JPH0527735U - カメラの操作部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】コンパクトで設計の自由度が大きく、操作性の
よいカメラの操作手段を提供すること。 【構成】カメラボディの飾り板に対して回転自在に装着
され、少なくとも表示部がカメラボディの外部に露出す
る表示リングと、この表示リングを回転させる操作手段
であって、少なくとも操作部がカメラボディの外部に露
出したセレクトダイヤルと、上記表示部材の軸部を貫通
して装着された押し釦と、を備えていること。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、カメラ等において、カメラの機能に関する種々のモード、データ等 を変更選択操作する操作部材に関する。

【０００２】

【従来技術およびその問題点】

近年のカメラは、多数の機能を有するので、その機能を発揮させるためには多 数のスイッチ手段が必要となる。多数のスイッチ手段をカメラボディに設けると 、コンパクト性、操作性などが損なわれてしまう。

【０００３】 しかし需要者は、高機能かつコンパクトで操作の簡便なカメラを望んでいる。 この需要者の相反する要求を同時に満足させることは困難であった。

【０００４】

【考案の目的】

本考案は、コンパクトで設計の自由度が大きく、操作性のよいカメラの操作手 段を提供すること、を目的とする。

【０００５】

【考案の概要】

この目的を達成する本考案は、カメラボディの外観を形成する外装部材に対し て回転自在に装着され、少なくとも表示部がカメラボディの外部に露出する表示 部材と、上記表示部材を回転させる操作手段であって、少なくとも操作部が上記 カメラボディの外部に露出した回転操作部材と、上記表示部材の軸部を貫通して 装着された押し釦と、を備えたことに特徴を有する。

【０００６】

【実施例】

以下図示実施例に基づいて本考案を説明する。図１は本考案を適用したカメラ の実施例の要部を示す断面図、図２は同実施例を分解して示す斜視図である。

【０００７】 カメラボディ１０の上部外観を形成する飾り板（外装部材）１１の外面には、 文字リング（表示部材）２１を回転自在に収容する凹部１２が形成され、凹部１ ２の底の中心位置に穴１３が形成されている。

【０００８】 文字リング２１は、環状のリング部２２およびその下面から延びる中空軸部２ ３を有し、リング部２２が凹部１２に回動自在に嵌り、中空軸部２３が穴１３に 回動自在に嵌っている。リング部２２の上面には、所定の情報を表示する文字、 図形、記号などが付されている。中空軸部２３には、凹部１２の下面側（カメラ ボディ内部側）からセレクトダイヤル（回転操作部材）３１が嵌っている。文字 リング２１とセレクトダイヤル３１とは、中空軸部２３の先端に形成された非円 形の回り止め部２４とセレクトダイヤル３１の中心部に形成された長孔３２との 嵌合により一体に回動可能に連結されている。また、カメラボディ１０の側面、 つまり飾り板１１の側面には操作窓１４が形成されていて、この操作窓１４から 、セレクトダイヤル３１の周縁部に形成された操作部３３がカメラ外部に露出（ 突出）している。

【０００９】 凹部１２の裏面には、セレクトダイヤル３１の上面と僅かな隙間で対向するク リックストップリング４１が固定されている。クリックストップリング４１には 、同心円上に所定の間隔で複数のクリックストップ穴４２が形成されている。一 方、セレクトダイヤル３１には、上記クリックストップ穴４２と同一半径上にク リックボール穴３６が形成されている。

【００１０】 また、セレクトダイヤル３１には、クリックばね４３が固定されている。クリ ックばね４３はＹ字形状を呈していて、二又の脚部の各先端部に形成された孔４ ４が、セレクトダイヤル３１の長孔３２の棚部に突設された一対の突起３４に嵌 合固定され、舌部４５が、長孔３２から外周方向に形成された穴３５内に延びて いる。

【００１１】 穴３５の上部にはクリックボール穴３６が形成されていて、このクリックボー ル穴３６内にクリックボール４６が収容されている。クリックボール４６は、舌 部４５によって上方に、つまりクリックストップリング４１に向かって弾性的に 押圧されている。したがって、クリックストップ穴４２とクリックボール穴３６ とが合致しているときには、クリックボール４６がクリックストップ穴４２およ びクリックボール穴３６に嵌って、セレクトダイヤル３１がクリックストップリ ング４１、したがってカメラボディ１０に対してクリックストップされる。以上 のクリックボール穴３６、クリックストップリング４１、クリックストップ穴４ ２およびクリックボール４６によりクリックストップ手段が構成されている。

