JP2663264B2 - 熱転写用被記録材 - Google Patents
熱転写用被記録材Info
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Description
【発明の詳細な説明】
（産業上の利用分野）
この発明は、新規な熱溶融転写方式に用いる熱転写用
被記録材に関し、特に熱転写カラープリンタ等を使用し
て極めて鮮明な文字や画像の印字品質を与えることがで
きるオーバヘッドプロジェクト（以下、OHPと記す）用
として好適な被記録材に関するものである。 （従来の技術） 熱転写記録方法の一方法である熱溶融転写法は、熱溶
融性インク層を有するインクリボンを被記録材上に重ね
合わせ、文字、図形等のパターンを上記インクリボン上
より加熱パターンでもって加熱し、インクリボンの熱溶
融性インクを被記録材上に転写しようとする方法であ
る。 一方、作成されたシートに光を透過させてシートの文
字、図形等をスクリーン上に投射させるOHPにおいてシ
ートの作成は上述の熱溶融性インクの転写方式が採用さ
れている。 この場合、従来OHP用のシートとなる被記録材は透明
フィルム上にゴム系接着層やアクリル系接着層が塗布さ
れたもの、また熱溶融インクと相溶性の良い固体ろうを
含む塗布層（特開昭60−154096号）等が利用され、提案
されている。 （発明が解決しようとする問題点） しかし、近年高速印字の熱転写用プリンタが開発され
るに伴ない、被記録材に対しても高速印字に伴なう印字
品質の鮮明度の向上が要求されているが、十分にこれら
の要求に応えられていない。 特に、OHP用のシートにおいては上記従来技術のよう
にインク受理層を有機高分子材料のみで構成した場合
は、最近の高速印字機種を使用すると、文字の一部又は
全部が欠落、ベタ印字ではインクの乗りが不十分であ
り、端部のシャープさが不規則になったり、かすれたり
或は殆ど転写しなかったりなどの転写不良を起こし、安
定した印字品質を得ることが困難となっている。 勿論、この解決策としてインクリボンインクの改良も
数多くなされているが、現状では満足のいくものが得ら
れていない。特に、普通紙対応のインクリボンを使用し
た場合、従来技術のフィルム処理方法では更に印字品質
が低下することになる。 （問題点を解決するための手段） 以上の問題点を解決するため、この発明では基材上
に、基材上に、熱転写インク受理層を形成する被覆剤を
塗工してなる被記録材であって、被覆剤が必須成分とし
て分子量5000以上で500,000以下の熱可塑性高分子量飽
和ポリエステル樹脂10重量部に対して、分子量900以上
で4000以下のポリエチレンワックスを0.1重量部以上で
３重量部以下と、シラノール基をシラン化合物で疎水性
にした疎水性シリカを６重量部以上で50重量部以下とを
配合して構成されることを特徴とする熱溶融転写方式に
用いる熱転写用被記録材を提案するものである。 この発明で使用することができる分子量5000以上で50
0,000以下の熱可塑性高分子量飽和ポリエステル樹脂
（以下、単にポリエステル樹脂という）は、分子量10,0
00以上で50,000以下のものがより好ましい。 次に分子量900以上で4000以下のポリエチレンワック
ス（以下、単にポリエチレンワックスという）は、エチ
レンの直接重合による低分子量ポリエチレンである。 さらにシラノール基をシラン化合物で処理して疎水性
にした疎水性シリカ（以下、単に疎水性シリカという）
は、親水性のシリカの一次粒子１個に数百〜数千のシラ
ノール基をもっているが、このシラノール基をシラン化
合物で処理して疎水性にしたものであり、特に好ましい
ものは、シラン化合物としてトリメチルクロルシランを
使用して処理したものである。 この他、膜強度の向上を目的として硬化剤、架橋剤、
例えばメラミン、イソシアネート等を添加することがで
きる。 ポリエステル樹脂、ポリエチレンワックス、疎水性シ
リカの配合割合は相対的にポリエチレンワックスが少な
くなると印字性能が低下し、多くなると塗膜強度が低下
する傾向が見られた。 また、疎水性シリカについては塗膜表面の凹凸による
物理的な接着面積の増加によるインクとの密着性の向
上、被加熱部分においては表面の凹凸部による断熱効果
のため加熱部分からの熱が伝わりにくく、印字端面がシ
ャープになる等印字品質向上について優れた効果がある
が、その添加量が増加すると粉落ちを生じ易くなり、少
なくなると印字性能が低下する。 上記した各成分の傾向よりこれら成分の配合割合はポ
