JP5492876B2 - 3−メルカプトプロピオン酸またはその塩を製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、3−メルカプトプロピオン酸またはその塩を製造する方法に関する。
3−メルカプトプロピオン酸は、農薬、医薬をはじめとする有機合成品の原料、塩化ビニルの安定剤、または、エポキシ樹脂若しくはアクリル酸エステルポリマーの架橋剤、または、プラスチックレンズモノマー等の原料として有用な化合物である。
3−メルカプトプロピオニトリルの加水分解による3−メルカプトプロピオン酸の製造方法は公知であり、酸又は塩基を加えて、化学的に加水分解をする方法が行われている(例えば、特許文献1、2)。また、特許文献6、7には、アクリロニトリルから化学的に3−メルカプトプロピオン酸を合成する方法が記載されている。
また、微生物を用いた温和な条件でニトリル化合物やアミド化合物を加水分解する方法も多数報告されている(例えば、非特許文献1乃至3、特許文献3、特許文献4)。特許文献5には、微生物を用いて3−メルカプトプロピオニトリルを加水分解する方法が記載されている。
特開平4−305563号公報 特開2001−187778号公報 特開2008−022706号公報 特開2005−176639号公報 特開昭58−201992号公報 中国特許公開公報CN1793117A 中国特許公開公報CN101125827A
Journal of Applied Microbiology.95,1161−1174(2003) Journal of Applied Microbiology.91,381−393(2001) Archieves of Microbiology(1984)138,315−320
化学的方法では、加水分解条件を最適化することで高い反応収率を与える一方、チオジプロピオン酸等の副生成物を生成してしまう。このような化合物は、蒸留操作等を用いた副生成物の分離工程が必要となる。したがって、上記の化学的方法は、工業的には必ずしも優れた方法とはいえない。
酵素反応は、温和な条件で反応できるため、工業的に優れた方法である。しかしながら、3−メルカプトプロピオン酸の酵素的製造方法については、具体的に明らかにされていない。特許文献5には、得られる3−メルカプトプロピオン酸の純度において明らかにされておらず、工業的に有用であるかどうか不明である。加えて、特許文献5には、反応に関与する酵素が具体的に明らかにされていないため、3−メルカプトプロピオン酸の製造工程の改良が困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、3−メルカプトプロピオン酸を酵素反応により工業的に製造する方法を提供することにある。
即ち、本発明は、以下のとおりのものである。
[1]ニトリルヒドラターゼを用いて、一般式(3)で示されるニトリルまたはその塩から一般式(1)で示されるアミドまたはその塩を製造し、アミダーゼを用いて、前記アミドまたはその塩から一般式(2)で示されるカルボン酸またはその塩を製造する方法であって、
反応液中の一般式(1)で示される前記アミドまたはその塩、および、一般式(3)で示される前記ニトリルまたはその塩の少なくとも一方の濃度が、11重量%以上17重量%以下であり、
前記ニトリルヒドラターゼが、シュードノカルディア属の細菌に由来する酵素であり、
前記アミダーゼが、アミダーゼシグニチャーファミリーに属する酵素である、一般式(2)で示されるカルボン酸またはその塩を製造する方法
(一般式(1)中、Xは、H、S−C −CONH、S−C −COOH、カチオンのいずれかを表す。XがHまたはS−C −CONHまたはS−C −COOHのときnは1であり、XがカチオンのときnはXの価数と同一の整数を表す。)
(一般式(2)中、Yは、H、S−C −COOHのいずれかを表す。)
(一般式(3)中、Zは、H、S−C −CN、S−C −CONH、カチオンのいずれかを表す。ZがHまたはS−C −CONHのときnは1であり、ZがカチオンのときnはZの価数と同一の整数を表す。)

]ニトリルヒドラターゼ及びアミダーゼの存在下、一般式(3)で示されるニトリルまたはその塩から一般式(2)で示されるカルボン酸またはその塩を製造する[]に記載の方法
[3]一般式(3)で示されるニトリルまたはその塩がアクリロニトリルと硫黄原子を含む化合物とを反応させて得られるものであることを特徴とする[または2]に記載の方法。
]前記硫黄原子を含む化合物が水硫化ナトリウムである、[]に記載の方法
[5][1]乃至[]いずれか1項に記載の方法を用いて一般式(2)記載のカルボン酸を製造する工程と、
得られた前記カルボン酸とペンタエリスリトールとをエステル化反応させる工程と、
を含むペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)の製造方法。
][]に記載の方法を用いてペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネートを製造する工程と、
得られたペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を単重合又は共重合した後、硬化する工程と、
を含む光学材料の製造方法
この発明によれば、アミダーゼを用いて、一般式(1)で示されるアミドまたはその塩から3−メルカプトプロピオン酸またはその塩を製造する。これにより、化学合成法よりも副生成物を低減できるため、精製工程を簡略化することができる。したがって、効率よく3−メルカプトプロピオン酸またはその塩を製造することができる。
本発明によれば、3−メルカプトプロピオン酸またはその塩を工業的に効率よく製造することができる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
実施例を説明する図である。
本発明における3−メルカプトプロピオニトリル誘導体とは、上記一般式(3)で示される3−メルカプトプロピオニトリル誘導体であり、一般式(3)中、Zは、H、S−C−CN、S−C−CONH、カチオンのいずれかを表す化合物である。
本発明における3−メルカプトプロピオンアミド誘導体とは、上記一般式(1)で示される3−メルカプトプロピオンアミド誘導体であり、一般式(1)中、Xは、H、S−C−CONH、S−C−COOH、カチオンのいずれかを表す化合物である。
本発明における3−メルカプトプロピオン酸誘導体とは、一般式(2)で示される3−メルカプトプロピオン酸誘導体であり、一般式(2)中、Yは、H、S−C−COOHのいずれかを表す化合物である。
(第1の実施形態)
本実施形態は、アミダーゼを用いて、一般式(1)で示される3−メルカプトプロピオンアミド誘導体(ただし、一般式(1)中、Xは、H、1価、2価または3価のカチオンである。)から一般式(2)で示されるカルボン酸またはその塩を製造する方法である。本実施形態において、nは、1〜3であり、n=1のとき、一般式(1)中、XはH、1価のカチオンであり、一般式(1)中n=2のとき、Xは、2価のカチオンであり、n=3のとき、Xは、3価のカチオンである。具体的には、1価のカチオンとして、例えば、アルカリ金属イオン、または、アンモニウムイオンを用いることができ、アルカリ金属イオンとしては、Li、Na、K、Rb、Csが挙げられる。2価のカチオンとしては、Be2+、Mg2+、または、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ra2+のアルカリ土類金属イオンが挙げられる。3価のカチオンとしては、Al3+が挙げられる。また、一般式(2)中、Yは、Hであるが、一般式(1)のXに対応する対イオンを備えたカルボキシラートやチオラートを形成していてもよい。
本実施形態の反応式の一例を下記反応式(4)で表す。反応式(4)では、3−メルカプトプロピオンアミドまたはその塩を用いて、3−メルカプトプロピオン酸を製造する方法の例を示す。反応式(4)中、X、Yは、1価のカチオンを用いることが好ましい。
アミダーゼとは、アミド化合物のアミド基に作用し、アミド基を加水分解してカルボキシル基とする酵素をいう。アミダーゼは、アミダーゼの活性中心がリジン、セリン、セリンであるアミダーゼシグニチャー(amidase signature、AS)ファミリーと呼ばれる一群(例えば、脂肪酸アミドのアミダーゼ、THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY、Vol.275、No.25、Issue of June 23、pp.19177-19184、2000、以下「参考文献1」という。)システインであるもの(例えばPseudomonas aeruginosaのアミダーゼ,FEBS Lett.,1995,pp275)が知られている。活性中心がリジン、セリン、セリンであるASファミリーと呼ばれる一群とは、前記参考文献1のFig.1に示されている、各種アミダーゼのアミノ酸配列として保存性の高いアミノ酸配列中のリジン、セリン、セリンが活性に必須であり、上記のアミノ酸を他のアミノ酸に変換することで活性が完全に消失するアミダーゼの一群である。
本実施形態において、アミダーゼは、微生物(細菌、酵母など)、植物、かび、動物、昆虫等どのような起源のアミダーゼであっても構わない。アミダーゼを生産することが知られている微生物としては、例えば、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ノカルディア(Nocardia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、バチルス(Bacillus)属、バクテリディウム(Bacteridium)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、マイクロコッカス(Micrococcus)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、エアロモナス(Aeromonas)属、シトロバクター(Citrobacter)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、エルウィニア(Erwinia)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、ストレプトミセス(Streptomyces)属、リゾビウム(Rhizobium)属、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属、アシドフィリウム(Acidphilium)属、ポラロモナス(Polaromonas)属、スルフォロバス(Sulfolobus)属等に属する微生物が挙げられる。
より効率的に加水分解できるアミダーゼとしては、アミダーゼの活性中心がリジン、セリン、セリンであるASファミリーと呼ばれる一群のアミダーゼである。アミダーゼの活性中心がリジン、セリン、セリンであるASファミリーと呼ばれる一群であるアミダーゼを生産する細菌として、Pseudomonas putida NBRC12668、Pseudonocardia thermophila JCM3095、Pseudomonas chlororaphis B23、Acidiphilium crytum JF−5を挙げることができる。本発明者らの知見によれば、3−メルカプトプロピオンアミドは酵素活性を阻害することがあるが、ASファミリーに属するアミダーゼは、3−メルカプトプロピオンアミドによる阻害を受けにくいため、好適に使用することができる。中でも、高度好熱菌及び超高度好熱菌に属さない生物由来のASファミリーに属するアミダーゼは、大腸菌等の常温で生育する宿主において使用する場合では、アミダーゼを発現させるのが容易である量ため、より好ましい。特にPseudomonas putida NBRC12668、Pseudonocardia thermophila JCM3095に由来するアミダーゼを用いることが好ましい。Pseudomonas putida NBRC12668由来のアミダーゼのアミノ酸配列およびDNA配列を配列表の配列番号1、2に示す。
また、本実施形態では、アミダーゼの活性中心がリジン、セリン、セリンであるASファミリーと呼ばれる一群のアミダーゼにおいて、そのアミノ酸配列の一部が置換、挿入、欠失していても酵素活性を保持している限りアミダーゼとして使用することができる。具体的には、Pseudomonas putida NBRC12668由来のアミダーゼのアミノ酸配列の一部が置換されたアミダーゼも利用することができる。
例えば、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列において、51番目のIleがThr、146番目のLeuがVal、149番目のAlaがGly、181番目のAlaがSer、186番目のLeuがIle、190番目のGlyがThr、262番目のValがAla、280番目のIleがVal、295番目のGlyがAla、317番目のValがIle、356番目のAlaがGly、379番目のMetがLeu、384番目がPheがTyr、400番目のIleがLeu、442番目のSerがAla、447番目のMetがThr、448番目のLeuがIle、469番目のValがLeu、480番目のGlyがAla、及び、498番目のAlaがSerとなるアミノ酸置換より選ばれる少なくとも1つのアミノ酸の置換を含み、かつ、アミダーゼ活性を有するアミダーゼ変異体を利用することができる。
なお、本明細書において、アミノ酸、ペプチド、タンパク質は下記に示すIUPAC−IUB生化学命名委員会(CBN)で採用された略号を用いて表される。また、特に明示しない限りペプチド及びタンパク質のアミノ酸残基の配列は、左端から右端にかけてN末端からC末端となるように、またN末端が1番になるように表される。
A=Ala=アラニン、C=Cys=システイン、
D=Asp=アスパラギン酸、E=Glu=グルタミン酸、
F=Phe=フェニルアラニン、G=Gly=グリシン、
H=His=ヒスチジン、I=Ile=イソロイシン、
K=Lys=リシン、L=Leu=ロイシン、
M=Met=メチオニン、N=Asn=アスパラギン、
P=Pro=プロリン、Q=Gln=グルタミン、
R=Arg=アルギニン、S=Ser=セリン、
T=Thr=スレオニン、V=Val=バリン、
W=Trp=トリプトファン、Y=Tyr=チロシン、
本実施形態のアミダーゼとして、アミダーゼを産生するように形質転換された形質転換体を用いることもできる。この形質転換体は、遺伝子データベースGenBankなどに登録されているアミダーゼをコードする遺伝子を発現ベクターにクローニングすることでアミダーゼをコードするDNA及びこのDNAにハイブリダイズするDNAを得ることができる。クローニングする際のベクターとしては、宿主微生物内で自律的に増殖し得るファージまたはプラスミドから遺伝子組換え用として構築されたものが適している。ファージとしては、例えばエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)を宿主細菌とする場合にはLambda gt10、Lambda gt11などが例示することができる。また、プラスミドとしては、例えば、Escherichia coliを宿主細菌とする場合には、pBTrp2、pBTac1、pBTac2(いずれもBoehringer Mannheim社製)、pKK233−2(Pharmacia社製)、pSE280(Invitrogen社製)、pGEMEX−1(Promega社製)、pQE−8(QIAGEN社製)、pQE−30(QIAGEN社製)、pBluescriptII SK+、pBluescriptII SK(−)(Stratagene社製)、pET−3(Novagen社製)、pUC18(宝酒造社製)、pSTV28(宝酒造社製)、pSTV29(宝酒造社製)、pUC118(宝酒造社製)等を例示することができる。なお、宿主と異なる菌由来の酵素を遺伝子組換え等により導入し発現させる場合、コドンユーセージ(codon usage)を宿主に合うように改変して使用した方がより好ましい。
プロモーターとしては、宿主細胞中でアミダーゼを発現できるものであればいかなるものでもよい。例えば、trpプロモーター(Ptrp)、lacプロモーター(Plac)、Pプロモーター、Pプロモーター、PSEプロモーター等の、Eschenchia coliやファージ等に由来するプロモーターをあげることができる。またtacプロモーター、lacT7プロモーターのように人為的に設計改変されたプロモーター等も用いることができる。さらにバチルス属細菌中で発現させるためにNpプロモーター(特公平8−24586号公報)なども用いることができる。
リボソーム結合配列としては、宿主細胞中でアミダーゼを発現できるものであればいかなるものでもよいが、シャイン−ダルガノ(Shine−Dalgarno)配列と開始コドンとの間を適当な距離(例えば6〜18塩基)に調節したプラスミドを用いることが好ましい。
転写・翻訳を効率的に行うため、該タンパク質活性を有する蛋白質のN末端またはその一部を欠失した蛋白質と発現ベクターのコードする蛋白質のN末端部分を融合させた蛋白質を発現させてもよい。
形質転換体を培養するための培地は、当該形質転換体が増殖し得る培地であれば特に制限はない。培地としては、通常、炭素源、窒素源、その他の養分などを含む液体培地が使用される。
培地の炭素源としては、例えば、グルコース、シュクロース、デンプンなどの糖類、ソルビトール、メタノール、エタノール、グリセロールなどのアルコール類、フマル酸、クエン酸、酢酸などの有機酸類及びその塩類、パラフィンなどの炭化水素類、並びにこれらの混合物などが挙げられる。
培地の窒素源としては、例えば、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどの無機酸のアンモニウム塩、フマル酸アンモニウムなどの有機酸のアンモニウム塩、肉エキス、酵母エキス、尿素、アミノ酸などの有機又は無機含窒素化合物、並びにこれらの混合物などが挙げられる。
また培地には、塩化マグネシウム、塩化第二鉄などの無機塩類、微量金属塩、ビタミン類などの通常の培養に用いられる栄養源を適宜添加しても良い。また、必要に応じて、形質転換体の増殖を促進する因子、培地のpH保持に有効な緩衝物質などを添加してもよい。
形質転換体の培養は、生育に適した条件下、例えば、培地のpH2〜12、好ましくはpH4〜10、温度5〜50℃、好ましくは20〜50℃で行うことができる。形質転換体の培養は、形質転換体の種類にもよるが、嫌気性又は好気性条件下の何れで行うことができるが、好気性条件下で行うことがより好ましい。培養時間は、例えば、1〜240時間程度、好ましくは5〜120時間程度、さらに好ましくは12〜72時間程度である。
培養した形質転換体は、そのまま反応に用いてもよいし、種々の処理を施してから反応に利用してもよい。この処理としては、例えば、形質転換体の破砕処理、凍結乾燥処理、抽出処理等がある。抽出処理は、超音波法、凍結融解法、リゾチーム法などの慣用の方法を利用することができる。このような処理を行うことで、形質転換体からアミダーゼを取り出すことができる。得られたアミダーゼは、未精製のまま用いてもよいし、精製してから用いてもよい。
例えば、培養液から遠心分離などにより分離した形質転換体を、水などで洗浄した後、pH値が酵素の安定領域にある緩衝液に懸濁し、低温(3〜18℃、好ましくは、3〜10℃)下にフレンチプレスまたは超音波等で処理して形質転換体を破砕する。そして、遠心分離などにより形質転換体の破片を分離除去し、得られた形質転換体の抽出液を常法により硫安分割し、透析してアミダーゼの粗抽出液を得る。このアミダーゼの粗抽出液を、例えばセファデックスG−200などを用いたカラムクロマトグラフィーに付す方法等により高純度のアミダーゼを得ることができる。
また、界面活性剤やトルエンなどの有機溶媒によって、細胞膜の透過性を変化させた形質転換体などを用いることもできる。
また、ポリアクリルアミドゲル法などの慣用の方法により形質転換体やアミダーゼを固定化して用いてもよい。
3−メルカプトプロピオンアミドまたはその塩から3−メルカプトプロピオン酸を生成する反応条件としては、温度は0℃から50℃が好ましく、より好ましくは0℃から40℃である。さらに好ましくは、5℃から35℃である。反応pHは3.0から10.0、好ましくは6.0から8.0である。pHを調整する際に使用する酸は塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸や酢酸などの有機酸を使用することができる。反応溶媒は、水、メタノール、エタノール、などのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの脂肪酸エステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物を用いることができるが、水を用いると特に好ましい。反応液中の3−メルカプトプロピオンアミドの濃度は、好ましくは、1重量%以上とすることができるが、11重量%以上とすると工業的により有利であり、13重量%以上がさらに好ましい。また、反応液中の3−メルカプトプロピオンアミドの濃度は、50重量%以下とすることができるが、17重量%以下とするとより好ましい。この段落でいう反応液とは、反応基質である3−メルカプトプロピオンアミドが反応溶媒に溶解しているもの、反応溶媒中で分散しているもの、及び、反応溶媒と相分離しているものをいずれも含むものである。また、ここでいう濃度とは、3−メルカプトプロピオンアミドが反応溶媒にすべて溶解するとした場合の濃度を意味し、現実に3−メルカプトプロピオンアミドは反応溶媒に完全に溶解していても良いし、溶解していない状態であってもよい。反応時間は、通常10時間から80時間程度である。反応に際して反応液は窒素等の不活性ガスなどで置換し、気相に関しても不活性ガスで置換することが望ましい。
得られる3−メルカプトプロピオン酸は、溶媒抽出により分離することができる。好ましい溶媒は、生成物のカルボキシル基を溶解し、水と混合しない適当な極性有機溶媒である。このような溶媒の例には、酢酸ブチル、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、塩化メチレン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等を挙げることができる。更に蒸留等による一般的な方法を用いて単離することができる。本実施の形態においては、得られる3−メルカプトプロピオン酸の純度が高いため、煩雑な精製工程を経なくても3−メルカプトプロピオン酸を単離することができる。たとえば、反応液に酸を加えることで、3−メルカプトプロピオン酸と水とが分離するため、3−メルカプトプロピオン酸相を回収するだけで3−メルカプトプロピオン酸を得ることもできる。また、3−メルカプトプロピオン酸相の液量が少ない時は、上述のように極性有機溶媒を用いた溶媒抽出により分離してもよい。このとき、酸としては塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸を好適に使用することができる。また、3−メルカプトプロピオン酸を大気圧下または減圧下に蒸留を行って精製をすることもできる。
つづいて、本実施形態の作用効果について説明する。この発明によれば、アミダーゼを用いて、3−メルカプトプロピオンアミドまたはその塩から3−メルカプトプロピオン酸を製造する。これにより、副生成物を低減することができ、精製工程を簡略化することができる。したがって、工業的に効率よく3−メルカプトプロピオン酸を製造することができる。
副生成物として化学式(5)の化合物が知られている。化学式(5)はチオジプロピオン酸である。化学法によれば、これらの副生成物を低減することができなかった。そのため、3−メルカプトプロピオン酸の精製工程を煩雑にしていた。一方、本実施形態のように、アミダーゼを用いて3−メルカプトプロピオン酸を生成することで、これらの副生成物の収率を10mol%以下とすることができる。また、アミダーゼの種類を適宜選択することにより、5mol%以下とすることができ、より好ましくは1mol%以下とすることができる。したがって、蒸留操作等の煩雑な精製工程を経なくても3−メルカプトプロピオン酸を純度よく得ることができる。なお、上記副生成物の収率は、下記数式(7)により求められる。
副生成物の収率(%)=[(チオジプロピオン酸の物質量(mol)/仕込んだ3−メルカプトプロピオンアミドの物質量(mol)]×100 (7)
(第2の実施形態)
本実施形態は、ニトリルヒドラターゼを用いて、一般式(3)で示される3−メルカプトプロピオニトリル誘導体(ただし、一般式(3)中、Zは、H、1価、2価または3価のカチオンである。)から一般式(1)で示される3−メルカプトプロピオンアミド誘導体を製造し、3−メルカプトプロピオン酸を製造する方法である。本実施形態において、nは、1〜3であり、n=1のとき、一般式(3)中、Zは水素、1価のカチオンであり、一般式(3)中n=2のとき、Zは、2価のカチオンであり、n=3のとき、Zは、3価のカチオンである。具体的には、1価のカチオンとして、例えば、アルカリ金属イオン、または、アンモニウムイオンを用いることができ、アルカリ金属イオンとしては、Li、Na、K、Rb、Csが挙げられる。2価のカチオンとしては、Be2+、Mg2+、または、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ra2+のアルカリ土類金属イオンが挙げられる。3価のカチオンとしては、Al3+が挙げられる。また、一般式(1)中、Xは、一般式(3)のZに対応する水素またはカチオンである。一般式(2)中、Yは、水素であるが、一般式(3)のZに対応する対イオンを備えたカルボキシラートやチオラートを形成していてもよい。
本実施形態の反応式の一例を下記反応式(8)で表す。反応式(8)では、3−メルカプトプロピオン酸ニトリルまたはその塩を用いて、3−メルカプトプロピオン酸を製造する方法の例を示す。反応式(8)中Xは、1価のカチオンとするとより好ましい。
ニトリルヒドラターゼとは、ニトリル化合物のニトリル基に作用し、ニトリル基を加水分解してアミド基とする酵素をいう。本実施形態で用いるニトリルヒドラターゼは、3−メルカプトプロピオニトリルを効率的に加水分解できればよく、微生物、植物、かび、動物、昆虫等どのような起源のニトリルヒドラターゼであっても構わない。
ニトリルヒドラターゼを生産することが知られている微生物としては、例えば、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ノカルディア(Nocardia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、バチルス(Bacillus)属、バクテリディウム(Bacteridium)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、マイクロコッカス(Micrococcus)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、エアロモナス(Aeromonas)属、シトロバクター(Citrobacter)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、エルウィニア(Erwinia)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、ストレプトミセス(Streptomyces)属、リゾビウム(Rhizobium)属、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属等に属する微生物が挙げられる。
より効率的に加水分解できるニトリルヒドラターゼとしては、Pseudonocardia thermophila JCM3095に由来するニトリルヒドラターゼを用いることが好ましい。Pseudonocardia thermophila JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのαサブユニットのアミノ酸配列およびDNA配列を配列表の配列番号3、5に、βサブユニットのアミノ酸配列およびDNA配列を配列表の配列番号4、6に示す。
また、上記ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列の一部が置換、挿入、欠失したものもニトリルヒドラターゼとしての酵素活性を保持している限り使用することができる。例えば、配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットからなるニトリルヒドラターゼにおいて、ニトリルヒドラターゼ活性を有する、ニトリルヒドラターゼ変異体を用いることができる。
具体的には、
(aa)αサブユニットの36番目のThrをMet、及び、αサブユニットの126番目のPheをTyr
(ab)αサブユニットの148番目のGlyをAsp、及び、αサブユニットの204番目のValをArg
