JPH0785718B2 - D−アミノ酸の製造方法 - Google Patents
D−アミノ酸の製造方法Info
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- JPH0785718B2 JPH0785718B2 JP61048233A JP4823386A JPH0785718B2 JP H0785718 B2 JPH0785718 B2 JP H0785718B2 JP 61048233 A JP61048233 A JP 61048233A JP 4823386 A JP4823386 A JP 4823386A JP H0785718 B2 JPH0785718 B2 JP H0785718B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は抗生物質の修飾剤をはじめ、医薬・農薬中間体
として有用なD−アミノ酸の製造方法に関する。
として有用なD−アミノ酸の製造方法に関する。
(従来技術) D−アミノ酸は非天然型の光学活性アミノ酸であり、合
成法でも、発酵法でも製造の困難な化合物である。この
D−アミノ酸の製造方法としては、これまでに5−置換
ヒダントインに酵素を作用させる方法(特開昭55−1048
90、特開昭55−114292など)やN−アセチル−DL−アミ
ノ酸をD−アミノアシラーゼでD−体を選択的に脱アセ
チル化し、D−アミノ酸を得る方法(特公昭53−3603
5)などが知られている。
成法でも、発酵法でも製造の困難な化合物である。この
D−アミノ酸の製造方法としては、これまでに5−置換
ヒダントインに酵素を作用させる方法(特開昭55−1048
90、特開昭55−114292など)やN−アセチル−DL−アミ
ノ酸をD−アミノアシラーゼでD−体を選択的に脱アセ
チル化し、D−アミノ酸を得る方法(特公昭53−3603
5)などが知られている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、これらの方法は、原料基質が高価であったり、
DL−体を分割したのちに、L−体をラセミ化する別工程
が必要であったりし、更に低コストのD−アミノ酸を製
造法が求められている。
DL−体を分割したのちに、L−体をラセミ化する別工程
が必要であったりし、更に低コストのD−アミノ酸を製
造法が求められている。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、D−アミノ酸を低コストで製造する方法
について鋭意検討した結果、例えば下記(I)式で示さ
れるように、D−アミノ酸をアミノ基供与体とし、α−
ケト酸から対応するD−アミノ酸を生成させるアミノ基
転移酵素反応系と、特定の酵素を含むアミノ基供与体再
生酵素反応系とで構成された共役酵素反応系を用いる
と、安価な原料から、光学純度の高いD−アミノ酸を高
収率で得られることを見出だし本発明を完成した。
について鋭意検討した結果、例えば下記(I)式で示さ
れるように、D−アミノ酸をアミノ基供与体とし、α−
ケト酸から対応するD−アミノ酸を生成させるアミノ基
転移酵素反応系と、特定の酵素を含むアミノ基供与体再
生酵素反応系とで構成された共役酵素反応系を用いる
と、安価な原料から、光学純度の高いD−アミノ酸を高
収率で得られることを見出だし本発明を完成した。
(ここで はアミノ酸を、 は対応するα−ケト酸を、(RおよびR′については後
述する。)AADHはアミノ酸脱水素酵素を、AARはアミノ
酸ラセマーゼを、D−ATAはD−アミノ酸トランスアミ
ナーゼを示す。) 本発明は、(A)D−アミノ酸をアミノ基供与体とし、
D−アミノ酸トランスアミナーゼにより、α−ケト酸か
ら対応するD−アミノ酸を生成させるアミノ基転移酵素
反応系と、(B)前記アミノ基供与体D−アミノ酸が脱
アミノされて得られるα−ケト酸に、アミノ酸デヒドロ
ゲナーゼ、アンモニウムイオン、NADH、及びアミノ酸ラ
セマーゼを作用させて前記アミノ基供与体D−アミノ酸
