JPH05112702A - 難燃化ポリエステル組成物 - Google Patents

難燃化ポリエステル組成物

Info

Publication number
JPH05112702A
JPH05112702A JP27550191A JP27550191A JPH05112702A JP H05112702 A JPH05112702 A JP H05112702A JP 27550191 A JP27550191 A JP 27550191A JP 27550191 A JP27550191 A JP 27550191A JP H05112702 A JPH05112702 A JP H05112702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
flame
polyester
parts
melt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27550191A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunei Inoue
俊英 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP27550191A priority Critical patent/JPH05112702A/ja
Publication of JPH05112702A publication Critical patent/JPH05112702A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A) 溶融異方性ポリエステル100重量部に
対して、(B) 臭素化スチレンモノマから製造した下記構
造単位を主要構成成分とする数平均分子量(Mn)が1
×103 〜30×104 、重量平均分子量(Mw)が2
×103 〜120×104 であるポリ臭素化スチレン
0.5〜60重量部および(C) 充填剤0〜200重量部
を含有せしめてなる難燃化ポリエステル組成物。 【化1】 【効果】 本発明の難燃化ポリエステル組成物は、すぐ
れた難燃性、機械的性質と耐熱性および成形品外観を有
し、射出成形品はUL94規格で1/32″厚み以下で
もV−0にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性、とくに燃焼時
の顆粒落下抵抗性がすぐれ、かつ良好な機械的性質およ
び成形品外観を備えた難燃化ポリエステル組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチックの高性能化に対する
要求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマ
が数多く開発され、市場に供されているが、なかでも分
子鎖の平行な配列を特徴とする光学異方性の液晶ポリマ
が、すぐれた流動性と機械的性質を有する点で注目さ
れ、機械部品および電気・電子部品などに用途が拡大さ
れつつある。
【0003】一方、これらの工業材料には、一般の化学
的、物理的諸特性のバランス以外に、火炎に対する安全
性、すなわち難燃性が強く要求されている。
【0004】一般に、液晶ポリマは、それ自体耐燃焼性
を有しており、直接火炎にさらされると自己発泡的に炭
化層を形成する性質があることが、(Materials Engine
ering 誌1980年2月号「発泡防火塗料:火炎に対す
る最も重要な防御法について」)に記載されている。
【0005】しかしながら、たとえば特公昭56−18
016号公報に記載される、溶融異方性ポリエステルと
して代表的なアルキレングリコールとジカルボン酸から
得られるポリエステルにアシルオキシ芳香族カルボン酸
を共重合した溶融異方性ポリエステルは、とくに薄肉成
形品(1/32″以下)にした場合の難燃性が不十分で
あることが明らかになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記特公昭5
6−18016号公報記載の溶融異方性ポリエステルに
対し、種々の難燃剤を添加した結果、難燃性は改良され
るものの、成形時の滞留安定性が必ずしも良好でないこ
とがわかった。
【0007】本発明は、上記従来の溶融異方性ポリエス
テルにおける問題点の改良を課題として検討した結果達
成されたものであり、難燃性および機械的性質にすぐれ
ると共に、良好な滞留安定性を有する難燃化ポリエステ
ル組成物の取得を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明は、(A) 溶融異方性ポリエ
ステル100重量部に対して、(B)臭素化スチレンモノ
マから製造した下記構造単位を主要構成成分とする数平
均分子量(Mn)が1×103 〜30×104 、重量平
均分子量(Mw)が2×103 〜120×104 である
ポリ臭素化スチレン0.5〜60重量部および(C) 充填
