JPH0371864B2 - - Google Patents

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JPH0371864B2
JPH0371864B2 JP58237313A JP23731383A JPH0371864B2 JP H0371864 B2 JPH0371864 B2 JP H0371864B2 JP 58237313 A JP58237313 A JP 58237313A JP 23731383 A JP23731383 A JP 23731383A JP H0371864 B2 JPH0371864 B2 JP H0371864B2
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protein
water
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meat
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Yasuzo Uchida
Yasuo Iso
Hiroki Saeki
Hitoshi Nagasaki
Makoto Ito
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TAIYO GYOGYO KK
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は魚肉を蛋白質分解酵素又は/及び蛋白
質を消化する微生物で処理して得られる生成物を
使用して流動性食品を製造する方法に関するもの
である。
本発明において流動性食品とは、動植物油脂
類、乳製品類、野菜類(生鮮・加工)、穀類、だ
し類、風味調味料、香辛料、香料、その他乳化
剤、安定剤等をそれぞれのタイプに応じて配合混
合し、加熱調味することにより、比較的、粘度の
低い透明なものから高粘度の半流動性のものまで
を総称するもので以下これらを流動性食品と称す
る。
従来、魚肉は主として水産練製品の原料として
使用されているが、この水産練製品は我国の主要
な蛋白質材料である魚肉の加工食品として重要な
ものであるが、魚肉が単にこれらの加工食品への
用途のみでなく種々の食品へ利用できるようにな
れば、魚肉の価値は飛躍的に高まるものと考えら
れる。
本発明者らは、かかる見地に立つて魚肉から
種々の食品へ使用し得るような新しい食品素材を
製造すべく鋭意検討を進め、魚肉を蛋白質分解酵
素又は/及び蛋白質を消化する微生物で処理する
ことにより、そのような新しい食品素材を製造す
る方法を見い出し既に特許出願を行つたが、その
後、魚肉から製造された食品素材の食品への用途
開発をすすめた結果、流動性食品の材料として用
いることにより高品質の流動性食品を得られるこ
とを見い出し本発明に到達した。
即ち、本発明は、魚肉に、蛋白質分解酵素又
は/及び蛋白質を消化する微生物を、全蛋白質中
の水溶性蛋白質の割合が20〜50%(但し、原料と
して動物性蛋白質給源又は/及び植物性蛋白質給
源を魚肉と併用する場合は20〜60%)となるよう
に作用させて得られる生成物を、流動性食品を製
造する際、いずれかの段階で使用することを特徴
とする流動性食品の製造方法を提供するものであ
る。
加えるに昨今の食生活においては単に美味であ
るという観点でけでなく、乳幼児から老人に到る
まで健康志向の高まりがみられる。このような中
で比較的粘度の低いものとして、スープ類(和
風、洋風、中華風)があるが、その何れも最近の
食生活においては重視されている。又、材料によ
つては特別の前処理が必要とされるものもあり、
いきおい専門の調理人の手を経なければスープ本
来の味を食することは、特に一般家庭では困難な
ことが多い。これらに対し、本発明によれば、調
理が容易で、しかも栄養的にも高蛋白低カロリー
の魚肉を使用することにより美味なスープを作る
ことが可能となつた。
又、日本人の高年齢化現象に伴つてますます健
康志向が高まつており、離乳食或いは老人用流動
食等に魚肉蛋白を使用したものが必要とされなが
