JPH0412940B2 - - Google Patents

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JPH0412940B2
JPH0412940B2 JP58237308A JP23730883A JPH0412940B2 JP H0412940 B2 JPH0412940 B2 JP H0412940B2 JP 58237308 A JP58237308 A JP 58237308A JP 23730883 A JP23730883 A JP 23730883A JP H0412940 B2 JPH0412940 B2 JP H0412940B2
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fish meat
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protein
water
mixture
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Yasuzo Uchida
Yasuo Iso
Hiroki Saeki
Hitoshi Nagasaki
Makoto Ito
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TAIYO GYOGYO KK
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TAIYO GYOGYO KK
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、魚肉に蛋白質分解酵素又は/及び蛋
白質を消化する微生物を作用させて得られる生成
物を使用して、めん類の製造する方法に関するも
のである。
本発明の「めん類」とは、うどん、そば、中華
めん等の所謂めんの他、ヌイユ、ニヨツキ、スパ
ゲツテイ、マカロニ等、小麦粉を主たる原料と
し、ゆでることにより可食性とする食品を総称す
るものである。
従来、魚肉は主として水産練製品の製造に使用
されており、この水産練製品は我国の重要な蛋白
質材料である魚肉の加工食品として主要なもので
あるが、魚肉が単にそれらの加工食品への用途の
みでなく、種々の食品の原料として利用できるよ
うになれば、魚肉の蛋白質材料としての価値は飛
躍的に高まるものと考えられる。
このような背景から、本発明者らは魚肉の蛋白
質原料材としての用途拡大によつてその価値をよ
り高めるため、魚肉を利用して健康に役立つ栄養
強化しためん類を製造できないかという発想のも
とに、その製造の可能性について検討してきた。
その結果、本発明者らは、熱によつてゲル化する
という性質を有するため、めん類の成分にはその
ままでは使用できない魚肉を、その蛋白質を蛋白
質分解酵素や蛋白質を消化する微生物で処理する
ことにより、そのゲル化性能を喪失させると共
に、その蛋白質の食感、風味、物性を改良し、め
ん類のベースとなり得るものを製造できることを
見い出し本発明に到達した。
即ち、本発明は、魚肉に、蛋白質分解酵素又
は/及び蛋白質を消化する微生物を、全蛋白質中
の水溶性蛋白質の割合が20〜50%(但し、原料と
して動物性蛋白質給源又は/及び植物性蛋白質給
源を魚肉と併用する場合は20〜60%)となるよう
に作用させて得られる生成物を、小麦粉100重量
部に対して固形分換算で0.1〜10重量部、好まし
くは0.1〜5重量部混合して製めんすることを特
徴とするめん類の製造方法を提供するものであ
る。
本発明で使用しうる魚肉(ここで、魚とは通
常、水産加工に使用されうる海産動物を意味す
る。)としては、種々の原料魚を採肉して得られ
るもの及びそれらを更に例えば水晒、脱水等の精
製を行つて得られる魚肉すり身並びにこれを凍結
した冷凍魚肉すり身等の種々の魚肉又は加工魚肉
があげられるが、特に魚肉すり身、冷凍魚肉すり
身が好ましく、前記の原料魚としては、例えばス
ケトウダラ類のタラ類、ヒラメ、カレイ類、タイ
類、イワシ類、サバ類、サンマ類、アジ類、イカ
類、カツオ類、マグロ、カジキ類、ブリ類、サ
ケ、マス類、ニシン、メヌケ、サメ類、タコ類、
