JP3041894B2 - 液晶ポリエステル組成物 - Google Patents

液晶ポリエステル組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、比強度、比弾性率に優れ、機械的異方性の
少ない液晶ポリエステル組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
近年プラスチックの高性能化に対する要求がますます
高まり、種々の新規性能を有するポリマが数多く開発さ
れ市場に供されているが、中でも特に分子鎖の平行な配
列を特徴とする光学異方性の液晶ポリマが優れた流動性
と機械的性質を有する点で注目されている。しかしなが
ら、この液晶ポリマとしてこれまで知られているもの
は、配向により機械的異方性が大きいことが知られてい
る。
このため、液晶ポリマの機械的異方性を低下させるた
めに、ガラス繊維や各種フィラーを配合することが提案
されている。
また、自動車を始めとする産業用途においても軽量化
の要求が望まれている。近年になり、R.F.Grossmanらに
よりテレフタル酸とカルシウム塩からなる高分子量錯体
(以下テレフタル酸カルウム塩と称する)に液晶ポリマ
をブレンドする方法が提案され圧縮成形品の強度、弾性
率が向上することが報告されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
液晶ポリマにガラス繊維を配合すると強度、弾性率は
向上するが機械的異方性が非液晶ポリマ(例えばポリブ
チレンテレフタレート)に比して大きくなることが知ら
れている。
一方、液晶ポリマに板状または粒状の充填剤を配合す
るとガラス繊維に比べ機械的異方性は少なくなるが強
度、弾性率や衝撃強度が低下することなどの問題のある
ことも知られている。
また、機械的異方性を減少させるにはこれら無機充填
剤を多量に使用することが必要なため比重が重くなり、
軽量化という点で大きな欠点を有している。
これに対して、p−ヒドロキシ安息香酸にボリエチレ
ンテレフタレートを共重合した液晶ポリマに(たとえば
特開昭49−72393号公報)と上記のテレフタル酸カルシ
ウム塩からなる組成物の射出成形品は機械的異方性は比
較的少なくなるものの衝撃強度が大きく低下し、耐熱性
も十分でない事がわかった。一方、p−ヒドロキシ安息
香酸と6−ヒドロキシ−2ナフトエ酸を共重合した液晶
ポリマ(たとえば特開昭54−77691号公報)とテレフタ
ル酸カルシウム塩からなる組成物の射出成形品は強度、
弾性率が大きく低下する事がわかった。
また、p−ヒドロキシ安息香酸に4,4′−ジヒドロキ
シビフェニルとテレフタル酸を共重合した液晶ポリマ
(たとえば特公昭47−47870号公報)とテレフタル酸カ
ルシウム塩からなる組成物の射出成形品は加工温度が高
く、成形加工時分解が生じ、強度、弾性率および衝撃強
度が大きく低下する事がわかった。
このようにR.F.Grossmanらによる液晶ポリマとテレフ
タル酸カルシウムのブレンドポリマにより強度、弾性率
が向上する報告があるがこれは圧縮成形品についての報
告であり、射出成形品ではむしろ機械的特性は、大きく
低下する事がわかった。
よって本発明は、上記の問題を解決し比強度、比弾性
率および機械的異方性に優れた液晶ポリエステル組成物
を得ることを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結
果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、 (A) 下記構造単位(I)、(II)、(V)と構造単
位(III)および/または(IV)からなる液晶ポリエス
テル100重量部、 から選ばれた1種以上の基を示し、Yは および から選ばれた1種以上の基を示し、また、構造単位(I
I)、(III)および(IV)と構造単位(V)は、実質的
に等モルである) (B) 上記構造単位(V)を形成する1種以上の芳香
族ジカルボン酸と2価の金属原子からなる高分子量錯体
の1種以上1〜200重量部、及び (C) 充填剤0〜150重量部を配合せしめてなること
を特徴とする液晶ポリエステル組成物を提供するもので
ある。
本発明における液晶ポリエステル(A)の上記構造単
位(I)は、p−ヒドロキシ安息香酸から生成したポリ
エステルの構造単位を、上記構造単位(II)は4,4′−
ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位を、上記
構造単位(III)はハイドロキノン、t−ブチルハイド
ロキノン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキ
シナフタレン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ルおよび3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロ
キシビフェニルから選ばれた1種以上のジヒドロキシ化
合物から生成した構造単位を、構造単位(IV)はエチレ
ングリコールから生成した構造単位を、構造単位(V)
はテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸および4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン
酸から選ばれた1種以上の芳香族ジカルボン酸から生成
した構造単位を各々示す。
本発明の液晶ポリエステル(A)は上記構造単位
(I)、(II)、(V)および構造単位(III)および
/または(IV)から選ばれた1種以上の構造単位からな
る共重合体である。
上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)
の共重合量は流動性の点から次の共重合量であることが
好ましい。
すなわち、上記構造単位(IV)を含む場合は耐熱性、
機械的特性の点から上記構造単位(I)、(II)および
(III)の合計は、構造単位(I)、(II)、(III)お