を再生させるアミノ基供与体再生酵素反応系とから構成
された共役酵素反応系でD−アミノ酸を製造するD−ア
ミノ酸の製造方法である。
述する。)AADHはアミノ酸脱水素酵素を、AARはアミノ
酸ラセマーゼを、D−ATAはD−アミノ酸トランスアミ
ナーゼを示す。) 本発明は、(A)D−アミノ酸をアミノ基供与体とし、
D−アミノ酸トランスアミナーゼにより、α−ケト酸か
ら対応するD−アミノ酸を生成させるアミノ基転移酵素
反応系と、(B)前記アミノ基供与体D−アミノ酸が脱
アミノされて得られるα−ケト酸に、アミノ酸デヒドロ
ゲナーゼ、アンモニウムイオン、NADH、及びアミノ酸ラ
セマーゼを作用させて前記アミノ基供与体D−アミノ酸
を再生させるアミノ基供与体再生酵素反応系とから構成
された共役酵素反応系でD−アミノ酸を製造するD−ア
ミノ酸の製造方法である。
以下、本発明の共役酵素反応系について説明するが、本
発明は、これに限定されるものではない。
発明は、これに限定されるものではない。
L−アミノ酸から、アミノ酸ラセマーゼ(以下AARとい
う)により生成したD−アミノ酸をアミノ基供与体と
し、D−アミノ酸トランスアミナーゼ(以下D−ATAと
いう)により、α−ケト酸をこれに対応するD−アミノ
酸に変換する。このアミノ基転移酵素反応系において、
アミノ基供与体が脱アミノされて得られるα−ケト酸
を、アミノ酸デヒドロゲナーゼ(以下AADHという)によ
りL−アミノ酸に再生する。
う)により生成したD−アミノ酸をアミノ基供与体と
し、D−アミノ酸トランスアミナーゼ(以下D−ATAと
いう)により、α−ケト酸をこれに対応するD−アミノ
酸に変換する。このアミノ基転移酵素反応系において、
アミノ基供与体が脱アミノされて得られるα−ケト酸
を、アミノ酸デヒドロゲナーゼ(以下AADHという)によ
りL−アミノ酸に再生する。
この反応は、アンモニウムイオンと補酵素NADHの存在下
で行うことができる。
で行うことができる。
このアミノ基供与体の再生酵素反応系で生成されたNAD+
は、例えばギ酸などのNADH再生能を有する基質および酵
素の組み合わせによって、再びNADHへと再生される。
は、例えばギ酸などのNADH再生能を有する基質および酵
素の組み合わせによって、再びNADHへと再生される。
本発明は、このようにして、目的のD−アミノ酸をバッ
チ法あるいは連続法により、製造することができる。
チ法あるいは連続法により、製造することができる。
本発明の製法によって、ほとんど全てのD−アミノ酸を
製造することができ、生成するD−アミノ酸(I)式に
おける をいう)は、原料α−ケト酸((I)式における をいう)によって決定される。
製造することができ、生成するD−アミノ酸(I)式に
おける をいう)は、原料α−ケト酸((I)式における をいう)によって決定される。
例えば、α−ケトグルタル酸からD−グルタミン酸、α
−ケト酪酸からD−アミノ酪酸、α−ケト吉草酸からD
−ノルバリン、α−ケトイソ吉草酸からD−バリン、オ
キザロ酢酸からD−アスパラギン酸、α−ケト−γ−メ
チルチオ酪酸からD−メチオニン、α−メトイソカプロ
ン酸からD−ロイシン、イミダゾールピルビン酸からD
−ヒスチジン、α−ケトアルギニンからD−アルギニ
ン、フェニルピルビン酸からD−フェニルアラニン、P
−ヒドロキシフェニルピルビン酸からD−チロシン、フ
ェニルグリオキシル酸からD−フェニルグリシン、イン
ドールピルビン酸からD−トリプトファン、ピルビン酸
からD−アラニン、β−ヒドロキシピルビン酸からD−
セリンなどを製造することができる。
−ケト酪酸からD−アミノ酪酸、α−ケト吉草酸からD
−ノルバリン、α−ケトイソ吉草酸からD−バリン、オ
キザロ酢酸からD−アスパラギン酸、α−ケト−γ−メ
チルチオ酪酸からD−メチオニン、α−メトイソカプロ
ン酸からD−ロイシン、イミダゾールピルビン酸からD
−ヒスチジン、α−ケトアルギニンからD−アルギニ
ン、フェニルピルビン酸からD−フェニルアラニン、P
−ヒドロキシフェニルピルビン酸からD−チロシン、フ
ェニルグリオキシル酸からD−フェニルグリシン、イン