ら、比較的高粘度のタイプは、原料の前処理、魚
臭等の点から難があつたが、本発明により、すで
に処理された生成物を用いることにより、容易に
高品質にして美味なる上記食品の製造が可能とな
つたものであり、斯る点からも本発明の意義は大
きい。
以下、本発明の流動性食品の製造方法について
詳述する。
本発明で使用しうる魚肉(ここで、魚とは通
常、水産加工に使用されうる海産動物を意味す
る。)としては、種々の原料魚を採肉して得られ
るもの及びそれらを更に例えば水晒、脱水等の精
製を行つて得られる魚肉すり身並びにこれを凍結
した冷凍魚肉すり身等の種々の魚肉又は加工魚肉
があげられるが、特に魚肉すり身、冷凍魚肉すり
身が好ましく、前記の原料魚としては、例えばス
ケトウダラ類のタラ類、ヒラメ、カレイ類、タイ
類、イワシ類、サバ類、サンマ類、アジ類、イカ
類、カツオ類、マグロ、カジキ類、ブリ類、サ
ケ、マス類、ニシン、メヌケ、サメ類、タコ類、
エビ類、クジラ類、ワラズカ、グチ類、タチウ
オ、貝類等をあげることができる。
本発明に使用しうる蛋白質分解酵素としては、
例えばアクロシン、ウロキナーゼ、ウロペプシ
ン、エラスターゼ、エンテロペプチダーゼ、カテ
プシン、カリクレイン、キニナーゼ2、キモトリ
プシン、キモパパイン、コラゲナーゼ、ストレプ
トキナーゼ、スブチリシン、テルモリジン、トリ
プシン、トロンビン、パパイン、パンクレアトペ
プチダーゼ、フイシン、プラスミン、レニン、レ
プチラーゼ、レンニン等のようなプロテイナー
ゼ;例えばアルギニンアミノペプチダーゼ、オキ
シナーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ等のアミ
ノペプチダーゼ、アンギオテンシナーゼ、アンギ
オテンシン変換酵素、インシユリナーゼ、例えば
アルギニンカルボキシペプチダーゼ、キニナーゼ
1、チロイドペプチダーゼ等のカルボキシペプチ
ダーゼ、例えばカルノシナーゼ、プロリナーゼ等
のジペプチダーゼ、その他プロナーゼのようなペ
プチダーゼ;及びその他の蛋白質分解酵素並びに
それらの変性品、配合品等があげられる。
本発明に使用しうる蛋白質を消化する微生物と
しては、例えばアスペルギルス(Aspergillus)
属、ムコール(Mucor)属、リゾープス
(Rhizopus)属、ペニシリウム(Penicillium)
属、モナスクス(Monascus)属等に属するカビ
類(糸状菌類);例えばストレプトコツクス
(Streptococcus)属、ペデイオコツクス
(Pediococcus)属、ロイコノストツク
(Leuconostoc)属、ラクトバチルス
(Lactobacillus)属等に属する乳酸菌、及び例え
ばバチルス・ナツトー(Bacillus natto)、バチ
ルス・サブテイリス(Bacillus subtilis)等の細
菌類;例えばサツカロミセス・エリプソイデウス
(Saccharomyces ellipsoideus)、サツカロミセ
ス・セレビシエー(Saccharomyces
cerevisiae)、トルラ(Torula)等の酵母類;及
びそれらの変異株、配合品等があげられる。
本発明の流動性食品は、魚肉を蛋白質分解酵素
又は/及び蛋白質を消化する微生物で処理して得
られる生成物の他に、例えば動植物油脂、魚肉以
外の動物性蛋白質、植物性蛋白質、炭水化物、及
びそれらに酵素又は/及び微生物を作用させて得
られる生成物からなる群から選ばれた1種又は2
種以上、又は/及び例えばアミノ酸類、高度不飽
和脂肪酸類、及び植物抽出成分類からなる群から
選ばれた1種又は2種以上、又は/及び例えば各
種無機塩、香料、着色料、呈味料、保存料等のそ
の他の成分を含有させることができ、これらは製
造工程の何れかの段階で混合すればよいが、魚肉
が蛋白質分解酵素又は/及び蛋白質を消化する微
生物で処理される前の何れかの段階又はその処理
中に、これらの物質又はその給源を系内に均一に
混合することにより上記物質又はその給源と魚肉
由来の生成物とが均質に混合された系を製造でき
る。
かかる植物性蛋白質給源としては、例えば大
豆、落花生、綿実、ゴマ、ヒマワリ、小麦等の植
