JPH04249571A - 難燃ポリエステル組成物 - Google Patents

難燃ポリエステル組成物

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JPH04249571A
JPH04249571A JP14762891A JP14762891A JPH04249571A JP H04249571 A JPH04249571 A JP H04249571A JP 14762891 A JP14762891 A JP 14762891A JP 14762891 A JP14762891 A JP 14762891A JP H04249571 A JPH04249571 A JP H04249571A
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polyester
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井上 俊英
Masaru Okamoto
勝 岡本
Yasunori Ichikawa
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性、特に燃焼時の
顆粒落下抵抗性が優れ、かつ良好な機械的性質および成
形品外観を備えた難燃ポリエステル組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックの高性能化に対する要
求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマが
数多く開発され、市場に供されているが、中でも分子鎖
の平行な配列を特徴とする光学異方性の液晶ポリマが優
れた流動性と機械的性質を有する点で注目され、機械部
品、電気・電子部品などに用途が拡大されつつある。
【0003】一方、これらの工業材料には、一般の化学
的、物理的諸特性のバランス以外に、火炎に対する安全
性、すなわち難燃性が強く要求されている。
【0004】一般に液晶ポリマは、耐燃焼性を持ってお
り、直接火炎にさらされると自己発泡的に炭化層を形成
する性質があることが(Materials Engi
neering 誌1980年2月号「発泡防火塗料:
火炎に対する最も重要な防御法について」)に記載され
ている。
【0005】しかしながら、溶融異方性ポリエステルと
して代表的なアルキレングリコールとジカルボン酸から
得られるポリエステルにアシルオキシ芳香族カルボン酸
を共重合した溶融異方性ポリエステル(たとえば特公昭
56−18016号公報記載ポリマ)は、薄肉成形品(
1/32″)での難燃性が不十分であることがわかった
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、特公昭56−
18016号公報記載ポリマに種々の難燃剤を添加した
結果、成形時の滞留安定性が必ずしも良好でないことが
わかった。よって本発明は、難燃性、機械的性質に優れ
るとともに、良好な滞留安定性を有する難燃ポリエステ
ル組成物を得ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、(A) 溶融異方性
ポリエステル100重量部に対して、(B) 二臭素化
スチレンモノマから製造した下記構造単位を主要構成成
分とする数平均分子量(Mn)が1×103 〜30×
104 、重量平均分子量(Mw)が2×103 〜1
20×104 であるポリ臭素化スチレン0.5〜60
重量部および(C) 充填剤0〜200重量部を含有せ
しめてなることを特徴とする難燃ポリエステル組成物。
【0009】
【化2】
【0010】本発明でいう溶融異方性ポリエステルとは
、芳香族オキシカルボキシレート単位、芳香族ジオキシ
単位、芳香族ジカルボニル単位、エチレンジオキシ単位
などから選ばれた単位からなるポリエステルのうち溶融
異方性を示すポリエステルであり、好ましくは下記構造
単位(I) 〜(V) から選ばれたポリエステルであ
り、特に好ましくは構造単位(IV)を含むポリエステ
ルである。
【0011】
【化3】
【0012】(ただし式中のXは
【0013】
【化4】
【0014】から選ばれた1種以上の基を示し、Yは

0015】
【化5】
【0016】から選ばれた1種以上の基を示す。
【0017】また構造単位(V) は構造単位(II)
+(III)+(IV)と実質的に等モルである。)上
記構造単位(I) 、(II)、(III) および(
IV)の共重合量は次の共重合量であることが好ましい
【0018】すなわち、構造単位(IV)を含む場合は
、耐熱性、難燃性および機械的性質の点から上記構造単
位〔(I) +(II)+(III) 〕は、〔(I)
 +(II)+(III) +(IV)〕の77〜95
モル%が好ましく、82〜93モル%がさらに好ましい
。また、構造単位(IV)は〔(I) +(II)+(
III) +(IV)〕の23〜5モル%が好ましく、
18〜7モル%がさらに好ましい。また、構造単位(I
) /〔(II)+(III) 〕のモル比は耐熱性と
流動性の点から好ましくは75/25〜95/5であり
