JP2832723B2 - L―アラニンの製造法 - Google Patents

L―アラニンの製造法

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昭一 奈良
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、酵素法によるL−アラニンの製造法に関す
るものである。本発明によれば高収量で効率良くL−ア
ラニンを製造することが出来る。
L−アラニンは周知の如く、医薬、食品又は化学工業
原料として重要なアミノ酸であり、その需要は近年急激
に増加しつつある。
(従来の技術と課題) L−アスパラギン酸β−脱炭酸酵素を含有するシュー
ドモナス・ダクネー(Pseudomonas dacunhae)の菌体若
しくはその破砕物の存在下L−アスパラギンを製造する
方法は、菌体内に存在するアラニンラセマーゼ活性によ
りL−アラニンがラセミ化する問題を有していた。
また、L−アラニンを効率良く製造する為には、β−
脱炭酸酵素反応の反応速度を向上させることが重要とな
るが、反応速度を向上する為反応温度を上げた場合には
菌体内に存在するアラニンラセマーゼ活性も向上するこ
とが認められた。
かかる問題を解決すべく菌体の前処理によりアラニン
ラセマーゼ活性を除去する方法が提案されている(特開
昭57−132882号公報、特開昭62−87088号公報)が、菌
体の前処理は煩雑であり、プロセスを出来る限り簡素に
することは製造コスト低減化に大きく影響する為、本発
明者らは、菌体の前処理を行うことなく、高反応速度下
でのL−アラニン生成反応中にラセマーゼ活性を抑制し
て効率良くL−アラニンを製造する方法について鋭意検
討した。その結果、反応液のpHを酸性域で、反応温度を
40℃〜47℃に維持して酵素反応することによりラセマー
ゼ活性を発現させることなく、高収率でL−アラニンを
製造可能なことを見い出し本発明を完成するに到った。
(発明の構成及び効果) 本発明は、L−アスパラギン酸β−脱炭酸酵素活性を
有する微生物菌体又はその破砕物の存在下、水性溶媒中
でL−アスパラギン酸又はその塩を反応せしめ、該反応
液中にL−アラニンを生成するに際し、反応液のpHを4.
3〜5.0且つ反応温度を40〜47℃に維持することを特徴と
するL−アラニンの製造方法を提供するものである。
(発明の具体的な説明) 本発明に使用する微生物としては、L−アスパラギン
酸β−脱炭酸酵素を含有するシュードモナス・ダクネー
(Pseudomonas dacunhae)IAM1152が好適に用いられ
る。
本発明に用いられる上記微生物菌体は、菌体のまま用
いることも出来るし、超音波破砕等の処理により破砕し
た破砕物も使用することが出来る。
本発明の方法に使用される上記の微生物菌体の調製に
使用する培地は、特に限定されるものではなく一般の微
生物に使用されるものでよい。
L−アスパラギン酸β−脱炭酸酵素を含有する微生物
菌体の調製に使用する培地の炭酸源は、特に限定される
ものではなく、例えばフマル酸、コハク酸、リンゴ酸、
L−アスパラギン酸等が使用できるが、その中でもフマ
ル酸が好適に使用される。培地の窒素源としては、アン
モニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸ア
ンモニウム、尿素等の無機塩を用いることが出来るし、
また、ペプトン、酵母エキス、コンステイープリカー、
カザミノ酸等の有機栄養源も使用することが出来る。無
機塩としては、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素カ
リウム、硫酸マグネシウム等が用いられる。
培養は通気撹拌、振盪等の好気的条件下で行い、培養
温度は20℃〜40℃、好ましくは28℃〜32℃で行う。培養
途中のpHは5〜10、好ましくは7〜8付近にて行い、培
養中のpHの調整には、酸又はアルカリを添加して行う。
培養開始時の培地中の炭素源の濃度は0.05〜10重量%が
用いられ、具体例としてフマル酸を使用する場合、フマ
ル酸濃度は、好ましくは0.1〜5重量%、更に好ましく
は0.5〜2重量%が適する。培養期間は10時間〜4日
間、最適期間は1〜3日間である。
このようにして得られた培養物から各々菌体を集め
て、水又は適当な緩衝液で洗浄し、本発明の酵素反応に
使用する。
本発明の方法においては、上記で調製された微生物菌
体又はその破砕物の存在下、少なくともL−アスパラギ
ン酸又はその塩を含有する水溶液にて酵素反応させる。
ここで該水溶液に添加されるL−アスパラギン酸又はそ
の塩の添加濃度は0.5〜50重量%、好ましくは3〜30重
量%である。なお、L−アスパラギン酸は、反応液への
溶解度の関係から溶解させた状態でも粉体で存在(不溶
解状態)していてもさしつかえない。反応液のpHの調整
はアルカリ溶液、例えばアンモニア水、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等が好適に使用される。
該水溶液には、さらにピリドキサール5′リン酸を0.
