JP2004254690A - Dl−メチオニンの製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生体触媒により、メチオニンニトリルあるいメチオニンアミドからDL−メチオニンを、工業的条件を満足して製造する方法を提供する。
【解決手段】 ニトリルヒドラターゼ活性とアミダーゼ活性を有する微生物の培養液または該菌体,または該菌体処理物を、水性媒体中でメチオニンニトリルに作用させ、DL−メチオニンアンモニウム塩を含むメチオニンアミドに変換した後、反応温度35〜60℃で生体触媒反応を継続することにより、生成したメチオニンアミドをさらにDL−メチオニンアンモニウム塩に変換し、DL−メチオニンのアンモニア水溶液を得ることを特徴とするDL−メチオニンの製造法。上記酵素活性を有する微生物は、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属に属する微生物の培養液または該菌体,または該菌体処理物を利用する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生体触媒により、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル(メチオニンニトリル)あるいは2−アミノ−4−メチルチオブチルアミド(メチオニンアミド)からDL−メチオニンを効率よく製造する方法に関する。DL−メチオニンは飼料添加物として有用である。
従来、DL−メチオニンの製造法として、ストレッカー(Strecker)法やブッヘラー(Bucherer)法が知られている。これらの方法はそれぞれDL−メチオニンの経済的な製造方法として有用であるが、中間体であるメチオニンニトリルや5−(2−メチルチオエチル)ヒダントインの加水分解により、無機塩が副生する点が課題であった。この副生無機塩の回収再利用のために、多大なエネルギーが必要である。
この課題を解決するために、生体触媒を用いたメチオニンの製造法が種々検討されてきた。しかしながら、生体触媒の活性が不十分であったり、反応媒体中のメチオニンの溶解蓄積濃度が低いために、実用的には問題が多かった。以下、ニトリル加水分解活性を有する生体触媒を用いたメチオニンの製造法について、公知の方法における課題を例示する。
メチオニンニトリルを基質とする方法は、特に、光学活性なメチオニンを含む2−アミノ酸の製造法が数多く報告されている(例えば、特許文献1乃至特許文献4参照)が、この場合にはラセミ体基質からの生成収率が一般に50%を越えることがないため、効率の良い製造法とは言えない。特許文献2では、L−アミノ酸アミドアミダーゼとアミノ酸アミドラセマーゼの併用法が記載されてはいるものの、収率が低く、実用的ではなかった。
ニトリル加水分解活性を有する生体触媒を用いたDL−メチオニンを含む2−アミノ酸の製造方法としては、2−アミノニトリルを原料とする方法(特許文献5乃至特許文献7参照)およびシアンヒドリンを原料とする方法(特許文献8参照)が知られている。
また、アミド加水分解活性を有する生体触媒を用いたDL−メチオニンの製造方法も知られている(特許文献9参照)。
上記のニトリル加水分解活性を有する生体触媒を用いたDL−メチオニンを含む2−アミノ酸の製造方法のうち、特許文献5記載の方法は、メチオニン溶解度の低い25℃,pH8の条件で反応が行われているため、メチオニンを高濃度に蓄積させるとメチオニンが析出して生体触媒との分離が困難となり、実用的な方法とはいい難い。特許文献6記載の方法では、反応中に光照射が必要であるため、スケールアップに困難を伴う。特許文献7記載の方法は、高価なアミンの回収が煩雑である。
2−アミノニトリルは、水溶液中においてpH9以下ではアンモニアが遊離してシアンヒドリンに変化する性質があり、またpH9を超えるアルカリ域では水和して不可逆的にアミドに変化する性質がある(非特許文献1参照)ため、生体触媒の活性が十分ではない場合には収率の低下を招くという課題もある。
シアンヒドリンを原料とする特許文献8記載の方法は、不安定なメチオニンニトリルの使用を回避できる可能性があるが、基質濃度が20mM(2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル(メチオニンシアンヒドリン)として0.26%)程度と低く、実用的な方法とはいえない。
アミド加水分解活性を有する生体触媒を用いた特許文献9記載のDL−メチオニン製造方法は、メチオニンアミド濃度が2%程度で、メチオニン溶解度の低い35℃,pH7.0の条件で行われているため、メチオニンを高濃度に蓄積させるとメチオニンが析出して生体触媒との分離が困難となり、実用的な方法とはいえない。
