わせて摺動させつつ、保護壁40が、雌ハウジング10(メインハウジング11)の取付筒部15の上方突出部16Uに対し、既述した要領で嵌められて押し込まれ、正規位置まで押し込まれたところで、ロック突部17が取付板46のロック孔47に嵌って係止されることにより抜け不能にロックされる。このとき、電線30に弛みがあったら上方に引っ張って弛みをなくす。振動伝達壁50は比較的低い背のものに形成されているから、電線30は、保護壁40の座面41から比較的近い位置において、弾性挟持部52を介して保護壁40に対して固定されていることになる。
それとともに、他の種類の雌端子も対応するキャビティ22〜24に対して挿入され、各雌端子に接続された電線は、収容壁55を利用して揃えられながら後方に引き出される。
図8及び図9に示すように、雌ハウジング10の下面が雄ハウジング60の底壁61に当たる正規位置まで嵌合されると、工具によるボルト35の締結操作が停止され、併せて両ハウジング10,60が正規に嵌合された状態に保持される。この間に、雌ハウジング10に収容された雌端子32を含む全雌端子と、雄ハウジング60に一体的に装着された雄端子67を含む対応する全雄端子とが、正規に嵌合接続されることになる。
なお、雌ハウジング10の上面側に引き出された2本の太い電線30を含む電線が一まとめにされ、テープ等で結束されてハーネス化される。
電線30が保護壁40の振動伝達壁50に固定されるに当たり、電線30は、保護壁40の座面41から比較的近い位置において弾性挟持部52を介して固定されているから、例えば電線30のうち保護壁40の座面41から比較的遠い位置で振動伝達壁50に固定されている場合と比較すると、電線30の振動を受けた場合に保護壁40が回動し難く、結果ボルト35の緩みが防止される。
また、電線30を振動伝達壁50に固定するに当たっては、電線30を弾性挟持部52に向けて径方向に押し込むだけでよいから、電線30の振動伝達壁50に対する固定作業がしやすい。
図13は、本発明の実施形態2を示す。この実施形態では、保護壁40に立てられた振動伝達壁50Aに電線30を固定する部分の構造に変更が加えられている。
この実施形態では、各電線30について3個ずつの弾性挟持部52Aが設定されており、この弾性挟持部52Aは、実施形態1の弾性挟持部52と比べると、背の低い略半円筒形に形成されている。これら3個の弾性挟持部52Aが、所定間隔を開けて上下3段に亘り、開口側を交互に左右逆に向けた姿勢で形成されている。
その他の構造、並びに、電線30が振動した場合に、同電線30の端末の雌端子32と、これと接続された雄端子67とを同期して振動させて、微摺動摩耗を防止するという作用効果が得られることは、実施形態1と同様である。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)保護壁の振動伝達壁に設ける固定部としては、上記実施形態に例示した略半円筒形をなす弾性挟持部に限らず、例えば振動伝達壁に手前側に突出した固定板を設けて同固定板に電線を圧入する圧入溝を設けたもの等、他の構造のものであってもよい。
(2)ハーネス側コネクタの組み付け手順は上記実施形態に例示したものに限らず、雌端子の大きさや、弾性挟持部の形成位置等の条件によっては、雌ハウジングに対して先に保護壁を取り付け、その後に雌端子をキャビティに挿入してその電線を弾性挟持部に押し込んで嵌める等、他の手順を踏んでも良い。
(4)ハーネス側コネクタは、上記実施形態に例示したブロックコネクタに限らず、フレーム内に複数のサブハウジングを組み付けた分割コネクタ、さらには単一のハウジングを備えたコネクタであってもよい。
(5)また本発明は、ハイブリッド式のコネクタに限らず、単一種の端子金具を多数本ハウジング内に収容した形式の多極コネクタにも同様に適用することが可能である。
C2…機器側コネクタ
10…雌ハウジング
11…メインハウジング
12,13…サブハウジング
15…取付筒部(被取付部)
16D…下方突出部
16U…上方突出部
17…ロック突部(ロック機構)
21…第1キャビティ(キャビティ)
25…タワー部
30…電線
32…雌端子
35…ボルト
36…頭部
37…軸部
40…保護壁
41…座面
42…周壁
43…脚体
44…挿通孔
45…外筒
46…取付板
47…ロック孔(ロック機構)
50,50A…振動伝達壁(振動伝達部)
52,52A…弾性挟持部(固定部)
60…雄ハウジング
62…角柱部
63…ねじ孔
67…雄端子
Claims (5)
- 電線の端末に接続された雌端子をキャビティ内に収容した雌ハウジングと、雄端子を一体的に装着した雄ハウジングとを備え、前記雌ハウジングに回転可能に設けたボルトを前記雄ハウジングに設けたねじ孔に螺合して締め付けることにより、両ハウジングを互いに引き寄せて嵌合し、対応する雌端子と雄端子同士を接続するようにしたボルト締めコネクタにおいて、
前記雌ハウジングにおける前記ボルトの頭部の締結箇所の周りには、当該ボルトの締め付け操作を行う工具に電線が干渉することから保護する保護壁が設けられ、この保護壁に、前記電線を固定する固定部を備えた振動伝達部が一体的に形成されていることを特徴とするボルト締めコネクタ。 - 前記保護壁は、前記ボルトの頭部の座面を設けた形状をなして前記雌ハウジングとは別体に形成されており、前記雌ハウジングに設けられた被取付部に対してロック機構を介して装着されていることを特徴とする請求項1記載のボルト締めコネクタ。
- 前記保護壁に形成された前記振動伝達部の前記固定部が、前記雌ハウジングから引き出された前記電線のうち前記保護壁の前記座面に近い位置を固定可能とされていることを特徴とする請求項2記載のボルト締めコネクタ。
- 前記振動伝達部の前記固定部は、略半円筒形をなして前記電線を径方向に嵌合することにより弾性的に挟持する弾性挟持部により構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のボルト締めコネクタ。
- 前記弾性挟持部は、前記電線の長さ方向に離間した位置に2個、それぞれの開口側を互いに向き合わせた姿勢で配されていることを特徴とする請求項4記載のボルト締めコネクタ。
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