JP2969725B2 - 樹脂スピーカー振動板 - Google Patents
樹脂スピーカー振動板Info
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- JP2969725B2 JP2969725B2 JP2643090A JP2643090A JP2969725B2 JP 2969725 B2 JP2969725 B2 JP 2969725B2 JP 2643090 A JP2643090 A JP 2643090A JP 2643090 A JP2643090 A JP 2643090A JP 2969725 B2 JP2969725 B2 JP 2969725B2
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- Japan
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- weight
- iii
- liquid crystal
- parts
- speaker diaphragm
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- Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は優れた音響特性を有するスピーカー振動板に
関する。さらに詳しくは、比弾性率と内部損失が共に大
きく、耐熱性および難燃性が良好なため、音質が良好で
耐久性に優れたスピーカー振動板に関する。
関する。さらに詳しくは、比弾性率と内部損失が共に大
きく、耐熱性および難燃性が良好なため、音質が良好で
耐久性に優れたスピーカー振動板に関する。
<従来の技術> スピーカー振動板は音響特性を忠実に再現するため、
素材や形状に改良がなされている。用いられる素材とし
てはコーン紙やアルミニウムが一般的である。
素材や形状に改良がなされている。用いられる素材とし
てはコーン紙やアルミニウムが一般的である。
近年になり、比弾性率の大きな熱可塑性樹脂として、
液晶ポリエステルをスピーカー振動板として使用するこ
とが、特開昭62−149296号公報、同昭62−281598号公
報、同昭63−184500号公報に開示されている。
液晶ポリエステルをスピーカー振動板として使用するこ
とが、特開昭62−149296号公報、同昭62−281598号公
報、同昭63−184500号公報に開示されている。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、前記各公報に明細書中に記載されてい
る液晶ポリマ、例えばポリエチレンテレフタレートとp
−ヒドロキシ安息香酸からなる共重合体及びp−ヒドロ
キシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸からな
る共重合体は、アルミ金属などと比較すると比弾性率が
かならずしも十分とは言えず、温度が上昇すると弾性率
が著しく低下するという問題があった。
る液晶ポリマ、例えばポリエチレンテレフタレートとp
−ヒドロキシ安息香酸からなる共重合体及びp−ヒドロ
キシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸からな
る共重合体は、アルミ金属などと比較すると比弾性率が
かならずしも十分とは言えず、温度が上昇すると弾性率
が著しく低下するという問題があった。
一方、スピーカー振動板を成形する際には、薄肉流動
性が要求される。比弾性率が高くしかも耐熱性と流動性
の両方を兼ね備えた液晶ポリマとしては、例えば特開昭
63−118325号公報に記載のポリマが挙げられるが、この
ポリマは薄肉成形品の難燃性にやや問題があることがわ
かった。
性が要求される。比弾性率が高くしかも耐熱性と流動性
の両方を兼ね備えた液晶ポリマとしては、例えば特開昭
63−118325号公報に記載のポリマが挙げられるが、この
ポリマは薄肉成形品の難燃性にやや問題があることがわ
かった。
よって、本発明は、比弾性率が高く耐熱性、流動性及
び難燃性のすぐれた液晶ポリエステルスピーカー振動板
を提供することを課題とする。
び難燃性のすぐれた液晶ポリエステルスピーカー振動板
を提供することを課題とする。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結
果、特定構造の液晶ポリエステルに対し、有機臭素化合
物を含有せしめた組成物を射出成形してなるスピーカー
振動板は、単に難燃性が付与されるのみならず、比弾性
率、耐熱性、流動性といった特性を損なうことなく、振
動特性が改善されるという全く予想外の効果を発揮する
ことを見出し、本発明に到達した。
果、特定構造の液晶ポリエステルに対し、有機臭素化合
物を含有せしめた組成物を射出成形してなるスピーカー
振動板は、単に難燃性が付与されるのみならず、比弾性
率、耐熱性、流動性といった特性を損なうことなく、振
動特性が改善されるという全く予想外の効果を発揮する
ことを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の樹脂スピーカー振動板は、下記構
造単位(I)、(II)、(III)および(IV)からな
り、構造単位(I)および(II)の合計が構造単位
(I)、(II)および(III)の合計に対して77〜95モ
ル%、構造単位(III)が構造単位(I)、(II)およ