(ac)βサブユニットの51番目のPheをVal、及び、βサブユニットの108番目のGluをAsp
(ad)βサブユニットの118番目のPheをVal、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
(ae)βサブユニットの160番目のArgをTrp、及び、βサブユニットの186番目のLeuをArg
(af)αサブユニットの6番目のLeuをThr、及び、αサブユニットの36番目のThrをMet、及び、αサブユニットの126番目のPheをTyr
(ag)αサブユニットの19番目のAlaをVal、及び、αサブユニットの71番目のArgをHis、及び、αサブユニットの126番目のPheをTyr
(ah)αサブユニットの36番目のThrをMet、及び、αサブユニットの148番目のGlyをAsp、及び、αサブユニットの204番目のValをArg
(ai)βサブユニットの10番目のThrをAsp、及び、βサブユニットの118番目のPheをVal、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
(aj)βサブユニットの37番目のPheをLeu、及び、βサブユニットの108番目のGluをAsp、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
(ak)βサブユニットの37番目のPheをVal、及び、βサブユニットの108番目のGluをAsp、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
(al)βサブユニットの41番目のPheをIle、及び、βサブユニットの51番目のPheをVal、及び、βサブユニットの108番目のGluをAsp
(am)βサブユニットの46番目のMetをLys、及び、βサブユニットの108番目のGluをArg、及び、βサブユニットの212番目のSerをTyr
(an)βサブユニットの48番目のLeuをVal、及び、βサブユニットの108番目のGluをArg、及び、βサブユニットの212番目のSerをTyr
(ao)βサブユニットの127番目のLeuをSer、及び、βサブユニットの160番目のArgをTrp、及び、βサブユニットの186番目のLeuをArg
(ap)αサブユニットの6番目のLeuをThr、及び、αサブユニットの19番目のAlaをVal、及び、αサブユニットの126番目のPheをTyr、及び、βサブユニットの46番目のMetをLys、及び、βサブユニットの108番目のGluをArg、及び、βサブユニットの212番目のSerをTyr
(aq)αサブユニットの6番目のLeuをThr、及び、αサブユニットの19番目のAlaをVal、及び、αサブユニットの126番目のPheをTyr、及び、βサブユニットの48番目のLeuをVal、及び、βサブユニットの108番目のGluをArg、及び、βサブユニットの212番目のSerをTyr
(ar)αサブユニットの6番目のLeuをAla、及び、αサブユニットの19番目のAlaをVal、及び、αサブユニットの126番目のPheをTyr、及び、βサブユニットの127番目のLeuをSer、及び、βサブユニットの160番目のArgをTrp、及び、βサブユニットの186番目のLeuをArg
(as)αサブユニットの6番目のLeuをThr、及び、αサブユニットの36番目のThrをMet、及び、αサブユニットの126番目のPheをTyr、及び、βサブユニットの10番目のThrをAsp、及び、βサブユニットの118番目のPheをVal、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
(at)αサブユニットの19番目のAlaをVal、及び、αサブユニットの71番目のArgをHis、及び、αサブユニットの126番目のPheをTyr、及び、βサブユニットの37番目のPheをLeu、及び、βサブユニットの108番目のGluをAsp、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
(au)αサブユニットの19番目のAlaをVal、及び、αサブユニットの71番目のArgをHis、及び、αサブユニットの126番目のPheをTyr、及び、βサブユニットの37番目のPheをVal、及び、βサブユニットの108番目のGluをAsp、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
(av)αサブユニットの36番目のThrをMet、及び、αサブユニットの148番目のGlyをAsp、及び、αサブユニットの204番目のValをArg、及び、βサブユニットの41番目のPheをIle、及び、βサブユニットの51番目のPheをVal、及び、βサブユニットの108番目のGluをAsp
(aw)αサブユニットの148番目のGlyをAsp、及び、αサブユニットの204番目のValをArg、及び、βサブユニットの108番目のGluをAsp、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
(ax)αサブユニットの36番目のThrをGly、及び、αサブユニットの188番目のThrをGly
(ay)αサブユニットの36番目のThrをAla、及び、αサブユニットの48番目のAsnをGln
(az)αサブユニットの48番目のAsnをGlu、及び、βサブユニットの146番目のArgをGly
(ba)αサブユニットの36番目のThrをTrp、及び、βサブユニットの176番目のTyrをCys
(bb)βサブユニットの176番目のTyrをMet、及び、βサブユニットの217番目のAspをGly
(bc)αサブユニットの36番目のThrをSer、及び、βサブユニットの33番目のAlaをVal
(bd)βサブユニットの176番目のTyrをAla、及び、βサブユニットの217番目のAspをVal
(be)βサブユニットの40番目のThrをVal、及び、βサブユニットの218番目のCysをMet
(bf)βサブユニットの33番目のAlaをMet、及び、βサブユニットの176番目のTyrをThr
(bg)βサブユニットの40番目のThrをLeu、及び、βサブユニットの217番目のAspをLeu
(bh)βサブユニットの40番目のThrをIle、及び、βサブユニットの61番目のAlaをVal
(bi)βサブユニットの61番目のAlaをThr、及び、βサブユニットの218番目のCysをSer
(bj)βサブユニットの112番目のLysをVal、及び、βサブユニットの217番目のAspをMet
(bk)βサブユニットの61番目のAlaをTrp、及び、βサブユニットの217番目のAspをHis
(bl)βサブユニットの61番目のAlaをLeu、及び、βサブユニットの112番目のLysをIle
(bm)βサブユニットの146番目のArgをGly、及び、βサブユニットの217番目のAspをSer
(bn)βサブユニットの171番目のLysをAla、及び、βサブユニットの217番目のAspをThr
(bo)βサブユニットの150番目のAlaをSer、及び、βサブユニットの217番目のAspをCys
(bp)βサブユニットの61番目のAlaをGly、及び、βサブユニットの150番目のAlaをAsn
(bq)βサブユニットの61番目のAlaをSer、及び、βサブユニットの160番目のArgをMet
(br)βサブユニットの160番目のArgをCys、及び、βサブユニットの168番目のThrをGlu
上記のアミノ酸置換より選ばれる少なくとも1つのアミノ酸の置換を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するニトリルヒドラターゼ変異体を利用することができる。
本実施形態のニトリルヒドラターゼには、ニトリルヒドラターゼを産生するように形質転換された形質転換体を用いることもできる。この形質転換体は、遺伝子データベースGenBankなどに登録されているニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子を発現ベクターにクローニングすることで作製することができる。このニトリルヒドラターゼを産生する形質転換体は、第1の実施形態で説明したアミダーゼを産生する形質転換体と同様の方法で作製することができる。
本実施形態において、3−メルカプトプロピオニトリルまたはその塩を3−メルカプトプロピオンアミドまたはその塩に変換する反応(以下、第一の反応と記す)と3−メルカプトプロピオンアミドを3−メルカプトプロピオン酸に変換する反応(以下、第二の反応と記す)は別々に行う方法や同時に行う方法あるいは第一の反応終了後3−メルカプトプロピオンアミドを単離・精製して第二の反応を行う方法などが可能である。
この方法において、第一の反応と第二の反応は別々に行ってもよいし、3−メルカプトプロピオニトリルにニトリルヒドラターゼ及びアミダーゼを同時に添加して、ワンポットで3−メルカプトプロピオン酸を製造してもよい。ここでいう「ワンポット」とは、いくつかの反応を同一反応容器で行うことを意味し、具体的には反応式(8)で示す第一の反応及び第二の反応である。
3−メルカプトプロピオニトリルは酵素によっては触媒毒になることもある。例えば、特許文献5には、β−置換プロピルニトリルは一般に生物毒性の強い化合物であること、酵素法では、β−置換プロピオニトリル0.5〜10wt%を用いること、基質の毒性のため基質濃度をコントロールすることが好ましいことが記載されている。そのため、3−メルカプトプロピオニトリルに対する安定性の高い酵素を用いることは、反応収率が向上することや酵素使用量を削減できることから工業的に製造するためには有利である。3−メルカプトプロピオニトリルに対して安定性の高いニトリルヒドラターゼ、および、アミダーゼを使用することで第一の反応と第二の反応とを同時に行うことができる。3−メルカプトプロピオニトリルに対して安定性の高いニトリルヒドラターゼおよびアミダーゼとして、シュードノカルディア属の細菌に由来するニトリルヒドラターゼ、および、ASファミリーと呼ばれる一群のアミダーゼを挙げることができる。
また、3−メルカプトプロピオニトリルの触媒毒を回避する目的で第一の反応を完結させ、次いで第二の反応を実施することも可能である。3−メルカプトプロピオニトリルに対して安定性の高いニトリルヒドラターゼとしてシュードノカルディア属の細菌に由来するニトリルヒドラターゼを挙げることができる。アミダーゼの添加は、第一の反応が完全に完結してから行うことや第一の反応で3−メルカプトプロピオニトリルが第二の反応を阻害しない程度まで低減してから行うこともできる。
第二の反応に用いるアミダーゼとしては、アミダーゼの活性中心がリジン、セリン、セリンであるASファミリーと呼ばれる一群のアミダーゼを用いることができる。より具体的には、Pseudomonas putida NBRC12668、Pseudonocardia thermophila JCM3095、Pseudomonas chlororaphis B23、Acidiphilium crytum JF−5のアミダーゼを挙げることができる。より好ましくは、Pseudomonas putida NBRC12668、Pseudonocardia thermophila JCM3095由来のアミダーゼである。3−メルカプトプロピオニトリルの生成反応において生じる副生成物は、アミダーゼの活性を低減させることがある。しかしながら、Pseudomonas putida NBRC12668由来のアミダーゼは、反応式(8)で示す反応系内において活性の低下を受けにくい。したがって、3−メルカプトプロピオニトリルの精製工程を簡略または省略しながら反応式(8)で示す反応を行うことができる。なお、Pseudomonas putida NBRC12668由来のアミダーゼのアミノ酸配列およびDNA配列を配列表の配列番号1、2にそれぞれ示す。
第一の反応条件としては、温度は0℃から50℃が好ましく、より好ましくは0℃から40℃である。反応pHは3.0から10.0、好ましくは6.0から8.0である。pHを調整する際に使用する酸は塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸や酢酸などの有機酸を使用することができる。反応溶媒は、水、メタノール、エタノール、などのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの脂肪酸エステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物を用いることができるが、水を用いると特に好ましい。反応液中の3−メルカプトプロピオニトリルの濃度は、好ましくは、1重量%以上とすることができるが、11重量%以上とすると工業的により有利であり、13重量%以上がさらに好ましい。また、反応液中の3−メルカプトプロピオニトリルの濃度は、50重量%以下とすることができるが、17重量%以下とするとより好ましい。この段落でいう反応液とは、反応基質である3−メルカプトプロピオニトリルが反応溶媒に溶解しているもの、反応溶媒中で分散しているもの、及び、反応溶媒と相分離しているものをいずれも含むものである。また、ここでいう濃度とは、3−メルカプトプロピオニトリルが反応溶媒にすべて溶解するとした場合の濃度を意味し、現実に3−メルカプトプロピオニトリルは反応溶媒に完全に溶解していても良いし、溶解していない状態であってもよい。反応時間は、通常1時間から80時間程度である。
ワンポットで第一の反応と第二の反応を同時に行うときの反応条件としては、温度は0℃から50℃が好ましく、より好ましくは0℃から40℃である。さらに好ましくは、15℃から30℃である。反応pHは3.0から10.0、好ましくは6.0から8.0である。pHを調整する際に使用する酸は塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸や酢酸などの有機酸を使用することができる。反応溶媒は、水、メタノール、エタノール、などのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの脂肪酸エステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物を用いることができるが、水を用いると特に好ましい。反応液中の3−メルカプトプロピオニトリルの濃度は、好ましくは、1重量%以上とすることができるが、11重量%以上とすると工業的により有利であり、13重量%以上がさらに好ましい。また、反応液中の3−メルカプトプロピオニトリルの濃度は、50重量%以下とすることができるが、17重量%以下とするとより好ましい。この段落でいう反応液とは、反応基質である3−メルカプトプロピオニトリルおよび反応中間体の3−メルカプトプロピオンアミドが反応溶媒に溶解しているもの、反応溶媒中で分散しているもの、反応溶媒と相分離しているものをいずれも含むものである。また、ここでいう濃度とは、3−メルカプトプロピオニトリルが反応溶媒にすべて溶解するとした場合の濃度を意味し、現実に3−メルカプトプロピオニトリルは反応溶媒に完全に溶解していても良いし、溶解していない状態であってもよい。反応時間は、通常1時間から80時間程度である。
本実施形態で用いるアミダーゼは、第1の実施形態で説明したアミダーゼと同様のものを用いることができる。また、3−メルカプトプロピオンアミドの反応条件及び3−メルカプトプロピオン酸の単離方法は、第1の実施形態で説明した条件または方法と同様な条件または方法を用いることができる。
本実施形態の方法では、第1の実施形態で説明した作用効果に加え、以下の作用効果を有する。すなわち、3−メルカプトプロピオニトリルから2段階の酵素反応を経て3−メルカプトプロピオン酸を製造することができる。したがって、温和な条件で3−メルカプトプロピオン酸を製造することができ、環境負荷をさらに低減することが可能になる。
また、本実施形態でも、得られる3−メルカプトプロピオン酸は、溶媒抽出により分離することができる。好ましい溶媒は、生成物のカルボキシル基を溶解し、水と混合しない適当な極性有機溶媒である。このような溶媒の例には、酢酸メチル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、塩化メチレン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等が好ましい。更に蒸留等による一般的な方法を用いて単離することができる。本実施の形態においては、得られる3−メルカプトプロピオン酸の純度が高いため、蒸留操作等の煩雑な精製工程を経なくても3−メルカプトプロピオン酸を単離することができる。たとえば、反応液に酸を加えることで、3−メルカプトプロピオン酸と水が分離するため、3−メルカプトプロピオン酸相を回収するだけで3−メルカプトプロピオン酸を得ることができる。このとき、酸としては塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸を好適に使用することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態は、アクリロニトリルと硫黄原子を含む化合物とを反応させて3−メルカプトプロピオニトリルまたはその塩、および、3−メルカプトプロピオンアミドまたはその塩を製造し、得られた3−メルカプトプロピオニトリルおよび3−メルカプトプロピオンアミドまたはその塩を用いて、アミダーゼおよびニトリラーゼを共存させて3−メルカプトプロピオン酸を製造する。この反応式は、下記反応式(9)で表される。
本実施形態において、3−メルカプトプロピオニトリルまたはその塩は、第2の実施形態で用いられた一般式(3)で表される3−メルカプトプロピオニトリル誘導体と同じものとすることができる。また、3−メルカプトプロピオンアミドの塩には、第2の実施形態で用いられた一般式(1)で表される3−メルカプトプロピオンアミド誘導体と同じものとすることができる。3−メルカプトプロピオン酸は、3−メルカプトプロピオニトリルの塩に対応する対イオンを備えたカルボキシラートやチオラートとして得ることができる。
硫黄原子を含む化合物は、硫化物、水硫化物、チオ硫酸、炭素数1〜12の脂肪族チオカルボン酸(例えば、チオ酢酸)、チオキサントゲン及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、マグネシウム塩またはアンモニウム塩並びにチオ尿素から選択することができる。アルカリ金属塩としては、特にナトリウム塩またはカリウム塩とすると好ましい。アルカリ土類金属塩としては、特にカルシウム塩、または、バリウム塩とすると好ましい。硫黄原子を含む化合物として、水硫化ナトリウムを用いると特に好ましい。アクリロニトリルと硫黄原子を含む化合物とを反応させて3−メルカプトプロピオニトリルのアルカリ金属塩を製造する方法としては、公知のものを用いることができる。
3−メルカプトプロピオニトリルの塩としては、1価のカチオンがより好ましい。このようにして製造した3−メルカプトプロピオニトリルは酵素反応に供する前に生成反応液に存在する硫化水素を低減させることが好ましい。硫化水素を除く方法としては、中和した後減圧する方法や窒素などによるバブリングする方法あるいはこれらの方法を組み合わせることにより低減させることができる。硫化水素の濃度としては50ppm以下が好ましく、より好ましくは20ppm以下である。更に好ましくは15ppm以下が好ましい。なお、硫化水素の濃度は、公知のヘッドスペースガスクロマトグラフィーにより測定することができる。
ニトリラーゼとは、ニトリル化合物のニトリル基に作用し、ニトリル基を加水分解してカルボキシル基とする酵素をいう。本実施形態で用いるニトリラーゼは、3−メルカプトプロピオニトリルを効率的に加水分解できれば微生物、植物、かび、動物、昆虫等どのような起源のニトリラーゼであっても構わない。
ニトリラーゼを生産することが知られている微生物としては、例えば、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ノカルディア(Nocardia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、バチルス(Bacillus)属、バクテリディウム(Bacteridium)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、マイクロコッカス(Micrococcus)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、エアロモナス(Aeromonas)属、シトロバクター(Citrobacter)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、エルウィニア(Erwinia)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、ストレプトミセス(Streptomyces)属、リゾビウム(Rhizobium)属、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属等に属する微生物が挙げられる。
ニトリラーゼは試薬としても販売されており、このような物の中から3−メルカプトプロピオニトリルを効率的に加水分解できるニトリラーゼを利用することもできる。例えば、BioCatalytics社から販売されている、起源の異なる12種類のニトリラーゼ(カタログ番号NIT−12000)を利用してもかまわない。
本実施形態のニトリラーゼには、ニトリラーゼを産生するように形質転換された形質転換体を用いることもできる。この形質転換体は、遺伝子データベースGenBankなどに登録されているニトリラーゼをコードする遺伝子を発現ベクターにクローニングすることで作製することができる。このニトリラーゼを産生する形質転換体は、第1の実施形態で説明したアミダーゼを産生する形質転換体と同様の方法で作製することができる。
3−メルカプトプロピオニトリルの反応条件は、第2の実施形態で説明した条件と同様な条件を用いることができる。3−メルカプトプロピオンアミドの反応条件は、第1の実施形態で説明した条件を用いることができる。
アクリロニトリルと硫黄原子を含む化合物とから得られた3−メルカプトプロピオニトリル及び3−メルカプトプロピオンアミドは、単離して、それぞれ別の反応容器で反応させてもよい。
また、アクリロニトリルと硫黄原子を含む化合物とから得られた3−メルカプトプロピオニトリル及び3−メルカプトプロピオンアミドは、単離せずに混合状態のまま、ニトリラーゼ及びアミダーゼを添加して反応させてもよい。
また、アクリロニトリルと硫黄原子を含む化合物とから得られた3−メルカプトプロピオニトリル及び3−メルカプトプロピオンアミドを単離せずに混合状態のまま、ニトリラーゼ及びアミダーゼを添加して反応させる場合、ニトリラーゼ及びアミダーゼとともに、第2の実施形態で用いたニトリルヒドラターゼを添加してもよい。この場合の反応条件は、温度は0℃から50℃が好ましく、より好ましくは0℃から40℃である。反応pHは3.0から10.0、好ましくは6.0から8.0である。pHを調整する際に使用する酸は塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸や酢酸などの有機酸を使用することができる。反応溶媒は、水、メタノール、エタノール、などのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの脂肪酸エステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物を用いることができるが、水を用いると特に好ましい。3−メルカプトプロピオニトリルの濃度は、好ましくは、1重量%以上とすることができるが、11重量%以上とすると工業的により有利であり、13重量%以上がさらに好ましい。また、3−メルカプトプロピオニトリルの濃度は、50重量%以下とすることができるが、17重量%以下とするとより好ましい。ここでいう濃度とは、3−メルカプトプロピオニトリルが反応溶媒にすべて溶解するとした場合の濃度を意味し、現実に3−メルカプトプロピオニトリルは反応溶媒に完全に溶解していても良いし、溶解していない状態であってもよい。反応時間は、通常1時間から80時間程度である。
アクリロニトリルと硫黄原子を含む化合物とから得られた3−メルカプトプロピオニトリル及び3−メルカプトプロピオンアミドを製造する際、一部3,3'−ジチオジプロピオノニトリル及び3,3'−ジチオジプロピオンアミドが生成する。これらジスルフィド化合物は、ニトリラーゼおよびアミダーゼにより加水分解を受け3,3'−ジチオジプロピオン酸が生成する。生成した3,3'−ジチオジプロピオン酸は、酸性条件下亜鉛、鉄などの金属粉を添加するような、通常知られている還元方法で3−メルカプトプロピオン酸に変換することが可能である。
3−メルカプトプロピオン酸の単離方法は、第1の実施形態で説明した方法と同様な方法を用いることができる。
本実施形態の方法では、第1の実施形態で説明した作用効果に加え、以下の作用効果を有する。すなわち、アクリロニトリルおよび硫黄原子を含む化合物の反応では、3−メルカプトプロピオニトリルが主生成物(約80%)として得られる一方、副生成物として3−メルカプトプロピオンアミド(約15%)及び3−メルカプトプロピオン酸が得られる。そこで、本実施形態では、アクリロニトリルおよび硫黄原子を含む化合物の反応生成物に対し、ニトリラーゼ及びアミダーゼを作用させる。こうすることで、アクリロニトリルから収率よく3−メルカプトプロピオン酸を得ることができる。
また、本実施形態のように、アミダーゼとともにニトリラーゼを用いた場合においても、チオジプロピオン酸からなる副生成物の収率を、10mol%以下とすることができる。また、アミダーゼの種類を適宜選択することにより、5mol%以下とすることができ、より好ましくは1mol%以下とすることができる。したがって、蒸留操作等の煩雑な精製工程を経なくても3−メルカプトプロピオン酸を純度よく得ることができる。なお、本実施形態における上記副生成物の収率は、下記数式(10)により求められる。
副生成物の収率(%)=[チオジプロピオン酸の物質量(mol)/アクリロニトリルの物質量(mol)]×100 (10)
なお、本実施形態において、アミダーゼ及びニトリラーゼに加え、さらにニトリルヒドラターゼを用いてもよい。この場合、アミダーゼの添加量は、アクリロニトリルと硫黄原子を含む化合物との反応で生じる3−メルカプトプロピオンアミドに反応させる量とニトリルヒドラターゼの作用により生じる3−メルカプトプロピオンアミドに反応させる量とを勘案して調整することが好ましい。ニトリルヒドラターゼは、3−メルカプトプロピオニトリルの生成反応で生じる副生成物に対する耐性を有する。そのため、ニトリラーゼと比較してより少ない酵素量で効率よく反応を進行させることができる。
(第4の実施形態)
本実施形態では、第3の実施形態で説明したように、アクリロニトリルと硫黄原子とを含む化合物とを反応させて第2の実施形態で示した3−メルカプトプロピオニトリルまたはその塩、および、3−メルカプトプロピオンアミドまたはその塩を製造する。得られた3−メルカプトプロピオニトリルまたはその塩をニトリルヒドラターゼによりニトリル基を加水分解反応して、3−メルカプトプロピオンアミドまたはその塩とし、アミダーゼにより3−メルカプトプロピオンアミドまたはその塩から3−メルカプトプロピオン酸を得る。本実施形態の反応を反応式(11)に示す。
本実施形態においても、3−メルカプトプロピオニトリルまたはその塩、及び、3−メルカプトプロピオンアミドの塩として、第3の実施形態と同様なものを用いることができる。また、3−メルカプトプロピオン酸は、3−メルカプトプロピオニトリルの塩に対応するカルボン酸塩やチオラートとして得ることもできる。
反応式(11)で示す反応はワンポットで行ってもよい。ここでいう「ワンポット」とは、いくつかの反応を同一反応容器で行うことを意味し、具体的にはアクリロニトリルおよび硫黄原子を含む化合物から主生成物として3−メルカプトプロピオニトリルを生成し副生成物として3−メルカプトプロピオンアミドを生成する反応と、3−メルカプトプロピオニトリルのアミド化反応と、3−メルカプトプロピオンアミドの加水分解反応とを連続して行うことである。この場合において、硫黄原子を含む化合物としては、第3の実施形態で説明したものを用いることができる。
具体的には、アクリロニトリルと硫黄原子を含む化合物とから得られた3−メルカプトプロピオニトリル及び3−メルカプトプロピオンアミドは、単離して、それぞれ別の反応容器で反応させてもよい。
また、アクリロニトリルと硫黄原子を含む化合物とから得られた3−メルカプトプロピオニトリル及び3−メルカプトプロピオンアミドは、単離せずに混合状態のまま、ニトリルヒドラターゼ及びアミダーゼを添加して反応させてもよい。
