JP2002034584A - α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法 - Google Patents

α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法

Info

Publication number
JP2002034584A
JP2002034584A JP2000220067A JP2000220067A JP2002034584A JP 2002034584 A JP2002034584 A JP 2002034584A JP 2000220067 A JP2000220067 A JP 2000220067A JP 2000220067 A JP2000220067 A JP 2000220067A JP 2002034584 A JP2002034584 A JP 2002034584A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microorganism
strain
general formula
substituent
ammonium salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000220067A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Kobayashi
洋一 小林
Kasumi Maeda
香寿美 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Soda Co Ltd filed Critical Nippon Soda Co Ltd
Priority to JP2000220067A priority Critical patent/JP2002034584A/ja
Publication of JP2002034584A publication Critical patent/JP2002034584A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩を高濃度に
蓄積し、かつ工業的に満足できる生産速度を長期間維持
できる特定の微生物菌株を用いる、α−ヒドロキシ酸ア
ンモニウム塩の製造方法を提供すること。 【解決手段】 α−ヒドロキシニトリルを、α−ヒドロ
キシ酸アンモニウム塩に変換するに際し、α−ヒドロキ
シ酸アンモニウム塩の平均生産速度として、新鮮菌体触
媒の追加を行うことなく、菌体触媒乾燥重量当たり少な
くとも100μmol/minを14日間以上維持する
ことができ、α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩を20〜
60重量%蓄積することができる微生物菌株に由来する
微生物触媒を用いる。かかる微生物菌株として、アース
ロバクターspNSSC104株から変異処理して得ら
れるNSSC204株を挙げることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特定の微生物菌株に
由来する微生物触媒を用いてα−ヒドロキシニトリルを
加水分解し、α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩を製造す
る方法や、該方法に用いられる微生物菌株に関する。α
−ヒドロキシ酸アンモニウム塩は通常の方法により遊離
のα−ヒドロキシ酸に導くことができる。α−ヒドロキ
シ酸又はα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩のうち乳酸や
乳酸アンモニウムは食品工業、醸造工業、製薬工業等に
用いられ、2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸や2−
ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アンモニウム塩は家畜
の飼料添加物として、またα−ヒドロキシイソ酪酸は有
機合成原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】α−ヒドロキシニトリルから微生物によ
ってα−ヒドロキシ酸を製造する方法としては、例えば
バチルス属、バクテリジウム属、ミクロコッカス属及び
ブレビバクテリウム属の微生物による乳酸、グリコール
酸等の製造方法(特公昭58−15120号公報)、コ
リネバクテリウム属に属する微生物による乳酸、グリコ
ール酸及び2−ヒドロキシイソ酪酸の製造法(特開昭6
1−56086号公報)、シュードモナス属、アースロ
バクター属、アスペルギルス属、ペニシリウム属、コク
リオボラス属、及びフザリウム属の微生物による乳酸、
2−ヒドロキシイソ酪酸、2−ヒドロキシ−2−ヒドロ
キシフェニルプロピオン酸及びマンデル酸の製造方法
(特開昭63−222696号公報)、アースロバクタ
ー属、アスペルギルス属、バチルス属、バクテリジウム
属、ブレビバクテリウム属、コクリオバラス属、コリネ
バクテリウム属、ミクロコッカス属、ノカルディア属、
ペニシリウム属、シュードモナス属及びフザリウム属の
微生物による、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−4
−ブチロラクトンの製造法(特開昭64−10996号
公報)、ロドコッカス属、シュードモナス属、アースロ
バクター属及びブレビバクテリウム属の微生物による2
ーヒドロキシイソ酪酸の製造法(特開平4−40897
号公報)、カセオバクター属、シュードモナス属、アル
カリゲネス属、コリネバクテリウム属、ブレビバクテリ
ウム属、ノカルディア属、ロドコッカス属及びアースロ
バクター属の微生物による2−ヒドロキシ−4−メチル
チオ酪酸の製造法(特開平4−40898号公報)、パ
ントエア属、ミクロコッカス属、バクテリジウム属、バ
チラス属等の微生物によるα−ヒドロキシ−4−メチル
チオ酪酸の製造法(特開平8−173175号公報)、
アルカリゲネス・フェカリスATCC8750、ロドコ
ッカス・エスピーHT29−7、ゴルドナ・テラエMA
−1によるα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸の製造
法(WO96−09403号公報)等が知られている。
