JPH05140423A - 液晶ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

液晶ポリエステル樹脂組成物

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JPH05140423A
JPH05140423A JP30193591A JP30193591A JPH05140423A JP H05140423 A JPH05140423 A JP H05140423A JP 30193591 A JP30193591 A JP 30193591A JP 30193591 A JP30193591 A JP 30193591A JP H05140423 A JPH05140423 A JP H05140423A
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JP
Japan
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liquid crystal
structural unit
acid
group
crystal polyester
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JP30193591A
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English (en)
Inventor
Toshio Kurematsu
俊夫 榑松
Toru Yamanaka
亨 山中
Shunei Inoue
俊英 井上
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 異方性溶融相を形成する液晶ポリエステル1
00重量部に対して特定のホスホナイト化合物0.001〜5
重量部を含有させた液晶ポリエステル樹脂組成物。 【効果】 本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、耐
熱性、耐加水分解性に優れ、機械的、熱的特性が良好で
あるため、エンジニアリングプラスチックとして電気・
電子用途など種々の用途に対し有用な材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性および耐加水分
解性の優れた液晶ポリエステル樹脂組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックの高性能化に対する要
求が益々高まり、種々の新規性能を有するポリマが数多
く開発され、市場に供されているが、中でも特に分子鎖
の平行な配列を特徴とする光学異方性の液晶ポリマが優
れた機械的、熱的特性を有する点で注目されている。
【0003】しかしながらこの液晶ポリエステルもポリ
エチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート
のような一般のポリエステルと同様にエステル結合を有
しており、とりわけエチレンジオキシ単位を含有した液
晶ポリエステルの耐熱性や耐加水分解性が必ずしも十分
ではないという問題があった。その対策として特開平2
-51524号では、重合時に耐熱剤を添加して長期の耐熱性
を向上させる方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開平2
-51524号公報に記載されている耐熱剤は、300℃以上で
分解するため、融点が300℃以上の液晶ポリエステルで
は重合時、押出および成形時に分解してしまい耐熱性向
上効果が不十分であり、また耐加水分解性は全く改善さ
れないことがわかった。
【0005】よって本発明は、上述の問題を解消し、耐
熱性および耐加水分解性の優れた液晶ポリエステル樹脂
組成物を得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の課題
を達成すべく鋭意検討した結果、ホスホナイト化合物を
特定量添加することが、液晶ポリエステルの耐熱性のみ
ならず耐加水分解性にも有効であることを見い出し本発
明に到達した。すなわち本発明は、(A) 異方性溶融相
を形成する液晶ポリエステル100重量部に対して、(B)
下記一般式 (a)で示されるホスホナイト化合物0.001〜
5重量部を含有せしめてなる液晶ポリエステル樹脂組成
物を提供するものである。
【0007】
【0008】(但し、R1 , R2 , R3 およびR4 は同
じであってもよく、炭素数1〜25のアルキル基、置換ア
ルキル基、アリール基または置換アリール基から選ばれ
たものである。またR5 は炭素数1〜33のアルキレン
基、置換アルキレン基、アリーレン基または置換アリー
レン基を示す。) 本発明でいう液晶ポリエステルは、芳香族オキシカルボ
ニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族ジカルボニル単
位、エチレンジオキシ単位などから選ばれた単位からな
るポリエステルが挙げられるが、下記構造単位 (I)、
(II)、 (IV) または (I)、 (II)、 (III)、 (IV)からなる
