JPH0435489B2 - - Google Patents

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JPH0435489B2
JPH0435489B2 JP4287183A JP4287183A JPH0435489B2 JP H0435489 B2 JPH0435489 B2 JP H0435489B2 JP 4287183 A JP4287183 A JP 4287183A JP 4287183 A JP4287183 A JP 4287183A JP H0435489 B2 JPH0435489 B2 JP H0435489B2
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JP
Japan
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compound
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polyester
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ppm
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JP4287183A
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Inventor
Katsuro Kuze
Jujiro Matsuyama
Toshiro Yamada
Takeshi Oota
Osamu Makimura
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、粗大粒子の析出が少なく透明性が高
度に高く、かつ静電密着性が高度に改良された主
たる繰返し単位がエチレンフタレートからなるポ
リエステルを直接重合法で製造する方法に関する
ものである。 ポリエチレンテレフタレートで代表される飽和
線状ポリエステルは、すぐれた力学特性、耐熱
性、耐候性、電気絶縁性、耐薬品性等を有するた
め包装用途、写真用途、電気用途、磁気テープ等
の広い分野において多く使用されている。 通常ポリエステルフイルムは、ポリエステルを
溶融押出したのち2軸延伸して得られる。この場
合、フイルムの厚みの均一性やキヤステイングの
速度を高めるには、押出口金から溶融押出したシ
ート状物を回転冷却ドラム表面で急冷する際に、
該シート状物とドラム表面との密着性を高めなけ
ればならない。該シート状物とドラム表面との密
着性を高める方法として、押出口金と回転冷却ド
ラムの間にワイヤー状の電極を設けて高電圧を印
加し、未固化のシート状物上面に静電気を析出さ
せて該シートを冷却体表面に密着させながら急冷
する方法(以下静電密着キヤスト法という)が有
効であることが知られている。フイルムの厚みの
均一性はフイルム品質の中で極めて重要な特性で
あり、またフイルムの生産性はキヤステイング速
度に直接依存するため生産性を向上させるにはキ
ヤステイング速度を高めることが極めて重要とな
るため、静電密着性の向上に多大の努力がはから
れている。 静電密着性は、シート状物表面の電荷量を多く
することが有効な手段であることが知られてい
る。また静電密着キヤスト法においてシート状物
表面の電荷量を多くするには、ポリエステルフイ
ルムの製膜において用いられるポリエステル原料
を改質してその比抵抗を低くすることが有効であ
ることが知られている。このポリエステル原料の
比抵抗をく低くする方法として、エステル化また
はエステル交換反応終了後にアルカリ金属または
アルカリ土類金属化合物を添加することが知られ
ている。確かにこの方法でポリエステル原料の比
抵抗が下げられ、静電密着性は一応のレベルには
到達するが、近年市場におけるフイルムの厚みの
均一性に対する要求性能がより厳しくなり、かつ
低コスト化のためにより高度な生産性の向上が望
まれるようになつてきたので、従来公知の方法で
得たポリエステル原料では高キヤステイング速度
で市場の要求を完全に満足するような高品質フイ
ルムを製造することが困難となつてきた。特に
Ca化合物を用いた場合には、比抵抗を下げよう
とするとどうしても粗大粒子の析出がおこつて透
明性の低下を完全に押えることが困難となり、透
