JPH0371862B2 - - Google Patents

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JPH0371862B2
JPH0371862B2 JP58237309A JP23730983A JPH0371862B2 JP H0371862 B2 JPH0371862 B2 JP H0371862B2 JP 58237309 A JP58237309 A JP 58237309A JP 23730983 A JP23730983 A JP 23730983A JP H0371862 B2 JPH0371862 B2 JP H0371862B2
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egg
fish meat
protein
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meat
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Yasuo Iso
Hiroki Saeki
Hitoshi Nagasaki
Makoto Ito
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TAIYO GYOGYO KK
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は魚肉を蛋白質分解酵素又は/及び蛋白
質を消化する微生物で処理して得られる生成物を
使用して、風味の良好な卵加工食品を製造する方
法に関するものである。
従来、魚肉は水産練製品の製造に使用されてお
り、この水産練製品は我国の重要な蛋白質材料で
ある魚肉の加工食品として主要なものであるが、
魚肉が単にそれらの加工食品への用途のみでな
く、種々の食品の原料として利用できるようにな
れば、魚肉の蛋白質材料としての価値は飛躍的に
高まるものと考えられる。
本発明者らはかかる見地に立つて、魚肉から
種々の食品へ使用しうるような新しい食品素材を
製造すべく研究を進め、魚肉を蛋白質分解酵素又
は/及び蛋白質を消化する微生物で処理すること
により、このような新しい食品素材を製造する方
法を見い出し、すでに特許出願を行つたが、その
後この新しい食品素材の種々の食品への用途開発
を進める中で、この新しい食品素材を卵加工食品
の製造の際に混入させることにより、良好な風味
と食感を有する卵加工食品が得られることを見い
出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、魚肉に、蛋白質分解酵素又
は/及び蛋白質を消化する微生物を、全蛋白質中
の水溶性蛋白質の割合が20〜50%(但し、原料と
して動物性蛋白質給源又は/及び植物性蛋白質給
源を魚肉と併用する場合は20〜60%)となるよう
に作用させて得られる生成物を、卵又は/及び卵
白100重量部に対して固形分換算で0.1〜40重量部
混合し、得られる混合物を加熱凝固させることを
特徴とする卵加工食品の製造方法である。
本発明で使用しうる魚肉(ここで、魚とは通
常、水産加工に使用されうる海産動物を意味す
る。)としては、種々の原料魚を採肉して得られ
るもの及びそれらを更に例えば水晒、脱水等の精
製を行つて得られる魚肉すり身並びにこれを凍結
した冷凍魚肉すり身等の種々の魚肉又は加工魚肉
があげられるが、特に魚肉すり身、冷凍魚肉すり
身が好ましく、前記の原料魚としては、例えばス
ケトウダラ類のタラ類、ヒラメ、カレイ類、タイ
類、イワシ類、サバ類、サンマ類、アジ類、イカ
類、カツオ類、マグロ、カジキ類、ブリ類、サ
ケ、マス類、ニシン、メヌケ、サメ類、タコ類、
