JP2938208B2 - β−メルカプトカルボン酸類の製造方法 - Google Patents
β−メルカプトカルボン酸類の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はβ−メルカプトニトリル
類の加水分解によるβ−メルカプトカルボン酸類の製造
方法に関する。
類の加水分解によるβ−メルカプトカルボン酸類の製造
方法に関する。
【0002】β−メルカプトカルボン酸類は、農薬、医
薬をはじめとする有機合成品の原料として、また塩化ビ
ニルの安定剤、エポキシ樹脂やアクリル酸エステルポリ
マーの架橋剤、プラスチックレンズモノマー等の原料と
して有用な化合物である。
薬をはじめとする有機合成品の原料として、また塩化ビ
ニルの安定剤、エポキシ樹脂やアクリル酸エステルポリ
マーの架橋剤、プラスチックレンズモノマー等の原料と
して有用な化合物である。
【0003】
【従来の技術】β−メルカプトニトリル類の製造法は
α、β−不飽和ニトリル類にチオ酢酸(USP 2,6
30,452)、チオ尿素〔ジャーナル・オブ・オーガ
ニック・ケミストリー,26巻,1443頁(196
1)〕、チオ硫酸塩(特開昭59−29,658)、硫
化水素(USP 2,748,155)、水硫化ナトリ
ウム(特開昭58−198460)、硫化ナトリウム
(特公昭63−6545)を作用させるなど多数の方法
が知られている。
α、β−不飽和ニトリル類にチオ酢酸(USP 2,6
30,452)、チオ尿素〔ジャーナル・オブ・オーガ
ニック・ケミストリー,26巻,1443頁(196
1)〕、チオ硫酸塩(特開昭59−29,658)、硫
化水素(USP 2,748,155)、水硫化ナトリ
ウム(特開昭58−198460)、硫化ナトリウム
(特公昭63−6545)を作用させるなど多数の方法
が知られている。
【0004】β−メルカプトニトリル類の加水分解によ
るβ−メルカプトカルボン酸類の製法も公知であり、酸
又は塩基を加えての一般的加水分解方法が行われている
が(特開昭58−198460、特公昭63−6545
等)、収率は80%程度であり、未だ不十分である。
るβ−メルカプトカルボン酸類の製法も公知であり、酸
又は塩基を加えての一般的加水分解方法が行われている
が(特開昭58−198460、特公昭63−6545
等)、収率は80%程度であり、未だ不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、β−メ
ルカプトニトリル類の加水分解によるβ−メルカプトカ
ルボン酸類の製法を検討した結果、ニトリルのα−位に
少なくとも1個の水素原子を有するβ−メルカプトニト
リル類はその加水分解において多量のβ,β’−チオジ
カルボン酸類が副生する問題のあることが判った。
ルカプトニトリル類の加水分解によるβ−メルカプトカ
ルボン酸類の製法を検討した結果、ニトリルのα−位に
少なくとも1個の水素原子を有するβ−メルカプトニト
リル類はその加水分解において多量のβ,β’−チオジ
カルボン酸類が副生する問題のあることが判った。
【0006】塩酸、硫酸等の鉱酸水溶液での加水分解は
80℃以上の比較的高温を要するためβ−メルカプトニ
トリル類からの脱硫化水素が起こり、α,β−不飽和ニ
トリル類が生成し、これに系内のβ−メルカプトニトリ
ル類又はβ−メルカプトカルボン酸類が付加し、続く加
水分解によりβ,β’−チオジカルボン酸類が副生する
ものと考えられる。
80℃以上の比較的高温を要するためβ−メルカプトニ
トリル類からの脱硫化水素が起こり、α,β−不飽和ニ
トリル類が生成し、これに系内のβ−メルカプトニトリ
ル類又はβ−メルカプトカルボン酸類が付加し、続く加
水分解によりβ,β’−チオジカルボン酸類が副生する
ものと考えられる。
【0007】水酸化ナトリウム水溶液等による塩基加水
分解は80℃以下の低温でも進行するが、β−メルカプ
トニトリル類のα−位活性水素原子の存在により塩基性
下メルカプト基が脱離し易く、酸加水分解と同様にα,
β−不飽和ニトリル類が生成しβ,β’−チオジカルボ
ン酸類の副生につながるものと考えられる。
分解は80℃以下の低温でも進行するが、β−メルカプ
トニトリル類のα−位活性水素原子の存在により塩基性
下メルカプト基が脱離し易く、酸加水分解と同様にα,
β−不飽和ニトリル類が生成しβ,β’−チオジカルボ
ン酸類の副生につながるものと考えられる。
【0008】従って、β−メルカプトニトリル類からβ
−メルカプトカルボン酸類を高収率で製造する為には、
β,β’−チオジカルボン酸類の副生を抑制することが
重要な課題となる。
−メルカプトカルボン酸類を高収率で製造する為には、