び(III)の合計に対して23〜5モル%であり、構造単
位(I)と(II)のモル比[(I)/(II)]が75/25
〜95/5である溶融成形可能な液晶ポリエステル100重量
部に対して、有機臭素化合物0.5〜30重量部を含有せし
めた液晶ポリエステル組成物を射出成形してなることを
特徴とする。
造単位(I)、(II)、(III)および(IV)からな
り、構造単位(I)および(II)の合計が構造単位
(I)、(II)および(III)の合計に対して77〜95モ
ル%、構造単位(III)が構造単位(I)、(II)およ
び(III)の合計に対して23〜5モル%であり、構造単
位(I)と(II)のモル比[(I)/(II)]が75/25
〜95/5である溶融成形可能な液晶ポリエステル100重量
部に対して、有機臭素化合物0.5〜30重量部を含有せし
めた液晶ポリエステル組成物を射出成形してなることを
特徴とする。
O−R1−O …(II) O−CH2CH2−O …(III) CO−R2−CO …(IV) (ただし式中のR1は から選ばれた1種以上の基を、R2は から選ばれた1種以上の基を示す。また、式中のXは水
素原子または塩素原子を示す。) さらに本発明の樹脂スピーカー振動板は、強化剤を全
体の重量に対して60重量%以下、さらに含有せしめてな
ることをも特徴とする。
素原子または塩素原子を示す。) さらに本発明の樹脂スピーカー振動板は、強化剤を全
体の重量に対して60重量%以下、さらに含有せしめてな
ることをも特徴とする。
上記構造単位(I)は、p−ヒドロキシ安息香酸から
生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4′−ジ
ヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、2,6−ジヒド
ロキシナフタレン、t−ブチルハイドロキノン、3,3′,
5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニル
およびフェニルハイドロキノンから選ばれた1種以上の
芳香族ジオールから生成した構造単位を、構造単位(II
I)はエチレングリコールから生成した構造単位を、構
造単位(IV)はテレフタル酸、4,4′−ジフェニルジカ
ルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス
(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、1,2−ビ
ス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボ
ン酸および4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸か
ら選ばれた1種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した
構造単位を各々示す。
生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4′−ジ
ヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、2,6−ジヒド
ロキシナフタレン、t−ブチルハイドロキノン、3,3′,
5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニル
およびフェニルハイドロキノンから選ばれた1種以上の
芳香族ジオールから生成した構造単位を、構造単位(II
I)はエチレングリコールから生成した構造単位を、構
造単位(IV)はテレフタル酸、4,4′−ジフェニルジカ
ルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス
(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、1,2−ビ
ス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボ
ン酸および4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸か
ら選ばれた1種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した
構造単位を各々示す。
これらのうちR1としては が、R2としては が最も好ましい。
上記構造単位(I)〜(IV)のうち、構造単位(I)
および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および
(III)の合計に対して77〜95モル%であり、好ましく
は82〜93モル%、さらに好ましくは85〜90モル%であ
る。
および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および
(III)の合計に対して77〜95モル%であり、好ましく
は82〜93モル%、さらに好ましくは85〜90モル%であ
る。
また構造単位(III)は構造単位(I)、(II)およ
び(III)の合計に対して23〜5モル%であり、好まし
くは18〜7モル%、さらに好ましくは15〜10モル%であ
る。構造単位(I)および(II)の合計が構造単位
(I)、(II)および(III)の合計に対して95モル%
よりも大きいと溶融流動性が低下して重合時に固化し、
77モル%より小さいと耐熱性が不良となり好ましくな