明性が高度に要求される用途、たとえば写真等の
光学用途へ利用されるフイルム原料として満足す
べき品質を有するポリエステルの製造法はこれま
で確立されていなかつた。 本発明者らは上記のような事情に着目し、直接
重合法で粗大粒子の析出が少なく透明性が高度に
高く、かつ静電密着性が高度に改良されたポリエ
ステルの製造法を確立すべく鋭意研究を行なつた
結果、本発明に到達したものである。 すなわち本発明は、主たる繰返し単位がエチレ
ンテレフタレートからなるポリエステルを直接重
合法で製造するに際し、(1)エステル化率が91%以
上に達した時点で下記()および()式を同
時に満足する量のP化合物およびCa化合物を、
P化合物ついでCa化合物の順に添加すること、
および(2)固有粘度が0.2に達するまでの段階で、
しかもCa化合物と同時あるいはCa化合物添加前
に下記()式を満足する量のNaおよびK化合
物より選ばれた少なくとも1種のアルカリ金属化
合物を添加することを特徴とするポリエステルの
製造法である。 50≦Ca≦400 () 1.2≦Ca/P≦3.0 () 3.0≦M≦20 () 〔式中CaはCa化合物のポリエステルに対する
Ca原子としての添加量(ppm)、Ca/PはCa原
子とP原子との原子数比、Mは(2)で示すアルカリ
金属化合物のポリエステルに対する金属原子とし
ての添加量(ppm)を示す。〕ここでいう固有粘
度とはポリマーあるいはオリゴマーをフエノール
(6重量部)と1,1,2,2,−テトラクロルエ
タン(4重量部)の混合溶媒に溶解し、30℃で測
定したものをさす。また、前記ポリエステルは最
終的に得られたものをさす。 本発明のポリエステルは、その繰返し単位の80
モル%以上がエチレンテレフタレートからなるも
のであり、他の共重合成分としてはイソフタル
酸、P−β−オキシエトキシ安息香酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジカルボキシ
ルジフエニール、4,4′−ジカルボキシルベンゾ
フエノン、ビス(4−カルボキシルフエニール)
エタン、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分があ
げられる。またグリコール成分としてはプロピレ
ングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサ
ンジメタノール、ビスフエノールAのエチレンオ
キサイド付加物等を任意に選択使用することがで
きる。この他共重合成分として少量のアミド結
合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート
結合等を含んでいてもよい。エステル化反応は回
分式および連続式の何れでもよいが、連続式の方
が安定した品質の製品が得られるので好ましい。
連続式でエステル化を行なう場合は、反応を2〜
4槽の反応缶に分けて行うのが反応のコントロー
ル面よりみて好ましい。また反応を2缶法で行な
う場合は、Ca化合物等の添加剤の添加時期をず
らして行なう必要があるので、2缶目の反応缶内
部を多槽に分割し各槽に添加剤を添加できるよう
にする必要がある。 本発明で用いられるCa化合物は、反応系へ可
溶なものであればすべて使用できる。たとえば水
素化カルシウム、酸化カルシウム、酢酸カルシウ
ムのような低級脂肪酸塩、カルシウムメトキサイ
ドのようなアルコキサイド等があげられる。 また一般式()で示したようにCa化合物の
添加量は、最終的に得られるポリエステルに対し
てCa原子として50〜400ppmであり、100〜
300ppmが特に好ましい。50ppm未満にすると得
られるポリエステル原料の比抵抗の低下が少な
く、その結果静電密着性の向上が満足できなくな
るので好ましくない。逆に400ppmを越えるとポ
リエステル原料の比抵抗の低下が頭打ちとなり、
かつCa化合物に基因する粗大粒子の析出が多く
なり、フイルムの透明度が低下するので好ましく
ない。さらにジエチレングリコール(以下DEG
という)副生量が増加したり、ポリエステルの安
定性が低下する等の品質低下をひき起すので好ま
しくない。 本発明で用いられるP化合物としては、リン
酸、亜リン酸、ホスホン酸およびそれらの誘導体
等があげられ、具体例としてはリン酸、リン酸ト
リメチルエステル、リン酸トリエチルエステル、
リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフエニル
エステル、リン酸モノメチルエステル、リン酸ジ
メチルエステル、リン酸モノエチルエステル、リ
ン酸ジエチルエステル、リン酸モノブチルエステ
ル、リン酸ジブチルエステル、亜リン酸、亜リン
酸トリメチルエステル、亜リン酸トリエチルエス
テル、亜リン酸トリブチルエステル、メチルホス
ホン酸ジメチルエステル、エチルホスホン酸ジメ
チルエステル、フエニールホスホン酸ジメチルエ
ステル、フエニールホスホン酸ジエチルエステ
ル、フエニールホスホン酸ジフエニールエステル
等であり、これらは単独で使用してもよく、また
2種以上を併用してもよい。 また、これらのP化合物の添加量は、一般式
()で示したようにCa/Pの原子数比として1.2
〜3.0の範囲、好ましくは1.4〜2.0の範囲に設定す
ることによつて、P化合物添加の効果が有効に発
揮される。1.2未満では得られるポリエステル原
料の比抵抗の低下が少なく、その結果静電密着性
の向上が不充分となるので好ましくない。逆に
3.0を越えると、Ca化合物に基因した粗大粒子の
析出が多くなりフイルムの透明度が低下するので
好ましくない。 これらのCaおよびP化合物はエステル化率が
91%以上、好ましく95%以上、特に好ましくは98
%以上達した時点で、しかもP化合物およびCa
化合物の順に添加する必要がある。エステル化率
が91%未満では、前記添加量および添加順序で添
加しても得られるポリエステル原料の比抵抗の低
下が少なく、静電密着性の向上が満足できなくな
り、かつCa化合物に基因する粗大粒子の析出が
多くなつてポリエステルフイルムの透明度が低下
するので好ましくない。さらにエステル化率が91
%未満で添加すると、重縮合触媒の活性が低下し
て重合の生産性が低下するので好ましくない。 一方、エステル化率が91%以上に達した時点で
添加しても、たとえばCa化合物をP化合物より
先に添加すると、得られるポリエステル原料の比
抵抗の低下が少なく静電密着性の向上が満足でき
なくなり、かつCa化合物に基因する粗大粒子の
析出が多くなつてポリエステルフイルムの透明度
が低下するので好ましくない。 本発明で用いられるアルカリ金属化合物は、反
応系へ可溶なものであればすべて使用できる。た
とえばNaおよびKのカルボン酸塩、リン酸塩、
炭酸塩、水素化物およびアルコキサイド等であ
り、具体的には酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、
安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、リン酸
第1ナトリウム、リン酸第1カリウム、ピロリン
酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、トリポリリ
ン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、重炭
酸ナトリウム、重炭酸カリウム、水素化ナトリウ
ム、水素化カリウム、ナトリウムメトキサイド、
カリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイ
ド、カリウムエトキサイド等があげられる。これ
らの化合物は単独で使用してもよく、また2種上
を併用してもよい。 また、一般式()で示したように、これらの
アルカリ金属化合物は、ポリエステルに対して金
属原子として3.0〜20ppmの範囲で添加するのが
好ましく、さらに5.0〜10ppmの範囲が特に好ま
しい。この範囲で添加して初めて高度な静電密着
性が付与される。 アルカリ金属化合物の添加量が3.0ppm未満で
は、静電密着性が低くなるうえにDEG副生量が
大幅に増大するので好ましくない。逆に20ppmを
越えると静電密着性が低下するばかりでなく、粗
大粒子の増加やレジンカラーの悪化が起るので好
ましくない。これらのアルカリ金属化合物の反応
系への添加は、初期縮合反応が終了するまでの段
階で、しかもCa化合物と同時あるいはCa化合物
添加前に行なう必要がある。初期縮合反応が終了
した時点とは固有粘度が0.2に達した時をさし、
これ以後の添加では反応系の粘度が高すぎるため
に添加成分の混合が不均一になり、均質な製品が
得られなくなる。またオリゴマーの解重合が起
り、生産性の低下やDEG副生量の増大をひき起
