JPH0427250B2 - - Google Patents

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JPH0427250B2
JPH0427250B2 JP58123979A JP12397983A JPH0427250B2 JP H0427250 B2 JPH0427250 B2 JP H0427250B2 JP 58123979 A JP58123979 A JP 58123979A JP 12397983 A JP12397983 A JP 12397983A JP H0427250 B2 JPH0427250 B2 JP H0427250B2
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alkali metal
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Katsuro Kuze
Jujiro Matsuyama
Hiroshi Hashimoto
Yoshio Yamaoka
Osamu Makimura
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は易滑性ポリエステルの製造法に関し、
詳細にはポリエステルの製造工程でポリマー中に
微細な不溶性粒子を高濃度で析出させることによ
り最終製品たる繊維やフイルムの表面に微細の凹
凸を高密度で形成させ、かつ軟化点が高く耐熱性
の良好な繊維やフイルム等の製造原料として好適
なポリエステルを製造する方法に関するものであ
る。 ポリエステルは機械的、電気的および熱的性質
等に優れているので、繊維やフイルム等各種の原
料として多用されている。ところがポリアルキレ
ンテレフタレートを主成分とするポリエステルか
ら得られる繊維やフイルムは概して摩擦係数が大
きく、製糸または製膜時の工程通過性が悪いた
め、摩擦係数が小さくかつ易滑性の優れた繊維お
よびフイルムを与える様なポリエステルの製法を
確立することが切望されている。 一般にポリエステル繊維またはフイルムの易滑
性を改善する方法としては、ポリエステルに不活
性の微粒子を混合して繊維またはフイルムの表面
に微細な凹凸を形成する方法が採用されており、
具体的には(1)ポリエステルを製造する際に二酸化
チタン、カオリナイト、タルク、シリカの様なポ
リエステルに対して不活性な微粒子を添加するい
わゆる外部粒子法と、(2)ポリエステル製造反応中
にカルボン酸成分、オリゴマー或いはP化合物の
いずれかを金属化合物と反応させて微粒子を形成
させるいわゆる内部粒子法とがある。上記外部粒
子法と内部粒子法を比較した場合、以下に示す様
な理由から内部粒子法の方が有利であるとされて
いる。 (1) 粒子の微細化、分級および分散の為の装置が
不要で経済的に有利である。 (2) 外部粒子法では添加微粒子の凝集によるノブ
やフイツシユアイ等を防止するために分散剤を
併用しなければならないが、内部粒子法ではそ
の必要がない。一般に分散剤は製品の耐熱性や
電気的特性を阻害するから、添加しないにこし
たことはない。 (3) 内部粒子法で生成する粒子は一般に硬度が低
いので、耐摩耗性の優れた製品が得られる。 (4) 内部粒子法で生成する粒子はポリエステルと
のなじみが良いので延伸してもボイドが発生せ
ず、またポリエステルに近い屈折率を有してい
るので製品の透明性が高い。 ところで内部粒子法としては、エステル交換触
媒として使用するアルカリ金属やアルカリ土類金
属等の触媒残渣を利用して微粒子を析出させ、微
粒子の析出量や粒子径についてはP化合物の添加
によつて調整する方法が主流を占めている。 該方法を直接重合法に適用する試みが多くなさ
れているが、そのいずれもが実質的にエステル化
反応が終了した後に、アルカリ金属やアルカリ土
類金属化合物を添加することによりなさている。
しかし、該方法では微細な内部粒子を高濃度で析
出させることは困難であり、たとえば(1)反応系へ
TPAや水を添加する方法、(2)金属化合物やP化
