JPH0614787A - D−アスパラギン酸および/またはl−リンゴ酸製造法 - Google Patents

D−アスパラギン酸および/またはl−リンゴ酸製造法

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JPH0614787A
JPH0614787A JP13633291A JP13633291A JPH0614787A JP H0614787 A JPH0614787 A JP H0614787A JP 13633291 A JP13633291 A JP 13633291A JP 13633291 A JP13633291 A JP 13633291A JP H0614787 A JPH0614787 A JP H0614787A
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JP
Japan
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aspartic acid
acid
malic acid
malic
aspartic
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JP13633291A
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English (en)
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Masato Terasawa
真人 寺沢
Shoichi Nara
昭一 奈良
Hisashi Yamagata
恒 山縣
Hideaki Yugawa
英明 湯川
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アスパルターゼ活性およびフマラーゼ活性を
有する微生物菌体又はその処理物を、DL−アスパラギ
ン酸を含有する反応液に作用させて、L−アスパラギン
酸を酵素法によりL−リンゴ酸に変換し、これよりL−
リンゴ酸と未反応のD−アスパラギン酸を採取する方
法。 【効果】 安価なDL−アスパラギン酸より、効率良く
D−アスパラギン酸とL−リンゴ酸を製造することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵素法による、D−ア
スパラギン酸とL−リンゴ酸を同時に製造する方法に関
する。本発明によれば高収量で効率良くD−アスパラギ
ン酸とL−リンゴ酸を製造することができる。
【0002】D−アスパラギン酸は、医薬、農薬等の中
間体原料として、また、L−リンゴ酸は医薬、食品、工
業用原料等として重要な化合物である。
【0003】
【従来の技術】D−アスパラギン酸の工業的製法とし
て、DL−アスパラギン酸を酵素的に脱炭酸してL−ア
スパラギン酸からL−アラニンを生成させ、その後、未
反応D−アスパラギン酸とL−アラニンとを分離してD
−アスパラギン酸を製造する方法(特公昭53−183
1号公報)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの製造法で
は、D−アスパラギン酸とL−アラニンの分離が極めて
悪く、工業的製法として改良されるべき課題を有してお
り、D−アスパラギン酸をより効率的に製造する方法の
開発が望まれていた。
【0005】本発明者らは、D−アスパラギン酸の高効
率製造プロセスの開発につき鋭意検討を行い、酵素法に
より、安価なDL−アスパラギン酸より効率良くD−ア
スパラギン酸を製造する方法を見い出し、本発明を完成
するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、アスパルター
ゼ活性およびフマラーゼ活性を有する微生物菌体又はそ
の処理物を、DL−アスパラギン酸を含有する反応液に
作用させて、L−アスパラギン酸をまずアスパルターゼ
によりフマル酸へ変換した後、フマラーゼによりL−リ
ンゴ酸へと変換し、生成したL−リンゴ酸と未反応D−
アスパラギン酸を分離、回収する方法を提供するもので
ある。この方法によれば、効率良くD−アスパラギン酸
および/またはL−リンゴ酸を製造することができる。
【0007】本発明に使用する微生物菌体としては、ア
スパルターゼ活性およびフマラーゼ活性を有する菌体、
例えば、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacteri
umuflavum) MJ−233(FERM BP−149
7)、同MJ−233−AB−41(FERM BP−
1498)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)
ATCC 27325、エシェリヒア・コリ(Escheric
hia coli) B ATCC11303等が好適に用いられ
る。
【0008】本発明に用いられる上記微生物は、菌体の
まま用いることもできるし、超音波破砕等の処理により
破砕した菌体の破砕物をも使用することができる。ま
た、菌体又は菌体破砕物をポリアクリルアミド、アルギ
ン酸、κ−カラギーナン等の適当な固定化剤に固定化し
て使用することもできる。
【0009】本発明の方法に使用される上記微生物菌体
の調製に使用する培地は、特に限定されるものではなく
一般の微生物に使用されるものでよい。例えばブレビバ
クテリウム(Brevibacteriumu)属に属する微生物では、
培地の炭素源としては、例えば、グルコース、エタノー
ル、フマル酸、リンゴ酸等が使用できる。培地の窒素源
としては、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモ
ニウム、硝酸アンモニウム、尿素等の無機塩を用いるこ
とができるし、また、ペプトン、酵母エキス、コーンス
チープリカー、カザミノ酸等の有機栄養素源も使用する
ことができる。無機塩としては、リン酸一水素カリウ
ム、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム等が用い
られる。
【0010】培養は通気撹拌、振盪等の好気的条件下で
行い、培養温度は20℃〜40℃、好ましくは28℃〜
37℃である。培養途中のpHは5〜10、好ましくは
7〜8付近であり、培養中のpHの調整には、酸又はア
ルカリを添加して行う。培養開始時の培地中の炭素源の
濃度は0.05〜10重量%であり、例えば、グルコー
スを使用する場合、グルコース濃度は、好ましくは0.
05〜1.0重量%、さらに好ましくは0.1〜0.3