3−メルカプトプロピオニトリルは、酵素反応に供する前に生成反応液に存在する硫化水素を低減させることが好ましい。硫化水素を除く方法としては、中和した後減圧する方法や窒素などによるバブリングする方法、あるいはこれらの方法を組み合わせることで硫化水素濃度を低減することができる。硫化水素の濃度としては50ppm以下が好ましく、より好ましくは20ppm以下である。更に好ましくは15ppm以下である。なお、硫化水素の濃度は、公知のヘッドスペースガスクロマトグラフィーにより測定することができる。
ニトリルヒドラターゼとしては第2の実施形態で用いたものと同じものを用いることができる。
また、アミダーゼとしては第1の実施形態で用いたものと同じものを用いることができるが、好ましくは、アミダーゼとしてはアミダーゼの活性中心がリジン、セリン、セリンであるASファミリーと呼ばれる一群のアミダーゼを用いることができる。より具体的には、Pseudomonas putida NBRC12668、Pseudonocardia thermophila JCM3095、Pseudomonas chlororaphis B23、Acidiphilium crytum JF−5のアミダーゼを挙げることが出来る。Pseudomonas putida NBRC12668、Pseudonocardia thermophila JCM3095由来のアミダーゼを用いるとより好ましい。
(第5の実施形態)
本実施形態では、アクリロニトリルと硫黄原子を含む化合物とを反応させて上記一般式(3)で示す3−メルカプトプロピオニトリルまたはその塩を製造し、得られた3−メルカプトプロピオニトリルまたその塩を用いて、ニトリルヒドラターゼおよびアミダーゼを共存させて上記一般式(2)で示す3−メルカプトプロピオン酸を製造する。この反応式の一例は、下記反応式(12)で表される。なお、反応式(12)において、チオール基は、チオラートであってもよいし、カルボキシル基は、カルボキシラートであってもよい。対カチオンとしては、1価のカチオンとして、例えば、アルカリ金属イオン、または、アンモニウムイオンを用いることができ、アルカリ金属イオンとしては、Li、Na、K、Rb、Csが挙げられる。2価のカチオンとしては、Be2+、Mg2+、または、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ra2+のアルカリ土類金属イオンが挙げられる。3価のカチオンとしては、Al3+が挙げられる。
具体的には、本実施形態において、3−メルカプトプロピオニトリルまたはその塩は、第2の実施形態で用いられた一般式(3)で表される3−メルカプトプロピオニトリル誘導体と同じものとすることができる。3−メルカプトプロピオニトリルまたはその塩は、ニトリルヒドラターゼにより、第2の実施形態で説明した一般式(1)で表される3−メルカプトプロピオンアミド誘導体とすることができる。
第3の実施形態で説明したように、アクリロニトリルと硫黄原子を含む化合物とを反応させることで、3−メルカプトプロピオニトリルまたはその塩、および、3−メルカプトプロピオンアミドまたはその塩を製造することができる。チオールは、分子間で酸化カップリング反応して、ジスルフィド結合を形成する。そのため、2分子の3−メルカプトプロピオニトリルがジスルフィド結合を形成することで、3,3'−ジチオジプロピオノニトリル(化合物(a))となり、2分子の3−メルカプトプロピオンアミドがジスルフィド結合を形成することで、3,3'−ジチオジプロピオンアミド(化合物(d))となり、1分子の3−メルカプトプロピオニトリルと1分子の3−メルカプトプロピオンアミドとがジスルフィド結合を形成することで、3−(2−シアノエチル)ジスルファニルプロパンアミド(化合物(b))となる。
化合物(a)は、ニトリルヒドラターゼにより、ニトリル基がアミド基に加水分解され、化合物(b)および化合物(d)に変換する。また、3−メルカプトプロピオニトリルは、第2の実施形態で説明したように、ニトリルヒドラターゼによって、3−メルカプトプロピルアミドとなり上述のように、分子間で酸化カップリング反応し、化合物(d)となる。
また、化合物(b)および化合物(d)は、アミダーゼによりアミド基が加水分解を受けてシアノプロピオジスルファニルプロピオカルボン酸(化合物(c))、アミノカルボニルプロピオスルファニルプロピオカルボン酸(e))、及び、3,3'−ジチオジプロピオン酸(化合物(f))を形成する。
また、3−メルカプトプロピオニトリルと3−メルカプトプロピオン酸とがジスルフィド結合を形成して化合物(c)となることもありうるし、3−メルカプトプロピオンアミドと3−メルカプトプロピオン酸とがジスルフィド結合を形成して化合物(e)となることもありうる。
そして、化合物(c)は、ニトリルヒドラターゼにより、化合物(e)となり、化合物(e)は、アミダーゼにより、化合物(f)となる。したがって、ニトリルヒドラターゼおよびアミダーゼ共存下で3−メルカプトプロピオニトリルを完全に反応させることで、目的の3−メルカプトプロピオン酸の他に化合物(f)が得られることになる。そこで、製造した3,3'−ジチオジプロピオン酸を公知の方法で還元することで3−メルカプトプロピオン酸に変換することができる。こうすることで、本実施形態では、上記反応式(12)で示す各工程の中間における精製を省略し、効率よく3−メルカプトプロピオン酸を製造することができる。
3,3'−ジチオジプロピオノニトリルおよび3,3'−ジチオジプロピオンアミドは第3の実施形態で説明したアクリロニトリルおよび硫黄原子を含む化合物の反応物を公知の方法により酸化して製造することができる。
本実施形態で用いるニトリルヒドラターゼとは、第3の実施形態で説明したものを用いることができる。本実施形態で用いるアミダーゼとは、第3の実施形態で説明したものを用いることができる。
3,3'−ジチオジプロピオノニトリルの反応条件は、第2の実施形態で説明した条件と同様な条件を用いることができる。3,3'−ジチオジプロピオンアミドの反応条件は、第1の実施形態で説明した条件を用いることができる。
また、3,3'−ジチオジプロピオノニトリル及び3,3'−ジチオジプロピオンアミドは、単離せずに混合状態のまま、ニトリルヒドラターゼ及びアミダーゼを添加して反応させてもよい。
3,3'−ジチオジプロピオノニトリル及び3,3'−ジチオジプロピオンアミドは酵素反応に供する前に生成反応液に存在する硫化水素濃度を低減させることが好ましい。硫化水素を除く方法としては、中和した後減圧する方法や窒素などによるバブリングする方法、あるいはこれらの方法を組み合わせることで硫化水素濃度を低減することができる。硫化水素の濃度としては50ppm以下が好ましく、より好ましくは20ppm以下である。更に好ましくは15ppm以下である。なお、硫化水素の濃度は、公知のヘッドスペースガスクロマトグラフィーにより測定することができる。
反応条件は、温度は0℃から50℃が好ましく、より好ましくは0℃から40℃である。反応pHは3.0から10.0、好ましくは6.0から8.0である。pHを調整する際に使用する酸は塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸や酢酸などの有機酸を使用することができる。反応溶媒は、水、メタノール、エタノール、などのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの脂肪酸エステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物を用いることができるが、水を用いると特に好ましい。反応液中の3,3'−ジチオジプロピオノニトリル及び3,3'−ジチオジプロピオンアミドの濃度は、好ましくは、1重量%以上とすることができるが、11重量%以上とすると工業的により有利であり、13重量%以上がさらに好ましい。この段落でいう反応液とは、反応基質としての3,3'−ジチオジプロピオノニトリルや3,3'−ジチオジプロピオンアミドが反応溶媒に溶解しているもの、反応溶媒中で分散しているもの、反応溶媒と相分離しているものをいずれも含むものである。また、ここでいう濃度とは、3,3'−ジチオジプロピオノニトリル及び3,3'−ジチオジプロピオンアミドが反応溶媒にすべて溶解するとした場合の濃度を意味し、現実に3,3'−ジチオジプロピオノニトリル及び3,3'−ジチオジプロピオンアミドは反応溶媒に対して完全に溶解していても良いし、溶解していない状態であってもよい。反応時間は、通常1時間から80時間程度である。
生成した3,3'−ジチオジプロピオン酸は、酸性条件下亜鉛、鉄などの金属粉を添加するような、通常知られている還元方法で3−メルカプトプロピオン酸に変換することが可能である。
3−メルカプトプロピオン酸の単離方法は、第1の実施形態で説明した方法と同様な方法を用いることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
たとえば、実施形態の方法で得られた3−メルカプトプロピオン酸とペンタエリスリトールとをエステル化反応させてペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を製造することもできる。このエステル化反応には公知の方法を用いることができる。また、こうして得られたペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を単重合又は共重合した後硬化して、プラスチックレンズなどの光学材料としてもよい。なお、本発明において、3−メルカプトプロピオン酸とβ−メルカプトプロピオン酸とは同一化合物であり、ジチオジプロピオン酸とβ,β−ジチオジプロピオン酸、3,3'−ジチオジプロピオン酸とは同一化合物である。
以下、参考形態の例を付記する。
1.アミダーゼを用いて、一般式(1)で示されるアミドまたはその塩から一般式(2)で示されるカルボン酸またはその塩を製造する方法。
(一般式(1)中、Xは、H、S−C −CONH 、S−C −COOH、カチオンのいずれかを表す。XがHまたはS−C −CONH またはS−C −COOHのときnは1であり、XがカチオンのときnはXの価数と同一の整数を表す。)
(一般式(2)中、Yは、H、S−C −COOHのいずれかを表す。)
2.ニトリルヒドラターゼを用いて、一般式(3)で示されるニトリルまたはその塩から一般式(1)で示されるアミドまたはその塩を製造し、該アミドまたはその塩から一般式(2)で示されるカルボン酸またはその塩を製造する1.に記載の方法。
(一般式(3)中、Zは、H、S−C −CN、S−C −CONH 、カチオンのいずれかを表す。ZがHまたはS−C −CONH のときnは1であり、ZがカチオンのときnはZの価数と同一の整数を表す。)
3.ニトリルヒドラターゼ及びアミダーゼの存在下、一般式(3)で示されるニトリルまたはその塩から一般式(2)で示されるカルボン酸またはその塩を製造する2.に記載の方法。
4.前記ニトリルヒドラターゼがシュードノカルディア属の細菌に由来する、2.または3.に記載の方法。
5.反応液中の一般式(1)で示されるアミドまたはその塩、および、一般式(3)で示されるニトリルまたはその塩の少なくとも一方の濃度が、11重量%以上である、4.に記載の方法。
6.一般式(3)で示されるニトリルまたはその塩がアクリロニトリルと硫黄原子を含む化合物とを反応させて得られるものであることを特徴とする2.乃至5.いずれか1つに記載の方法。
7.前記硫黄原子を含む化合物が水硫化ナトリウムである、6.に記載の方法。
8.前記アミダーゼがアミダーゼシグニチャーファミリーに属することを特徴とする1.乃至7.いずれか1つに記載の方法。
9.1.乃至8.いずれか1つに記載の方法を用いて一般式(2)記載のカルボン酸を製造する工程と、
得られた前記カルボン酸とペンタエリスリトールとをエステル化反応させる工程と、
を含むペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)の製造方法。
10.9.に記載の方法を用いてペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を製造する工程と、
得られたペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を単重合又は共重合した後、硬化する工程と、
を含む光学材料の製造方法。
11.ニトリラーゼを用いて、3−メルカプトプロピオニトリルまたはその塩から3−メルカプトプロピオン酸を製造する方法。
<1.アミダーゼ生産菌の構築>
(1)Pseudomonas putida NBRC12668のアミダーゼ生産菌
特開平8−266277号公報に記載のプラスミドpBAN−7の塩基配列を解析し、該プラスミドが有する塩基配列を元に、配列表の配列番号7および8のプライマーを設計した。シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida) NBRC12668の染色体DNAを鋳型としPCRを行い、アミダーゼ遺伝子を増幅させた。増幅した遺伝子をEcoRI及びHindIIIで消化した。同様に制限酵素で消化したpUC18(宝酒造製)を、ライゲーションハイ(東洋紡製)を用いて連結し、コンピテントハイDH5α(東洋紡製)に導入してPseudomonas putidaNBRC12668のアミダーゼ生産菌を作製した。本菌を「Ppu−アミダーゼ生産菌」と表記する。
(2)Pseudonocardia thermophila JCM3095のアミダーゼ生産菌
特開平9−275978号公報に記載のプラスミドpPT−B1の塩基配列を解析し、該プラスミドが有する塩基配列を元に配列表の配列番号9および10のプライマーを設計した。Pseudonocardia thermophila JCM3095の染色体DNAを鋳型としPCRを行い、アミダーゼ遺伝子を増幅させた。増幅した遺伝子をEcoRIとHindIIIで消化した。同様にライゲーションハイ(東洋紡製)を用いて制限酵素で消化したpUC18(宝酒造製)を連結し、コンピテントハイDH5α(東洋紡製)に導入してPseudonocardia thermophila JCM3095のアミダーゼ生産菌を作製した。本菌を「Pth−アミダーゼ生産菌」と表記する。
(3)Pseudomonas chlororaphis B23のアミダーゼ生産菌
NCIBM(米国立生物工学情報センター)に登録されているPseudomonas chlororaphis B23のアミダーゼ遺伝子情報(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/216850?ordinalpos=1&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Sequence.Sequence_ResultsPanel.Sequence_RVDocSum)にもとづいてDNAを合成した。DNAの合成はNucleic Acids Res. 2004 Jul 1;32(Web Server issue):W176−80.の方法に従って行った。合成したDNAを鋳型として配列表の配列番号11および12のプライマーでアミダーゼ遺伝子にSD配列を付加したDNAを増幅し、制限酵素EcoRIおよびHindIIIで消化した。同様にライゲーションハイ(東洋紡製)を用いて制限酵素で消化したpUC18(宝酒造製)を連結し、コンピテントハイDH5α(東洋紡製)に導入してPseudomonas chlororaphis B23のアミダーゼ生産菌を作製した。本菌を「Pch−アミダーゼ生産菌」と表記する。
(4)Polaromonas sp.JS666のアミダーゼ生産菌
ATCC(アメリカ培養細胞系統保存機関)からPolaromonas sp. JS666の染色体DNAであるATCC−BAA−500D−5を購入した。NCIBM(米国立生物工学情報センター)に登録されているPolaromonas sp.JS666のアミダーゼ遺伝子情報(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/91785913、GeneID:4010994)にもとづいて配列表の配列番号13および14をプライマーとし、ATCC−BAA−500D−5を鋳型としてアミダーゼ遺伝子を増幅した。増幅したアミダーゼ遺伝子をEcoRIとHindIIIで消化した。同様に制限酵素で消化したpUC18(宝酒造製)をライゲーションハイ(東洋紡製)を用いて連結し、コンピテントハイDH5α(東洋紡製)に導入してアミダーゼ生産菌を作製した。本菌を「Psp−アミダーゼ生産菌」と表記する。
(6)Acidphilium cryptum JF−5のアミダーゼ生産菌
NBRC(独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジー本部 生物遺伝資源部門)からNBRC−14242を購入した。NBRC−14242をNBRCの培地番号234で培養しDNeasy Blood & Tissue Kit(株式会社キアゲン)を用いて染色体DNAを得た。NCIBM(米国立生物工学情報センター)に登録されているアミダーゼ遺伝子情報(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/148259021、GI:148259263)にもとづいて配列表の配列番号15および16をプライマーとし、NBRC−14242を培養して得られた染色体DNAを鋳型としてアミダーゼ遺伝子を増幅した。増幅したアミダーゼ遺伝子をEcoRIとHindIIIで消化した。同様にライゲーションハイ(東洋紡)を用いて制限酵素で消化したpUC18(宝酒造製)を連結し、コンピテントハイDH5α(東洋紡製)に導入してアミダーゼ生産菌を作製した。本菌を「Acr−アミダーゼ生産菌」と表記する。
<2.アミダーゼ生産菌の培養>
500mlのバッフル付き三角フラスコに100mlのLB液体培地を調製し、121℃かつ20分間のオートクレーブにより滅菌した。この培地に終濃度が100μg/mlとなるようにアンピシリンを添加した後、作製したアミダーゼ生産菌をそれぞれ一白菌耳植菌し、30℃かつ130rpmにて約20時間培養した。遠心分離(5000G×15分)により菌体のみを培養液より分離し、続いて、5mlの生理食塩水に該菌体を再懸濁し菌体懸濁液をそれぞれ得た。菌体懸濁液は、冷凍庫にて凍結し、解凍して使用した。
<3−1.Pseudonocardia thermophila JCM3095・ニトリルヒドラターゼ生産菌の構築と培養>
500mlのバッフル付き三角フラスコに40μg/mlの硫酸第二鉄・七水和物及び10μg/mlの塩化コバルト・二水和物を含む100mlのLB液体培地を調製し、121℃かつ20分間のオートクレーブにより滅菌した。この培地に終濃度が100μg/mlとなるようにアンピシリンを添加した後、寄託微生物(FERM BP−5785、茨城県つくば市東1-1-1 独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに平成8年2月7日より寄託されている)を一白菌耳植菌し、37℃かつ130rpmにて約20時間培養した。遠心分離(5000G×15分)により菌体のみを培養液より分離し、続いて、5mlの生理食塩水に該菌体を再懸濁し菌体懸濁液を得た。菌体懸濁液は、冷凍庫にて凍結し、解凍して使用した。本菌を「Pth−ニトリルヒドラターゼ生産菌」と表記する。
<3−2.Pseudomonas putida NBRC12668・ニトリルヒドラターゼ生産菌の構築と培養>
前記の1.アミダーゼ生産菌の構築(1)Pseudomonas putida NBRC12668のアミダーゼ生産菌で用いた染色体DNAを鋳型として、配列表の配列番号17(GTGAATTCACAAAAAGGATAAAACAATGACGGCAACTTCAACCCC)および配列表の配列番号18(TCGAAGCTTTTAGAAAATGGCATCAGCCG)をプライマーとしてPCRを行い、ニトリルヒドラターゼ遺伝子を増幅した。増幅したニトリルヒドラターゼ遺伝子をEcoRIとHindIIIで消化した。同様に制限酵素で消化したpUC18(宝酒造製)を、ライゲーションハイ(東洋紡製)を用いて連結し、コンピテントハイDH5α(東洋紡製)に導入してPseudomonas putidaNBRC12668のニトリルヒドラターゼ生産菌を作製した。本菌を「Ppu−ニトリルヒドラターゼ生産菌」と表記する。
500mlのバッフル付き三角フラスコに40μg/mlの硫酸第二鉄・七水和物を含む100mlのLB液体培地を調製し、121℃かつ20分間のオートクレーブにより滅菌した。この培地に終濃度が100μg/mlとなるようにアンピシリンを添加した後、Ppu−ニトリルヒドラターゼ生産菌を一白菌耳植菌し、37℃かつ130rpmにて約20時間培養した。遠心分離(5000G×15分)により菌体のみを培養液より分離し、続いて、5mlの生理食塩水に該菌体を再懸濁し菌体懸濁液を得た。菌体懸濁液は、冷凍庫にて凍結し、解凍して使用した。
<4.メルカプトプロピオニトリルの合成>
実施例1〜4、7−27、32、および、比較例で用いた3−メルカプトプロピオニトリルは、以下のように合成した。70%水硫化ナトリウム48.1g(0.6mol)に水43.5gを加え溶解した後、40℃に保ちながらアクリロニトリル26.5g(0.5mol)を30〜60分間で滴下した。ついで、40℃に保ったまま、さらに10時間攪拌した。ついで、得られた反応マスに47%硫酸水を70g程度加え、反応液pH2.0以下を確認した後に、クロロホルム50gで2回抽出した。有機層を合せ、減圧下濃縮し、残液を45〜48℃/3Torrで減圧蒸留し、純度99.8%の3−メルカプトプロピオニトリル40.3gを得た。
<5.分析法(1)>
実施例1〜29、比較例については、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオンアミド、チオジプロピオン酸及びジチオジプロピオン酸を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量した。3−メルカプトプロピオン酸の収率は数式(13)により算出した。
カラム;Mightysil RP−18 GP 250−6.0(5μm)(関東化学株式会社製)
カラム温度;40℃
ポンプ流速;1.0ml/分
検出;UV225nm、
溶離液;0.01M KHPO水:アセトニトリル(AN)=1600:400(V/V)(リン酸pH3.0)
3−メルカプトプロピオン酸の収率(%)=(3−メルカプトプロピオン酸の物質量(mol)/仕込んだ3−メルカプトプロピオンアミドの物質量(mol))×100(13)
<6.3,3'−ジチオジプロピオノニトリルの合成>
実施例36〜38で用いた3,3'−ジチオジプロピオノニトリルは、以下のように合成した。3−メルカプトプロピオニトリル(18.39g、0.21mol)に水(23.00g)を加えて5℃に冷却した。反応液の温度を5〜25℃に保ちながら、0.5mol/Lヨウ素溶液(225.4ml、0.11mol)を1時間かけて滴下した後、25℃で2時間熟成した。反応混合物の固体を濾別後、水(1800ml)で洗浄して、粗体3,3'−ジチオジプロピオノニトリル(湿体)を得た。これを室温で一晩乾燥させた。続いて、粗体3,3'−ジチオジプロピオノニトリルをn−ヘキサン(300ml)およびn−ヘキサン/トルエン(体積比:2/1)混合液(300ml)でそれぞれ1回ずつ1時間スラッジした後、濾過、ヘキサン洗浄(500ml)して3,3'−ジチオジプロピオノニトリル(湿体)を得た。次にこれをトルエン(650ml)に溶解させて、カラム濾過(シリカゲルC−300、100ml)して3,3'−ジチオジプロピオノニトリルのトルエン溶液を得た。エバポレーターによりトルエンを減圧除去し、濃縮物をヘキサン(500ml)に滴下して再沈殿させた。結晶を濾別、ヘキサン洗浄(250ml)して3,3'−ジチオジプロピオノニトリル(wet品,10.2g)を得た。これを再び、トルエン(650ml)に溶解させて、カラム濾過(シリカゲルC−300、100ml)した。エバポレーターによりトルエンを減圧除去し、濃縮物をヘキサン(500ml)に滴下して再沈殿させた。結晶を濾別、ヘキサン洗浄(250ml)し、デシケーター内で室温にて減圧乾燥させて、3,3'−ジチオジプロピオノニトリルを得た(9.0g)。
<7.分析法(2)>
実施例30〜40では、3−メルカプトプロピオニトリル、3−メルカプトプロピオンアミド、3−メルカプトプロピオン酸、3,3'−ジチオジプロピオノニトリル、3,3'−ジチオジプロピオンアミド、及び、3,3'−ジチオジプロピオン酸をHPLCにより定量した。試料を水/アセトニトリル(8/2)混合液に溶解させ、ベンジルアルコールを内部標準物質として高速液体クロマトグラフィーによって、測定した。
I.装置 DGU−14A、LC−10A、SPD−10A、CTO−10A、SCL−10A
送液ユニット: 島津製作所SCL−10A
検出器: 島津製作所SPD−10A
カラムオ−ブン: 島津製作所CTO−10AxL
オ−トインジェクタ−:島津製作所SIL−10A
デ−タ処理装置: 島津製作所クロマトパックC−R5A
II.測定条件
カラム: Mightysil RP−18 GP 250−6.0(5μm)30cm
検出器: UV 225nm
溶離液: 0.01M KHPO水:アセトニトリル=1600:400(V/V)(リン酸pH3.0))
溶離液流量: 1.0ml/min
カラムオーブン温度: 40℃
試料注入量: 2μL
検出限界: 0.5重量%(3−メルカプトプロピオンアミド、3−メルカプトプロピオン酸)
III.分析操作
試料約70mg及び内標準物質ベンジルアルコール約100mgを20mLサンプル瓶に正確に量りとり、水:アセトニトリル=8:2混合液10mLを加え混合溶解して試料溶液とした。この試料溶液2μLを上記の測定条件で導入し、得られたクロマトグラムより成分ピ−ク面積を求め、試料の純度(%)を算出した。
(実施例1)
3−メルカプトプロピオニトリル1gを100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.5)100mLに溶解し4℃に保った。Pth−ニトリルヒドラターゼ生産菌の菌体懸濁液1gを加えて24hr攪拌した。得られた混合液をHPLCで分析した結果、3−メルカプトプロピオニトリルの99%が3−メルカプトプロピオンアミドに変換していた。次いで、反応式(4)の反応を行った。作製したアミダーゼ生産菌の菌体懸濁液を1gずつ、それぞれ添加して35℃で反応させた。所定時間経過後の3−メルカプトプロピオン酸の収率を表1に示した。何れの反応においてもチオジプロピオン酸及びジチオジプロピオン酸の収率は5%以下であった。
(実施例2)
反応式(8)の反応を行った。1Mリン酸緩衝液(pH7.5)1gに3−メルカプトプロピオニトリル1.5gを加え蒸留水を加えて9gとした。次いでPth−ニトリルヒドラターゼ生産菌の懸濁液1g、Pth−アミダーゼ生産菌の懸濁液1gを加えて25℃で20時間攪拌した。3−メルカプトプロピオン酸の収率は99%であり、ジチオジプロピオン酸の収率は0.5%であった。
(実施例3)
反応式(8)の反応を行った。3−メルカプトプロピオニトリル4.4gに1Mリン酸緩衝液(pH7.5)1gを加えた。3−メルカプトプロピオニトリルの終濃度が13重量%、15重量%、17重量%となるように蒸留水を加え、作製したPth−ニトリルヒドラターゼ生産菌の懸濁液1gおよびPpu−アミダーゼ生産菌の懸濁液1gを加えて20℃で20時間攪拌した。3−メルカプトプロピオン酸の収率の結果を表2に示した。
(実施例4)
1Mリン酸緩衝液(pH7.5)1gに3−メルカプトプロピオニトリル0.1gを加え蒸留水9gを加えた。次いで試薬ニトリラーゼ(BioCatalytics社、カタログ番号NIT−12000、NIT−1,2,3,4,5,7,8,9,10,11)を各々0.1g添加し25℃にて20時間攪拌した。反応液を分析し、3−メルカプトプロピオン酸の収率の結果を表3に示した。何れの反応においてもチオジプロピオン酸及びジチオジプロピオン酸の収率は5%以下であった。
(比較例)
反応式(11)の反応について、ニトリルヒドラターゼおよびアミダーゼを用いずに、3−メルカプトプロピオニトリルのアミド化反応および3−メルカプトプロピオンアミドの加水分解反応を化学的に行った。水硫化ナトリウム187.1gに蒸留水174.2gを加え35℃に加温した。106.1gのアクリロニトリルを加え、10時間かけて3−メルカプトプロピオニトリルを合成した。反応液472.6gに46.64重量%の水酸化ナトリウム溶液を257.3g添加し、60℃で10時間加水分解反応を行った。次いで室温に冷却し、硫酸を加えてpH1.8とし、クロロホルムにより抽出した。抽出液の組成を表4に示した。なお、生成量は、アクリロニトリルの物質量(mol)に対する各生成物の物質量(mol)の百分率を示す。
(実施例5)
