JPH0346074B2 - - Google Patents

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JPH0346074B2
JPH0346074B2 JP59220464A JP22046484A JPH0346074B2 JP H0346074 B2 JPH0346074 B2 JP H0346074B2 JP 59220464 A JP59220464 A JP 59220464A JP 22046484 A JP22046484 A JP 22046484A JP H0346074 B2 JPH0346074 B2 JP H0346074B2
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liposome
liposomes
antigen
reagent
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Yoshio Ishimori
Masao Koyama
Masako Notsuke
Tateji Yasuda
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Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/127Liposomes
    • A61K9/1271Non-conventional liposomes, e.g. PEGylated liposomes, liposomes coated with polymers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/544Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals the carrier being organic
    • G01N33/545Synthetic resin

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は免疫分析用試薬に関し、更に詳しくは
試料中に存在する特定の抗原又は抗体を定量分析
するための免疫分析用試薬に関する。
〔発明の技術的背景とその問題点〕
近年、ガンに関する研究が進展してくるにつれ
て各種の腫瘍マーカーが見出されるようになつ
た。例えばα−フエトプロテイン(AFP)、ガン
胎児性抗原(CEA)、塩基性フエトプロテイン
(BFP)および膵ガン胎児性抗原(POA)などが
その代表例として挙げることができる。これらの
腫瘍マーカーの濃度は正常人の場合、非常に低い
(例えば、AFPの場合:10ng/ml以下)。一方、
腫瘍患者の場合には正常人の10倍程度の値を示す
ことが多い。いずれにしても、腫瘍マーカーの分
析定量には、非常に高い検出感度が要求される。
この要求を満たすために、従来は、放射性物質
で標識化した抗原または抗体を用いる放射線免疫
分析法(RIA)が開発された。しかしながら、
RLAは取扱いが面倒で廃棄処理も問題になる。
そこで放射性物質の代りに酵素や螢光物質など
種々の物質で標識化した抗原あるいは抗体を使用
する免疫分析法が提案されたが、これらにおいて
も遊離抗体と結合抗体を何らかの方法で分離しな
ければならないという欠点を有していた。また、
クリニカル ケミストリ第22巻第1899頁(1976
年)(Clin.Chem.22,1899(1976),Rosenthal A.
F,Vargas,M.G.and Klass C.S.)に発表され
たEMIT法は、分離工程の不要な均一系で測定で
きる画期的な手法であるが、原理的に高分子量の
タンパク質抗原あるいは抗体には適用できない。
ところで、バイオケミストリ第61巻300頁
(1968年)(Biochemistry,61 300(1968)
Haxby,J.A,Kinsky,C.B.and Kinsky S.C.)
で、脂溶性の抗原を膜内に取り込みグルコースを
封入したリポソームを調製し、抗原抗体反応によ
るリポソームの破壊に伴うグルコースの流出量を
測定することにより、抗体の定量を行う手法が発
表された。しかしながら、この手法を用いて腫瘍
マーカーを測定するためには、マーカー自身ある
いはこれらのマーカーに対する抗体、すなわちタ
ンパク質である免疫グロブリンをリポソーム上に
担持させねばならない。ところが、現在まで、脂
溶性のタンパク質を担持したリポソームを用いる
ことは可能であつたが、親水性のタンパク質を担
