JP3003966B2 - Dl−アラニンの製造法 - Google Patents
Dl−アラニンの製造法Info
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- JP3003966B2 JP3003966B2 JP4016664A JP1666492A JP3003966B2 JP 3003966 B2 JP3003966 B2 JP 3003966B2 JP 4016664 A JP4016664 A JP 4016664A JP 1666492 A JP1666492 A JP 1666492A JP 3003966 B2 JP3003966 B2 JP 3003966B2
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- Japan
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- culture
- enzyme
- alanine
- acid
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵素法のよるDL−ア
ラニンの製造法に関するものである。DL−アラニン
は、医薬、食品または化学工業原料として重要なアミノ
酸である。
ラニンの製造法に関するものである。DL−アラニン
は、医薬、食品または化学工業原料として重要なアミノ
酸である。
【0002】
【従来の技術】DL−アラニンの工業的製造法として
は、アセトアルデヒドおよび青酸を原料とする化学合成
法(ストレッカー法及びブッヒュラー法)が知られてい
る。
は、アセトアルデヒドおよび青酸を原料とする化学合成
法(ストレッカー法及びブッヒュラー法)が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来法において
は、有毒な原料(アセトアルデヒド及び青酸)を用いる
ため、その取り扱いが難しく安全上の問題があった。本
発明は、上記課題を解決し、より安全性の高い、安価な
基質を用いてDL−アラニンを製造する方法の提供を目
的としてなされたものである。
は、有毒な原料(アセトアルデヒド及び青酸)を用いる
ため、その取り扱いが難しく安全上の問題があった。本
発明は、上記課題を解決し、より安全性の高い、安価な
基質を用いてDL−アラニンを製造する方法の提供を目
的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を行った結果、酵素法によりフマ
ル酸またはその塩とアンモニアまたはアンモニウム塩か
らDL−アラニンを製造する方法を見いだし、本発明を
完成するに至った。かくして、本発明によれば、アスパ
ルターゼ、L−アスパラギン酸β−脱炭酸酵素およびア
ラニンラセミ化酵素の存在下に、フマル酸またはその塩
をアンモニアまたはアンモニウム塩と反応させることを
特徴とするDL−アラニンの製造法が提供される。
を達成すべく鋭意検討を行った結果、酵素法によりフマ
ル酸またはその塩とアンモニアまたはアンモニウム塩か
らDL−アラニンを製造する方法を見いだし、本発明を
完成するに至った。かくして、本発明によれば、アスパ
ルターゼ、L−アスパラギン酸β−脱炭酸酵素およびア
ラニンラセミ化酵素の存在下に、フマル酸またはその塩
をアンモニアまたはアンモニウム塩と反応させることを
特徴とするDL−アラニンの製造法が提供される。
【0005】本発明に使用されるアスパルターゼ〔EC4.
3.1.1〕は、フマル酸にアンモニウムイオンを付加する
反応を可逆的に触媒する酵素[以下、酵素Aと略称す
る。]である。L−アスパラギン酸β−脱炭酸酵素〔EC
4.1.1.12〕は、L−アスパラギンのβ−位のカルボキシ
ル基を脱炭酸する反応を触媒する酵素[以下、酵素Bと
略称する。]である。アラニンラセミ化酵素は、L−又
はD−アラニンをラセミ化しDL−アラニンを生成する
反応を触媒する活性を有する酵素であり、アラニンラセ
マーゼ〔EC5.1.1.1〕、低基質特異性アミノ酸ラセマー
ゼ[ソーダ・ケイとオースミ・ティー(Soda,K & Osumi,
T)著、メソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods inE
nzymology)17B巻 629〜636(1971) アカデミック・プレ
ス(Academic Press)社刊参照]等が好適に用いられる
[以下、酵素Cと略称する。]。
3.1.1〕は、フマル酸にアンモニウムイオンを付加する
反応を可逆的に触媒する酵素[以下、酵素Aと略称す
る。]である。L−アスパラギン酸β−脱炭酸酵素〔EC
4.1.1.12〕は、L−アスパラギンのβ−位のカルボキシ
ル基を脱炭酸する反応を触媒する酵素[以下、酵素Bと