合物の添加時および添加後の条件を特性範囲に限
定する等の方法が提案されている。 確かにこれらの方法により内部粒子を発生させ
ることができるが、微粒子の析出量や粒子径を常
時一定に保つためには重合条件を厳密にコントロ
ールする必要があるし、また析出量も満足すべき
レベルには達していない。 さらに、ポリエステル原料はジエチレングリコ
ール(以下DEGという)含有量が低く、かつ耐
熱性にすぐれたものでなければならない。DEG
含有量が高くなると、たとえばポリエステルの軟
化点が低下してフイルムの製膜時にフイムムの破
断が起り易くなり、製膜操業性が悪化する等の問
題が起るので好ましくない。また耐熱性が悪くな
ると、延伸工程で生ずるフイルムの耳の部分や規
格外のフイルムを溶融して再使用することが難か
しくなるので好ましくない。 本発明者らは上記のような事情に着目し、直接
重合法でポリマー中に微細な不溶性粒子を高濃度
で析出させることにより最終製品たる繊維やフイ
ルムの表面に微細な凹凸を高密度で形成させ、か
つ軟化点が高く耐熱性の良好な繊維やフイルム等
の製造原料として好適なポリエステルの製造法を
確立すべく鋭意研究を行なつた結果、本発明に到
達したものである。 すなわち本発明は主たる繰返し単位がエレンテ
レフタレートからなるポリエステルを直接重合法
で製造するのに際し、エステル化率が91%未満
の段階で下記()式を満足させる量のCa化合
物を添加すること、固有粘度が0.2に達するま
での任意の段階で下記()式を満足する量の
NaおよびK化合物より選ばれた少なくとも1種
のアルカリ金属化合物ならびに下記()および
()式を満足する量のリン酸、亜リン酸および
ホスホン酸のエステル誘導体より選ばれた少なく
とも1種のPのエステル化合物とリン酸、亜リン
酸およびホスホン酸より選ばれた少なくとも1種
のPの酸化合物とを添加することを特徴とする易
滑性ポリエステルの製造法である 50≦[Ca]≦400 ……() 3≦[M]≦400 ……() 0.1≦(Ca+1/2M)/P≦10 ……() 9/1≦A/B<1/9 ……() (式中、〔Ca〕はCa化合物の最終的に得られるポ
リエステルに対するCa原子換算の添加量
(ppm)、〔M〕はアルカリ金属化合物の最終的に
得られるポリエステルに対するアルカリ金属換算
の添加量(ppm)、(Ca+1/2M)/Pは、P化
合物中のP原子数に対するCaの原子数に対する
Ca化合物中のCa原子数とアルカリ金属化合物
(M)中のアルカリ金属原子数の1/2との合計量の
原子数比を、Aはリン酸、亜リン酸およびホスホ
ン酸のエステル誘導体より選ばれた少なくとも1
種のPのエステル化合物としての添加モル数、B
はリン酸、亜リン酸およびホスホン酸より選ばれ
た少なくとも1種のPの酸化合物としての添加モ
ル数を示す。 また、前記固有粘度とはポリマーあるいはオリ
ゴマーをフエノール(6重量部)と1,1,2,
2−テトラクロルエタン(4重量部)の混合溶媒
に溶解し、30℃測定したものをさす。) 本発明のポリエステルはその繰返し単位の80%
モル以上がエチレンテレフタレートからなるもの
であり、他の共重合成分としてはイソフタル酸、
P−β−オキシエトキシ安息香酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、4,4′−ジカルボンキシジ
フエニール、4,4′−ジカルボキシルベンゾフエ
ノン、ビス(4−カルボキシフエニール)エタ
ン、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムス
フホイソフタル酸等のジカルボン酸成分があげら
れる。またグリコール成分としてはプロピレング
リコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジ
メタノール、ビスフエノールAのエチレンオキサ
イド付加物等を任意に選択使用することができ
る。この他共重合成分として少量のアミド結合、
ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合
