JPH0530971Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は車両のエンジンを取付けるエンジン
マウントを有する車体のエンジン支持装置に関す
る。

（従来の技術） 例えば一般的な乗用車両における車体１の前側
にはエンジンルーム２が設けられている。このエ
ンジンルーム２の側部は第３図に示されるように
構成されている。第３図において矢印Ｆは車体１
の前方を示しており、矢印は上記エンジンルー
ム２の内側を示している。

そして、図中において３はフロントサイドメン
バであり、このフロントサイドメンバ３は前後方
向に亘つて設けられている。このフロントサイド
メンバ３の上部にはフエンダシールドインナ４が
結合されている。さらに、このフエンダシールド
インナ４およびフロントサイドメンバ３の間には
スプリングハウス５が上記エンジンルーム２内に
突出して設けられている。このスプリングハウス
５はその上部にフランジ部６が設けられて図示し
ないシヨツクアブソーバが外側より連結されてい
る。また、上記スプリングハウス５の前側に位置
するフロントサイドメンバ３とフエンダシールド
インナ４の間には上記エンジンルーム２内に突出
するエンジンマウント７が結合されている。この
エンジンマウント７はその突出側に図示しないエ
ンジンを固定する一対の隔壁８，８が離間して前
後に並設され、この隔壁８，８に貫通孔９，９が
同軸心上に穿設されている。

このような構造の車体のエンジン支持装置はそ
のエンジンマウント７の図示しないエンジンを固
定する隔壁８，８が上記エンジンルーム２内に突
出して設けられているため、エンジンから伝わる
振動に対する剛性が低く、車体１の振動や騒音を
生じやすいという事情があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 上述のように、エンジンマウントがエンジンル
ーム内に突出して設けられているため、エンジン
からの振動を車体に伝えやすく、車体内に振動や
騒音を生じやすいという事情があつた。

この考案は上記事情に着目してなされたもので
あり、従来の部品を変更することなく、エンジン
マウントの剛性を向上させて、車体の振動や、こ
の振動による騒音を防止する車体のエンジン支持
装置を提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段及び作用） この考案は、車体の前側に設けられたエンジン
ルームと、このエンジンルームの側部に設けられ
たフエンダシールドインナと、このフエンダシー
ルドインナの下部に車両の前後方向に亘つて設け
られたフロントサイドメンバと、上記フエンダシ
ールドインナよりエンジンルーム内に突出するス
プリングハウスと、上記スプリングハウスの前方
に離間した位置でかつ上記フエンダシールドイン
ナとフロントサイドメンバとに亘つて接合される
と共にエンジンルーム内へ突出されエンジンを軸
支する突出部を有するエンジンマウントとを備え
る車体のエンジン支持装置において、上記スプリ
ングハウスと上記エンジンマウントの突出部の軸
支部近傍とを連結し車両の前後方向に延在する補
強部材を設けたことを特徴とする車体のエンジン
支持装置であり、同構成によりエンジンマウント
の剛性を向上させると共にエンジンマウントの前
後および横方向の振動変位を規制することができ
るものである。

（実施例） 以下この考案を第１図および第２図に示される
一実施例によつて説明するが、その基本的構造は
第３図に示される従来例と同様のため同一構成部
分に関しては同一符号を付して説明の重複を避け
る。

第１図において、１は車体であり、この車体１
の前側にはエンジンルーム２が設けられている。
そして、このエンジンルーム２の側部にはフエン
ダシールドインナ４が設けられているとともに、
このフエンダシールドインナ４の下部にはフロン
トサイドメンバ３が前後方向に亘つて設けられて
いる。

ここで第１図における矢印Ｆは車体１の前方を
示し、矢印はエンジンルーム２の内側を示して
いる。

また、上記フエンダシールドインナ４とフロン
トサイドメンバ３の間にはエンジンルーム２内に
突出するようにスプリングハウス５が設けられて
いる。さらに、スプリングハウス５の前側に位置
して、上記フエンダシールドインナ４とフロント
サイドメンバ３とにかけてエンジンマウント７が
設けられている。

このエンジンマウント７は上記エンジンルーム
２内に突出するように設けられて、その突出部に
は図示しないエンジンを支持するための一対の隔
壁８，８が設けられている。そして、それぞれの
隔壁８，８には貫通孔９，９が設けられている。