エビ類、クジラ類、ワラズカ、グチ類、タチウ
オ、貝類等をあげることができる。
本発明に使用しうる蛋白質分解酵素としては、
例えばアクロシン、ウロキナーゼ、ウロペプシ
ン、エラスターゼ、エンテロペプチダーゼ、カテ
プシン、カリクレイン、キニナーゼ2、キモトリ
プシン、キモパパイン、コラゲナーゼ、ストレプ
トキナーゼ、スブチリシン、テルモリジン、トリ
プシン、トロンビン、パパイン、パンクレアトペ
プチダーゼ、フイシン、プラスミン、レニン、レ
プチラーゼ、レンニン等のようなプロテイナー
ゼ;例えばアルギニンアミノペプチダーゼ、オキ
シナーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ等のアミ
ノペプチダーゼ、アンギオテンシナーゼ、アンギ
オテンシン変換酵素、インシユリナーゼ、例えば
アルギニンカルボキシペプチダーゼ、キニナーゼ
1、チロイドペプチダーゼ等のカルボキシペプチ
ダーゼ、例えばカルノシナーゼ、プロリナーゼ等
のジペプチダーゼ、その他プロナーゼのようなペ
プチダーゼ;及びその他の蛋白質分解酵素並びに
それらの変性品、配合品等があげられる。
本発明に使用しうる蛋白質を消化する微生物と
しては、例えばアスペルギルス(Aspergillus)
属、ムコール(Mucor)属、リゾープス
(Rhizopus)属、ペニシリウム(Penicillium)
属、モナスクス(Monascus)属等に属するカビ
類(糸状菌類);例えばストレプトコツクス
(Streptococcus)属、ペデイオコツクス
(Pediococcus)属、ロイコノストツク
(Leuconostoc)属、ラクトバチルス
(Lactobacillus)属等に属する乳酸菌、及び例え
ばバチルス・ナツトー(Bacillus natto)、バチ
ルス・サブテイリス(Bacillus subtilis)等の細
菌類;例えばサツカロミセス・エリプソイデウス
(Saccharomyces ellipsoideus)、サツカロミセ
ス・セレビシエー(Saccharomyces
cerevisiae)、トルラ(Torula)等の酵母類;及
びそれらの変異株、配合品等があげられる。
本発明のめん類は、魚肉を蛋白質分解酵素又
は/及び蛋白質を消化する微生物で処理して得ら
れる生成物及び小麦粉等、当該めん類に当然用い
られる材料の他に、例えば動植物油脂、魚肉以外
の動物性蛋白質、植物性蛋白質、炭水化物、及び
それらに酵素又は/及び微生物を作用させて得ら
れる生成物からなる群から選ばれた1種又は2種
以上、又は/及び例えばビタミン類、アミノ酸
類、高度不飽和脂肪酸類、及び植物抽出成分類か
らなる群から選ばれた1種又は2種以上、又は/
及び例えば各種無機塩、香料、着色料、呈味料、
保存料等のその他の成分を含有させることがで
き、これらは製造工程の何れかの段階で混合すれ
ばよいが、魚肉が蛋白質分解酵素又は/及び蛋白
質を消化する微生物で処理される前の何れかの段
階又はその処理中に、これらの物質又はその給源
を系内に均一に混合することにより、上記物質又
はその給源が魚肉由来の生成物と均質に混合した
系を製造できる。
かかる植物性蛋白質給源としては、例えば大
豆、落花生、綿実、ゴマ、ヒマワリ、小麦粉の植
物性蛋白原料、及びその脱脂加工品並びにそれら
から誘導される濃縮蛋白質、分離蛋白質等があげ
られる。
また、動物性蛋白質給源としては、例えば畜
乳、脱脂乳、練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、調製粉
乳、バター、クリーム、チーズ等の乳又は乳製
品;例えば牛肉、馬肉、豚肉、羊肉、鶏肉等の畜
肉;例えば燻製肉、乾燥肉等の畜肉加工品;例え
ば卵、乾燥卵、凍結卵、卵黄、卵白等の卵又は卵
製品;例えばレバー等のその他の動物蛋白源等が
あげられる。
更に、動植物油脂給源としては、例えば豚脂、
牛脂、羊脂、馬脂、魚脂、鯨脂、乳脂等の動物性
油脂;例えば大豆油、アマニ油、サフラワー油、
ヒマワリ油、綿実油、カポツク油、オリーブ油、
小麦胚芽油、トウモロコシ油、パーム油、パーム
核油、サル脂、イリツペ脂、ボルネオタロー脂、
ヤシ油等の植物性油脂;及びそれらに水素添加、
エステル交換、分別等の処理を施して得られる加