い。
び(III)の合計に対して23〜5モル%であり、好まし
くは18〜7モル%、さらに好ましくは15〜10モル%であ
る。構造単位(I)および(II)の合計が構造単位
(I)、(II)および(III)の合計に対して95モル%
よりも大きいと溶融流動性が低下して重合時に固化し、
77モル%より小さいと耐熱性が不良となり好ましくな
い。
また、構造単位(I)と(II)のモル比[(I)/
(II)]は75/25〜95/5であり、好ましくは78/22〜93/7
である。75/25未満であったり、95/5より大きい場合に
は耐熱性、流動性が不良となり、本発明の目的を達成す
ることができない。また、構造単位(IV)は構造単位
(II)および(III)の合計と実質的に等モルである。
(II)]は75/25〜95/5であり、好ましくは78/22〜93/7
である。75/25未満であったり、95/5より大きい場合に
は耐熱性、流動性が不良となり、本発明の目的を達成す
ることができない。また、構造単位(IV)は構造単位
(II)および(III)の合計と実質的に等モルである。
本発明に用いる液晶ポリエステルの製造方法について
は特に限定するものではなく、公知のポリエステルの重
縮合方法に準じて製造できる。
は特に限定するものではなく、公知のポリエステルの重
縮合方法に準じて製造できる。
また、本発明で使用する液晶ポリエステルの溶融粘度
は10〜15,000ポイズが好ましく、特に20〜5,000ポイズ
がより好ましい。
は10〜15,000ポイズが好ましく、特に20〜5,000ポイズ
がより好ましい。
なお、この溶融粘度は(液晶開始温度+40℃)でずり
速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターに
よって測定した値である。
速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターに
よって測定した値である。
一方、この液晶ポリエステルの対数粘度は0.1g/dl濃
度、60℃のペンタフルオロフェノール中で測定可能であ
り、0.5〜5.0dl/gが好ましく、1.0〜3.0dl/gが特に好ま
しい。
度、60℃のペンタフルオロフェノール中で測定可能であ
り、0.5〜5.0dl/gが好ましく、1.0〜3.0dl/gが特に好ま
しい。
なお、本発明で用いる共重合ポリエステルを重縮合す
る際には上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以
外にイソフタル酸、3,3′−ジフェニルジカルボン酸、
2,2′−ジフェニルカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノン、4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル等の芳
香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂
肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、
2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカ
ルボン酸あるいは芳香族イミド化合物などを本発明の目
的を損なわない程度の少割合でさらに共重合せしめるこ
とができる。
る際には上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以
外にイソフタル酸、3,3′−ジフェニルジカルボン酸、
2,2′−ジフェニルカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノン、4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル等の芳
香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂
肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、
2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカ
ルボン酸あるいは芳香族イミド化合物などを本発明の目
的を損なわない程度の少割合でさらに共重合せしめるこ
とができる。
本発明の樹脂スピーカー振動板の必須構成成分である
難燃性液晶ポリエステル組成物を構成するもう一つの成
分である有機臭素化合物とは、分子中に臭素原子を有す
るものであり、有機臭素化合物としては、臭素含有量20
重量%以上のものが好ましい。具体的にはデカブロモジ
フェニルエーテル、エチレンビス−(テトラブロモフタ
ルイミド)等の低分子量有機臭素化合物、臭素化ポリカ
ーボネート(例えば臭素化ビスフェノールAを原料とし
て製造されたポリカーボネートオリゴマーあるいはその
ビスフェノールAとの共重合物)、臭素化エポキシ化合
物(例えば臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリ
ンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物や臭素
化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって
得られるモノエポキシ化合物)、ポリ(臭素化ベンジル