持したリポソームを用いる抗原または抗体の免疫
分析法は報告されていない。それは、親水性のタ
ンパク質をリポソームに担持せしめる技術が確立
されていなかつたからである。
一方、特開昭56−132564“免疫分析用生成物お
よび方法”においては、抗原あるいは抗体を担持
し内部に酵素を封入したリポソームを用いて免疫
分析を行う方法が開示されているが、そこでは、
タンパク質の担持方法としてグルタルアルデヒド
等の二官能性架橋試薬を用いる方法を提案してい
る。本発明者らの研究によると、このような架橋
試薬で抗体をリポソームに担持すると、一般に抗
体の活性が低下し、抗原抗体反応に伴うリポソー
ムの破壊が引起されなくなることが判明した。
更に、これらのような従来の免疫分析技術は、
総じて、分析時間に長時間を要し、しかも大量の
試料を自動的に測定することができないという欠
点を有していた。
〔発明の目的〕
本発明は、被検物質の抗原や抗体と特異的に反
応することにより被検物質の定量分析が高い精度
で行なえる免疫分析用試薬を提供することを目的
とする。
〔発明の概要〕
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研
究を重ねた結果、補体活性により溶解作用を受け
る適当な脂質組成及び構成比を有するリポソーム
上に、活性を低下させることなく、諸料中の抗原
又は抗体に対応する抗体又は抗原を適当量固定化
することに成功し、更に、リポソーム内に標識物
質を封入し適当な補体価を選択することにより、
本発明の目的が達成されることを見出し、本発明
を完成するに至つた。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本分析方法による定量が可能な被検物質は、腫
瘍マーカー(前述のAFP、BFP、CEA、及び
POA等)免疫グロブリン(IgA、IgE、IgG及び
IgM等)ホルモン(インシユリン、T3及びT4等)
及び薬物等の抗原、あるいはそれらに対応する抗
体であつて、広範囲に亘る。
又、リポソーム上に固定化される抗原又は抗体
は親水性であることが必要である。しかしながら
固定化された抗原又は抗体と抗原抗体反応を起こ
す被検物質は、親水性でなくともよい。本発明の
試薬においては、抗原又は抗体は、架橋剤によつ
て、リポソーム上に原子間の共有結合で固定化さ
れている。
なお抗体は全体である必要はなく、少なくとも
抗原結合部位があれば良い。
リポソーム内に封入される標識物質は、親水性
であつて、リポソーム外に溶出された際に定量可
能な物質でなければならない。かかる物質として
は、例えば、高濃度では自己消光により螢光は示
さないが、低濃度(10-3M以下)で非常に強い螢
光を発するカルボキシフルオレセインのような螢
光性化合物;リポソーム外で酸化反応により発光
するルミノールやルシフエリンのような発光性化
合物;可視部あるいは紫外部に特異的な吸収帯を
有する吸光性化合物(水溶性色素等);酸化酵素
の作用により分解され酸素消費あるいは過酸化水
素生成をもたらすグルコース及びシユークロース
などの糖類;テトラペンチルアンモニウムのよう
な比較的大きなイオン性化合物;ニコチンアミド
アデニンジヌクレオチド(NAD)のような補酵
素類;メチルビオロゲンを初めとするラジカル化
合物などが望ましい。そして、これらの化合物
は、検出方法、感度及びリポソームの安定性等の
因子を勘案した上に、適宜に選択される。
以上に説明した本発明の免疫分析用試薬は、例
えば、次の如き方法で製造される。まず、所望の
リン脂質及び糖脂質の少くとも一方と架橋剤(こ
れを用いた場合を架橋法という)とを溶媒中で反
応せしめ、リポソーム上に固定化される抗原又は
抗体と結合し得る官能基を脂質分子に導入する。
次いで、得られた官能性脂質とコレステロール及
び必要であれば他の脂質の適当量をフラスコに入
れ、溶媒を加えて溶解させた後、溶媒を留去し、
吸引乾燥する。ここでコレステロールを用いたの
はより安定性を増したリポソームを得るためであ
り、その比率は用いたリン脂質及び糖脂質に対し
て10〜500モル%であることが望ましい。しかる
後、壁面に薄膜が形成されたフラスコ内に所定の
標識物質の水溶液を加え、密栓をして振とうし、
リポソームの懸濁液を得る。
一方、リポソームに固定化すべき抗原又は抗体
と架橋剤とを緩衝液中で反応させて架橋基を導入
し、しかる後、必要であれば、該架橋基を還元す
る試薬(例えばジチオトレイトール;DTT)と
更に反応させて、修飾抗原又は抗体を得る。
最後にリポソームと修飾抗原または抗体とを適