液晶ポリエステルが好ましく、とりわけ(I)、 (II)、 (I
II)、 (IV)からなる液晶ポリエステルが好ましい。
【0009】
【0010】(ただし、式中のR3 から選ばれた1種以上の基を示し、R2
【0011】
【0012】から選ばれた基を示す。また、構造単位
(IV) は実質的に構造単位[ (II) + (III)]と等モル
である。) 上記液晶性ポリエステルの融点は、 300℃以上、 350℃
以下であることが好ましい。上記構造単位 (I) は、p
−ヒドロキシ安息香酸から生成したポリエステルの構造
単位を、上記構造単位 (II) は4, 4'−ジヒドロキシビ
フェニル、3, 3',5, 5'−テトラメチル−4, 4'−ジ
ヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハ
イドロキノン、フェニルハイドロキノン、2, 6−ジヒ
ドロキシナフタレン、2, 7−ジヒドロキシナフタレ
ン、2, 2−ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン
および4, 4'−ジヒドロシキジフェニルエーテルから生
成した構造単位を、構造単位(III) はエチレングリコー
ルから生成した構造単位を、構造単位 (IV) はテレフタ
ル酸、イソフタル酸、4, 4'−ジフェニルジカルボン
酸、2, 6−ナフタレンジカルボン酸、4, 4'−ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、1, 2−ビス (フェノキ
シ) エタン−4, 4'−ジカルボン酸から選ばれた1種以
上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示
す。
【0013】構造単位(III) を含むときには、構造単位
(II) として4, 4'−ジヒドロキシビフェニルから生成
した構造単位が、構造単位(III) を含まないときは、構
造単位 (II) として、4, 4'−ジヒドロキシビフェニル
および2, 6−ジヒドロキシナフタレンから生成した構
造単位が好ましく、構造単位 (IV) としてはテレフタル
酸から生成した構造単位が好ましい。
【0014】上記構造単位 (I)、 (II)、 (III)および
(IV) の共重合量は任意である。しかし、流動性のみな
らず耐熱性および耐加水分解性の点から次の共重合量で
あることが好ましい。すなわち、上記構造単位 (III)を
含む場合は上記構造単位[ (I) + (II) ]は[ (I)
+ (II) + (III)]の60〜95モル%であることが好まし
く、85〜93モル%であることが特に好ましい。また、構
造単位 (III)は「 (I)+ (II) + (III)]の40〜5モ
ル%が好ましく、15〜7モル%であることが特に好まし
い。また、構造単位 (I)/(III) のモル比は75/25〜9
5/5が好ましく、構造単位 (IV) は実質的に構造単位
[ (II)+ (III)]と等モルである。一方、上記構造単
位(III) を含まない場合は構造単位 (I) は[ (I) +
(II) ]の40〜90モル%が好ましく、60〜88モル%が特
に好ましい。また、上記構造単位 (II)/(III) のモル
比は90/10〜10/90が好ましく耐熱性と流動性の点から
75/25〜40/60がより好ましい。構造単位 (IV) は構造
単位 (II) と実質的に等モルである。
【0015】なお、上記好ましい液晶ポリエステルを重
縮合する際には上記 (I)、 (II)、 (III)および (IV) を
構成する成分以外に、3, 3'−ジフェニルジカルボン
酸、3, 4'−ジフェニルジカルボン酸、2, 2'−ジフェ
ニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、レゾルシ
ン、クロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ビ
ス (4−ヒドロキシフェニル) スルホンなどの芳香族ジ
ヒドロキシ化合物およびこれらのエチレンオキサイド付
加物、1, 4−ブタンジオール、1, 6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1, 4−シクロヘキサ
ンジオール、1, 4−シクロヘキサンジメタノールなど
の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−オキシ安息香酸、
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸などの芳香族ヒドロキ
シカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−アミノ
安息香酸などをさらに共重合せしめることができる。
【0016】本発明で用いる液晶ポリエステル (A) の
溶融粘度は通常、10,000ポイズ以下であり、6,000ポイ
ズ以下が好ましく、特に4,000ポイズ以下がより好まし
い。なお、この溶融粘度は (融点 (Tm+10℃) の温度
で、融点が観測できない場合には、 (液晶開始温度+40
℃) の温度で、ずり速度1,000 (1/秒) の条件下で高
