JPH0470228B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はワインダ、精紡機等で処理されるボビ
ンの搬送システムに関する。

〔従来の技術〕

精紡機で生産された精紡ボビンを次工程のワイ
ンダーへ搬送し、ワインダから排出される空ボビ
ンを精紡機へ搬送する手段としては種々の装置、
システムがある。例えば、多品種少量生産に適し
た精紡機とワインダーをボビン搬送路で連結した
タイプがある。特公昭56−37137には精紡ワイン
ダーにおけるボビン搬送装置が開示されている。
この場合、精紡ボビン、空ボビン共に、傾斜した
搬送路上を斜め上方へ搬送され、続いてシユート
によるボビンの自重を利用した落下移送路を経
て、所定の搬送路への受渡しが行われている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記搬送システムでは、傾斜させた分だけ、搬
送路設置のためにスペースを要し、また、ボビン
の自由落下運動を利用していることにより、ボビ
ンの姿勢制御装置を必要とする。

本発明は上記点に着目し、スペースを最も効果
的に利用可能な搬送システムを提供することを目
的とする。

〔問題を解決するための手段〕

本発明は、精紡機とワインダを実ボビン搬送ラ
インおよび空ボビン搬送ラインによつて連結した
システムにおいて、精紡機側の実ボビン払出しラ
インが精紡機台の上部長手方向に沿つて敷設さ
れ、空ボビン受入れラインが上記精紡機台の前面
床面上に機台長手方向に設けられ、かつ、上記精
紡機とワインダ間の実ボビン搬送ラインが精紡機
台上部の実ボビン払出しラインと同高さの位置に
敷設され、ワインダ側において所定の位置へ実ボ
ビンを下降させるボビン下降装置を設け、 上記実ボビン払出しライン上には予め精紡機の
スピンドルピツチに等しいピツチで空のトレイが
並べられ、満巻になつたスピンドル上の実ボビン
が該トレイ上に移載され、上記空ボビン受入ライ
ン上に上記ピツチと同ピツチで並べられたトレイ
上の空ボビンが上記実ボビンを抜取つた精紡機台
のスピンドルに挿着されるようにしたものであ
る。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図、第２図において、精紡機とワインダを
ボビン搬送ラインで連結したレイアウトの一例を
示す。なお本実施例では２品種の糸を扱うものと
するが単品種、あるいは３品種以上の場合にも適
用可能である。

第１図において、２台の精紡機１Ａ，１Ｂと一
台のワインダ２が、並設され、ボビン搬送ライン
３で実質的に連結されており、精紡機１Ａ，１Ｂ
の糸生産量とワインダ２の糸処理速度とがバラン
スをとつて錘数が設定され、１台のワインダで２
品種の糸を巻返すようになつている。

上記精紡機１Ａ，１Ｂにおいては、長手方向に
沿つて、精紡ボビン払出しライン４，５と、空ボ
ビン受入れライン６，７が敷設され、一方ワイン
ダ２においてはワインデイングユニツトに沿つて
精紡ボビン（以下実ボビンと称す）供給ライン８
とワインダから排出される空ボビンの帰還ライン
９とが設けられ、上記精紡機側の実ボビン払出し
ライン４，５とワインダ側の実ボビン供給ライン
８が実ボビン搬送ライン１０で連結され、同様に
空ボビン搬送ライン１１がワインダ側の空ボビン
帰還路９と精紡機側の空ボビン受入ライン６，７
間に設けられる。

本実施例では、上記精紡機１Ａ，１Ｂとワイン
ダ２間を連結する実ボビン搬送ライン１０と空ボ
ビン搬送ライン１１は、第２図の如く、床面１２
より高さＨの位置に天井ラインとして設置され、
該高さＨは少くとも作業者が各ライン１０，１１
の下を通り抜けることができる程度の高さとする
ことが望ましい。

さらに、精紡機側において、実ボビン払出しラ
イン４，５は第３図の如く精紡機１Ａの機台１３
上方で、実ボビン搬送ライン１０と同高さの位置
に設けられ、空ボビン受入ライン６，７は精紡機
１Ａの前面床面１２上に設けられる。従つて、精
紡機１Ａ，１Ｂの端部において、上記空ボビンの
下降装置１４，１５が設置されている。