エビ類、クジラ類、ワラズカ、グチ類、タチウ
オ、貝類等をあげることができる。
本発明に使用しうる蛋白質分解酵素としては、
例えばアクロシン、ウロキナーゼ、ウロペプシ
ン、エラスターゼ、エンテロペプチダーゼ、カテ
プシン、カリクレイン、キニナーゼ2、キモトリ
プシン、キモパパイン、コラゲナーゼ、ストレプ
トキナーゼ、スブチリシン、テルモリジン、トリ
プシン、トロンビン、パパイン、パンクレアトペ
プチダーゼ、フイシン、プラスミン、レニン、レ
プチラーゼ、レンニン等のようなプロテイナー
ゼ;例えばアルギニンアミノペプチダーゼ、オキ
シナーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ等のアミ
ノペプチダーゼ、アンギオテンシナーゼ、アンギ
オテンシン変換酵素、インシユリナーゼ、例えば
アルギニンカルボキシペプチダーゼ、キニナーゼ
1、チロイドペプチダーゼ等のカルボキシペプチ
ダーゼ、例えばカルノシナーゼ、プロリナーゼ等
のジペプチダーゼ、その他プロナーゼのようなペ
プチダーゼ;及びその他の蛋白質分解酵素並びに
それらの変性品、配合品等があげられる。
本発明に使用しうる蛋白質を消化する微生物と
しては、例えばアスペルギルス(Aspergillus)
属、ムコール(Mucor)属、リゾープス
(Rhizopus)属、ペニシリウム(Penicillium)
属、モナスクス(Monascus)属等に属するカビ
類(糸状菌類):例えばストレプトコツクス
(Streptococcus)属、ペデイオコツクス
(Pediococcus)属、ロイコノストツク
(Leuconostoc)属、ラクトバチルス
(Lactobacillus)属等に属する乳酸菌、及び例え
ばバチルス・ナツトー(Bacillus natto)、バチ
ルス・サブテイリス(Bacillus subtilis)等の細
菌類;例えばサツカロミセス・エリプソイデウス
(Saccharomyces ellipsoideus)、サツカロミセ
ス・セレビシエー(Saccharomyces
cerevisiae)、トルラ(Torula)等の酵母類;及
びそれらの変異株、配合品等があげられる。
本発明の卵加工食品は、魚肉を蛋白質分解酵素
又は/及び蛋白質を消化する微生物で処理して得
られる生成物の他に、例えば動植物油脂、魚肉以
外の動物性蛋白質、植物性蛋白質、炭水化物、及
びそれらに酵素又は/及び微生物を作用させて得
られる生成物からなる群から選ばれた1種又は2
種以上、又は/及び例えばビタミン類、アミノ酸
類、高度不飽和脂肪酸類、及び植物抽出成分類か
らなる群から選ばれた1種又は2種以上、又は/
及び例えば各種無機塩、香料、着色料、呈味料、
保存料等のその他の成分を含有させることがで
き、これらは製造工程の何れかの段階で混合すれ
ばよいが、魚肉が蛋白質分解酵素又は/及び蛋白
質を消化する微生物で処理される前の何れかの段
階又はその処理中に、これらの物質又はその給源
を系内に均一に混合することにより、上記物質又
はその給源が魚肉由来の生成物が均質に混合した
系を製造できる。
かかる植物性蛋白質給源としては、例えば大
豆、落花生、綿実、ゴマ、ヒマワリ、小麦等の植
物性蛋白原料、及びその脱脂加工品並びにそれか
から誘導される濃縮蛋白質、分解蛋白質等があげ
られる。
また、動物性蛋白質給源としては、例えば畜
乳、脱脂乳、練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、調製粉
乳、バター、クリーム、チーズ等の乳又は乳製
品;例えば牛肉、馬肉、豚肉、羊肉、鶏肉等の畜
肉;例えば燻製肉、乾燥肉等の畜肉加工品;例え
ば卵、乾燥卵、凍結卵、卵黄、卵白等の卵又は卵
製品;例えばレバー等のその他の動物蛋白源等が
あげられる。
更に、動植物油脂給源としては、例えば豚脂、
