JP3012990B2 - D―アスパラギン酸の製造法 - Google Patents
D―アスパラギン酸の製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明は、化学合成法および酵素反応法の融合技術に
よるD−アスパラギン酸の製造法に関するものである。
本発明によれば高収量で効率良くD−アスパラギン酸を
製造することが出来る。
よるD−アスパラギン酸の製造法に関するものである。
本発明によれば高収量で効率良くD−アスパラギン酸を
製造することが出来る。
D−アスパラギン酸は、周知の如く、医薬、農薬等の
中間原料として重要なアミノ酸であり、その需要が近年
増加しつつある。
中間原料として重要なアミノ酸であり、その需要が近年
増加しつつある。
(従来の技術と課題) D−アスパラギン酸のの工業的製法としては、DL−ア
スパラギン酸の酵素的脱炭酸によりL−アスパラギン酸
からL−アラニンを生成せしめ、その後未反応D−アス
パラギン酸とL−アラニンとを分離してD−アスパラギ
ン酸を製造する方法(特公昭53−1831号公報)が提案さ
れている。
スパラギン酸の酵素的脱炭酸によりL−アスパラギン酸
からL−アラニンを生成せしめ、その後未反応D−アス
パラギン酸とL−アラニンとを分離してD−アスパラギ
ン酸を製造する方法(特公昭53−1831号公報)が提案さ
れている。
しかしこの製造法では、DL−アスパラギン酸からのD
−アスパラギン酸の収量は50%であること、またD−ア
スパラギン酸の生産量はL−アラニンの需要により制約
を受けること等の問題があり、D−アスパラギン酸のよ
り効果的な製造法の開発が望まれていた。
−アスパラギン酸の収量は50%であること、またD−ア
スパラギン酸の生産量はL−アラニンの需要により制約
を受けること等の問題があり、D−アスパラギン酸のよ
り効果的な製造法の開発が望まれていた。
本発明者らは、D−アスパラギン酸の高効率製造プロ
セスの開発につき鋭意検討を行い、化学合成法と酵素反
応法とを組み合せた融合技術により安価なフマル酸より
高効率にD−アスパラギン酸を製造する方法を見いだし
本発明を完成するに到った。
セスの開発につき鋭意検討を行い、化学合成法と酵素反
応法とを組み合せた融合技術により安価なフマル酸より
高効率にD−アスパラギン酸を製造する方法を見いだし
本発明を完成するに到った。
(発明の構成及び効果) 本発明は以下の〜の工程を順に繰り返すことによ
り、効率良くD−アスパラギン酸を製造する方法を提供
するものである。
り、効率良くD−アスパラギン酸を製造する方法を提供
するものである。
フマル酸又はその塩とアンモニア又はアンモニウム
イオンを水性溶媒中100℃以上の温度で加熱処理するこ
とにより化学合成法によりDL−アスパラギン酸を製造す
る。
イオンを水性溶媒中100℃以上の温度で加熱処理するこ
とにより化学合成法によりDL−アスパラギン酸を製造す
る。
DL−アスパラギン酸にアスパルターゼを含有する微
生物又はその処理物を作用させて、L−アスパラギン酸
のみをフマル酸とアンモニアに分解する。
生物又はその処理物を作用させて、L−アスパラギン酸
のみをフマル酸とアンモニアに分解する。
クロマト分離により未反応D−アスパラギン酸とフ
マル酸とを分離する。
マル酸とを分離する。
分離したフマル酸は再度の工程に供する。
本発明によれば、D−アスパラギン酸をフマル酸から
高効率に製造することができる。
高効率に製造することができる。
(発明の具体的な説明) 本発明は前記〜の4工程から成り、「工程」で
は、フマル酸又はその塩およびアンモニア又はアンモニ
ウムイオンの存在下、100〜170℃、好ましくは、130〜1
60℃で加熱処理することにより効率良くDL−アスパラギ
ン酸を製造する。
は、フマル酸又はその塩およびアンモニア又はアンモニ
ウムイオンの存在下、100〜170℃、好ましくは、130〜1
60℃で加熱処理することにより効率良くDL−アスパラギ
ン酸を製造する。
フマル酸又はその塩の仕込み濃度は、0.5〜5モル/
、好ましくは、1〜3モル/である。また、アンモ
ニア又はアンモニウムイオンの仕込み濃度は、0.5〜10
モル/、好ましくは1〜7モル/である。反応時の
pHは6〜11、好ましくは8〜10である。また、反応時間
は、1〜48時間、好ましくは、2〜24時間である。
、好ましくは、1〜3モル/である。また、アンモ