β,β’−チオジカルボン酸類の副生を抑制することが
重要な課題となる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、α−位に
少なくとも1個の水素原子を有するβ−メルカプトニト
リル類の塩基性加水分解を鋭意検討した結果、β−メル
カプトニトリル類は塩基性下にメルカプト基が脱離し易
いが、目的物であるβ−メルカプトカルボン酸類は塩基
性下でも十分安定でメルカプト基の脱離はほとんど起こ
らないことを見出した。
少なくとも1個の水素原子を有するβ−メルカプトニト
リル類の塩基性加水分解を鋭意検討した結果、β−メル
カプトニトリル類は塩基性下にメルカプト基が脱離し易
いが、目的物であるβ−メルカプトカルボン酸類は塩基
性下でも十分安定でメルカプト基の脱離はほとんど起こ
らないことを見出した。
【0010】この知見をもとにさらに検討し、β−メル
カプトニトリル類と無機塩基水溶液を一括混合して加水
分解するのではなく、無機塩基水溶液中にβ−メルカプ
トニトリル類を徐々に加え、すみやかにβ−メルカプト
カルボン酸類に加水分解し、系内でのβ−メルカプトニ
トリル類の滞留時間を短くすることでβ,β’−チオジ
カルボン酸類の副生を大幅に抑制出来る加水分解方法を
確立し、本発明を完成するに至った。
カプトニトリル類と無機塩基水溶液を一括混合して加水
分解するのではなく、無機塩基水溶液中にβ−メルカプ
トニトリル類を徐々に加え、すみやかにβ−メルカプト
カルボン酸類に加水分解し、系内でのβ−メルカプトニ
トリル類の滞留時間を短くすることでβ,β’−チオジ
カルボン酸類の副生を大幅に抑制出来る加水分解方法を
確立し、本発明を完成するに至った。
【0011】本発明に使用されるα−位に少なくとも1
個の水素原子を有するβ−メルカプトニトリル類とは、
一般式(1)(化3)
個の水素原子を有するβ−メルカプトニトリル類とは、
一般式(1)(化3)
【0012】
【化3】
【0013】〔式中、R1、R2、R3は水素原子、C1〜
C3の低級アルキル基又はフェニル基を表す。〕で示さ
れる化合物である。
C3の低級アルキル基又はフェニル基を表す。〕で示さ
れる化合物である。
【0014】具体的に例示すれば、3−メルカプトプロ
ピオニトリル、3−メルカプト−2−メチルプロピオニ
トリル、3−メルカプト−2−プロピルプロピオニトリ
ル、3−メルカプト−2−フェニルプロピオニトリル、
3−メルカプトブチロニトリル、3−メルカプトヘキサ
ンニトリル、3−メルカプト−3−フェニルプロピオニ
トリル、3−メルカプト−3−フェニル−2−メチルプ
ロピオニトリル、3−メルカプト−3−フェニルブチロ
ニトリル、3−メルカプト−2−エチルヘキサンニトリ
ル等が挙げられる。
ピオニトリル、3−メルカプト−2−メチルプロピオニ
トリル、3−メルカプト−2−プロピルプロピオニトリ
ル、3−メルカプト−2−フェニルプロピオニトリル、
3−メルカプトブチロニトリル、3−メルカプトヘキサ
ンニトリル、3−メルカプト−3−フェニルプロピオニ
トリル、3−メルカプト−3−フェニル−2−メチルプ
ロピオニトリル、3−メルカプト−3−フェニルブチロ
ニトリル、3−メルカプト−2−エチルヘキサンニトリ
ル等が挙げられる。
【0015】これらのβ−メルカプトニトリル類は公知
のいずれの方法により得られたものでも良く、そのまま
或いは水溶液として使用しても良い。さらには、これら
β−メルカプトニトリル類をナトリウム等の金属塩とし
水溶液の形態で使用しても良い。特に対応するα,β−
不飽和ニトリルへの水硫化ソーダ等の付加により製造さ
れたβ−メルカプトニトリル類の金属塩水溶液はβ−メ
ルカプトニトリル類を単離することなく反応液のまま使
用するのに好適である。
のいずれの方法により得られたものでも良く、そのまま
或いは水溶液として使用しても良い。さらには、これら
β−メルカプトニトリル類をナトリウム等の金属塩とし
水溶液の形態で使用しても良い。特に対応するα,β−
不飽和ニトリルへの水硫化ソーダ等の付加により製造さ
れたβ−メルカプトニトリル類の金属塩水溶液はβ−メ
ルカプトニトリル類を単離することなく反応液のまま使
用するのに好適である。
【0016】本発明に使用される無機塩基水溶液として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金
属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカ
リ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム
等のアルカリ金属炭酸水素塩の水溶液が使用されるが、
反応速度が速いことからアルカリ金属水酸化物が好まし
い。
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金
属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカ
リ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム
等のアルカリ金属炭酸水素塩の水溶液が使用されるが、
反応速度が速いことからアルカリ金属水酸化物が好まし
い。
【0017】無機塩基の使用量はβ−メルカプトニトリ
ル類に対して2〜5当量が好ましい。2当量より少ない
と加水分解速度が遅く、5当量より多い使用は反応後の
中和に要する酸の使用量も増加し不経済となる。
ル類に対して2〜5当量が好ましい。2当量より少ない
と加水分解速度が遅く、5当量より多い使用は反応後の
中和に要する酸の使用量も増加し不経済となる。
【0018】β−メルカプトニトリル類をナトリウム塩
等の塩の形態で使用する場合には、無機塩基の使用量は
1〜4当量で良い。
等の塩の形態で使用する場合には、無機塩基の使用量は
1〜4当量で良い。
【0019】また、無機塩基水溶液の濃度は5〜50%
とするのが好ましい。濃度が5%より低いと容積効率が
悪化し、50%を越えると反応液粘度が高すぎ攪拌に支
障を起こす場合がある。
とするのが好ましい。濃度が5%より低いと容積効率が
悪化し、50%を越えると反応液粘度が高すぎ攪拌に支
障を起こす場合がある。
【0020】加水分解温度は20〜80℃の範囲が好ま
しく、20℃未満では加水分解に長時間を要し、80℃
を越えると本発明の方法によってもβ,β’−チオジカ
ルボン酸類の副生が多くなり好ましくない。
しく、20℃未満では加水分解に長時間を要し、80℃
を越えると本発明の方法によってもβ,β’−チオジカ
ルボン酸類の副生が多くなり好ましくない。
【0021】β−メルカプトニトリル類を無機塩基水溶
液に加える速度は、加水分解温度、無機塩基の種類と濃
度及びβ−メルカプトニトリル類の種類により適宜選択
されるが、2〜20時間を要し徐々に加えるのが好まし
い。2時間未満の早い速度で加えるとβ,β’−チオジ
カルボン酸の副生が増加し好ましくない。20時間以上
を要して加えても特に効果は無く、生産性の面からは好
ましくない。
液に加える速度は、加水分解温度、無機塩基の種類と濃
度及びβ−メルカプトニトリル類の種類により適宜選択
されるが、2〜20時間を要し徐々に加えるのが好まし
い。2時間未満の早い速度で加えるとβ,β’−チオジ
カルボン酸の副生が増加し好ましくない。20時間以上
を要して加えても特に効果は無く、生産性の面からは好
ましくない。
【0022】また、加水分解はβ−メルカプトニトリル
類及びβ−メルカプトカルボン酸類の酸化によるジスル
フィド化合物の副生を抑制する為に不活性ガス、例えば
窒素雰囲気下で実施するのが好ましい。
類及びβ−メルカプトカルボン酸類の酸化によるジスル
フィド化合物の副生を抑制する為に不活性ガス、例えば
窒素雰囲気下で実施するのが好ましい。
【0023】加水分解後の反応液中にはβ−メルカプト
カルボン酸類はアルカリ金属塩として存在する。したが
って、β−メルカプトカルボン酸の単離は、まず酸を加
えて中和後、有機溶媒で抽出し、抽出液を脱溶媒後蒸留
する一般的方法で行うことが出来る。中和に使用する酸
としては塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸が好適に使用され
る。
カルボン酸類はアルカリ金属塩として存在する。したが
って、β−メルカプトカルボン酸の単離は、まず酸を加
えて中和後、有機溶媒で抽出し、抽出液を脱溶媒後蒸留
する一般的方法で行うことが出来る。中和に使用する酸
としては塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸が好適に使用され
る。
【0024】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を詳し
く説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。
く説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。
【0025】実施例1 3−メルカプトプロピオニトリル(87.1g)を60
℃に保った30%水酸化ナトリウム水溶液(400g)
中に攪拌しながら8時間で滴下した後、同温度で1時間
攪拌した。 高速液体クロマトグラフィーによる定量分