これら先行文献に開示されたα−ヒドロキシ酸の製造に
おいては、α−ヒドロキシニトリルを微生物触媒で加水
分解し、先ずα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩を得て、
これを通常の方法、例えば酸による中和、イオン交換樹
脂カラム、電気透析、熱分解等の方法により、遊離のα
−ヒドロキシ酸を製造している。
【0003】これらα−ヒドロキシ酸の製造方法は、い
ずれも目的とする物質を高濃度で生成蓄積させることに
おいて満足しうるものではなく、また、目的物質の微生
物触媒あたりの生産速度も工業的見地から十分とは言え
ない。例えば、前記特開昭61−56086号公報には
コリネバクテリウム属に属する微生物による乳酸蓄積濃
度が9.8重量%、生産速度が257mmol/min
/g−乾燥細胞重量(30℃/4時間)であることが、
特開昭63−222696号公報にはシュードモナス属
に属する微生物による乳酸蓄積濃度が10重量%、アー
スロバクター属に属する微生物による乳酸蓄積濃度が
0.15重量%、シュードモナス属に属する微生物によ
る2−ヒドロキシイソ酪酸蓄積濃度が0.8重量%であ
ることが、特開平4−40898号公報にはカセオバク
ターsp.BC23株による2−ヒドロキシ−4−メチ
ルチオ酪酸蓄積濃度が188mM(2.8重量%)、生
産速度が4.7mmol/h/45OD−630nm
(25℃)であることが、特開平8−173175号公
報にはバクテリディウム・エスピーR341(FERM
−P2719)による2−ヒドロキシ−4−メチルチオ
酪酸蓄積濃度が0.79重量%であることが、WO96
−09403号公報にはアルカリゲネス・フェカリスA
TCC8750株による2−ヒドロキシ−4−メチルチ
オ酪酸蓄積濃度が940mmol/L(14.1重量
%)、生産速度が8.7mmol/min/g−乾燥細
胞重量(25℃/180時間)、ゴルドナ・テラエMA
−1株による2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸蓄積
濃度が1.5mol/L(22.5重量%)、生産速度
が250mmol/min/g−乾燥細胞重量(35℃
初速度)であることがそれぞれ記載されている。
【0004】このように生成物の蓄積濃度が低い理由と
して、α−ヒドロキシニトリルが水溶液中で対応するア
ルデヒドもしくはケトンと青酸に部分的に解離し(ケミ
カルレビューズ(Chemical Reviews)第42巻、189
ページ、1948年)、青酸によって酵素活性が阻害さ
れることが挙げられる(アグリカルチュラル バイオロ
ジカル ケミストリー(Agricultural Biological Chem
istry)第46巻、1165ページ、1982年)。ま
た解離したアルデヒドの作用で酵素が短時間で失活する
可能性も指摘されており、これを解決するための方法と
して、酸性亜硫酸イオン又は亜ジチオン酸イオンを添加
する方法(特開平5−192189号公報)、亜リン酸
イオン又は次亜リン酸イオンを添加する方法(特開平7
−213296号公報)が提案されている。しかしなが
らこれらの添加物を使用してもα−ヒドロキシ酸の生成
蓄積濃度は高いものではない。アルカリゲネス・エスピ
ーBC35−2株によるマンデル酸の蓄積濃度16.6
重量%(特開平5−192189号公報)、ゴルドナ・
テラエMA−1株によるマンデル酸の蓄積濃度12重量
%(特開平7−213296号公報)がそれぞれの特許
で最も高い生成物蓄積濃度として、実施例に示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般的に生成物の蓄積
濃度が低い場合、あるいは生成物の微生物触媒あたりの
生産速度が低い場合や生成速度がある程度速くても長期
間維持できない場合、これを製造するための設備が複雑
かつ大規模になることは当業者によく知られている。こ
のため上述のような公知の方法によって工業的にα−ヒ
ドロキシ酸を製造することは製造効率の点で問題があっ
た。本発明の課題は、α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩
を高濃度に蓄積し、かつ工業的に満足できる生産速度を
長期間維持できる特定の微生物菌株を用いる、α−ヒド
ロキシ酸アンモニウム塩の製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはα−ヒドロ
キシニトリルから、α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩を
生成する微生物について、高濃度のα−ヒドロキシニト
リル又はα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩によって活性
の抑制を受けにくく、長期間活性が持続する耐久性を有
し、なおかつ高濃度のα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩
を高速度で蓄積する能力を有する工業的に有利な微生物
の探索を鋭意行った結果、α−ヒドロキシ酸アンモニウ
ム塩の生産能力が今まで知られた微生物で最も高いアー
スロバクター・エスピーNSSC104(FERM B
P−5829)の変異処理により新たに分離されたアー
スロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)NSSC
204(FERM P−17924)が目的とする活性
を有することを見い出し、本発明を完成させた。
【0007】すなわち本発明は、一般式〔I〕:RCH
(OH)CN(式中、Rは水素原子、置換基を有しても
よいC1〜C6のアルキル基、置換基を有してもよいC2
〜C6のアルケニル基、置換基を有してもよいC1〜C6
のアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基、
置換基を有してもよいアリールオキシ基又は置換基を有
してもよい複素環基を示す。)で表されるα−ヒドロキ
シニトリルを、一般式〔II〕:RCH(OH)COO-
NH4 +(式中、Rは前記と同一の意味を示す。)で表さ
れるα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩に変換するに際
し、一般式〔II〕で表されるα−ヒドロキシ酸アンモニ