等を含んでいてもよい。 エステル化反応は回分式および連続式の何れで
もよいが、連続式の方が安定した品質の製品が得
られるので好ましい。連続的でエステル化を行な
う場合には、エステル化反応を2〜4槽の反応缶
に分けて行なうのが反応のコントロール面よりみ
て好ましい。 本発明で用いられるCa化合物は、反応系へ可
溶なものであればすべて使用できる。たとえば水
素化カルシウム、酸化カルシウム、酢酸カルシウ
ムのような低級脂肪酸塩、カルシウムメトキサイ
ドのようなアルコキサイド等があげられる。 Ca化合物の添加量は、一般式()で示すよ
うに最終的に得られるポリエステルに対してCa
原子として50〜400ppmで、150〜300ppmが特に
好ましい。 50ppm未満では微粒子の析出量が少く、最終製
品の易滑性を十分に高めることができない。一方
400ppmを越えると易滑性は飽和状態に達し、む
しろ粗大粒子が生成して透明性が低下したり、ノ
ブやフイシユアイ等の製品欠陥をひき起すので好
ましくない。該Ca化合物の反応系への添加は、
実質的にエステル化反応が終了する前に行なう必
要がある。実質的にエステル化反応が終了した時
点とは、エステル化率が91%に達した時点をさ
す。エステル化反応が実質的に終了した後に添加
すると、微粒子の析出量が少く最終製品の易滑性
を十分に高めることができないので好ましくな
い。エステル化率が50〜80%の時点で添加する
と、オリゴマーの濾過性が向上してオリゴマー中
の不溶性の異物を濾過により効率よく除去するこ
とができ、かつ粗大粒子の生成が減少するので特
に好ましい。 本発明で用いられるアルカリ金属化合物は、反
応系へ可溶なものであればすべて使用できる。た
とえばNaおよびKのカルボン酸塩、リン酸塩、
炭酸塩、水素化物およびアルコキサイド等で、具
体的には酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、安息香
酸ナトリウム、安息香酸カリウム、リン酸二水素
ナトリウム、リン酸二水素カリウム、ピロリン酸
ナトリウム、ピロリン酸カリウム、トリポリリン
酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、重炭酸
ナトリウム、重炭酸カリウム、水素化ナトリウ
ム、水素化カリウム、ナトリウムメトキサイド、
カリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイ
ド、カリウムエトキサイド等があげられるが、カ
ルボン酸塩の使用が特に好ましい。 これらの化合物は単独で使用してもよく、また
2種以上併用してもよい。 これらのアルカリ金属化合物の添加量は、一般
式()で示すように生成するポリエステルに対
して金属原子として3〜400ppmの範囲、特に5
〜200ppmの範囲が好ましい。 アルカリ金属化合物の添加量が3ppm未満では、
DEG副生量が大幅に増大するので好ましくない。
逆に、400ppmを越えるとレジンカラーの悪化が
起り、かつ粗大粒子が生成して透明性が低下した
りノブやフイシユアイ等の製品欠陥をひき起すの
で好ましくない。 これらのアルカリ金属化合物の反応系への添加
は、初期縮合反応が終了するまでの間の任意の段
階で適宜選ぶことができる。初期縮合反応が終了
した時点とは固有粘度が約0.2に達した時をさし、
これ以後では反応系の粘度が高すぎるために添加
成分の混合が不均一になり均質な製品が得られな
くなる。またオリゴマーの解重合が起り、生産性
の低下やDEG副生量の増大をひき起すので好ま
しくない。 アルカリ金属化合物を50ppm以上添加する場合
は、エステル化率が20〜80%の時点で添加するの
が特に好ましい。該アルカリ金属化合物をエステ
ル化率が20〜80%の時点で添加すると、オリゴマ
ーと濾過性が向上してオリゴマー中の不溶性の異
物を濾過により効率よく除去することができ、か
つ粗大粒子の生成が減少する。 これらのアルカリ金属化合物の反応系への添加
は、上記条件を満足すれば単独で行なつてもよい