物性蛋白原料、及びその脱脂加工品並びにそれら
から誘導される濃縮蛋白質、分離蛋白質等があげ
られる。
また、動物性蛋白質給源としては、例えば畜
乳、脱脂乳、練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、調製粉
乳、バター、クリーム、チーズ等の乳又は乳製
品;例えば牛肉、馬肉、豚肉、羊肉、鶏肉等の畜
肉;例えば燻製肉、乾燥肉等の畜肉加工品;例え
ば卵、乾燥卵、凍結卵、卵黄、卵白等の卵又は卵
製品;例えばレバー等のその他の動物蛋白源等が
あげられる。
更に、動植物油脂給源としては、例えば豚脂、
牛脂、羊脂、馬脂、魚油、鯨油、乳脂等の動物性
油脂;例えば大豆油、アマニ油、サフラワー油、
ヒマワリ油、綿実油、カポツク油、オリーブ油、
小麦胚芽油、トウモロコシ油、パーム油、パーム
核油、サル脂、イリツペ脂、ボルネオタロー脂、
ヤシ油等の植物性油脂;及びそれらに水素添加、
エステル交換、分別等の処理を施して得られる加
工油脂、並びに例えばバター、クリーム、マーガ
リン、シヨートニングの油脂加工製品等があげら
れる。
更にまた、炭水化物給源としては、例えば米、
小麦、トウモロコシ、ジヤガイモ、サツマイモ等
の炭水化物を多量に含む農産物;それらを製粉し
て得られる粉末化物;前記の農産物から得られ
る、例えば米デンプン、小麦デンプン、トウモロ
コシデンプン、ジヤガイモデンプン等のデンプ
ン;デンプンを加工、変性して得られる、例えば
α−化デンプン、デキストリン等の加工、変性デ
ンプン;例えば砂糖、ハチミツ、デンプン糖等の
糖類;例えばリンゴ、オレンジ、イチゴ、ブドウ
等の果実の果肉又は果汁等があげられる。
本発明で使用される、魚肉に酵素又は微生物を
作用させて得られる生成物の具体的態様は次の通
りである。
先ず、魚肉と酵素又は/及び微生物の均質な混
合物を調製するため、魚肉に酵素又は/及び微生
物を添加して細かくするか、又は魚肉を細かくし
つつ酵素又は/及び微生物を添加するか或いは魚
肉を細かくした後、酵素又は/及び微生物を添加
し均一に混合する。この際、魚肉以外に動物性蛋
白質給源、植物性蛋白質給源又は/及び炭水化物
給源を原料として使用する場合は、最初の段階又
は途中の段階で添加してもよく、又、例えば食
塩、リン酸2ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム
等の塩、油脂、炭水化物に作用する酵素、微生
物、水又は/及び天然抗菌剤等のその他の成分を
添加してもよい。
酵素又は/及び微生物は、魚肉又は魚肉とその
他の原料との混合物に混合されると、魚肉又は魚
肉とその他の原料の混合物中の蛋白質に作用し始
めるので、当該混合後は、混合物を適切な温度で
適切な時間保持する必要がある。かかる温度と時
間は使用する酵素又は/及び微生物の種類や目的
とする生成物の風味やゲル化能の程度により、選
択する必要があるが、通常は0〜60℃の温度と5
分〜30日間の時間が必要である。また、この温度
は最初から一定にコントロールしてもよいが、最
初、ある特定の温度にコントロールし、その後、
それと異なる特定の温度にコントロールするとい
うように多段階でコントロールしてもよい。更に
酵素又は/及び微生物を魚肉に添加後は前記のよ
うに均質な混合物とするため細かくしたり又は混
合撹拌したりするが、このような操作を継続しな
がら、前記の温度及び時間の範囲内に保持しても
よく、又、均質な混合物が得られた段階で一旦細
かくしたり又は混合撹拌したりする操作を止め、
その後、熟熱させ、当該操作及びその後の熟成を
通して上記混合物を前記の温度及び時間の範囲内
に保持するようにしてもよい。
細かくしたり又は混合する操作、場合によつて
は熟成を行うときの、上記混合物の保持温度は、
例えば0〜15℃の低温域、15〜35℃の中温域及び
35〜60℃の高温域に大きく分けられ、酵素を使用
する場合は、第1段階を高温域又は中温域に保持
し、第2段階を低温域に保持するようにしてもよ
く、又、酵素と微生物を併用する場合は、先ず第
1段階を高温域、中温域或いは低温域で酵素のみ
で処理し、次に、必要に応じ冷却後、微生物を添
