JP2604171B2 - 免疫分析方法 - Google Patents

免疫分析方法

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JP2604171B2
JP2604171B2 JP62238529A JP23852987A JP2604171B2 JP 2604171 B2 JP2604171 B2 JP 2604171B2 JP 62238529 A JP62238529 A JP 62238529A JP 23852987 A JP23852987 A JP 23852987A JP 2604171 B2 JP2604171 B2 JP 2604171B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は免疫分析方法に関し、更に詳細には被検試料
中に含まれる補体成分による定量値への影響を簡便な操
作で排除し、被検試料中の被検物質を精度良く定量する
ことのできる免疫分析方法に関する。
〔従来の技術〕
抗原抗体反応を利用する免疫測定法は各種内分泌疾患
の臨床診断等において欠くべからざる程に重要なものと
なつており、この方法は標識法と非標識法とに大別する
ことができる。
これらの内で感度の点で優れている標識免疫測定法を
実施するためには各種の標識物質(マーカー)、例えば
ラジオアイソトープ、螢光物質、酵素又は酵素関連物質
等が用いられて来た。標識物質としては感度の点からラ
ジオアイソトープが従来汎用されて来たがラジオアイソ
トープ試薬はその半減期がある上に不安定であり放射能
障害や高価な施設の使用に問題点があるために、螢光物
質や酵素を標識とする測定法がその感度向上に関する研
究と相俟つて一層注目を集めるに至つている。
螢光物質又は酵素を標識物質とする免疫測定法には、
現在、標識物質の内で抗原抗体反応で結合したものと結
合しなかつたものとを分離する工程を必要とするヘテロ
ジニアスな系を使用する方法と、このような分離工程を
必要としないホモジニアスな系を使用する方法とがあ
る。
ヘテロジニアスな系を使用する免疫測定法としてはラ
ジオアイソトープ標識免疫測定法においても利用されて
いる2抗体法や固相法があるが、これら方法は未反応物
と既反応物とを分離することを必須とするものであり、
この分離工程の実施が繁雑であり、従つて定量の迅速化
が困難であると謂う欠陥を有している。一方、ホモジニ
アスな系を使用する免疫測定法は分離工程の必要性を廃
することによる定量の簡便化、迅速化を目的として提案
されたものであるが、実際には感度が低く且つ測定範囲
が狭いために抗原又は抗体の定量用として実用化される
に至つていないのが実情である。
斯かる問題点を克服する方法として、近年、マーカー
を封入させたリポソームを調製してこれに抗原又は抗体
を感作させ、この感作リポソーム(リポソーム試薬)を
被検試料と共存させてリポソームに共有結合している抗
原又は抗体と被検試料中の抗体又は抗原と反応させて該
抗原抗体反応により別に加えられた補体を活性化し、こ
のリポソームを特異的に破壊させてリポソームから流出
するマーカーを測定し、一方上記と同様の感作リポソー
ムを種々既知量の抗原又は抗体と共存させ、且つ上記と
同様に流出マーカーを測定して標準検量線をを予め作成
しておき、被検試料に関する上記測定結果を上記標準検
量線と照合させて、抗体又は抗原を提供する方法が提供
された。この免疫分析方法によれば、前述の問題点を解
消して短時間のうちに均一系で被検物質を定量すること
ができる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記方法には定量値に影響を及ぼす問
題があることが明らかになつた。すなわち、被検試料は
通常ヒト等の血清であることから、その中には補体成分
が含有されている。そしてこの補体成分は目的とする抗
原抗体反応以外の作用によつて容易に活性化され、非特
異的にリポソームを破壊してしまう。非特異的にリポソ
ームが破壊されれば、封入されているマーカーが流出
し、定量値に悪影響を及ぼすこととなる。
そこで、被検試料中の補体成分を非働化するため、被
検試料を56℃、30分間加熱処理した後、分析する方法が
採られているが、該非働化操作は煩雑であるとともに時