化式フローテスターによって測定した値である。
【0017】ここで、融点 (Tm) とは示差熱量測定にお
いて、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の昇温
条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度 (Tm1)
の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持した後、−20
℃/分の降温速度で室温まで一旦冷却した後、再度20℃
/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温
度 (Tm2) を指す。
【0018】本発明における液晶ポリエステル (A)
は、ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定する
ことが可能なものもあり、その際には0.1g/dlの濃度
で60℃で測定した値で0.5dl/g 以上が好ましく、構造
単位(III) を含む場合は0.5〜3.0dl/g 、構造単位(I
II) を含まない場合は1.0〜15.0dl/g が特に好まし
い。
【0019】本発明における液晶ポリエステル (A) の
製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重
縮合法に準じて製造できる。たとえば前記好ましい液晶
ポリエステルにおいて構造単位(III) を含まない場合は
下記 (1)、 (2)、 上記構造単位(III) を含む場合は
(5) の製造方法が好ましく用いられる。
【0020】(1) p−アセトキシ安息香酸、4, 4'−
ジアセトキシビフェニルなどの芳香族ジヒドロキシ化合
物のジアシル化物とテレフタル酸などの芳香族ジカルボ
ン酸から脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。 (2) p−ヒドロキシ安息香酸、4, 4'−ジヒドロキシ
ビフェニルなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とテレフタ
ル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応させ
て、フェノール性水酸基をアシル化したのち、脱酢酸重
縮合反応によって製造する方法 (但し2, 6−ジヒドロ
キシナフタレンについては、2, 6−ジアセトキシナフ
タレンを用いるのが好ましい) 。
【0021】(3) p−ヒドロキシ安息香酸のフェニル
エステル、4, 4'−ジヒドロキシビフェニルなどの芳香
族ジヒドロキシ化合物とテレフタル酸などの芳香族ジカ
ルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール重縮合
反応により製造する方法。 (4) p−ヒドロキシ安息香酸およびテレフタル酸など
の芳香族ジカルボン酸に所望のジフェニルカーボネート
を反応させてそれぞれジフエニルエステルとしたのち、
4, 4'−ジヒドロキシビフェニルなどの芳香族ジヒドロ
キシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応により製造
する方法。
【0022】(5) エチレングリコールと芳香族ジカル
ボン酸からなるオリゴマあるいはポリマまたは芳香族ジ
カルボン酸のビス (β−ヒドロキシエチル) エステルの
存在下で (1) または (2) の方法で製造する方法。 (5) の製造方法により、エチレングリコールと芳香族
ジカルボン酸からなるオリゴマあるいはポリマは、エス
テル交換反応により分子鎖中にランダムに取り込まれ、
上記構造単位(III) を含む液晶ポリエステルが得られる
ものと考えられる。
【0023】重合反応時、必要に応じて触媒を使用して
もよい。重縮合反応に使用する触媒としては、酢酸第一
錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウム、三酸化ア
ンチモン、マグネシウム、酢酸ナトリウム、酢酸亜鉛な
どの金属化合物が代表的であり、とりわけ脱フェノール
重縮合の際に有効である。本発明で用いるホスホナイト
化合物は下記構造式 (a) からなるものであり、特に構
造式 (b) からなるテトラキス (2, 4−ジ−t−ブチ
ルフェニル) 4,4'−ビフェニレンジホスホナイトであ
ることが好ましい。従来用いられていたホスファイト化
合物では重合時、押出および成形時に分解するため本発
明の目的を達成することができない。
【0024】
【0025】(但し、R1 , R2 , R3 およびR4 は同
じであってもよく、炭素数1〜25のアルキル基、置換ア
ルキル基、アリール基または置換アリール基から選ばれ
たものである。またR5 は炭素数1〜33のアルキレン
基、置換アルキレン基、アリール基または置換アリーレ
ン基を示す。)
【0026】
【0027】本発明におけるホスホナイト化合物の添加
時期は、重合完結前でも、完結後でもよいが重合完結前
の時には、該液晶ポリエステルと同種または異種のポリ
エステル (たとえばポリエステルテレフタレート) で被
