JPH0448119B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明は、オーバーヘツドプロジエクターでの
読み取りに利用される記録用シートやジアゾコピ
ー用紙箋等の用途を有する記録用シートに関する
ものであり、特に感熱転写プリンターによる印字
適性が良好で、すなわち感熱転写プリンターで使
用されるワツクス系バインダーを主成分とするリ
ボンインキの転写受理性や定着性が良好でかつ転
写後のブロツキングの無い、しかも光透過性能の
高い、通常、80％以上の可視光透過率を有する記
録用シートを提供するものである。

〔従来の技術〕

オーバーヘツドプロジエクターによる読み取り
に利用される記録用シートは、オーバヘツドプロ
ジエクターによる光透過性を有することは勿論で
あるが、このものが比較的多数回繰り返して利用
されかつ長期間保存される性質のものであること
から、機械的強度や堅牢性をも有すること、更に
は、通常、オーバーヘツドプロジエクター用記録
紙への記録がリボンインキ（Wax）を利用した
感熱転写プリンターで行われるものである関係
上、ワツクス系バインダーを主成分とする感熱転
写用リボンインキに対する印字適性を有する等の
性質を具備することが必要である。

然して、機械的強度や堅牢性に優れ、かつ透明
性に優れた性質を有する各種プラスチツクフイル
ムを記録用シートとして利用する試みがあるが、
これらのプラスチツクフイルムは前述の感熱転写
用リボンインキに対する印字適性が悪く、特に感
熱転写プリンターで高速印字する場合には、転写
欠け、転写むら、尾引き等の弊害が頻発するばか
りか、印字部におけるインキの定着性も悪く、印
字部分を指先で擦ると簡単に剥離してしまう等の
難点を有する。

このため、プラスチツクフイルムの表面をサン
ドプラスト処理してマツト化フイルムとし、感熱
転写用リボンインキに対する印字適性を改良した
ものや、感熱転写用リボンインキに対する受容適
性を具備する合成樹脂によるアンカーコート層を
形成し、インキ受容適性を具備するプラスチツク
フイルムとしたもの等があるが、前者のマツト化
フイルムは感熱転写用リボンインキに対する印字
適性は有するものの、光透過性が悪く、オーバー
ヘツドプロジエクター用記録紙として利用した場
合に画面が暗くなり、当初の目的を達成し得な
く、また後者のアンカーコート層を有するプラス
チツクフイルムは、高速印字する場合に転写性に
不安定さが残り、かつ、転写インキの定着性が十
分ではない等の欠点が存する。

そこで、本発明者は、以前優れた透明性を有す
るプラスチツクフイルムからなる基体と、該基体
フイルムの片面もしくは表、裏両面に形成されて
いるインキ受理層とを具備するシートにおいて、
前記基体を、透明性を有する厚さ25〜250μのプ
ラスチツクフイルムで構成し、同じく前記インキ
受理層を、透明な合成樹脂皮膜形成能を有する熱
可塑性または熱硬化性合成樹脂100重量部に対し
て、硫酸バリウム、シリカ、炭酸マグネシウム、
炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、二酸化ス
ズ、ベンゾグアナミン、二酸化チタン等の平均粒
径1μ以下の無機質もしくは有機質微粉末25〜250
重量部を含有するコーテイング用組成物による塗
膜で構成することにより、オーバーヘツドプロジ
エクターによる読み取りに利用される記録用シー
トがジアゾコピー用紙箋等の用途を有するシー
ト、すなわち、通常、80％以上の可視光透過率を
有し、かつ、ワツクス系バインダーを主成分とす
る感熱転写用リボンインキに対する印字適性が良
好で、しかも該インキの定着性においても優れた
性質を有する記録用シートを提供した。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、従来のこのような記録用シートにおい
ても、まだ下記のような印字後の印字部分のワツ
クスインキがブロツキングするという欠点があ
る。

即ち、具体的に説明すると、感熱転写プリンタ
ーにて、前記、記録用シートに印字した後、イン
キ受理層に転写されたWAXインキの未定着部分
（つまりインキ受理層中に浸み込まないでいる
WAXインキ）は、印字された前記記録用シート
を数枚、重ね合わせて保管した場合、接触してい
る記録用シートの裏面に転移するという欠点が存
する。この現象を本発明においては、ブロツキン
グと呼んでいる。

