JP2830029B2 - フマラーゼ活性の除去方法 - Google Patents

フマラーゼ活性の除去方法

Info

Publication number
JP2830029B2
JP2830029B2 JP8826789A JP8826789A JP2830029B2 JP 2830029 B2 JP2830029 B2 JP 2830029B2 JP 8826789 A JP8826789 A JP 8826789A JP 8826789 A JP8826789 A JP 8826789A JP 2830029 B2 JP2830029 B2 JP 2830029B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
activity
cells
salt
alanine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8826789A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02268691A (ja
Inventor
誠 後藤
昭一 奈良
真人 寺沢
英明 湯川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP8826789A priority Critical patent/JP2830029B2/ja
Priority to EP90102312A priority patent/EP0386476B1/en
Priority to DE69010526T priority patent/DE69010526T2/de
Publication of JPH02268691A publication Critical patent/JPH02268691A/ja
Priority to US07/790,063 priority patent/US5116743A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2830029B2 publication Critical patent/JP2830029B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、微生物菌体又はその処理物内のフマラーゼ
活性を効果的に除去する方法に関するものである。
[従来の技術と課題] L−アラニンの工業的製法としては、主にL−アスパ
ラギン酸の酵素的脱炭酸により製造する方法(特公昭53
−27792号公報参照)、あるいはフマル酸とアンモニア
からアスパルターゼ及びアスパラギン酸脱炭酸酵素を作
用させて製造する方法(特開昭56−35991号公報参照)
等が提案されている。かしながら、前者の方法では、原
料となるL−アスパラギン酸が比較的高価なためアラニ
ンの製造費が高くつき、経済的な製造方法とは言えな
い。後者の方法では、該両酵素が働く反応液のpHが大き
く異なるため、反応槽を分離することが必要となる。ま
た、反応液のpHが中性域では該両酵素を同時に作用させ
ることができるが、その場合、微生物菌体又はその処理
物を該両酵素源として用いるに当たっては、共存するL
−アラニンをラセミ化する酵素をあらかじめ失効させる
処理が必要である(特開昭57−132882号公報、特開昭62
−87088号公報参照)。
このように、L−アラニンの工業的製法に関しては諸
種の問題が残されていた。
本発明者らは先に、ブレビバクテリウム(Brevibacte
rium)属に属する微生物又はその処理物とシュードモナ
ス(Pseudomonas)属に属する微生物又はその処理物と
の存在下に、フマル酸又はその塩とアンモニア又はアン
モニウム塩とを酵素反応させて、反応液中にL−アラニ
ンを効率良く製造する方法を提案した(特開昭63−2325
7号明細書参照)。
本発者らは、さらに効率良くL−アラニンを製造する
ことを目的として反応条件等を検討したところ、シュー
ドモナス(Pseudomonas)属細菌内に共存するフマラー
ゼの作用によって、原料であるフマル酸の一部がL−リ
ンゴ酸に変換され、結果的にL−アラニンの収率が低下
することが明らかになった。それ由、本発明者らはかか
る問題点を解決すべく鋭意検討したところ、シュードモ
ナス(Pseudomonas)属に属する微生物の菌体又はその
処理物をα−ケト酸又はその塩を含有する中性水性溶媒
中で加熱処理することにより、L−アスパラギン酸から
L−アラニンへの反応を触媒するアスパラギン酸β−脱
炭酸酵素活性を低下させることなく、フマラーゼ活性を
ほぼ完全に除去することを見い出し本発明を完成するに
到った。
[発明の構成及び効果] 本発明は、シュードモナス(Pseudomonas)属に属す
るL−アスパラギン酸β−脱炭酸酵素活性を有する微生
物又はその処理物を、α−ケト酸又はその塩を含有する
中性領域の水性溶媒中で、40℃を越え60℃以内の温度で
加熱処理することを特徴とするフマラーゼ活性の除去方
法を提供するものである。
本発明の方法は、フマル酸を原料基質として、微生物
又はその処理物による酵素反応によってL−アラニンを
製造する方法に応用可能である。これにより、共存する
フマラーゼの作用によって原料であるフマル酸の一部が
L−リンゴ酸に変換されることなく、すなわち原料の損
失をきたすことなく、効率良くL−アラニンを製造する
ことが可能となる。
[発明の具体的な説明] 本発明に使用する微生物としては、L−アスパラギン
酸β−脱炭酸酵素を含有する微生物であれば特に限定さ
れるものではないが、例えばシュードモナス・ダクネー
(Pseudomonas dacunhae)IAM 1152[I.Chibata et al,
Appl.Microbiol.,13,638(1965)]等が挙げられる。
本発明に用いられる上記微生物菌体は、菌体のまま用
いることも出来るし、その処理物すなわち菌体の破壊物
あるいは固定化物としても使用することが出来る。固定
化手法としては、公知の例えばL.Goldstein,Methods in
Enzymology 19,935(1970)に記載の方法が利用でき、
具体的には菌体をアクリルアミド等の重合性モノマーを
用いたり、アルギン酸塩あるいはカルギーナン等の適当
な担体に不溶化させる等の方法を用いることができる。
本発明の方法に使用される上記の微生物菌体の調製に
使用する培地は、特に限定されるものではなく一般の微
生物に使用されるものでよい。
L−アスパラギン酸β−脱炭酸酵素を含有する微生物
菌体の調製に使用する培地の炭素源は、特に限定される
ものではなく、例えばフマル酸、コハク酸、アスパラギ
ン酸等が使用できるが、その中でもフマル酸が好適に使
用される。培地の窒素源としては、アンモニア、硫酸ア
ンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿
素等の無機塩を用いることが出来るし、また、ペプト
ン、酵母エキス、コンスティープリカー、カザミノ酸等
の有機栄養源も使用することが出来る。無機塩として
は、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素カリウム、硫
酸マグネシウム等が用いられる。