よび(IV)の合計に対して77〜95モル%が好ましく、82
〜92モル%がさらに好ましい。また、構造単位(IV)は
構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)の合計
に対して23〜5モル%が好ましく、18〜8モル%がさら
に好ましい。また、構造単位(III)を含まず構造単位
(I)、(II)、(IV)、(V)からなる上記組成を満
足するポリエステルが特に好ましい。
また、構造単位(I)と構造単位(II)および(II
I)の合計のモル比{(I)/[(II)+(III)]}は
耐熱性と流動性の点から、好ましくは75/25〜95/5であ
り、より好ましくは78/22〜93/7、更に好ましくは91/9
〜93/7である。また構造単位(V)は構造単位(II)、
(III)および(IV)の合計と実質的に等モルである。
またこれらのポリエステルのうち構造単位(III)を含
まず、構造単位(I)、(II)、(IV)、(V)のみか
らなる上記組成のポリエステルが特に好ましい。
一方、上記構造単位(IV)を含まない場合は流動性の
点から上記構造単位(I)は構造単位(I)、(II)お
よび(III)の合計に対して、40〜90モル%であること
が好ましく、60〜85モル%であることが特に好ましい。
また、上記構造単位(II)と(III)のモル比[(II/
(III)]は9/1〜1/9が好ましく、耐熱性と流動性の点
から7.5/2.5〜4/6がより好ましい。さらに、この場合、
構造単位(III)としては2,6−ジヒドロキシナフタレン
から生成したものが最も好ましい。また、構造単位
(V)は構造単位(II)および(III)の合計と実質的
に等モルであり、テレフタル酸から生成したものが最も
好ましい。
本発明における液晶ポリエステル(A)の製造方法
は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法
方、例えば下記(1)〜(5)に準じて製造できる。
そして、上記構造単位(IV)を含まない場合は
(2)、構造単位(IV)を含む場合は(5)の製造方法
が好ましく挙げられる。
(1) p−アセトキシ安息香酸、4,4′−ジアセトキ
シビフェニル、パラアセトキシベンゼンなどの芳香族ジ
ヒドロキシ化合物のジアシル化物とテレフタル酸などの
芳香族ジカルボン酸から脱酢酸重縮合反応によって製造
する方法。
(2) p−ヒドロキシ安息香酸、4,4′−ジヒドロキ
シビフェニル、などの芳香族ジヒドロキシ化合物、テレ
フタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応さ
せて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重
縮合反応によって製造する方法。
(3) p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステル、
4,4′−ジヒドロキシビフェニルなどの芳香族ジヒドロ
キシ化合物とテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸の
ジフェニルエステルから脱フェノール重縮合反応により
製造する方法。
(4) p−ヒドロキシ安息香酸およびテレフタル酸な
どの芳香族ジカルボン酸に所望量のジフェニルカーボネ
ートを反応させてそれぞれジフェニルエステルとした
後、4,4′−ジヒドロキシビフェニルなどの芳香族ジヒ
ドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応により
製造する方法。
(5) エチレングリコールとテレフタル酸などの芳香
族ジカルボン酸からなるポリエステルやオリゴマあるい
はテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸のビス(β−
ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)または
(2)の方法により製造する方法。
重縮合反応に使用する触媒としては、酢酸第一錫、テ
トラブチルチタネート、酢酸カリウム、三酸化アンチモ
ン、マグネシウム、酢酸ナトリウムなどの金属化合物が
代表的であり、とりわけ脱フェノール重縮合の際に有効
である。
本発明のサーモトロピック液晶ポリエステル(A)
は、ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定する
ことが可能であり、その際には0.1g/dlの濃度で60℃で
測定した値で0.5dl/g以上が好ましく、特に上記構造単
位(IV)を含む場合は1.0〜3.0dl/gが好ましく、上記構
造単位(IV)を含まない場合は2.0〜10.0dl/gが好まし
い。
また、本発明の芳香族ポリエステルの溶融粘度は10〜
20,000ポイズが好ましく、特に20〜10,000ポイズがより
好ましい。
なお、この溶融粘度は(液晶開始温度+40℃)でずり
速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターに
よって測定した値である。
なお、本発明の芳香族ポリエステルを重縮合する際に
は上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)およ
び(V)を構成する成分以外に4,4′−ジフェニルジカ
ルボン酸、3,3′−ジフェニルジカルボン酸、3,4′−ジ
フェニルジカルボン酸、2,2′−ジフェニルジカルボン
酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボ
ン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,
4′−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ヘキサ
ヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールS、レゾルシン、クロルハ
イドロキノン、メチルハイドロキノン、2,7−ジヒドロ
キシナフタレンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物、m−
オキシ安息香酸、2,6−オキシナフトエ酸などの芳香族
オキシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−ア
ミノ安息香酸などを本発明の目的を損なわない程度の少
割合の範囲でさらに共重合せしめることができる。
本発明において(B)成分として用いる高分子量錯体
を形成せしめる2価の金属原子としてはベリリウム、マ
グネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、
銅、亜鉛、スズ、マンガン、鉄、コバルト等である。ま
た、上記錯体を合成する芳香族ジカルボン酸としては、
テレフタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′
−ジフェニルエーテルジカルボン酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸が好ましい。
また、2価の金属原子としては、ベリリウム、マグネ
シウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが好ま
しく、中でもカルシウム、マグネシウムが特に好まし
い。本発明において(B)成分として用いる高分子量錯
体の添加量は、液晶ポリエステル1000重量部あたり1〜
200重量部であり、好ましくは5〜150重量部、より好ま
しくは10〜100重量部である。高分子量錯体の添加量が
1重量部未満では、機械的異方性の効果が十分でなく、
200重量部を越えると組成物の物性が低下するので好ま
しくない。
本発明において用いることができる(C)成分の充填
剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド
繊維、チタン酸カリウム繊維、石コウ繊維、黄銅繊維、
ステンレス繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、ボ
ロンウイスカ繊維、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カル
シウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイク
ロバルーン、クレー、ワラステナイト、酸化チタン等の
繊維状、粉状、粒状あるいは板状の無機フィラーが挙げ
られる。
上記充填剤中、ガラス繊維が好ましく使用される。ガ
ラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものな
ら特に制限はなく、例えば長繊維タイプや単繊維タイプ
のチョップトストランド、ミドルファイバーなどから選
択して用いることができる。また、ガラス繊維はエチレ
ン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ
樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていて
もよく、またシラン系、チタネート系などのカップリン
グ剤、その他の表面処理剤で処理されていても良い。
充填剤を添加する場合の量は、液晶ポリエステル100
重量部当り、150重量部以下であり、より好ましくは100
重量部以下である。
本発明の組成物には、本発明の目的を損なわない程度
の範囲で、酸化防止剤および熱安定剤(例えばヒンダー
ドフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこ
れらの置換体など)、紫外線吸収剤(例えばレゾルシノ
ール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェ
ノンなど)、滑剤および離型剤(モンタン酸およびその
塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルア
ルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスな
ど)、染料および顔料を含む着色剤、可塑剤、帯電防止
剤などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹脂を添加して、
所定の特性を付与することができる。
本発明の樹脂組成物は溶融混練することが好ましく、
溶融混練には公知の方法を用いることができる。例え
ば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単
軸もしくは二軸押出機などを用い、200〜400℃の温度で
溶融混練して組成物とすることができる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を詳述する。
高分子量錯体 参考例イ 1/3Nの水酸化ナトリウム水溶液6に1モルの4,4′
−ジフェニルジカルボン酸を溶解させ、この溶液を1/6M
の塩化カルシウム水溶液6中に約6時間かけて攪拌し
ながら滴下した。得られた沈澱物を濾過後12の水で3
回洗浄を行い、130℃で乾燥を行った。ほぼ理論量の白
色高分子錯体が得られた。得られた錯体は直径0.5〜5
ミクロン、アスペクト比5〜50を有していた。
参考例ロ 1/3Nの水酸化ナトリウム水溶液6に1モルのテレフ
タル酸を溶解させ、この溶液を1/6Mの塩化カルシウム水
溶液6中に約6時間かけて攪拌しながら滴下しほぼ理
論量の白色高分子錯体が得られた。得られた錯体は直径
1〜5ミクロン、アスペクト比5〜25を有していた。
参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸995重量部、4,4′−ジヒドロ
キシビフェニル126重量部、無水酢酸960重量部、テレフ
タル酸112重量部および固有粘度が約0.6dl/gのポリエチ
レンテレフタレート216重量部を攪拌翼、留出管を備え
た反応容器に仕込み、次の条件で脱酢酸重縮合を行っ
た。