リエステル樹脂10重量部に対してポリエチレンワックス
３重量部を越えない範囲、好ましくは0.1重量部以上で
３重量部以下、疎水性シリカ６重量部以上で50重量部以
下の範囲で配合すればよく、これに適宜分散媒を添加
し、溶液状の被覆剤を得ることができる。 ここに用いる分散媒としてはポリエステル樹脂、ポリ
エチレンワックスと相溶性で、且つ疎水性シリカを均一
に分散できるものであればよく、例えばトルエン、キシ
レン等の石油系溶媒、MEK、DMF等の極性溶媒、1.1.1−
トリクロロエタン、トリクロールエチレン、パークロル
エチレン等の塩素系溶媒を用いることができる。 この発明の熱溶融転写方式に用いる熱転写用被記録材
に用いる基材としては、被記録材の用途によって特定さ
れるべきもので、この発明の目的の１つであるOHP用の
熱転写用被記録材としては透明なプラスチックシート材
であることが必要で、例えばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリアセタール等の透明フィル
ムが使用され、特に２軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トの膜厚25μｍ以上で100μｍ以下の範囲のものでプリ
ンタの特性目的に応じて適宜膜厚を決定すればよい。 前記した被覆剤を基材に塗工するときの膜厚は乾燥厚
さが0.01μｍ以上であればよく、性能、経済性等を考慮
した場合0.05μｍ以上で３μｍ以下が適当である。塗工
方法としてはエアナイフコータ、バーコータ、リバース
コータ、グラビアコータ、ホットメルトコータ法等によ
って行なうことができる。 （発明の効果） 以上要するに、この発明にかかる熱溶融転写方式に用
いる熱転写用被記録材は基材面にポリエステル樹脂とポ
リエチレンワックスと疎水性シリカからなる被覆剤で塗
工されて熱転写インク受理層が形成されたものである
が、これによれば印字の一部又は全部が欠落したりする
等の転写不良が殆どなくなり、熱転写インクの吸収が正
確に行なわれる。したがって高速プリンタを使用した場
合にも安定し、極めて鮮明な高印字品質を得ることがで
きる。 また、基材として透明な基材を用いる場合、その透明
性に悪影響を与えることなく、塗工面の極めて物理的に
強固、且つ安定で、しかも印字特性の優れた被記録材と
なるので、OHP用の熱転写被記録材として好適なものと
なる。 （実施例） 以下、この発明の実施例を示す。 実施例１ 基材としてポリエチレンテレフタレート［東レ社製：
商品名ルミラーＴ］の50μｍの膜厚フィルムに各種組成
の被覆剤をバーコータ＃５にて塗布し、130℃で30秒間
乾燥して透明な熱転写用被覆材を作成し、その印字性
能、ヘイズ、粉落ち、膜強度についてそれぞれ評価し
た。 評価基準は下記のとおりで、被覆剤の組成及び評価結
果を表１に示した。尚、表１中のポリエステル樹脂はイ
ソシアネート架橋タイプのポリエステル樹脂（アドコー
ト76H5:CAT10＝100:6.5,東洋モートン社製で、平均分子
量が38,000）であり、ポリエチレンワックスはハイワッ
クス1104A（三井石油化学社製で平均分子量が1,500）あ
り、疎水性シリカ粉はHDK H−15（WACHER社製）であ
る。 評価基準 （１）印字性能:NECの熱転写プリンタPC−PR−101T、同
プリンタPC−PR−101TLを用いて印刷したとき、極めて
鮮明な印字が転写されたものを◎、２機種ともまずまず
鮮明で良好なものを○、１機種のみ良好なものを△、２
機種とも不良なものを×とした。 （２）ヘイズ（透明性）:OHP上にて判定、同基材につい
て塗工していないものと透明性を比較し、ほぼ同等の透
明性を示すものを○、透明性の劣るものを×とした。 （３）粉落ち：塗工面を指の面で擦ったとき、塗工面が
剥がれないものを○、少し剥離するものを△、擦り続け
ると無限に剥がれるものを×とした。 （４）膜強度：塗工面を爪で擦ったとき、塗工面が剥が
れないものを○、少し剥がれるものを△、簡単に剥がれ
るものを×とした。 前記表１中No.6〜10並びにNo.14〜19が最適の結果で
あると評価できる。この結果より被覆剤中のポリエステ
ルに対するポリエチレンワックス及び疎水性シリカの配
合割合による性能の傾向が明らかであり、ポリエチレン
ワックスはポリエステル樹脂10重量部に対して３重量部
を越えない範囲で良好な結果を示している。 実施例２ 以下の配合例及び比較例に示した組成の被覆剤を作成