培養は通気攪拌、振盪等の好気的条件下で行い、培養
温度は20℃〜40℃、好ましくは28℃〜32℃で行う。培養
途中のpHは5〜10、好ましくは7〜8付近にて行い、培
養中のpHの調整には、酸又はアルカリを添加して行う。
培養開始時の培地中の炭素源の濃度は0.05〜10重量%が
用いられ、具体例としてフマル酸を使用する場合、フマ
ル酸濃度は、好ましくは0.1〜5重量%、更に好ましく
は0.5〜2重量%が適する。培養期間は10時間〜4日
間、最適期間は1〜3日間である。
このようにして得られた培養物から各々菌体を集め
て、水又は適当な緩衝液で洗浄し、本発明のフマラーゼ
活性の除去方法を実施する。
本発明の方法においては、上記で調整された微生物菌
体又はその処理物を、α−ケト酸又はその塩を含有する
水又はリン酸緩衝液等の中性溶媒中に懸濁後、加熱処理
を実施することによりフマラーゼ活性を除去することが
できる。
水性溶媒中に含有しうるα−ケト酸又はその塩として
は、ピルビン酸若しくはその塩又はα−ケト酪酸若しく
はその塩等が挙げられる。ピンビン酸の塩としては、ピ
ルビン酸ナトリウム、ピルビン酸アンモニウム、ピルビ
ン酸カルシウム、ピルビン酸カリウム等があげられ、そ
れらの中でもピルビン酸ナトリウムが好適である。また
α−ケト酪酸の塩としては、α−ケト酪酸ナトリウム、
α−ケト酪酸アンモニウム、α−ケト酪酸カルシウム、
α−ケト酪酸カリウム等があげられ、それらの中でもα
−ケト酪酸ナトリウムが好適である。
該水性溶媒中に含有する上記のα−ケト酸又はその塩
の濃度は、0.1〜100mM、好ましくは0.5〜50mM、さらに
好ましくは1〜20mMである。水性溶媒のpHは6.5〜7.5の
中性領域が好適に用いられる。加熱処理温度は40℃を越
え60℃以内、とりわけ45〜50℃で実施するのが好まし
い。加熱処理時間は、処理温度により異るが、微生物が
遊離菌体の場合は、通常10分間〜24時間、好ましくは30
分間〜10時間、菌体の破壊物の場合は5分間〜12時間、
好ましくは20分間〜5時間、また固定化菌体の場合は30
分間〜48時間、好ましくは60分間〜24時間が適する。水
性溶媒中の微生物菌体又はその処理物の濃度は特に制限
されるものではないが通常0.1〜50重量%が用いられ
る。
以下に実施例を挙げてさらに具体的に説明する。
実施例1 (1) 微生物の調整 培地(フマル酸ナトリウム0.5%、フマル酸アンモニ
ウム1.0%、酵母エキス0.5%、リン酸1カリウム0.05
%、MgSO4・7H2O 0.05%含有、pH7.0)100mlを500ml容
三角フラスコに分注、滅菌した後シュードモナス・ダク
ネー(Pseudomonas dacunhae)IAM 1152を植菌し、30℃
にて1日間振盪培養を行った(前培養)。次に、上記培
地と同様の培地1を2容通気攪拌槽に仕込み、滅菌
(120℃、20分間)後、前培養物の20mlを添加して、回
転数1000rpm、通気量1vvm、温度30℃、pH7.3にて1日間
培養を行った。
培養終了後、培養物100mlから遠心分離して集菌後、
該菌体をフマラーゼ活性の除去処理に用いた。
(2) 実験方法 上記で得られた菌体を、ピルビン酸ナトリウム5mMを
含有するpH7.5の10mMリン酸緩衝液10mlに加え、各種の
条件で加熱処理を行った。加熱処理菌体を遠心分離によ
り集菌し、該菌体のフマラーゼ活性及びL−アスパラギ
ン酸β−脱炭酸酵素活性を下記の方法で測定した。
フマラーゼ活性は、前記の加熱処理菌体を反応液(フ
マル酸830mM,CaCl2・2H2O 7.5mM,ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレート0.1容量%及びアンモニア2M含
有、pH7.5)20mlに懸濁し、30℃にて2時間振盪した後
の生成リンゴ酸量を高速液体クロマトグラフィーにて測
定することによって求めた。
L−アスパラギン酸β−脱炭酸酵素活性は、同様に前
記の加熱処理菌体を反応液(アスパラギン酸1500mM、ピ
リドキサールリン酸0.04mM、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノラウレート0.1容量%及びアンモニア0.4m含
有、pH4.7)20mlに懸濁し、30℃にて1時間振盪した後
の生成アラニン量を、ペーパークロマトグラフィー又は
高速液体クロマトグラフィーにて測定することによって
求めた。
なお、各酵素活性値は、加熱処理しない菌体の活性を
100とする相対活性をもって表示した。
(3) 結果 結果は表1に示す通りであり、本発明の方法により、
L−アスパラギン酸β−脱炭酸酵素活性を失効すること
なくフマラーゼ活性を除去できることが認められた。
実施例2 実施例1の実験方法で使用したピルビン酸ナトリウム
の代わりにα−ケト酪酸ナトリウム(濃度5mM)を用い
た以外は実施例1と同様の実験を行った。その結果は表
2に示す通りであり、本発明の方法により、実施例1と
同様に、L−アスパラギン酸β−脱炭酸酵素活性を失効
することなくフマラーゼ活性を除去できることが認めら
れた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯川 英明 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内 (56)参考文献 Appl.Environ.Micr obiol.,Vol.48,No.4 (1984)p.694−698 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 13/06 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シュードモナス(Pseudomonas)に属する
    L−アスパラギン酸β−脱炭酸酵素活性を有する微生物
    又はその処理物を、α−ケト酸又はその塩を含有するpH
    6.5〜7.5の水性溶媒中で、40℃を越え60℃以内の温度で
    加熱処理することを特徴とするフマラーゼ活性の除去方
    法。
JP8826789A 1989-02-06 1989-04-07 フマラーゼ活性の除去方法 Expired - Lifetime JP2830029B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8826789A JP2830029B2 (ja) 1989-04-07 1989-04-07 フマラーゼ活性の除去方法
EP90102312A EP0386476B1 (en) 1989-02-06 1990-02-06 Process for producing L-alanine
DE69010526T DE69010526T2 (de) 1989-02-06 1990-02-06 Verfahren zur Herstellung von L-Alanin.
US07/790,063 US5116743A (en) 1989-02-06 1991-11-12 L-alanine production with two microorganisms having fumarase inactivity in a single reaction tank