一方、ワインダ２側においては実ボビン供給ラ
イン８ａと空ボビン帰還ライン９とは第４図の如
く、ワインデイングユニツト１６の両側下方にユ
ニツトに沿つて設けられており、従つて、第１図
の実ボビンのライン１０，８間の受渡し位置には
実ボビン下降装置１７が設置され、空ボビンのラ
イン９，１１間の受渡し位置には空ボビン昇挙装
置１８が設置される。

なお、精紡機側の実ボビン払出しライン４，５
と実ボビン搬送ライン１０は同高さであるので、
昇挙あるいは下降装置は不要で、単なるボビンの
移送方向を変更させる固定のガイドあるいは可動
のガイド、または、ガイドを設けることなく各ラ
イン上を走行力によつてのみ移送することも可能
である。

さらに、本実施例では、実ボビン、空ボビン
は、第３図に示すように、個々に独立した搬送媒
体（以下トレイと称す）上に直立した状態で、ベ
ルトコンベア上を移送される。上記トレイ１９Ａ
は第１０図に示すように、円板状基体２０上に台
部２１およびペグ２２が一体的に成形されたもの
で、ペグ２２にボビンが挿立されてコンベア２３
上に基体２０が載置されて移送されるものであ
る。２４は実ボビンの芯管内に上方開口端から垂
下した糸端を、ワインデイングユニツトの巻返し
位置で、上方へ吹上げるための圧空噴出孔であ
る。さらに、上記トレイ上に挿立されたボビンの
種類を識別するための第９図の如く識別溝２５が
トレイ１９Ｂには形成され、第１０図のトレイ１
９Ａには形成されておらず、例えばＡ品種のボビ
ンはトレイ１９Ａに挿立されて搬送され、Ｂ品種
のボビンはトレイ１９Ｂに挿立されて搬送される
ものとする。上記トレイの識別は識別ゲージ２６
により行われ、該ゲージ２６を有する識別装置２
７は、第１図の空ボビンライン１１と一方の精紡
機１Ａのライン６との受渡し位置、即ち下降装置
１４の直前、および、Ａ品種の糸を巻取る巻取り
セクシヨン２ＡとＢ品種の糸を巻取る巻取セクシ
ヨン２Ｂとに実質的に分割されたワインダ２のセ
クシヨン２Ｂの入口に設けられて、品種選別を行
うようになつている。

次に、本実施例に適用される精紡機およびワイ
ンダーの一例を、第３，４図において示す。即
ち、第３図は精紡機の概略構成側面図であり、機
台１３に沿つて、紙面直角方向に精紡スピンドル
２７が等ピツチ間隔で並設され、公知の紡績装置
２８によつて糸２９が生産され、スピンドル２７
上のボビン２９Ａに巻取られる。所定量の糸が巻
かれた実ボビン２９Ａは機台上方の実ボビン払出
ライン４上に予め並べられた空のトレイ１９Ａ上
に図示しない玉場装置または作業者によつて移載
される。なお、トレイ１９Ａの円盤状基体２０の
直径は精紡スピンドル間のピツチに等しくしてお
くことにより、トレイを密接して待機させておけ
ば、玉揚装置による一斉玉揚が可能である。実ボ
ビン２９Ａがスピンドル２７より抜き取られて、
上方のトレイ上に移載された後、スピンドルの前
方に位置決めされているトレイ１９Ａ上の空ボビ
ン３０Ａが抜き取られてスピンドル２７に挿着さ
れることによつて玉揚の１サイクルが完了する。

なお、上記実ボビン２９Ａを上方の搬送ライン
に移載するのは、ボビン２９Ａの長さが大きい場
合、例えば、太番手の糸を巻取り、ボビン長さが
40〜60cmと、細番手のリング精紡機で使用される
ボビンの数倍の長さのボビンを扱う場合、実ボビ
ンをスピンドルの前面に沿つて移送すると、移送
中に紡績装置を作業者が操作するのに障害とな
り、糸層を傷めたりすることがあり、このため、
作業者に支障のない上方で搬送するのである。

従つて、ボビン長さの小さい実ボビンを扱う場
合は機台の上方へ移送せずに精紡機の前面下方を
移送することは勿論可能である。この場合は、第
１図示の精紡機側の実ボビン払出しライン４とワ
インダーへ連る実ボビン搬送ライン１０間のボビ
ン受渡し位置にはボビンの昇挙装置が必要であ
る。