ウム塩の平均生産速度として、新鮮菌体触媒の追加を行
うことなく、菌体触媒乾燥重量当たり少なくとも100
μmol/minを14日間以上維持することができる
微生物菌株に由来する微生物触媒を用いることを特徴と
する一般式〔II〕で表されるα−ヒドロキシ酸アンモニ
ウム塩の製造法(請求項1)、微生物菌株に由来する微
生物触媒が、反応系中に一般式〔II〕で表されるα−ヒ
ドロキシ酸アンモニウム塩を20〜60重量%蓄積する
ことができる微生物菌株に由来する微生物触媒であるこ
とを特徴とする請求項1記載の一般式〔II〕で表される
α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法(請求項
2)、微生物菌株に由来する微生物触媒が、アースロバ
クター属に属する微生物菌株に由来する微生物触媒であ
ることを特徴とする請求項1又は2記載の一般式〔II〕
で表されるα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法
(請求項3)、アースロバクター属に属する微生物菌株
が、アースロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)
NSSC204又は当該菌株より誘導された微生物菌株
であることを特徴とする請求項3記載の一般式〔II〕で
表されるα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法(請
求項4)、微生物菌株に由来する微生物触媒が、微生物
菌体、該微生物の菌体処理物、該微生物の抽出物又は該
微生物から単離された酵素であることを特徴とする請求
項1〜4のいずれか記載の一般式〔II〕で表されるα−
ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法(請求項5)、置
換基を有してもよいC 1〜C6のアルキル基が、C1〜C6
のアルキルチオアルキル基又はC1〜C6のヒドロキシア
ルキル基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
か記載の一般式〔II〕で表されるα−ヒドロキシ酸アン
モニウム塩の製造法(請求項6)、置換基を有してもよ
いアリール基が、フェニル基であることを特徴とする請
求項1〜5のいずれか記載の一般式〔II〕で表されるα
−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法(請求項7)α
−ヒドロキシニトリルが、ラクトニトリル、アセトンシ
アンヒドリン、マンデロニトリル又は2−ヒドロキシ−
4−メチルチオブチロニトリルであることを特徴とする
請求項1〜7のいずれか記載の一般式〔II〕で表される
α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法(請求項8)
に関する。
【0008】また本発明は、一般式〔I〕:RCH(O
H)CN(式中、Rは水素原子、置換基を有してもよい
1〜C6のアルキル基、置換基を有してもよいC2〜C6
のアルケニル基、置換基を有してもよいC1〜C6のアル
コキシル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基
を有してもよいアリールオキシ基又は置換基を有しても
よい複素環基を示す。)で表されるα−ヒドロキシニト
リルを、一般式〔II〕:RCH(OH)COO-NH4 +
(式中、Rは前記と同一の意味を示す。)で表されるα
−ヒドロキシ酸アンモニウム塩に変換するに際し、一般
式〔II〕で表されるα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の
平均生産速度として、新鮮菌体触媒の追加を行うことな
く、菌体触媒乾燥重量当たり少なくとも100μmol
/minを14日間以上維持することができることを特
徴とする微生物菌株(請求項9)、微生物菌株が、反応
系中に一般式〔II〕で表されるα−ヒドロキシ酸アンモ
ニウム塩を20〜60重量%蓄積することができる微生
物菌株であることを特徴とする請求項9記載の微生物菌
株(請求項10)、微生物菌株が、アースロバクター属
に属する微生物菌株であることを特徴とする請求項9又
は10記載の微生物菌株(請求項11)、アースロバク
ター属に属する微生物菌株が、アースロバクター・エス
ピー(Arthrobacter sp.)NSSC204(FERM
P−17924)であることを特徴とする請求項11記
載の微生物菌株(請求項12)、アースロバクター属に
属する微生物菌株が、アースロバクター・エスピー(Ar
throbacter sp.)NSSC204から誘導された微生物
菌株であることを特徴とする請求項11記載の微生物菌
株(請求項13)に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の一般式〔II〕:RCH
(OH)COO-NH4 +(式中、Rは水素原子、置換基
を有してもよいC1〜C6のアルキル基、置換基を有して
もよいC2〜C6のアルケニル基、置換基を有してもよい
1〜C6のアルコキシル基、置換基を有してもよいアリ
ール基、置換基を有してもよいアリールオキシ基又は置
換基を有してもよい複素環基を示す。)で表されるα−
ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法としては、一般式
〔I〕:RCH(OH)CN(式中、Rは前記と同一の
意味を示す。)で表されるα−ヒドロキシニトリルを、
一般式〔II〕で表されるα−ヒドロキシ酸アンモニウム
塩に変換するに際し、一般式〔II〕で表されるα−ヒド
ロキシ酸アンモニウム塩の平均生産速度として、新鮮菌
体触媒の追加を行うことなく、菌体触媒乾燥重量当たり
100μmol/minを14日間以上維持することが
できる微生物菌株に由来する微生物触媒を用いる一般式
〔II〕で表されるα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製
造法であれば、特に制限されるものではないが、上記微
生物触媒として、上記平均生産速度200μmol/m
in以上の微生物触媒が好ましく、300μmol/m
in以上の微生物触媒がより好ましい。
【0010】また、上記微生物菌株に由来する微生物触
媒としては、反応系中に一般式〔II〕で表されるα−ヒ