剤0〜200重量部を含有せしめてなることを特徴とす
る難燃化ポリエステル組成物を提供するものである。
【0010】
【化2】
【0011】本発明でいう溶融異方性ポリエステルと
は、芳香族オキシカルボキシレート単位、芳香族ジオキ
シ単位、芳香族ジカルボニル単位およびエチレンジオキ
シ単位などから選ばれた単位からなるポリエステルのう
ち、溶融異方性を示すポリエステルであり、好ましくは
下記構造単位(I) 〜(V) から選ばれた構造単位を含むポ
リエステル、とくに好ましくは下記構造単位(IV)を併せ
て含むポリエステルである。
【0012】
【化3】
【0013】(ただし式中のXは
【0014】
【化4】
【0015】から選ばれた1種以上の基を示し、Yは
【0016】
【化5】
【0017】から選ばれた1種以上の基を示す。
【0018】また構造単位(V) は構造単位(II)+(III)
+(IV)と実質的に等モルである。)上記構造単位(I) 、
(II)、(III) および(IV)の共重合量は次の割合であるこ
とが好ましい。
【0019】すなわち、構造単位(IV)を含む場合は、耐
熱性、難燃性および機械的性質の点から上記構造単位
〔(I) +(II)+(III) 〕は、〔(I) +(II)+(III) +(I
V)〕の35〜95モル%、好ましくは77〜95モル
%、さらに好ましくは82〜93モル%であることが望
ましい。また、構造単位(IV)は、〔(I) +(II)+(III)
+(IV)〕の65〜5モル%、好ましくは23〜7モル
%、さらに好ましくは18〜7モル%であることが望ま
しい。さらに、構造単位(I) /〔(II)+(III) 〕のモル
比は、75/25〜100/0の範囲が選択されるが、
耐熱性と流動性の点から好ましくは75/25〜95/
5であり、より好ましくは78/22〜93/7の範囲
である。また(II)/(III) のモル比は、100/0〜6
7/33が好ましく、100/0〜90/10がさらに
好ましい。構造単位(V) はテレフタル酸から生成したも
のが好ましく、構造単位〔(II)+(III) +(IV)〕と実質
的に等モルである。
【0020】一方、上記構造単位(IV)を含まない場合
は、流動性の点から上記構造単位(I)は、〔(I) +(II)
+(III) 〕の40〜90モル%であることが好ましく、
60〜85モル%であることがとくに好ましい。また、
上記構造単位(II)/(III) のモル比は90/10〜10
/90の範囲が好ましく、耐熱性と流動性の点から75
/25〜40/60がより好ましい。さらにこの場合、
構造単位(III) としては2,6−ジヒドロキシナフタレ
ンから生成したものが、構造単位(V)としてはテレフタ
ル酸から生成したものが最も好ましい。また、この場
合、構造単位(V) は構造単位〔(II)+(III) 〕と実質的
に等モルである。
【0021】本発明において用いられる難燃剤は、臭素
化スチレンモノマから製造した下記構造単位を主要構成
成分とする数平均分子量(Mn)が1×103 〜30×
104 、重量平均分子量(Mw)が2×103 〜120
×104 の臭素化ポリスチレンである。
【0022】
【化6】
【0023】一般に、臭素化ポリスチレンは、スチレン
モノマをラジカル重合またはアニオン重合し、得られた
ポリスチレンを臭素化することによって製造されるが、
この臭素化ポリスチレンは成形滞留時の機械的特性の低
下や色調の悪化が大きいため、本発明においては臭素化
スチレンモノマを重合したポリ臭素化スチレンを用いる
ことが必須である。
【0024】このポリ臭素化スチレンは、通常、ラジカ
ル重合またはアニオン重合、好ましくはラジカル重合に
よって製造される。
【0025】上記一般式で示され、本発明で用いられる
ポリ臭素化スチレンは、三臭素化スチレン単位を60重
量%以上含有しているものが好ましく、70重量%以上
含有しているものがより好ましい。三臭素化スチレンモ
ノマ以外に一臭素化スチレンおよび/または二臭素化ス
チレンを40重量%以下、好ましくは30重量%以下共
重合したポリ臭素化スチレンであってもよい。
【0026】このポリ臭素化スチレンのMnは1×10
4 〜30×104 、Mwは2×104 〜120×104
の範囲が好ましく、Mnは1×104 〜15×104
Mwは2×104 〜60×104 の範囲であることがさ
らに好ましい。また、Mw/Mnの比は1.5〜5.0
が好ましく、2.0〜4.0がさらに好ましい。Mnが
1×103 未満であったり、Mwが2×103 未満であ
る場合には、成形滞留時の機械的特性やハンダ耐熱性の
低下が大きいため好ましくない。一方、Mnが30×1
4 より大きかったり、Mwが120×104 より大き
い場合には、本発明の組成物の流動性が不良となるため
好ましくない。
【0027】また、ポリ臭素化スチレンは、その見かけ
密度が1.0g/cm3 以上、かため密度が1.1g/cm
3 以上の範囲にあることが好ましく、見かけ密度が1.