微生物に関しては、特許文献5では、バチルス(Bacillius)属、バクテリジウム(Bacteridium)属、ミクロコッカス(Micrococcus)属及びブレビバクテリウム(Brevibacterium)属に属する微生物が、特許文献6では、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ノカルジア(Nocardia)属、バチルス(Bacillius)属、バクテリジウム(Bacteridium)属、ミクロコッカス(Micrococcus)属及びブレビバクテリウム(Brevibacterium)属に属する微生物が、特許文献7では、アースロバクター(Arthrobacter)属、バリオボラクス(Variovorax)属に属する微生物が、特許文献8では、アシネトバクター(Acinetobacter)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、オーレオバクテリウム(Aureobacterium)属、バクテリジウム(Bacteridium)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、カセオバクター(Caseobacter)属、ゴルドナ(Gordona)属、ノカルジア(Nocardia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属に属する微生物が、特許文献9では、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属に属する微生物が用いられているが、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属に属する微生物が用いられた例はない。
特表昭63−500004号公報 特表平3−500484号公報 特開平2−31694号公報 特公平3−16118号公報 特公昭58−15120号公報 特公平03−062391号公報 WO02−08439 特開平9−140391号公報 WO00−27809 アナリスト、11月号、1984年、第109巻、1439〜1442頁(ANALYST, NOVEMBER, 1984, VOL. 109, pp1439-1442)
本発明の課題は、生体触媒により、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル(メチオニンニトリル)あるいは2−アミノ−4−メチルチオブチルアミド(メチオニンアミド)からDL−メチオニンを効率よく製造する方法を提供することにある。
効率よい製造方法とは、反応液中のメチオニン溶解蓄積濃度が高い、生体触媒の活性および安定性が高い、副生塩の発生が少なく環境負荷が小さい、という条件を満たし、工業的規模で実施できる、実用的な製造方法を意味する。
本発明者らは、メチオニンニトリルあるいはメチオニンアミドからDL−メチオニンを効率よく製造する方法について種々検討した結果、反応液中のメチオニン溶解蓄積濃度を高くするためには、より高い温度での生体触媒反応が必要であること、その高温域反応条件では安定なメチオニンアミドを基質とすることが有利であること、そして高温域で活性および安定性が高い生体触媒を見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ニトリルヒドラターゼ活性とアミダーゼ活性を有する微生物の培養液または該菌体,または該菌体処理物を、水性媒体中で、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル(メチオニンニトリル)に作用させ、DL−メチオニンアンモニウム塩を含む2−アミノ−4−メチルチオブチルアミド(メチオニンアミド)に変換する。