略称する。]である。アラニンラセミ化酵素は、L−又
はD−アラニンをラセミ化しDL−アラニンを生成する
反応を触媒する活性を有する酵素であり、アラニンラセ
マーゼ〔EC5.1.1.1〕、低基質特異性アミノ酸ラセマー
ゼ[ソーダ・ケイとオースミ・ティー(Soda,K & Osumi,
T)著、メソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods inE
nzymology)17B巻 629〜636(1971) アカデミック・プレ
ス(Academic Press)社刊参照]等が好適に用いられる
[以下、酵素Cと略称する。]。
【0006】酵素A、B及びCは、それぞれ精製された
純粋な蛋白質の形態で用いることができるが、通常は該
酵素活性を含有する生物体、特に好ましくは微生物菌体
又はその処理物の形態で用いられる。ここでいう「処理
物」とは、例えば菌体の破砕物(破砕はそれ自体既知
の、例えば超音波処理、圧搾などの方法を用いて行うこ
とができる。)、菌体又は菌体の破砕物の固定化物(固
定化はそれ自体既知の、例えばポリアクリルアミドゲ
ル、アルギン酸ゲル、カラギーナンゲルへの抱括処理等
の方法を用いて行うことができる。)等を意味する。さ
らに微生物菌体を用いるときは、酵素A、B及びCの一
種類をそれぞれ実質的に含有する菌体を組み合わせて用
いることができるが、二種類以上の活性を同時に含有す
る菌体を組み合わせて、あるいは単独で用いることが、
好ましい態様である。
純粋な蛋白質の形態で用いることができるが、通常は該
酵素活性を含有する生物体、特に好ましくは微生物菌体
又はその処理物の形態で用いられる。ここでいう「処理
物」とは、例えば菌体の破砕物(破砕はそれ自体既知
の、例えば超音波処理、圧搾などの方法を用いて行うこ
とができる。)、菌体又は菌体の破砕物の固定化物(固
定化はそれ自体既知の、例えばポリアクリルアミドゲ
ル、アルギン酸ゲル、カラギーナンゲルへの抱括処理等
の方法を用いて行うことができる。)等を意味する。さ
らに微生物菌体を用いるときは、酵素A、B及びCの一
種類をそれぞれ実質的に含有する菌体を組み合わせて用
いることができるが、二種類以上の活性を同時に含有す
る菌体を組み合わせて、あるいは単独で用いることが、
好ましい態様である。
【0007】本発明で使用される酵素Aを含有する微生
物菌体としては、ブレビバクテリウム属に属する酵素A
含有菌体、例えばブレビバクテリウム・フラバム(Brev
ibacterium flavum)MJ-233(FERM BP-1497)、同MJ-233
-AB-41(FERM BP-1498)等が好適に用いられる。酵素B
を含有する微生物菌体としては、シュードモナス属の属
する酵素B含有菌体、例えばシュードモナス・ダクネー
(Pseudomonas dacunhae)IAM 1152、同ATCC 21192、シ
ュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)ATCC 218
12、同IAM 1506、シュードモナス・フルオレッセンス
(Pseudomonas fluorescens)IFO 3081、シュードモナ
ス・アエルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)IAM105
4等を挙げることができる。酵素Cを含有する微生物菌
体としては、例えば上記シュードモナス・ダクネーIAM
1152、同ATCC 21192、シュードモナス・プチダ IFO 129
96、シュードモナス・スピーシーズ(Pseudomonas s
p.)ATCC 23713、サルモネラ・ティフィムリウム(Salm
onella typhimurium)ATCC 19585、バチルス・サブティ
ルス(Bacillussubtilis)ATCC 6051、バチルス・ステ
アロサーモフィルス(Bacillus stearo-thermophilus)
ATCC 12980等が挙げられる。
物菌体としては、ブレビバクテリウム属に属する酵素A
含有菌体、例えばブレビバクテリウム・フラバム(Brev
ibacterium flavum)MJ-233(FERM BP-1497)、同MJ-233
-AB-41(FERM BP-1498)等が好適に用いられる。酵素B
を含有する微生物菌体としては、シュードモナス属の属
する酵素B含有菌体、例えばシュードモナス・ダクネー
(Pseudomonas dacunhae)IAM 1152、同ATCC 21192、シ
ュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)ATCC 218
12、同IAM 1506、シュードモナス・フルオレッセンス