、より好ましくは78/22〜93/7である。また(
II)/(III) のモル比は100/0〜67/3
3が好ましく、100/0〜90/10がさらに好まし
い。構造単位(V) はテレフタル酸から生成したもの
が好ましく、構造単位〔(II)+(III) +(I
V)〕と実質的に等モルである。
【0019】一方、上記構造単位(IV)を含まない場
合は流動性の点から上記構造単位(I) は〔(I) 
+(II)+(III) 〕の40〜90モル%である
ことが好ましく、60〜85モル%であることが特に好
ましい。また、上記構造単位(II)/(III) の
モル比は90/10〜10/90が好ましく、耐熱性と
流動性の点から75/25〜40/60がより好ましい
。さらにこの場合、構造単位(III) としては2,
6−ジヒドロキシナフタレンから生成したものが、構造
単位(V) としてはテレフタル酸から生成したものが
最も好ましい。また、この場合、構造単位(V) は構
造単位〔(II)+(III) 〕と実質的に等モルで
ある。
【0020】本発明において用いられる難燃剤は、臭素
化スチレンモノマから製造した下記構造単位を主要構成
成分とする数平均分子量(Mn)が1×103 〜30
×104 、重量平均分子量(Mw)が2×103 〜
120×104 である。
【0021】
【化6】
【0022】一般に臭素化ポリスチレンは、スチレンモ
ノマをラジカル重合またはアニオン重合し、得られたポ
リスチレンを臭素化することによって製造されるが、こ
の臭素化ポリスチレンは成形滞留時の機械的特性の低下
や色調の悪化が大きいため、本発明においては臭素化ス
チレンモノマを重合したポリ臭素化スチレンを用いるこ
とが必須である。
【0023】このポリ臭素化スチレンは、通常、ラジカ
ル重合またはアニオン重合、好ましくはラジカル重合に
よって製造される。
【0024】上記一般式で示され、本発明で用いられる
ポリ臭素化スチレンは二臭素化スチレン単位を60重量
%以上含有しているものが好ましく、70重量%以上含
有しているものがより好ましい。二臭素化スチレンモノ
マ以外に一臭素化スチレンおよび/または三臭素化スチ
レンを40重量%以下、好ましくは30重量%以下共重
合したポリ臭素化スチレンであってもよい。
【0025】このポリ臭素化スチレンのMnは1×10
4 〜30×104 、Mwは2×104 〜120×
104 が好ましく、Mnは1×104 〜15×10
4 、Mwは2×104 〜60×104 がさらに好
ましい。また、Mw/Mnの比は1.5〜5.0が好ま
しく、2.0〜4.0がさらに好ましい。Mnが1×1
03 未満であったり、Mwが2×103 未満では、
成形滞留時の機械的特性やハンダ耐熱性の低下が大きく
好ましくない。一方、Mnが30×104 より大きか
ったり、Mwが120×104 より大きいときには、
本発明の組成物の流動性が不良となり好ましくない。ま
た、ポリ臭素化スチレンは見かけ密度1.0g/cm3
 以上、かため密度1.1g/cm3 以上が好ましく
、見かけ密度1.1g/cm3 以上、かため密度1.
2g/cm3 以上がさらに好ましい。 そしてこのポリ臭素化スチレンは溶融異方性ポリエステ
ル中に平均径2.5μ以下、好ましくは2.0μ以下で
分散していることが好ましい。
【0026】なお、この数平均分子量はゲル浸透クロマ
トグラフを用いて測定した値であり、ポリスチレン分子
量基準の相対値である。
【0027】このポリ臭素化スチレンの添加量は、溶融
異方性ポリエステル100重量部に対して0.5〜60
重量部であり、好ましくは1〜20重量部、より好まし
くは2〜15重量部である。0.5重量部未満では難燃
効果が不十分であり、60重量部より多いときには機械
的、熱的特性が低下するため好ましくない。
【0028】本発明のポリエステル組成物において難燃
剤以外にアンチモン化合物を難燃助剤として加えること
もできるが、アンチモン酸ソーダ、とりわけ550℃以
上の高温で熱処理した実質的に無水のアンチモン酸ソー
ダが好ましい。また、アンチモン化合物とともに酸化ジ
ルコニウム、硫化亜鉛、硫酸バリウムなどを併用しても
よい。このアンチモン化合物の添加量は組成物中の臭素
原子2〜5個あたり、アンチモン原子1個の割合が好ま
しい。
【0029】構造単位(IV)が、〔(I)+(II)
+(III)+(IV)〕の0〜23モル%では、アン
チモン化合物を添加することなく本発明の難燃剤のみで
難燃化可能である。  本発明で用いる溶融異方性ポリ
エステルの製造法としてはいかなる方法でもよいが、構
造単位(IV)を含む際の代表的な製造法としては次の
方法が挙げられ、とりわけ(2) が好ましい。
【0030】(1) p−アセトキシ安息香酸などのヒ
ドロキシ安息香酸のアシル化物、4,4′−ジアセトキ
シビフェノルなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシ
ル化物、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸および
ポリエチレンテレフタテートなどのエチレングリコール
と芳香族ジカルボン酸からのポリエステルとを脱酢酸重