次に、反応温度35〜60℃で生体触媒反応を継続することにより、生成したメチオニンアミドをさらにDL−メチオニンアンモニウム塩に変換し、DL−メチオニンのアンモニア水溶液を得ることを特徴とするDL−メチオニンの製造法(請求項1)、ニトリルヒドラターゼ活性とアミダーゼ活性を有する微生物が、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属に属する微生物であることを特徴とする請求項1記載のDL−メチオニンの製造法(請求項2)、ニトリルヒドラターゼ活性とアミダーゼ活性を有する微生物が、シュードノカルディア・サーモフィラ(Pseudonocardia thermophila)JCM3095、或いはJCM3032であることを特徴とする請求項1記載のDL−メチオニンの製造法(請求項3)、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属に属する微生物の培養液または該菌体,または該菌体処理物を、水性媒体中、反応温度35〜60℃で2−アミノ−4−メチルチオブチルアミド(メチオニンアミド)に作用させて、DL−メチオニンアンモニウム塩に変換し、DL−メチオニンのアンモニア水溶液を得ることを特徴とするDL−メチオニンの製造法(請求項4)、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属に属する微生物が、シュードノカルディア・サーモフィラ(Pseudonocardia thermophila)JCM3095、或いはJCM3032であることを特徴とする請求項4記載のDL−メチオニンの製造法(請求項5)、または生体触媒反応後の反応液中のDL−メチオニン溶解蓄積濃度が8%以上であることを特徴とする請求項1〜5記載のDL−メチオニンの製造法(請求項6)である。
シュードノカルディア(Pseudonocardia)属に属する微生物を用いることにより、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル(メチオニンニトリル)あるいは2−アミノ−4−メチルチオブチルアミド(メチオニンアミド)からDL−メチオニンを高濃度で、効率よく製造することができる。
本発明において、用いる微生物はニトリルヒドラターゼ活性とアミダーゼ活性を有する微生物であれば、特に限定されるものではないが、シュードノカルディア属の微生物が好ましく、例えば、シュードノカルディア・サーモフィラ JCM3095、或いはシュードノカルディア・サーモフィラ JCM3032等を挙げることができる。これらの菌株は、独立行政法人理化学研究所微生物系統保存施設(Japan Collection of Microorganisms, JCM)から容易に入手することができる。
ニトリルヒドラターゼ活性とは、ニトリル化合物を水和して対応するアミド化合物に変換する活性を意味し、アミダーゼ活性とは、アミド化合物を加水分解して対応するカルボン酸に変換する活性を意味している。
本発明において用いられる微生物の培養に使用される培地としては、該微生物が生育しうるものであれば天然培地、合成培地のいずれであってもよい。炭素源としては、例えばグルコース、フラクトース、スクロース、マルトース又はこれらを含有する糖蜜等の糖類、デンプン又はデンプン加水分解物等の炭水化物、酢酸、乳酸等の有機酸、エタノール、グリセリン等のアルコール類が、単独又は混合して用いられる。
窒素源としては、例えばアミン類、アミノ酸類、硝酸塩類、アンモニア、各種無機酸や有機酸のアンモニウム塩、その他含窒素化合物、並びにペプトン、トリプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カゼイン加水分解物、大豆粕および大豆粕加水分解物、各種発酵菌体およびその消化物等を例示することができる。無機塩類としては、例えばリン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム、塩化コバルト、その他微量金属等が適宜用いられる。これら培地成分の添加は、一括で行っても、分割あるいは連続で行っても良い。
また、培地に、例えばイソブチロニトリル、エチレンシアンヒドリン、ベンゾニトリル、2−アミノベンゾニトリル等のニトリル化合物、ε−カプロラクタム、クロトンアミド、メタクリルアミド、メチオニンアミド等のアミド化合物などを少量添加することにより、ニトリルヒドラターゼ活性やアミダーゼ活性の高い微生物菌体を得ることができる場合がある。培養条件は菌株や培地によっても異なるが、培養温度は20〜70℃、好ましくは25〜60℃であり、培地のpHは4〜9、好ましくは6〜8である。本発明に関する微生物は、上記条件で液体培養、或いは固体培養しても良い。本発明においては、このようにして得られた培養液、遠心分離や濾過等により集められた菌体または菌体処理物が生体触媒として用いられる。菌体処理物としては、菌体を機械的破壊、超音波処理、凍結融解処理、乾燥処理、溶媒処理、界面活性剤処理、酸素処理、加圧減圧処理、浸透圧処理したもの、菌体および菌体抽出物の固定化物などが挙げられる。また、菌体より抽出された酵素及びその固定化物も菌体処理物の範疇であり、生体触媒として用いられる。