加し、均一に混合後、中温域又は低温域に保持す
るようにすることもできる。また、微生物のみを
使用する場合は低温域又は中温域に保持すること
が好ましい。
このようにして得られる生成物は、通常、全蛋
白質(『全蛋白質』のことを『全含窒素成分』と
いう場合もあり、この場合の『全含窒素成分』は
通常『全窒素原子量×6.25』を意味する)中の水
溶性蛋白質の割合が20〜50%(但し、原料として
動物性蛋白質給源又は/及び植物性蛋白質給源を
魚肉と併用する場合は20〜60%)となるようにす
る。上記割合が20%未満ではゲル化能が残存し、
物性、風味、食感において流動性食品成分として
適当でなく、逆に50%(但し、原料として動物性
蛋白質給源又は/及び植物性蛋白質給源を魚肉と
併用する場合は60%)を超えると“にがみ”が強
くなり好ましくない。
このようにして得られた生成物は、そのまま放
置すると時間が経過するに従い、さらに蛋白質の
分解が進行し所望の物性及び風味が変化してしま
うので、すばやく本発明の流動性食品を調製し、
冷凍するか又は加熱処理により酵素や微生物を失
活させるか、或いは流動性食品の製造に使用する
前又は使用中、酵素や微生物を失活させる作用を
有する物質を添加する等して当該生成物中の酵素
や微生物を失活させる必要がある。なお、この生
成物をすぐに本発明の流動性食品の製造に使用し
ない場合は冷凍するか又は酵素や微生物を失活さ
せる物質を添加する等して品質を損なうことなく
保存できる。
本発明の方法は、このようにして得られた生成
物を流動性食品を製造する際のいずれかの段階で
使用することを特徴とする。
本発明で製造し得る流動性食品としては、例え
ば各種ポタージユスープ、すり流し汁、中華風コ
ーン入スープ、離乳食、老人用、病人用流動状食
品等が上げられ、これらの製造原料の1成分とし
て前記の生成物を使用し、それぞれの目的とする
流動性食品に応じた製造方法で目的とする流動性
食品を製造することができる。
本発明により製造される流動性食品は例えば、
ペースト状、固形状、粉末状、液状、流動状等各
種の形態をとることができる。
以下に本発明の参考例、実施例を示す。
参考例 1 スケトウダラの冷凍すり身を自然解凍し、解凍
後肉挽機にかける。このようなすり身100gを擂
潰機に入れて撹拌しつつ食塩3g、リン酸2ナト
リウム0.2gを添加する。一方、蛋白質分解酵素
パンクレアチン(和光純薬製)0.05gを少量の水
にとかして添加し又、すり身中の雑菌発育抑制の
ためリゾチーム50ppmを少量の水にとかして添加
し、混合撹拌する。
すべての添加物を添加後、擂潰機のジヤケツト
に温水を流し擂潰機中の混合物の品温を50℃に保
ちながら30分間撹拌する。その後温水を氷を入れ
た冷水に切替え混合物の品温をすみやかに10℃と
する。しかる後、この混合物を10℃で48時間保持
すると、全蛋白質中の水溶性蛋白質の割合が28%
であり、常法に従つて測定したゲル強度が70g/
cm2であり、苦味がまつたくないペースト状生成物
()が得られた。
参考例 2 スケトウダラの冷凍すり身を自然解凍し、解凍
後肉挽機にかける。このようなすり身100gをニ
ーダーに入れて撹拌しつつ食塩3g、リン酸ナト
リウム0.2gを添加し、一方、蛋白質分解酵素プ
ロナーゼ(科研化学製)0.05gを少量の水にとか
して添加する。
すべての添加物を添加後ニーダージヤケツトに
温水を流しニーダー中の混合物の品温を50℃に保
ちながら30分間撹拌する。その後温水氷を入れた
を冷水に切替え、混合物の品温をすみやかに10℃
とする。混合物の品温が10℃になつたら、別に乳
酸菌ストレツプコツカス・ラクテイス、ストレツ
プコツカス・クレモリス、ラクトバチルス・カゼ
イの三菌株を用い、10%脱脂粉乳液中で培養して
あつた菌数が108〜109/mlの培養液10gを混合物
中に添加し10分間混合撹拌する。しかる後、この
混合物を10℃で72時間保持すると、全蛋白質中の
水溶性蛋白質の割合が40%であり、常法に従つて
測定したゲル強度がほとんどなく5g/cm2であ
り、若干芳香があつて苦み味まつたく感じられな
いペースト状生成物()が得られた。