すので好ましくない。 これらのアルカリ金属化合物の反応系への添加
は、上記条件を満足すれば単独で行なつてもよい
し、他の添加剤と同時に行なつてもかまわない。
Ca化合物あるいはP化合物のどちらかと同時に
添加する方法は、連続法で実施する場合に反応槽
の数を少なくすることができるので特に好まし
い。他の添加剤と同時に添加する場合は、それぞ
れ別個の添加口より同時に反応系へ添加してもよ
いし、添加前にあらかじめ両者を混合しておいて
同一の添加口から添加してもかまわない。 以上のように、限定された条件を満すことによ
り初めて透明性と静電密着性の両方を同時に、か
つ高度に改良できることを見い出したものであ
る。特に、極めて微量のアルカリ金属化合物の添
加で静電密着性が向上することは驚くべきことで
ある。これらのアルカリ金属化合物の添加による
静電密着性向上の作用機構は不明であるが、これ
らのアルカリ金属化合物の添加によりCa化合物、
P化合物およびオリゴマーの3者の反応生成物の
組成が微妙に変化し、電気伝導的に高活性な化合
物が生成するためであると考えられる。 前記添加剤を添加する時の反応系の温度は、
230℃〜290℃までの温度範囲であればいずれでも
かまわないが、240℃〜270℃の範囲が特に好まし
い。230℃未満では、オリゴマーの固化が起るの
で好ましくない。逆に290℃を越えた時点で添加
すると、DEG副生量や着色が増大する等の副反
応が促進されるので好ましくない。 上記添加剤を添加する時の反応系の圧力は、常
圧〜3Kg/cm2の範囲、特に常圧〜1Kg/cm2の範囲
が好ましい。減圧下で添加すると、添加剤の逃散
が起るので好ましくない。逆に3Kg/cm2を越える
と、DEG副生量が増加するので好ましくない。
各添加剤の添加の間隔は撹拌条件、反応温度、反
応圧力等により異なるが、一般に1分から60分、
特に3分から20分が好ましい。間隔が短いと充分
な添加効果が発現されないし、逆に間隔が長くな
りすぎるとDEG副生量や着色が増大する等の副
反応が促進されるので好ましくない。 前記各添加剤は固体状および液体状の何れの形
態で添加してもよいが、供給精度の点よりエチレ
ングリコール溶液として添加するのが最も好まし
い。固体状で添加する場合は、ポリエステル製の
容器に封入して反応系へ加えるのがよい。 重縮合は回分式および連続式のいずれを採用し
てもよい。 重縮合触媒としては従来公知の触媒の中から適
宜選択して使用でき、また無機あるいは有機微粒
子からなる滑剤およびその他の各種添加剤を用い
てもよいことは勿論である。 次に本発明の実施例および比較例を示す。実施
例中の部は、特にことわらないかぎりすべて重量
部を意味する。 また、用いた測定法を以下に示す。 (1) エステル化反応率 反応生成物中に残存するカルボキシル基の量と
反応生成物のケン化価とから求める。 (2) 固有粘度 ポリマーあるいはオリゴマーをフエノール(6
重量部)とテトラクロルエタン(4重量部)の混
合溶媒に溶解し、30℃で測定する。 (3) ポリマー中のDEG量 ポリマーをメタノールで分解し、ガスクロマト
グラフイーによつてエチレングリコールに対する
モル%として測定する。 (4) ポリマー中の粗大粒子数 少量のポリマーを2枚のカバーグラス間にはさ
んで280℃で溶融プレスし、急冷したのち位相差
顕微鏡を用いて観察し、イメージアナライザーで
粒子の数をカウウントする。 (5) ポリマーの溶融比抵抗 275℃で溶融したポリエステル中に2枚の電極
板をおき、120Vの電圧を印加した時の電流値
(i0)を測定し、比抵抗値(ρi)を次式により求め
る。 ρi(Ω・cm)=A/l×V/i0 A=電極面積(cm2)、l=電極間距離(cm) V=電圧(V) (6) 静電密着性 押出し機の口金部と冷却ドラムとの間にタング
ステンワイヤー製の電極を設け、電極とキヤステ
イングドラム間に10〜15KVの電圧を印加してキ
ヤステイングを行ない、得られたキヤステイング
原友の表面を肉眼で観察し、ピンナーバブルの発
生が起り始めるキヤステイング速度で評価する。
キヤステイング速度が大きいポリマー程、静電密
着性が良好である。 (7) フイルムヘイズ 直読ヘーズメーター(東洋精機社製)で測定す
る。 実施例 1 撹拌装置、分縮器、原料仕込口および生成物取
り出し口を設けた2段の完全混合槽よりなる連続
エステル化反応装置を用い、その第1エステル化