工油脂、並びに例えばバター、クリーム、マーガ
リン、シヨートニング等の油脂加工製品等があげ
られる。
更にまた、炭水化物給源としては、例えば米、
小麦、トウモロコシ、ジヤガイモ、サツマイモ等
の淡水化物を多量に含む農産物;それらを製粉し
て得られる粉末化物;前記の農産物から得られ
る、例えば米デンプン、小麦デンプン、トウモコ
コシデンプン、ジヤガイモデンプン等のデンプ
ン;デンプンを加工、変性して得られる、例えば
α−化デンプン、デキストリン等の加工、変性デ
ンプン;例えば砂糖、ハチミツ、デンプン糖等の
糖類;例えばリンゴ、オレンジ、イチゴ、ブドウ
等の果実の果肉又は果汁等があげられる。
本発明で使用される魚肉に酵素又は微生物を作
用させて得られる生成物の製造方法の具体的態様
は次の通りである。
先ず、魚肉と酵素又は/及び微生物の均質な混
合物を調製するため、魚肉に酵素又は/及び微生
物を添加して細かくするか、又は魚肉を細かくし
つつ酵素又は/及び微生物を添加するか或いは魚
肉を細かくした後、酵素又は/及び微生物を添加
し均一に混合する。この際、魚肉以外に動物性蛋
白質給源、植物性蛋白質給源又は/及び炭水化物
給源を原料として使用する場合は、最初の段階又
は途中の段階で添加してもよく、又、例えば食
塩、リン酸2ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム
等の塩、油脂、炭水化物に作用する酵素、微生
物、水又は/及び天然抗菌剤等のその他の成分を
添加してもよい。
酵素又は/及び微生物は、魚肉又は魚肉とその
他の原料との混合物に混合されると、魚肉又は魚
肉とその他の原料の混合物中の蛋白質に作用し始
めるので、当該混合後は、混合物を適切な温度で
適切な時間保持する必要がある。かかる温度と時
間は使用する酵素又は/及び微生物の種類や目的
とする生成物の風味やゲル化能の程度により、選
択する必要があるが、通常は0〜60℃の温度と5
分〜30日間の時間が必要である。また、この温度
は最初から一定にコントロールしてもよいが、最
初、ある特定の温度にコントロールし、その後、
それと異なる特定の温度にコントロールするとい
うように多段階でコントロールしてもよい。更に
酵素又は/及び微生物を魚肉に添加後は前記のよ
うに均質な混合物とするため細かくしたり又は混
合攪拌したりするが、このような操作を継続温度
は最初から一定にコントロールしてもよいが、最
初、ある特定の温度にコントロールし、その後、
それと異なる特定の温度にコントロールするとい
うように多段階でコントロールしてもよい。更に
酵素又は/及び微生物を魚肉に添加後は前記のよ
うに均質な混合物とするため細かくしたり又は混
合攪拌したりするが、このような操作を継続しな
がら、前記の温度及び時間の範囲内に保持しても
よく、又、均質な混合物が得られた段階で一旦細
かくしたり又は混合攪拌したりする操作を止め、
その後、熟成させ、当該操作及びその後の熟成を
通して上記混合物を前記の温度及び時間の範囲内
に保持するようにしてもよい。
細かくしたり又は混合する操作、場合によつて
は熟成を行うときの、上記混合物の保持温度は、
例えば0〜15℃の低温域、15〜35℃の中温域及び
35〜60℃の高温域に大きく分けられ、酵素を使用
する場合は、第1段階を高温域又は中温域に保持
し、第2段階を低温域に保持するようにしてもよ
く、又、酵素と微生物を併用する場合は、先ず第
1段階を高温域、中温域いは低温域で酵素のみで
処理し、次に、必要に応じ冷却後、微生物を添加
し、均一に混合後、中温域又は低温域に保持する
ようにすることもできる。また、微生物のみを使
用する場合は低温域又は中温域に保持することが
好ましい。
このようにして得られる生成物は、通常、全蛋
白質(『全蛋白質』のことを『全含窒素成分』と
いう場合もあり、この場合の『全含窒素成分』は
通常『全窒素原子量×6.25』を意味する)中の水
溶性蛋白質の割合が20〜50%(但し、原料として
動物性蛋白質給源又は/及び植物性蛋白質給源を
魚肉と併用する場合は20〜60%)となるようにす
る。上記割合が20%未満ではゲル化能が残存し、
物性、風味、食感においてめん類用食品成分とし
て適当でなく、逆に50%(但し、原料として動物