(Pseudomonas fluorescens)IFO 3081、シュードモナ
ス・アエルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)IAM105
4等を挙げることができる。酵素Cを含有する微生物菌
体としては、例えば上記シュードモナス・ダクネーIAM
1152、同ATCC 21192、シュードモナス・プチダ IFO 129
96、シュードモナス・スピーシーズ(Pseudomonas s
p.)ATCC 23713、サルモネラ・ティフィムリウム(Salm
onella typhimurium)ATCC 19585、バチルス・サブティ
ルス(Bacillussubtilis)ATCC 6051、バチルス・ステ
アロサーモフィルス(Bacillus stearo-thermophilus)
ATCC 12980等が挙げられる。
【0008】本発明の方法に用いられる酵素の供給源と
して使用される微生物菌体の培養は、上記微生物を通常
の方法で行うことができる。培地に用いられる炭素源と
しては、酵素Aを含有する微生物についてはグルコー
ス、フラクトース等の炭水化物、エタノール、グリセロ
ール等のアルコールを、酵素Bを含有する微生物につい
てはフマル酸、コハク酸、アスパラギン酸等の有機酸、
アミノ酸を、酵素Cについてはグルコース、グリセロー
ル、フラクトース、シュークロース等の炭化水素、エタ
ノール、酒石酸、コハク酸等を用いることができる。培
地の窒素源としては、アンモニア、硫酸アンモニウム、
塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素などの無機
塩を用いることができ、またペプトン、酵母エキス、コ
ーンスティープリカー、カザミノ酸等の有機窒素源を使
用することができる。無機塩としては、リン酸一水素カ
リウム、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、硫
酸マンガン、硫酸第一鉄等、微生物の培養に通常用いら
れる塩類を使用することができる。
して使用される微生物菌体の培養は、上記微生物を通常
の方法で行うことができる。培地に用いられる炭素源と
しては、酵素Aを含有する微生物についてはグルコー
ス、フラクトース等の炭水化物、エタノール、グリセロ
ール等のアルコールを、酵素Bを含有する微生物につい
てはフマル酸、コハク酸、アスパラギン酸等の有機酸、
アミノ酸を、酵素Cについてはグルコース、グリセロー
ル、フラクトース、シュークロース等の炭化水素、エタ
ノール、酒石酸、コハク酸等を用いることができる。培
地の窒素源としては、アンモニア、硫酸アンモニウム、
塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素などの無機
塩を用いることができ、またペプトン、酵母エキス、コ
ーンスティープリカー、カザミノ酸等の有機窒素源を使
用することができる。無機塩としては、リン酸一水素カ
リウム、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、硫
酸マンガン、硫酸第一鉄等、微生物の培養に通常用いら
れる塩類を使用することができる。
【0009】酵素A含有微生物菌体の培養は通気撹拌、
振盪等の好気的条件下で行い、培養温度は20〜40
℃、好ましくは28〜37℃で行う。培養途中のpHは
5〜10、好ましくは7〜8付近であり、培養中のpH
の調整には、酸又はアルカリを添加して行う。培養開始
時の培地の炭素源の濃度は0.05〜10(W/V)%で
あり、例えばグルコースを使用する場合、その濃度は好
ましくは0.05〜1.0(W/V)%、さらに好ましく
は0.1〜0.3(W/V)%である。培養期間は10時
間〜4日間、好ましくは15時間〜3日間である。
振盪等の好気的条件下で行い、培養温度は20〜40
℃、好ましくは28〜37℃で行う。培養途中のpHは
5〜10、好ましくは7〜8付近であり、培養中のpH
の調整には、酸又はアルカリを添加して行う。培養開始
時の培地の炭素源の濃度は0.05〜10(W/V)%で
あり、例えばグルコースを使用する場合、その濃度は好
ましくは0.05〜1.0(W/V)%、さらに好ましく
は0.1〜0.3(W/V)%である。培養期間は10時
間〜4日間、好ましくは15時間〜3日間である。
【0010】酵素B含有微生物菌体の培養は通気撹拌、
振盪等の好気的条件下で行い、培養温度は20〜40
℃、好ましくは28〜32℃で行う。培養途中のpHは
5〜10、好ましくは7〜8付近であり、培養中のpH
の調整には、酸又はアルカリを添加して行う。培養開始
時の培地の炭素源の濃度は0.05〜10(W/V)%で
あり、例えばフマル酸を使用する場合、その濃度は、好
ましくは0.1〜5(W/V)%、さらに好ましくは0.