当な緩衝液中で反応せしめることはより、本発明
の免疫分析用試薬が得られる。この際、測定対象
物の種類により修飾抗原あるいは抗体の感作濃度
を適当に変化させることが重要である。なお、被
検物質が腫瘍マーカーあるいは免疫グロブリン等
の時には、場合に応じて酵素的に分解した抗体を
リポソームに感作させて用いることも可能であ
る。
上記製造法における架橋剤は、親水性の抗原ま
たは抗体の活性度を低下せしめないように選択す
る必要があり、本発明者は、以下に示す非対称構
造の二官能性試薬を架橋剤として用いれば良いこ
とを見出した。例えば、N−サクシンイミジル3
−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート
(SPDP)、N−サクシンイミジル4−(p−マレ
イミドフエニル)ブチレート(SMPB)、N−サ
クシンイミジル4−(p−マレイミドフエニル)
アセテート(SMPA)、N−サクシンイミジル4
−(p−マレイミドフエニル)プロピオネート
(SMPP)、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)
サクシンイミド(GMBS)、N−(ε−マレイミ
ドカプロイルオキシ)サクシンイミド(EMCS)
が挙げられる。この中で例えばSPDPは、次式: で示され、温和な条件下で反応して、第一アミノ
基を有する化合物どうしを結合する架橋剤であり
フアルマシア社から市販されている。感作させる
タンパク質抗原をこのSPDPで処理し、ジチオト
レイトール(DTT)で還元した後、予めSPDP
を作用させたリポソームと反応させると、室温以
下、数時間から1日でリポソーム上に抗原を感作
することができる。
SMPBは、次式: で示され、SPDPと同様な反応でタンパク質を固
定化できるが、最終生成物中に−S−S−結含を
含まず(−S−結合のみ)、血清などの還元的雰
囲気下でも安定である。
このようにして得られた免疫分析用試薬は、補
体の存在下で試料と接触することによりリポソー
ムが破壊され、内部に封入されていた標識物質が
流出する。この流出した標識物質を定量すること
によつて試料の定量分析を行なう。この定量操作
に用いられる補体としては、格別限定されないが
通常補体の活性すなわち補体価の高いモルモツト
血清が用いられる。しかし、場合に応じてウサ
ギ、マウス、ヒト等の血清を使用してもよい。
又、本免疫分析用試薬を用いて抗原あるいは抗体
を定量する際には、この補体価が測定範囲及び検
出限界を決定するのに重要であり、この補体価を
種々変化させて望ましい測定条件を得る。
なお、本発明の免疫分析用試薬は、まず脂質と
抗原又は抗体とを、架橋剤を用いて結合せしめ、
次いで得られた結合体を界面活性剤とともに水中
に加えてミセルを形成させ、しかる後、透析ある
いはゲルロ過等を用いて界面活性剤を除去するこ
とにより製造することも可能である。
〔発明の効果〕
本発明に係る免疫分析用試薬を用いることによ
り、均一系の反応で広範囲に亘る抗原あるいは抗
体の定量分析が高い検出感度で精度良く行なえ
る。
〔発明の実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、これらの実施例は、本発明の範囲を何ら制
限するものではない。
実施例 1 本実施例では、免疫グロブリンG(IgG)を感
作したリポソームを調製しそれを用いて抗ヒト−
IgG抗体の測定を行なつた。用いた試薬のうち、
ジバルミトイルホスフアチジルコリン(DPPC)、
コレステロール、ジパルミトイルホスフアチジル
エタノールアミン(DPPE)及びジチオトレイト
ール(DTT)はシグマ社製のものを用いた。N
−サクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)
プロピオネート(SPDP)及びセフアテツクスG
−25フアインはフアルマシア社より購入した。他
の試薬は市販品(特級)を精製せずに使用した。
なお、水はイオン交換水を用いた。
そしてまずDPPE−ジチオピリジネート
(DPPE−DTP)を調製した。密栓付三角フラス
コに70mgのDPPEを分取し、25μのクロロホル
ム/メタノール(5:1)溶液に溶解し、60μ
のトリエタノールアミン及び50mgのSPDPを添加
後窒素置換した。室温で1時間反応させた後、ロ
ータリーエバポレーターで溶媒を除去した。その
乾燥物を5mlのクロロホルム/メタノール(10:
1)に溶解させ、シリカゲルカラムを用いて精製
した。生成物画分を回収し、エバポレーターで約
5μまで濃縮した。収率は80〜95%であつた。