反応式(11)の反応を行った。70w/w%水硫化ナトリウム(和光純薬製)48.1g(0.6mol)に水43.5gを加え溶解した後、40℃に保ちながらアクリロニトリル26.5g(0.5mol)を30〜60分間で滴下した。ついで、40℃に保ったまま、さらに10時間攪拌を続けた。ついで、得られた反応マスに47w/v%硫酸水を加えながら反応液pH6.5〜7.5に調整し、3−メルカプトプロピオニトリル、3−メルカプトプロピオンアミド及び3−メルカプトプロピオン酸の混合物を得た。得られた混合物の組成を表5に示した。なお、表5では、仕込んだアクリロニトリルに対する各成分のモル%を示している。この混合物に蒸留水を加え、硫酸及び水酸化ナトリウムを用いてpH7.0に調整した。3−メルカプトプロピオニトリルの濃度が13重量%となるように蒸留水を加えPth−ニトリルヒドラターゼ生産菌の懸濁液1gを加え4℃で24時間攪拌した。次いで反応液を35℃に加温してPpu−アミダーゼ生産菌の懸濁液1gを加え24時間攪拌した。その結果、表5で示す3-メルカプトプロピオニトリルと3−メルカプトプロピオンアミドの合計に対する3-メルカプトプロピオン酸の収率は98%であった。
(実施例6)
実施例5において、Ppu−アミダーゼ生産菌の懸濁液に換えてPch−アミダーゼ生産菌の懸濁液を用いて同様な操作を行った。その結果、3-メルカプトプロピオン酸が収率10%で得られた。
(実施例7)高濃度3−メルカプトプロピオンアミドによる製造
反応式(8)の反応を行った。3−メルカプトプロピオニトリル4.4gに1Mリン酸緩衝液(pH7.5)1gを加えた。3−メルカプトプロピオニトリルの終濃度が15重量%となるように蒸留水を加え、作製したPthニトリルヒドラターゼ生産菌の懸濁液1gを加え30℃にて20時間反応した。3−メルカプトプロピオニトリルは99%以上が3−メルカプトプロピオンアミドに変換された。次いで、アミダーゼ生産菌の懸濁液1gを加えて20時間攪拌した。3−メルカプトプロピオン酸の収率の結果を表6に示した。使用した菌体懸濁液の電気泳動図を図1に示す。図1中矢印で示すバンドの濃さは、反応に用いた酵素の発現量を表す。Aは、Psp−アミダーゼであり。Bは、Acr−アミダーゼであり、Cは、Ppu−アミダーゼであり、Dは、Pch−アミダーゼである。
(実施例8)変異型アミダーゼによる反応(1)
配列表の配列番号2をコードする遺伝子を含むpUC18を鋳型として、配列表の配列番号19および20のプライマーを用い、クイックチェンジ法で配列表の配列番号1のアミノ酸配列において51番目のIleがThrに変換された変異体をコードする遺伝子を作成した。クイックチェンジ法はStratagene社のプロトコルに従った。前記操作により作成したプラスミドを用いて大腸菌DH5α細胞の形質転換を行った。実施例1で用いたアミダーゼ生産菌の培養と同様に変異型アミダーゼ生産菌を得た。変異型アミダーゼを用いて実施例7の反応を行った。得られた3−メルカプトプロピオン酸の収率は99%であり、ジチオジプロピオン酸の収率は0.5%であった。
(実施例9〜27)変異型アミダーゼによる反応(2)
配列表の配列番号2をコードする遺伝子を含むpUC18を鋳型として、表7に示す配列番号のプライマーを用い、クイックチェンジ法で配列表の配列番号1のアミノ酸配列において表7に示すようにアミノ酸変換された変異体をコードする遺伝子を作成した。その他は実施例8と同様に行った。いずれの変異型アミダーゼにおいても、3−メルカプトプロピオン酸の収率は99%であり、ジチオジプロピオン酸の収率は0.5%であった。
(実施例28)
実施例5で得た3−メルカプトプロピオニトリル、3−メルカプトプロピオンアミド及び3−メルカプトプロピオン酸の混合物に蒸留水を加え、硫酸及び水酸化ナトリウムを用いてpH7.0に調整した。3−メルカプトプロピオニトリルの濃度が1.0重量%となるように蒸留水を加えた反応液5gにPth−ニトリルヒドラターゼ生産菌の懸濁液またはPpu-ニトリルヒドラタ−ゼ生産菌の懸濁液0.1gを加え30℃で2時間攪拌した。何れの反応でも3−メルカプトプロピオニトリルは99%以上が3−メルカプトプロピオンアミドに加水分解された。
(実施例29)
46.42w/v%水硫化ナトリウム溶液(144.92g、1.2mol)に、水(36.12g)を加えて40℃に保ちながらこれにアクリロニトリル(53.06g、1.0mol)を1時間かけて滴下した後、40℃で10時間熟成した。続いて反応混合物の温度を25〜30℃に保ちながら、47w/v%硫酸(125.3g、0.3mol)を2時間かけて滴下した後(pH14→pH6.5〜7)、25〜30℃で1時間熟成した。該反応混合液中の硫化水素濃度は、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーによる方法で分析した。熟成後の反応混合液中の硫化水素濃度は8000ppmであった。該反応混合液中の硫化水素濃度が15ppmとなるまで減圧下で反応混合物内の硫化水素を除去した(25〜30℃、6.7kPa(50torr)、3時間)。硫酸滴下時、熟成時、減圧脱気時に反応系外へ放出された硫化水素ガスは、苛性トラップにて捕集した。次に、2層分離した反応混合物からデカンテーションにより上層部の粗体3−メルカプトプロピオニトリル(75.6g)と下層部分水層(270.0g)を取得した。この取得した粗体3−メルカプトプロピオニトリルと水層を重量比率(75.6:270)で使用した。得られた3−メルカプトプロピオニトリル、3−メルカプトプロピオンアミド及び3−メルカプトプロピオン酸の混合物に蒸留水を加え、硫酸及び水酸化ナトリウムを用いてpH7.0に調整した。反応液5gにPth−ニトリルヒドラターゼ生産菌の懸濁液1gまたは2gを加え、3−メルカプトプロピオニトリルの濃度が13重量%となるように調整し、10℃から30℃で24時間攪拌した。同様にPpu-ニトリルヒドラターゼ生産菌の懸濁液を加え反応した。結果を表8に示す。
(実施例30)変異型ニトリルヒドラターゼによる反応
[実施例30−(1)]リボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)の取得
鋳型として特開平9−275978号公報の実施例3記載のプラスミドpPT−DB1、配列表の配列番号:59、及び、60に記載のプライマーを用いたPCR反応により、約0.7Kbpの遺伝子断片を得た。上記PCR断片を制限酵素EcoRI及びNotIにより切断した後、この制限酵素処理液に対してフェノール/クロロホルム抽出とエタノール沈澱を行って該DNA断片を精製した。同様に、EcoRI及びNotIによりpPT−DB1を切断、アガロースゲル電気泳動を行い、アガロースゲルから約3.9KbpのDNA断片のみを切り出した。この様にして得られた約0.7kbpと約3.9KbpのDNA断片をDNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて連結させ、上記のリボゾーム結合配列が改変されたニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(1)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、pPT−DB1に、表9で示される改変されたリボゾーム結合配列を有していることを確認した。
[実施例30−(2)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(2)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表10で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(2)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例79に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(2)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(2)を得た。
[実施例30−(3)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(3)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表10で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(3)を取得するために、宝酒造社製の「LA PCR in vitro mutagenesis Kit」(以後、変異導入キットと呼ぶ)を用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型としてPCR反応を行った。
PCR反応No.1は、配列表の配列番号:61記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号:62に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成は変異導入キットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒、アニーリング(55℃)30秒、伸長反応(72℃)120秒の条件を25サイクル繰り返す事により行った。
PCR反応No.2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号:63に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号:64に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成は変異導入キットに記載の条件による)で、PCR反応No.1と同様の操作により行った。
PCR反応No.1及びNo.2の反応終了液各5μLを用いたアガロース電気泳動(アガロース濃度1.0重量%)によりDNA増幅産物の分析を行ったところ、増幅DNA産物の存在が確認できた。Microcon100(宝酒造社製)を用いてそれぞれのPCR反応終了液より過剰なプライマー及びdNTPを除去した後、10mM トリスー塩酸・1mMEDTA緩衝液(pH8.0)(以下TE溶液と略す)を加えて各々50μLの溶液を調製した。該TE溶液を各0.5μLずつ含む全量47.5μLのアニーリング溶液(組成は変異導入キットに記載の条件による)を調製し、熱変性処理(98℃)を10分間行った後、37℃まで60分間かけて一定の速度で冷却を行い、続いて37℃で15分間保持することによってアニーリング処理を行った。
アニーリング処理液にTaKaRa LA Taqを0.5μL加えて72℃で3分間加熱処理を行い、ヘテロ2本鎖を完成させた。
これにM13プライマーM4(配列表の配列番号:62に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号:64に配列を記載)を各々50pmol加えて全量を50μLとした後、熱変性(98℃)15秒、アニーリング(55℃)30秒、伸長反応(72℃)120秒の条件を25サイクル繰り返すことによるPCR反応No.3を行った。PCR反応No.3の反応終了液5μLを用いたアガロース電気泳動(シグマ社製タイプVII低融点アガロース使用;アガロース濃度0.8重量%)によりDNA増幅産物の分析を行ったところ、約2kbの増幅DNA産物の存在が確認できた。
続いて、アガロースゲルから約2KbのDNA断片のみを切り出し、該アガロース片(約0.1g)を細かく粉砕し1mLのTE溶液に懸濁後、55℃で1時間保温してアガロースを完全に融解させた。この融解液に対してフェノール/クロロホルム抽出とエタノール沈澱を行って該DNA断片を精製し、最終的に10μLのTE溶液に溶解した。精製した約2kbの増幅DNA断片を制限酵素EcoRI及びHindIIIにより切断した後、この制限酵素処理液に対してフェノール/クロロホルム抽出とエタノール沈澱を行って該DNA断片を精製し、最終的に10μLのTE溶液に溶解した。
同様に、EcoRI及びHindIIIにより実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を切断し、アガロースゲル電気泳動(シグマ社製タイプVII低融点アガロース使用;アガロース濃度0.7%)を行い、アガロースゲルから約2.7KbのDNA断片のみを切り出した。切りだしたアガロース片(約0.1g)を細かく粉砕し1mLのTE溶液に懸濁後、55℃で1時間保温してアガロースを完全に融解させた。この融解液に対してフェノール/クロロホルム抽出とエタノール沈澱を行って該DNA断片を精製し、最終的に10μLのTE溶液に溶解した。
この様にして得られた約2Kbと約2.7KbのDNA断片をDNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて連結させた後、大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換した。該形質転換体から抽出したプラスミドを鋳型とし、上記の操作を、配列番号:61記載のプライマーに換えて、配列番号:65記載のプライマーを用いて実施し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(3)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(3)を得た。
[実施例30−(4)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(4)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表10で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(4)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号66、及び、67に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(4)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(4)を得た。
[実施例30−(5)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(5)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表11で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(5)を取得するために、前記の実施例30−(2)記載の形質転換体(2)より回収したプラスミド(2)を鋳型とし、配列表の配列番号:68に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(5)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(5)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(2)記載のプラスミド(2)に、αサブユニットの92番目のAspをGluにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(6)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(6)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表11で示すように変異させた形質転換体(6)を取得するために、前記の実施例30−(3)記載の形質転換体(3)より回収したプラスミド(3)を鋳型とし、配列表の配列番号:68に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(6)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(6)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(3)記載のプラスミド(3)に、αサブユニットの92番目のAspをGluにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(7)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(7)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表11で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(7)を取得するために、前記の実施例30−(4)記載の形質転換体(4)より回収したプラスミド(4)を鋳型とし、配列表の配列番号:68に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(7)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(7)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(4)記載のプラスミド(4)に、αサブユニットの92番目のAspをGluにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(8)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(8)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表12で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(8)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例68に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(8)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(8)を得た。
[実施例30−(9)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(9)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表12で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(9)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例73に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(9)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(9)を得た。
[実施例30−(10)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(10)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表12で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(10)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:69、及び、70に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(10)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(10)を得た。
[実施例30−(11)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(11)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表13で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(11)を取得するために、前記の実施例30−(8)記載の形質転換体(8)より回収したプラスミド(8)を鋳型とし、配列表の配列番号:71に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(11)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(11)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(8)記載のプラスミド(8)に、αサブユニットの94番目のMetをIleにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(12)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(12)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表13で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(12)を取得するために、前記の実施例30−(9)記載の形質転換体(9)より回収したプラスミド(9)を鋳型とし、配列表の配列番号:71に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(12)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(12)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(9)記載のプラスミド(9)に、αサブユニットの94番目のMetをIleにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(13)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(13)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表13で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(13)を取得するために、前記の実施例30−(10)記載の形質転換体(10)より回収したプラスミド(10)を鋳型とし、配列表の配列番号:71に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(13)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(13)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(10)記載のプラスミド(10)に、αサブユニットの94番目のMetをIleにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(14)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(14)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表14で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(14)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例71に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(14)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(14)を得た。
[実施例30−(15)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(15)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表14で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(15)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:72、及び、73に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(15)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(15)を得た。
[実施例30−(16)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(16)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表14で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(16)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号74、及び、75に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(16)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(16)を得た。
[実施例30−(17)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(17)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表15で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(17)を取得するために、前記の実施例30−(14)記載の形質転換体(14)より回収したプラスミド(14)を鋳型とし、配列表の配列番号:76に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(17)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(17)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(14)記載のプラスミド(14)に、αサブユニットの197番目のGlyをCysにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(18)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(18)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表15で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体をを発現する形質転換体(18)を取得するために、前記の実施例30−(15)記載の形質転換体(15)より回収したプラスミド(15)を鋳型とし、配列表の配列番号:76に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(18)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(18)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(15)記載のプラスミド(15)に、αサブユニットの197番目のGlyをCysにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(19)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(19)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表15で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(19)を取得するために、前記の実施例30−(16)記載の形質転換体(16)より回収したプラスミド(16)を鋳型とし、配列表の配列番号:76に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(19)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(19)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(16)記載のプラスミド(16)に、αサブユニットの197番目のGlyをCysにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(20)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(20)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表16で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(20)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例75に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(20)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(20)を得た。