牛脂、羊脂、馬脂、魚油、鯨油、乳脂等の動物性
油脂;例えば大豆油、アマニ油、サフラワー油、
ヒマワリ油、綿実油、カポツク油、オリーブ油、
小麦胚芽油、トウモロコシ油、パーム油、パーム
核油、サル脂、イリツペ脂、ボルネオタロー脂、
ヤシ油等の植物性油脂;及びそれらに水素添加、
エステル交換、分別等の処理を施して得られる加
工油脂、並びに例えばバター、クリーム、マーガ
リン、シヨートニング等の油脂加工製品等があげ
られる。
更にまた、炭水化物給源としては、例えば米、
小麦、トウモロコシ、ジヤガイモ、サツマイモ等
の炭水化物を多量に含む農産物;それらを製粉し
て得られる粉末化物;前記の農産物から得られ
る、例えば米デンプン、小麦デンプン、トウモロ
コシデンプン、ジヤガイモデンプン等のデンプ
ン;デンプンを加工、変性して得られる、例えば
α−化デンプン、デキストリン等の加工、変性デ
ンプン;例えば砂糖、ハチミツ、デンプン糖等の
糖類;例えばリンゴ、オレンジ、イチゴ、ブドウ
等の果実の果肉又は果汁等があげられる。
本発明で使用される魚肉に酵素又は微生物を作
用させて得られる生成物の製造方法の具体的態様
は次の通りである。
先ず、魚肉と酵素又は/及び微生物の均質な混
合物を調製するため、魚肉に酵素又は/及び微生
物を添加して細かくするか、又は魚肉を細かくし
つつ酵素又は/及び微生物を添加するか或いは魚
肉を細かくした後、酵素又は/及び微生物を添加
し均一に混合する。この際、魚肉以外に動物性蛋
白質給源、植物性蛋白質給源又は/及び炭水化物
給源を原料として使用する場合は、最初の段階又
は途中の段階で添加してもよく、又、例えば食
塩、リン酸2ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム
等の塩、油脂、炭水化物に作用する酵素、微生
物、水又は/及び天然抗菌剤等のその他の成分を
添加してもよい。
酵素又は/及び微生物は、魚肉又は魚肉とその
他の原料との混合物に混合されると、魚肉又は魚
肉とその他の原料の混合物中の蛋白質に作用し始
めるので、当該混合後は、混合物を適切な温度で
適切な時間保持する必要がある。かかる温度と時
間は使用する酵素又は/及び微生物の種類や目的
とする生成物の風味やゲル化能の程度により、選
択する必要があるが、通常は0〜60℃の温度と5
分〜30日間の時間が必要である。また、この温度
は最初から一定にコントロールしてもよいが、最
初、ある特定の温度にコントロールし、その後、
それと異なる特定の温度にコントロールするとい
うように多段階でコントロールしてもよい。更に
酵素又は/及び微生物を魚肉に添加後は前記のよ
うに均質な混合物とするため細かくしたり又は混
合撹拌したりするが、このような操作を継続しな
がら、前記の温度及び時間の範囲内に保持しても
よく、又、均質な混合物が得られた段階で一旦細
かくしたり又は混合撹拌したりする操作を止め、
その後、熟成させ、当該操作及びその後の熟成を
通して上記混合物を前記の温度及び時間の範囲内
に保持するようにしてもよい。
細かくしたり又は混合する操作、場合によつて
は熟成を行うときの、上記混合物の保持温度は、
例えば0〜15℃の低温域、15〜35℃の中温域及び
35〜60℃の高温域に大きく分けられ、酵素を使用
する場合は、第1段階を高温域又は中温域に保持
し、第2段階を低温域に保持するようにしてもよ
く、又、酵素と微生物を併用する場合は、先ず第
1段階を高温域、中温域或いは低温域で酵素のみ
で処理し、次に、必要に応じ冷却後、微生物を添
加し、均一に混合後、中温域又は低温域に保持す
るようにすることもできる。また、微生物のみを
使用する場合は低温域又は中温域に保持すること
が好ましい。
このようにして得られる生成物は、通常、全蛋
白質(『全蛋白質』のことを『全含窒素成分』と