1g/cm3 以上、かため密度が1.2g/cm3 以上の範
囲にあることがさらに好ましい。そして、このポリ臭素
化スチレンは、溶融異方性ポリエステル中に平均径2.
5μ以下、好ましくは2.0μ以下で分散していること
が好ましい。
【0028】なお、上記数平均分子量Mnはゲル浸透ク
ロマトグラフを用いて測定した値であり、ポリスチレン
分子量基準の相対値である。
【0029】このポリ臭素化スチレンの添加量は、溶融
異方性ポリエステル100重量部に対して0.5〜60
重量部であり、好ましくは1〜20重量部、より好まし
くは2〜15重量部の範囲である。ポリ臭素化スチレン
の添加量が0.5重量部未満では難燃効果が不十分であ
り、60重量部より多い場合には溶融異方性ポリエステ
ルの機械的、熱的特性が低下するため好ましくない。
【0030】本発明の難燃化ポリエステル組成物におい
ては、上記難燃剤以外にアンチモン化合物を難燃助剤と
して加えることもできるが、アンチモン酸ソーダ、とり
わけ550℃以上の高温で熱処理した実質的に無水のア
ンチモン酸ソーダの使用が好ましい。
【0031】また、アンチモン化合物と共に、酸化ジル
コニウム、硫化亜鉛および硫酸バリウムなどを併用して
もよい。このアンチモン化合物の添加量は、組成物中の
臭素原子2〜5個あたり、アンチモン原子1個の割合が
好ましい。
【0032】なお、難燃剤として用いるポリ臭素化スチ
レンにおいて、構造単位(IV)が、〔(I)+(II)+
(III)+(IV)〕の0〜23モル%の範囲にある場合に
は、アンチモン化合物を添加することなく、上記難燃剤
のみの使用で難燃化が可能である。
【0033】本発明で用いる溶融異方性ポリエステルの
製造法としては、いかなる方法でもよいが、構造単位
(IV)を含む際の代表的な製造法としては、次の方法が
挙げられ、とりわけ(2) の方法が好ましい。
【0034】(1) p−アセトキシ安息香酸などのヒドロ
キシ安息香酸のアシル化物、4,4′−ジアセトキシビ
フェノルなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化
物、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸およびポリ
エチレンテレフタテートなどのエチレングリコールと芳
香族ジカルボン酸からのポリエステルとを脱酢酸重合す
る方法。
【0035】(2) p−ヒドロキシ安息香酸、4,4′−
ジヒドロキシビフェニルなどの芳香族ジヒドロキシ化合
物、無水酢酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸
およびポリエチレンテレフタレートなどのエチレングリ
コールと芳香族ジカルボン酸からのポリエステルとを脱
酢酸重合する方法。
【0036】また、本発明で用いる溶融異方性ポリエス
テルの溶融粘度は50〜10,000ポイズ、とくに1
00〜5,000ポイズの範囲が好ましい。
【0037】ここで、上記溶融粘度は、(液晶開始温度
+30℃でずり速度1,000(1/秒))の条件下に
高化式フローテスターによって測定した値である。
【0038】一方、この溶融異方性ポリエステルの対数
粘度は、0.1g/dl濃度、60℃のペンタフルオロフ
ェノール中で測定した値が0.5〜15dl/g、とくに
1.0〜10.0dl/gの範囲であることが好ましく、
構造単位(IV)を含む際には1.0〜3.0dl/gの範
囲が好ましい。
【0039】なお、本発明で用いる溶融異方性ポリエス
テルを重縮合する際には、上記構造単位(I)〜(V)を構
成する成分以外に、2,2′−ジフェニルジカルボン
酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′−ジ
カルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エ
タン−4,4′−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノン、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルプロパン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノンなどの芳香族ジ
オールやこれらのエチレンオキシド付加物、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,
4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族、脂環式
ジオール、m−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキ
シナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸および
p−アミノフェノールなどを、本発明の目的を損なわな
い程度の少割合の範囲でさらに共重合せしめることがで
きる。
【0040】本発明において添加する充填剤の配合量
は、溶融異方性ポリエステル100重量部に対して0〜
200重量部であり、使用する充填剤の具体例として
は、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、石コウ繊維、
黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミック
ス繊維、ボロンウイスカ繊維、マイカ、タルク、シリ
カ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、
ガラスマイクロバルーン、クレー、ワラステナイト、酸
化チタンなどの繊維状、粉状、粒状あるいは板状の無機