析の結果、3−メルカプトプロピオン酸(103g、,
97%)、3,3’−チオジプロピオン酸(2.7
g, 3%)が生成していた。
℃に保った30%水酸化ナトリウム水溶液(400g)
中に攪拌しながら8時間で滴下した後、同温度で1時間
攪拌した。 高速液体クロマトグラフィーによる定量分
析の結果、3−メルカプトプロピオン酸(103g、,
97%)、3,3’−チオジプロピオン酸(2.7
g, 3%)が生成していた。
【0026】室温まで冷却後、35%塩酸365gを加
え、クロロホルム100gで3回抽出した。有機層を合
わせ、溶媒を減圧で除去し、残渣を108−110℃/
15Torrで減圧蒸留し、純度99.8%の3−メル
カプトプロピオン酸(101g, 95%)を得た。
結果を表1にまとめた。
え、クロロホルム100gで3回抽出した。有機層を合
わせ、溶媒を減圧で除去し、残渣を108−110℃/
15Torrで減圧蒸留し、純度99.8%の3−メル
カプトプロピオン酸(101g, 95%)を得た。
結果を表1にまとめた。
【0027】実施例2〜11 種々のβ−メルカプトニトリル類を表1に示す条件で加
水分解し、加水分解後の生成物を高速液体クロマトグラ
フィーにより定量した。結果を表1にまとめた。
水分解し、加水分解後の生成物を高速液体クロマトグラ
フィーにより定量した。結果を表1にまとめた。
【0028】
【表1】
【0029】実施例12 70%水硫化ナトリウム80g(1.0モル)に水80
gを加えて溶解した後、40〜45℃に保ちながらアク
リロニトリル53g(1.0モル)を30分間で滴下
し、同温度で6時間攪拌を続けた。反応液を液体クロマ
トグラフィーで分析したところ、3−メルカプトプロピ
オニトリル94%、3,3’−ジチオジプロピオニトリ
ル2%、3−メルカプトプロピオン酸4%が生成してい
た。
gを加えて溶解した後、40〜45℃に保ちながらアク
リロニトリル53g(1.0モル)を30分間で滴下
し、同温度で6時間攪拌を続けた。反応液を液体クロマ
トグラフィーで分析したところ、3−メルカプトプロピ
オニトリル94%、3,3’−ジチオジプロピオニトリ
ル2%、3−メルカプトプロピオン酸4%が生成してい
た。
【0030】この反応液を50〜60℃に保った49%
水酸化ナトリウム水溶液320g(3.9モル)中に攪
拌しながら8時間で加え、続いて同温度で1時間攪拌し
た。加水分解反応液を液体クロマトグラフィーで分析し
たところ、反応収率は3−メルカプトプロピオン酸95
%、3,3’−チオジプロピオン酸3%、3,3’−ジ
チオジプロピオン酸2%であった。
水酸化ナトリウム水溶液320g(3.9モル)中に攪
拌しながら8時間で加え、続いて同温度で1時間攪拌し
た。加水分解反応液を液体クロマトグラフィーで分析し
たところ、反応収率は3−メルカプトプロピオン酸95
%、3,3’−チオジプロピオン酸3%、3,3’−ジ
チオジプロピオン酸2%であった。
【0031】比較例1 3−メルカプトプロピオニトリル(87.1g)と30
%水酸化ナトリウム水溶液(400g)を一括混合し、
60℃で5時間攪拌した。高速液体クロマトグラフィー
による定量分析の結果、3−メルカプトプロピオン酸
(84g, 79%)と共に3,3’−チオジプロピオ
ン酸(19g, 21%)が多量に副生していた。
%水酸化ナトリウム水溶液(400g)を一括混合し、
60℃で5時間攪拌した。高速液体クロマトグラフィー
による定量分析の結果、3−メルカプトプロピオン酸
(84g, 79%)と共に3,3’−チオジプロピオ
ン酸(19g, 21%)が多量に副生していた。
【0032】比較例2 3−メルカプトプロピオニトリル(87.1g)と35
%塩酸(230g)を一括混合し、110〜113℃で
8時間還流状態に保った。高速液体クロマトグラフィー
高速液体クロマトグラフィーによる定量分析の結果、3
−メルカプトプロピオン酸(91g, 86%)と共に
3,3’−チオジプロピオン酸(12.5g, 14
%)が多量に副生していた。
%塩酸(230g)を一括混合し、110〜113℃で
8時間還流状態に保った。高速液体クロマトグラフィー
高速液体クロマトグラフィーによる定量分析の結果、3
−メルカプトプロピオン酸(91g, 86%)と共に
3,3’−チオジプロピオン酸(12.5g, 14
%)が多量に副生していた。
【0033】
【発明の効果】α−位に少なくとも1個の水素原子を有
するβ−メルカプトニトリル類を無機塩基水溶液中に徐
々に加えながら加水分解することによりβ,β’−チオ
ジカルボン酸の副生を抑制することが出来、90%以上
の高収率でβ−メルカプトカルボン酸類を製造すること