5〜2(W/V)%である。培養期間は8時間〜4日間、
好ましくは10時間〜3日間である。
振盪等の好気的条件下で行い、培養温度は20〜40
℃、好ましくは28〜32℃で行う。培養途中のpHは
5〜10、好ましくは7〜8付近であり、培養中のpH
の調整には、酸又はアルカリを添加して行う。培養開始
時の培地の炭素源の濃度は0.05〜10(W/V)%で
あり、例えばフマル酸を使用する場合、その濃度は、好
ましくは0.1〜5(W/V)%、さらに好ましくは0.
5〜2(W/V)%である。培養期間は8時間〜4日間、
好ましくは10時間〜3日間である。
【0011】酵素C含有微生物菌体の培養は通気撹拌、
振盪等の好気的条件下で行い、培養温度は20〜90
℃、好ましくは28〜80℃で行う。培養途中のpHは
5〜10、好ましくは7〜8付近であり、培養中のpH
の調整には、酸又はアルカリを添加して行う。培養開始
時の培地の炭素源の濃度は0.05〜10(W/V)%で
あり、例えばグルコースを使用する場合、その濃度は、
好ましくは0.05〜2(W/V)%、さらに好ましくは
0.05〜1.5(W/V)%である。培養期間は8時間
〜5日間、好ましくは10時間〜4日間である。
振盪等の好気的条件下で行い、培養温度は20〜90
℃、好ましくは28〜80℃で行う。培養途中のpHは
5〜10、好ましくは7〜8付近であり、培養中のpH
の調整には、酸又はアルカリを添加して行う。培養開始
時の培地の炭素源の濃度は0.05〜10(W/V)%で
あり、例えばグルコースを使用する場合、その濃度は、
好ましくは0.05〜2(W/V)%、さらに好ましくは
0.05〜1.5(W/V)%である。培養期間は8時間
〜5日間、好ましくは10時間〜4日間である。
【0012】本発明の方法においては、上記のようにし
て調製された微生物菌体又はその処理物の存在下、フマ
ル酸又はその塩とアンモニア又はアンモニウム塩を含有
する水溶液に酵素を反応させる。ここで該水溶液に添加
されるフマル酸又はその塩の濃度は、0.5〜50(W/
V)%、好ましくは3〜30(W/V)%である。アンモニ
ア又はアンモニウム塩の添加濃度としては、アンモニウ
ム濃度として0.1〜5mol/l、好ましくは0.5〜5m
ol/lである。該水溶液にはさらに、ピリドキサル5’−
リン酸を0.0005〜0.05(W/V)%、好ましく
は0.001〜0.01(W/V)%、塩化カルシウム、水
酸化カルシウム等のカルシウム塩または塩化マグネシウ
ム、硫酸マグネシウム等のマグネシウム塩を、カルシウ
ム又はマグネシウムの濃度として1〜50mM、好ましく
は5〜40mM用いることができる。さらに必要な場合に
は、非イオン性界面活性剤、例えばポリオキシエチレン
オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノラウレート等を0.01〜0.5(W/V)%、
好ましくは0.03〜0.2(W/V)%を添加すること
ができる。また必要な場合には、ピルビン酸、α−ケト
酪酸等のα−ケト酸を0.0001〜0.5(W/V)
%,好ましくは0.001〜0.2(W/V)%を用いる
ことができる。
て調製された微生物菌体又はその処理物の存在下、フマ
ル酸又はその塩とアンモニア又はアンモニウム塩を含有
する水溶液に酵素を反応させる。ここで該水溶液に添加
されるフマル酸又はその塩の濃度は、0.5〜50(W/
V)%、好ましくは3〜30(W/V)%である。アンモニ
ア又はアンモニウム塩の添加濃度としては、アンモニウ
ム濃度として0.1〜5mol/l、好ましくは0.5〜5m
ol/lである。該水溶液にはさらに、ピリドキサル5’−
リン酸を0.0005〜0.05(W/V)%、好ましく
は0.001〜0.01(W/V)%、塩化カルシウム、水
酸化カルシウム等のカルシウム塩または塩化マグネシウ
ム、硫酸マグネシウム等のマグネシウム塩を、カルシウ
ム又はマグネシウムの濃度として1〜50mM、好ましく
は5〜40mM用いることができる。さらに必要な場合に
は、非イオン性界面活性剤、例えばポリオキシエチレン
オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノラウレート等を0.01〜0.5(W/V)%、
好ましくは0.03〜0.2(W/V)%を添加すること
ができる。また必要な場合には、ピルビン酸、α−ケト
酪酸等のα−ケト酸を0.0001〜0.5(W/V)
%,好ましくは0.001〜0.2(W/V)%を用いる
ことができる。
【0013】本発明における酵素反応時のpHは6.0
〜10.0、好ましくは7.0〜9.0であり、反応温
度は約30〜50℃、好ましくは37〜47℃であり、
反応は通常5〜72時間行われる。反応は、反応液中の
菌体又は処理物が反応液と均一に分散する程度の撹拌又
は振盪下に行われる。反応液中の酵素濃度には特に制限
はないが、通常0.1〜50(W/V)%、好ましくは
0.5〜30(W/V)%である。酵素A、B及びCは同
時に反応液中に投入してもよいし、最終的に基質が目的
のDL−アラニンに変換される限り、順番に、逐次的に
あるいは連続的に投入してもよい。反応液に生成したD
L−アラニンの分離精製は、公知のイオン交換樹脂、晶
析等の手法により行うことができる。
〜10.0、好ましくは7.0〜9.0であり、反応温
度は約30〜50℃、好ましくは37〜47℃であり、
反応は通常5〜72時間行われる。反応は、反応液中の
菌体又は処理物が反応液と均一に分散する程度の撹拌又
は振盪下に行われる。反応液中の酵素濃度には特に制限
はないが、通常0.1〜50(W/V)%、好ましくは
0.5〜30(W/V)%である。酵素A、B及びCは同
時に反応液中に投入してもよいし、最終的に基質が目的
のDL−アラニンに変換される限り、順番に、逐次的に
あるいは連続的に投入してもよい。反応液に生成したD
L−アラニンの分離精製は、公知のイオン交換樹脂、晶
析等の手法により行うことができる。
【0014】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例及び参考例において、%は特記しない
限り(W/V)%を意味する。 参考例1 酵素A含有菌体の調製 培地(尿素 0.4%、硫酸アンモニウム 1.4%、
KH2PO4 0.05%、K2HPO4 0.05%、M
gSO4・7H2O 0.05%、CaCl2・2H2O
2ppm、FeSO4・7H2O 2ppm、MnSO4・4〜
6H2O 2ppm、ZnSO4・7H2O 2ppm、NaCl
2ppm、ビオチン 200μg/1000ml、チアミン・
HCl 100μg/1000ml、カザミノ酸 0.1%及
び酵母エキス 0.1%)100mlを500ml容三角フ
ラスコに分注し、滅菌(滅菌後pH7.0に調整)した
後、この培地にブレビバクテリウム・フラバムMJ-233
(FERM BP-1497)と、同MJ-233−AB-41(FERM BP-149
8)をそれぞれ別々に植菌し、無菌的に50%グルコー
スを2ml加え、30℃にて2日間振盪培養を行った。
る。なお、実施例及び参考例において、%は特記しない
限り(W/V)%を意味する。 参考例1 酵素A含有菌体の調製 培地(尿素 0.4%、硫酸アンモニウム 1.4%、
KH2PO4 0.05%、K2HPO4 0.05%、M
gSO4・7H2O 0.05%、CaCl2・2H2O
2ppm、FeSO4・7H2O 2ppm、MnSO4・4〜
6H2O 2ppm、ZnSO4・7H2O 2ppm、NaCl
2ppm、ビオチン 200μg/1000ml、チアミン・
HCl 100μg/1000ml、カザミノ酸 0.1%及
び酵母エキス 0.1%)100mlを500ml容三角フ
ラスコに分注し、滅菌(滅菌後pH7.0に調整)した
後、この培地にブレビバクテリウム・フラバムMJ-233
(FERM BP-1497)と、同MJ-233−AB-41(FERM BP-149
8)をそれぞれ別々に植菌し、無菌的に50%グルコー
スを2ml加え、30℃にて2日間振盪培養を行った。
【0015】次に、本培養培地(硫酸アンモニウム
2.3%、KH2PO4 005%、K2HPO4 0.0
5%、MgSO4・7H2O 0.05%、FeSO4・7