アクリレート)、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素
化ビスフェノールA、塩化シアヌルおよび臭素化フェノ
ールの縮合物、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリス
チレン、架橋臭素化ポリα−メチルスチレン等のハロゲ
ン化されたポリマーやオリゴマーあるいは、これらの混
合物が挙げられ、なかでもエチレンビス−(テトラブロ
モフタルイミド)、臭素化エポキシオリゴマーまたはポ
リマー、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレ
ン、臭素化ポリフェニレンエーテルおよび臭素化ポリカ
ーボネートが好ましく、特にエチレンビス−(テトラブ
ロモフタルイミド)、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリ
カーボネートが特に好ましく使用できる。
難燃性液晶ポリエステル組成物を構成するもう一つの成
分である有機臭素化合物とは、分子中に臭素原子を有す
るものであり、有機臭素化合物としては、臭素含有量20
重量%以上のものが好ましい。具体的にはデカブロモジ
フェニルエーテル、エチレンビス−(テトラブロモフタ
ルイミド)等の低分子量有機臭素化合物、臭素化ポリカ
ーボネート(例えば臭素化ビスフェノールAを原料とし
て製造されたポリカーボネートオリゴマーあるいはその
ビスフェノールAとの共重合物)、臭素化エポキシ化合
物(例えば臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリ
ンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物や臭素
化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって
得られるモノエポキシ化合物)、ポリ(臭素化ベンジル
アクリレート)、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素
化ビスフェノールA、塩化シアヌルおよび臭素化フェノ
ールの縮合物、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリス
チレン、架橋臭素化ポリα−メチルスチレン等のハロゲ
ン化されたポリマーやオリゴマーあるいは、これらの混
合物が挙げられ、なかでもエチレンビス−(テトラブロ
モフタルイミド)、臭素化エポキシオリゴマーまたはポ
リマー、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレ
ン、臭素化ポリフェニレンエーテルおよび臭素化ポリカ
ーボネートが好ましく、特にエチレンビス−(テトラブ
ロモフタルイミド)、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリ
カーボネートが特に好ましく使用できる。
これらの有機臭素化合物の添加量は、液晶ポリエステ
ル100重量部当り0.5〜30重量部であり、好ましくは1〜
20重量部であるが、難燃性は液晶ポリエステルの前記構
造単位(III)の共重合量と密接な関係があるため、次
のような添加量にするのが好ましい。すなわち有機臭素
化合物の添加量は、液晶ポリエステル中の構造単位(II
I)の100重量部に対して60〜280重量部が好ましく、100
〜200重量部が特に好ましい。
ル100重量部当り0.5〜30重量部であり、好ましくは1〜
20重量部であるが、難燃性は液晶ポリエステルの前記構
造単位(III)の共重合量と密接な関係があるため、次
のような添加量にするのが好ましい。すなわち有機臭素
化合物の添加量は、液晶ポリエステル中の構造単位(II
I)の100重量部に対して60〜280重量部が好ましく、100
〜200重量部が特に好ましい。
本発明の液晶ポリエステルは、構造単位(III)が構
造単位[(I)+(II)+(III)]の5〜23モル%で
あるため、前記の難燃剤添加量でUL94規格の垂直型燃焼
テスト(ASTM D790規格)で1/32″厚みでV−0にする
ことができる。構造単位(III)が5モル%未満では、
液晶ポリエステルの融点が高くなるため難燃剤によって
溶融時に液晶ポリエステルが分解し重合度低下が起こ
り、充填剤を添加しても機械物性が低下したり、燃焼時
に成形品がドリップしたりして好ましくない。一方、構
造単位(III)が20モル%より多いと荷重たわみ温度な
どの耐熱性が大きく低下するのみならず、難燃性を付与
するには多量の有機臭素化合物を添加する必要があった
り、アンチモン化合物などの難燃助剤をさらに添加する
必要があるため、耐熱性が大きく低下するため好ましく
ない。
造単位[(I)+(II)+(III)]の5〜23モル%で
あるため、前記の難燃剤添加量でUL94規格の垂直型燃焼
テスト(ASTM D790規格)で1/32″厚みでV−0にする
ことができる。構造単位(III)が5モル%未満では、
液晶ポリエステルの融点が高くなるため難燃剤によって
溶融時に液晶ポリエステルが分解し重合度低下が起こ
り、充填剤を添加しても機械物性が低下したり、燃焼時
に成形品がドリップしたりして好ましくない。一方、構
造単位(III)が20モル%より多いと荷重たわみ温度な
どの耐熱性が大きく低下するのみならず、難燃性を付与
するには多量の有機臭素化合物を添加する必要があった