参考例 3 スケトウダラの冷凍すり身を自然解凍して肉挽
機にかける。このようなすり身100gを擂潰機に
入れ、撹拌しつつ食塩2.5g、ポリリン酸ナトリ
ウム0.3gを添加し撹拌しながら糊状とする。糊
状となつたら大豆蛋白質のプロトンM(日本蛋白
(株)製)20gを添加し撹拌混合しながら均一の糊状
とする。一方、蛋白質分解酵素プロナーゼ(科研
化学製)0.08gを少量の水にとかして添加する。
又すり身中の雑菌発育抑制のためリゾチーム
50ppmを少量の水にとかして添加し、混合撹拌す
る。
すべての添加物を添加後、擂潰機のジヤケツト
に温水を流し擂潰機中の混合物の品温を50℃に保
ちながら30分間撹拌混合する。混合終了後ただち
にジヤケツトの温水を冷水に切替え、擂潰機中の
混合物の品温をすみやかに10℃とする。しかる
後、この混合物を10℃で48時間保持すると、全蛋
白質中の水溶性蛋白質の割合が30%であり、非常
になめらかで苦味がないペースト状生成物()
が得られた。
参考例 4 スケトウダラの冷凍すり身を自然解凍して肉挽
機にかける。このような肉挽されたすり身100g
を擂潰機に入れて撹拌しながら食塩3g、リン酸
2ナトリウム0.2gを添加し良く混合し糊状とす
る。糊状となつたらカゼインナトリウム15gを添
加し、つぶつぶがなくなるまで均一に混合する。
一方、蛋白質分解酵素プロナーゼ(科研化学製)
0.06gを少量の水にとかして添加し、さらにすり
身中の雑菌発育抑制のためリゾチーム50ppmを少
量の水にとかして添加し、混合撹拌する。
すべての添加物を添加後、擂潰機のジヤケツト
に温水を流し擂潰機中の混合物の品温を50℃に保
ちながら30分間撹拌混合する。その後温水を氷を
入れた冷水に切替え、擂潰機中の混合物の品温を
すみやかに10℃にする。しかる後、この混合物を
10℃で48時間保持すると、全蛋白質中の水溶性蛋
白質の割合が26%であり、しかもなめらかで、且
つ均質なペースト状生成物()が得られた。
参考例 5 スケトウダラの冷凍すり身を自然解凍し、その
後肉挽機にかける。このような肉挽されたすり身
100gを擂潰機に入れて撹拌しながら食塩3.0g、
ポリリン酸ナトリウム0.2gを添加しすり身糊を
作成する。すり身糊が出来たら撹拌をつづけなが
ら抗酸化剤α−トコフエロール300ppmを添加し
たサフラワー油20gを徐々に添加しエマルジヨン
を作成する。一方、蛋白質分解酵素プロナーゼ
(科研化学製)0.07g及びさらにすり身中の雑菌
発育抑制のためリゾチーム50ppmをそれぞれ少量
の水にとかし添加する。
すべての添加物を添加後、擂潰機のジヤケツト
に温水を流し擂潰機中の混合物の品温を50℃に保
ちながら30分間撹拌混合する。その後温水を冷水
に切替え、品温をすみやかに10℃にする。しかる
後、この混合物を10℃で48時間保持すると、全蛋
白質中の水溶性蛋白質の割合が25%であり、常法
に従つて測定したゲル強度が7g/cm2で苦味がな
くなめらかなペースト状の生成物()が得られ
た。
参考例 6 スケトウダラの冷凍落し身を解凍して肉挽機に
かけ肉挽きしたもの100gを擂潰機に入れ食塩3.0
g、ピロリン酸ナトリウム0.2gを添加し混練し
て糊状物を作成する。かかる糊状物に小麦粉を25
g添加し混練して均質な混合物を得る。このよう
な混合物に蛋白質分解酵素パンクレアチン(デイ
フコ社製)0.1gとプロテナーゼ「アマノ」A(天
野製薬製)0.1gと雑菌発育抑制のためリゾチー
ム70ppmを各々少量の水にとかして添加し、混合
物の品温50℃として30分間撹拌を高速にして混練
する。混練後、容器に充填し15℃で120時間保持
すると均質で、なめらかであり、苦味もまつたく
有せず、又全蛋白質中の水溶性蛋白質の割合が35
%のペースト状の生成物()が得られた。
実施例 1 (クリームスープの製造) 鍋にバター30gをとかし、玉葱50gを切つたも
のを炒め、小麦粉40gを入れて更に2〜3分炒め
た後、参考例1〜6で得られたペースト状生成物
()〜()(いずれも魚肉由来の固形分14〜16
%含有)150gを水1000c.c.でといたものを入れ煮