合する方法。
【0031】(2) p−ヒドロキシ安息香酸、4,4
′−ジヒドロキシビフェニルなどの芳香族ジヒドロキシ
化合物、無水酢酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボ
ン酸およびポリエチレンテレフタレートなどのエチレン
グリコールと芳香族ジカルボン酸からのポリエステルと
を脱酢酸重合する方法。
【0032】また、本発明で用いる溶融異方性ポリエス
テルの溶融粘度は50〜10,000ポイズ、特に10
0〜5,000ポイズの範囲が好ましい。
【0033】なお、この溶融粘度は(液晶開始温度+3
0℃でずり速度1,000(1/秒))の条件下に高化
式フローテスターによって測定した値である。
【0034】一方、この液晶ポリエステルの対数粘度は
0.1g/dl濃度、60℃のペンタフルオロフェノー
ル中で測定した値が0.5〜15dl/g、特に1.0
〜10.0dl/gが好ましく、構造単位(IV)を含
む際には1.0〜3.0dl/gが好ましい。
【0035】なお、本発明で用いる溶融異方性ポリエス
テルを重縮合する際には上記構造単位(I)〜(V)を
構成する成分以外に、2,2′−ジフェニルジカルボン
酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′−ジ
カルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エ
タン−4,4′−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノン、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルプロパン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4
,4′−ジヒドロキシベンゾフェノンなどの芳香族ジオ
ールやこれらのエチレンオキシド付加物、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4
−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族、脂環式ジ
オールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロ
キシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸、p
−アミノフェノールなどを本発明の目的を損なわない程
度の少割合の範囲でさらに共重合せしめることができる
。  本発明において添加する充填剤の量は、溶融異方
性ポリエステル100重量部に対して0〜200重量部
であり、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、石コウ繊
維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミ
ックス繊維、ボロンウイスカ繊維、マイカ、タルク、シ
リカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク
、ガラスマイクロバルーン、クレー、ワラステナイト、
酸化チタンなどの繊維状、粉状、粒状あるいは板状の無
機フィラーおよび炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維など
が挙げられる。
【0036】上記充填剤中、ガラス繊維が好ましく使用
される。ガラス繊維には長繊維タイプ、短繊維タイプの
チヨップトストランド、ミルドファイバーなどから選択
して用いることができるが、ガラス繊維の平均繊維径は
、成形品の異方性改良と表面外観、成形性向上の点のみ
ならず難燃性の点で3〜15μmが好ましく、3〜11
μmがさらに好ましく、最も好ましくは3〜8μmであ
る。
【0037】また、ガラス繊維の長さは30〜104 
μmが好ましく、さらに好ましくは1,000〜4,0
00μmである。平均繊維径が15μmより大きいと成
形性が低下し、表面外観が不良となり、難燃性の点でも
好ましくない。3μm未満では異方性改良効果が少なく
好ましくない。
【0038】充填剤の添加量は溶融異方性ポリエステル
100重量部に対して5〜200重量部、好ましくは1
5〜150重量部である。
【0039】また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル
共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬
化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよく、またシ
ラン系、チタネート系などのカップリング剤、その他の
表面処理剤で処理されていてもよい。
【0040】また、本発明において溶融異方性ポリエス
テルとポリ臭素化スチレンからなる難燃性ポリエステル
組成物100重量部に対して0.01〜20重量部のエ
ポキシ化合物を添加し、成形滞留時の耐熱性をさらに向
上させることができる。エポキシ基が0.001〜0.