し、他の添加剤と同時に行なつてもかまわない。
他の添加剤と同時に添加する方法は、連続法で実
施する場合に反応槽の数を少くすることができる
ので特に好ましい。 本発明で用いられるP化合物はPのエステル化
合物とPの酸化合物を併用し、かつ該Pのエステ
ル化合物とPの酸化合物とをそれぞれモル比で
9:1〜1:9の範囲で添加するのが好ましい。 Pのエステル化合物とPの酸化合物のモル比が
9:1未満では、Ca化合物やアルカリ金属化合
物に基因した粗大粒子の析出が多くなり、フイル
ムの透明度が低下するので好ましくない。逆に
1:9を越えると、粒子濃度が低下し滑り性向上
効果が十分でなくなるので好ましくない。 本発明で用いられるPのエステル化合物として
は、リン酸、亜リン酸およびホスホン酸のアルキ
ルあるいはフエニールエステル等があげられ、具
体的にはリン酸トリメチルエステル、リン酸トリ
エチルエステル、リン酸トリブチルエステル、リ
ン酸トリフエニルエステル、リン酸モノメチルエ
ステル、リン酸ジメチルエステル、リン酸モノブ
チルエステル、リン酸ジブチルエステル、リン酸
モノフエニールエステル、リン酸ジフエニールエ
ステル、亜リン酸トリメチルエステル、亜リン酸
トリブチルエステル、亜リン酸トリウエニールエ
ステル、メチルホスホン酸ジメチルエステル、メ
チルホスホン酸ジフニールエステル、フエニール
ホスホン酸ジメチルエステル、フエニールホスホ
ン酸ジエチルエステル、フエニールホスホン酸ジ
フエニールエステル等であり、これらは単独で使
用してもよく、また2種以上を併用してもよい。 Pの酸化合物としてはリン酸、亜リン酸および
メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、フエニー
ルホスホン酸のホスホン酸類等であり、これらは
単独で使用してもよく、また2種以上を併用して
もよい。 またこれらのP化合物の添加は、一般式()
で示すように(Ca+1/2M)Pの原子比として
0.1〜10の範囲、好ましくは0.5〜3.0の範囲に設定
するのが好ましい。 0.1未満では、重合活性の低下やDEG副生量の
増大が起るので好ましくない。逆に10を越える
と、Ca化合物やアルカリ金属化合物に基因した
粗大粒子の析出が多くなり、フイルムの透明度が
低下するので好ましくない。 析出粒子の粒子径や粒子濃度は、金属化合物や
P化合物の添加量、添加割合およびアルカリ金属
化合物やP化合物の種類を変えることによりコン
トロールすることができる。 たとえば粒子濃度は、主として金属化合物の添
加量に大きく依存するがアルカリ金属化合物の添
加時期、P化合物の添加量およびP化合物の種類
によつても変化させることができる。 また粒子径は、P化合物の種類や添加量を変え
ることによりコントロールするのが最も好ましい
方法である。 たとえばPのエステル化合物とPの酸化合物の
混合比を変えることによりコントロールする方法
が、代表的な一方法としてあげることができる。
他の条件が同じであれば、Pの酸化合物の割合を
高めることにより粒子径は細かくなる。 これらのP化合物の反応系への添加は、初期縮
合反応が終了するまでの間の任意の段階で適宜選
ぶことができるが、Ca化合物と同時あるいはCa
化合物の添加前に行なうのが粗大粒子の生成を少
くする点より特に好ましい。 Pのエステル化合物とPの酸化合物とは、混合
して添加してもよいし別個に添加してもかまわな
い。 上記添加剤を添加する時の反応系の温度は、
230℃〜290℃までの温度範囲であればいずれでも
かまわないが、240℃〜270℃の範囲が特に好まし
い。230℃未満では、オリゴマーの固化が起るの
で好ましくない。逆に290℃を越えた時点で添加
すると、DEG副生量や着色が増大する等の副反
応が促進されるので好ましくない。 上記添加剤を添加する時の反応系の圧力は、常
圧〜3Kg/cm2の範囲、特に常圧〜1Kg/cm2の範囲
が好ましい。減圧下で添加すると、添加剤の逃散
が起こるので好ましくない。逆に3Kg/cm2を越え
ると、DEGの副生量が増加するので好ましくな