なお、第３図の二点鎖線１０で示したラインは
第１図の実ボビン搬送ライン１０を示すもので、
床面１２から高さＨの位置に設けられていること
は前述した。

第４図には上記精紡機で生産された糸を巻返す
ワインデイングユニツト１６が示されている。即
ち、第１図、第２図のワインダー２は上記ワイン
デイングユニツト１６が多数並設されたものであ
り、例えば20ユニツトが並設されて、そのうち10
ユニツトがＡ品種用、他の10ユニツトがＢ品種用
として各セクシヨン２Ａ，２Ｂを構成する。ワイ
ンデイングユニツト１６は、セクシヨン専用の実
ボビン配送コンベア８ｂとセクシヨン２Ａ，２Ｂ
を貫通する空ボビン帰還ライン９を構成するコン
ベア９ａ間に設置され、上記コンベア８ａ，９ａ
間に回転円板３１とガイド板３２，３３によつて
形成されるトレイ通路３４を円板３１の回転によ
つて巻取位置３５に到つた実ボビン２９Ａから糸
が引出されて、綾振ドラム３６によつて回転する
パツケージ３７に巻返される。上記配送コンベア
８ｂの各ワインデイングユニツト位置にはガイド
板３８が固定されて、通路３３に空席がある場
合、コンベア８ｂ上のボビンはトレイに挿立され
たまゝ入口３９を経て通路３３内へ自動的に取込
まれ、通路３３に所定数のボビンがストツクされ
ると後続のボビンは該通路へは入らず、送出口４
０より送出されて、次のワインデイングユニツト
へ向かうようになつている。巻取位置３５で巻取
りを完了した空ボビン３０Ａは排出レバー４１等
の排出手段によつて適宜帰還ライン９上へ排出通
路４２を経て払出されて、精紡機側へと搬送され
る。４３は糸吹出用ノズルである。

次に、第１図におけるボビンの下降装置１４，
１５の一方について第５〜７図において説明す
る。ボビン下降装置１４は、上方の空ボビン搬送
ライン１１と精紡機１Ａの空ボビン受入ライン６
間に渡つて回動するローラチエーン４５と、該チ
エーン４５の定位置に固定されたトレイ受け部材
４６等より構成される。即ち、支柱４７，４７に
軸支されたスプロケツト４８ａ，４８ｂ間にロー
ラチエーン４５が巻回され、下側スプロケツト４
８ａが図示しないモータにより駆動される。上記
トレイ受け部材４６は第６図、第７図示の如く、
ローラチエーン４５のローラ４９，４９に固着さ
れた一対のブラケツト５０，５０に距離Ｌ１を有
して２枚の平行な受け材４６ａ，４６ｂがボルト
５１，５１等で固着されたもので、トレイ載置面
４６ｃには段部４６ｄが形成されてトレイを位置
規制する。なお、上記距離Ｌ１は、ベルトコンベ
ア６ａの巾Ｌ２よりも大きく、コンベア６ａの両
サイドを通過可能となつている。さらに、上記チ
エーン４５の、少くともボビン移送側のチエーン
は、チエーン４５のローラ４９の両サイドに立設
した固定のガイド５２，５３によつて、左右方向
にぶれることがないように、即ち、トレイ上のボ
ビンが傾かないように移送されるのを保証する。
さらに、受材４６の両サイドには、第６図におけ
る受材４６の紙面上下方向のぶれを防止するガイ
ド５４，５５が支柱４７，４７の一部分として形
成されている。なお、第７図のように、ローラチ
エーン４５のガイド５２，５３のうちスプロケツ
ト４８ａ側のガイド５２はスプロケツト４８ａの
直前に端部５２ａが位置している。上方のスプロ
ケツト４８ｂ側においても同様である。

なお、上記下降装置１４と同様のものが第１図
のボビン受渡し位置１５、および、実ボビンの受
渡し位置１７にも設けられる。さらに、空ボビン
の昇挙装置１８も上記下降装置１４とほぼ同様の
構成であり、チエーン４５の回動方向が前記下降
装置とは逆方向となる点、さらに、昇挙した空ボ
ビンを搬送ライン１１上へ受材から払出す押出し
装置が上方に設けられる点等が異なる。