し、実施例１と同様な方法で被記録材を作成し、その特
性を評価し、表２に示す。 配合例 （１）イソシアネートアネート架橋タイプのポリエステ
ル樹脂（アドコード76H5:CAT10＝100:6.5,東洋モートン
社製で平均分子量が38,000） 10 重量部 ポリエチレンワックス（ハイワックス1104A,三井石油化
学社製で平均分子量が1,500） 0.25重量部 疎水性シリカ（HDK H−15 WACHER社製） 35 重量部 以上での組成にトルエンを加えて固形分濃度2.0％と
した。 （２）ポリエステル樹脂（ケミットK1089東レ社製で平
均分子量が18,000） 10重量部 ポリエチレンワックス（ハイワックス4252E三井石油化
学社製で平均分子量が2,900） 1重量部 疎水性シリカ（HDK H−2000 WACHER社製） 15重量部 以上での組成にトルエンを加えて固形分濃度2.5％と
した。 （３）ポリエステル樹脂（ケミットKG682東レ社製で平
均分子量が15,000） 10重量部 ポリエチレンワックス（ハイワックス200MP,三井石油化
学社製で平均分子量が2,000） 1重量部 疎水性シリカ（アエロジルＲ−812日本アエロジル社
製） 2重量部 以上での組成にトルエンを加えて固形分濃度1.5％と
した。 （４）ポリエステル樹脂（ケミットKG682東レ社製で平
均分子量が15,000） 10重量部 ポリエチレンワックス（ハイワックス100P,三井石油化
学社製で平均分子量が1,000） 1重量部 疎水性シリカ（HDK H−2000/4 WACHER社製） 2重量部 以上での組成にトルエンを加えて固形分濃度1.75％と
した。 比較例 （１）ポリエステル樹脂（バイロン20,東洋紡社製で平
均分子量が20,000） １重量部 ワックス（モンタンハイワックスS,ヘキスト社製で平均
分子量が750） １重量部 以上での組成にトルエンを加えて固形分濃度2.5％と
した。 （２）ワックス（ハイワックス1105A,三井石油化学社製
で平均分子量が1,500） 100重量部 疎水性シリカ（アエロジルＲ−972日本アエロジル社
製） ５重量部 以上での組成にトルエンを加えて固形分濃度2.0％と
した。 （３）BLANK:基材そのままで被覆材を塗工していないも
の。
被記録材に関し、特に熱転写カラープリンタ等を使用し
て極めて鮮明な文字や画像の印字品質を与えることがで
きるオーバヘッドプロジェクト（以下、OHPと記す）用
として好適な被記録材に関するものである。 （従来の技術） 熱転写記録方法の一方法である熱溶融転写法は、熱溶
融性インク層を有するインクリボンを被記録材上に重ね
合わせ、文字、図形等のパターンを上記インクリボン上
より加熱パターンでもって加熱し、インクリボンの熱溶
融性インクを被記録材上に転写しようとする方法であ
る。 一方、作成されたシートに光を透過させてシートの文
字、図形等をスクリーン上に投射させるOHPにおいてシ
ートの作成は上述の熱溶融性インクの転写方式が採用さ
れている。 この場合、従来OHP用のシートとなる被記録材は透明
フィルム上にゴム系接着層やアクリル系接着層が塗布さ
れたもの、また熱溶融インクと相溶性の良い固体ろうを
含む塗布層（特開昭60−154096号）等が利用され、提案
されている。 （発明が解決しようとする問題点） しかし、近年高速印字の熱転写用プリンタが開発され
るに伴ない、被記録材に対しても高速印字に伴なう印字
品質の鮮明度の向上が要求されているが、十分にこれら
の要求に応えられていない。 特に、OHP用のシートにおいては上記従来技術のよう
にインク受理層を有機高分子材料のみで構成した場合
は、最近の高速印字機種を使用すると、文字の一部又は
全部が欠落、ベタ印字ではインクの乗りが不十分であ
り、端部のシャープさが不規則になったり、かすれたり
或は殆ど転写しなかったりなどの転写不良を起こし、安
定した印字品質を得ることが困難となっている。 勿論、この解決策としてインクリボンインクの改良も
数多くなされているが、現状では満足のいくものが得ら
れていない。特に、普通紙対応のインクリボンを使用し
た場合、従来技術のフィルム処理方法では更に印字品質
が低下することになる。 （問題点を解決するための手段） 以上の問題点を解決するため、この発明では基材上
に、基材上に、熱転写インク受理層を形成する被覆剤を
塗工してなる被記録材であって、被覆剤が必須成分とし
て分子量5000以上で500,000以下の熱可塑性高分子量飽