立つたら弱火にして30〜40分煮る。しかる後、こ
れをベースとして200c.c.の水で薄め、塩少々、こ
しよう少々、生クリーム100c.c.を加えて仕上げる。
このようにして、独特な風味を有する美味なク
リームスープが得られた。
実施例 2 (中華風コーンスープの製造) 参考例1〜6で得られたペースト状生成物
()〜()(いずれも魚肉由来の固形分14〜16
%含有)50gと生姜汁少々と酒10c.c.とをよく混ぜ
合わせおき、鍋にスープ230c.c.にスイートコーン
(クリーム状)225gを入れて火にかけ、塩、酒で
調味をし、次に片栗粉5gを水200c.c.にといたも
のをかきまわしながら加え、しかる後、前もつて
まぜ合わせておいた前記のものに軽く泡立てた卵
白を入れてざつと混ぜ合わせたものをさらに加え
て、さつと混ぜ、卵白に火が通つたところで火を
止めた。
このようにして参考例1〜6で得られた生成物
の有する旨味とコーンの風味がよく合つた、良好
な風味の中華風コーンスープが得られた。
実施例 3 (かき卵汁の製造) 鍋にだし汁400c.c.を入れ、火にかけ醤油6c.c.と
塩少々で調味し、更に片栗粉3gを水10c.c.に溶か
しある程度とろみがでたら、参考例1〜6で得ら
れたペースト状生成物()〜()(いずれも
魚肉由来の固形分14〜16%含有)20gと生鮮卵50
gをよく混ぜたものを穴杓子を用いて入れ、ひと
煮立ちしたら火を止める。
このようにして参考例1〜6で得られた生成物
の有する旨味と卵の有する旨味がよく合つた極め
て良好な風味のかき卵汁が得られた。
実施例 4 (離乳食の製造法) 参考例1〜6で得られたペースト状生成物
()〜()(いずれも魚肉由来の固形分14〜16
%含有)30gと大根おろしの汁気をざつときつた
もの50g、醤油6c.c.及びみりん6c.c.を予め調製済
みのだし汁70c.c.を鍋に入れふたをして比較的弱火
で蒸し煮する。好みによつては卵を煮立つた時点
でおとすと外観上も非常にきれいなものができ
る。
このようにして参考例1〜6で得られた生成物
の有する旨味となめらかさを有する極めて良好な
離乳食が得られた。
実施例 5 (かゆの製造) 鍋に水又はだし汁150c.c.を入れ、煮沸させてか
ら炒飯済みの米飯50gを熱湯でさつと洗い鍋に入
れ、煮熱し途中で食塩少々及び参考例1〜6で得
られたペースト状生成物()〜()(いずれ
も魚肉由来の固形分14〜16%含有)を30gを加え
汁気がなくなるまで煮る。好みによつて、みそ
味、醤油味等もできる。
このようにして参考例1〜6で得られた生成物
の有する旨味、とろみが生かされた極めて良好な
風味のかゆが得られた。
実施例 6 (うどんのくたくた煮の製造) ゆでうどん40gを流水洗浄しぬめりをとり、さ
つと熱湯をかけてからみじん切りにする。別にほ
うれん草10gを柔らかくゆで水をよく切つて絞り
みじん切りにする。先のゆでうどんをだし汁100
c.c.の中に入れくたくたになるまで煮熱し、参考例
1〜6で得られたペースト状生成物()〜
()(いずれも魚肉由来の固形分14〜16%含有)
30gを前記ほうれん草を加えてさつと煮て、醤油
5c.c.で調味する。
このようにして参考例1〜6で得られた生成物
の有する旨味、とろみが生かされた極めて良好な
風味のうどんのくたくた煮が得られた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 魚肉に、蛋白質分解酵素又は/及び蛋白質を
    消化する微生物を、全蛋白質中の水溶性蛋白質の
    割合が20〜50%(但し、原料として動物性蛋白質
    給源又は/及び植物性蛋白質給源を魚肉と併用す
    る場合は20〜60%)となるように作用させて得ら
    れる生成物を、流動性食品を製造する際、いずれ
    かの段階で使用することを特徴とする流動性食品
    の製造方法。
JP58237313A 1983-12-16 1983-12-16 流動性食品の製造方法 Granted JPS60130374A (ja)

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