【００１２】 セレクトダイヤル３１の下面には、円板状のコード板５１が固定されている。 コード板５１の下面には、所定のデータを形成するコード５２が形成されている 。このコード５２は、詳細は図示しないが、セレクトダイヤル３１がクリックス トップされた位置に対応するデータを、後述のブラシ部材９１と協働して形成す る。

【００１３】 文字リング２１には、カメラボディの外側から押し釦６１が挿入されている。 押し釦６１は、大径の頭部６２および細径の軸部６３を備えている。頭部６２は 軸穴２５内に軸方向移動自在に嵌り、軸部６３は、中空軸部２３の先端に形成さ れた非円形凸部の中心に形成された軸穴２６に摺動自在に嵌り、かつ先端部が軸 穴２６から突出している。そして軸部６３の先端部に形成された溝６４に止め輪 ６５が嵌められて、軸部６３が軸穴２６から抜けるのを防止されている。

【００１４】 円板状のコード板５１の下方から、ダストカバー７１が飾り板１１に対して固 定されている。ダストカバー７１には、中央に穴７２が形成され、この穴７２か ら外周に向かって延びるブラシ穴７３が形成されている。

【００１５】 コード板５１の下方には、カメラボディ１０に固定された親板８１が位置して いる。親板８１の上面にはフレキシブルプリント基板８２が固定され、フレキシ ブルプリント基板８２にブラシ部材９１が装着されている。ブラシ部材９１は、 ４本の接片９２を有し、これらが絶縁材により形成された基台９３に固定されて いる。接片９２の先端は、ブラシ穴７３を抜けてコード５２に摺接する。コード ５２には、図示しないが、各接片９２に接触可能な導電性ランドが形成されてい て、接片９２が導電性ランドに接触するか否かにより１ビットの情報を構成し、 さらに各接片９２のビット情報の組み合わせにより４ビットの情報を構成する。 なお、各接片９２は、カメラボディ１０内に装着された制御手段（例えばマイク ロコンピュータ）に接続されている。そして、この制御手段により上記４ビット の情報が検出され、その情報に応じた所定の処理が施される。なお、ビット数は 任意である。

【００１６】 また、基台９３は、穴７２に嵌る筒状部９４を備えていて、筒状部９４の下端 部には大径部９５が形成されている。筒状部９４内には、導電ゴムスイッチ１０ １が収容されている。導電ゴムスイッチ１０１は、断面Ａ字形状を呈し、中央上 部に円柱状の接点部１０２を有し、この接点部１０２が、支持部１０３を介して 環状の台部１０４と接続されている。台部１０４はフレキシブルプリント基板８ ２と大径部９５との間に嵌められ、接点部１０２は筒状部９４内に入っている。 そして接点部１０２は、上面が軸部６３の先端部に当接してこれを突出する方向 に、支持部１０３の弾性力により付勢している。

【００１７】 押し釦６１が撮影者により押圧されると接点部１０２は、支持部１０３を弾性 変形させて下降し、その下面がフレキシブルプリント基板８３に接触する。接点 部１０２と接触するフレキシブルプリント基板８３には少なくとも一対の接点が 形成されていて（図示せず）、これらの接点が接点部１０２を介して電気的に接 続（オン）される構成である。なお、一対の接点は、上述の制御手段に接続され ている。

【００１８】 この実施例の動作、使用方法は、次の通りである。文字リング２１は、セレク トダイヤル３１と一体に回動する。また、文字リング２１の表面には、セレクト ダイヤル３１の操作により切換えられる機能に関する表示が付され、飾り板１１ の表面には、上記切換えられた機能、つまりクリックストップされた位置に対応 する表示を示す指標１５が形成されている。

【００１９】 撮影者が操作部３３に指を押し付けてセレクトダイヤル３１を所定方向に付勢 すると、その付勢力が一定値を越えたときにクリックボール４６がクリックスト ップ穴４２から押し出され、セレクトダイヤル３１が比較的容易に回転する。そ して、他のクリックストツプ穴４２がクリックボール４６と対向する位置に来る と、クリックボール４６がクリックストップ穴４２に嵌入してセレクトダイヤル ３１はクリックストップされる。このクリックストップ位置においては、接片９ ２が所定のコード５２に接触して、所定のデータを形成する。そのデータは、指 標１５が指し示す文字リング２１上の標識に対応する。