H2O20ppm、MnSO4・4〜6H2O 20ppm、ビ
オチン 200μg/1000ml、チアミン・HCl 10
0μg/1000ml、カザミノ酸 0.3%及び酵母エキス
0.3%)1000mlを2000m容通気撹拌槽に仕込
み、滅菌(120℃、20分間)後、無菌的に50%グ
ルコース20mlと前記培養物の20mlをそれぞれ別々に
添加して、回転数1000rpm、通気量1vvm、温度33
℃、pH7.6にて15時間培養を行った。なお、グル
コースは、培養中の培地の濃度が1%を越えないよう
に、50%グルコースを約1〜2時間ごとに断続的に添
加した。培養終了後、培養物1000mlから遠心分離に
より集菌した。得られた菌体を5%濃度で、[L−アス
パラギン酸100g、アンモニア(28%アンモニア含
有水溶液)140ml、CaCl2・2H2O 2.2g、
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート0.8
g;蒸留水1l中に含有]の水溶液に均一に懸濁した
後、45℃にて5時間加熱処理し、ついで遠心分離して
菌体を回収した。
2.3%、KH2PO4 005%、K2HPO4 0.0
5%、MgSO4・7H2O 0.05%、FeSO4・7
H2O20ppm、MnSO4・4〜6H2O 20ppm、ビ
オチン 200μg/1000ml、チアミン・HCl 10
0μg/1000ml、カザミノ酸 0.3%及び酵母エキス
0.3%)1000mlを2000m容通気撹拌槽に仕込
み、滅菌(120℃、20分間)後、無菌的に50%グ
ルコース20mlと前記培養物の20mlをそれぞれ別々に
添加して、回転数1000rpm、通気量1vvm、温度33
℃、pH7.6にて15時間培養を行った。なお、グル
コースは、培養中の培地の濃度が1%を越えないよう
に、50%グルコースを約1〜2時間ごとに断続的に添
加した。培養終了後、培養物1000mlから遠心分離に
より集菌した。得られた菌体を5%濃度で、[L−アス
パラギン酸100g、アンモニア(28%アンモニア含
有水溶液)140ml、CaCl2・2H2O 2.2g、
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート0.8
g;蒸留水1l中に含有]の水溶液に均一に懸濁した
後、45℃にて5時間加熱処理し、ついで遠心分離して
菌体を回収した。
【0016】参考例2 酵素B含有菌体の調製 培地(フマル酸ナトリウム 0.5%、フマル酸アンモ
ニウム 1.0%、酵母エキス 0.5%、KH2PO4
0.1%及びMgSO4・7H2O 0.05%、pH
7.0)100mlを500ml容三角フラスコに分注し、
120℃で20分間滅菌したものに、シュードモナス・
ダクネ IAM 1152 を一白金耳植菌し、30℃で12時間
振盪培養を行った。上記培地の1500mlを3000ml
容ジャーファーメンターに入れ、120℃で20分間滅
菌したものに、前記三角フラスコ培養液を30ml植菌
し、回転数600rpm、通気量1vvm、30℃で培養を行
った。濃硫酸を脱イオン水で5倍希釈した液を用いてp
Hを7.3に調節し、同時に培養途中の溶存酸素濃度を
溶存酸素電極(オリエンタル電気製、S−1型)を用い
て測定し、炭素源であるフマル酸の消費枯渇に伴う溶存
酸素濃度の上昇を観察した時点で、20%フマル酸アン
モニウム水溶液(pH6.5)を100mlづつ計2回添
加しながら培養を続け、19時間後に培養を終了し、遠
心分離により培養物1lより菌体を回収した。得られた
菌体を0.9%NaCl水溶液に懸濁、遠心分離による
洗浄を3回繰り返した。
ニウム 1.0%、酵母エキス 0.5%、KH2PO4
0.1%及びMgSO4・7H2O 0.05%、pH
7.0)100mlを500ml容三角フラスコに分注し、
120℃で20分間滅菌したものに、シュードモナス・
ダクネ IAM 1152 を一白金耳植菌し、30℃で12時間
振盪培養を行った。上記培地の1500mlを3000ml
容ジャーファーメンターに入れ、120℃で20分間滅
菌したものに、前記三角フラスコ培養液を30ml植菌