ドロキシ酸アンモニウム塩を20〜60重量%蓄積する
ことができる微生物菌株に由来する微生物触媒が好まし
い。そして、反応系中に一般式〔II〕で表されるα−ヒ
ドロキシ酸アンモニウム塩を20〜60重量%蓄積する
ことができ、かつ、一般式〔II〕で表されるα−ヒドロ
キシ酸アンモニウム塩の平均生産速度として、新鮮菌体
触媒の追加を行うことなく、菌体触媒乾燥重量当たり1
00μmol/minを14日間以上維持することがで
きる微生物菌株としては、アースロバクター属に属する
微生物菌株を例示することができ、具体的にはアースロ
バクター・エスピー(Arthrobacter sp.)NSSC20
4又は当該菌株より誘導された微生物菌株を挙げること
ができる。
【0011】上記アースロバクター・エスピー(Arthro
bacter sp.)NSSC204は、α−ヒドロキシ酸アン
モニウム塩の生産能力が今まで知られた微生物で最も高
いアースロバクターsp.NSSC104(FERM
BP−5829)の変異処理により新たに分離されたも
のである。親株であるアースロバクターsp.NSSC
104は本発明者等によって見出されたものであり、そ
の菌学的性質は、国際公開WO97−32030号公報
に詳細に記載されている。
【0012】アースロバクターsp.NSSC204の
菌学的性質は以下の通りである。 形態 多形桿菌 グラム染色性 陽性 rod−coccusサイクル 有 芽胞 無 運動性 無 細胞壁のジアミノ酸 リジン 酸素に対する態度 好気的 カタラーゼ + DNAの分解 + ゼラチンの液化 + デンプンの分解 + カゼインの分解 + 栄養要求性 無 グリコリル試験 − キノン系 MK−9(H2 )
【0013】以上の菌学的性質を、Bergey's Manual of
Systematic Bacteriology(1986)に基づいて検索した
結果、NSSC204株はアースロバクター(Arthroba
cter)属に属する新菌株と同定された。この菌株は平成
12年6月22日に寄託番号(FERM P−1792
4)として工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託さ
れている。また、このNSSC204株はα−ヒドロキ
シニトリル〔I〕及び/又はα−ヒドロキシ酸アンモニ
ウム塩〔II〕の50重量%〜60重量%でも濃度耐性を
示す。
【0014】本発明に係る微生物菌株としては、一般式
〔I〕で表されるα−ヒドロキシニトリルを、一般式
〔II〕で表されるα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩に変
換するに際し、一般式〔II〕で表されるα−ヒドロキシ
酸アンモニウム塩の平均生産速度として、新鮮菌体触媒
の追加を行うことなく、菌体触媒乾燥重量当たり少なく
とも100μmol/minを14日間以上維持するこ
とができる微生物菌株であれば、特に制限されるもので
はないが、上記微生物菌株として、上記平均生産速度2
00μmol/min以上、特に300μmol/mi
n以上の活性を有する微生物菌株が好ましく、反応系中
に一般式〔II〕で表されるα−ヒドロキシ酸アンモニウ
ム塩を20〜60重量%蓄積することができる微生物菌
株がより好ましい。
【0015】本発明の微生物菌株の創製方法としては特
に制限されるものではなく、土壌等からのスクリーニン
グ手段、放射線・紫外線や変異薬剤による突然変異手
段、遺伝子組換え手段、細胞融合手段などを用いる方法
を挙げることができるが、操作の簡便性からして突然変
異手段が好ましい。かかる突然変異手段としては、例え
ば、α−ヒドロキシニトリルをα−ヒドロキシ酸アンモ
ニウム塩に変換する能力を有する公知の微生物菌株に、
放射線・紫外線や変異薬剤を用いた常法による変異処理
を施した後、α−ヒドロキシニトリルからα−ヒドロキ
シ酸アンモニウム塩の生産量(蓄積濃度や生産速度)に
優れた菌株や、α−ヒドロキシニトリルやα−ヒドロキ
シ酸アンモニウム塩の高濃度溶液中で耐性を示す菌株を
スクリーニングすることにより得ることができる。ま
た、一次スクリーニングで選抜された菌株をより厳しい
条件で二次スクリーニングすることにより、あるいは、
一次スクリーニングで選抜された菌株に再度突然変異処
理を施した後、より厳しい条件で二次スクリーニングす
ることにより、所望の菌株を得ることができる。
【0016】本発明にかかる微生物の培養は、酵素誘導
物質、微生物が資化しうる炭素源、窒素源、無機イオ
ン、さらに必要ならば有機栄養源を含む通常の培地で行
われる。酵素誘導物質としては、イソブチロニトリル等
のニトリル化合物、ε−カプロラクタムなどの環状アミ
ド化合物等が使用される。炭素源としてはグルコース等
の炭水化物、エタノール等のアルコール類、有機酸その
他が適宜用いられる。窒素源としては、アミノ酸、硝酸
塩、アンモニウム塩その他が用いられる。無機イオンと
しては、リン酸イオン、カリウムイオン、マグネシウム
イオン、硫酸イオン、鉄イオン、その他が必要に応じて
使用される。有機栄養源としては、ビタミン、アミノ酸
など及びこれらを含有するコーンスチープリカー、酵母
エキス、ポリペプトン、肉エキス、その他が適宜用いら
れる。培養は好気的条件下に、pH6〜9、温度25〜
37℃の適当な範囲に制御しつつ行えばよい。
【0017】本発明の微生物によるα−ヒドロキシニト
リルからα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩への加水分解
反応に用いられる微生物菌株に由来する微生物触媒とし
ては、微生物菌体、該微生物の菌体処理物、該微生物の
抽出物又は該微生物から単離された酵素等を挙げること
ができるが、かかる微生物触媒は上記のように培養した
菌体を採取し、必要に応じて固定化菌体、粗酵素、固定
化酵素等の菌体処理物として調製することができる。菌
体又は酵素を固定化する場合は担体結合法、包括法等の
通常行われる固定化技術を適用できる。粗酵素を調製す
る場合は、菌体を超音波、高圧ホモジナイザー等によっ
て破砕した後に、硫安塩析、クロマトグラフィー等の通
常行われる酵素精製技術が適用できる。
【0018】α−ヒドロキシニトリルからα−ヒドロキ
シ酸アンモニウム塩への加水分解は、微生物触媒を水性
溶媒中でα−ヒドロキシニトリルと接触させることによ
って行われるが、微生物菌体は乾燥重量に換算して0.