第８図は、前記精紡機１Ａ位置における空ボビ
ン搬送ライン１１上の空ボビンの品種選別およ
び、下降装置１４へのボビンの切出しを行う切出
し装置を示すものである。即ち、空ボビン搬送ラ
イン１１の分岐点直前には、ボビンの品種選別を
行う前述したゲージ２６および、トレイの振分け
ガイド５６等からなる第９図示の選別装置２７が
配置されている。コンベア１１ａ上をガイド板５
７，５８に沿つて搬送される空ボビンを挿立した
トレイは、絞り部５９によつていつたんガイド板
５８側にトレイの台部２１が当接するように搬送
経路の位置規制が行われ、ガイド板５８に沿つて
分岐点直前まで進行する。選別位置に到つたトレ
イは、第９図のように識別溝２５を有するトレイ
１９Ｂはゲージ２６を通り抜けて直進し、トレイ
の台部２１Ｂが振分けガイド５６の先端に当接
し、ベルトコンベア１１ａの走行力、および、台
部２１Ｂの中心が分岐路６０側に偏位しているこ
ととによつて当該トレイ１９Ｂは分岐路６０内へ
移送されるのである。分岐路６０を移送されたト
レイは再び搬送ライン１１へ合流して当該トレイ
上の空ボビンを供給すべき精紡機（第１図１Ｂ）
へ向かつて搬送される。

一方、選別位置において、第１０図のトレイ１
９Ａは、溝を有していないために、ゲージ２６に
よつて円板状基体２０が第８図の実線位置１９Ａ
へ偏位し、該状態でガイド５６の先端部分に当接
する位置まで移送されると、トレイの台部２１Ａ
中心が搬送路６１側に偏位しているため、前記同
様の原理により当該トレイ１９Ａは下降装置１４
位置へ向かつて移送されるのである。

ボビン下降装置１４への受渡し位置にはトレイ
の切出し装置６２が設けられる。即ち、該装置は
例えば、固定軸６３を中心に水平面内を旋回可能
な切出し板６４と、流体シリンダ６５あるいはロ
ータリソレノイド等の駆動源、および空ボビン到
着センサ６６等より構成される。切り出し板６４
はトレイの台部２１に係合する押圧面６４ａと、
払出し中のボビンの次のボビンを挿立したトレイ
に当接して停止させておくストツパ面６４ｂとを
有している。

従つて、第５図の受材４６が実線位置に位置決
めされた後、第８図の流体シリンダ６５が作動す
れば切出し板６４が軸６３中心に反時計針方向へ
一定角度旋回することによりトレイ１９Ａは受材
６４上へスライドして移載され、後続のトレイは
ストツパ面６４ｂが通路位置に来るために、切出
し位置へ移送されることなく停止状態を保つ。

上記切り出し装置６２は第１図のボビン下降装
置１５位置にも設けられ、同様の動作を行う。ま
た実ボビン搬送ライン１０からワインダ側の実ボ
ビン供給ライン８への受渡し位置においてもライ
ン１０上の実ボビンを切出す位置に設けられる。

なお、ワインダ側の空ボビン帰還ライン９と上
方の空ボビン搬送ライン１１との受渡し位置にお
ける帰還ライン９の定位置、および、精紡機１
Ａ，１Ｂ上方の実ボビン払出しライン４，５にお
ける実ボビン搬送ライン１０への払出し位置に
は、第１１図示の如き、切出し装置６７が設けら
れている。即ち、コンベアベルト４ａの側部に固
定軸６９回りに自由回転する回転板７０が軸支さ
れ、回転中心から等距離位置に等ピツチでローラ
７１ａ〜７１ｄが軸支されている。上記ローラの
一位置７１ｄにおいて該ローラに当接、離反可能
な可動ストツプ片７２がロータリソレノイド７３
の出力軸７４に固定され、ストツプ片７２は実線
位置と二点鎖線位置７２ａ間を旋回動する。従つ
て、ワインダーからの実ボビン要求指令、あるい
は精紡機側からの空ボビン要求指令によつてロー
タリソレノイド７３が作動すると、ストツプ片７
２は瞬間的に二点鎖線位置７２ａへ移動しローラ
７１ｄから離反する。コンベア上のトレイ１９は
コンベア４ａの矢印７５方向の走行力によつてロ
ーラ７１ａを押しのけつつ矢印方向へ移送され
る。この時次のローラ７１ｂも従動し、ローラ位
置７１ａに到ると既にストツプ片７２は実線位置
に戻つているので、回転板７０は図示の場合、90
度回転した位置で停止し、後続のトレイ１９−１
は１ピツチ前進した位置１９で停止する。従つて
回転板７０の90度毎の間欠回転によつてトレイが
１個ずつ分離され切出されるのである。なお、ス
トツプ片７２を二点鎖線位置７２ａに保持してい
るとトレイの移送に従つて回転板７０はフリー回
転し、連続的なトレイ切出しが可能である。

