JPH0366300B2 - - Google Patents

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JPH0366300B2
JPH0366300B2 JP57081383A JP8138382A JPH0366300B2 JP H0366300 B2 JPH0366300 B2 JP H0366300B2 JP 57081383 A JP57081383 A JP 57081383A JP 8138382 A JP8138382 A JP 8138382A JP H0366300 B2 JPH0366300 B2 JP H0366300B2
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JP
Japan
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acrylonitrile
reaction
hydrosulfide
alkali
molar ratio
Prior art date
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JP57081383A
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English (en)
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JPS58198460A (ja
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Akira Akikubo
Koji Mase
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YOTSUKAICHI GOSEI KK
Original Assignee
YOTSUKAICHI GOSEI KK
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、アクリロニトリルと水硫化アルカリ
から簡素なプロセスで収率よくβ−メルカプトプ
ロピオン酸を製造する方法に関する。 水硫化ナトリウムの水溶液とアクリロニトリル
を室温で反応させることによつてビス−2−シア
ノエチルスルフイド(チオジプロピオニトリル)
〔S(CH2CH2CN)2〕が得られることは知られて
いる(Organic Reaction vol.5,p,95〜96)。
上記文献には反応の詳細は記載されていない。 本発明者らは、水硫化アルカリの水溶液とアク
リロニトリルの反応を詳細に検討した結果、水硫
化アルカリの水溶液とアクリロニトリルを一度に
混合して反応を行なうと主生成物としてチオジプ
ロピオニトリルが得られるが、水硫化アルカリの
水溶液にアクリロニトリルを徐々に滴下しながら
反応させ、使用アクリロニトリル対水硫化アルカ
リのモル比をほぼ1以下とし、反応温度を比較的
低温に保持するときは、チオジプロピオニトリル
の生成を極度に減ずることができ、主生成物とし
てβ−メルカプトプロピオニトリル
(HSCH2CH2CN)のアルカリ塩が得られ、これ
を中和、加水分解することによつてβ−メルカプ
トプロピオン酸(HSCH2CH2COOH)を高収率
で得ることができることを見出し、かかる知見に
基づいて本発明を達成した。 すなわち本発明は、アクリロニトリルと水硫化
アルカリを反応させるに際し、 (1) 水硫化アルカリ水溶液にアクリロニトリル
を、1時間当り水硫化アルカリに対しモル比で
1.0以下の割合で滴下する、 (2) アクリロニトリルの全量を水硫化アルカリに
対してモル比で0.5〜1.1とする、 (3) 反応温度を10〜60℃に保持する、 の条件下で反応を行ない、得られたβ−メルカプ
トプロピオニトリルのアルカリ塩を中和、加水分
解することを特徴とするβ−メルカプトプロピオ
ン酸の製造法を提供するものである。 以下に本発明を詳述するに、出発原料はアクリ
ロニトリルと水硫化アルカリである。水硫化アル
カリとしては、水硫化カリ、水硫化ソーダ、水硫
化カルシウム、水硫化アンモニウム等が挙げられ
る。 水硫化アルカリを水に溶解し20〜40wt%に調
整したものの中に、アクリロニトリルを徐々に滴
下する。アクリロニトリルの滴下量は1時間当り
水硫化アルカリに対しモル比で1.0以下、好まし
くは0.7〜0.2程度である。この数値が1.0を超える
とチオジプロピオニトリルの副生が著しく増加す
る。また、0.2より小さくなると、収量には殆ん
ど影響せず反応時間が長くなるので経済的に好ま
しくない。アクリロニトリルを滴下終了後、滴下
時と同温度に数時間保つ。アクリロニトリルの滴
下は連続的に行なつてもまた断続的に行なつても
よく、十分にかきまぜながら行なつた方が有利で
ある。 本発明の反応に使用する全アクリロニトリルは
水硫化アルカリに対してモル比(アクリロニトリ
ル/水硫化アルカリ)で0.5〜1.1が適当で、好ま
しくは0.7〜1.0である。モル比が小さくなると中
和の際に発生する硫化水素の量が多くなり、モル
比が大きくなるとチオジプロピオニトリルの副生
量が増加する。 反応温度は10〜60℃であり、好ましくは30〜50
℃である。反応温度が60℃を超えるとチオジプロ
ピオニトリルの副生量が多くなり、10℃に達しな
いと反応時間が長くなる欠点がある。 以上の条件で得られた反応液は、塩酸、硫酸等
の鉱酸で中和する。そのとき、未反応の状態で系
内に残留する水硫化アルカリによつて硫化水素が
発生し、反応液はβ−メルカプトプロピオニトリ
ルを含む有機層と水層に分離する。 二層に分離した状態の反応液を加水分解に付
す。この場合、加水分解は鉱酸を用いて行ない、
特に塩酸が望ましい。酸は中和の際にあらかじめ
加水分解に必要とされる量を仕込んでおいてもよ
いし、中和後改めて所要量を加えてもよい。必要
とされる酸の量は、理論的にはβ−メルカプトプ
ロピオニトリル1モルに対し1モルであるが、実
際の操作ではβ−メルカプトプロピオニトリルに
対する酸のモル比は1.0〜1.5、好ましくは1.1〜