フィラーおよび炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維などが
挙げられる。
【0041】上記充填剤のなかでも、とくにガラス繊維
が好ましく使用される。ガラス繊維としては、長繊維タ
イプ、短繊維タイプのチョップトストランド、ミルドフ
ァイバーなどから適宜選択して用いることができるが、
用いるガラス繊維の平均繊維径は、成形品の異方性改良
と表面外観および成形性向上の点のみならず、難燃性の
点で、3〜15μm、好ましくは3〜11μm、さらに
好ましくは3〜8μmの範囲から選択される。ガラス繊
維の平均繊維径が15μmより大きいと成形性が低下
し、表面外観が不良となり、難燃性の点でも好ましくな
い。一方、3μm未満では異方性改良効果が少ないため
好ましくない。
【0042】また、ガラス繊維の長さは、30〜104
μm、さらに好ましくは1,000〜4,000μmの
範囲から選択するのが望ましい。
【0043】充填剤の添加量は、溶融異方性ポリエステ
ル100重量部に対して5〜200重量部、好ましくは
15〜150重量部である。
【0044】なお、ガラス繊維を使用する場合におい
て、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル共重合体などの
熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆
あるいは集束されていてもよく、またシラン系、チタネ
ート系などのカップリング剤、その他の表面処理剤で処
理されていてもよい。
【0045】さらに、本発明においては、溶融異方性ポ
リエステルとポリ臭素化スチレンからなる難燃性ポリエ
ステル組成物100重量部に対し、0.01〜20重量
部のエポキシ化合物を添加し、成形滞留時の耐熱性を一
層向上させることができる。そして、この場合には、組
成物中にエポキシ基が0.001〜0.01g当量含ま
れるように添加するのがより好ましい。
【0046】この場合に使用するエポキシ化合物として
は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルやオルト
フェニルフェノールのグリシジルエーテル、下記構造式
(1)のビスフェノールA型のエポキシ化合物などのグリ
シジルエーテル類、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジル
エステルやテトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル
などのグリシジルエステル類、下記構造式(2) のグリシ
ジルエーテル・エステル類、メタクリル酸グリシジルを
1〜30重量%含有するエチレン/メタクリル酸グリシ
ジル共重合体やエチレン/メタクリル酸グリシジル/酢
酸ビニル共重合体などのエポキシ基含有共重合体、およ
びγ−グリシドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランや2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシランなどのエポキシシラン類などが挙げられ、これ
らのなかでもエポキシシラン類の使用が最も好ましい。
【0047】
【化7】
【0048】(ただし、式中のnは0〜20である。)
【0049】
【化8】
【0050】(ただし、式中のArは1,4−フェニレ
ン、1,3−フェニレン、2,6−ナフチレンなどを示
し、nは0〜20である。) 本発明の組成物には、本発明の目的を損なわない程度の
範囲で、酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダー
ドフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこ
れらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシ
ノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフ
ェノンなど)、滑剤および離型剤(モンタン酸およびそ
の塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリル
アルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックス
など)、染料(たとえばニグロシンなど)および顔料
(たとえば硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボン
ブラックなど)を含む着色剤、可塑剤および帯電防止剤
などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹脂を添加して、所
定の特性を付与することができる。
【0051】また、本発明の難燃剤以外の難燃剤、たと
えば臭素化ポリカーボネート、臭素化ポリフェニレンエ
ーテル、臭素化エポキシポリマおよび臭素化ポリスチレ
ンまたはオリゴマーやリン化合物などを併用してもよ
い。
【0052】本発明の難燃化ポリエステル組成物は、溶
融混練により調製することが好ましく、溶融混練には公
知の方法を用いることができる。たとえば、バンバリー
ミキサー、ゴムロール類、ニーダーおよび単軸もしくは
2軸押出機などを用い、200〜400℃の温度で溶融
混練して組成物とすることが望ましい。
【0053】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述す
る。
【0054】参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸1,105重量部、4,4′−