[実施例30−(21)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(21)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表16で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(21)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:77、及び、78に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(21)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(21)を得た。
[実施例30−(22)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(22)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表16で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体をを発現する形質転換体(22)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:79、及び、80に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(22)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(22)を得た。
[実施例30−(23)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(23)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表17で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(23)を取得するために、前記の実施例30−(20)記載の形質転換体(20)より回収したプラスミド(20)を鋳型とし、配列表の配列番号:81に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(23)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(23)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(20)記載のプラスミド(20)に、βサブユニットの4番目のValをMetにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(24)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(24)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表17で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(24)を取得するために、前記の実施例30−(21)記載の形質転換体(21)より回収したプラスミド(21)を鋳型とし、配列表の配列番号:81に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(24)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(24)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(21)記載のプラスミド(21)に、βサブユニットの4番目のValをMetにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(25)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(25)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表17で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(25)を取得するために、前記の実施例30−(22)記載の形質転換体(22)より回収したプラスミド(22)を鋳型とし、配列表の配列番号:81に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(25)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(25)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(22)記載のプラスミド(22)に、βサブユニットの4番目のValをMetにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(26)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(26)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表18で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(26)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例72に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(26)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(26)を得た。
[実施例30−(27)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(27)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表18で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(27)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例77に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(27)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(27)を得た。
[実施例30−(28)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(28)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表19で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(28)を取得するために、前記の実施例30−(26)記載の形質転換体(26)より回収したプラスミド(26)を鋳型とし、配列表の配列番号:82に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(28)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(28)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(26)記載のプラスミド(26)に、βサブユニットの8番目のGlyをAlaにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(29)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(29)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表19で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(29)を取得するために、前記の実施例30−(27)記載の形質転換体(27)より回収したプラスミド(27)を鋳型とし、配列表の配列番号:82に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(29)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(29)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(27)記載のプラスミド(27)に、βサブユニットの8番目のGlyをAlaにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(30)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(30)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表19で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(30)を取得するために、前記の実施例30−(16)記載の形質転換体(16)より回収したプラスミド(16)を鋳型とし、配列表の配列番号:82に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(30)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(30)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(16)記載のプラスミド(16)に、βサブユニットの8番目のGlyをAlaにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(31)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(31)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表20で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(31)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例78に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(31)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(31)を得た。
[実施例30−(32)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(32)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表20で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(32)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:83、及び、84に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(32)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(32)を得た。
[実施例30−(33)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(33)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表21で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(33)を取得するために、前記の実施例30−(31)記載の形質転換体(31)より回収したプラスミド(31)を鋳型とし、配列表の配列番号:85に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(33)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(33)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(31)記載のプラスミド(31)に、βサブユニットの79番目のHisをAsnにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(34)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(34)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表21で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(34)を取得するために、前記の実施例30−(32)記載の形質転換体(32)より回収したプラスミド(32)を鋳型とし、配列表の配列番号:85に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(34)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(34)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(32)記載のプラスミド(32)に、βサブユニットの79番目のHisをAsnにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(35)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(35)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表21で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(35)を取得するために、前記の実施例30−(10)記載の形質転換体(10)より回収したプラスミド(10)を鋳型とし、配列表の配列番号:85に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(35)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(35)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(10)記載のプラスミド(10)に、βサブユニットの79番目のHisをAsnにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(36)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(36)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表22で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(36)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例58に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(36)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(36)を得た。
[実施例30−(37)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(37)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表22で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(37)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例65に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(37)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(37)を得た。
[実施例30−(38)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(38)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表22で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(38)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例74に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(38)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(38)を得た。
[実施例30−(39)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(39)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表23で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(39)を取得するために、前記の実施例30−(36)記載の形質転換体(36)より回収したプラスミド(36)を鋳型とし、配列表の配列番号:86に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(39)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(39)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(36)記載のプラスミド(36)に、βサブユニットの96番目のGlnをArgにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(40)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(40)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表23で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(40)を取得するために、前記の実施例30−(37)記載の形質転換体(37)より回収したプラスミド(37)を鋳型とし、配列表の配列番号:86に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(40)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(40)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(37)記載のプラスミド(37)に、βサブユニットの96番目のGlnをArgにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(41)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(41)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表23で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(41)を取得するために、前記の実施例30−(38)記載の形質転換体(38)より回収したプラスミド(38)を鋳型とし、配列表の配列番号:86に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(41)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(41)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(38)記載のプラスミド(38)に、βサブユニットの96番目のGlnをArgにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(42)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(42)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表24で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(42)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例62に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(42)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(42)を得た。
[実施例30−(43)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(43)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表24で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(43)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:87、及び、88に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(43)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(43)を得た。
[実施例30−(44)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(44)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表25で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(44)を取得するために、前記の実施例30−(42)記載の形質転換体(42)より回収したプラスミド(42)を鋳型とし、配列表の配列番号:89に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(44)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(44)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(42)記載のプラスミド(42)に、βサブユニットの107番目のProをMetにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(45)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(45)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表25で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(45)を取得するために、前記の実施例30−(31)記載の形質転換体(31)より回収したプラスミド(31)を鋳型とし、配列表の配列番号:120に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(45)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(45)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(31)記載のプラスミド(31)に、βサブユニットの107番目のProをMetにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(46)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(46)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表25で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(46)を取得するために、前記の実施例30−(43)記載の形質転換体(43)より回収したプラスミド(43)を鋳型とし、配列表の配列番号:89に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(46)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(46)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(43)記載のプラスミド(43)に、βサブユニットの107番目のProをMetにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(47)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(47)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表26で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(47)を取得するために、前記の実施例30−(36)記載の形質転換体(36)より回収したプラスミド(36)を鋳型とし、配列表の配列番号:90に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(47)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(47)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(36)記載のプラスミド(36)に、βサブユニットの226番目のValをIleにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(48)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(48)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表26で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(48)を取得するために、前記の実施例30−(8)記載の形質転換体(8)より回収したプラスミド(8)を鋳型とし、配列表の配列番号:90に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(48)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(48)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(8)記載のプラスミド(8)に、βサブユニットの226番目のValをIleにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(49)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(49)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表26で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(49)を取得するために、前記の実施例30−(15)記載の形質転換体(15)より回収したプラスミド(15)を鋳型とし、配列表の配列番号:90に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(49)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(49)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(15)記載のプラスミド(15)に、βサブユニットの226番目のValをIleにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(50)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(50)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表27で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(50)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例63に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(50)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(50)を得た。