そして、上記一対の隔壁８，８のうちスプリン
グハウス５側に位置する隔壁８に対して、この隔
壁８の形状に沿うように形成された第１のブラケ
ツト１０が例えばスポツト溶接によつて結合され
ている。そして、第１のブラケツト１０には第２
図に示されるような上下方向の貫通孔を有するフ
ランジ部１１が設けられている。このフランジ部
１１は第１のブラケツト１０の外側縁に亘つて設
けられてフランジ部１１自体の剛性を向上させて
いる。

また、上記スプリングハウス５のエンジンルー
ム２内に突出する側面には、その側面に沿う結合
片１２…を有する第２のブラケツト１３が、その
結合片１２…を例えばスポツト溶接によつて結合
されている。そして、この第２のブラケツト１３
にはフランジ部１４が設けられるとともに、この
フランジ部１４の剛性を高める側壁部１５，１５
が一体に設けられている。

さらに、上記第１のブラケツト１０と第２のブ
ラケツト１３の各フランジ部１１，１４には双方
の貫通孔１６，１６に対応する貫通孔１７，１７
が穿設された補強部材１８がボルト１９…、ナツ
ト２０…によつて結合されている。

この補強部材１８はプレートを略Ｌ字状に折曲
する等の剛性向上がなされている。

このように構成された車体のエンジン支持装置
は、そのエンジンマウント７がエンジンルーム２
内に突出して設けられているにもかかわらず、補
強部材１８で突出部の軸支部近傍とスプリングハ
ウス５とを連結することにより、エンジンマウン
ト７の剛性を向上させることができると共に前後
および横方向の振動変位が規制されるので、エン
ジンから車体１に伝わる特に前後方向の振動やこ
れに伴う騒音を低減することができる。また、従
来からのエンジン支持装置を変更することなく補
強部材１８等を追加することで上述のような効果
を得ることができる。

なお、この考案は上記一実施例に限定されるも
のではない。例えば上記一実施例において補強部
材１８は第１のブラケツト１０および第２のブラ
ケツト１３を介してスプリングハウス５およびエ
ンジンマウント７に連結されているが、これらの
ブラケツトを介すことなく直接補強部材１８を上
記スプリングハウス５とエンジンマウント７に結
合するもの等も含まれる。さらに、補強部材１８
や第１、第２のブラケツト１０，１３の各結合構
造は上述に限定されず、エンジンマウント７の剛
性向上に有効な強度を有する結合構造であればよ
い。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によればエンジ
ンルーム内に突出して設けられたスプリングハウ
スと上記エンジンマウントの突出部の軸支部近傍
とを補強部材によつて車両の前後方向に連結する
ことによつて、エンジンマウントの剛性を向上さ
せると共に、その前後および横方向の振動変位が
規制されるので、従来のエンジンマウントの位置
の変更および部品構造の大幅な変更を伴うことな
く車体に伝わるエンジンからの特に前後方向の振
動と共にこの振動に伴う騒音をも低減することが
できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの考案における一実施
例であり、第１図はエンジンの支持装置の斜視
図、第２図は第１図における補強部分の分解斜視
図、第３図は従来におけるエンジンの支持装置の
斜視図である。 １……車体、２……エンジンルーム、３……フ
ロントサイドメンバ、４……フエンダシールドイ
ンナ、５……スプリングハウス、７……エンジン
マウント、１８……補強部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体の前側に設けられたエンジンルームと、こ
   のエンジンルームの側部に設けられたフエンダシ
   ールドインナと、このフエンダシールドインナの
   下部に車両の前後方向に亘つて設けられたフロン
   トサイドメンバと、上記フエンダシールドインナ
   よりエンジンルーム内に突出するスプリングハウ
   スと、上記スプリングハウスの前方に離間した位
   置でかつ上記フエンダシールドインナとフロント
   サイドメンバとに亘つて接合されると共にエンジ
   ンルーム内へ突出されエンジンを軸支する突出部
   を有するエンジンマウントとを備える車体のエン
   ジン支持装置において、 上記スプリングハウスと上記エンジンマウント
   の突出部の軸支部近傍とを連結し車両の前後方向
   に延在する補強部材を設けたことを特徴とする車
   体のエンジン支持装置。