ニア又はアンモニウムイオンの仕込み濃度は、0.5〜10
モル/、好ましくは1〜7モル/である。反応時の
pHは6〜11、好ましくは8〜10である。また、反応時間
は、1〜48時間、好ましくは、2〜24時間である。
工程で使用する微生物としては、アスパルターゼを
含有する微生物であれば限定されるものではないが、例
えば、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium
u flavum)MJ−233(FERM BP−1497)、同MJ−233−AB
−41(FERM BP−1498)、エシェリヒア・コリ(Escher
ichia coli)ATCC 27325、エシェリヒア・コリ(Esche
richia coli)B ATCC 11303等が好適に用いられる。
含有する微生物であれば限定されるものではないが、例
えば、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium
u flavum)MJ−233(FERM BP−1497)、同MJ−233−AB
−41(FERM BP−1498)、エシェリヒア・コリ(Escher
ichia coli)ATCC 27325、エシェリヒア・コリ(Esche
richia coli)B ATCC 11303等が好適に用いられる。
本発明に用いられる上記微生物は、菌体のまま用いる
ことも出来るし、超音波破砕等の処理により破砕した菌
体の破砕物をも使用することが出来る。また、菌体又は
菌体破砕物をポリアクリルアミド、アルギン酸、κ−カ
ラギーナン等の適当な固定化剤に固定化して使用するこ
とも出来る。
ことも出来るし、超音波破砕等の処理により破砕した菌
体の破砕物をも使用することが出来る。また、菌体又は
菌体破砕物をポリアクリルアミド、アルギン酸、κ−カ
ラギーナン等の適当な固定化剤に固定化して使用するこ
とも出来る。
本発明の方法に使用される上記微生物菌体の調製に使
用する培地は、特に限定されるものではなく一般の微生
物に使用されるものでよい。例えばブレビバクテリウム
(Brevibacteriumu)属に属する微生物では、培地の炭
素源としては、例えば、グルコース、エタノール、フマ
ル酸、リンゴ酸等が使用出来る。培地の窒素源として
は、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、硝酸アンモニウム、尿素等の無機塩を用いることが
出来るし、また、ペプトン、酵母エキス、コーンスチー
プリカー、カザミノ酸等の有機栄養源も使用することが
出来る。無機塩としては、リン酸一水素カリウム、リン
酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム等が用いられる。
用する培地は、特に限定されるものではなく一般の微生
物に使用されるものでよい。例えばブレビバクテリウム
(Brevibacteriumu)属に属する微生物では、培地の炭
素源としては、例えば、グルコース、エタノール、フマ
ル酸、リンゴ酸等が使用出来る。培地の窒素源として
は、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、硝酸アンモニウム、尿素等の無機塩を用いることが
出来るし、また、ペプトン、酵母エキス、コーンスチー
プリカー、カザミノ酸等の有機栄養源も使用することが
出来る。無機塩としては、リン酸一水素カリウム、リン
酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム等が用いられる。
培養は通気攪拌、振盪等の好気的条件下で行い、培養
温度は20℃〜40℃、好ましくは38℃〜37℃で行う。培養
途中のpHは5〜10、好ましくは7〜8付近にて行い、培
養中のpHの調整には、酸又はアルカリを添加して行う。
培養開始時の培地中の炭素源の濃度は0.05〜10重量%が
用いられ、具体例としてグルコースを使用する場合、グ
ルコース濃度は、好ましくは0.05〜1.0重量%、更に好
ましくは0.1〜0.3重量%が適する。培養期間は10時間〜
4日間、最適期間は15時間〜3日間である。
温度は20℃〜40℃、好ましくは38℃〜37℃で行う。培養
途中のpHは5〜10、好ましくは7〜8付近にて行い、培
養中のpHの調整には、酸又はアルカリを添加して行う。
培養開始時の培地中の炭素源の濃度は0.05〜10重量%が