覆せしめた状態で添加するのが好ましい。重合完結後に
添加する場合は液晶ポリエステルと溶融混練するのが好
ましく、溶融混練には公知の方法を用いることができ
る。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニ
ーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、 200〜37
0℃の温度で溶融混練して組成物とすることができる。
【0028】なお、本発明においては充填剤を配合する
ことにより更に耐熱性や耐加水分解性を向上させること
ができ、この充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、
芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリウム繊維、石膏繊
維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミ
ックス繊維、ボロンウイスカー繊維、マイカ、タルク、
シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレー
ク、ガラスマイクロバルーン、クレー、ワラステナイ
ト、酸化チタン等の繊維状、粉状、粒状あるいは板状の
無機フィラーが挙げられる。上記充填剤中、ガラス繊維
が好ましく使用される。ガラス繊維の種類は、一般に樹
脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長
繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミ
ルドファイバーなどから選択して用いることができる。
また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル共重合体など
の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被
覆あるいは集束されていてもよく、またシラン系、チタ
ネート系などのカップリング剤、その他の表面処理剤で
処理されていてもよい。
【0029】この充填剤を添加する場合の量は液晶ポリ
エステル100重量部あたり、200重量部以下であり、よ
り好ましくは150重量部以下である。本発明の液晶ポリ
エステル樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない程度
の範囲でその他の耐熱剤 (ヒンダードフェノール化合
物、ホスファイト化合物や上記構造式 (a) 以外のホス
ホナイト化合物)、紫外線吸収剤 (たとえばレゾルシノ
ール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェ
ノンなど) 、滑剤および離型剤 (モンタン酸およびその
塩、エステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコ
ール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)
、染料 (たとえばニグロシンなど) および顔料 (たと
えば硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラッ
クなど) を含む着色剤、可塑剤、帯電防止剤などの通常
の添加剤や他の熱可塑性樹脂を添加して、所定の特性を
付与することができる。
【0030】また、本発明の液晶ポリエステル樹脂組成
物において液晶ポリエステル100重量部に対して0.01〜
20重量部のエポキシ化合物を添加することが、成形滞留
時の耐熱性の点で好ましく、この場合、エポキシ基が
0.001〜0.01g当量含まれるように添加するのがより好
ましい。このエポキシ化合物としては、ビスフェノール
Aジグリシジルやオルトフェニルフェノールグリシジル
エーテルや下記構造式 (1) のビスフェノールA型のエ
ポキシ化合物などのグリシジルエーテル類、ヘキサヒド
ロフタル酸ジグリシジルエステルやテトラヒドロフタル
酸ジグリシジルエステルなどのグリシジルエステル類、
下記構造式 (2) のグリシジルエーテル・エステル類、
メタクリル酸グリシジルを1〜30重量%含有するエチレ
ン/メタクリル酸グリシジル共重合体やエチレン/メタ
クレル酸グリシジル/酢酸ビニル共重合体などのエポキ
シ基含有共重合体、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、2− (3, 4−エポキシシクロヘキシル) エ
チルトリメトキシシランなどのエポキシシラン類などが
挙げられ、これらのうちエポキシシラン類が最も好まし
い。
【0031】 (nは0〜20の整数)
【0032】
【0033】(Ar は1, 4−フェニレン、1, 3−フ
ェニレン、2, 6−ナフチレンなどを示し、nは0〜20
の整数である。) かくしてなる本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、
射出成形、押出成形など通常の成形法により優れた耐熱
性および耐加水分解性を有した成形品を得ることができ