ドールピルビン酸からD−トリプトファン、ピルビン酸
からD−アラニン、β−ヒドロキシピルビン酸からD−
セリンなどを製造することができる。
次に、本発明に使用される酵素について述べる。
D−ATAは植物や微生物中に見い出され、特にBacillus
属に高生産株が存在する。その中でもBacillus属の中等
度好熱菌が生産するD−ATA(特願昭60−26735)は耐熱
性が高く安定であることより特に好適である。
属に高生産株が存在する。その中でもBacillus属の中等
度好熱菌が生産するD−ATA(特願昭60−26735)は耐熱
性が高く安定であることより特に好適である。
さらに、このBacillus属中等度好熱菌由来のD−ATAの
構造遺伝子を大腸菌にクローン化することによって得ら
れた株(E.coliC 600−pMT113)は、極めて高活性であ
ると共に、通常のL−ブロスで培養後、細胞壁を破砕
し、熱処理(例えば60℃,30分)するだけで、D−ATA活
性を低下させることなく、他の雑多な夾雑酵素活性を取
り除くことができ、本発明の方法において使用するにあ
たって、極めて有用である。
構造遺伝子を大腸菌にクローン化することによって得ら
れた株(E.coliC 600−pMT113)は、極めて高活性であ
ると共に、通常のL−ブロスで培養後、細胞壁を破砕
し、熱処理(例えば60℃,30分)するだけで、D−ATA活
性を低下させることなく、他の雑多な夾雑酵素活性を取
り除くことができ、本発明の方法において使用するにあ
たって、極めて有用である。
また、ここで用いるD−アミノ酸トランスアミナーゼは
広い基質特異性を有しており、ほとんどすべてのD−ア
ミノ酸を、高収率、高い立体特異性をもって合成するこ
とができる。
広い基質特異性を有しており、ほとんどすべてのD−ア
ミノ酸を、高収率、高い立体特異性をもって合成するこ
とができる。
AARおよびAADHは、バチルス属をはじめ様々な微生物や
植物、動物に存在することが知られている。
植物、動物に存在することが知られている。
AARおよびAADHは、アミノ基供与体となるアミノ酸との
基質特異性を勘案して選択される。
基質特異性を勘案して選択される。
その一例として、アラニンラセマーゼ(以下AlaRとい
う)およびアラニンデヒドロゲナーゼ(以下AlaDHとい
う)が掲げられるが、これらは多くの微生物に分布して
いる。その中で特にバチルス・ステアロサーモフィルス
IFO12550(Bacillus stearothermophilus)が産生する
ものは高活性でかつ高い安定性を有することより好適で
ある。さらに、このバチルス・ステアロサーモフィルス
IFO12550由来のAlaRおよびAlaDHの構造遺伝子を、大腸
菌にそれぞれクローン化することによって得られた株
(E.coliC 600−plCR4,E.coliC 600−pMD112)などは、
どちらも元の株に比べて活性が数十倍高く、また熱処理
(例えば70℃,1時間)により他の夾雑酵素を取り除くこ
とができ、本発明の目的には極めて有用である。NADH再
生系は公知の基質および酵素の組み合わせによって実施
することができる。例えば、米国特許第4,221,869号に
記載されているギ酸およびギ酸デヒドロゲナーゼ(以下
FDHという)、アルコールおよびアルコールデヒドロゲ
ナーゼ(以下ADHという)、グルコースおよびグルコー
スデヒドロゲナーゼなどの組み合わせによって、NAD+か
らNADHを再生することができる。FDHはCandida属の酵母
やPseudomonas属の細菌由来のものが市販されている。
また、Candida,Pichia,Hansenula属等のメタノール資化
性酵母を培養することにより容易に調製できる。ADHも
ウマ肝臓や酵母由来のものが市販されている。
う)およびアラニンデヒドロゲナーゼ(以下AlaDHとい
う)が掲げられるが、これらは多くの微生物に分布して
いる。その中で特にバチルス・ステアロサーモフィルス
IFO12550(Bacillus stearothermophilus)が産生する