用いられ、具体例としてグルコースを使用する場合、グ
ルコース濃度は、好ましくは0.05〜1.0重量%、更に好
ましくは0.1〜0.3重量%が適する。培養期間は10時間〜
4日間、最適期間は15時間〜3日間である。
このようにして得られた培養物から各々菌体を集め
て、水又は適当な緩衝液で洗浄し、本発明の酵素反応に
使用する。
て、水又は適当な緩衝液で洗浄し、本発明の酵素反応に
使用する。
本発明の方法においては、上記で調製された微生物菌
体又はその破砕物又はその固定化物の存在下、水性溶媒
中で前記工程で生成したDL−アスパラギン酸を含有す
る水溶液にて酵素反応せしめる。
体又はその破砕物又はその固定化物の存在下、水性溶媒
中で前記工程で生成したDL−アスパラギン酸を含有す
る水溶液にて酵素反応せしめる。
ここで該水溶液中に含有するDL−アスパラギン酸の濃
度は0.3〜4モル/、好ましくは1〜2モル/であ
る。
度は0.3〜4モル/、好ましくは1〜2モル/であ
る。
なお、DL−アスパラギン酸は、反応液への溶解度の関
係から溶解さそた状態でも粉体で存在(不溶解状態)し
ていてもさしつかえない。反応液のpHの調整はアルカリ
溶液、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水
溶液が好適に使用される。なお、反応は、アスパルター
ゼ活性の低下を防ぐ為、必要によって窒素ガス等の不活
性ガスを通気して行う。本発明において、酵素反応時の
pHは7〜10、好ましくは8〜9であり、反応温度は40〜
47℃、好ましくは42〜46℃であり、反応は通常約3〜48
時間行われる。
係から溶解さそた状態でも粉体で存在(不溶解状態)し
ていてもさしつかえない。反応液のpHの調整はアルカリ
溶液、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水
溶液が好適に使用される。なお、反応は、アスパルター
ゼ活性の低下を防ぐ為、必要によって窒素ガス等の不活
性ガスを通気して行う。本発明において、酵素反応時の
pHは7〜10、好ましくは8〜9であり、反応温度は40〜
47℃、好ましくは42〜46℃であり、反応は通常約3〜48
時間行われる。
なお、反応には、菌体の膜透過性を高めるため、非イ
オン性の界面活性剤を添加して用いることが出来る。
オン性の界面活性剤を添加して用いることが出来る。
上記のような反応方法によって得られる反応液中に生
成したフマル酸と未反応D−アスパラギン酸の分離・精
製は公知の活性炭吸着法又はイオン交換樹脂処理等によ
り行うことが出来る(前記工程)。
成したフマル酸と未反応D−アスパラギン酸の分離・精
製は公知の活性炭吸着法又はイオン交換樹脂処理等によ
り行うことが出来る(前記工程)。
分離されたフマル酸は、再度前記工程にてDL−アス
パラギン酸に変換され、これらの工程を繰り返し行うこ
とにより対フマル酸収率80モル%以上でD−アスパラギ
ン酸を製造出来る。
パラギン酸に変換され、これらの工程を繰り返し行うこ
とにより対フマル酸収率80モル%以上でD−アスパラギ
ン酸を製造出来る。
実施例 以下の実施例におけるフマル酸の定量及びアスパラギ
ン酸の定量は、高速液体クロマトグラフィー(島津LC−
5A)を用いて行った。また、D−アスパラギン酸の光学
純度は比旋光度により確認した。
ン酸の定量は、高速液体クロマトグラフィー(島津LC−
5A)を用いて行った。また、D−アスパラギン酸の光学
純度は比旋光度により確認した。
「工程(第1回目)」: フマル酸からDL−アスパラギン酸の化学合成工程 反応液(フマル酸1.1モル/、アンモニア水(25
%)3.0モル/)1000mlを2圧力容器に仕込み、150
℃、3kg/cm2で2時間反応させた後、該反応液をエバポ
レーターにて減圧濃縮し、アンモニアを除去後、2N−Na
OHにてpHを7.5に調整する。反応液中のDL−アスパラギ
ン酸量は1.0モル/であった。
%)3.0モル/)1000mlを2圧力容器に仕込み、150
℃、3kg/cm2で2時間反応させた後、該反応液をエバポ
レーターにて減圧濃縮し、アンモニアを除去後、2N−Na
OHにてpHを7.5に調整する。反応液中のDL−アスパラギ
ン酸量は1.0モル/であった。
「工程(第1回目)その1」: アスパルターゼ含有菌体の調製 培地(尿素0.4%、硫酸アンモニウム1.4%、KH2PO40.