性蛋白質給源又は/及び植物性蛋白質給源を魚肉
と併用する場合は60%)を超えると“にがみ”が
強くなり好ましい。
このようにして得られた生成物は、必要に応じ
摩砕する等して、例えば加熱殺菌処理を施すこと
により、めん類材料とすることができる。
酵素及び微生物の失活は当該生成物の段階で行
つてもよく、又最後の加熱殺菌処理によつて行つ
てもよい。
かくして得られた生成物は、めん類の製造に際
して当該生成物中の魚肉由来の生成物が小麦粉
100重量部に対して固形分換算で0.1〜10重量部、
好ましくは0.1〜5重量部となるような割合で用
いられる。0.1重量部未満では特に添加した効果
が見られず10重量部より多いと製めん性に問題が
生じやすいので、好ましくない。
めん類の製造は従来からの各種めん類の製造法
と殆ど同じで小麦粉と他の成分即ち、水、卵、牛
乳等とを混合練り合わせする際に水等の側に事前
に前記の生成物を混合しておく方法、小麦粉と他
の成分を混合練り合わせする際に同時に前記の生
成物を混合する方法、或いは小麦粉と他の成分の
混合練り合わせ後前記の生成物を混合する方法等
各種のめん類の製法に応じて適当な時期に前記の
生成物を混合し練り合わせればよい。
尚、本発明で使用する前記の生成物は乳化力を
有しているので小麦粉と他の成分のなじみを良く
する傾向があり、差し支えない限り、小麦粉を他
の成分と混合する前又は同時に加えるのがよい。
本発明で使用する前記の生成物はめん類に加え
た場合、不快な魚肉臭や風味としての魚くささを
示すことなく、むしろ酵素や微生物による分解に
よるアミノ酸の生成等でめん類の味を良くする効
果がある。
以下に本発明の参考例、実施例を示す。
参考例 1 スケトウダラの冷凍すり身を自然解凍し、解凍
後肉挽機にかける。このようなすり身100gを擂
潰機に入れて攪拌しつつ食塩3g、リン酸2ナト
リウム0.2gを添加する。一方、蛋白質分解酵素
パンクレアチン(和光純薬製)0.05gを少量の水
にとかして添加し又、すり身中の雑菌発育抑制の
ためリゾチーム50ppmを少量の水にとかして添加
し、混合攪拌する。
すべての添加物を添加後擂潰機のジヤケツトに
温水を流し擂潰機中の混合物の品温を50℃に保ち
ながら30分間攪拌する。その後温水を氷を入れた
冷水に切替え混合物の品温をすみやかに10℃とす
る。しかる後、この混合物を10℃で48時間保持す
ると、全蛋白質中の水溶性蛋白質の割合が28%で
あり、常法に従つて測定したゲル強度が70g/cm2
であり、苦味がまつたくないペースト状生成物
()が得られた。
参考例 2 スケトウダラの冷凍すり身を自然解凍し、解凍
後肉挽機にかける。このようなすり身100gをニ
ーダーに入れて攪拌しつつ食塩3g、リン酸ナト
リウム0.2gを添加し、一方、蛋白質分解酵素プ
ロナーゼ(科研化学製)0.05gを少量の水にとか
して添加する。
すべての添加物を添加後ニーダージヤケツトに
温水を流しニーダー中の混合物の品温を50℃に保
ちながら30分間攪拌する。その後温水を氷を入れ
た冷水に切替え、混合物の品温をすみやかに10℃
とする。混合物の品温が10℃になつたら、別に乳
酸菌ストレツプコツカス・ラクテイス、ストレツ
プコツカス・クレモリス、ラクトバチルス・カゼ
イの三菌株を用い、10%脱脂粉乳液中で培養して
あつた菌数が108〜109/mlの培養液10gを混合物
中に添加し10分間混合攪拌する。しかる後、この
混合物を10℃で72時間保持すると、全蛋白質中の
水溶性蛋白質の割合が40%であり、常法に従つて
測定したゲル強度がほとんどなく5g/cm2であ
り、若干芳香があつて苦み味まつたく感じられな
いペースト状生成物()が得られた。
参考例 3 スケトウダラの冷凍すり身を自然解凍して肉挽
機にかける。このようなすり身100gを擂潰機に
入れ、攪拌しつつ食塩2.5g、ポリリン酸ナトリ
ウム0.3gを添加し攪拌しながら糊状とする。糊
状となつたら大豆蛋白質のプロトンM(日本蛋白
(株)製)20gを添加し攪拌混合しながら均一の糊状
とする。一方、蛋白質分解酵素プロナーゼ(科研
化学製)0.08gを少量の水にとかして添加する。
又すり身中の雑菌発育抑制のためリゾチーム
50ppmを少量の水にとかして添加し、混合攪拌す
る。