反応缶のエステル化反応生成物が存在する系へ、
TPAに対するEGのモル比1.7に調整し、かつ三
酸化アンチモンをアンチモン原子としてTPA単
位当り289ppmを含むTPAのEGスラリーを連続
的に供給した。常圧にて平均滞留時間4.5時間、
温度255℃で反応させた。 この反応生成物を連続的に系外に取り出し、第
2エステル化反応缶に供給した。さらにEGを仕
込みポリエステル単位ユニツト当り0.5重量部を
連続的に添加し、常圧にて平均滞留時間5.0時間、
温度260℃で反応させた。第1エステル化反応缶
のエステル化率は70%であり、第2エステル化反
応缶の反応生成物のエステル化率は98%であつ
た。該エステル化反応生成物1144部(エチレンテ
レフタレートユニツト1100部に相当)および
EG70部を重縮合反応缶に仕込み、260℃、常圧で
90分間加熱撹拌し、同温度、同圧力下で130g/
の濃度のトリメチルホスフエートのEG溶液
3.71容量部(生成がポリエステルに対してP原子
換算で97ppm)を加えて10分間加熱撹拌した。次
いで同温度、同圧力下で50g/の濃度の酢酸カ
ルシウム一水塩のEG溶液9.34容量部(生成ポリ
エステルに対してCa原子換算で200ppm、Ca/P
=1.8)および50g/の濃度の酢酸ナトリウム
のEG溶液0.78容量部(生成ポリエステルに対し
てNa原子換算で10ppm、0.43グラム原子/106
ポリエステル)の混合液を加え、同温度、同圧力
下で10分間加熱撹拌した。該反応生成物のエステ
ル化率99%で、固有粘度は0.1以下であつた。約
100分を要して反応温度を290℃まで昇温しながら
反応系の圧力を徐々に下げて0.5mmHgとした後、
290℃、0.5mmHgで約100分間重縮合反応を行なつ
て固有粘度が0.620のポリマーを得た。このポリ
マーの品質および該ポリマーを290℃で溶融押出
しし、90℃で縦方向に3.5倍、130℃で横方向に
3.5倍延伸した後、220℃で熱処理して得られた
12μのフイルムのフイルムヘイズを表1に示し
た。 表1より明らかなごとく、本発明方法で得たポ
リエステルは静電密着性や透明性が高度に高く、
かつ粗大粒子およびDEG含有量が低く、極めて
好品質であることがわかる。 比較例 1 実施例1の方法において、トリメチルホスフエ
ート、酢酸カルシウムおよび酢酸ナトリウムを添
加しないことを除いて、実施例1と同じ方法によ
り得たポリマーの品質およびフイルムヘイズを表
1に示した。 本比較例の方法は透明性、粗大粒子および
DEG含有量は良好であるが、静電密着性が極め
て悪いことがわかる。 比較例 2 実施例1の方法において、トリメチルホスフエ
ートおよび酢酸ナトリウムを添加しないことを除
いて、実施例1と同じ方法により得たポリマーの
品質およびフイルムヘイズを表1に示した。 本比較例の方法はDEG含有量は良好であるが、
静電密着性が極めて悪い。また粗大粒子が著しく
多く、透明性も極めて悪い。 比較例 3 実施例1の方法において、酢酸ナトリウムを添
加しない以外、実施例1と同じ方法で得たポリマ
ーの品質およびフイルムヘイズを表1に示した。 本比較例の方法は透明性および粗大粒子は良好
であるが、静電密着性が悪い。またDEG含有量
が非常に高い。 比較例 4 実施例1の方法において、酢酸ナトリウム添加
量を50ppmとした以外、実施例1と同じ方法で得
たポリマーの品質およびフイルムヘイズを表1に
示した。本比較例の方法はDEGは良好であるが、
透明性および静電密着性が悪い。 比較例 5 実施例1の方法において、トリメチルホスフエ
ートおよび酢酸カルシウムを添加しない以外、実
施例1と同じ方法で得たポリマーの品質およびフ
イルムヘイズを表1に示した。 本比較例の方法は透明性、粗大粒子および
DEG含有量は良好であるが、静電密着性が極め
て悪い。 比較例 6〜8 実施例1の方法において、トリメチルホスフエ
ート、酢酸カルシウムおよび酢酸ナトリウムの添
加順序を変える以外、実施例1と同じ方法で得た
ポリマーの品質およびフイルムヘイズを表1に示
した。これらの比較例の方法はいずれもDEG含
有量は良好であるが、静電密着性が悪い。また、
Ca化合物をP化合物より先に添加する方法(比
較例6および7)は、透明性および粗大粒子の点
でも劣つている。 比較例 9 実施例1の方法において、第1エステル化反応
缶と第2エステル化反応缶とを結んで配管途中に