間がかかりすぎるという欠点があつた。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで本発明者は上記問題点を解決すべく種々検討し
たところ、リポソーム試薬による定量分析を行なう前
に、あらかじめ特定のリン脂質、コレステロール、架橋
剤を含むリポソームで被検試料を処理すれば、補体活性
化の古典的経路および第二経路の両者が活性化され、短
時間で容易に被検試料中と補体成分が除去できることを
見い出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明はリン脂質およびコレステロールで
構成されたリポソームの内部に標識物質が封入され、外
側に被検物質と特異的に反応する抗原もしくは抗体を架
橋剤を介して固定化してなるリポソーム試薬と被検試料
中の被検物質とを補体の存在下に反応させ、該リポソー
ム試薬から遊離する標識物質を測定することによって被
検物質を定量する免疫分析方法において、ホスフアチジ
ン酸、ジセチルホスフエイト、ホスフアチジルセリン、
ホスフアチジルグリセロール、カルジオリピンおよびリ
ピツドAから選ばれるリン脂質、コレステロールおよび
架橋剤を含み、標識物質及び被検物質と特異的に反応す
る抗原もしくは抗体を含まないリポソームを用いて該被
検試料を前処理することを特徴とする免疫分析方法を提
供するものである。
本発明において被検試料とリポソーム試薬との反応前
にあらかじめ被検試料に添加されるリポソーム(以下、
前処理試薬という)は、ホスフアチジン酸、ジセチルホ
スフエイト、ホスフアチジルセリン、ホスフアチジルグ
リセロール、カルジオリピンおよびリピツドAから選ば
れるリン脂質、コレステロールおよび架橋剤を含み、標
識物質及び被検物質と特異的に反応する抗原もしくは抗
体を含まないものである。なお、当該前処理試薬には、
上記のものを含めば、通常リポソームの作成に使用され
る他のリン脂質、例えばホスフアチジルコリン等を含ん
でいてもよい。
架橋剤としては、例えば、N−スクシンイミジル3−
(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、N−
スクシンイミジル4−(p−マレイミドフエニル)ブチ
レート(SMPB)、N−スクシンイミジル4−(p−マレ
イミドフエニル)アセテート(SMPA)、N−スクシンイ
ミジル4−(p−マレイミドフエニル)プロピオネート
(SMPP)、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スク
シンイミド(GMBS)及びN−(ε−マレイミドカプロイ
ルオキシ)スクシンイミド(EMCS)が挙げられる。
前処理試薬は、例えば次の如くして調製される。ま
ず、上記リン脂質と架橋剤とを溶媒中で反応させて、架
橋剤結合リン脂質を得る。次いで該リン脂質とコレステ
ロール及び必要であれば他のリン脂質とをフラスコに入
れ、吸引乾燥する。しかる後、壁面に薄膜が形成された
フラスコ内にゲラチンベロナール緩衝液(GVB-)を加え
て激しく撹拌すれば、前処理試薬の懸濁液が得られる。
ここでコレステロールはリン脂質に対して0.5〜2倍モ
ル使用するのが好ましい。
かくして得られた前処理試薬は補体活性化経路である
古典的経路(Classical pathway)および第二経路(Alt
ernative pathway)の両者を活性化する性質を有する。
すなわち、前記リン脂質および架橋剤はそれ自身では補
体活性化能を有さないが、これらをリポソームとしたと
き前記リン脂質は古典的経路を、架橋剤は第二経路をそ
れぞれ活性化する。
本発明免疫分析方法に使用されるリポソーム試薬は、
リン脂質およびコレステロールで構成されたリポソーム
の内部に標識物質が封入され、外側に被検物質と特異的
に反応する抗原もしくは抗体を架橋剤を介して固定化し
てなるものである。
リポソーム試薬を構成するリン脂質としては、通常の
リポソーム調製に使用されるリン脂質であれば特に制限
されないが、例えばホスフアチジルコリン、ホスフアチ
ジルエタノールアミン、アミド型リン脂質等が挙げられ
る。
リポソーム内に封入される標識物質は、親水性であつ
て、リポソーム外に溶出された際に定量可能な物質でな