メチオニンニトリルをメチオニンアミドとDL−メチオニンアンモニウム塩に変換する反応は、上記生体触媒とメチオニンニトリルを水性媒体中にて静置またはゆるやかな撹拌下に接触させることにより行われる。水性媒体中には、生体触媒とメチオニンニトリルを含有する他、特に制限はないが、必要により緩衝能を有する物質を適宜添加してもよい。DL−メチオニンアンモニウム塩を含むメチオニンアミドあるいはメチオニンアミドをDL−メチオニンアンモニウム塩に変換する反応は、上記生体触媒とメチオニンアミドを水性媒体中にて静置またはゆるやかな撹拌下に接触させることにより行われる。水性媒体中には、必要により緩衝能を有する物質を適宜添加してもよい。基質であるメチオニンニトリルあるはメチオニンアミドの濃度には特に制限はないが、通常は0.1〜30重量%程度である。また、メチオニンニトリルあるはメチオニンアミドは連続的または間欠的に反応液に添加しても良い。微生物の培養液または菌体,または該菌体処理物の反応液への添加量は、特に制限はないが、乾燥菌体重量換算で0.1〜60g/lの範囲で添加すればよい。メチオニンニトリルをメチオニンアミドとDL−メチオニンアンモニウム塩に変換する反応は、メチオニンアミドの水溶解度が極めて高いため、メチオニンニトリルの分解が最小限に抑えられる条件であれば、特に制限はないが、反応温度は通常0〜80℃、好ましくは10〜60℃、反応pHは通常3〜12、好ましくは7〜11の範囲で行われる。反応pHは調整しなくてもよい。DL−メチオニンアンモニウム塩を含むメチオニンアミドあるいはメチオニンアミドをDL−メチオニンアンモニウム塩に変換する反応は、DL−メチオニンが結晶として析出しない条件であれば、特に制限はないが、反応温度は通常0〜80℃、好ましくは25〜60℃、反応pHは通常3〜13、好ましくは7〜12の範囲で行われる。反応pHは調整しなくても良いので、この場合、DL−メチオニン溶解蓄積濃度を8%以上にするためには、我々が求めた等モルのアンモニア存在下でのDL−メチオニンの水溶解度曲線(図1)から、反応温度は35〜60℃が特に好ましい。このようにして反応を行うと反応液中には、DL−メチオニンアンモニウム塩が蓄積する。この反応液から生体触媒は通常の方法で分離することができる。菌体分離後、この反応液からアンモニアを留去すると、DL−メチオニン結晶が析出・分離できる。
以下、実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
0.5%酵母エキス,1.0%ポリペプトン,0.5%ε−カプロラクタム,0.001%塩化コバルト・6水和物,0.004%硫酸鉄(II)・7水和物を含み、1N水酸化ナトリウムでpH7.0に調整したものを培地として用いた。この培地50mlを300ml容量のバッフル付き三角フラスコに入れ、121℃で20分間滅菌して、前培養に用いた。本培養には、上記組成培地500mlを3000ml容量のバッフル付き三角フラスコに入れ、121℃で20分間滅菌して用いた。シュードノカルディア・サーモフィラ JCM3095菌株を前培養用培地に接種し、50℃で1日間振盪して前培養を行った。この前培養液25mlを本培養用培地に植え継ぎ、50℃で2日間振盪培養した。菌体は培養液から遠心分離し、イオン交換水で洗浄して、反応に用いた。
反応は、菌体1gを含むイオン交換水10ml中に、メチオニンニトリル0.2gを加え、30℃で緩やかに振盪して行った。その後、2時間毎にメチオニンニトリル0.2gを4回加え、反応10時間後、反応温度を50℃にして反応を継続した。反応1日後に菌体を遠心分離して、反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、添加したメチオニンニトリルは消失し、メチオニンが生成していた。収率は91%であった。生成したメチオニンは、光学異性体分離用薄層クロマトグラフィー(CHIRALPLATE Macherey-Nage社製)で分析し、ラセミ体であることを確認した。
シュードノカルディア・サーモフィラ JCM3032菌株を、実施例1と同様の前培養用培地に接種し、40℃で1日間振盪して前培養を行った。この前培養液25mlを実施例1と同様の本培養用培地に植え継ぎ、40℃で2日間振盪培養した。菌体は培養液から遠心分離し、イオン交換水で洗浄して、反応に用いた。