3個のラインミキサーを設け、トリメチルホスフ
エート、酢酸カルシウムおよび酢酸ナトリウムの
添加場所を該ラインミキサーに変更する以外、実
施例1と同じ方法で得たポリマーの品質およびフ
イルムヘイズを表1に示した。 本比較例の方法はDEG含有量は良好であるが、
静電密着性、透明性および粗大粒子が極めて悪
い。 比較例 10 実施例1の方法において、トリメチルホスフエ
ート添加量を155ppmとする以外、実施例1と同
じ方法で得たポリマーの品質およびフイルムヘイ
ズを表1に示した。 本比較例の方法は透明性、粗大粒子および
DEG含有量は良好であるが、静電密着性が極め
て悪い。 実施例 2 実施例1の方法において、酢酸ナトリウムを第
1エステル化反応缶へ添加するように変更する以
外、実施例1と同じ方法で得たポリマーの品質お
よびフイルムヘイズを表1に示した。本実施例で
得たポリエステルは極めて高品質である。 実施例 3 実施例1の方法において、トリメチルホスフエ
ートをトリエチルホスフエートにかえ、かつその
添加量を78ppmとする以外、実施例1と同じ方法
で得たポリマーの品質およびフイルムヘイズを表
1に示した。 本実施例で得たポリエステルは極めて好品質で
ある。 実施例 4 実施例2の方法において、トリメチルホスフエ
ートをリン酸にかえ、かつその添加量を78ppmお
よび酢酸ナトリウムの添加量を5ppmと変更する
以外、実施例2と同じ方法で得たポリマーの品質
およびフイルムヘイズを表1に示した。 本実施例で得たポリエステルは極めて好品質で
ある。 実施例 5 実施例1の方法において、酢酸ナトリウムを酢
酸カリウムにかえ、かつその添加量を5ppmと変
更する以外、実施例1と同じ方法で得たポリマー
の品質およびフイルムヘイズを表1に示した。 本実施例で得たポリエステルは極めて好品質で
ある。 実施例 6 実施例2の方法において、酢酸ナトリウムをリ
ン酸2水素ナトリウムにかえ、かつその添加量を
5ppmおよびトリメチルホスフエートの添加量を
78ppmに変更する以外、実施例2と同じ方法で得
たポリマーの品質およびフイルムヘイズを表1に
示した。 本実施例で得たポリエステルは極めて好品質で
ある。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレー
    トからなるポリエステルを直接重合法で製造する
    に際し、(1)エステル化率が91%以上達した時点で
    下記()および()式を同時に満足する量の
    P化合物およびCa化合物を、P化合物ついでCa
    化合物の順に添加すること、および(2)固有粘度が
    0.2に達するまでの段階で、しかもCa化合物と同
    時あるいはCa化合物添加前に下記()式を満
    足する量のNaおよびK化合物より選ばれた少な
    くとも1種のアルカリ金属化合物を添加すること
    を特徴とするポリエステルの製造法。 50≦Ca≦400 ……() 1.2≦Ca/P≦3.0 ……() 3.0≦M≦20 ……() [式中、CaはCa化合物の最終的に得られたポリ
    エステルに対するCa原子として添加量(ppm)、
    Ca/PはCa原子とP原子との原子数比、Mは(2)
    で示すアルカリ金属化合物の最終的に得られたポ
    リエステルに対する金属としての添加量(ppm)
    を示す。 また前記固有粘度とはポリマーあるいはオリゴ
    マーをフエノール(6重量部)と1,1,2,
    2,−テトラクロルエタン(4重量部)の混合溶
    媒に溶解し、30℃で測定したものをさす。]
JP4287183A 1983-03-14 1983-03-14 ポリエステルの製造法 Granted JPS59168024A (ja)

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JP4287183A JPS59168024A (ja) 1983-03-14 1983-03-14 ポリエステルの製造法

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JPS59168024A JPS59168024A (ja) 1984-09-21
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