保存は窒素封入下−20℃で行つた。
ついでリポソームの調製を行なつた。
使用する脂質はすべてクロロホルムまたはクロ
ロホルム/メタノール(2/1)に溶解した。まず
5mM DPPC(200μ)、10mMコレステロール
(100μ)及び1mMDPPE−DTP(50μ)を10
mlのナス型フラスコに入れ、更に2mlのクロロホ
ルムを加えて良く混合した。水溶中(約50℃)で
ロータリーエバポレーターにより溶媒を除去し
た。再び2mlのクロロホルムを添加し、十分撹拌
後、再度ロータリーエバポレーターにより溶媒を
蒸発させた。この操作を数回繰り返すと、フラス
コ壁面に薄膜が形成された。フラスコをデシケー
ター中に移し、真空ポンプで約1時間吸引し、溶
媒を完全に除去した。次に、100μの0.2Mカル
ボキシフルオレセイン(イーストマン・コダツク
社製、PH7.4;以下、CFと略記)を添加し、フラ
スコ内部を窒素で置換した後に密栓して、60℃程
度の水浴中に約1分間浸漬した。続いて、
Vortexミキサーを用い、壁面の脂質薄膜が完全
に消失するまでフラスコを激しく振とうした。こ
の操作により、リポソーム懸濁液が調製された。
ゼラチン−ベロナール緩衝液(以下、GVB-と略
記)を少量添加し、リポソーム懸濁液を完全に遠
心チユーブに移した。4℃、15000rpmで20分間
遠心し、遊離のCFを除去した。上清が透明にな
るまでGVB-を用いてこの操作を繰り返した。最
後に2mlのGVB-及び5μの10%NaN3を加え、
Vortexミキサーで懸濁させ、窒素封入後、冷蔵
庫に保存した。
次にヒト−IgGの修飾を行なつた。5mgのヒト
−IgG(マイルズ社製)を2mlの0.01M HEPES緩
衝液(PH7.45 0.85%NaCl含有)に溶解し、窒素
で置換した後、10μの10mMSPDP(エタノール
溶液)を加え、十分撹拌してそのまま室温で30分
間反応させた。反応後、反応液を予め生理食塩水
で飽和させたセフアデツクスG−25フアインのゲ
ルを充填したカラム(ゲル体積:約15ml)に展開
し、0.1M酢酸緩衝液(PH4.5、0.85%NaCl含有)
で溶出させた。最初のタンパク質フラクシヨン
(約2ml)に更に2mlの酢酸緩衝液を加え、窒素
置換後、ジチオトレイトール(約30mg)を添加し
た。十分に撹拌して20分間室温で反応させた。反
応後、予め0.01M HEPES緩衝液で飽和させたセ
フアデツクスG−25フアインのゲルを充填してあ
るカラム(ゲル体積:約30ml)に反応液を展開し
前記HEPES緩衝液で溶出した。最初のタンパク
質フラクシヨン(約2ml)を集め、窒素置換後、
使用するまで冷蔵庫に保存した。
そして、前述のようにして調製したリポソーム
懸濁液と等量の修飾ヒト−IgG溶液を混合し、窒
素置換後密栓して室温でゆつくり振とうしながら
1晩反応させた。前記HEPES緩衝液、次いで
GVB-で洗浄して、未反応のヒト−IgGを除去し
た。こうして得られたヒト−IgG感作リポソーム
に、反応に用いたリポソーム懸濁液の量を相当す
るGVB-及び5μの10%NaB3を最後に添加し、
懸濁・窒素置換後、使用するまで冷蔵庫に保存し
た。
上述したヒト−IgG感作リポソームを用いた、
抗ヒト−IgG抗体の測定を行なつた。
ヌンク社製のU型プレート(96穴)に適当量の
GVB2+(0.1mM MgCl2及び0.03mM CaCl2を含
有しているGVB-)で希釈した抗ヒト−IgG抗体
(原液濃度:2mg/ml)を25μずつ注入した。
次いで、上記感作リポソーム懸濁液をGVB2+
100倍に希釈し、5μずつ各ウエル(well)に分
注した。最後に、適当にGVB2+で希釈した補体
(モルモツト血清)25μずつ添加した。反応は
37℃恒温度下で1.5時間行つた。反応後、各well
に100μの0.01M EDTA−ベロナール緩衝液を
加えて反応を停止し、プレート用螢光分光光度計
(コロナ電子社製、MTP−12F)で各wellの螢光
を測定した(Ex:490nm、Em:520nm)。なお、
測定値は、抗体及び補体の代わりに10%Triton
X−100及びGVB2+を25μずつ添加したwellの
螢光と、抗体の代わりに25μのGVB2+を添加し
たものの差を100%とした相対値で表示した。400
倍希釈(補体価:0.5CH50)の補体を用いた場合
の結果を第1図の特性図り示した。図で曲線aは
本願発明による免疫分析用試薬を用いて、試料中
に含まれた抗ヒト−IgG抗体の濃度と反応により
遊出した標識物質の相対遊出率との関係を表わし
ている。図からわかるように両者の間には明確な