いう場合もあり、この場合の『全含窒素成分』は
通常『全窒素原子量×6.25』を意味する)中の水
溶性蛋白質の割合が20〜50%(但し、原料として
動物性蛋白質給源又は/及び植物性蛋白質給源を
魚肉と併用する場合は20〜60%)となるようにす
る。上記割合が20%未満ではゲル化能が残存し、
物性、風味、食感において卵加工食品成分として
適当でなく、逆に50%(但し、原料として動物性
蛋白質給源又は/及び植物性蛋白質給源を魚肉と
併用する場合は60%)を越えると“にがみ”が強
くなり好ましくない。
このようにして得られた生成物はそのまま放置
すると時間が経過するに従い、さらに蛋白質の分
解が進行し、所望の物性及び風味が変化してしま
うので、すばやく卵又は/及び卵白と混合して本
発明の卵加工食品の製造に使用し、その加熱処理
により酵素や微生物を失活させるか、或いは卵又
は/及び卵白と混合する前又は混合する間に酵素
や微生物を失活させる作用を有する物質を添加す
る等して当該生成物中の酵素や微生物を失活させ
る必要がある。なお、この生成物をすぐに本発明
の卵加工食品として使用しない場合は冷凍するか
又は酵素、微生物を失活させる物質を添加する等
して品質を損なうことなく保存できる。
本発明においては、前記のようにして得られた
生成物をその中に含有される魚肉由来の生成物が
卵又は/及び卵白100重量部に対して固形分換算
で0.1〜40重量部となるように混合すること及び
卵蛋白質を加熱凝固させることを特徴とする。
本発明により製造しうる卵加工食品としては例
えば卵焼、エツグケーキ、茶わんむし、卵ロー
ル、オネレツ、卵豆腐、プリン、プデイング、カ
スタード、ババロア等があげられ、目的とする卵
加工食品に応じて本発明においては種々のその他
の添加成分や食品材料を使用することができる。
本発明においては目的とする卵加工食品に応じ
て卵又は/及び卵白に前記のようにして得られた
生成物と要すればその他の調味料、香辛料、着色
料等の添加成分又は/及び前記の如き動植物油脂
給源、動物性蛋白質給源、植物性蛋白質給源、炭
水化物給源又は/及び例えば嗜好食品、野菜、
肉、魚等の具を使用し、目的とする卵加工食品の
調製方法によつて卵蛋白質を例えば焼く、蒸す、
油で揚げる等の加熱処理で加熱凝固させて目的と
する卵加工食品とすることができる。
このようにして得られた卵加工食品は従来の卵
加工食品にない、独特で且つ良好な風味を有する
ものである。
以下に本発明の参考例、実施例を示す。
参考例 1 スケトウダラの冷凍すり身を自然解凍し、解凍
後肉挽機にかける。このようなすり身100gを擂
潰機に入れて撹拌しつつ食塩3g、リン酸2ナト
リウム0.2gを添加する。一方、蛋白質分解酵素
パンクレアチン(和光純薬製)0.05gを少量の水
にとかして添加し又、すり身中の雑菌発育抑制の
ためリゾチーム50ppmを少量の水にとかして添加
し、混合撹拌する。
すべての添加物を添加後擂潰機のジヤケツトに
温水を流し擂潰機中の混合物の品温を50℃に保ち
ながら30分間撹拌する。その後温水を氷を入れた
冷水に切替え混合物の品温をすみやかに10℃とす
る。しかる後、この混合物を10℃で48時間保持す
ると、全蛋白質中の水溶性蛋白質の割合が28%で
あり、常法に従つて測定したゲル強度が70g/cm2
であり、苦味がまつたくないペースト状生成物
()が得られた。
参考例 2 スケトウダラの冷凍すり身を自然解凍し、解凍
後肉挽機にかける。このようなすり身100gをニ
ーダーに入れて撹拌しつつ食塩3g、リン酸ナト
リウム0.2gを添加し、一方、蛋白質分解酵素プ
ロナーゼ(科研化学製)0.05gを少量の水にとか
して添加する。
すべての添加物を添加後ニーダージヤケツトに
温水を流しニーダー中の混合物の品温を50℃に保
ちながら30分間撹拌する。その後温水を氷を入れ