し、回転数600rpm、通気量1vvm、30℃で培養を行
った。濃硫酸を脱イオン水で5倍希釈した液を用いてp
Hを7.3に調節し、同時に培養途中の溶存酸素濃度を
溶存酸素電極(オリエンタル電気製、S−1型)を用い
て測定し、炭素源であるフマル酸の消費枯渇に伴う溶存
酸素濃度の上昇を観察した時点で、20%フマル酸アン
モニウム水溶液(pH6.5)を100mlづつ計2回添
加しながら培養を続け、19時間後に培養を終了し、遠
心分離により培養物1lより菌体を回収した。得られた
菌体を0.9%NaCl水溶液に懸濁、遠心分離による
洗浄を3回繰り返した。
【0017】参考例3 酵素C含有菌体の調製 培地(グリセロール 20g、KH2PO4 1.6g、
K2HPO4 5.5g、(NH4)2SO4 3.0g、
MgSO4・7H2O 0.1g、FeSO4・7H2O
80mg、酵母エキス 1.0g、ペプトン 1.0
g、蒸溜水 1000ml:pH7.2)100mlを50
0ml容三角フラスコに分注し、120℃で15分間滅菌
処理したものに、シュードモナス・プチダ IFO 12996
を植菌し、37℃で1日間振盪培養した後、該培養物の
20mlを同様にして調製した培地1000mlに接種し、
37℃にて回転数600rpm、通気量1vvm、pH7.2
(28%アンモニア水で調整)にて15時間培養した。
培養終了後、該培養液から遠心分離(8000rpm、1
5分間、4℃)にて集菌した。
K2HPO4 5.5g、(NH4)2SO4 3.0g、
MgSO4・7H2O 0.1g、FeSO4・7H2O
80mg、酵母エキス 1.0g、ペプトン 1.0
g、蒸溜水 1000ml:pH7.2)100mlを50
0ml容三角フラスコに分注し、120℃で15分間滅菌
処理したものに、シュードモナス・プチダ IFO 12996
を植菌し、37℃で1日間振盪培養した後、該培養物の
20mlを同様にして調製した培地1000mlに接種し、
37℃にて回転数600rpm、通気量1vvm、pH7.2
(28%アンモニア水で調整)にて15時間培養した。
培養終了後、該培養液から遠心分離(8000rpm、1
5分間、4℃)にて集菌した。
【0018】実施例1 参考例1で調製したブレビバクテリウム・フラバムMJ-2
33(FERM BP-1497)菌体(酵素A)、参考例2で調製し
たシュードモナス・ダクネIAM 1152 菌体(酵素B及び
C)各々3gを100mlの反応液(フマル酸アンモニウ
ム1.0M、ピリドキサル5'−リン酸40μM、CaC
l2 15mM、ピルビン酸5mM、pH7.5)に懸濁し、
45℃にて反応を行った。24時間後、遠心により菌体
を除去し、上清のアラニン生成量を高速液体クロマトグ
ラフにて測定したところ0.6Mであった。さらに光学
純度を、高速液体クロマトグラフにて光学分割カラム
(クラウンパックCR(+))(ダイセル化学社製)を用
いて分析したところ、D−体、L−体等モルの混合物で
あることがわかった。
33(FERM BP-1497)菌体(酵素A)、参考例2で調製し
たシュードモナス・ダクネIAM 1152 菌体(酵素B及び
C)各々3gを100mlの反応液(フマル酸アンモニウ
ム1.0M、ピリドキサル5'−リン酸40μM、CaC
l2 15mM、ピルビン酸5mM、pH7.5)に懸濁し、
45℃にて反応を行った。24時間後、遠心により菌体
を除去し、上清のアラニン生成量を高速液体クロマトグ
ラフにて測定したところ0.6Mであった。さらに光学
純度を、高速液体クロマトグラフにて光学分割カラム
(クラウンパックCR(+))(ダイセル化学社製)を用
いて分析したところ、D−体、L−体等モルの混合物で
あることがわかった。
【0019】実施例2 参考例2で調製したシュードモナス・ダクネIAM 1152を
5%濃度になるように、ピリドキサル5'−リン酸0.
1mM、ピルビン酸10mM及びポリオキシエチレンソルビ
タンモノラウレート0.05%からなる水溶液に懸濁
し、50℃で2時間加熱処理を行った後、遠心分離によ
り菌体を回収した。参考例1で調製したブレビバクテリ