01〜10重量%の濃度で通常使用され、反応終了後は
濾過、遠心分離又は限外濾過膜濃縮法によって回収され
て繰り返し加水分解反応に使用できる。上記水性溶媒と
しては、水、緩衝剤等の塩類又は有機溶媒を含む水溶液
が挙げられるが、これらは二相に分離していてもよい。
【0019】本発明で用いられる一般式〔I〕(Rは水
素原子、置換基を有してもよいC1〜C66のアルキル
基、置換基を有してもよいC2〜C6のアルケニル基、置
換基を有してもよいC1〜C6のアルコキシル基、置換基
を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリ
ールオキシ基又は置換基を有してもよい複素環基を示
す。)で表されるα−ヒドロキシニトリルにおける、置
換基を有してもよいC1〜C6のアルキル基としては、C
1〜C6のアルキルチオアルキル基又はC1〜C6のヒドロ
キシアルキル基を、置換基を有してもよいアリール基と
してはフェニル基を好適に例示することができ、一般式
〔I〕で表されるα−ヒドロキシニトリルの具体例とし
ては、ラクトニトリル、アセトンシアンヒドリン、マン
デロニトリル、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロ
ニトリル等を挙げることができる。これらのα−ヒドロ
キシニトリル〔I〕は通常0.1〜50重量%の濃度で
反応に使用され、必要ならば反応の間、逐次添加されて
もよい。反応のpHは適当な緩衝剤もしくは酸とアルカ
リによって5〜10の間に保てばよい。反応の温度は4
〜50℃、好ましくは20〜40℃に保てばよい。反応
温度は必要に応じて変化させても良く、徐々に昇温ない
し降温させる反応方式も採用することができる。
【0020】α−ヒドロキシニトリルからα−ヒドロキ
シ酸アンモニウム塩への加水分解の反応所要時間は特に
制限されないが、通常6時間ないし120時間で反応液
中に用いたα−ヒドロキシニトリル〔I〕に対応するα
−ヒドロキシ酸アンモニウム塩〔II〕、例えば乳酸アン
モニウム、2−ヒドロキシイソ酪酸アンモニウム、マン
デル酸アンモニウム、2−ヒドロキシ−4−メチルチオ
酪酸アンモニウムなどが高濃度、例えば20重量%以上
の高濃度で蓄積される。反応に用いた菌体は、実質的な
活性低下なしに、繰り返し加水分解反応に使用すること
ができる。生成物は、濃縮、抽出などの定法によって分
離精製することができ、必要ならば酸性条件下での有機
溶媒抽出、熱分解等によってアンモニアと分離すること
ができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限さ
れるものではない。 実施例1 0.3%肉汁、0.5%ペプトン及び0.5%食塩を含
む培地2mlを試験管に、下記の組成の培地20mlを
100ml容量のバッフル付き三角フラスコに入れ、各
々121℃で15分間滅菌した。アースロバクターs
p.NSSC204株を2mlの試験管に一白金耳植菌
し、30℃で一晩振盪培養した後、0.2mlをバッフ
ル付き三角フラスコに植え継ぎ、さらに5日間30℃で
振盪培養した。この培養液を遠心分離して得られた菌体
を生理食塩水で洗浄し、乾燥重量に換算して4重量%の
菌体を0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)に懸濁し
た。次に2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリ
ルを終濃度237mMになるように添加し、30℃で緩
やかに振盪しながら加水分解反応を行った。添加後1時
間毎に同量の2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニ
トリルを7回繰り返し追加し、さらに1.5時間毎に8
回追加して総計19時間の反応を行った。
【0022】 コーンスチープリカー 1.0% (別滅菌) スクロース 1.0% (別滅菌) リン酸一カリウム 0.1% リン酸二カリウム 0.1% 食塩 0.02% 硫酸マグネシウム7水塩 0.02% 硫酸第一鉄 0.001%(別滅菌) ε−カプロラクタム 0.5% pH 7.2(2N苛性ソーダで調整)
【0023】反応終了後、反応液を遠心分離して菌体を
除去し、遠心上清に含まれる2−ヒドロキシ−4−メチ
ルチオ酪酸の濃度を高速液体クロマトグラフィー(カラ
ム:TSKgel ODS−80TM、キャリア:アセ
トニトリル/水/トリフルオロ酢酸=80/20/0.