ジヒドロキシビフェニル140重量部、無水酢酸1,0
67重量部、テレフタル酸125重量部および固有粘度
が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート240
重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、次
の条件で脱酢酸重縮合を行った。
【0055】まず、窒素ガス雰囲気下に100〜250
℃で5時間、250〜315℃で1.5時間反応させた
後、315℃、1.5時間で0.5mmHgに減圧し、さら
に1.0時間反応させ、重縮合を完結させたところ、ほ
ぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構造式を有するポ
リエステル(a) を得た。
【0056】
【化9】
【0057】 k/l/n/m=80/7.5/12.5/20 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、
昇温し、光学異方性の確認を行った結果、液晶開始温度
は292℃であり、良好な光学異方性を示した。このポ
リエステルの対数粘度(0.1g/dlの濃度でペンタフ
ルオロフェノール中、60℃で測定)は、1.96dl/
gであり、322℃、ずり速度1,000/秒での溶融
粘度は910ポイズであった。
【0058】実施例1 参考例1の溶融異方性ポリエステル(a) 100重量部に
対して、三臭素化スチレンを重合して得られた数平均分
子量10×104 、重量平均分子量30×104 のポリ
臭素化スチレン(臭素含量68%)5.2重量部、およ
び平均径6μm、平均長3,000μmのガラス繊維4
5重量部を、リボンブレンダーで混合した後、40mmφ
ベント付押出機を使用し、310℃で溶融混練−ペレッ
ト化した。
【0059】次に、得られたペレットを住友ネスタール
射出成形機プロマット40/25(住友重機工業(株)
製)に供し、シリンダー温度320℃、金型温度90℃
の条件で、燃焼試験片(1/32″×1/2″×
5″)、曲げ試験および荷重たわみ温度(HDT)測定
用試験片(1/8″×1/2″×5″)を成形した。こ
れらの試験片について外観観察を行うと共に、UL94
規格にしたがい垂直型燃焼テストを、またASTM D
648にしたがいHDT(18.56kgf/cm2 )の測
定を行った。
【0060】その結果、本発明のポリ臭素化スチレンを
配合したポリエステル組成物は、燃焼性が1/32″V
−0、ノンドリップ(ND)、曲げ強度は1,955kg
f/cm2 、HDT257℃であり、機械的、熱的性質が
すぐれると共に、良好な成形品外観を有していた。
【0061】そして、成形機内で30分滞留させた後に
成形を行い、滞留安定性を調べたところ、曲げ強度は
1,936kgf/cm2 (保持率99%)とほとんど物性
低下のないことがわかった。また成形品の色調(淡黄
色)もほとんど変化しなかった。
【0062】比較例1 実施例1のポリ臭素化スチレンの代りに、ポリスチレン
の臭素化によって製造された数平均分子量10×1
4 、重量平均分子量25×104 の三臭素化ポリスチ
レン(臭素含量68%)を5.2重量部用いたところ、
難燃性が1/32″V−0、ノンドリップ(ND)であ
り、曲げ強度1,825kgf/cm2 、HDT254℃で
あった。
【0063】そして、実施例1と同じく成形機内30分
で滞留安定性を調べたところ、曲げ強度は1,550kg
f/cm2 (保持率85%)に低下した。また、成形品の
色調も黄色から茶色に変化した。
【0064】比較例2 比較例1の三臭素化ポリスチレンの代りに、ポリスチレ
ンの臭素化によって製造された数平均分子量10×10
4 、重量平均分子量26×104 の二臭素化ポリスチレ
ン(臭素含量60%)を6.0重量部用いたところ、難
燃性が1/32″V−0、ノンドリップ(ND)であ
り、曲げ強度1,790kgf/cm2 、HDT254℃で
あった。
【0065】そして、実施例1と同じく成形機内30分
で滞留安定性を調べたところ、曲げ強度は1,500kg
f/cm2 (保持率81%)に低下した。また、成形品の
色調も黄色から茶色に変化した。
【0066】実施例2〜5 実施例1のポリ臭素化スチレンの代りに、表1に示す平
均分子量のポリ臭素化スチレンを用いて、実施例1と同
様に成形機内の滞留テストを行ったところ、いずれも比
較例1、2よりも曲げ強度の低下率の小さいことがわか
った。
【0067】この結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】実施例6 実施例1〜5および比較例1で得られた曲げ試験片を用
い、ハンダ付け性試験機(田葉井製作所)を用いて10
秒間浸漬し、外観観察を行い、変形、フクレを生じない
温度をハンダ耐熱温度として測定した。
【0070】実施例1〜5の試験片のハンダ耐熱性は、
30分滞留後も300℃と滞留前と全く変化しなかった
のに対して、比較例1のそれは290℃から250℃
へ、比較例2のそれは280℃から240℃へと大きく
低下した。
【0071】実施例7〜9 参考例1の溶融異方性ポリエステル(a) 100重量部に
対し、ポリ三臭素化スチレン(B) (臭素含量68%)
7.5重量部、平均径6〜13μm、平均長3,000
μmのガラス繊維46重量部をリボンブレンダーで混合
した後、実施例1と同じく溶融混練−ペレット化した。
次に、得られたペレットから実施例1と同様に燃焼試験
片(1/32″および0.5mm×1/2″×5″)を射
出成形して、UL94規格にしたがい垂直型燃焼テスト
を行ったところ、ガラス繊維径6μmの成形品の難燃性
が最もすぐれ、0.5mm厚みでもV−0、ノンドリップ