和ポリエステル樹脂10重量部に対して、分子量900以上
で4000以下のポリエチレンワックスを0.1重量部以上で
３重量部以下と、シラノール基をシラン化合物で疎水性
にした疎水性シリカを６重量部以上で50重量部以下とを
配合して構成されることを特徴とする熱溶融転写方式に
用いる熱転写用被記録材を提案するものである。 この発明で使用することができる分子量5000以上で50
0,000以下の熱可塑性高分子量飽和ポリエステル樹脂
（以下、単にポリエステル樹脂という）は、分子量10,0
00以上で50,000以下のものがより好ましい。 次に分子量900以上で4000以下のポリエチレンワック
ス（以下、単にポリエチレンワックスという）は、エチ
レンの直接重合による低分子量ポリエチレンである。 さらにシラノール基をシラン化合物で処理して疎水性
にした疎水性シリカ（以下、単に疎水性シリカという）
は、親水性のシリカの一次粒子１個に数百〜数千のシラ
ノール基をもっているが、このシラノール基をシラン化
合物で処理して疎水性にしたものであり、特に好ましい
ものは、シラン化合物としてトリメチルクロルシランを
使用して処理したものである。 この他、膜強度の向上を目的として硬化剤、架橋剤、
例えばメラミン、イソシアネート等を添加することがで
きる。 ポリエステル樹脂、ポリエチレンワックス、疎水性シ
リカの配合割合は相対的にポリエチレンワックスが少な
くなると印字性能が低下し、多くなると塗膜強度が低下
する傾向が見られた。 また、疎水性シリカについては塗膜表面の凹凸による
物理的な接着面積の増加によるインクとの密着性の向
上、被加熱部分においては表面の凹凸部による断熱効果
のため加熱部分からの熱が伝わりにくく、印字端面がシ
ャープになる等印字品質向上について優れた効果がある
が、その添加量が増加すると粉落ちを生じ易くなり、少
なくなると印字性能が低下する。 上記した各成分の傾向よりこれら成分の配合割合はポ
リエステル樹脂10重量部に対してポリエチレンワックス
３重量部を越えない範囲、好ましくは0.1重量部以上で
３重量部以下、疎水性シリカ６重量部以上で50重量部以
下の範囲で配合すればよく、これに適宜分散媒を添加
し、溶液状の被覆剤を得ることができる。 ここに用いる分散媒としてはポリエステル樹脂、ポリ
エチレンワックスと相溶性で、且つ疎水性シリカを均一
に分散できるものであればよく、例えばトルエン、キシ
レン等の石油系溶媒、MEK、DMF等の極性溶媒、1.1.1−
トリクロロエタン、トリクロールエチレン、パークロル
エチレン等の塩素系溶媒を用いることができる。 この発明の熱溶融転写方式に用いる熱転写用被記録材
に用いる基材としては、被記録材の用途によって特定さ
れるべきもので、この発明の目的の１つであるOHP用の
熱転写用被記録材としては透明なプラスチックシート材
であることが必要で、例えばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリアセタール等の透明フィル
ムが使用され、特に２軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トの膜厚25μｍ以上で100μｍ以下の範囲のものでプリ
ンタの特性目的に応じて適宜膜厚を決定すればよい。 前記した被覆剤を基材に塗工するときの膜厚は乾燥厚
さが0.01μｍ以上であればよく、性能、経済性等を考慮
した場合0.05μｍ以上で３μｍ以下が適当である。塗工
方法としてはエアナイフコータ、バーコータ、リバース
コータ、グラビアコータ、ホットメルトコータ法等によ
って行なうことができる。 （発明の効果） 以上要するに、この発明にかかる熱溶融転写方式に用
いる熱転写用被記録材は基材面にポリエステル樹脂とポ
リエチレンワックスと疎水性シリカからなる被覆剤で塗
工されて熱転写インク受理層が形成されたものである
が、これによれば印字の一部又は全部が欠落したりする
等の転写不良が殆どなくなり、熱転写インクの吸収が正
確に行なわれる。したがって高速プリンタを使用した場
合にも安定し、極めて鮮明な高印字品質を得ることがで
きる。 また、基材として透明な基材を用いる場合、その透明
性に悪影響を与えることなく、塗工面の極めて物理的に
強固、且つ安定で、しかも印字特性の優れた被記録材と
なるので、OHP用の熱転写被記録材として好適なものと
なる。 （実施例） 以下、この発明の実施例を示す。 実施例１ 基材としてポリエチレンテレフタレート［東レ社製：