05%、K2HPO40.05%、MgSO4・7H2O0.05%、CaCl2・2H2O
2ppm、FeSO4・7H2O2ppm、MnSO4・4〜6H2O2ppm、ZnSO4
・7H2O2ppm、NaCl2ppm、ビオチン200μg/、チアミン
・HCl100μg/、カザミノ酸0.1%、酵母エキス0.1%)
100mlを500ml容三角フラスコに分注、滅菌(滅菌後pH7.
0)した後ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacter
ium flavum)MJ−233−AB−41(FERM BP−1498)を植
菌し、無菌的に50(WT/V)%グルコースを4ml加え、30
℃にて2日間振盪培養を行った。
05%、K2HPO40.05%、MgSO4・7H2O0.05%、CaCl2・2H2O
2ppm、FeSO4・7H2O2ppm、MnSO4・4〜6H2O2ppm、ZnSO4
・7H2O2ppm、NaCl2ppm、ビオチン200μg/、チアミン
・HCl100μg/、カザミノ酸0.1%、酵母エキス0.1%)
100mlを500ml容三角フラスコに分注、滅菌(滅菌後pH7.
0)した後ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacter
ium flavum)MJ−233−AB−41(FERM BP−1498)を植
菌し、無菌的に50(WT/V)%グルコースを4ml加え、30
℃にて2日間振盪培養を行った。
次に、本培養培地(硫酸アンモニウム2.3%、KH2PO
40.05%、K2HPO40.05%、MgSO4・7H2O0.05%、FeSO2・7
H2O20ppm、MnSO4・4〜6H2O20ppm、ビオチン200μg/
、チアミン・HCl100μg/、カザミノ酸0.3%、酵母
エキス0.3%)1000mlを2容通気攪拌槽に仕込み、滅
菌(120℃、20分間)後、50(WT/V)%グルコース40ml
と前記培養物の20mlを添加して、回転数1000rpm、通気
量1vvm、温度33℃、pH7.6にて48時間培養を行った。
40.05%、K2HPO40.05%、MgSO4・7H2O0.05%、FeSO2・7
H2O20ppm、MnSO4・4〜6H2O20ppm、ビオチン200μg/
、チアミン・HCl100μg/、カザミノ酸0.3%、酵母
エキス0.3%)1000mlを2容通気攪拌槽に仕込み、滅
菌(120℃、20分間)後、50(WT/V)%グルコース40ml
と前記培養物の20mlを添加して、回転数1000rpm、通気
量1vvm、温度33℃、pH7.6にて48時間培養を行った。
なお、グルコースは、培養中培地の濃度が1(WT/V)
%をこえないように、50(WT/V)%グルコースを約1〜
2時間ごと断続的に添加した。
%をこえないように、50(WT/V)%グルコースを約1〜
2時間ごと断続的に添加した。
培養終了後、培養物1000mlから遠心分離して集菌し
た。
た。
「工程(第1回目)その2」 アスパルターゼ含有菌体の前処理(フマラーゼ活性の除
去処理) 上記の「工程(第1回目)その1」にて調製した微
生物菌体内にはアスパルターゼの他に副反応酵素フマラ
ーゼが共存する為、原料となるフマル酸が一部リンゴ酸
に変換される問題が生じるので、あらかじめフマラーゼ
活性の除去処理を実施した。
去処理) 上記の「工程(第1回目)その1」にて調製した微
生物菌体内にはアスパルターゼの他に副反応酵素フマラ
ーゼが共存する為、原料となるフマル酸が一部リンゴ酸
に変換される問題が生じるので、あらかじめフマラーゼ
活性の除去処理を実施した。
「工程(第1回目)その1」にて調製した菌体を反
応液「L−アスパラギン酸100g、アンモニア(28%アン
モニア含有水溶液)140ml、CaCl2・2H2O2.2g、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレート0.8g;蒸留水1
中に含有]の1に懸濁後、45℃にて5時間加熱処理を