1)を用いて定量した結果、58.9重量%の2−ヒド
ロキシ−4−メチルチオ酪酸アンモニウム塩の蓄積を確
認した(収率98%)。全く同様な条件でアースロバク
ターsp.NSSC104株を用いて反応を実施したと
きは、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル
の1回の添加量は最初の終濃度として200mMであ
り、2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アンモニウム
塩の蓄積濃度は48.8重量%で、収率96%であっ
た。
【0024】実施例2 流加培養法で得た菌体を用いて、昇温コントロールによ
り2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アンモニウム塩
を一定速度で生産する反応を実施した。前培養培地とし
て、0.5重量%酵母エキス、0.5重量%グルコー
ス、0.5重量%ε-カプロラクタム、0.1重量%K2
HPO4、0.1重量%KH2PO4、0.02重量%硫
酸マグネシウム・7水和物、0.1重量%塩化ナトリウ
ム、0.001重量%硫酸第一鉄・7水和物を含み、1
N水酸化ナトリウムでpH7.2に調整した液体培地2
00mlを3リットル容の三角フラスコに入れ、120
℃で20分間滅菌した(硫酸第一鉄のみは別にろ過滅菌
して加えた)ものを用い、この前培養培地にアースロバ
クターsp.NSSC204株を接種して、33℃で3
日間振盪培養して前培養を行った。
【0025】次に、コーンスチープリカー20重量%を
含み、10N水酸化ナトリウムでpH7.0に調整した
水溶液を調製し、生じた不溶物を遠心分離により除いた
上清液をコーンスチープリカー抽出液とした。20.5
重量%コーンスチープリカー抽出液、0.5重量%グル
コース、1重量%ε-カプロラクタムからなる液体培地
2.9リットルを10リットル容ジャーファメンター中
に用意した。滅菌は、コーンスチープリカー抽出液はろ
過滅菌、その他の培地成分は120℃、20分間の加熱
滅菌によった。この増殖培地に、前記の前培養で得た培
養液を接種して、33℃で通気攪拌培養した。培養開始
後6時間から12時間の間に、上記と同様の滅菌法で調
製した95.5重量%コーンスチープリカー抽出液、
2.2重量%グルコースからなる液体培地2.5リット
ルを流加した。流加終了後約1時間で、溶存酸素濃度が
回復して対数増殖期が終了した。対数増殖期終了後直ち
に、予め110℃、20分間滅菌した50重量%グルコ
ース溶液560mlを約10時間かけて流加した。グル
コースの流加終了後、33℃の通気攪拌条件下、熟成培
養を更に3日間続けた。この培養液から遠心分離により
集菌し、さらに生理食塩水で洗浄して、湿菌体660g
(乾燥重量として132g)を得た。
【0026】限外ろ過(UF)膜分離機、自動希釈装置
・オートインジェクター付きのオンライン高速液体クロ
マトグラフィー装置、pHコントローラーを備えた30
0ml容攪拌型反応槽に、上記培養法で得た菌体触媒ア
ルスロバクターsp.NSSC204の湿菌体86.0
g(乾燥重量として17.2g)を添加し、水で18
9.2mlで希釈した。この反応槽に反応温度21℃
で、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルを
0.409g/minの速度で連続的に添加し、合計で
51.8g加え終わった時点で、水の1.701g/m
inによる連続添加を開始し、2−ヒドロキシ−4−メ
チルチオブチロニトリルの0.409g/minによる
連続添加を継続しながら、膜分離機で菌体触媒を分離回
収して反応槽に戻すと同時に、透過ろ液を2.111g
/minで排出した。また、反応を通してpHを7.0
に保つように、28%アンモニア水を添加した。
【0027】この連続反応の間、オンライン高速液体ク
ロマトグラフィーにより2−ヒドロキシ−4−メチルチ
オブチロニトリルの反応液中濃度を検知し、約0.2重
量%になるように、反応温度を徐々に上昇させた。かく
して、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸アンモ
ニウム塩を22.9重量%(平均値)含有する膜透過ろ
液が、上記一定速度で排出された。この反応を27日間
継続したところ、反応温度は35℃まで上昇した。膜透
過ろ液は全量で85.1kgであった。更に、この27
日間の連続反応終了後、反応槽及び反応配管系に存在す
る滞留液を膜濃縮洗浄し、534.5gの洗浄膜透過ろ
液を別に得た。ここに得られた膜透過ろ液及び洗浄膜透
過ろ液を、高速液体クロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、生成物である2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタ
ン酸が20.0重量%及び9.35重量%存在し、用い
た基質2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル
の純度が95.0%であったことから、生成物のモル収
率を計算すると、95.0%となった。以上の反応結果
から2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸アンモニ
ウム塩の菌体触媒あたりの平均生産速度を計算すると1
74.5μmol/min/g−乾燥菌体重量(21→
35℃/27日間)となる。
【0028】比較例1 実施例2と全く同条件で培養して得た菌体アースロバク
ターsp.NSSC104株を菌体触媒として用い、実
施例2と全く同条件で反応を行ったところ、下記の結果
が得られた。 使用菌体触媒量:86.0g(乾燥重量として17.2
g)/実施例2と同様反応温度:21℃→35℃(27
日間)/実施例2と同様 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル添加速
度:0.227g/min 水添加速度:0.945g/min ろ液排出速度:1.173g/min 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸アンモニウム
塩平均蓄積濃度:22.8重量% ろ液排出量:47.3kg/27日間 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸アンモニウム
塩の菌体触媒あたりの平均生産速度:96.6μmol
/min/g−乾燥菌体重量
【0029】実施例3 流加培養法で得た菌体を用いて、定温で2−ヒドロキシ
−4−メチルチオ酪酸アンモニウム塩を連続的に生産す
る反応を実施した。限外ろ過(UF)膜分離機、自動希
釈装置・オートインジェクター付きのオンライン高速液
体クロマトグラフィー装置、pHコントローラーを備え
た300ml容攪拌型反応槽に、上記培養法で得た菌体
触媒アルスロバクターsp.NSSC204の湿菌体8
6.0g(乾燥重量として17.2g)を添加し、水で
189.2mlで希釈した。この反応槽に反応温度35
℃で、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル
を0.974g/minの速度で連続的に添加し、合計
で51.8g加え終わった時点で、水の連続添加を4.