ものは高活性でかつ高い安定性を有することより好適で
ある。さらに、このバチルス・ステアロサーモフィルス
IFO12550由来のAlaRおよびAlaDHの構造遺伝子を、大腸
菌にそれぞれクローン化することによって得られた株
(E.coliC 600−plCR4,E.coliC 600−pMD112)などは、
どちらも元の株に比べて活性が数十倍高く、また熱処理
(例えば70℃,1時間)により他の夾雑酵素を取り除くこ
とができ、本発明の目的には極めて有用である。NADH再
生系は公知の基質および酵素の組み合わせによって実施
することができる。例えば、米国特許第4,221,869号に
記載されているギ酸およびギ酸デヒドロゲナーゼ(以下
FDHという)、アルコールおよびアルコールデヒドロゲ
ナーゼ(以下ADHという)、グルコースおよびグルコー
スデヒドロゲナーゼなどの組み合わせによって、NAD+か
らNADHを再生することができる。FDHはCandida属の酵母
やPseudomonas属の細菌由来のものが市販されている。
また、Candida,Pichia,Hansenula属等のメタノール資化
性酵母を培養することにより容易に調製できる。ADHも
ウマ肝臓や酵母由来のものが市販されている。
また酵母は生物から抽出したものをそのまま、あるいは
従来知られている方法により固定化したものや膜反応器
等、いずれも使用することができる。
従来知られている方法により固定化したものや膜反応器
等、いずれも使用することができる。
本発明の反応の最適条件は、使用する酵素により異なる
が、通常pH7〜10、温度25〜55℃、好ましくはpH8〜9、
温度37〜50℃の範囲で実施される。pHは、反応中のpH変
動を、酸、アルカリを添加しながらコントロールしても
よいし、トリス−塩酸、NH4Cl/NH4OH等の緩衝液を使用
してもよい。反応後、目的とするD−アミノ酸は、例え
ばイオン交換樹脂等によって、有機酸などから容易に分
離されうる。
が、通常pH7〜10、温度25〜55℃、好ましくはpH8〜9、
温度37〜50℃の範囲で実施される。pHは、反応中のpH変
動を、酸、アルカリを添加しながらコントロールしても
よいし、トリス−塩酸、NH4Cl/NH4OH等の緩衝液を使用
してもよい。反応後、目的とするD−アミノ酸は、例え
ばイオン交換樹脂等によって、有機酸などから容易に分
離されうる。
本発明に使用される原料α−ケト酸は50〜500m mol/
の範囲が好ましく、アミノ基供与体アミノ酸は0.5〜20m
mol/、NAD+は0.1〜10m mol/、ギ酸、アルコール、
グルコース等のNADH再生系基質は100〜1000m mol/、
アンモニウムイオンは、アンモニア換算で50mmol〜1mol
/が好ましい。また、D−ATAは2〜20Unit/ml、AARは
1〜10Unit/ml、AADHは4〜100Unit/ml、NADH再生系酵
素は1〜10Unit/mlの範囲で使用されることが好まし
い。
の範囲が好ましく、アミノ基供与体アミノ酸は0.5〜20m
mol/、NAD+は0.1〜10m mol/、ギ酸、アルコール、
グルコース等のNADH再生系基質は100〜1000m mol/、
アンモニウムイオンは、アンモニア換算で50mmol〜1mol
/が好ましい。また、D−ATAは2〜20Unit/ml、AARは
1〜10Unit/ml、AADHは4〜100Unit/ml、NADH再生系酵
素は1〜10Unit/mlの範囲で使用されることが好まし
い。
ただし、これらの酵素量は、基質との組み合わせや4種
の酵素の組み合わせ等の条件によって、適宜選択され
る。本発明においてアミノ基供与体として添加するとア
ミノ酸((I)式における をいう)は、目的とするD−アミノ酸と異った種類のア
ミノ酸であることが必要であり、また、対応するAARお
よびAADHを有し、かつ、目的とするD−アミノ酸の生成
サイクルを崩さないアミノ酸の中から適宜選択される。
また、このアミノ酸は、L−体であってもDL−体であっ
ても差しつかえない。