が出来る。
するβ−メルカプトニトリル類を無機塩基水溶液中に徐
々に加えながら加水分解することによりβ,β’−チオ
ジカルボン酸の副生を抑制することが出来、90%以上
の高収率でβ−メルカプトカルボン酸類を製造すること
が出来る。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 323/52 C07C 319/12 C07C 323/51
Claims (1)
- 【請求項1】一般式(1)(化1) 【化1】 〔R1、R2、R3は水素原子、C1〜C3の低級アルキル
基又はフェニル基を表す。〕で示されるβ−メルカプト
ニトリル類を、20〜80℃に保ったアルカリ金属水酸
化物・炭酸塩・炭酸水素塩から選ばれる無機塩基水溶液
中に徐々に加え加水分解することを特徴とする一般式
(2)(化2) 【化2】 〔R1、R2、R3は水素原子、C1〜C3の低級アルキル
基又はフェニル基を表す。〕で示されるβ−メルカプト
カルボン酸類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7099291A JP2938208B2 (ja) | 1991-04-03 | 1991-04-03 | β−メルカプトカルボン酸類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7099291A JP2938208B2 (ja) | 1991-04-03 | 1991-04-03 | β−メルカプトカルボン酸類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04305563A JPH04305563A (ja) | 1992-10-28 |
JP2938208B2 true JP2938208B2 (ja) | 1999-08-23 |
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ID=13447551
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7099291A Expired - Fee Related JP2938208B2 (ja) | 1991-04-03 | 1991-04-03 | β−メルカプトカルボン酸類の製造方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2938208B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20120097330A (ko) * | 2011-02-24 | 2012-09-03 | 주식회사 케이오씨솔루션 | 메르캅토카르본산의 제조 방법 및 이를 이용한 메르캅토기를 갖는 카르본산 에스테르 화합물 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001064251A (ja) * | 1999-08-23 | 2001-03-13 | Sakai Chem Ind Co Ltd | メルカプトカルボン酸類の製造方法 |
CA2714873A1 (en) * | 2002-03-21 | 2003-10-02 | Schering Aktiengesellschaft | Plasma carboxypeptidase b inhibitors |
JP5492876B2 (ja) | 2009-04-30 | 2014-05-14 | 三井化学株式会社 | 3−メルカプトプロピオン酸またはその塩を製造する方法 |
CN114647094B (zh) * | 2022-05-23 | 2022-08-05 | 人民百业科技有限公司 | 一种能实现显示屏裸眼3d效果的斜纹光学膜及其制备方法 |
-
1991
- 1991-04-03 JP JP7099291A patent/JP2938208B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20120097330A (ko) * | 2011-02-24 | 2012-09-03 | 주식회사 케이오씨솔루션 | 메르캅토카르본산의 제조 방법 및 이를 이용한 메르캅토기를 갖는 카르본산 에스테르 화합물 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04305563A (ja) | 1992-10-28 |
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