通常広く使われている感熱リボンは、被転写媒
体として一般上質紙、あるいは普通紙への転写
性、定着性を考えており、相応のワツクスインキ
の塗布量を設計している。

このような感熱転写リボンでプラスチツクフイ
ルムベースの被転写媒体に印字する場合基材への
ワツクスインキの浸み込みは、一般上質紙や普通
紙に比べほとんど考えられないこと、又シートの
透明性を重視するのでインキ受理層の層厚さに
も、限度がある為前述したような未定着部分がど
うしてもでてくるのである。

本発明は上記の従来の技術における欠点を解消
し、感熱転写によつて印字された後何枚重ねあわ
せてもブロツキングすることのない光透過性を有
する記録用シートを提供しようとするものであ
る。

発明の構成 〔問題点を解決するための手段〕 本発明においては、ベースフイルム上にブロツ
キング防止層を設けることによつて前記の従来技
術の欠点を解消したものである。即ち、本発明の
光透過性を有する記録用シートは、ベースフイル
ムの一方の面に感熱転写によるインキ受理層を設
け、さらにこのベースフイルムの他方の面にイン
キ受理層に転写されるワツクスインキに対するブ
ロツキング防止層を設けたことを特徴とするもの
である。

基体は、該基体が具備する強度や記録用シート
自体の取り扱い容易性等の関係から、厚さ25μ以
上あることが必要であるが、これが250μを超え
ることは不経済につながるだけで無意味である。
この基体として利用されるプラスチツクフイルム
は透明性を具備するものであれば良く、例えば熱
可塑性ポリエステルフイルム、ポリプロピレンフ
イルム、トリアセテートフイルム、アクリル系フ
イルム、ポリカーボネートフイルム、ポリエチレ
ンフイルム、セロフアン、塩化ビニリデンフイル
ム等が好適に利用される。

ブロツキング防止層は、シリコン樹脂単一系
（物）、シリコン樹脂と他の透明な合成樹脂皮膜形
成能を有する熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂と
の混合系（物）あるいはシリコン変性の熱可塑性
樹脂またはシリコン変性の熱硬化性樹脂からな
る。

シリコン樹脂の単一系でも、インキ化は可能で
あるが、コーテイング適性（ベースフイルムとの
接着性等）、被膜形成能を考慮すると、シリコン
との相溶性の良い他の熱可塑性樹脂または熱硬化
性樹脂とのブレンド（混合）品あるいは変性品を
使用しても良い。

ブロツキング防止層を構成するコーテイング用
組成物中の熱可塑性または熱硬化性合成樹脂は、
普通、前記基体を構成するプラスチツクフイルム
との親和性及びシリコン樹脂との相溶性も考慮さ
れたうえで選択されるが、一般的には、アクリル
樹脂、エポキシ樹脂、メラミンホルムアルデヒド
樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ジオクチルフ
タレート、エチルセルローズ、フエノール樹脂、
ロジン変性フエノール樹脂、ポリエステル樹脂、
エポキシエステル樹脂、アルキツド樹脂、スチレ
ン化アルキツド樹脂等が利用される。

また、インキ受理層は、前記基体の片面に形成
されているもので、本発明の記録用シートに感熱
転写用リボンインキに対する印字適性を具備せし
めるものであり、透明な合成樹脂皮膜形成能を有
する熱可塑性または熱硬化性合成樹脂100重量部
に対して、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、シ
リカ、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、二酸
化スズ、ベンゾグアナミン、二酸化チタン等の平
均粒径1μ以下の無機質もしくは有機質微粉末25
〜250重量部を含有するコーテイング用組成物に
よつて形成されている合成樹脂塗膜であり、前記
コーテイング用組成物を、例えばグラビアコー
ト、ロールコート、ナイフコート、バーコート等
の塗工手段で基体上に塗工することにより容易に
形成されるものである。

インキ受理層を構成するコーテイング用組成物
中の熱可塑性または熱硬化性合成樹脂は、普通、
前記基体を構成するプラスチツクフイルムとの親
和性が考慮されたうえで選択されるが、一般的に
は、飽和ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポ
リアミド樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニリ
デン樹脂、アクリロニトル・ブタジエン共重合樹
脂、アクリル系樹脂、弗化ビニリデン樹脂、アク
リロニトリル・スチレン共重合樹脂、アクリロニ
トリル・塩化ビニル共重合樹脂、ニトリルゴム、
塩化ゴム、環化ゴム、塩化ビニル樹脂、ポリオー
ルとイソシアネートとの熱硬化性樹脂等が利用さ
れる。特に、オーバーヘツドプロジエクター用の
記録用シートの場合には、該記録用シートへの記
録がワツクス系バインダーを主成分とする感熱転
写用リボンインキで実施されるものである関係か
ら、ワツクスに対する親和性が良好な樹脂、すな
わち、飽和ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、
ポリアミド樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニ
リデン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重
合樹脂の中から選択されることが好ましい。ま
た、前記ワツクスに対する親和性の良好な樹脂の
中でも、飽和ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂を利用する場合に
は、これらの樹脂の中にイソシアネート化合物を
添加しておくことにより、基体との接着力の高い
インキ受理層とすることができる。