ければならない。かかる物質としては、例えば、高濃度
では自己消光により螢光は示さないが、低濃度(10-3M
以下)で非常に強い螢光を発するカルボキシフルオレセ
インのような螢光性化合物;リポソーム外で酸化反応に
より発光するルミノールやルシフエリンのような発光性
化合物;可視部あるいは紫外部に特異的な吸収帯を有す
る吸光性化合物(水溶性色素等);酸化酵素の作用によ
り分解され酸素消費あるいは過酸化水素生成をもたらす
グルコース及びシユークロースなどの糖類;テトラペン
チルアンモニウムのような比較的大きなイオン性化合
物;ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の
ような補酵素類;メチルピオロゲンを初めとするラジカ
ル化合物などが望ましい。これらの化合物は、検出方
法、感度及びリポソームの安定性等の因子を勘案した上
で、適宜に選択される。
リポソームの外側に固定化される抗原もしくは抗体
は、被検物質が抗原である場合にはそれに対する抗体で
あり、被検物質が抗体である場合にはその抗原である。
ここで用いられる抗体は、その抗原に特異的に反応性を
有すれば、ポリクローナルとモノクローナルとを問わな
い。
リポソーム試薬は、例えば次の如くして調製される。
まず、リン脂質と架橋剤とを溶媒中で反応させて、リポ
ソーム上に固定化される抗原もしくは抗体と結合し得る
官能基をリン脂質分子に導入する。次いで、得られた官
能性リン脂質とコレステロール及び必要であれば、他の
脂質とをフラスコに入れ、溶媒を加えて反応させた後、
溶媒を留去し、吸引乾燥する。しかる後、壁面に薄膜が
形成されたフラスコ内に所定の標識物質と溶液を加え、
密栓をして振とうし、官能性リポソームの懸濁液を得
る。
一方、リポソーム上に固定化すべき抗原もしくは抗体
を架橋剤とを緩衝液中で反応させて架橋基を導入し、し
かる後、必要であれば、該架橋基を還元する試薬(例え
ばジチオスレイトール;DTT)と更に反応させて、修飾抗
原もしくは修飾抗体を得る。なお、前記工程で脂質をそ
の活性化剤で処理した場合は、本工程は不要である。
最後に、官能性リポソームと修飾抗体とを緩衝液中で
反応せしめることにより、リポソーム試薬が得られる。
上記リポソーム試薬の調製に使用される架橋剤として
は、前処理試薬調製に用いられるものと同様のものが挙
げられる。
本発明方法を実施するには、まず、被検試料に前記前
処理試薬を添加し、10分間程度、室温に放置する。かく
することにより前処理試薬の作用により被検試料中の補
体成分が活性化され、消費される。ここで用いられる被
検試料は、ヒト血清であることが好ましい。使用される
前処理試薬の濃度は、ヒト血清中の補体成分を活性化
し、後に添加するモルモツト補体を活性化しない濃度で
あれば特に制限されないが、リン濃度として2mM以下、
特に1〜2mMが好ましい。前処理試薬の濃度が2mMを超え
ると、後に添加するモルモツト補体を活性化し、定量値
に影響を与える可能性がある。添加された前処理試薬
は、被検試料から除去することなくそのまま次の工程を
行なうことができる。
次に前処理された被検試料にリポソーム試薬および補
体を加えて混合する。ここで用いる補体は、モルモツト
補体であることが好ましい。通常用いられる濃度のモル
モツト補体は、ヒト補体成分が活性化されるような低濃
度の前処理試薬では活性化されないからである。
かくすると、リポソーム試薬中の抗原もしくは抗体と
被検物質とが反応し、この抗原抗体反応により補体が活
性化され、抗原抗体反応量に比例してリポソーム内から
標識物質が放出されてくる。次いで、この標識物質に応
じた分析方法(例えば、標識物質が螢光物質であれば、
螢光分析法)により定量を行い、例えば、予め作成した
検量線により、試料中の被検物質の量を測定することが
できる。
本発明により定量可能な被検物質としては、例えば腫
瘍マーカー(CRP、AFP、BFP、CEA及びPOA等)、免疫グ
ロブリン(IgA、IgE、IgG及びIgM等)、ホルモン(イン
シユリン、T3及びT4等)及び薬物等が挙げられる。
〔作用並びに発明の効果〕
本発明の免疫分析方法において用いる前処理試薬は、
補体活性化経路である古典的経路および第二経路の両者
を活性化するため、これを用いてあらかじめ被検試料を