(ND)という良好な結果であった。
【0072】これらの結果を表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】
【発明の効果】本発明の難燃性ポリエステル組成物によ
って、難燃性、機械的特性および耐熱性のすぐれた射出
成形品を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 溶融異方性ポリエステル100重量
    部に対して、(B) 臭素化スチレンモノマから製造した下
    記構造単位を主要構成成分とする数平均分子量(Mn)
    が1×103 〜30×104 、重量平均分子量(Mw)
    が2×103 〜120×104 であるポリ臭素化スチレ
    ン0.5〜60重量部および(C) 充填剤0〜200重量
    部を含有せしめてなることを特徴とする難燃化ポリエス
    テル組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 溶融異方性ポリエステル(A) が、エチレ
    ンジオキシ単位を必須成分として含有することを特徴と
    する請求項1記載の難燃化ポリエステル組成物。
  3. 【請求項3】 充填剤(C) が、平均繊維径3〜8μmの
    ガラス繊維であることを特徴とする請求項1記載の難燃
    化ポリエステル組成物。
JP27550191A 1991-10-23 1991-10-23 難燃化ポリエステル組成物 Pending JPH05112702A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27550191A JPH05112702A (ja) 1991-10-23 1991-10-23 難燃化ポリエステル組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27550191A JPH05112702A (ja) 1991-10-23 1991-10-23 難燃化ポリエステル組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05112702A true JPH05112702A (ja) 1993-05-07

Family

ID=17556374

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27550191A Pending JPH05112702A (ja) 1991-10-23 1991-10-23 難燃化ポリエステル組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05112702A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007091865A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Wintech Polymer Ltd 難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007091865A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Wintech Polymer Ltd 難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0171195B1 (ko) 난연성 액정 폴리에스테르 조성물, 이의 제조방법 및 이로 이루어진 사출 성형품
JP3111471B2 (ja) 液晶性ポリマ樹脂組成物
JPH05140421A (ja) 難燃液晶ポリエステル組成物
JP2629265B2 (ja) 液晶ポリエステル系樹脂組成物
JP3082223B2 (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物
JP2855752B2 (ja) 強化液晶樹脂組成物
JPH0476049A (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物
JP2982212B2 (ja) 難燃性組成物
JP2979646B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JP2550800B2 (ja) 難燃ポリエステル組成物
JPH0395261A (ja) 樹脂組成物
JPH05112702A (ja) 難燃化ポリエステル組成物
JP3048234B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JP3269218B2 (ja) 難燃化液晶ポリエステル組成物
JP2684801B2 (ja) 難燃化樹脂組成物の製造方法
JP3128909B2 (ja) 難燃ポリエステル組成物
JP3269219B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JP3147364B2 (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物
JP2505590B2 (ja) 難燃性液晶ポリエステル組成物
JP3033226B2 (ja) 難燃性耐熱樹脂組成物
JP2867486B2 (ja) 難燃性ポリエステル組成物
JP2551175B2 (ja) 難燃化ポリエステル組成物
JP2845444B2 (ja) ウエルド部を有する成形品
JP2581242B2 (ja) 共重合ポリエステルおよびその組成物
JP3079621B2 (ja) 難燃液晶ポリエステル組成物