る。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述す
る。 参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸 994重量部、4, 4'−ジヒドロ
キシビフェニル 126重量部、テレフタル酸 112重量部、
固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート
216重量部および無水酢酸 960重量部を攪拌翼、留出管
を備えた反応容器に仕込み、次の条件で脱酢酸重縮合を
行った。まず、窒素ガス雰囲気下に 100〜250℃で5時
間、 250〜320℃で1.5時間反応させた後、 320℃、1
時間で0.5mmHgに減圧し、さらに1時間反応させ、重縮
合を完結させたところ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下
記の理論構造式を有する樹脂を得た。
【0035】
【0036】 k/l/m/n=80/7.5/12.5/20 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、
昇温して、光学異方性の確認を行った結果、液晶開始温
度は 294℃であり、良好な光学異方性を示した。また、
融点 (Tm) は 314℃であった。このポリエステルの対数
粘度 (0.1g/dlの濃度でペンタフルオロフェノール中、
60℃で測定) は1.71dl/gであり、 324℃、ずり速度10
00/秒での溶融粘度は 620ポイズであった。 実施例1, 2、比較例1 参考例1の液晶ポリエステル100部に対してテトラキス
(2, 4−ジ−t−ブチルフェニル) 4, 4'−ビフェニ
レンジホスホナイトおよびガラス繊維43部を表1記載の
割合でドライブレンドした後、30mmφ二軸押出機を用い
て 310℃で溶融混練後ペレット化した。
【0037】このペレットを住友ネスタール射出成形機
プロマット40/25 (住友重機機械工業 (株) 製) に供
し、シリンダー温度 320℃、金型温度90℃で3.2mm厚の
ASTM1号ダンベル試験片を作成した。この試験片を用い
てギアオーブン中で耐熱性 (240℃、35日) およびオー
トクレーブ中で耐加水分解性 (100℃、10日間水中浸漬)
のテストを行い引張強度保持率を測定した。
【0038】これらの結果を併せて表1に示す。 実施例3 実施例1の配合組成にエポキシシラン (γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン) を0.5部加えた以外
は、実施例1と同様に押出、成形を行い、耐熱性および
耐加水分解性の評価を行った。 比較例2〜4 参考例1の液晶ポリエステル100部に対して下記ホスフ
ァイト化合物またはヒンダードフェノール化合物 (x)
〜 (z) をそれぞれ1部加えて実施例1と同様に押出、
成形を行い耐熱性および耐加水分解性の評価を行った。
これらの結果も表1に示した。
【0039】
【0040】
【0041】表1の結果から明らかなように、液晶ポリ
エステルに特定量のテトラキス (2, 4−ジ−t−ブチ
ルフェニル) 4,4'−ビフェニレンジホスホナイトを添
加してなる本発明の樹脂組成物は耐熱性および耐加水分
解性に優れている。これに対して、本発明以外の比較例
2〜4のホスファイト化合物またはヒンダードフェノー
ル化合物は、耐熱性および耐加水分解性が実施例より低
いことがわかる。
【0042】
【発明の効果】本発明は、液晶ポリエステルにホスホナ
イト化合物を添加することにより、耐熱性および耐加水
分解性の優れた樹脂組成物が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 異方性溶融相を形成する液晶ポリエ
    ステル100重量部に対して、 (B) 下記一般式 (a) で示されるホスホナイト化合物
    0.001〜5重量部を含有せしめてなる液晶ポリエステル
    樹脂組成物。 (但し、R1 , R2 , R3 およびR4 は同じであっても
    よく、炭素数1〜25のアルキル基、置換アルキル基、ア
    リール基または置換アリール基から選ばれたものであ
    る。またR5 は炭素数1〜33のアルキレン基、置換アル
    キレン基、アリーレン基または置換アリーレン基を示
    す。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6348163B1 (en) * 1998-09-18 2002-02-19 Eastman Chemical Company Liquid crystalline polyesters compositions containing aromatic phosphonites and a process for the preparation thereof
JP2008044989A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Dainippon Ink & Chem Inc 重合性液晶組成物

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