インキ受理層中に含有せしめられる硫酸バリウ
ム、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、酸化アルミニウム、二酸化スズ、ベンゾグア
ナミン、二酸化チタン等の無機質もしくは有機質
微粉末は、本発明の記録用シートに十分な印字適
性を付与せしめる作用を果すもので、インキ受理
層を構成するコーテイング用組成物中の合成樹脂
100重量部に対して無機質もしくは有機質微粉末
が25重量部以上含有されていることが必要である
が、この無機質もしくは有機質微粉末の含有量が
250重量部を超えると、得られるシートの光透過
性が低下する。更に加えて、前記無機質もしくは
有機質微粉末の添加によつて印字適性の改良が効
果的に発現され、しかもシートの光透過性の低下
の度合いが比較的僅少に抑えられるように、無機
質もしくは有機質微粉末は1μ以下、好ましくは
0.5μ以下の平均粒径のものが適用されることが必
要である。

なお、前記インキ受理層を構成するコーテイン
グ用組成物中における微粉末として、特に、シリ
カ、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、二酸
化スズ等が選択された場合には、ワツクス系バイ
ンダーを主成分とするインキによる転写プリンタ
ーに対して転写性能の良好な記録用シート、すな
わち解像度の良好な記録用シートが得られるが、
これは、前述の各微粉末成分に吸油性能が存する
ためと推定される。

本発明の光透過性を有する記録用シートに塵埃
付着防止性能やフイーデイング特性を付与するこ
とは、前記構成の記録用シートに帯電防止性能を
具備せしめることによつて達成される。一般に
は、例えばアニオン系、カチオン系、非イオン
系、両性等の界面活性剤からなる通常の帯電防止
剤が添加、含有されているプラスチツクフイルム
を基体として利用したり、またはブロツキング防
止層を形成するためのコーテイング用組成物中に
前記帯電防止剤を添加、含有せしめたり、あるい
は形成されているブロツキング防止層の上から帯
電防止剤を塗工またはスプレーしたり、またはイ
ンキ受理層を形成するためのコーテイング用組成
物中に前記帯電防止剤を添加、含有せしめたり、
あるいは形成されているインキ受理層の上から帯
電防止剤を塗工またはスプレーする等によつて、
前記帯電防止性能の付与が行われるが、前記構成
から成る記録用シートにおけるインキ受理層中の
微粉末成分として二酸化スズを利用した場合に
は、記録用シートにおけるインキ受理層自体が導
電性となるため、前記したような帯電防止性能の
付与工程を格別に実施しなくとも帯電防止性能を
有する記録用シートが得られる。

更に、前記構成の光透過性を有する記録用シー
トに、該シートの有、無を検出するための検出マ
ーク、またはシートの表、裏を判読するための
表、裏表示用マークを、該シートの縁辺付近に設
けておくことにより、その取り扱い容易性を向上
させることが出来る。例えば、検知マークは白色
塗料にて小部分を塗工しておくことにより、反射
読取方式の検知が可能であり、また、黒やメタリ
ツク系塗料で小部分を塗工しておくことにより、
透過読取方式の検知が可能となる。シートの表、
裏判読のためのマークは、例えば「オモテ」をイ
ンキ受理層縁辺に印字しておくことで容易に達成
される。

〔作 用〕

本発明の光透過性を有する記録用シートは、透
明性を有する厚さ25〜250μのプラスチツクフイ
ルムからなる基体と、該基体の一方の面にブロツ
キング防止層を有し、さらに他方の面に形成され
ている厚さ0.2〜2μのインキ受理層とを有してい
る。

上記ブロツキング防止層は、シリコン樹脂を主
成分としているものである。

シリコン樹脂は、ワツクスとの親和性が非常に
悪い。また、前記インキ受理層に感熱転写プリン
ターによつて印字するためのリボンインキの主成
分はワツクス系バインダーである。