01g当量含まれるように添加するのがより好ましい。   このエポキシ化合物としては、ビスフェノールAの
ジグリシジルエーテルやオルトフェニルフェノールのグ
リシジルエーテル、下記構造式(1) のビスフェノー
ルA型のエポキシ化合物などのグリシジルエーテル類、
ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルやテトラヒ
ドロフタル酸ジグリシジルエステルなどのグリシジルエ
ステル類、下記構造式(2) のグリシジルエーテル・
エステル類、メタクリル酸グリシジルを1〜30重量%
含有するエチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体や
エチレン/メタクリル酸グリシジル/酢酸ビニル共重合
体などのエポキシ基含有共重合体、γ−グリシドロキシ
プロピルトリメトキシシランやγ−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシランや2−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキ
シシラン類などが挙げられ、これらのうちエポキシシラ
ン類が最も好ましい。
【0041】
【化7】
【0042】(nは0〜20である。)
【0043】
【化8】
【0044】(Arは1,4−フェニレン、1,3−フ
ェニレン、2,6−ナフチレンなどを示し、nは0〜2
0である。)本発明の組成物には、本発明の目的を損な
わない程度の範囲で、酸化防止剤および熱安定剤(たと
えばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイ
ト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たと
えばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾー
ル、ベンゾフェノンなど)、滑剤および離型剤(モンタ
ン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル
、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチ
レンワックスなど)、染料(たとえばニグロシンなど)
および顔料(たとえば硫化カドミウム、フタロシアニン
、カーボンブラックなど)を含む着色剤、可塑剤、帯電
防止剤などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹脂を添加し
て、所定の特性を付与することができる。
【0045】また、本発明の難燃剤以外の臭素化ポリカ
ーボネート、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化エ
ポキシポリマ、臭素化ポリスチレンまたはオリゴマーや
リン化合物などを併用してもよい。
【0046】本発明のポリエステル組成物は溶融混練す
ることが好ましく、溶融混練には公知の方法を用いるこ
とができる。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロー
ル類、ニーダー、単軸もしくは2軸押出機などを用い、
200〜400℃の温度で溶融混練して組成物とするこ
とができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述する。
【0048】参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸1,105重量部、4,4′−
ジヒドロキシビフェニル140重量部、無水酢酸1,0
67重量部、テレフタル酸125重量部および固有粘度
が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート24
0重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、
次の条件で脱酢酸重縮合を行った。
【0049】まず、窒素ガス雰囲気下に100〜250
℃で5時間、250〜315℃で1.5時間反応させた
のち、315℃、1.5時間で0.5mmHgに減圧し
、さらに1.0時間反応させ、重縮合を完結させたとこ
ろ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構造式を有
する樹脂(a) を得た。
【0050】
【化9】
【0051】 k/l/n/m=80/7.5/12.5/20また、
このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、昇温し
、光学異方性の確認を行った結果、液晶開始温度は29
2℃であり、良好な光学異方性を示した。このポリエス
テルの対数粘度(0.1g/dlの濃度でペンタフルオ
ロフェノール中、60℃で測定)は1.96dl/gで
あり、322℃、ずり速度1,000/秒での溶融粘度
は910ポリズであった。
【0052】実施例1 参考例1の溶融異方性ポリエステル(a) 100重量
部に対して、二臭素化スチレンを80重量%、一臭素化
スチレンを15重量%、三臭素化スチレンを5重量%含
有したモノマを重合して得られた数平均分子量10×1
04 、重量平均分子量30×104 のポリ臭素化ス
チレン(臭素含量59%)6.0重量部、平均径6μm
、平均長3,000μmのガラス繊維45重量部をリボ
ンブレンダーで混合後、40mmφベント付押出機を使
用し、310℃で溶融混練−ペレット化した。次に得ら
れたペレットを住友ネスタール射出成形機プロマット4
0/25(住友重機工業(株)製)に供し、シリンダー
温度320℃、金型温度90℃の条件で燃焼試験片(1
/32″×1/2″×5″)、曲げ試験および荷重たわ
み温度(HDT)測定用試験片(1/8″×1/2″×
5″)を成形した。これらの試験片について外観観察を
行うとともに、UL94規格にしたがい垂直型燃焼テス
トをASTM  D648にしたがいHDT(18.5