た冷水に切替え、混合物の品温をすみやかに10℃
とする。混合物の品温が10℃になつたら、別に乳
酸菌ストレツプコツカス・ラクテイス、ストレツ
プコツカス・クレモリス、ラクトバチルス・カゼ
イの三菌株を用い、10%脱脂粉乳液中で培養して
あつた菌数が108〜109/mlの培養液10gを混合物
中に添加し10分間混合撹拌する。しかる後、この
混合物を10℃で72時間保持すると、全蛋白質中の
水溶性蛋白質の割合が40%であり、常法に従つて
測定したゲル強度がほとんどなく5g/cm2であ
り、若干芳香があつて苦み味まつたく感じられな
いペースト状生成物()が得られた。
参考例 3 スケトウダラの冷凍すり身を自然解凍して肉挽
機にかける。このようなすり身100gを擂潰機に
入れ、撹拌しつつ食塩2.5g、ポリリン酸ナトリ
ウム0.3gを添加し撹拌しながら糊状とする。糊
状となつたら大豆蛋白質のプロトンM(日本蛋白
(株)製)20gを添加し撹拌混合しながら均一の糊状
とする。一方、蛋白質分解酵素プロナーゼ(科研
化学製)0.08gを少量の水にとかして添加する。
又すり身中の雑菌発育抑制のためリゾチーム
50ppmを少量の水にとかして添加し、混合撹拌す
る。
すべての添加物を添加後、擂潰機のジヤケツト
に温水を流し擂潰機中の混合物の品温を50℃に保
ちながら30分間撹拌混合する。混合終了後ただち
にジヤケツトの温水を冷水に切替え、擂潰機中の
混合物の品温をすみやかに10℃とする。しかる
後、この混合物を10℃で48時間保持すると、全蛋
白質中の水溶性蛋白質の割合が30%であり、非常
になめらかで苦味がないペースト状生成物()
が得られた。
参考例 4 スケトウダラの冷凍すり身を自然解凍して肉挽
機にかける。このような肉挽されたすり身100g
を擂潰機に入れ撹拌しながら食塩3g、リン酸2
ナトリウム0.2gを添加し良く混合し糊状とする。
糊状となつたらガゼインナトリウム15gを添加
し、つぶつぶがなくなるまで均一に混合する。一
方、蛋白質分解酵素プロナーゼ(科研化学製)
0.06gを少量の水にとかして添加し、さらにすり
身中の雑菌発育抑制のためリゾチーム50ppmを少
量の水にとかして添加し、混合撹拌する。
すべての添加物を添加後、擂潰機のジヤケツト
に温水を流し擂潰機中の混合物の品温を50℃に保
ちながら30分間撹拌混合する。その後温水を氷を
入れた冷水に切替え、擂潰機中の混合物の品温を
すみやかに10℃とする。しかる後、この混合物を
10℃で48時間保持すると、全蛋白質中の水溶性蛋
白質の割合が26%であり、しかもなめらかで、且
つ均質なペースト状生成物()が得られた。
参考例 5 スケトウダラの冷凍すり身を自然解凍し、その
後肉挽機にかける。このような肉挽されたすり身
100gを擂潰機に入れ撹拌しながら食塩3.0g、ポ
リリン酸ナトリウム0.2gを添加しすり身糊を作
成する。すり身糊が出来たら撹拌をつづけながら
抗酸化剤α−トコフエロールを300ppmを添加し
たサフラワー油20gを徐々に添加しエマルジヨン
を作成する。一方、蛋白質分解酵素プロナーゼ
(科研化学製)0.07g及びさらにすり身中の雑菌
発育抑制のためリゾチーム50ppmをそれぞれ少量
の水にとかし添加する。
すべての添加物を添加後、擂潰機のジヤケツト
に温水を流し擂潰機中の混合物の品温を50℃に保
ちながら30分間撹拌混合する。その後温水を冷水
に切替え、品温をすみやかに10℃にする。しかる
後、この混合物を10℃で48時間保持すると、全蛋
白質中の水溶性蛋白質の割合が25%であり、常法
に従つて測定したゲル強度が7g/cm2で苦味がな
くなめらかなペースト状の生成物(V)が得られ
た。
参考例 6 スケトウダラの冷凍落し身を解凍して肉挽機に
かけ肉挽きしたもの100gを擂潰機に入れ食塩3.0