【００２０】 ここで撮影者が押し釦６１を押すと、接点部１０２がフレキシブルプリント基 板８２に接触して接片９１が接触するコード５２（文字リング２１の位置に応じ たデータ）をアクティブする。なお、コード５２により変更されるモード、パラ メータなどは、任意に設定することが可能である。

【００２１】 以上の通り本実施例は、文字リング２１が飾り板１１の上面に、セレクトダイ ヤル３１がその内面に設けられ、セレクトダイヤル３１の操作部３３が飾り板１ １から側面に霞呈し、さらに文字リング２１およびセレクトダイヤル３１の軸心 に押し釦６１が設けられているので、コンパクトな構成で複合スイッチの実現が 可能になり、カメラに実装するに際して、他の部材、部分への影響が少なく、し かもカメラの外観を損ねることがない。

【００２２】 本実施例の操作部材をカメラに搭載すると、撮影者がセレクトダイヤル３１を 指で回転させることにより所定のモード等を変更することが可能になり、さらに 、セレクトダイヤル３１と同心に設けられた押し釦６１を押すことにより、セレ クトダイヤル３１により選択されたモード内におけるモードまたはパラメータを 変更可能にし、さらに変更したモード内のモード等を選択することも可能になる 。

【００２３】 本実施例では文字リング２１に識別標識を設け、飾り板１１に指標１５を設け たが、逆に文字リング２１に指標を、飾り板１１に識別標識を設ける構成でもよ い。

【００２４】

【考案の効果】

以上の説明から明らかな通り本考案によれば、回転自在な表示部材がカメラボ ディの外に露呈し、これを回転させる回転操作部材の操作部がカメラボディの外 に露出し、表示部材の軸部に押し釦が装着されているので、コンパクトな構成で 複合スイッチの実現が可能になり、カメラに実装するに際して、他の部材、部分 への影響が少なく、しかもカメラの外観を損ねることがない。さらに、操作部が 集中的に配置されることにより、操作性の向上も図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の操作部材を適用したカメラの実施例の
要部を示す断面図である。

【図２】同実施例の操作部材を分解して示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１０ カメラボディ １１ 飾り板 １２ 凹部 １３ 軸孔 １４ 操作窓 ２１ 文字リング ２２ リング部 ２３ 中空軸部 ３１ セレクトダイヤル ３３ 操作部 ４１ クリックストップリング ４３ クリックばね ４６ クリックボール ５１ コード板 ６１ 押し釦 ９１ ブラシ部材 １０１導電ゴムスイッチ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カメラボディの外観を形成する外装部材
   に対して回転自在に装着され、少なくとも表示部がカメ
   ラボディの外部に露出する表示部材と、 上記表示手段を回転させる操作手段であって、少なくと
   も操作部が上記カメラボディの外部に露出した回転操作
   部材と、 上記表示部材の軸部を貫通して装着された押し釦と、 を備えていることを特徴とするカメラの操作部材。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の表示部材は、上記外装
   部材の外側に回動自在に装着された文字リングからな
   り、上記回転操作部材は、カメラボディ内に上記文字リ
   ングと同軸で回動自在に軸支されかつ上記文字リングと
   一体に回転可能に連結されていることを特徴とするカメ
   ラの操作部材。
3. 【請求項３】 請求項２に記載の表示部材の表示部は、
   上記カメラボディの上面に露呈し、上記回転操作部材の
   操作部は、カメラボディの側面に露出していることを特
   徴とするカメラの操作部材。
4. 【請求項４】 請求項２に記載の回転操作部材とカメラ
   ボディとの間には、上記回転操作部材を複数の特定位置
   において弾性的に係止するクリックストップ手段が設け
   られていることを特徴とするカメラの操作部材。
5. 【請求項５】 請求項４において、上記回転操作部材と
   カメラボディとの間には、上記回転操作部材のクリック
   ストップ位置に応じたデータを形成するコード手段が備
   えられていることを特徴とするカメラの操作部材。