商品名ルミラーＴ］の50μｍの膜厚フィルムに各種組成
の被覆剤をバーコータ＃５にて塗布し、130℃で30秒間
乾燥して透明な熱転写用被覆材を作成し、その印字性
能、ヘイズ、粉落ち、膜強度についてそれぞれ評価し
た。 評価基準は下記のとおりで、被覆剤の組成及び評価結
果を表１に示した。尚、表１中のポリエステル樹脂はイ
ソシアネート架橋タイプのポリエステル樹脂（アドコー
ト76H5:CAT10＝100:6.5,東洋モートン社製で、平均分子
量が38,000）であり、ポリエチレンワックスはハイワッ
クス1104A（三井石油化学社製で平均分子量が1,500）あ
り、疎水性シリカ粉はHDK H−15（WACHER社製）であ
る。 評価基準 （１）印字性能:NECの熱転写プリンタPC−PR−101T、同
プリンタPC−PR−101TLを用いて印刷したとき、極めて
鮮明な印字が転写されたものを◎、２機種ともまずまず
鮮明で良好なものを○、１機種のみ良好なものを△、２
機種とも不良なものを×とした。 （２）ヘイズ（透明性）:OHP上にて判定、同基材につい
て塗工していないものと透明性を比較し、ほぼ同等の透
明性を示すものを○、透明性の劣るものを×とした。 （３）粉落ち：塗工面を指の面で擦ったとき、塗工面が
剥がれないものを○、少し剥離するものを△、擦り続け
ると無限に剥がれるものを×とした。 （４）膜強度：塗工面を爪で擦ったとき、塗工面が剥が
れないものを○、少し剥がれるものを△、簡単に剥がれ
るものを×とした。 前記表１中No.6〜10並びにNo.14〜19が最適の結果で
あると評価できる。この結果より被覆剤中のポリエステ
ルに対するポリエチレンワックス及び疎水性シリカの配
合割合による性能の傾向が明らかであり、ポリエチレン
ワックスはポリエステル樹脂10重量部に対して３重量部
を越えない範囲で良好な結果を示している。 実施例２ 以下の配合例及び比較例に示した組成の被覆剤を作成
し、実施例１と同様な方法で被記録材を作成し、その特
性を評価し、表２に示す。 配合例 （１）イソシアネートアネート架橋タイプのポリエステ
ル樹脂（アドコード76H5:CAT10＝100:6.5,東洋モートン
社製で平均分子量が38,000） 10 重量部 ポリエチレンワックス（ハイワックス1104A,三井石油化
学社製で平均分子量が1,500） 0.25重量部 疎水性シリカ（HDK H−15 WACHER社製） 35 重量部 以上での組成にトルエンを加えて固形分濃度2.0％と
した。 （２）ポリエステル樹脂（ケミットK1089東レ社製で平
均分子量が18,000） 10重量部 ポリエチレンワックス（ハイワックス4252E三井石油化
学社製で平均分子量が2,900） 1重量部 疎水性シリカ（HDK H−2000 WACHER社製） 15重量部 以上での組成にトルエンを加えて固形分濃度2.5％と
した。 （３）ポリエステル樹脂（ケミットKG682東レ社製で平
均分子量が15,000） 10重量部 ポリエチレンワックス（ハイワックス200MP,三井石油化
学社製で平均分子量が2,000） 1重量部 疎水性シリカ（アエロジルＲ−812日本アエロジル社
製） 2重量部 以上での組成にトルエンを加えて固形分濃度1.5％と
した。 （４）ポリエステル樹脂（ケミットKG682東レ社製で平
均分子量が15,000） 10重量部 ポリエチレンワックス（ハイワックス100P,三井石油化
学社製で平均分子量が1,000） 1重量部 疎水性シリカ（HDK H−2000/4 WACHER社製） 2重量部 以上での組成にトルエンを加えて固形分濃度1.75％と
した。 比較例 （１）ポリエステル樹脂（バイロン20,東洋紡社製で平
均分子量が20,000） １重量部 ワックス（モンタンハイワックスS,ヘキスト社製で平均
分子量が750） １重量部 以上での組成にトルエンを加えて固形分濃度2.5％と
した。 （２）ワックス（ハイワックス1105A,三井石油化学社製
で平均分子量が1,500） 100重量部 疎水性シリカ（アエロジルＲ−972日本アエロジル社
製） ５重量部 以上での組成にトルエンを加えて固形分濃度2.0％と
した。 （３）BLANK:基材そのままで被覆材を塗工していないも
の。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 毛利 英正
神奈川県横浜市瀬谷区南瀬谷２丁目６−
９
(72)発明者 飛田 道昭
神奈川県横浜市瀬谷区下瀬谷２丁目48−