052g/minで開始し、2−ヒドロキシ−4−メチ
ルチオブチロニトリルの0.974g/minによる連
続添加を継続しながら、膜分離機で菌体触媒を分離回収
して反応槽に戻すと同時に、透過ろ液を5.028g/
minで排出した。反応を通して、pHを7.0に保つ
ように、28%アンモニア水を添加した。
【0030】この連続反応の間、オンライン高速液体ク
ロマトグラフィーにより2−ヒドロキシ−4−メチルチ
オブチロニトリルの反応液中濃度を検知し、約0.2重
量%になるように、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブ
チロニトリルおよび水の添加速度を徐々に低下させ、こ
れに伴い膜透過ろ液の排出速度も低下させた。この条件
で18時間の反応を継続し、反応終了時には、2−ヒド
ロキシ−4−メチルチオブチロニトリルの添加速度は
0.902g/min、膜透過ろ液の排出速度は4.6
58g/minとなった。2−ヒドロキシ−4−メチル
チオブチロニトリルの連続反応開始後の添加量合計は
1.01kgであり、膜透過ろ液は全量で5.23kg
であった。ここに得られた膜透過ろ液を、高速液体クロ
マトグラフィーで分析したところ、生成物である2−ヒ
ドロキシ−4−メチルチオブタン酸が20.7重量%存
在し、用いた基質2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチ
ロニトリルの純度が95.0%であったことから、生成
物のモル収率を計算すると、98.5%となった。以上
の反応結果から2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン
酸アンモニウム塩の菌体触媒あたりの平均生産速度を計
算すると388.5μmol/min/g−乾燥菌体重
量(35℃/18時間)となる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、α−ヒドロキシニトリ
ル〔I〕及び/又はα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩
〔II〕に対する濃度耐性並びに活性が長時間持続する耐
久性を有する微生物を用いることにより、α−ヒドロキ
シ酸アンモニウム塩〔II〕が高濃度に蓄積され、なおか
つ微生物菌体触媒が繰り返し使用できるので、効率的に
α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩〔II〕を製造すること
が可能である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:06) C12R 1:06) Fターム(参考) 4B064 AD30 CA02 CB11 CD05 DA01 DA10 4B065 AA13X BD27 CA10 CA41 CA42 CA43 CA44

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕:RCH(OH)CN(式
    中、Rは水素原子、置換基を有してもよいC1〜C6のア
    ルキル基、置換基を有してもよいC2〜C6のアルケニル
    基、置換基を有してもよいC1〜C6のアルコキシル基、
    置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよ
    いアリールオキシ基又は置換基を有してもよい複素環基
    を示す。)で表されるα−ヒドロキシニトリルを、一般
    式〔II〕:RCH(OH)COO-NH4 +(式中、Rは
    前記と同一の意味を示す。)で表されるα−ヒドロキシ
    酸アンモニウム塩に変換するに際し、一般式〔II〕で表
    されるα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の平均生産速度
    として、新鮮菌体触媒の追加を行うことなく、菌体触媒
    乾燥重量当たり少なくとも100μmol/minを1
    4日間以上維持することができる微生物菌株に由来する
    微生物触媒を用いることを特徴とする一般式〔II〕で表
    されるα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法。
  2. 【請求項2】 微生物菌株に由来する微生物触媒が、反
    応系中に一般式〔II〕で表されるα−ヒドロキシ酸アン
    モニウム塩を20〜60重量%蓄積することができる微
    生物菌株に由来する微生物触媒であることを特徴とする
    請求項1記載の一般式〔II〕で表されるα−ヒドロキシ
    酸アンモニウム塩の製造法。
  3. 【請求項3】 微生物菌株に由来する微生物触媒が、ア
    ースロバクター属に属する微生物菌株に由来する微生物
    触媒であることを特徴とする請求項1又は2記載の一般
    式〔II〕で表されるα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の
    製造法。
  4. 【請求項4】 アースロバクター属に属する微生物菌株
    が、アースロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)
    NSSC204又は当該菌株より誘導された微生物菌株
    であることを特徴とする請求項3記載の一般式〔II〕で
    表されるα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法。
  5. 【請求項5】 微生物菌株に由来する微生物触媒が、微
    生物菌体、該微生物の菌体処理物、該微生物の抽出物又
    は該微生物から単離された酵素であることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか記載の一般式〔II〕で表される
    α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法。
  6. 【請求項6】 置換基を有してもよいC1〜C6のアルキ
    ル基が、C1〜C6のアルキルチオアルキル基又はC1
    6のヒドロキシアルキル基であることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか記載の一般式〔II〕で表されるα
    −ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法。
  7. 【請求項7】 置換基を有してもよいアリール基が、フ
    ェニル基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か記載の一般式〔II〕で表されるα−ヒドロキシ酸アン
    モニウム塩の製造法。
  8. 【請求項8】 α−ヒドロキシニトリルが、ラクトニト
    リル、アセトンシアンヒドリン、マンデロニトリル又は
    2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルである
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の一般式
    〔II〕で表されるα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製
    造法。
  9. 【請求項9】 一般式〔I〕:RCH(OH)CN(式
    中、Rは水素原子、置換基を有してもよいC1〜C6のア
    ルキル基、置換基を有してもよいC2〜C6のアルケニル
    基、置換基を有してもよいC1〜C6のアルコキシル基、
    置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよ
    いアリールオキシ基又は置換基を有してもよい複素環基
    を示す。)で表されるα−ヒドロキシニトリルを、一般