行った。該処理物は遠心分離により集菌後、該菌体をア
スパルターゼ含有菌体として使用した。
応液「L−アスパラギン酸100g、アンモニア(28%アン
モニア含有水溶液)140ml、CaCl2・2H2O2.2g、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレート0.8g;蒸留水1
中に含有]の1に懸濁後、45℃にて5時間加熱処理を
行った。該処理物は遠心分離により集菌後、該菌体をア
スパルターゼ含有菌体として使用した。
「工程(第1回目)その3」 L−アスパラギン酸のみをフマル酸とアンモニアに分解
する工程 上記の「工程」で合成したDL−アスパラギン酸1モ
ル/溶液(pH7.5)を含む2反応槽に「工程(第
1回目)その1」と「工程(第1回目)その2」で調
製した菌体50g(湿菌体)を添加し、46℃にて500rpmの
攪拌条件下で20時間反応を行った。反応上清液中のフマ
ル酸およびアスパラギン酸量を定量したところ、フマル
酸0.48モル/、アスパラギン酸0.50モル/であっ
た。
する工程 上記の「工程」で合成したDL−アスパラギン酸1モ
ル/溶液(pH7.5)を含む2反応槽に「工程(第
1回目)その1」と「工程(第1回目)その2」で調
製した菌体50g(湿菌体)を添加し、46℃にて500rpmの
攪拌条件下で20時間反応を行った。反応上清液中のフマ
ル酸およびアスパラギン酸量を定量したところ、フマル
酸0.48モル/、アスパラギン酸0.50モル/であっ
た。
「工程(第1回目)」 クロマトグラフによるD−アスパラギン酸とフマルの分
離 上記の「反応液」1000mlを活性炭(しらさぎKL、武田
薬品製)カラムに導通し、蒸留水により溶出する。この
溶出液を減圧濃縮後、冷エタノールにて結晶を析出乾燥
させた。アスパラギン酸結晶の回収量は64gであった。
さらに回収したアスパラギン酸結晶について比旋光度を
測定したところ▲[α]23 D▼=25.5℃(C=10,2N−HC
l)で光学純度98%であった。
離 上記の「反応液」1000mlを活性炭(しらさぎKL、武田
薬品製)カラムに導通し、蒸留水により溶出する。この
溶出液を減圧濃縮後、冷エタノールにて結晶を析出乾燥
させた。アスパラギン酸結晶の回収量は64gであった。
さらに回収したアスパラギン酸結晶について比旋光度を
測定したところ▲[α]23 D▼=25.5℃(C=10,2N−HC
l)で光学純度98%であった。
「工程(第1回目)と「工程(第2回目)」 上記の「工程(第1回目)」で活性炭カラムに吸着
されたフマル酸を2N−アンモニア水1.5にて溶出後、
「工程(第1回目)」と同様の操作により化学合成反
応を行った。
されたフマル酸を2N−アンモニア水1.5にて溶出後、
「工程(第1回目)」と同様の操作により化学合成反
応を行った。
反応液中に生成したDL−アスパラギン酸は、0.3モル
/であった。該水溶液からアンモニアを減圧濃縮装置
にて(50℃、3hr)蒸発除去後、2N−NaOHにてpH7.5に調
整する。該調整0.45モル/のDL−アスパラギン酸溶液
を次記の「工程」のアスパルターゼ反応に供する。
/であった。該水溶液からアンモニアを減圧濃縮装置
にて(50℃、3hr)蒸発除去後、2N−NaOHにてpH7.5に調
整する。該調整0.45モル/のDL−アスパラギン酸溶液
を次記の「工程」のアスパルターゼ反応に供する。
「工程(第2回目)」 前記の「工程(第1回目)その3」と同様の酵素反
応を10時間行った。
応を10時間行った。
「工程(第2回目)」 上記の酵素反応終了液1000mlを前記の「工程(第1
回目)その3」と同様に活性炭カラムに導通し、蒸留水
による流出液からアスパラギン酸の結晶を析出乾燥させ
た。アスパラギン酸回収量は29gであった。該結晶の比
旋光度は▲[α]23 D▼=−25.5(C=10,2N−HCl)で
光学純度98%であった。
回目)その3」と同様に活性炭カラムに導通し、蒸留水
による流出液からアスパラギン酸の結晶を析出乾燥させ
た。アスパラギン酸回収量は29gであった。該結晶の比