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8826789A JP2830029B2 (ja) 1989-04-07 1989-04-07 フマラーゼ活性の除去方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02268691A JPH02268691A (ja) 1990-11-02
JP2830029B2 true JP2830029B2 (ja) 1998-12-02

Family

ID=13938117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8826789A Expired - Lifetime JP2830029B2 (ja) 1989-02-06 1989-04-07 フマラーゼ活性の除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2830029B2 (ja)

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Appl.Environ.Microbiol.,Vol.48,No.4(1984)p.694−698

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02268691A (ja) 1990-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
SU1512488A3 (ru) Способ получени амида
JPS6143996B2 (ja)
US5783428A (en) Method of producing fumaric acid
EP0386476B1 (en) Process for producing L-alanine
JP2830029B2 (ja) フマラーゼ活性の除去方法
EP0455170B1 (en) Process for culturing microorganisms of the genus Pseudomonas and process for producing L-alanine using said microorganisms
JP2832723B2 (ja) L―アラニンの製造法
GB2113691A (en) Production of l-threonine
JP3204924B2 (ja) L−アスパラギン酸、ならびにフマル酸及び/またはl−リンゴ酸の製造方法
JP2942995B2 (ja) L―アラニンの製造法
JPH02207794A (ja) フマラーゼ活性の除去方法
JP3085783B2 (ja) 光学活性な2−フェニルプロピオン酸および2−フェニルプロピオンアミドの製造法
EP0215414B1 (en) Process for producing l-phenylalanine
JPH0468906B2 (ja)
JPS592693A (ja) アミドの生物学的製造法
JP3090761B2 (ja) 光学活性乳酸の製造法
JP3165040B2 (ja) 新規微生物及びl−アスパラギン酸、フマル酸及び/またはl−リンゴ酸の製造方法
JP3107669B2 (ja) ベンジルアミントランスアミナーゼの製造方法
JPH04197190A (ja) L―アラニンの製造法
JPH0469992B2 (ja)
JPS60156394A (ja) L−2−アミノ−4−フエニル酪酸の製法
JPH0538292A (ja) L−アラニンの製造法
JPH0884594A (ja) L−アスパラギン酸の製造法
JPH02124097A (ja) アミノ酸のラセミ化方法
JPH01171479A (ja) ロドコッカス属細菌の培養方法