り、アンチモン化合物などの難燃助剤をさらに添加する
必要があるため、耐熱性が大きく低下するため好ましく
ない。
本発明において樹脂スピーカー振動板を構成する難燃
性共重合ポリエステル組成物に対してさらに強化剤を含
有させた組成物がより好ましく使用できる。強化剤とし
ては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ
繊維などの無機・有機繊維が好ましく、比弾性率の高い
炭素繊維が特に良好である。上記強化剤の形状は特に制
限はなく、長繊維状、クロス状、短繊維状などいずれの
ものも用いることができる。本発明の樹脂スピーカー振
動板は、射出成形により成形されるので、短繊維状の強
化剤をあらかじめ液晶ポリマと混合し射出する方法が良
好であり、コストが安価であるメリットを有する。
性共重合ポリエステル組成物に対してさらに強化剤を含
有させた組成物がより好ましく使用できる。強化剤とし
ては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ
繊維などの無機・有機繊維が好ましく、比弾性率の高い
炭素繊維が特に良好である。上記強化剤の形状は特に制
限はなく、長繊維状、クロス状、短繊維状などいずれの
ものも用いることができる。本発明の樹脂スピーカー振
動板は、射出成形により成形されるので、短繊維状の強
化剤をあらかじめ液晶ポリマと混合し射出する方法が良
好であり、コストが安価であるメリットを有する。
強化剤を用いる場合、その配合量は全体の重量に対し
て60重量%以下であることが好ましく、特に10〜50重量
%の範囲内にあることが好ましい。
て60重量%以下であることが好ましく、特に10〜50重量
%の範囲内にあることが好ましい。
またさらに本発明に使用する組成物に対し、本発明の
目的を損なわない程度の範囲で、酸化防止剤および熱安
定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、
ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸
収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾ
トリアゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤および離型
剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハー
フエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよ
びポリエチレンワックスなど)、染料(たとえばニトロ
シンなど)および顔料(たとえば硫化カドミウム、フタ
ロシアニン、カーボンブラックなど)を含む着色剤、可
塑剤、帯電防止剤などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹
脂を添加して、所定の特性を付与することができる。
目的を損なわない程度の範囲で、酸化防止剤および熱安
定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、
ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸
収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾ
トリアゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤および離型
剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハー
フエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよ
びポリエチレンワックスなど)、染料(たとえばニトロ
シンなど)および顔料(たとえば硫化カドミウム、フタ
ロシアニン、カーボンブラックなど)を含む着色剤、可
塑剤、帯電防止剤などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹
脂を添加して、所定の特性を付与することができる。
本発明に使用する樹脂組成物の製造法としては溶融混
練法が好ましく、溶融混練には公知の方法を用いること
ができる。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール
機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、20
0〜350℃の温度で溶融混練して組成物とすることができ
る。
練法が好ましく、溶融混練には公知の方法を用いること
ができる。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール
機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、20
0〜350℃の温度で溶融混練して組成物とすることができ
る。
本発明の樹脂スピーカー振動板は、液晶ポリエステル
の良流動性という特性を利用して射出成形により成形さ
れるため、種々の形状、大きさとすることが可能であ
る。形状としては、円弧状、平板状の他、異形、複雑形
状とすることが可能であり、その厚さは通常0.05〜10m
m、より好ましくは0.1〜2mmが適当である。