[実施例30−(51)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(51)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表27で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体をコードする形質転換体(51)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:91、及び、92に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(51)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(51)を得た。
[実施例30−(52)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(52)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表27で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(52)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:93、及び、94に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(52)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(52)を得た。
[実施例30−(53)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(53)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表28で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(53)を取得するために、前記の実施例30−(50)記載の形質転換体(50)より回収したプラスミド(50)を鋳型とし、配列表の配列番号:95、及び、71に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(53)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(53)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(50)記載のプラスミド(50)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(54)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(54)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表28で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(54)を取得するために、前記の実施例30−(51)記載の形質転換体(51)より回収したプラスミド(51)を鋳型とし、配列表の配列番号:95、及び、71に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(54)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(54)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(51)記載のプラスミド(51)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(55)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(55)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表28で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(55)を取得するために、前記の実施例30−(52)記載の形質転換体(52)より回収したプラスミド(52)を鋳型とし、配列表の配列番号:95、及び、71に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(55)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(55)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(52)記載のプラスミド(52)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(56)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(56)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表29で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(56)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例70に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(56)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(56)を得た。
[実施例30−(57)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(57)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表29で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(57)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:96、及び、97に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(57)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(57)を得た。
[実施例30−(58)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(58)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表30で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(58)を取得するために、前記の実施例30−(56)記載の形質転換体(56)より回収したプラスミド(56)を鋳型とし、配列表の配列番号:86、及び、95に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(58)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(58)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(56)記載のプラスミド(56)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの96番目のGlnをArgとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(59)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(59)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表30で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(59)を取得するために前記の実施例30−(27)記載の形質転換体(27)より回収したプラスミド(27)を鋳型とし、配列表の配列番号:86、及び、95に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(59)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(59)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(27)記載のプラスミド(27)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの96番目のGlnをArgにする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(60)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(60)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表30で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(60)を取得するために、前記の実施例30−(57)記載の形質転換体(57)より回収したプラスミド(57)を鋳型とし、配列表の配列番号:86、及び、95に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(60)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(60)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(57)記載のプラスミド(57)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの96番目のGlnをArgとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(61)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(61)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表31で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(61)を取得するために、前記の実施例30−(50)記載の形質転換体(50)より回収したプラスミド(50)を鋳型とし、配列表の配列番号:71、及び、98に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(61)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(61)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(50)記載のプラスミド(50)に、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(62)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(62)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表31で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(62)を取得するために、前記の実施例30−(26)記載の形質転換体(26)より回収したプラスミド(26)を鋳型とし、配列表の配列番号:71、及び、98に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(62)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(62)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(26)記載のプラスミド(26)に、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(63)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(63)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表31で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(63)を取得するために、前記の実施例30−(21)記載の形質転換体(21)より回収したプラスミド(21)を鋳型とし、配列表の配列番号:71、及び、98に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(63)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(63)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(21)記載のプラスミド(21)に、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(64)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(64)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表32で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(64)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例67に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(64)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(64)を得た。
[実施例30−(65)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(65)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表32で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(65)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例76に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(65)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(65)を得た。
[実施例30−(66)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(66)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表32で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(66)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:99、及び、100に記載のプライマーを用い、実施例30−(2)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(66)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(66)を得た。
[実施例30−(67)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(67)

配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表33で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(67)を取得するために、前記の実施例30−(64)記載の形質転換体(64)より回収したプラスミド(64)を鋳型とし、配列表の配列番号:98、及び、120に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(67)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(67)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(64)記載のプラスミド(64)に、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの107番目のProをMetとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(68)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(68)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表33で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(68)を取得するために、前記の実施例30−(65)記載の形質転換体(65)より回収したプラスミド(65)を鋳型とし、配列表の配列番号:89、及び、98に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(68)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(68)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(65)記載のプラスミド(65)に、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの107番目のProをMetとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(69)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(69)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表33で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(69)を取得するために、前記の実施例30−(66)記載の形質転換体(66)より回収したプラスミド(66)を鋳型とし、配列表の配列番号:89、及び、98に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(69)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(69)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(66)記載のプラスミド(66)に、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの107番目のProをMetとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(70)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(70)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表34で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(70)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例69に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(70)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(70)を得た。
[実施例30−(71)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(71)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表34で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(71)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例80に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(71)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(71)を得た。
[実施例30−(72)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(72)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表34で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(72)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:101、及び、102に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(72)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(72)を得た。
[実施例30−(73)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(73)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表35で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(73)を取得するために、前記の実施例30−(70)記載の形質転換体(70)より回収したプラスミド(70)を鋳型とし、配列表の配列番号:68、及び、90に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(73)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(73)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(70)記載のプラスミド(70)に、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(74)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(74)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表35で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(74)を取得するために、前記の実施例30−(71)記載の形質転換体(71)より回収したプラスミド(71)を鋳型とし、配列表の配列番号:68、及び、90に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(74)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(74)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(71)記載のプラスミド(71)に、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(75)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(75)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表35で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(75)を取得するために、前記の実施例30−(72)記載の形質転換体(72)より回収したプラスミド(72)を鋳型とし、配列表の配列番号:68、及び、90に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(75)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(75)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(72)記載のプラスミド(72)に、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(76)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(76)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表36で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(76)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:103、及び、104に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(76)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(76)を得た。
[実施例30−(77)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(77)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表36で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(77)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:105、及び、106に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(77)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(77)を得た。