１
(72)発明者 石田 正彦
神奈川県藤沢市大庭5450番地３−101
(56)参考文献 特開 昭61−106293（ＪＰ，Ａ)
特開 昭60−122192（ＪＰ，Ａ)
特開 昭61−127390（ＪＰ，Ａ)
特開 昭61−135791（ＪＰ，Ａ)
特開 昭62−42886（ＪＰ，Ａ)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 １．基材上に、熱転写インク受理層を形成する被覆剤を
塗工してなる被記録材であって、被覆剤が必須成分とし
て分子量5000以上で500,000以下の熱可塑性高分子量飽
和ポリエステル樹脂10重量部に対して、分子量900以上
で4000以下のポリエチレンワックスを0.1重量部以上で
３重量部以下と、シラノール基をシラン化合物で疎水性
にした疎水性シリカを６重量部以上で50重量部以下とを
配合して構成されることを特徴とする熱溶融転写方式に
用いる熱転写用被記録材。 ２．基材が透明なプラスチックシート材である特許請求
の範囲第１項記載の熱溶融転写方式に用いる熱転写用被
記録材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61241216A JP2663264B2 (ja) | 1986-10-13 | 1986-10-13 | 熱転写用被記録材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61241216A JP2663264B2 (ja) | 1986-10-13 | 1986-10-13 | 熱転写用被記録材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6395990A JPS6395990A (ja) | 1988-04-26 |
| JP2663264B2 true JP2663264B2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=17070923
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61241216A Expired - Fee Related JP2663264B2 (ja) | 1986-10-13 | 1986-10-13 | 熱転写用被記録材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2663264B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JP3256278B2 (ja) * | 1992-06-02 | 2002-02-12 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写受像シート及びその製造方法 |
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Family Cites Families (5)
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| JPS61106293A (ja) * | 1984-10-30 | 1986-05-24 | Dainippon Printing Co Ltd | 透過原稿作成用被熱転写シ−ト |
| JPS61127390A (ja) * | 1984-11-27 | 1986-06-14 | Dainippon Printing Co Ltd | 光透過性を有する記録用シ−ト |
| JPS61135791A (ja) * | 1984-12-06 | 1986-06-23 | Sanyo Kokusaku Pulp Co Ltd | 感熱転写記録用シ−ト |
| JPS6242886A (ja) * | 1985-08-21 | 1987-02-24 | Fuji Photo Film Co Ltd | 転写感熱記録法 |
-
1986
- 1986-10-13 JP JP61241216A patent/JP2663264B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6395990A (ja) | 1988-04-26 |
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