即ち、本発明の光透過性を有する記録用シート
の特徴は、基体の一方の面にワツクスインキとの
親和性が非常に悪いシリコン樹脂を主成分とする
ブロツキング防止層を有しているので、本記録用
シートを数枚以上重ね合わせて保管した場合にお
いても、インキ受理層に転写されたワツクスイン
キの未定着部分（つまりインキ受理層中に浸み込
まないでいるワツクスインキ）は、接触している
相手の記録用シートのブロツキング防止層に転移
（ブロツキング）するということが全くないので
ある。

〔実施例〕

比較例 下記に表示する組成成分からなるコーテイン
グ用組成物によるコーテイング剤を厚さ100μの
熱可塑性ポリエステルフイルム〔東レ(株)製：ルミ
ラーＴタイプ〕の片側表面にグラビア方式にて、
塗工量0.5ｇ（固形成分）／m²の割合に塗工し、
インキ受理層を形成する。これを比較例品とす
る。

インキ受理層コーテイング用組成物 (1) γ・Al₂O₃（デグサ製） 10重量部 (2) 塩化ビニル、酢酸ビニル共重合樹脂
（UCC製：ビニライトUAGH） ８重量部 (3) 熱可塑性ポリエステル樹脂〔バイロン
200：東洋紡(株)〕 ８重量部 (4) キシレンジイソシアネート ６重量部 (5) トルエン 70重量部 (6) メチルエチルケトン 60重量部 なお、コーテイング剤の調製は、コーテイング
用組成物については、イソシアネート成分を除
いた樹脂成分を溶剤に溶解し、次いで微粉末成分
を添加してサンドミルにて２時間練肉し、これに
コーテイング剤の塗工直前にイソシアート成分を
添加することによつて行なつた。

また、前記比較例で得られた記録用シートにお
けるインキ受理層の厚みは、約1μである。

実施例 １〜３ ブロツキング防止層 −１ 〔単一系〕 シリコン樹脂50％キシレン溶液（信越化学
KR152） 10重量部 キシレン 25重量部 トルエン 25重量部 −２ 〔混合系〕 ビニルブチラール樹脂（積水化学エスレツク
BL−１） 10重量部 シリコン樹脂70％キシレン溶液（信越化学
KR211） １重量部 トルエン 60重量部 キシレン 60重量部 ブタノール 30重量部 −３ 〔変性系〕 シリコン変性アクリル樹脂40％キシレン溶液
（信越化学KR5208） 10重量部 トルエン 25重量部 キシレン 25重量部 ブタノール 10重量部 上記−１、−２、−３に表示する組成成
分からなるコーテイング用組成物によるコーテイ
ング剤を前記比較例品のインキ受理層を施こした
ものの裏面に、グラビア方式にて塗工量0.3ｇ／
m²に塗工してブロツキング防止層を形成する。

これによつて得れたものをそれぞれ実施例品
(ア)、(イ)、(ウ)とする。

実施例 ４〜６ (1) マイクロシリカ 10重量部 (2) ポリアミド樹脂 18重量部 (3) トルエン 22重量部 (4) ｎ・プロピルアルコール 45重量部 (5) 水 ５重量部 (6) カチオン系界面活性剤（エレクノンOR−
5802−Ａ：ニユーフアインケミカル社製）
２重量部 前記(1)〜(6)を組成成分とするコーテイング剤
を、厚さ100μの熱可塑性ポリエステルフイルム
〔東レ(株)製：ルミラーＴタイプ〕の片側表面に、
グラビア方式にて塗工量0.5ｇ（固形成分）／m²
の割合に塗工し、インキ受理層を形成する。さら
に、該インキ受理層側とは反対のベースフイルム
のもう一方の面に前記−１、−２、−３に
表示する組成成分からなるコーテイング用組成物
によるコーテイング剤をグラビア方式にて塗工量
0.3ｇ／m²に塗工し、ブロツキング防止層を形成
する。

これによつて得られたものをそれぞれ実施例品
(エ)、(オ)、（カ）としたが、これらはいずれも印字
適性が良好で、光透過性も高く、帯電防止性に優
れていた。

実施例 ７〜９ 前記実施例(ア)、(イ)、(ウ)の記録用シートのインキ
受理層上にそれぞれカチオン系界面活性剤〔エレ
クノンOR−5802−Ａ〕の200倍エタノール溶液
をグラビア方式で塗工したところ、印字適性が良
好で、光透過性も高く、帯電防止性に優れたもの
が得られた。