以上のような各装置を有するボビン搬送システ
ムの動作を次に説明する。

例えば、精紡機１Ａにおいて玉揚された実ボビ
ンは第３図の如く、機台上方の実ボビン払出しラ
イン４上を第１図の矢印７６方向へ移送される。
該搬送ライン上の先頭の実ボビンが切出し位置６
７に到ると移送がいつたん停止される。続いてワ
インダー２側から実ボビン要求の信号が出される
と、前記した切り出し装置６７が作動して１本の
実ボビンが搬送ライン１０上へ移送され矢印７７
方向に搬送される。なお、上記実ボビン要求信号
は、ワインダー側において、空ボビン１本が昇挙
装置１８によつて上方へ移送されるべく、帰還ラ
イン９上の切出し装置６７が作動した信号をもつ
て実ボビン要求信号とすることができる。なお、
切出された空ボビンがどの品種のボビンかを識別
することによつて、精紡機１Ａ，１Ｂのうちの一
方の側の切出し装置６７のみ作動する。

あるいは、実ボビン要求信号として、ワインダ
ー側から排出された空ボビンが、対応する精紡機
の空ボビン下降装置１４または１５位置へ到着し
た際の空ボビン到着センサ（第８図６６）の信号
をもつて実ボビン要求信号として、当該精紡機１
Ａ側の切り出し装置６７を作動させるようにすれ
ば、前記の場合の品種選別機構は不要であり、実
用的である。

実ボビン搬送ライン１０上を移送された実ボビ
ンは下降装置１７位置に到ると、第５図示と同様
の装置によつて、ワインダ側の実ボビン供給ライ
ン８上へ降下移載される。即ち、第６図におい
て、受材４６上にトレイ１９Ａが移載された後、
チエーンが回動することにより受材上の実ボビン
は下降し、コンベア８ａ上にトレイ１９Ａが載置
された後もさらに受材４６のみが下降することに
よりトレイが受材より分離して実ボビン供給コン
ベア８ａ上に移載されることになる。

ワインダー側においては、上記実ボビン供給ラ
イン８上の実ボビンは第１図の矢印７７方向へ移
送され、口出し処理操作を受けた後、ワインダー
の各セクシヨン１Ａのボビン配送路（第４図８
ｂ）へ選別されて移送される。各ワインデイング
ユニツトでは第４図示の状態でトレイと一体的に
巻取られ空ボビン３０Ａが空ボビン帰還ライン９
へ排出される。

帰還ライン９の端部即ち第１図の空ボビン昇挙
装置１８側に到ると、第１１図に示した切り出し
装置６７位置でいつたん停止する。続いて、第１
２，１３図で示す昇挙装置１８の上下の受材検出
センサ７８，７９が共にオンである場合受材４６
ａ，４６ｃの定位置確認信号が両センサーのアン
ド信号として出され、第１１図の切出し用ロータ
リソレノイド７３がオンし一本の空ボビンが切出
され、第１２図にように、空ボビン３０Ａが下方
の受材４６ｃ上へコンベア９ａの走行力によつて
移載され、第１３図の空ボビン到着センサ８０の
オンにより、チエーン４５回動用モータがオンさ
れ、チエーン４５が矢印８１方向即ち垂直方向に
回動する。受材４６ｃが上方の空ボビン搬送ライ
ン１１に対応する定位置４６ａに到るとセンサ７
８，７９のオンによりチエーンの回動が停止す
る。この時、受材４６ａのトレイ受面と上方のコ
ンベア１１ａ上面とが略一致するようにセンサ７
８の取付位置が決定されており、受材４６ａの停
止に続いて、第１３図示のプツシユ部材８２と流
体シリンダ８３等からなる押出し装置８４の作動
で、受材４６ａ上の空ボビン３０Ａが搬送ライン
１１のコンベア１１ａ上へ水平面内を押出されて
移載されるのである。

なお、第１２図の昇挙装置１８においては、チ
エーン４５に固定された受材４６ａ，４６ｂ，４
６ｃは等ピツチで、かつ該ピツチｈは上下のコン
ベア９ａ，１１ａ間の距離ｈと一致する値とされ
る。