の酵素の組み合わせ等の条件によって、適宜選択され
る。本発明においてアミノ基供与体として添加するとア
ミノ酸((I)式における をいう)は、目的とするD−アミノ酸と異った種類のア
ミノ酸であることが必要であり、また、対応するAARお
よびAADHを有し、かつ、目的とするD−アミノ酸の生成
サイクルを崩さないアミノ酸の中から適宜選択される。
また、このアミノ酸は、L−体であってもDL−体であっ
ても差しつかえない。
本発明の反応には、D−ATA,AARの補酵素としてピリド
キサールリン酸を加えることが好ましい。
キサールリン酸を加えることが好ましい。
(発明の効果) 本発明の方法により、 (1) 安価な原料を利用できる。
(2) 煩雑な工程を必要としない。
(3) 高収率で (4) 高い光学純度を有するD−アミノ酸を製造する
ことができる。
ことができる。
(実施例) 実施例1 NH4Cl/NH4OH緩衝液(pH8.1)100μmol、ギ酸ナトリウム
250μmol、α−ケトグルタル酸25μmol、DL−アラニン
5μmol、NAD+0.5μmol、ピリドキサールリン酸25n mo
l、FDH 1Unit、D−ATA 3Unit、Ala−R 3UnitおよびAla
DH5 Unitを含む反応液500μを、50℃で4時間反応さ
せた。反応はDL−アラニンの添加により開始し、12%ト
リクロル酢酸を添加することによって終了させた。反応
液を中和し、遠心分離した上清を希釈し、アミノ酸自動
分析機により生成したグルタミン酸を定量した。また、
得られたグルタミン酸は分析の結果ほぼ100%D−体で
あった。収率は、基質α−ケトグルタル酸に対して100
%であった。
250μmol、α−ケトグルタル酸25μmol、DL−アラニン
5μmol、NAD+0.5μmol、ピリドキサールリン酸25n mo
l、FDH 1Unit、D−ATA 3Unit、Ala−R 3UnitおよびAla
DH5 Unitを含む反応液500μを、50℃で4時間反応さ
せた。反応はDL−アラニンの添加により開始し、12%ト
リクロル酢酸を添加することによって終了させた。反応
液を中和し、遠心分離した上清を希釈し、アミノ酸自動
分析機により生成したグルタミン酸を定量した。また、
得られたグルタミン酸は分析の結果ほぼ100%D−体で
あった。収率は、基質α−ケトグルタル酸に対して100
%であった。
ただし、FDHは リン酸緩衝液(pH8.0)50μmol、ギ酸ナトリウム100μm
ol、および酵素液を含む反応液に、2μmolのNAD+を添
加することにより反応を開始し(反応液1ml,50℃)、34
0nmにおける吸収の増加を経時的に測定し、1分間にNAD
H1μmolの生成を触媒する酵素量を1Unitとした。
ol、および酵素液を含む反応液に、2μmolのNAD+を添
加することにより反応を開始し(反応液1ml,50℃)、34
0nmにおける吸収の増加を経時的に測定し、1分間にNAD
H1μmolの生成を触媒する酵素量を1Unitとした。
D−ATAは Tris−HCl緩衝液(pH8.1)25μmol、ピリドキサルリン
酸25nmol、D−アラニン50μmol、および適当に希釈し
た酵素液を含む反応液に、10μmolのα−ケトグルタル
酸ナトリウムを添加することにより反応を開始し(反応
液500μ、温度50℃)、15分間インキュベートした
後、60%KOHを500μ添加することによって反応を停止
させ、生成したピルビン酸をサリチルアルデヒド法によ
り定量し、1分間にピルビン酸1μmolの生成を触媒す
る酵素量を1Unitとした。
酸25nmol、D−アラニン50μmol、および適当に希釈し
た酵素液を含む反応液に、10μmolのα−ケトグルタル
酸ナトリウムを添加することにより反応を開始し(反応
液500μ、温度50℃)、15分間インキュベートした
後、60%KOHを500μ添加することによって反応を停止
させ、生成したピルビン酸をサリチルアルデヒド法によ
り定量し、1分間にピルビン酸1μmolの生成を触媒す
る酵素量を1Unitとした。