これらをそれぞれ実施例品（キ）、（ク）、（ケ）
とする。

実施例 10〜12 実施例品(ア)、(イ)、(ウ)の記録用シートのブロツキ
ング防止層上にそれぞれカチオン系界面活性剤
〔エレクノンOR−5802−Ａ〕の200倍エタノール
溶液をグラビア方式で塗工したところ、印字適性
が良好で、光透過性も高く、帯電防止性に優れた
ものが得られた。

これらをそれぞれ実施例品（コ）、（サ）、（シ）
とする。

実施例 13〜15 前記−１、−２、−３に表示する組成分
からなるコーテイング用組成物にカチオン系界面
活性剤〔エレクノンOR−5802−Ａ〕を固型分比
で１％添加して得られたコーテイング剤を前記比
較例品のインキ受理層を施こした側とは反対側の
ポリエステルフイルムの表面にグラビア方式にて
塗工量0.3ｇ／m²に塗工し、ブロツキング防止層
を形成したところ、印字適性が良好で、光透過性
も高く、帯電防止性に優れたものが得られた。

これらをそれぞれ実施例品（ス）、（セ）、（ソ）
とする。

前記、比較例品と実施例１〜15で得られた実施
例品(ア)〜（ソ）とに、それぞれ東芝(株)製感熱プリ
ンターTN−5000で印字し、印字したシート数枚
を重ね合わせ、約100ｇ／m²の加重をかけ、24時
間保存した後比較例品は印字部分が接触したシー
ト裏面へ転移（ブロツキング）した。実施例品(ア)
〜（ソ）は、いずれもまつたく転移（ブロツキン
グ）しなかつた。

〔発明の効果〕

本発明の光透過性を有する記録用シートは叙上
の通りの構成から成るもので、機械的強度、印字
適性、耐ブロツキング性や帯電防止性に優れた性
質を有すると同時に、普通80％以上の可視光線透
過率を有する光透過性に優れた性質を奏するもの
で、特にオーバーヘツドプロジエクター用の記録
紙やジアゾコピー用紙箋等として極めて優れた作
用、効果を奏するものである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 透明性を有する厚さ25〜250μのプラスチツ
   クフイルムからなる基体と、該基体の一方の面に
   ブロツキング防止層を有し、さらに他方の面に形
   成されている厚さ0.2〜2μのインキ受理層とを有
   しており、前記インキ受理層は、透明な合成樹脂
   皮膜形成能を有する熱可塑性または熱硬化性合成
   樹脂100重量部に対して平均粒径1μ以下の無機質
   もしくは有機質微粉末25〜250重量部を含有する
   コーテイング用組成物による塗膜で構成されてい
   ることを特徴とする光透過性を有する記録用シー
   ト。 ２ ブロツキング防止層が「シリコン樹脂」ある
   いは「シリコン樹脂と透明な、合成樹脂皮膜形成
   能を有する熱可塑性または、熱硬化性樹脂との混
   合物」あるいは「シリコン変性樹脂」から成ると
   する特許請求の範囲第１項の光透過性を有する記
   録用シート。 ３ ブロツキング防止層が、該ブロツキング防止
   層表面に帯電防止剤の塗工処理を受けたものであ
   る特許請求の範囲第１項、第２項記載の光透過性
   を有する記録用シート。 ４ ブロツキング防止層が、該ブロツキング防止
   層中に帯電防止剤を含有するものである特許請求
   の範囲第１項、第２項記載の光透過性を有する記
   録用シート。 ５ インキ受理層が、該インキ受理層表面に帯電
   防止剤の塗工処理を受けたものである特許請求の
   範囲第１項記載の光透過性を有する記録用シー
   ト。 ６ インキ受理層が、該インキ受理層中に帯電防
   止剤を含有するものである特許請求の範囲第１項
   記載の光透過性を有する記録用シート。 ７ 透過性を有する厚さ25〜250μのプラスチツ
   クフイルムからなる基体が、該基体中に帯電防止
   剤を含有するものである特許請求の範囲第１項記
   載の光透過性を有する記録用シート。 ８ 基体とインキ受理層とブロツキング防止層と
   を有する光透過性を有する記録用シートが、該記
   録用シートの縁辺付近に、該シートの有、無を検
   出するための検知マーク、またはシートの表、裏
   を判読するための表、裏表示用マーク、あるいは
   これらの両者を有するものである特許請求の範囲
   第１項記載の光透過性を有する記録用シート。