の良流動性という特性を利用して射出成形により成形さ
れるため、種々の形状、大きさとすることが可能であ
る。形状としては、円弧状、平板状の他、異形、複雑形
状とすることが可能であり、その厚さは通常0.05〜10m
m、より好ましくは0.1〜2mmが適当である。
<実施例> 以下、実施例により本発明を詳述する。
参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸939重量部、4,4′−ジヒドロ
キシビフェニル119重量部、無水酢酸907重量部、テレフ
タル酸106重量部および固有粘度が約0.6dl/gのポリエチ
レンテレフタレート204重量部を攪拌翼、留出管を備え
た反応容器に仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
キシビフェニル119重量部、無水酢酸907重量部、テレフ
タル酸106重量部および固有粘度が約0.6dl/gのポリエチ
レンテレフタレート204重量部を攪拌翼、留出管を備え
た反応容器に仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
まず窒素ガス雰囲気下に100〜250℃で5時間、250〜3
15℃で1.5時間反応させたのち、315℃、1時間で0.5mmH
gに減圧し、さらに2.25時間反応させ、重縮合を完結さ
せたところ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構
造式を有する樹脂(a)を得た。
15℃で1.5時間反応させたのち、315℃、1時間で0.5mmH
gに減圧し、さらに2.25時間反応させ、重縮合を完結さ
せたところ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構
造式を有する樹脂(a)を得た。
k//m/n=80/7.5/12.5/20 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にの
せ、昇温して、光学異方性の確認を行った結果、液晶開
始温度は294℃であり、良好な光学異方性を示した。こ
のポリエステルの対数粘度(0.1g/dlの濃度でペンタフ
ルオロフェノール中、60℃で測定)は1.84dl/gであり、
334℃、ずり速度1000(1/秒)での溶融粘度は620ポイズ
であった。
せ、昇温して、光学異方性の確認を行った結果、液晶開
始温度は294℃であり、良好な光学異方性を示した。こ
のポリエステルの対数粘度(0.1g/dlの濃度でペンタフ
ルオロフェノール中、60℃で測定)は1.84dl/gであり、
334℃、ずり速度1000(1/秒)での溶融粘度は620ポイズ
であった。
実施例1 参考例1の液晶ポリエステル(a)100重量部に対し
て、臭素化ポリスチレン(日産フェロー(株)製“パイ
ロチェック"68PB)6.0重量部をリボンブレンダーで混合
後、40mmφベント付押出機を使用し、320℃で溶融混練
−ペレット化した。次に得られたペレットを射出成形に
より、直径16cm、厚さ0.4mmの円弧状コーンに成形し
た。これにより表面が平滑で白色光沢のある外観の良好
なスピーカー振動板が得られた。
て、臭素化ポリスチレン(日産フェロー(株)製“パイ
ロチェック"68PB)6.0重量部をリボンブレンダーで混合
後、40mmφベント付押出機を使用し、320℃で溶融混練
−ペレット化した。次に得られたペレットを射出成形に
より、直径16cm、厚さ0.4mmの円弧状コーンに成形し
た。これにより表面が平滑で白色光沢のある外観の良好
なスピーカー振動板が得られた。
また振動特性を調べるため、別途1/32インチ厚で平板
を射出成形した。内部損失の尺度としてこの樹脂板を18
0mm×30mmに切出して曲げモードにおける振動減衰係数
(η)をブリュエル&ケアー社製“複素弾性係数測定装
置”用いて振動リード法で求めた。また比弾性率(E/
e)を共振振動数から求めた。これらの値を表1に載せ
た。またASTM D−648に従いHDT(荷重たわみ温度)を
測定し、表1に示した。
を射出成形した。内部損失の尺度としてこの樹脂板を18
0mm×30mmに切出して曲げモードにおける振動減衰係数
(η)をブリュエル&ケアー社製“複素弾性係数測定装
置”用いて振動リード法で求めた。また比弾性率(E/
e)を共振振動数から求めた。これらの値を表1に載せ
た。またASTM D−648に従いHDT(荷重たわみ温度)を
測定し、表1に示した。
また、得られたペレットより燃焼試験片(1/32″×1/
2″×5″)を成形し、UL94規格にしたがって垂直型燃
焼テストを行った結果V−0であった。
2″×5″)を成形し、UL94規格にしたがって垂直型燃
焼テストを行った結果V−0であった。
実施例2 参考例1の液晶ポリエステル(a)70重量部、臭素化
ポリスチレン(日産フェロー(株)製“パイロチェッ
ク"68PB)4.5重量部および炭素繊維(東レ(株)製T−
300)のカットファイバー(長さ:3mm、直径:7μm)30
重量部を40mmφベント付押出機を使用し、320℃で溶融
混練−ペレット化した。次に得られたペレットを実施例
1と同様に円弧状コーンおよび平板状に射出成形し、物
性を測定し、表1に示した。また円弧状コーンは炭素繊
維が均一に分散し、外観は良好であった。
ポリスチレン(日産フェロー(株)製“パイロチェッ
ク"68PB)4.5重量部および炭素繊維(東レ(株)製T−