[実施例30−(78)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(78)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表37で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(78)を取得するために、前記の実施例30−(14)記載の形質転換体(14)より回収したプラスミド(14)を鋳型とし、配列表の配列番号:81、及び、85に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(78)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(78)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(14)記載のプラスミド(14)に、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの79番目のHisをAsnとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(79)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(79)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表37で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(79)を取得するために前記の実施例30−(76)記載の形質転換体(76)より回収したプラスミド(76)を鋳型とし、配列表の配列番号:81、及び、85に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(79)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(79)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(76)記載のプラスミド(76)に、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの79番目のHisをAsnとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(80)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(80)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表37で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(80)を取得するために、前記の実施例30−(77)記載の形質転換体(77)より回収したプラスミド(77)を鋳型とし、配列表の配列番号:81、及び、85に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(80)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(80)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(77)記載のプラスミド(77)に、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの79番目のHisをAsnとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(81)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(81)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表38で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(81)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例64に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(81)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(81)を得た。
[実施例30−(82)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(82)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表38で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(82)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例66に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(82)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(82)を得た。
[実施例30−(83)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(83)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表39で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(83)を取得するために、前記の実施例30−(81)記載の形質転換体(81)より回収したプラスミド(81)を鋳型とし、配列表の配列番号:85、及び、112に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(83)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(83)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(81)記載のプラスミド(81)に、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(84)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(84)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表39で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(84)を取得するために、前記の実施例30−(82)記載の形質転換体(82)より回収したプラスミド(82)を鋳型とし、配列表の配列番号:85、及び、112に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(84)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(84)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(82)記載のプラスミド(82)に、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(85)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(85)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表39で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(85)を取得するために、前記の実施例30−(38)記載の形質転換体(38)より回収したプラスミド(38)を鋳型とし、配列表の配列番号:85、及び、112に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(85)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(85)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(38)記載のプラスミド(38)に、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(86)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(86)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表40で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(86)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例61に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(86)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(86)を得た。
[実施例30−(87)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(87)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表40で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(87)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:107、及び、108に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(87)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(87)を得た。
[実施例30−(88)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(88)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表41で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(88)を取得するために前記の実施例30−(86)記載の形質転換体(86)より回収したプラスミド(86)を鋳型とし、配列表の配列番号:109、及び、110に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(88)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(88)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(86)記載のプラスミド(86)に、βサブユニットの110番目のGluをAsn、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(89)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(89)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表41で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(89)を取得するために、前記の実施例30−(64)記載の形質転換体(64)より回収したプラスミド(64)を鋳型とし、配列表の配列番号:109、及び、110に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(89)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(89)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(64)記載のプラスミド(64)に、βサブユニットの110番目のGluをAsn、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(90)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(90)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表41で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(90)を取得するために、前記の実施例30−(87)記載の形質転換体(87)より回収したプラスミド(87)を鋳型とし、配列表の配列番号:109、及び、110に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(90)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(90)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(87)記載のプラスミド(87)に、βサブユニットの110番目のGluをAsn、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(91)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(91)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表42で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(91)を取得するために、前記の実施例30−(86)記載の形質転換体(86)より回収したプラスミド(86)を鋳型とし、配列表の配列番号:111、及び、112に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(91)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(91)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(86)記載のプラスミド(86)に、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(92)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(92)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表42で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(92)を取得するために、前記の実施例30−(65)記載の形質転換体(65)より回収したプラスミド(65)を鋳型とし、配列表の配列番号:111、及び、112に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(92)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(92)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(65)記載のプラスミド(65)に、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(93)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(93)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表42で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(93)を取得するために、前記の実施例30−(2)記載の形質転換体(2)より回収したプラスミド(2)を鋳型とし、配列表の配列番号:111、及び、112に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(93)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(93)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(2)記載のプラスミド(2)に、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(94)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(94)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表43で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(94)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:113、及び、114に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(94)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(94)を得た。
[実施例30−(95)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(95)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表44で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(95)を取得するために、前記の実施例30−(81)記載の形質転換体(81)より回収したプラスミド(81)を鋳型とし、配列表の配列番号:95、98、及び、109に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(95)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(95)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(81)記載のプラスミド(81)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの110番目のGluをAsnとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(96)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(96)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表44で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(96)を取得するために、前記の実施例30−(56)記載の形質転換体(56)より回収したプラスミド(56)を鋳型とし、配列表の配列番号:95、98、及び、109に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(96)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(96)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(56)記載のプラスミド(56)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの110番目のGluをAsnとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(97)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(97)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表44で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(97)を取得するために、前記の実施例30−(94)記載の形質転換体(94)より回収したプラスミド(94)を鋳型とし、配列表の配列番号:95、98、及び、109に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(97)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(97)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(94)記載のプラスミド(94)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの110番目のGluをAsnとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(98)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(98)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表45で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(98)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例59に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(98)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(98)を得た。
[実施例30−(99)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(99)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表46で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(99)を取得するために、前記の実施例30−(98)記載の形質転換体(98)より回収したプラスミド(98)を鋳型とし、配列表の配列番号:90、95、及び、111に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(99)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(99)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(98)記載のプラスミド(98)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(100)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(100)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表46で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(100)を取得するために、前記の実施例30−(82)記載の形質転換体(82)より回収したプラスミド(82)を鋳型とし、配列表の配列番号:90、95、及び、111に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(100)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(100)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(82)記載のプラスミド(82)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(101)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(101)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表46で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(101)を取得するために、前記の実施例30−(4)記載の形質転換体(4)より回収したプラスミド(4)を鋳型とし、配列表の配列番号:90、95、及び、111に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(101)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(101)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(4)記載のプラスミド(4)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(102)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(102)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表47で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(102)を取得するために、特開2004−194588号公報の実施例60に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例30−(1)記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(102)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(102)を得た。
[実施例30−(103)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(103)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表48で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(103)を取得するために前記の実施例30−(98)記載の形質転換体(98)より回収したプラスミド(98)を鋳型とし、配列表の配列番号:68、81、及び、111に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(103)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(103)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(98)記載のプラスミド(98)に、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの206番目のProをLeuとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(104)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(104)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表48で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(104)を取得するために、前記の実施例30−(37)記載の形質転換体(37)より回収したプラスミド(37)を鋳型とし、配列表の配列番号:68、81、及び、111に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(104)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(104)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(37)記載のプラスミド(37)に、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの206番目のProをLeuとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(105)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(105)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表48で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(105)を取得するために、前記の実施例30−(102)記載の形質転換体(102)より回収したプラスミド(102)を鋳型とし、配列表の配列番号:68、81、及び、111に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(105)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(105)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(102)記載のプラスミド(102)に、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの206番目のProをLeuとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(106)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(106)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表49で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(106)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:115、及び、116に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(106)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(106)を得た。