重量%が適する。培養期間は10時間〜4日間、最適期
間は15時間〜3日間である。
【0011】このようにして得られた培養物から菌体を
集めて、水又は適当な緩衝液で洗浄し、本発明の酵素反
応に使用する。
【0012】本発明の方法においては、上記で調製され
た微生物菌体又はその破砕物又はその固定化物の存在
下、DL−アスパラギン酸を含有する水溶液を酵素反応
させる。
【0013】ここで、該水溶液中に含有するDL−アス
パラギン酸の濃度は0.3〜4モル/1000ml、好ま
しくは0.5〜2モル/1000mlである。
【0014】反応液のpHの調整は、水酸化カルシウ
ム、炭酸カルシウム等が好適に用いられる。これは、反
応液中に生成したL−リンゴ酸がカルシウム塩として析
出することにより、D−アスパラギン酸とL−リンゴ酸
との分離を容易にするためである。なお、反応時のpH
は6〜9、好ましくは6.5〜8.0であり、反応温度
は30〜50℃、好ましくは、32〜46℃であり、反
応は通常約3〜48時間である。
【0015】なお、反応に微生物菌体をそのまま使用す
る場合には、菌体の膜透過性を向上させるため、非イオ
ン性の界面活性剤等を添加することができる。
【0016】上記のような反応方法によって得られる反
応液中に生成したD−アスパラギン酸および析出したL
−リンゴ酸カルシウムは、該反応液を遠心分離後、上澄
液に存在するD−アスパラギン酸を常法通り等電点沈殿
法により沈殿回収し、一方L−リンゴ酸カルシウム結晶
(析出物)は、通常のイオン交換法又は、硫酸等酸性物
質の添加によりL−リンゴ酸として回収できる。
【0017】本発明の方法によれば、D−アスパラギン
酸およびL−リンゴ酸をそれぞれ理論値の80%以上の
回収率で回収できる。
【0018】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。
以下の実施例におけるD−アスパラギン酸量およびL−
リンゴ酸量の測定は、高速液体クロマトグラフィー(島
津LC−5A)を用いて行った。また、D−アスパラギ
ン酸の光学純度は比旋光度により確認した。
【0019】参考例 アスパルターゼおよびフマラーゼ含有菌体の調製 培地(尿素 0.4%、硫酸アンモニウム 1.4%、
KH2 PO4 0.05%、K2 HPO4 0.05
%、MgSO4 ・7H2 O 0.05%、CaCl2
2H2 O 2ppm 、FeSO4 ・7H2 O 2ppm 、M
nSO4 ・4〜6H2 O 2ppm 、ZnSO4 ・7H2
O 2ppm 、NaCl 2ppm 、ビオチン200μg/
1000ml、チアミン・HCl 100μg/1000
ml、カザミノ酸 0.1%および酵母エキス 0.1
%)100mlを500ml容三角フラスコに分注し、滅菌
(滅菌後pH7.0)した後、ブレビバクテリウム・フ
ラバム(Brevibacterium flavum)MJ−233−AB−
41(FERM BP−1498)を植菌し、無菌的に
50(W/V)%グルコースを2ml加え、30℃にて2
日間振盪培養を行った。
【0020】次に、本培養培地(硫酸アンモニウム
2.3%、KH2 PO4 0.05%、K2 HPO4
0.05%、MgSO4 ・7H2 O 0.05%、Fe
SO4・7H2 O 20ppm 、MnSO4 ・4〜6H2
O 20ppm 、ビチオン 200μg/1000ml、チ
アミン・HCl 100μg/1000ml、カザミノ酸
0.3%および酵母エキス 0.3%)1000mlを2
000ml容通気撹拌槽に仕込み、滅菌(120℃、20
分間)後、無菌的に50(W/V)%グルコース20ml
と前記培養物の20mlを添加して、回転数1000rpm
、通気量1vvm、温度33℃、pH7.6にて15時間
培養を行った。
【0021】なお、グルコースは、培養中の培地の濃度
が1(W/V)%をこえないように、50(W/V)%
グルコースを約1〜2時間ごと断続的に添加した。
【0022】培養終了後、培養物1000mlから遠心分
離により集菌した。
【0023】実施例 上記参考例で得た集菌体を反応液[DL−アスパラギン
酸 50g、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート 0.8g/蒸留水1000ml(Ca(OH)2
pHを7.0に調整)]1000mlに懸濁し、45℃に
て24時間振盪反応させた。反応終了後、遠心分離(8
000rpm 、40分間、2℃)にて上澄液と固形物を分
離した。
【0024】上澄液100mlに36N−H2 SO4 溶液
を添加してpHを2.8に調整後、析出した沈殿物を遠
心分離(8000rpm 、40分間、2℃)後、乾燥さ
せ、全重量を測定したところ2350mgのアスパラギン
酸粗結晶を得た。さらに回収したアスパラギン酸結晶に
ついて比旋光度を測定したところ[α]D 23 =−25.
5°(c=10,2N−HCl)で光学純度98%であ
った。
【0025】一方、固型物は、1N−H2 SO4 溶液1
00mlにて懸濁溶解後、遠心分離(8000rpm ,20
分間、室温)にて菌体を除去した上澄液について、L−
リンゴ酸の生成量を測定したところ23mg/ml であっ
た。これは、該固形物中に2300mgのL−リンゴ酸が
含有されることを示している。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、DL−アスパラギン酸
より、効率良くD−アスパラギン酸および/またはL−
リンゴ酸を分離、採取し、製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (C12P 7/46 C12R 1:13) (C12P 7/46 C12R 1:19) (72)発明者 湯川 英明 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスパルターゼ活性およびフマラーゼ活
    性を有する微生物菌体又はその処理物を、DL−アスパ
    ラギン酸を含有する反応液に作用させてL−アスパラギ
    ン酸を酵素法によりL−リンゴ酸に変換し、該反応液か
    らD−アスパラギン酸およびL−リンゴ酸を分離、採取
    することを特徴とするD−アスパラギン酸および/また
    はL−リンゴ酸の製造法。
JP13633291A 1991-06-07 1991-06-07 D−アスパラギン酸および/またはl−リンゴ酸製造法 Pending JPH0614787A (ja)

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