い。 前記各添加剤は固体および液体状の何れの形態
で添加してもよいが、供給精高の点よりエチレン
グリコール溶液として添加するのが最も好まし
い。固体状で添加する場合は、ポリエステル製の
容器に封入して反応系へ加えるのがよい。重縮合
は回分式および連続式のいずれを採用してもよ
い。重縮合触媒としては従来公知の触媒の中から
適宜選択して使用でき、また無機あるいは有機微
粒子からなる滑剤およびその他の各種添加剤を用
いてもよいことは勿論である。 次に本発明の実施例および比較例を示す。実施
例中の部は特にことわらないかぎりすべて重量部
を意味する。また、用いた測定法を以下に示す。 (1) エステル化率 反応生成物中に残存するカルボキシル基の量
と反応生成物のケン化価とから求める。 (2) 固有粘度 ポリマーあるいはオリゴマーをフエノール
(6重量部)と1,1,2,2−テトラクロル
エタン(4重量部)の混合溶媒に溶解し30℃で
測定する。 (3) ポリマー中のDEG量 ポリマーをメタノールで分解し、ガスクロマ
トグラフイーによつてエチレングリコールに対
するモル%として測定する。 (4) フイルムヘイズ 直読ヘイズメーター(東洋精機社製)で測定
する。 (5) フイルムの最大表面粗さ(RT)、中心線平均
粗さ(RA)および表面粗さ密度 サーフコム300A型表面粗さ計を用い、針径
1μ、加重0.07g、測定基準長0.8mmおよびカツ
トオフ0.08mmの条件で測定し、10点の平均値で
表示する。 (6) フイルムの動摩擦係数(μd) ASTM−D−1894−63Tに準じ、23℃、65
%RH、引張速度200m/分の条件で測定する。 実施例 1 撹拌装置、分縮器、原料仕込口および生成物取
出し口を設けた2段の完全混合槽よりなる連続エ
ステル化反応装置を用い、その第1エステル化反
応缶のエステル化反応生成物が存在する系へ
TPAに対するEGのモル比1.7に調整したTPAの
EGスラリーを連続的に供給した。 同時にTPAのEGスラリー供給口とは別の供給
口より、酢酸カルシウム−水塩のEG溶液、酢酸
ナトリウムのEG溶液およびトリメチルホスフエ
ートとリン酸をモル比で2:1で溶解したEG溶
液を、反応缶内を通過する反応生成物中のポリエ
ステステル単位ユニツト当りそれぞれCa原子と
して200ppm、Na原子として10ppmおよびP原子
として198ppm〔(Ca+1/2Na)/P=1.3〕とな
るように連続的に供給し、常圧にて平均滞留時間
4.5時間、温度255℃で反応させた。 この反応生成物を連続的に系外に取り出して、
第2エステル化反応缶に供給した。第2エステル
化反応缶内を通過する反応生成物中のポリエステ
ル単位ユニツトに対して、0.7重量部のEGおよび
Sb原子として250ppmになるような量の三酸化ア
ンチモンのEG溶液をそれぞれ別個の供給口より
連続的に供給し、常圧にて平均滞留時間5.0時間、
温度260℃で反応させた。第1エステル化反応缶
の反応生成物のエステル化率は68%であり、第2
エステル化反応缶の反応生成物のエステル化率は
98%であつた。 該エステル化反応生成物を目開き600メツシユ
のステンレス金属製のフイルターで連続的に濾過
し、ついで撹拌装置、分縮器、原料仕込み口およ
び生成物取出し口を設けた2段の連続重縮合反応
装置に連続的に供給して重縮合を行ない、固有粘
度0.620のポリエステルを得た。 このポリマーの品質、該ポリマーを溶融押出し
90℃で縦方向に3.5倍、130℃で横方向に3.5倍延
伸した後、220℃で熱処理して得られた12μのフ
イルムのフイルム特性を表1に示した。 本実施例の方法で得られたポリエステルは
DEG含有量が低い。またフイルムは易滑性にす
ぐれ、かつ透明性が高い。さらにフイルム表面の
平滑性も高く、高品質である。 比較例 1 実施例1の方法において、酢酸カルシウム、ト
リメチルホスフエートおよび酢酸ナトリウムを添
加しないことを除いて、実施例1と同じ方法によ
り得たポリマーの品質およびフイルム特性を表1
に示した。 本比較例の方法で得られたポリエステルは、