Ala−Rは リン酸緩衝液(pH8.0)25μmol、ピリドキサルリン酸25
nmol、α−ケトグルタル酸ナトリウム10μmol、D−ATA
10Unitおよび酵素液を含む反応液に25μmolのL−アラ
ニンを添加することにより反応を開始し(反応液500μ
、50℃)、15分間インキュベートした後、60%KOHを5
00μ添加することにより反応を停止させ、生成したピ
ルビン酸をサリチルアルデヒド法で測定し、1分間にピ
ルビン酸1μmolの生成を触媒する酵素量を1Unitとし
た。
nmol、α−ケトグルタル酸ナトリウム10μmol、D−ATA
10Unitおよび酵素液を含む反応液に25μmolのL−アラ
ニンを添加することにより反応を開始し(反応液500μ
、50℃)、15分間インキュベートした後、60%KOHを5
00μ添加することにより反応を停止させ、生成したピ
ルビン酸をサリチルアルデヒド法で測定し、1分間にピ
ルビン酸1μmolの生成を触媒する酵素量を1Unitとし
た。
AlaDHは アンモニア緩衝液(pH8.6)750μmol、ピルビン酸ナト
リウム25μmol、および酵素液を含む反応液に、0.2μmo
lのNADHを添加することにより反応を開始し(反応液1m
l、50℃)、340nmにおける吸収の減少を経時的に測定
し、1分間にNADH1μmolの減少を触媒する酵素量を1Uni
tとした。
リウム25μmol、および酵素液を含む反応液に、0.2μmo
lのNADHを添加することにより反応を開始し(反応液1m
l、50℃)、340nmにおける吸収の減少を経時的に測定
し、1分間にNADH1μmolの減少を触媒する酵素量を1Uni
tとした。
実施例2〜18 α−ケト酸を実施例1と変えて、各種アミノ酸を製造し
た。結果を表−1に示す。D−ATA量および反応時間以
外の条件は、実施例1と同様にして行なった。
た。結果を表−1に示す。D−ATA量および反応時間以
外の条件は、実施例1と同様にして行なった。
実施例19〜28 Tris−HCl緩衝液(pH9.0)100μmol、α−ケト酸100μm
ol、ギ酸アンモニウム100μmol、L−グルタミン酸20μ
mol、NAD+1μmol、ピリドキサールリン酸50nmol、グル
タミン酸ラセマーゼ0.5Unit、FPH 1Unit、D−ATA 2Uni
t、およびグルタミン酸デヒドロゲナーゼ10Unitを含む
反応液1mlを37℃で反応させた。反応はL−グルタミン
酸の添加により開始し、12%トリクロル酢酸を添加する
ことによって終了させた。反応液を中和し、遠心分離し
た上清を希釈し、アミノ酸自動分析機により、生成した
アミノ酸を定量した。得られたアミノ酸は分析の結果D
−体であった。収率は、基質α−ケト酸に対する生成し
たD−アミノ酸の比とした。結果を表−2に示す。
ol、ギ酸アンモニウム100μmol、L−グルタミン酸20μ
mol、NAD+1μmol、ピリドキサールリン酸50nmol、グル
タミン酸ラセマーゼ0.5Unit、FPH 1Unit、D−ATA 2Uni
t、およびグルタミン酸デヒドロゲナーゼ10Unitを含む
反応液1mlを37℃で反応させた。反応はL−グルタミン
酸の添加により開始し、12%トリクロル酢酸を添加する
ことによって終了させた。反応液を中和し、遠心分離し
た上清を希釈し、アミノ酸自動分析機により、生成した
アミノ酸を定量した。得られたアミノ酸は分析の結果D
−体であった。収率は、基質α−ケト酸に対する生成し
たD−アミノ酸の比とした。結果を表−2に示す。
ただしFDHは リン酸緩衝液(pH8.0)50μmol、ギ酸ナトリウム100μm
ol、および酵素液を含む反応液に、2μmolのNAD+を添
加することにより反応を開始し(反応液1ml、37℃)、3
40nmにおける吸収の増加を経時的に測定し、1分間にNA
DH1μmolの生成を触媒する酵素量を1Unitとした。
ol、および酵素液を含む反応液に、2μmolのNAD+を添
加することにより反応を開始し(反応液1ml、37℃)、3
40nmにおける吸収の増加を経時的に測定し、1分間にNA