処理することによつて、被検試料中の補体成分を有効に
除去することができる。従つて、本発明方法によれば被
検試料中の被検物質を簡便な操作で精度良く定量するこ
とができる。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、これ
らの実施例は本発明を何ら制限するものではない。
参考例1 (1) 架橋剤を含むリポソームの調製 10μmolのジパルミトイルホスフアチジルエタノール
アミン(DPPE)をクロロホルム/メタノール混液(5/
1)5mlに溶解する。次に12μmolのN−スクシンイミジ
ル 3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPD
P)と20μmolのトリエチルアミンを加え、25℃、1時間
反応させる。溶媒をエバポレーターで留去した後、クロ
ロホルム/メタノール(2/1)で残渣を溶解し、水で抽
出する。有機相を回収乾燥後、溶媒をエバポレーターで
留去する。こうして得られた残渣は、クロロホルム/メ
タノール(10/1)に溶解し、シリカゲルカラムにかけて
精製する。展開溶媒は、クロロホルム/メタノール(10
/1)で行ない、溶出してきたフラクシヨンはTLCでチエ
ツクし、Dittmer試薬陽性のフラクシヨンを集める。こ
うしてジチオピリジル基(DTP)が導入されたDPPE(DTP
−DPPE)を得た。
N−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイ
ミド(EMCS)を用いて、同様の操作により、マレイミド
基を導入したDPPE(EMC−DPPE)を得た。
次に以下のモル比のジパルミトイルホスフアチジルコ
リン(DPPC)、コレステロール(Chol)およびDTP−DPP
EもしくはEMC−DPPEを用いて、カルボキシフルオレセイ
ン(CF)を封入したリポソームを調製する。
DPPC:Chol:DTP−DPPE=1:1:0,1:1:0.003,1:1:0.00
5,1:1:0.01,1:1:0.02,1:1:0.05 DPPC:Chol:EMC−DPPE=1:1:0,1:1:0.003,1:1:0.00
5,1:1:0.01,1:1:0.02,1:1:0.05 すなわち、上記モル比になるように各脂質溶液をナシ
型フラスコにとり、ロータリーエバポレーターにて溶媒
のクロロホルムを揮散させる。フラスコ内壁に脂質薄膜
が形成されたら、さらにデシケーター中で1時間減圧乾
燥を行なつた。この各フラスコに100μの0.2M CF溶液
(pH7.4)を添加し、55℃で1〜2分間加温後、ボルテ
ツクスミキサーで10分間激しく撹拌した。次いで、フラ
スコ内容物を遠心管に移し、GVB-を用いて12,000×gで
15分間遠心洗浄を行ない、未封入のCFを除去した。この
操作を3回くり返した後、リポソームペレツトはGVB-
懸濁させ、約1mMのリン濃度になるように調整した。
(2) 架橋剤を含むリポソームの補体活性化能 GVB2+(0.5mM塩化マグネシウムおよび0.15mM塩化カル
シウムを含有したGVB-)50μに、GVB2+で(1)で得
たリポソーム懸濁液(1mM)を100倍希釈したものを25μ
加え、さらに新鮮人血清25μを添加して、37℃で60
分間インキユベートした。その後、0.01M EDTA含有ベロ
ナール緩衝液100μで反応を停止して遊出したCF量を
励起490nm、螢光530nmにて測定した。なお、測定値はあ
らかじめ血清のかわりに10%トリトンX−100およびGVB
2+をそれぞれ25μ添加した場合の螢光強度の差を100
%とした相対値で示した。これと同様に、Mg2+−EGTA含
有ゲラチンベロナール緩衝液(Mg2+−EGTA−GVB)をGVB
2+のかわりに用いて測定を行なつた。
図1−A、1−B、2−Aおよび2−Bに示したよう
に新鮮血清中の補体量に比例してCFの遊出が見られてお
り、又遊出されるCF量はDTP−DPPEおよびEMC−DPPEのモ
ル比にも比例して増加した。DTP−DPPEおよびEMC−DPPE
を含まないリポソームでは、CFの遊出はほとんど見られ
なかつた。このCF遊出は、Mg2+−EGTA−GVB中でも起き
ることから、補体第二経路を介して血清中の補体が活性