反応は、菌体1gを含むイオン交換水10ml中に、メチオニンニトリル0.2gを加え、30℃で緩やかに振盪して行った。その後、2時間毎にメチオニンニトリル0.2gを4回加え、反応10時間後、反応温度を40℃にして反応を継続した。反応1日後に菌体を遠心分離して、反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、添加したメチオニンニトリルは消失し、メチオニンが生成していた。収率は88%であった。生成したメチオニンは、光学異性体分離用薄層クロマトグラフィー(CHIRALPLATE Macherey-Nage社製)で分析し、ラセミ体であることを確認した。
シュードノカルディア・サーモフィラ JCM3095菌株を実施例1と同様の方法で培養し、菌体を得た。菌体を6wt%になるように、10%メチオニンアミド水溶液に懸濁し、40℃で緩やかに振盪しながら反応を行った。反応1日後に菌体を遠心分離して、反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、メチオニンアミドは消失し、メチオニンが生成していた。収率は99%であった。生成したメチオニンは、ラセミ体であった。
シュードノカルディア・サーモフィラ JCM3032菌株を実施例2と同様の方法で培養し、菌体を得た。菌体を6wt%になるように、10%メチオニンアミド水溶液に懸濁し、40℃で緩やかに振盪しながら反応を行った。反応1日後に菌体を遠心分離して、反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、メチオニンアミドは消失し、メチオニンが生成していた。収率は99%であった。生成したメチオニンは、ラセミ体であった。
シュードノカルディア・サーモフィラ JCM3095菌株を実施例1と同様の方法で培養し、菌体を得た。菌体をアルギン酸カルシウムゲルでビーズ状に固定化し、反応槽に反応液中の菌体濃度が25%になるように仕込んだ。反応液を緩やかに攪拌しながら反応槽を50℃に加温し、50%メチオニンアミド水溶液をポンプで断続的に反応槽に添加するとともに反応液を反応槽から抜き出して、反応液中のメチオニン蓄積濃度が8%、メチオニンアミド濃度が1%になるように制御した。この連続反応を10日間行い、メチオニンアミド消費量とメチオニン生成量から収率を算出したところ、100%であった。
等モルのアンモニア存在下でのDL−メチオニンの5〜50℃における水溶解度を調べた結果を示す図である。

Claims (6)

  1. ニトリルヒドラターゼ活性とアミダーゼ活性を有する微生物の培養液または該菌体,または該菌体処理物を、水性媒体中で2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル(メチオニンニトリル)に作用させ、DL−メチオニンアンモニウム塩を含む2−アミノ−4−メチルチオブチルアミド(メチオニンアミド)に変換した後、反応温度35〜60℃で生体触媒反応を継続することにより、生成したメチオニンアミドをさらにDL−メチオニンアンモニウム塩に変換し、DL−メチオニンのアンモニア水溶液を得ることを特徴とするDL−メチオニンの製造法。
  2. ニトリルヒドラターゼ活性とアミダーゼ活性を有する微生物が、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属に属する微生物であることを特徴とする請求項1記載のDL−メチオニンの製造法。
  3. ニトリルヒドラターゼ活性とアミダーゼ活性を有する微生物が、シュードノカルディア・サーモフィラ(Pseudonocardia thermophila)JCM3095、或いはJCM3032であることを特徴とする請求項1記載のDL−メチオニンの製造法。
  4. シュードノカルディア(Pseudonocardia)属に属する微生物の培養液または該菌体,または該菌体処理物を、水性媒体中、反応温度35〜60℃で2−アミノ−4−メチルチオブチルアミド(メチオニンアミド)に作用させて、DL−メチオニンアンモニウム塩に変換し、DL−メチオニンのアンモニア水溶液を得ることを特徴とするDL−メチオニンの製造法。
  5. シュードノカルディア(Pseudonocardia)属に属する微生物が、シュードノカルディア・サーモフィラ(Pseudonocardia thermophila)JCM3095、或いはJCM3032であることを特徴とする請求項4記載のDL−メチオニンの製造法。
  6. 生体触媒反応後の反応液中のDL−メチオニン溶解蓄積濃度が8%以上であることを特徴とする請求項1〜5記載のDL−メチオニンの製造。
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