まず窒素雰囲気下に130〜250℃で5時間、250〜320℃
で1.5時間反応させた後、320℃、1時間で0.5mmHgに減
圧し、さらに2.25時間反応させ、重縮合を完結させたと
ころ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構造式を
有する樹脂(a)を得た。
また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にの
せ、昇温して光学異方性の確認を行った結果、液晶開始
温度は294℃であり、良好な光学異方性を示した。この
ポリエステルの対数粘度(0.1g/dlの濃度でペンタフル
オロフェノール中、60℃で測定)は1.70dl/gであった。
参考例2 p−ヒドロシキ安息香酸99.4重量部、4,4′−ジヒド
ロキシビフェニル22.2重量部2,6−ジアセトキシナフタ
レン14.7重量部、無水酢酸107.8重量部、テレフタル酸2
9.9重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込
み、窒素ガス雰囲気下に100〜250℃で5時間、250〜330
℃で2.5時間反応させた後、330℃、1.5時間で1.0mmHgに
減圧し、さらに1.5時間反応させ、重縮合を完結させた
ところ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構造式
を有する樹脂(b)を得た。
また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ
昇温して、光学異方性の確認を行った結果、液晶開始温
度は300℃であり、良好な光学異方性を示した。このポ
リエステルの対数粘度(参考例1と同一条件で測定)は
6.2dl/gであった。
参考例3 p−アセトキシ安息香酸541重量部、4,4′−ジアセト
キシビフェニル184重量部、ハイドロキノンジアセテー
ト62重量部およびテレフタル酸124重量部、イソフタル
酸42重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込
み、窒素ガス雰囲気下に250〜360℃で3時間反応させた
後、1mmHgに減圧し、さらに1時間加熱し、重縮合を完
結させた、下記の理論構造式を有する樹脂(c)を得
た。
このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、昇温
して光学異方性の確認を行ったところ、液晶開始温度は
305℃であり、良好な光学異方性を示した。このポリエ
ステルの対数粘度(参考例1と同一条件で測定)は4.1d
l/gであった。
参考例4 p−アセトキシ安息香酸757重量部、固有粘度が約0.6
dl/gのポリエチレンテレフタレート538重量部を攪拌
翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、次の条件で脱酢
酸重合を行った。
まず、窒素ガス雰囲気下に250〜280℃で3時間反応さ
せた後、1mmHgに減圧し、さらに5時間加熱し、重縮合
を完結させ、下記の理論構造式を有する樹脂(d)を得
た。
このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、昇温
して光学異方性の確認を行ったところ、液晶開始温度は
174℃であった。このポリエステルの対数粘度(参考例
1と同一条件で測定)は0.65であった。
参考例5 ポリプラスチックス(株)、“Vectra"A−950(e)
を用いた。
実施例1〜7、比較例1〜9 参考例1〜4の液晶ポリエステル(A)[(a)〜
(e)]と参考例イ、ロの高分子量錯体(B)、充填剤
(C)を第1表に示す割合で混合し、30mmφ二軸押出機
を用い260〜350℃で溶融混練しペレット化した。
このポリマを住友ネスタール射出成形機プロマット40
/25(住友機械工業(株)製)に供し、シリンダー温度4
0〜900℃の条件で70×70×2(mm)角板、1/8″×1/2″
×5″のテストピースおよび1/4″×1/2″×21/2″のテ
ストピースを成形した。
そしてASTM D790規格に従い、1/8″厚のテストピース
の曲げ弾性率を測定した。またASTM D256規格に従い1/
4″厚のテストピースのアイゾット衝撃強さ(ノッチ
付)を測定した。さらに1/8″厚のテストピースを用いA
STM D792規格に従い比重の測定を行った。
機械的異方性については70×70×2tの角板を成形し、
15mm幅に切り出しASTM D790に従って曲げ弾性率の測定
を行い流動方向と直角方向の比を曲げ弾性率の異方性と
して求めた。それらの結果を第1表に併せて示す。
第1表の結果から明らかなように、本発明の高分子化
合物を配合して得られる組成物は、充填剤を含む場合に
おいても比強度、比弾性率に優れ、機械的異方性も少な
いことがわかる。
〔発明の効果〕 本発明は特定の液晶ポリエステルに高分子錯体を配合
した液晶ポリエステルであるため、比強度、比弾性率、
衝撃強さに優れ、かつ機械的異方性の少ない樹脂成形品
が得られるという利点がある。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−103257(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 下記構造単位(I)、(II)、
    (V)と構造単位(III)および/または(IV)からな
    る液晶ポリエステル100重量部、 から選ばれた1種以上の基を示し、 Yは から選ばれた1種以上の基を示し、 また、構造単位(II)、(III)および(IV)の合計と
    構造単位(V)は、実質的に等モルである) (B) 上記構造単位(V)を形成する1種以上の芳香
    族ジカルボン酸と2価の金属原子からなる高分子量錯体
    の1種以上1〜200重量部、および (C) 充填剤0〜150重量部を配合せしめてなること
    を特徴とする液晶ポリエステル組成物。
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