上記動作で第１図の空ボビン搬送ライン１１上
へ移載された空ボビンは該ライン１１上を矢印８
５方向に移送されて、該空ボビンが例えば品種Ａ
であると、精紡機１Ａの空ボビン下降装置１４位
置へ、第８図の選別装置２６を経て到着し、セン
サ６６の空ボビン到着信号によつて下降装置１４
の受材４６上へ空ボビン３０Ａが移載されて、垂
直下方向へ搬送される。

即ち、第５図示の如く、コンベア１１ａ上の空
ボビン３０Ａは１本ずつ垂直方向に下降し、下方
の精紡機側の空ボビン受入ラインのコンベア６ａ
上へ移載されて矢印８６方向へ精紡機１Ａのスピ
ンドルに沿つて移送され、精紡機の前面に順次配
列されるのである。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明では精紡機側において、
予めスピンドルピツチに並べられた機台上方のト
レイ上に実ボビンを移載し、床面上に並べられた
空ボビンを空のスピンドル上に挿着することによ
つて玉揚動作が完了し、機台上方の実ボビンをそ
の高さ位置を保つたままワインダー側へ搬送され
るため、玉揚動作・搬送が極めてスムーズに行わ
れ、例えば、トランスポートバンド上の空ボビン
を抜取つて、いつたん精紡機台上の中間ペグに挿
入し、精紡機のスピンドルから実ボビンを抜取
り、この実ボビンを上記トランスポートバンド上
の空のペグに挿入し、その後、中間ペグ上の空ボ
ビンをスピンドルに挿着するといつた従来の玉揚
動作に比べスピーデイになるということであり、
かつ玉揚した実ボビンは機台上方を移送されるた
め、長尺のボビンを扱う精紡機においては特に、
オペレータのスピンドル近傍の操作にとつて玉揚
した実ボビンがじやまになることもない。さら
に、本発明では、精紡機で生産される精紡ボビン
は機台上方のライン上へ玉揚された後は、ワイン
ダーに供給されるまでは上昇移送されることがな
く、下降移送のみであり、空ボビンのみが上昇移
送路を通るようになつているので、重量の大きい
精紡ボビンを昇挙させるのに必要なエネルギーが
不要で、従つてシステム全体として動力源の省エ
ネルギー化が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明システムのレイアウトの一例を
示す平面レイアウト図、第２図は同正面図、第３
図は精紡機側のボビン搬送ラインを示す側面図、
第４図はワインデイングユニツトの一例を示す概
略構成斜視図、第５図はボビン下降装置の実施例
を示す正面図、第６図は同平面図、第７図は同一
部拡大正面図、第８図は空ボビン搬送ラインと精
紡機側のボビン下降装置間の関係を示す平面図、
第９図はボビン搬送媒体のトレイの品種識別装置
の関係を示す正面図、第１０図は異品種のボビン
用トレイの一例を示す正面図、第１１図はボビン
切出し装置の一例を示す平面図、第１２図はボビ
ン昇挙装置の実施例を示す正面図、第１３図は上
下のコンベア９ａ，１１ａの配列関係と上昇位置
でのボビン押出し装置の一例を示す平面図であ
る。 １Ａ，１Ｂ……精紡機、２……ワインダ、３…
…ボビン搬送ライン、４，５……精紡ボビン払出
しライン、６，７……空ボビン受入れライン、８
……精紡ボビン供給ライン、９……空ボビン帰還
ライン、１０……実ボビン搬送ライン、１１……
空ボビン搬送ライン、１４，１５，１６……ボビ
ン下降装置、１８……ボビン昇挙装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 精紡機とワインダを実ボビン搬送ラインおよ
   び空ボビン搬送ラインによつて連結したシステム
   において、精紡機側の実ボビン払出しラインが精
   紡機台の上部長手方向に沿つて敷設され、空ボビ
   ン受入れラインが上記精紡機台の前面床面上に機
   台長手方向に設けられ、かつ、上記精紡機とワイ
   ンダ間の実ボビン搬送ラインが精紡機台上部の実
   ボビン払出しラインと同高さの位置に敷設され、
   ワインダ側において所定の位置へ実ボビンを下降
   させるボビン下降装置を設け、 上記実ボビン払出しライン上には予め精紡機の
   スピンドルピツチに等しいピツチで空のトレイが
   並べられ、満巻になつたスピンドル上の実ボビン
   が該トレイ上に移載され、上記空ボビン受入れラ
   イン上に上記ピツチと同ピツチで並べられたトレ
   イ上の空ボビンが上記実ボビンを抜取つた精紡機
   台のスピンドルに挿着されるようにしたことを特
   徴とするボビン搬送システム。