6kgf/cm2 )の測定を行った。
【0053】その結果、本発明の有機臭素化合物を配合
したポリエステルは、燃焼性が1/32″V−0、ノン
ドリップ、曲げ強度は1,862kgf/cm2 、H
DT257℃であり、機械的、熱的性質が優れるととも
に、良好な成形品外観を有することがわかった。
【0054】そして成形機内で30分滞留させた後に成
形を行い滞留安定性を調べたところ、曲げ強度は1,8
45kgf/cm2 (保持率99%)とほとんど物性
低下のないことがわかった。また成形品の色調(淡黄色
)もほとんど変化しなかった。
【0055】比較例1 実施例1のポリ臭素化スチレンの代りにポリスチレンの
臭素化によって製造された数平均分子量10×104 
、重量平均分子量25×104の三臭素化ポリスチレン
(臭素含量68%)を5.2重量部用いたところ、難燃
性が1/32″V−0、ノンドリップ(V−0)であり
、曲げ強度1,825kgf/cm2 、HDT254
℃であった。
【0056】そして実施例1と同じく成形機内30分で
滞留安定性を調べたところ、曲げ強度は1,550kg
f/cm2 (保持率85%)に低下した。また、成形
品の色調も黄色から茶色に変化した。
【0057】比較例2 比較例1の三臭素化ポリスチレンの代りにポリスチレン
の臭素化によって製造された数平均分子量10×104
 、重量平均分子量26×104 の二臭素化ポリスチ
レン(臭素含量60%)を6.0重量部用いたところ、
難燃性が1/32″V−0、ノンドリップ(ND)であ
り、曲げ強度1,790kgf/cm2 、HDT25
4℃であった。
【0058】そして実施例1と同じく成形機内30分で
滞留安定性を調べたところ、曲げ強度は1,500kg
f/cm2 (保持率81%)に低下した。また、成形
品の色調も黄色から茶色に変化した。
【0059】実施例2〜5 実施例1のポリ臭素化スチレンの代りに表1に示す平均
分子量のポリ臭素化スチレンを用いて実施例1と同様に
成形機内の滞留テストを行ったところ、いずれも比較例
1、2よりも曲げ強度の低下率の小さいことがわかった
【0060】結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】実施例6 実施例1〜5および比較例1で得られた曲げ試験片を用
いてハンダ付け性試験機(田葉井製作所)を用いて10
秒間浸漬し、外観観察を行い変形、フクレを生じない温
度をハンダ耐熱温度として測定した。
【0063】実施例1〜5の試験片のハンダ耐熱性は3
0分滞留後も300℃と滞留前と全く変化しなかったの
に対して、比較例1のそれは290℃から250℃へ、
比較例2のそれは280℃から240℃へと大きく低下
した。
【0064】実施例7〜9 参考例1の溶融異方性ポリエステル(a) 100重量
部にポリ二臭素化スチレン(B) (臭素含量59%)
10重量部、平均径6〜13μm、平均長3,000μ
mのガラス繊維45重量部をリボンブレンダーで混合後
、実施例1と同じく溶融混練−ペレット化した。次に得
られたペレットを実施例1と同様に燃焼試験片(1/3
2″および0.5mm×1/2″×5″)を射出成形し
てUL94規格にしたがい垂直型燃焼テストを行ったと
ころ、ガラス繊維径6μmの成形品の難燃性が最も優れ
0.5mm厚みでもV−0、ノンドリップ(ND)であ
った。
【0065】その結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】実施例10、11 実施例1の組成物にエポキシ化合物(γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン)1.5重量部をさらに加
えてリボンブレンダーで混合後、実施例1と同様に押出
した後320℃および330℃で成形機内で30分滞留
させた後に成形を行い、曲げ強度の滞留安定性を調べた
ところ、エポキシ化合物添加により330℃での滞留安
定性の向上していることがわかった。
【0068】結果を表3に示す.
【0069】
【表3】
【0070】
【発明の効果】本発明の難燃性ポリエステル組成物によ
って難燃性、機械的特性、耐熱性の優れた射出成形品を
得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  (A) 溶融異方性ポリエステル10
    0重量部に対して、(B) 臭素化スチレンモノマから
    製造した下記構造単位を主要構成成分とする数平均分子
    量(Mn)が1×103 〜30×104 、重量平均
    分子量(Mw)が2×103 〜120×104 であ
    るポリ臭素化スチレン0.5〜60重量部および(C)
     充填剤0〜200重量部を含有せしめてなることを特
    徴とする難燃ポリエステル組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】  前記(A) 溶融異方性ポリエステル
    がエチレンジオキシ単位を必須成分として含有する請求
    項1記載の難燃ポリエステル組成物。
  3. 【請求項3】  前記(C) 充填剤が平均繊維径3〜
    8μmのガラス繊維である請求項1記載の難燃ポリエス
    テル組成物。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59155457A (ja) * 1983-02-24 1984-09-04 Asahi Chem Ind Co Ltd 難燃化ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂組成物
JPS6351449A (ja) * 1986-08-22 1988-03-04 Toray Ind Inc 難燃性ポリエステル樹脂組成物
JPH01118567A (ja) * 1987-11-02 1989-05-11 Idemitsu Petrochem Co Ltd 難燃性ポリエステル組成物

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