300)のカットファイバー(長さ:3mm、直径:7μm)30
重量部を40mmφベント付押出機を使用し、320℃で溶融
混練−ペレット化した。次に得られたペレットを実施例
1と同様に円弧状コーンおよび平板状に射出成形し、物
性を測定し、表1に示した。また円弧状コーンは炭素繊
維が均一に分散し、外観は良好であった。
比較例1 参考例1の液晶ポリエステル(a)を有機臭素化合物
を配合することなく、実施例1と同様の評価を行った。
結果を表1に示す。
を配合することなく、実施例1と同様の評価を行った。
結果を表1に示す。
比較例2,3 以下の構造式で示される樹脂(b)および(c)を用
いて実施例1と同様に成形した。
いて実施例1と同様に成形した。
さらに、樹脂(b)および(c)を用いて成形した振
動板について実施例1と同様に試験を行い結果を表1に
示した。
動板について実施例1と同様に試験を行い結果を表1に
示した。
樹脂(b) 樹脂(c) 比較例4 アルミ金属を材料として実施例1と同様の形状の円弧
状コーンと平板が得られる鋳型を用いて鋳造成形を行っ
た。金属は680℃に溶融し、鋳型は250℃とした。鋳造
後、冷却してコーンおよび平板を得て同様のテストを行
った。
状コーンと平板が得られる鋳型を用いて鋳造成形を行っ
た。金属は680℃に溶融し、鋳型は250℃とした。鋳造
後、冷却してコーンおよび平板を得て同様のテストを行
った。
<発明の効果> 本発明によると、比弾性率と振動減衰係数が共に高
く、なおかつ高耐熱性と難燃性を保持すると共に、種々
の形状、大きさを有するスピーカー振動板を得ることが
できる。
く、なおかつ高耐熱性と難燃性を保持すると共に、種々
の形状、大きさを有するスピーカー振動板を得ることが
できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−184500(JP,A) 特開 昭63−118325(JP,A) 特開 平1−93999(JP,A) 特開 平1−190750(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 67/00 - 67/08 H04R 7/02 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】下記構造単位(I)、(II)、(III)お
よび(IV)からなり、構造単位(I)および(II)の合
計が構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対
して77〜95モル%、構造単位(III)が構造単位
(I)、(II)および(III)の合計に対して23〜5モ
ル%であり、構造単位(I)と(II)のモル比[(I)
/(II)]が75/25〜95/5である溶融成形可能な液晶ポ
リエステル100重量部に対して、有機臭素化合物0.5〜30
重量部を含有せしめた液晶ポリエステル組成物を射出成
形してなる樹脂スピーカー振動板。 O−R1−O …(II) O−CH2CH2−O …(III) CO−R2−CO …(IV) (ただし式中のR1は から選ばれた1種以上の基を、R2は から選ばれた1種以上の基を示す。また、式中のXは水
素原子または塩素原子を示す。) - 【請求項2】強化剤を全体の重量に対して60重量%以
下、さらに含有せしめてなる請求項1記載の樹脂スピー
カー振動板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2643090A JP2969725B2 (ja) | 1990-02-06 | 1990-02-06 | 樹脂スピーカー振動板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2643090A JP2969725B2 (ja) | 1990-02-06 | 1990-02-06 | 樹脂スピーカー振動板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03231958A JPH03231958A (ja) | 1991-10-15 |
JP2969725B2 true JP2969725B2 (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=12193297
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2643090A Expired - Lifetime JP2969725B2 (ja) | 1990-02-06 | 1990-02-06 | 樹脂スピーカー振動板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2969725B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7066973B2 (ja) * | 2017-02-03 | 2022-05-16 | 三菱ケミカル株式会社 | 繊維強化プラスチック |
-
1990
- 1990-02-06 JP JP2643090A patent/JP2969725B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03231958A (ja) | 1991-10-15 |
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