[実施例30−(107)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(107)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表50で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(107)を取得するために、前記の実施例30−(42)記載の形質転換体(42)より回収したプラスミド(42)を鋳型とし、配列表の配列番号:71、82、及び、86に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(107)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(107)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(42)記載のプラスミド(42)に、αサブユニットの94番目のMetをIle、及び、βサブユニットの8番目のGlyをAla、及び、βサブユニットの96番目のGlnをArgとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(108)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(108)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表50で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(108)を取得するために、前記の実施例30−(20)記載の形質転換体(20)より回収したプラスミド(20)を鋳型とし、配列表の配列番号:71、82、及び、86に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(108)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(108)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(20)記載のプラスミド(20)に、αサブユニットの94番目のMetをIle、及び、βサブユニットの8番目のGlyをAla、及び、βサブユニットの96番目のGlnをArgとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(109)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(109)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表50で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(109)を取得するために前記の実施例30−(106)記載の形質転換体(106)より回収したプラスミド(106)を鋳型とし、配列表の配列番号:71、82、及び、86に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(109)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(109)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(106)記載のプラスミド(106)に、αサブユニットの94番目のMetをIle、及び、βサブユニットの8番目のGlyをAla、及び、βサブユニットの96番目のGlnをArgとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(110)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(110)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表51で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(110)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:105、及び、117に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(110)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(110)を得た。
[実施例30−(111)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(111)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表52で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(111)を取得するために、前記の実施例30−(102)記載の形質転換体(102)より回収したプラスミド(102)を鋳型とし、配列表の配列番号:76、89、及び、112に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(111)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(111)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(102)記載のプラスミド(102)に、αサブユニットの197番目のGlyをCys、及び、βサブユニットの107番目のProをMet、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(112)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(112)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表52で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(112)を取得するために、前記の実施例30−(70)記載の形質転換体(70)より回収したプラスミド(70)を鋳型とし、配列表の配列番号:76、89、及び、112に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(112)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(112)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(70)記載のプラスミド(70)に、αサブユニットの197番目のGlyをCys、及び、βサブユニットの107番目のProをMet、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(113)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(113)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表52で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(113)を取得するために、前記の実施例30−(110)記載の形質転換体(110)より回収したプラスミド(110)を鋳型とし、配列表の配列番号:76、89、及び、112に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(113)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(113)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(110)記載のプラスミド(110)に、αサブユニットの197番目のGlyをCys、及び、βサブユニットの107番目のProをMet、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(114)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(114)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表53で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(114)を取得するために、上記実施例30−(3)記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例30−(1)記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:118、及び、119に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(114)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(114)を得た。
[実施例30−(115)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(115)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表54で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(115)を取得するために、前記の実施例30−(38)記載の形質転換体(38)より回収したプラスミド(38)を鋳型とし、配列表の配列番号:85、及び、121に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(115)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(115)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(38)記載のプラスミド(38)に、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGlu、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(116)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(116)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表54で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(116)を取得するために、前記の実施例30−(9)記載の形質転換体(9)より回収したプラスミド(9)を鋳型とし、配列表の配列番号:85、及び、121に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(116)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(116)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(9)記載のプラスミド(9)に、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGlu、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[実施例30−(117)]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(117)
配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼを表54で示すように変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(117)を取得するために、前記の実施例30−(114)記載の形質転換体(114)より回収したプラスミド(114)を鋳型とし、配列表の配列番号:85、及び、121に記載のプライマーを用い、実施例30−(3)に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(117)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(117)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定、実施例30−(114)記載のプラスミド(114)に、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGlu、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
[評価]
形質転換体1〜117を実施例1で用いたPth−ニトリルヒドラターゼ生産菌と同様に培養し、菌体懸濁液を調製した。Pth−ニトリルヒドラターゼに変えて調製した形質転換体1〜117を用いた以外は実施例29と同様にして3−メルカプトプロピオニトリルを反応させたところ、何れも99%以上の3−メルカプトプロピオニトリルが3−メルカプトプロピオンアミドに変換された。
(実施例31)
実施例30の反応で得られた3−メルカプトプロピオンアミドの反応液に、それぞれ、表55に示すアミダーゼ生産菌1gを加えて20時間反応した。結果を表55に示す。
(実施例32)硫化水素含有3−メルカプトプロピオニトリルによる反応(Pth-アミダーゼ)
500gの1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)硫化水素ガスを吹き込んだ。吹き込み後の重量が500.22gであったので、この緩衝液の硫化水素濃度を440ppmとした。実施例1で製造した精製3−メルカプトプロピオニトリル0.5mLに硫化水素濃度が15ppmから180ppmとなるように緩衝液を加え全量を4.5mLとした。実施例1で用いたPth−ニトリルヒドラターゼ生産菌の懸濁液0.25mLとPth−アミダーゼ生産菌の懸濁液0.25mLを加え、25℃で6時間保温した。結果を表56に示す。
(実施例33)硫化水素を脱気処理した3−メルカプトプロピオニトリルでの反応(Pth-アミダーゼ)
46.42w/v%水硫化ナトリウム溶液(144.92g、1.2mol)に、水(36.12g)を加えて40℃に保ちながらこれにアクリロニトリル(53.06g、1.0mol)を1時間かけて滴下した後、40℃で10時間熟成した。続いて反応混合物の温度を25〜30℃に保ちながら、47w/v%硫酸(125.3g、0.3mol)を2時間かけて滴下して、pH14からpH6.5〜7に調製した後、25〜30℃で1時間熟成した。該反応混合液中の硫化水素濃度は、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーによる方法で分析した。熟成後の反応混合液中の硫化水素濃度は8000ppmであった。該反応混合液中の硫化水素濃度が15ppmとなるまで減圧下で反応混合物内の硫化水素を除去した(25〜30℃、6.7kPa(50torr)、3時間)。硫酸滴下時、熟成時、減圧脱気時に反応系外へ放出された硫化水素ガスは、苛性トラップにて捕集した。次に、2層分離した反応混合物からデカンテーションにより上層部の粗体3−メルカプトプロピオニトリル(75.6g)と下層部分水層(270.0g)を取得した。この取得した粗体3−メルカプトプロピオニトリルと水層を重量比率(75.6:270)で使用した。上層部の粗体3−メルカプトプロピオニトリル1g、下層部分水層3.6gを測り取り、硫酸及び水酸化ナトリウムを用いてpH7.0に調整し、全重量を5.5gとした。Pth−ニトリルヒドラターゼ生産菌の懸濁液1gとPth-アミダーゼ生産菌の懸濁液1gを加え、20℃で24時間攪拌した。反応液中の3−メルカプトプロピオニトリルの99%以上が3−メルカプトプロピオン酸に変換された。
(実施例34)
実施例29で得た3−メルカプトプロピオニトリル、3−メルカプトプロピオンアミド及び3−メルカプトプロピオン酸の混合物に蒸留水を加え、硫酸及び水酸化ナトリウムを用いてpH7.0に調整した。反応液5gにPth−ニトリルヒドラターゼ生産菌の懸濁液1gとPth-アミダーゼ生産菌の懸濁液1gを加え、3−メルカプトプロピオニトリルの濃度が13重量%となるように調整し、20℃で24時間攪拌した。3−メルカプトプロピオニトリルの99%以上が3−メルカプトプロピオン酸に変換された。
(実施例35)
Pth−アミダーゼ生産菌をPpu−アミダーゼ生産菌に変えた以外は、実施例34と同様に行った。99%以上の3−メルカプトプロピオニトリルが3−メルカプトプロピオン酸に変換された。
(実施例36)3,3'−ジチオジプロピオノニトリルの酵素による3,3'−ジチオジプロピオンアミドの合成
3,3'−ジチオジプロピオノニトリル(0.43g,0.0025mol)に水(3.72g)加えて20℃に温度調整した。攪拌しながら0.02w/v%NaOH水溶液(0.02g)を用いてpH7.0に調整し、続いて水(0.73g)を装入した。そのpH7.0の反応液を20℃に保温、攪拌しているなかに、Pth−ニトリルヒドラターゼ生産菌の懸濁液0.1gを加え24時間攪拌・反応した。該反応液をHPLC分析したところ3,3'−ジチオジプロピオノニトリルのピークが消失し、3,3'−ジチオジプロピオンアミドのピークの生成が確認され、HPLCによる3,3'−ジチオジプロピオン酸のピーク面積値が100.0%であり、99%以上の3,3'−ジチオジプロピオノニトリルが3,3'−ジチオジプロピオンアミドに変換された。
(実施例37)3,3'−ジチオジプロピオンアミドの酵素による3,3'−ジチオジプロピオン酸の合成
実施例36で得られた3,3'−ジチオジプロピオンアミドの反応液を20℃で攪拌しながら、Pth−アミダーゼ生産菌の懸濁液0.6gを添加し、20℃、24時間反応した。該反応液をHPLC分析したところ、3,3'−ジチオジプロピオンアミドのピークが消失し、3,3'−ジチオジプロピオン酸のピークが確認され、HPLCによる3,3'−ジチオジプロピオン酸のピーク面積値が100.0%であり、99%以上の3,3'−ジチオジプロピオンアミドが3,3'−ジチオジプロピオン酸に変換された。
(実施例38)3,3'−ジチオジプロピオノニトリルの酵素による3,3'−ジチオジプロピオン酸の合成
3,3'−ジチオジプロピオノニトリル(0.43g,0.0025mol)に水(3.72g)加えて30℃に温度調整した。該スラリー液を30℃で攪拌しながら、0.02w/v%NaOH水溶液(0.02g)を用いてpH7.0に調整し、続いて水(0.73g)を装入した。そのpH7.0の該スラリー液を30℃に保温、攪拌しているなかに、Pth−ニトリルヒドラターゼ生産菌の懸濁液0.14gを添加し、続いてPth−アミダーゼ生産菌の懸濁液0.6gを添加し、30℃、24時間反応した。該反応液をHPLC分析したところ、3,3'−ジチオジプロピオノニトリルのピークが消失し、3,3'−ジチオジプロピオン酸のピークが確認され、HPLCによる3,3'−ジチオジプロピオン酸のピーク面積値が100.0%であり、99%以上の3,3'−ジチオジプロピオノニトリルが3,3'−ジチオジプロピオン酸に変換された。
(実施例39)3,3'−ジチオジプロピオン酸の亜鉛粉末による還元
実施例38で製造した3,3'−ジチオジプロピオン酸(0.526g,0.0025mol)に、水(20g)を加え。32w/v%NaOH水溶液を0.67g加えた。該水溶液に35℃、攪拌条件下で亜鉛粉末(0.41g,0.0063mol)を加え、47w/v%硫酸水(5.58g)を42分間で滴下装入し、その温度で1時間熟成した。該還元反応液をHPLC分析したところ、3,3'−ジチオジプロピオン酸のピークが消失し、3−メルカプトプロピオン酸のピークが確認され、HPLCによる3−メプカプトプロピオン酸のピーク面積値が100.0%であり、99%以上の3,3'−ジチオジプロピオン酸が3−メプカプトプロピオン酸に変換された。
(実施例40)3,3'−ジチオジプロピオン酸の鉄粉末による還元
実施例39の亜鉛粉末を鉄粉末(0.35g,0.0063mol)に変えて実施例39とまったく同様に反応・熟成した。該還元反応液をHPLC分析したところ、3,3'−ジチオジプロピオン酸のピークが消失し、3−メプカプトプロピオン酸のピークが確認され、HPLCによる3−メルカプトプロピオン酸のピーク面積値が100.0%であり、99%以上の3,3'−ジチオジプロピオン酸が3−メプカプトプロピオン酸に変換された。
(実施例41)ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)の合成
実施例34と同様に反応を繰り返し実施した。該反応液(2000g)を攪拌機、冷却管、窒素ガスパージ管、温度計およびpH計を取り付けた3リットル4口フラスコ内に装入し攪拌しながら60℃に過熱した。該反応液に亜鉛粉末(22.6g)を装入し、47w/v%硫酸水(506g)を用いpH1.0以下に調整した。該反応液を60℃保温・攪拌下、1時間熟成し室温まで冷却した。該反応液を攪拌しながら室温下で活性炭(PMSX)(83.1g)を装入し0.5時間のあいだ不要となった菌体成分を吸着させた。該活性炭処理液を濾過・水洗し濾塊に廃活性炭とともに不要となった菌体成分を除去し、濾液に3−メルカプトプロピオン酸を取得した。該濾液を40℃酢酸−n−ブチル(350g)で3回抽出・分液を繰り返し、酢酸ブチル層を合わせた。得られた酢酸ブチル層を濃縮し、続いて蒸留することで高純度(99.9%以上)の3−メルカプトプロピオン酸が収率91(%/アクリロニトリル)で得られた。本方法を繰り返し実施し3−メルカプトプロピオン酸を製造した。
攪拌機、還流冷却水分離器、窒素ガスパージ管および温度計を取り付けた1Lの4つ口反応フラスコ内に、上記方法で製造し得られた3−メルカプトプロピオン酸(442.3g、4.15mol)、ペンタエリスリトール(136.2g,1.00mol)、p−トルエンスルホン酸1水和物(3.82g,0.02mol)、トルエン(185.2g)を加えた。加熱還流下で副生する水を連続的に系外に抜きながら10時間反応を行い(内温102〜122℃)、その後室温まで冷却した。反応液を、塩基洗浄、続いて水洗浄を行い、加熱減圧下でトルエンおよび微量の水を除去した。その後、濾過してペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(463.6g)を得た。得られたペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)色相(黄色度:YI)は1.0であった。
(実施例42)プラスチックレンズの製造
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物35.4gに、ジ−n−ブチルスズジクロリド0.014g(重合性組成物総重量に対して200ppm)、内部離型剤(STEPAN社、商品名、ゼレックUN)0.084g、紫外線吸収剤(共同薬品株式会社、商品名バイオソーブ583)0.035gを20℃にて混合溶解し、均一溶液とした。この均一溶液に、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)16.7g、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン17.9gの混合溶液を添加し、20℃で混合溶解させた。この混合溶液を400Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターでろ過を行い、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型を重合オーブンへ投入、25℃〜120℃まで21時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出し、離型して樹脂を得た。得られた樹脂をさらに130℃で4時間アニール処理を行った。得られた樹脂は透明性があり、屈折率(ne)1.597、アッベ数(νe)40.6、耐熱性(Tg)118.1℃、色相(黄色度:YI)3.8であり、光学用透明樹脂として好適であった。触媒活性については、重合性組成物を20℃、5時間保持した後の粘度は61mPa・sであった。

Claims (6)

  1. ニトリルヒドラターゼを用いて、一般式(3)で示されるニトリルまたはその塩から一般式(1)で示されるアミドまたはその塩を製造し、アミダーゼを用いて、前記アミドまたはその塩から一般式(2)で示されるカルボン酸またはその塩を製造する方法であって、
    反応液中の一般式(1)で示される前記アミドまたはその塩、および、一般式(3)で示される前記ニトリルまたはその塩の少なくとも一方の濃度が、11重量%以上17重量%以下であり、
    前記ニトリルヒドラターゼが、シュードノカルディア属の細菌に由来する酵素であり、
    前記アミダーゼが、アミダーゼシグニチャーファミリーに属する酵素である、一般式(2)で示されるカルボン酸またはその塩を製造する方法
    (一般式(1)中、Xは、H、S−C−CONH、S−C−COOH、カチオンのいずれかを表す。XがHまたはS−C−CONHまたはS−C−COOHのときnは1であり、XがカチオンのときnはXの価数と同一の整数を表す。)
    (一般式(2)中、Yは、H、S−C−COOHのいずれかを表す。)
    (一般式(3)中、Zは、H、S−C −CN、S−C −CONH 、カチオンのいずれかを表す。ZがHまたはS−C −CONH のときnは1であり、ZがカチオンのときnはZの価数と同一の整数を表す。)
  2. 前記ニトリルヒドラターゼ及び前記アミダーゼの存在下、一般式(3)で示される前記ニトリルまたはその塩から一般式(2)で示されるカルボン酸またはその塩を製造する請求項に記載の方法。
  3. 一般式(3)で示されるニトリルまたはその塩がアクリロニトリルと硫黄原子を含む化合物とを反応させて得られるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記硫黄原子を含む化合物が水硫化ナトリウムである、請求項に記載の方法。
  5. 請求項1乃至いずれか1項に記載の方法を用いて一般式(2)記載のカルボン酸を製造する工程と、
    得られた前記カルボン酸とペンタエリスリトールとをエステル化反応させる工程と、
    を含むペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)の製造方法。
  6. 請求項に記載の方法を用いてペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を製造する工程と、
    得られたペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を単重合又は共重合した後、硬化する工程と、
    を含む光学材料の製造方法。
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