DH1μmolの生成を触媒する酵素量を1Unitとした。
D−ATAは Tris−HCl緩衝液(pH8.1)25μmol、ピリドキサルリン
酸25nmol、D−アラニン50μmol、および適当に希釈し
た酵素液を含む反応液に、10μmolのα−ケトグルタル
酸ナトリウムを添加することにより反応を開始し(反応
液500μ、温度37℃)、15分間インキュベートした
後、60%KOHを500μ添加することによって反応を停止
させ、生成したピルビン酸をサリチルアルデヒド法によ
り定量し、1分間にピルビン酸1μmolの生成を触媒す
る酵素量を1Unitとした。
酸25nmol、D−アラニン50μmol、および適当に希釈し
た酵素液を含む反応液に、10μmolのα−ケトグルタル
酸ナトリウムを添加することにより反応を開始し(反応
液500μ、温度37℃)、15分間インキュベートした
後、60%KOHを500μ添加することによって反応を停止
させ、生成したピルビン酸をサリチルアルデヒド法によ
り定量し、1分間にピルビン酸1μmolの生成を触媒す
る酵素量を1Unitとした。
グルタミン酸デヒドロゲナーゼは、(株)ベーリンガー
マンハイム山之内製(グルタミン酸脱水素酵素)を用い
た。(1mgあたり120Unit) グルタミン酸ラセマーゼは、Tris−HCl緩衝液(pH8.0)
200μmol、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ36Unit、およ
びD−グルタミン酸30μmolを含む反応液に2.5μmolのN
AD+を添加することにより反応を開始し、(反応液1ml、
37℃)340nmにおける吸収の増加を経時的に測定し、1
分間にNADH 1μmolの生成を触媒する酵素量を1Unitとし
た。
マンハイム山之内製(グルタミン酸脱水素酵素)を用い
た。(1mgあたり120Unit) グルタミン酸ラセマーゼは、Tris−HCl緩衝液(pH8.0)
200μmol、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ36Unit、およ
びD−グルタミン酸30μmolを含む反応液に2.5μmolのN
AD+を添加することにより反応を開始し、(反応液1ml、
37℃)340nmにおける吸収の増加を経時的に測定し、1
分間にNADH 1μmolの生成を触媒する酵素量を1Unitとし
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 浩明 兵庫県姫路市網干区新在家1239 ダイセル 化学工業株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−43390(JP,A) 特開 昭60−91992(JP,A) 「酵素ハンドブック」朝倉書店(1983) P.318,324
Claims (2)
- 【請求項1】(A)D−アミノ酸をアミノ基供与体と
し、D−アミノ酸トランスアミナーゼにより、α−ケト
酸から対応するD−アミノ酸を生成させるアミノ基転移
酵素反応系と、(B)前記アミノ基供与体D−アミノ酸
が脱アミノされて得られるα−ケト酸に、アミノ酸デヒ
ドロゲナーゼ、アンモニウムイオン、NADH、及びアミノ
酸ラセマーゼを作用させて前記アミノ基供与体D−アミ
ノ酸を再生させるアミノ基供与体再生酵素反応系とから
構成された共役酵素反応系でD−アミノ酸を製造するD
−アミノ酸の製造方法。 - 【請求項2】NADHを再生するNADH再生酵素反応系を含む
共役酵素反応系でD−アミノ酸を製造する特許請求の範
囲第1項記載のD−アミノ酸の製造方法。
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1986
- 1986-03-07 JP JP61048233A patent/JPH0785718B2/ja not_active Expired - Fee Related
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