相関関係があり、これをもとにして試料の定量分
析が行なえることがわかる。これに対して曲線b
は先にあげた従来技術として開示されていたグル
タルアルデヒド(GA)を架橋試薬に用いて、
DPPC:コレステロール:DPPE−PTPの構成比
を1:1:0.05の割合に調整したリポソームによ
る同様の反応を示している。図からわかるように
このような架橋試薬を用いたリポソームは、試料
濃度の変化に対してリポソームが溶解して標識物
質の流出する割合がほとんど変化せず、精密な定
量分析に用いることは不可能であることがわか
る。
実施例 2 実施例1と同様な製法でさらにリポソーム中の
DPPE−DTP含有量を変化させてすなわち架橋
剤と反応した脂質の構成比を加えてヒト−IgG感
作リポソームを調製した。2×10-3mg/mlの抗ヒ
ト−IgG抗体と400倍希釈の補体(補体価:
0.5CH50)を作用させた時の感作リポソームから
のCF遊出率を各感作リポソームについて測定し
た。結果を第2図に示す。DPPE−DTPを含有
していない感作リポソームの場合には全くCFの
遊出は認められなかつた。実用上使用できるのは
0.01モル%からであり、DPPE−DTP含有量を増
加させて行くと、1モル%まではCF遊出率は増
加するが、それ以上加えても殆どCF遊出率に変
化はなかつた。なお、30モル%以上DPPE−
DTPを含有しているリポソームの場合には、自
然なCF遊出が顕著に認められ、安定性に乏しい
ことが明らかになつた。この実施例の結果より架
橋剤と反応したリン脂質及び糖脂質の構成比が
0.01〜30モル%の範囲内にあることが必要である
ことがわかる。
実施例 3 実施例1においてヒト−IgGをDPPC:コレス
テロール:DPPE−DTP=1:1:0.05の比率で
構成したリポソームに感作する際にヒト−IgG感
作濃度を種々変化させ、抗ヒト−IgG抗体との反
応性について検討した。抗体及び補体濃度は実施
例−2と同一であつた。実験結果を第3図に示
す。ヒト−IgGを感作していないリポソームは全
く抗体とは反応しなかつた。これに対し抗原を感
作したリポソームの場合には、その感作濃度すな
わちリポソームの形成に使用した脂質量から導か
れる濃度に換算して0.5mMのリポソームに対し
て、感作した抗原の濃度が0.01mg/mlから抗体に
対する応答が現れ極大点を経て20mg/mlまで有効
な反応が認められた。
実施例 4 実施例1で調製したヒト−IgG感作リポソーム
を用い、2×10-3mg/mlの抗ヒト−IgG抗体との
反応性を種々の補体価で検討した。第4図に示す
ように補体価が0.1CH50以上でCFの遊出が認めら
れた。10CH50をこえた場合には抗体を加えなく
ても殆どのリポソームからCFが遊出してしまい、
抗体を検知することはできなかつた。
上述したように、リポソームに組み込む架橋剤
の濃度、抗原感作濃度及び補体価を実施例1〜4
に示した範囲の中で適当に選択することにより被
検物質及び濃度に応じた測定システムを組むこと
が可能である。
実施例 5 実施例1と同様にして抗ヒト−IgG抗体感作リ
ポソームを調製した。このリポソームを用いヒト
−IgGの定量を行つた。なお、補体価は2CH50
した。第5図に結果を示す。抗原感作リポソーム
の場合と同様に抗体感作リポソームを用いて抗原
の定量も可能であることが示された。
また同様にして、抗ヒト−CEA抗体、抗ヒト
−α−フエトプロテイン抗体などを感作したリポ
ソームにより各抗原が定量できた。
実施例 6 実施例1と同様にしてヒト−IgGを感作し標識
物質として酵素を封入したリポソームを調製し
た。抗ヒト−IgG抗体を被検物質として試料溶液
は当初2mg/mlのものを順次希釈して用いた。
又、封入する酵素としてはグルコースオキシター
ゼ(5%溶液)を用いた。そして抗原抗体反応後
リポソームより流出したグルコースオキシターゼ
と酵素反応させるグルコースを最終濃度が
500μMになるように試料溶液中に添加した。30
分間37℃の条件でリポソームと試料溶液とを反応
させた後、酸素電極で溶存酸素の減少量を測定し
た。その結果を第6図に示す。ここでは基準とし
て10%Triton X−100を抗体のかわりに用いて
反応させた場合を100%にした相対遊出率を用い
た。この図からわかるように標識物質として酵素
を用いた場合でも希釈倍率でおよそ104〜105の範
囲すなわち抗体濃度で2×10-4〜2×10-5(mg/
ml)の範囲で充分な測定感度が得られることが確
認された。
実施例 7 実施例1と同様にしてヒト−IgGを感作し、標
識物質として発光性化合物を封入したリポソーム