化されていることがわかつた。そして、第二経路を介す
る補体活性化にDTPやEMC等の架橋剤を含有するリポソー
ムが関与していることが示された。なお、他の架橋剤含
有リポソームも同様に第二経路を介して補体活性化能が
あることを確認した。
参考例2 (1) ホスフアチジン酸を含むリポソームの調製 参考例1と同様にして0.2M CF封入リポソームを次の
成分を用いて調製した。
DPPC:Chol:ジパルミトイルホスフアチジン酸(DPPA)=
1:1:0,1:1:0.01,1:1:0.03,1:1:0.05,1:1:0.10,1:1:0.20 (2) ホスフアチジン酸を含むリポソームの補体活性
化能 参考例1と同様にして(1)で調製したリポソームを
用いて補体活性試験を行つた。その結果、図3−Aおよ
び3−Bに示したように、血清中の補体量とDPPAのリポ
ソーム中の含量に比例してCFの遊出が見られた。DPPAを
含まないリポソームにはCF遊出がほとんど見られないこ
とから補体活性化能にDPPAが関与していることがわかつ
た。また、Mg2+−EGTA−GVB中ではCF遊出が見られない
ので、古典的経路を介した補体活性化が示唆された。
また、ホスフアチジン酸の代わりにジセチルホスフエ
イト(DCP)、ホスフアチジルセリン、ホスフアチジル
グリセロール(DPPG)、カルジオリピン、リピツドAを
用いて同時に試験した結果、これらのリン脂肪を含むリ
ポソームにも補体活性化能が認められた。
参考例3(各種リン脂質による補体活性化能の差異) 参考例1と同様にして、次のモル比を0.2M CF封入リ
ポソームを調製した。
DPPC:Chol:DPPC=1:1:0.4 DPPC:Chol:DPPA=1:1:0.4 DPPC:Chol:DCP=1:1:0.4 DPPC:Chol:DPPG=1:1:0.4 次いで参考例1と同様にして、補体活性試験を行つ
た。その結果を表1示す。
表1より、通常リポソームの調製に用いられるホスフ
アチジルコリンには補体活性化能はなく、本発明に用い
られるリン脂質が特異的に補体活性化能を有することが
示された。
実施例1 参考例1と同様にして表2のモル比で0.2M CF封入前
処理試薬を調製した。
表2の前処理試薬を用いて、参考例1と同様にして補
体活性試験を行つた。その結果、図4−Aおよび図4−
Bの如く、通常用いられるリン脂質であるホスフアチジ
ルコリン、コレステロールおよび架橋剤からなるリポソ
ームによりヒト補体活性化は不充分であつた。これに対
し、本発明に用いる前処理試薬はヒト補体を低濃度から
極めて強力に活性化し、分析において添加するモルモツ
ト補体に対しては、通常用いられる濃度(1〜5CH50)
では補対活性化を示さず、前処理試薬として有用である
ことが明らかとなつた。
実施例2 前処理試薬としてDPPC:Chol:DPPA:DTP−DPPE=1:1:0.
2:0.1のモル比からなるリポソームを参考例1と同様に
して調製した。このさい、リポソーム内には、CFのかわ
りにGVB-を封入し、リン濃度として、約2mMの懸濁液に
なるように調整して前処理試薬とした。
次に、実際の応用例として正常人中に含まれるCRPの
測定を行なつてみた。CRP分析のためのリポソーム試薬
は、次のようにして調製した。
あらかじめ0.01MのHERES緩衝液(pH7.4)で透析処理
した2.0mg/mlの抗CRP抗体(ヤギIgG分画)1mlに0.1mMに
なるように20mMのSPDPエタノール溶液を添加し、室温で
30分間反応させた。次いでセフアデツクスG−25カラム
を用いて過剰のSPDPと抗体とを分離した。この際、0.1M
酢酸緩衝液(pH4.5)を溶出緩衝液として用い、緩衝液
の交換も同時に行なつた。
こうしてジチオピリジル化した抗体溶液は50mMとなる
ようにジチオスレイトール(DTT)を添加し、室温で30
分間反応させた。
その後、反応溶液をセフアデツクスG−25カラムを用
いて処理し、過剰のDTTと抗体とを分離した。その時、
溶出緩衝液として、0.01M HEPES緩衝液を用い、緩衝液
の交換も同時に行なつた。
こうして得られたチオール化抗体溶液(1mg/ml)500
μを参考例1に準じて調製したリポソーム懸濁液500
μ(0.2M CFを封入したDPPC:Chol:DTP−DPPE=1:1:0.