1.2程度である。酸を過剰に加えた方が反応速度
的に有利である。加水分解は還流温度で実施す
る。また、この加水分解には相間移動触媒を添加
してもよい。相間移動触媒としては、トリメチル
アミン塩酸塩、塩化コリン、トリメチルベンジル
アンモニウム塩などの第4アンモニウム塩が適当
である。相間移動触媒を加えることによつて加水
分解時間は無添加のときの約1/2となる。 このようにして得られたβ−メルカプトプロピ
オン酸を含む水溶液は、中和および加水分解の際
に生成した中和塩とアンモニウム塩を含んでい
る。塩が析出している場合には、水を加えること
によつて溶解するかまたは過し、酢酸ブチルで
β−メルカプトプロピオン酸を抽出する。この抽
出層を蒸留に付し、β−メルカプトプロピオン酸
を分離する。 本発明によれば、β−メルカプトプロピオン酸
がアクリロニトリルと水硫化アルカリとを反応さ
せた後、中和、加水分解を行なうという簡素な工
程によつて製造できる。 また、反応は常圧で行なうことができ、反応媒
体のような第三物質を系内に存在させる必要はな
い。 加水分解後の反応液のガスクロ分析から、反応
工程での目的の収率は加えたアクリロニトリルに
対し80〜85%程度であり、抽出蒸留からなる精製
工程を経ることによつて全収率は70〜80%とな
る。 従つて本発明は工業的実用方法として好適であ
る。 次に実施例によつて本発明を更に具体的に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の
実施例に制約されるものではない。 実施例 1 70%フレークの水硫化ソーダ160g(2.0モル)
に水160gを加え溶解し、35%水硫化ソーダ水溶
液を調製した。この溶液の温度を30〜40℃に保ち
アクリロニトリル95.8g(1.8モル)を連続的に
2時間で全量滴下(1時間当りアクリロニトリ
ル/水硫化ソーダのモル比0.45で滴下)し、その
後2時間同温度に保つことによつて反応を行なつ
た。この後35%塩酸458.8gを加え温度110〜113
℃で8時間還流状態に保つた。常温まで冷却後、
水163gを加え析出している塩を溶解した後、酢
酸ブチルで抽出を行なつた。酢酸ブチル層を単蒸
留にかけ酢酸ブチルを約8割程度回収した後、そ
の釜残を別の蒸留フラスコに移し、ウイドマー分
留管で蒸留に付した。その結果ガスクロ純度
99.9wt%以上のβ−メルカプトプロピオン酸の留
分133gを得た。これは使用したアクリロニトリ
ルに対し70%の収率である。 また、水硫化ソーダ水溶液にアクリロニトリル
を加え反応を行なつた後、塩酸で中和した後の反
応液の上層(有機層)中のチオジプロピオニトリ
ルは2%(約3g)であつた(ガスクロ分析)。
このとき下層の水層には、この物質は含まれてい
なかつた。 実施例 2 実施例1と同様の方法で反応を行ない、塩酸に
よる中和の際にトリメチルアミン塩酸塩2.6gを
加えた。温度110〜113℃で5時間還流状態に保つ
た。その後実施例1と同様の操作でガスクロ純度
99.9wt%以上の留分143gを得た。これは使用し
たアクリロニトリルに対し75%の収率である。 実施例 3〜6 水硫化ソーダ(NaHS)水溶液にアクリロニト
リル(AN)を滴下する反応を次表の条件で行な
い、その後の操作については実施例1と同様の条
件で行なつた結果を次表に示す。
【表】 比較例1 (短時間滴下) 70%フレーク水硫化ソーダ40g(0.5モル)に
水40gを加え溶解した後、40〜45℃で26.5g
(0.5モル)のアクリロニトリルを30分で全量滴下
(1時間当りアクリロニトリル/水硫化ソーダの
モル比2.0で滴下)した。その後4.5時間同温度に
保つた後、35%塩酸104.3gを加えた。このとき
の反応液上層(有機層)のガスクロ分析から、チ
オジプロピオニトリルはその層中に10%(約4
g)含有していることがわかつた。その後、実施
例1と同様の操作で加水分解、抽出、蒸留を行な
つたところβ−メルカプトプロピオン酸の留分
20.5gを得た。これは使用したアクリロニトリル
に対し収率38.6%に相当する。 比較例 2 (モル比アクリロニトリル/水硫化ソーダ=
1.5) 70%フレーク水硫化ソーダ40g(0.5モル)に
水40gを加え溶解後、40.0g(0.75モル)のアク
リロニトリルを温度35〜40℃で2.5時間で全量滴
下(1時間当りアクリロニトリル/水硫化ソーダ
のモル比0.6で滴下)した。その後2.5時間同温度
に保つた後、実施例1と同様の操作を行ないβ−
メルカプトプロピオン酸の留分15.3gを得た。こ
れは、収率使用アクリロニトリルに対し19.1%に
相当する。 比較例3 (高温反応) 70%フレーク水硫化ソーダ40g(0.5モル)に
水40gを加え溶解後、26.5g(0.5モル)のアク
リロニトリルを温度70〜75℃で2時間で全量滴下
(1時間当りアクリロニトリル/水硫化ソーダの
モル比0.5で滴下)した。その後さらに2時間同
温度に保つた後、実施例1と同様の操作を実施し
たところ、β−メルカプトプロピオン酸の留分は
ほとんど取得できなかつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アクリロニトリルと水硫化アルカリを反応さ
    せるに際し、 (1) 水硫化アルカリ水溶液にアクリロニトリル
    を、1時間当り水硫化アルカリに対しモル比で
    1.0以下の割合で滴下する、 (2) アクリロニトリルの全量を水硫化アルカリに
    対してモル比で0.5〜1.1とする、 (3) 反応温度を10〜60℃に保持する、 の条件下で反応を行ない、得られたβ−メルカプ
    トプロピオニトリルのアルカリ塩を中和、加水分
    解することを特徴とするβ−メルカプトプロピオ
    ン酸の製造法。
JP8138382A 1982-05-17 1982-05-17 β−メルカプトプロピオン酸の製造法 Granted JPS58198460A (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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