g、ピロリン酸ナトリウム0.2gを添加し混練し
て糊状物を作成する。かかる糊状物に小麦粉を25
gを添加し混練して均質な混合物を得る。このよ
うな混合物に蛋白質分解酵素パンクレアチン(デ
イフコ社製)0.1gとプロテナーゼ「アマノ」A
(天野製薬製)0.1gと雑菌発育抑制のためリゾチ
ーム70ppmを各々少量の水にとかして添加し、混
合物の品温50℃として30分間撹拌を高速にして混
練する。混練後、容器に充填し15℃で120時間保
持すると均質で、なめらかであり、苦味もまつた
く有せず、又全蛋白質中の水溶性蛋白質の割合が
35%のペースト状の生成物()が得られた。
実施例 1 (中国風鉢むしの製造) ボールに卵150gをときほぐし、参考例1〜6
で得られたペースト状の生成物()〜()
(いずれも魚肉由来の固形分14〜16%含有)90g
と40℃のスープ2カツプと塩小さじ1杯と酒大さ
じ1杯を加え、よく混ぜ、これを鉢に入れ、生し
いたけを線切りしたものをふりかけ、蒸器又はセ
イロで始め強火で1〜2分、次いで弱火で15〜20
分蒸し、蒸し上がつたものにねぎ、生姜の細切り
したものをふりかける。
このようにして非常に良好な風味を有する美味
しい中国風鉢むしが得られた。
実施例 2 (伊達巻の製造) ボールに卵250gをとき、参考例1〜6で得ら
れたペースト状の生成物()〜()(いずれ
も魚肉由来の固形分14〜16%含有)100g、砂糖
大さじ6杯、酒大さじ1杯、みりん大さじ1杯、
だし汁3杯を加え、よく混ぜ合わせる。次いで、
卵焼き器に油を塗り、前記の卵液を流し入れ、色
よく焼けたら裏返して同様に焼き、最後に鬼すだ
れにのせて、巻いて形を作る。
このようにして焼き上がりが良く、独特の風味
を有する美味しい伊達巻が得られた。
実施例 3 (厚焼き卵の製造) ボールに卵200gをとき、砂糖大さじ2杯、塩
少々、参考例1〜6で得られたペースト状の生成
物()〜()(いずれも魚肉由来の固形分14
〜16%含有)50g及びだし汁大さじ4杯を入れて
よくまぜ、卵焼き器に油をぬり、これを4分の1
量位流し、一方の端からくるくると巻くというこ
とを4回繰り返して卵焼きを作る。
このようにして普通の卵焼きより弾力、ボリユ
ーム感があり、独特の風味を有する美味しい厚焼
き卵が得られた。
実施例 4 (中国風卵焼きの製造) ボールに卵200gをときほぐし、これに参考例
1〜6で得られたペースト状の生成物()〜
()(いずれも魚肉由来の固形分14〜16%含有)
60gと塩小さじ3分の1杯、酒小さじ2杯を加え
均一に混ぜ合わせ、これにこう30gを細かく切つ
たものを入れて混ぜる。中華鍋に油大さじ4杯を
熱し、薄く煙が出るほどに熱したら前記の卵液を
一度に入れ、鉄ベラでかきまぜて半熟状にし丸く
形も調えて薄く焼き色がついたら裏返して同様に
焼く。
このようにして独特の風味を有し、美味しい中
国風卵焼きが得られた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 魚肉に、蛋白質分解酵素又は/及び蛋白質を
    消化する微生物を、全蛋白質中の水溶性蛋白質の
    割合が20〜50%(但し、原料として動物性蛋白質
    給源又は/及び植物性蛋白質給源を魚肉と併用す
    る場合は20〜60%)となるように作用させて得ら
    れる生成物を、卵又は/及び卵白100重量部に対
    して固形分換算で0.1〜40重量部混合し、得られ
    る混合物を加熱凝固させることを特徴とする卵加
    工食品の製造方法。
JP58237309A 1983-12-16 1983-12-16 卵加工食品の製造方法 Granted JPS60130372A (ja)

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