0005〜0.05重量%、好ましくは0.001〜0.01重量%添加
して用いることが出来る。さらに必要な場合には非イオ
ン性の界面活性剤、例えばポリオキシエチレンソルビタ
ンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ラウレート等を0.01〜0.5重量%、好ましくは0.03〜0.2
重量%を添加して用いることが出来る。また必要な場合
にはピルビン酸、α−ケト酪酸等のα−ケト酸を0.0001
〜0.5重量%、好ましくは0.001〜0.2重量%を添加して
用いることが出来る。本発明において、酵素反応時のpH
は4.3〜5.0、好ましくは4.5〜4.8であり、反応温度は40
〜47℃、好ましくは43〜45℃であり、反応は通常約3〜
約48時間行われる。
上記のような反応方法によって得られる反応液中に生
成したL−アラニンの分離・精製は公知のイオン交換樹
脂処理等により行うことが出来る。
実験例 以下の実験例において、L−アラニンの定性はペーパ
ークロマトグラフのRf値と高速液体クロマトグラフの保
持時間及び精製物の比旋光度により確認した。定量は、
高速液体クロマトグラフィー(島津LC−5A)を用いて行
った。
D−アラニン生成量の定量は、豚の腎臓由来のD−ア
ミノ酸酸化酵素(ベーリンガー・マンハイムー山之内製
薬製)によりD−アラニンから生成するピルビン酸をヒ
ドラゾンとして測定する方法により行った(Methods in
Enzymology,vol.XV II,Part A,Edited by Herbert Tab
or and Celia White Tabor,Acadmic Press,New York,19
70,P.171−176)。
また、下記の実験例において%と表したのは重量%を
意味する。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例 (1)微生物の調製 培地(フマル酸ナトリウム0.5%、フマル酸アンモニ
ウム1.0%、酵母エキス0.5%、リン酸一カリウム0.05
%、MgSO4・7H2O0.05%含有、pH7.0)100mlを500ml容三
角フラスコに分注、滅菌した後シュードモナス・ダクネ
ー(Pseudomonas dacunhae)IAM1152を植菌し、30℃に
て1日間振盪培養を行った(前培養)。次に、上記培地
と同様の培地1を2容通気撹拌槽に仕込み、滅菌
(120℃、20分間)後、前培養物の20mlを添加して、回
転数1000rpm、通気量1vvm、温度30℃、pH7.3にて1日間
培養を行った。
培養終了後、培養物100mlから遠心分離して集菌後、
該菌体を0.9%NaCl溶液にて1回洗浄後、該洗浄菌体を
酵素反応に使用した。
(2)実験方法 上記で得られた菌体を、第1表に示した実施区にて、
水性反応液[L−アスパラギン酸30%、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノオレエート0.05%、ピリドキサール
5′−リン酸0.05%、ピルビン酸ソーダ0.02%含有、pH
調整はアンモニア水(25%NH3含有)にて行う]200mlに
懸濁し、各温度で5時間振盪した後の生成全アラニン量
及び生成D−アラニン量を測定した。
なお、対照として温度37℃、pH5.5で反応させた場合
の全アラニン生成量及びD−アラニン生成量を100とし
た。
(3)結果 結果は次の表に示す通りであり、本発明の方法により
アラニンラセマーゼ活性を発現させることなくL−アス
パラギン酸β−脱炭酸酵素の反応速度を高い状態で反応
させることが可能なった。
フロントページの続き (72)発明者 湯川 英明 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社中央研究所内 (56)参考文献 Appl.Ervivon.Micr obiol.,Vol.48,No.4 (1984),p.694−698 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 13/06 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】L−アスパラギン酸β−脱炭酸酵素を含有
    する微生物菌体又はその破砕物の存在下、水性溶媒中で
    L−アスパラギン酸又はその塩を反応せしめ、該反応液
    中にL−アラニンを生成するに際し、反応液のpHを4.3
    〜5.0且つ反応温度を40〜47℃に維持することを特徴と
    するL−アラニンの製造法。
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