1のモル比からなるリン濃度約1mMのリポソーム懸濁液)
に添加して15〜20時間おだやかに撹拌しながら室温で反
応させた。その後、遠心洗浄をGVB-で行ない未反応の抗
体を除去し、最終的にGVB-1mlに懸濁して4〜6℃で保
存した。
これらの試薬を用いて血清中の補体によるCRP測定に
対する影響を調べた。
正常人10名から採取した血清25μに補体吸収用の前
処理試薬をGVB2+で50倍希釈したのち50μ添加し、室
温で10分間放置した。次に抗CRP抗体結合リポソーム試
薬をGVB2+で300倍希釈したものを25μ加え、37℃で30
分間インキユベートした。引き続き、二次抗体として1
μg/mlの抗CRP抗体(ウサギIgG分画)25μ、モルモツ
ト補体(1〜3CH50)25μを添加し、37℃で1時間イ
ンキユベートした後、0.01M EDTA含有ベロナール緩衝液
100μを加え反応を停止した。遊出したCF量は、励起4
90nm,螢光530nmにて測定した。なお、測定値はあらかじ
め試料および補体のかわりに10%トリトンX−100およ
びGVB2+をそれぞれ25μずつ添加した場合のCF量と、
試料のかわりに25μのGVB2+を添加したものの差を100
%とした相対値で示した。こうして得られた相対遊出率
の値はあらかじめ既知の濃度の試料を用いて得られた検
量線を使つて被検物質の濃度に換算される。
表3に前処理試薬を添加した場合と添加しなかつた場
合のCRP測定値を56℃,30分間の条件で非働化した時の値
と比較したものを示した。
表3からも明らかなように、前処理を行なつた場合の
CRP測定値が、非働化検体のCRP値に良く一致することが
わかつた。これより、本発明の前処理を施すことにより
検体中に含まれる補体成分によるリポソームの非特異的
破壊が改善され、測定精度に向上がなされることが確認
された。
【図面の簡単な説明】
図1−Aおよび1−Bは、DTP−DPPEを含むリポソーム
を用いてMg2+−EGTA−GVBおよびGVB2+中で補体活性試験
を行なつた場合の血清補体価とCF遊出率の関係をそれぞ
れ示す図面である。図2−Aおよび2−Bは、EMC−DPP
Eを含むリポソームを用いてMg2+−EGTA−GVBおよびGVB
2+中で補体活性試験を行なつた場合の血清補体価とCF遊
出率の関係をそれぞれ示す図面である。図3−Aおよび
3−BはDPPAを含むリポソームを用いてGVB2+およびMg
2+−EGTA−GVB中で補体活性試験を行なつた場合の血清
補体価とCF遊出率の関係をそれぞれ示す図面である。図
4−Aおよび4−Bは本発明に係る前処理試薬を用いて
ヒト血清およびモルモツト血清中で補体活性試験を行な
つた場合の血清補体価とCF遊出率の関係を示す図面であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 秋山 淳子 東京都豊島区巣鴨2丁目11番1号 日水 製薬株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−132564(JP,A) 特開 昭60−138466(JP,A) 特開 昭61−53568(JP,A) 特開 昭61−133863(JP,A) 特開 昭61−269070(JP,A) 特開 昭60−78350(JP,A) 特開 昭63−309864(JP,A) 特表 昭59−500529(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リン脂質およびコレステロールで構成され
    たリポソームの内部に標識物質が封入され、外側に被検
    物質と特異的に反応する抗原もしくは抗体を架橋剤を介
    して固定化してなるリポソーム試薬と被検試料中の被検
    物質とを補体の存在下に反応させ、該リポソーム試薬か
    ら遊離する標識物質を測定することによって被検物質を
    定量する免疫分析方法において、ホスファチジン酸、ジ
    セチルホスフェイト、ホスファチジルセリン、ホスファ
    チジルグリセロール、カルジオリピンおよびリピッドA
    から選ばれるリン脂質、コレステロールおよび架橋剤を
    含み、標識物質及び被検物質と特異的に反応する抗原も
    しくは抗体を含まないリポソームを用いて該被検試料を
    前処理することを特徴とする免疫分析方法。
  2. 【請求項2】被検試料がヒト血清であり、リポソーム試
    薬と被検試料との反応時に存在せしめる補体がモルモッ
    ト補体である特許請求の範囲第1項記載の免疫分析方
    法。
  3. 【請求項3】被検試料の前処理に用いるリポソームの濃
    度がリン濃度として2mM以下である特許請求の範囲第1
    項記載の免疫分析方法。
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