すべての添加物を添加後、擂潰機のジヤケツト
に温水を流し擂潰機中の混合物の品温を50℃に保
ちながら30分間攪拌混合する。混合終了後ただち
にジヤケツトの温水を冷水に切替え、擂潰機中の
混合物の品温をすみやかに10℃とする。しかる
後、この混合物を10℃で48時間保持すると、全蛋
白質の水溶性蛋白質の割合が30%であり、非常に
なめらかで苦味がないペースト状生成物()が
得られた。
参考例 4 スケトウダラの冷凍すり身を自然解凍して肉挽
機にかける。このような肉挽されたすり身100g
を擂潰機に入れ攪拌しながら食塩3g、リン酸2
ナトリウム0.2gを添加し良く混合し糊状とする。
糊状となつたらカゼインナトリウム15gを添加
し、つぶつぶがなくなるまで均一に混合する。一
方、蛋白質分解酵素プロナーゼ(科研化学製)
0.06gを少量の水にとかして添加し、さらにすり
身中の雑菌発育抑制のためリゾチーム50ppmを少
量の水にとかして添加し、混合攪拌する。
すべての添加物を添加後、擂潰機のジヤケツト
に温水を流し擂潰機中の混合物の品温を50℃に保
ちながら30分間攪拌混合する。その後温水を氷を
入れた冷水に切替え、擂潰機中の混合物の品温を
すみやかに10℃にする。しかる後、この混合物を
10℃で48時間保持すると、全蛋白質中の水溶性蛋
白質の割合が26%であり、しかもなめらかで、且
つ均質なペースト状生成物()が得られた。
参考例 5 スケトウダラの冷凍すり身を自然解凍し、その
後肉挽機にかける。このような肉挽されたすり身
100gを擂潰機に入れ攪拌しながら食塩3.0g、ポ
リリン酸ナトリウム0.2gを添加しすり身糊を作
成する。すり身糊が出来たら攪拌をつづけながら
抗酸化剤α−トコフエロール300ppmを添加した
サフラワー油20gを徐々に添加しエマルジヨンを
作成する。一方、蛋白質分解酵素プロナーゼ(科
研化学製)0.07g及びさらにすり身中の雑菌発育
抑制のためリゾチーム50ppmをそれぞれ少量の水
にとかし添加する。
すべての添加物を添加後、擂潰機のジヤケツト
に温水を流し擂潰機中の混合物を品温を50℃に保
ちながら30分間攪拌混合する。その後温水を冷水
に切替え、品温をすみやかに10℃にする。しかる
後、この混合物を10℃で48時間保持すると、全蛋
白質中の水溶性蛋白質の割合が25%であり、常法
に従つて測定したゲル強度が7g/cm2で苦味がな
くなめらかなペースト状生成物()が得られ
た。
参考例 6 スケトウダラの冷凍落し身を解凍して肉挽機に
かけ肉挽きしたもの100gを擂潰機に入れ食塩3.0
g、ピロリン酸ナトリウム0.2gを添加し混練し
て糊状物を作成する。かかる糊状物に小麦粉を25
g添加し混練して均質な混合物を得る。このよう
な混合物に蛋白質分解酵素パンクレアチン(デイ
フコ社製)0.1gとプロテナーゼ「アマノ」A(天
野製薬製)0.1gと雑菌発育抑制のためリゾチー
ム70ppmを各々少量の水にとかして添加し、混合
物の品温50℃として30分間攪拌を高速にして混練
する。混練後、容器に充填し15℃で120時間保持
すると均質で、なめらかであり、苦味もまつたく
有せず、又蛋白質中の水溶性蛋白質の割合が35%
のペースト状生成物()が得られた。
実施例1 (うどんの製造) 水100mlに食塩小さじ1杯(5g)と参考例1
又は6で得られたペースト状生成物()又は
()(いずれも魚肉由来の固形分14〜16%を含
有)60gを加えてよく混合する。
よくふるつた中力粉300gに上の混合物を少し
ずつ添加しながら力を入れてよくこねる。これを
丸めて濡れ布巾をかけ、約2時間放置後、打ち粉
をして伸ばし、ひも状に切断して手打ちうどん風
に仕上げる。このうどんをたつぷりの湯でゆで、
水にとり水洗いすると、いずれもつるつとしてお
いしく、魚肉や魚くささのないうどんとなつた。
又、このうどんを乾燥して得られた乾めんもゆ
でれば同様に美味なうどんが得られた。
実施例2 (ヌイユの製造) 薄力粉150g、食塩1.5g、卵黄1個分(18g)、
参考例2又は5で得られたペースト状生成物
()又は()(いずれも魚肉由来の固形分14〜
16%を含有)45g、全卵2分の1分を練り合わ
せ、濡れ布巾をかけて4時間放置する。次いで、
打ち粉をふり、2mmの厚さに伸ばし、8cm×3mm