DEG含有量および透明性は良好であるが、滑り
性が極めて悪く満足な成膜ができなかつた。 比較例 2 実施例1の方法において、酢酸ナトリウムを添
加しないことを除いて、実施例1と同じ方法で得
たポリマーの品質およびフイルム特性を表1に示
した。 本比較例の方法で得られたポリエステルは、フ
イルム特性は良好であるがDEG含有量が高い。 比較例 3 実施例1の方法において、酢酸カルシウムの添
加を第1エステル化反応缶から第2エステル化反
応缶へ移す以外、実施例1と同じ方法で得たポリ
マーの品質およびフイルム特性を表1に示した。 本比較例の方法で得られたポリエステルは、
DEG含有量および透明性は良好であるが、析出
粒子濃度が低いため滑り性が極めて悪く、満足な
成膜ができなかつた。 比較例 4 実施例1の方法において、P化合物を添加しな
いことを除いて、実施例1と同じ方法で得たポリ
マーの品質およびフイルム特性を表1に示した。 本比較例の方法で得られたポリエステルは、
DEG含有量は良好であるが析出粒子が粗大化し
ており、透明性が極めて悪い。また滑り性もあま
りよくない。 実施例 2 実施例1の方法において、P化合物をトリメチ
ルホスフエート単独使用に変更する以外、実施例
1と同じ方法で得たポリマーの品質およびフイル
ム特性を表1に示した。 本実施例の方法で得たポリエステルは、DEG
含有量が低く、良好なフイルム特性を有してい
る。 実施例 3〜6 実施例1の方法において、アルカリ金属化合物
やP化合物の種類や添加量を種種変更する以外、
実施例1と同じ方法で得たポリマーの品質および
フイルム特性を表1に示した。 これらの実施例の方法で得られたポリエステル
は、いずれもが極めて高品質であることがわか
る。
【表】
【表】 添加量:金属原子としての添加量
TM/P:金属原子とP原子との原子比

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 主たる繰返し単位がエレンテレフタレートか
    らなるポリエステルを直接重合法で製造するのに
    際し、エステル化率が91%未満の段階で下記
    ()式を満足する量のCa化合物を添加するこ
    と、固有粘度が0.2に達するまでの任意の段階
    で下記()式を満足する量のNaおよびK化合
    物より選ばれた少なくとも1種のアルカリ金属化
    合物ならびに下記()および()式を満足す
    る量のリン酸、亜リン酸およびホスホン酸のエス
    テル誘導体より選ばれた少なくとも1種のPのエ
    ステル化合物とリン酸、亜リン酸およびホスホン
    酸より選ばれた少なくとも1種のPの酸化合物と
    を添加することを特徴とする易滑性ポリエステル
    の製造法。 50≦[Ca]≦400 ……() 3≦[M]≦400 ……() 0.1≦(Ca+1/2M)/P≦10 ……() 9/1≦A/B<1/9 ……() (式中、〔Ca〕はCa化合物の最終的に得られるポ
    リエステルに対するCa原子換算の添加量
    (ppm)、〔M〕はアルカリ金属化合物の最終的に
    得られるポリエステルに対するアルカリ金属換算
    の添加量(ppm)、(Ca+1/2M)/Pは、P化
    合物中のP原子数に対するCa化合物中のCa原子
    数とアルカリ金属化合物(M)中のアルカリ金属
    原子数の1/2との合計量の原子数比を、Aはリン
    酸、亜リン酸およびホスホン酸のエステル誘導体
    より選ばれた少なくとも1種のPのエステル化合
    物としての添加モル数、Bはリン酸、亜リン酸お
    よびホスホン酸より選ばれた少なくとも1種のP
    の酸化合物としての添加モル数を示す。 また、前記固有粘度とはポリマーあるいはオリ
    ゴマーをフエノール(6重量部)と1,1,2,
    2−テトラクロルエタン(4重量部)の混合溶媒
    に溶解し、30℃測定したものをさす。)
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