旋光度は▲[α]23 D▼=−25.5(C=10,2N−HCl)で
光学純度98%であった。
「工程(第2回目)」は第1回目と同様に行う。
以上の如く〜の工程を2回繰り返すことによりフ
マル酸原料から64モル%の収率でD−アスパラギン酸が
製造され、さらに繰り返し計4回の繰り返しにより、対
フマル酸収率82モル%でD−アスパラギン酸を製造出来
た。
マル酸原料から64モル%の収率でD−アスパラギン酸が
製造され、さらに繰り返し計4回の繰り返しにより、対
フマル酸収率82モル%でD−アスパラギン酸を製造出来
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 康一 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内 (72)発明者 湯川 英明 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−91993(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 41/00 C12P 13/20 WPI/L(QUESTEL) BIOSIS(DIALOG)
Claims (1)
- 【請求項1】フマル酸又はその塩とアンモニア又はアン
モニウムイオンを反応原料として以下の〜の工程を
順に繰り返し行ないD−アスパラギン酸を製造すること
を特徴とするD−アスパラギン酸の製造法。 フマル酸又はその塩とアンモニア又はアンモニウム
イオンを水性溶媒中100℃以上の温度で加熱処理するこ
とにより化学合成法によりDL−アスパラギン酸を製造す
る。 DL−アスパラギン酸にアスパルターゼを含有する微
生物又はその処理物を作用させて、L−アスパラギン酸
のみをフマル酸とアンモニアに分解する。 クロマト分離により未反応D−アスパラギン酸とフ
マル酸とを分離する。 分離したフマル酸は再度の工程に供する。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11027190A JP3012990B2 (ja) | 1990-04-27 | 1990-04-27 | D―アスパラギン酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11027190A JP3012990B2 (ja) | 1990-04-27 | 1990-04-27 | D―アスパラギン酸の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH048297A JPH048297A (ja) | 1992-01-13 |
JP3012990B2 true JP3012990B2 (ja) | 2000-02-28 |
Family
ID=14531456
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11027190A Expired - Lifetime JP3012990B2 (ja) | 1990-04-27 | 1990-04-27 | D―アスパラギン酸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3012990B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110818152A (zh) * | 2019-11-13 | 2020-02-21 | 宜兴市前成生物有限公司 | 一种富马酸生产废水综合利用方法 |
-
1990
- 1990-04-27 JP JP11027190A patent/JP3012990B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH048297A (ja) | 1992-01-13 |
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