    式〔II〕:RCH(OH)COO-NH4 +(式中、Rは
    前記と同一の意味を示す。)で表されるα−ヒドロキシ
    酸アンモニウム塩に変換するに際し、一般式〔II〕で表
    されるα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の平均生産速度
    として、新鮮菌体触媒の追加を行うことなく、菌体触媒
    乾燥重量当たり少なくとも100μmol/minを1
    4日間以上維持することができることを特徴とする微生
    物菌株。
  10. 【請求項10】 微生物菌株が、反応系中に一般式〔I
    I〕で表されるα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩を20
    〜60重量%蓄積することができる微生物菌株であるこ
    とを特徴とする請求項9記載の微生物菌株。
  11. 【請求項11】 微生物菌株が、アースロバクター属に
    属する微生物菌株であることを特徴とする請求項9又は
    10記載の微生物菌株。
  12. 【請求項12】 アースロバクター属に属する微生物菌
    株が、アースロバクター・エスピー(Arthrobacter s
    p.)NSSC204(FERM P−17924)であ
    ることを特徴とする請求項11記載の微生物菌株。
  13. 【請求項13】 アースロバクター属に属する微生物菌
    株が、アースロバクター・エスピー(Arthrobacter s
    p.)NSSC204から誘導された微生物菌株であるこ
    とを特徴とする請求項11記載の微生物菌株。
JP2000220067A 2000-07-21 2000-07-21 α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法 Pending JP2002034584A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000220067A JP2002034584A (ja) 2000-07-21 2000-07-21 α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000220067A JP2002034584A (ja) 2000-07-21 2000-07-21 α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002034584A true JP2002034584A (ja) 2002-02-05

Family

ID=18714740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000220067A Pending JP2002034584A (ja) 2000-07-21 2000-07-21 α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002034584A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003062437A1 (fr) * 2002-01-18 2003-07-31 Nippon Soda Co.,Ltd. Procede de production de sel d'ammonium d'$g(a)-hydroxyacide
WO2005095626A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-13 Nippon Soda Co., Ltd. 固定化生体触媒およびそれを用いた有機酸塩の製造方法
JP2008104445A (ja) * 2006-09-25 2008-05-08 Sumitomo Chemical Co Ltd 含硫ヒドロキシカルボン酸の製造法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003062437A1 (fr) * 2002-01-18 2003-07-31 Nippon Soda Co.,Ltd. Procede de production de sel d'ammonium d'$g(a)-hydroxyacide
WO2005095626A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-13 Nippon Soda Co., Ltd. 固定化生体触媒およびそれを用いた有機酸塩の製造方法
JP2008104445A (ja) * 2006-09-25 2008-05-08 Sumitomo Chemical Co Ltd 含硫ヒドロキシカルボン酸の製造法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0449648B1 (en) Process for producing R(-)-mandelic acid and derivatives thereof
EP1399567B1 (en) Method for producing alpha-hydroxy acid, glycolic acid 2-hydroxyisobutyric acid from a corresponding alpha-hydroxy nitrile using nitrilase
JPH06237789A (ja) フェニル基を有する光学活性α−ヒドロキシカルボン酸の 製造法
JP2003199595A (ja) 光学活性マンデル酸誘導体の製造方法
US6582943B1 (en) Method for producing 2-hydroxyisobutyric acid and methacrylic acid from acetone cyanohydrin
JPH0614786A (ja) アミド化合物の製造方法および使用される微生物
JP3154646B2 (ja) グリコール酸の微生物学的製造法
US6037155A (en) Process for preparing α-hydroxy acids using microorganism and novel microorganism
JP2696424B2 (ja) R(‐)―マンデル酸の製造法
EP0450885A2 (en) Biological process for preparing glycine
JP4235985B2 (ja) 微生物を用いたα―ヒドロキシ酸の製造方法及び新規微生物
JP2002034584A (ja) α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法
JPH1175885A (ja) 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸カルシウム塩の製造方法
WO2003062437A1 (fr) Procede de production de sel d'ammonium d'$g(a)-hydroxyacide
JPS633599B2 (ja)
JP2670130B2 (ja) ロドコッカス属細菌の培養方法及び該微生物を用いた2―ケト酪酸の製造方法
JP4560164B2 (ja) グリシンの微生物学的製造法
JP2002034593A (ja) 光学活性α−アミノ酸の製造方法
JP3718572B2 (ja) マロン酸誘導体の製造法
JP3659123B2 (ja) 4−ハロゲノ−3−アルカノイルオキシブチロニトリルの光学分割方法
JP2001204485A (ja) 微生物によるカルボニル化合物の製法
JP2001120290A (ja) 微生物によるカルボン酸類の製法
JP2001120259A (ja) 微生物によるカルボン酸アミド類の製法
JPS58209987A (ja) 微生物による芳香族カルボン酸アミドの製造法
JP2003000294A (ja) 微生物によるl−フェニルアラニン誘導体の製造方法