を調製した。抗ヒト−IgG抗体を被検物質とした
試料溶液は当初2mg/mlのものを順次希釈して用
いた。又、封入する発光性化合物にはルシフエリ
ン溶液(0.1M)を用いた。そして抗原抗体反応
後リポソームより流出したルシフエリンと反応さ
せるアデノシン5′−3リン酸(ATP)及びルシ
フエラーゼを最終濃度がATPは1mM、ルシフエ
ラーゼは0.1%になるように試料溶液中に添加し
た。そして37℃で30分間反応させた時の全発光量
を測定した。その結果を第7図に示す。ここでは
基準として10%Triton X−100を抗体のかわり
に用いて反応させた場合を100%にした相対遊出
率を用いた。この図からわかるように標識物質と
して発光物質を用いた場合でも希釈倍率でおよそ
5×104〜106の範囲すなわち抗体濃度で4×10-5
〜2×10-6(mg/ml)の範囲で充分な測定感度が
得られることが確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図はヒト−IgG感作リポソームを用いて抗
ヒト−IgG抗体の測定を行つた場合における抗ヒ
ト−IgG抗体の濃度と標識物質の相対遊出率との
関係を表す特性図、第2図はリポソームの2重膜
中のヒト−IgG感作濃度と標識物質の相対遊出率
との関係を表す特性図、第3図はヒト−IgG抗原
感作濃度と標識物質の相対遊出率との関係を表す
特性図、第4図は補体価と標識物質の相対遊出率
との関係を表す特性図、第5図は抗ヒト−IgG感
作リポソームを用いてヒト−IgGを測定した場合
におけるヒト−IgG抗原の濃度と標識物質の相対
遊出率との関係を表す特性図、第6図は標識物質
として酵素を封入したヒト−IgG感作リポソーム
を用いた場合の抗ヒト−IgG抗体希釈倍率と標識
物質の相対遊出率との関係を表す特性図、第7図
は標識物質として発光性化合物を封入したヒト−
IgG感作リポソームを用いた場合の抗ヒト−IgG
抗体希釈倍率と標識物質の相対遊出率との関係を
表す特性図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 リン脂質及び糖脂質の少なくとも一方よりな
    るリポソームと;N−サクシンイミジル3−(2
    −ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、
    N−サクシンイミジル4−(p−マレイミドフエ
    ニル)ブチレート(SMPB)、N−サクシンイミ
    ジル4−(p−マレイミドフエニル)アセテート
    (SMPA)、N−サクシンイミジル4−(p−マレ
    イミドフエニル)プロピオネート(SMPP)、N
    −(γ−マレイミドブチリルオキシ)サクシンイ
    ミド(GMBS)及びN−(ε−マレイミドカプロ
    イルオキシ)サクシンイミド(EMCS)の中から
    選ばれた架橋剤を用いた架橋法により前記リポソ
    ーム上に感作された親水性の抗原または抗体の少
    なくとも抗原結合部位と;前記リポソーム内に封
    入された親水性の標識物質とからなり、 前記リポソームを構成するリン脂質及び糖脂質
    のうち、前記架橋剤と反応したリン脂質及び糖脂
    質の構成比が0.01〜30モル%であり、かつ 脂質換算で0.5mMのリポソームに対して感作
    される親水性の抗原または抗体の感作濃度が0.01
    〜20mg/mlであることを特徴とする免疫分析用試
    薬。 2 リポソームを構成するリン脂質及び糖脂質に
    対して10〜500モル%のコレステロールを含むこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の免疫
    分析用試薬。 3 分析時に共に用いられる補体の活性(補体
    価)が0.1〜10CH50であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の免疫分析用試薬。 4 標識物質が螢光性化合物、発光性化合物、吸
    光性化合物、糖類、イオン性化合物、酵素、補酵
    素類またはラジカル化合物であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の免疫分析用試薬。
JP22046484A 1984-10-22 1984-10-22 免疫分析用試薬 Granted JPS6199867A (ja)

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