のひもかわ状に切断する。
これをたつぷりの熱湯に食塩を少々加えた中で
3分間ゆで、水にとり、水洗いする。フライパン
にゆで上げた材料を入れ、バターでいため、塩、
こしょう、粉チーズを加えて仕上げる。
いずれもうどんと同様に魚臭や魚くささのない
おいしいヌイユが得られた。
実施例3 (ニヨツキの製造) 鍋に牛乳210mlとバター50gを入れ、火にかけ
て煮立つたら、よくふるつた薄力粉150gを一気
に加えて木杓子で手早くまぜ、つやよく、ひとま
とまりになつたら火からおろして、参考例3又は
4で得られたペースト状生成物()又は()
(いずれも魚肉由来の固形分14〜16%含有)80g
と卵3個(150g)を加えよくまぜる。これにナ
ツツメツグ1g、おろしチーズ20g及び食塩少々
を加えて練りまぜ、1cmの丸口金の絞り出し袋に
入れる。
よく煮立つている湯に少々の食塩を加え、絞り
出し袋から3cmの長さになるよう絞り出したタネ
を8分間ゆで、浮き上がつたらザルに上げる。こ
れをフライパンでバターをいため、塩、こしよ
う、粉チーズを加えて仕上げる。
いずれもうどんと同様に魚臭や魚くささのない
おいしいニヨツキが得られた。
又、絞り出した後、油で揚げ、塩、こしよう、
粉チーズをかけたものも同様に美味であつた。
実施例4 (中華めんの製造) 小麦粉500gに参考例1〜6で得られたペース
ト状生成物()〜()(いずれもは魚肉由来
の固形分14〜16%含有)100gと水35gとかんす
い6gを混合してめん生地を調製し、これをしば
らくねかせておいた後、圧延、裁断して中華めん
を得た。
この中華めんを1昼夜放置後、その一定量を3
分間茹で上げて別に調製した熱いスープが入つて
いる食器に入れて試食したところ、独特の風味を
有し、歯応え、滑らかさも良好で美味しいもので
あつた。
比較例 1 スケトウダラの冷凍すり身100gを解凍したも
のと、小麦粉100gとを混合し、これに麹菌を接
種して30℃で3日間保ち、全蛋白質中の水溶性蛋
白質の割合が9.8%の生成物を得た。
この生成物を使用して実施例1と同様にしてう
どんを製造した。このうどんは、ザラツキがあり
且つ食感が悪く、実用性に欠けるものであつた。
比較例 2 スケトウダラの冷凍すり身100gを解凍し、擂
潰しつつ、これに食塩3g及びリン酸2ナトリウ
ム0.2gを添加し、更にパンクレアチン0.05g及
びリゾチーム50ppmを添加、混合した後、50℃で
8時間攪拌して、全蛋白質中の水溶性蛋白質の割
合が78%の生成物を得た。
この生成物は苦みがあり、この生成物を使用し
て実施例1と同様にして製造したうどんは、この
生成物の苦みが残つており、実用性に欠けるもの
であつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 魚肉に、蛋白質分解酵素又は/及び蛋白質を
    消化する微生物を、全蛋白質中の水溶性蛋白質の
    割合が20〜50%(但し、原料として動物性蛋白質
    給源又は/及び植物性蛋白質給源を魚肉と併用す
    る場合は20〜60%)となるように作用させて得ら
    れる生成物を、小麦粉100重量部に対して固形分
    換算で0.1〜10重量部混合して製めんすることを
    特徴とするめん類の製造方法。
JP58237308A 1983-12-16 1983-12-16 めん類の製造方法 Granted JPS60130361A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58237308A JPS60130361A (ja) 1983-12-16 1983-12-16 めん類の製造方法

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JP58237308A JPS60130361A (ja) 1983-12-16 1983-12-16 めん類の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60130361A JPS60130361A (ja) 1985-07-11
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