ウム・フラバムMJ-233-AB-41(FERM BP-1498)、上記の
加熱したシュードモナス菌体、参考例3で調製したシュ
ードモナス・プチダ IFO 12996 菌体各2gを100ml
の実施例1と同じ反応液に懸濁し、40℃で20時間反
応を行った。反応液より遠心分離により菌体を除去し、
実施例1と同様に生成アラニン量、純度を測定した。生
成アラニン濃度は0.9Mであり、D−体、L−体を等
モル含んでいた。
5%濃度になるように、ピリドキサル5'−リン酸0.
1mM、ピルビン酸10mM及びポリオキシエチレンソルビ
タンモノラウレート0.05%からなる水溶液に懸濁
し、50℃で2時間加熱処理を行った後、遠心分離によ
り菌体を回収した。参考例1で調製したブレビバクテリ
ウム・フラバムMJ-233-AB-41(FERM BP-1498)、上記の
加熱したシュードモナス菌体、参考例3で調製したシュ
ードモナス・プチダ IFO 12996 菌体各2gを100ml
の実施例1と同じ反応液に懸濁し、40℃で20時間反
応を行った。反応液より遠心分離により菌体を除去し、
実施例1と同様に生成アラニン量、純度を測定した。生
成アラニン濃度は0.9Mであり、D−体、L−体を等
モル含んでいた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12P 13/06 C12R 1:38) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 13/00 - 13/24 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)
Claims (1)
- 【請求項1】 アスパルターゼ、L−アスパラギン酸β
−脱炭酸酵素およびアラニンラセミ化酵素の存在下に、
フマル酸またはその塩をアンモニアまたはアンモニウム
塩と反応させることを特徴とするDL−アラニンの製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4016664A JP3003966B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | Dl−アラニンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4016664A JP3003966B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | Dl−アラニンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05211879A JPH05211879A (ja) | 1993-08-24 |
JP3003966B2 true JP3003966B2 (ja) | 2000-01-31 |
Family
ID=11922599
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4016664A Expired - Lifetime JP3003966B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | Dl−アラニンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3003966B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105624223B (zh) * | 2014-10-29 | 2019-09-03 | 宜兴市前成生物有限公司 | 一种制备dl-丙氨酸和d-丙氨酸的方法 |
-
1992
- 1992-01-31 JP JP4016664A patent/JP3003966B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05211879A (ja) | 1993-08-24 |
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