JP2869792B2 - 抗体結合リポソームの製造法 - Google Patents

抗体結合リポソームの製造法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、補体依存性リポソーム膜損傷反応を利用し
た診断試薬に用いられる抗体結合リポソームの製造法に
関する。
〔従来の技術〕
抗原抗体反応を利用する免疫測定法は各種内分泌疾患
の臨床診断等において欠くべからざる程に重要なものと
なっており、この方法は標識法と非標識法とに大別する
ことができる。
これらの内で感度の点で優れている標識免疫測定法を
実施するためには各種の標識物質(マーカー)、例えば
ラジオアイソトープ、蛍光物質、酵素又は酵素関連物質
等が用いられて来た。標識物質としては感度の点からラ
ジオアイソトープが従来汎用されて来たが、ラジオアイ
ソトープ試薬はその半減期である上に不安定であり、放
射能障害や高価な施設の使用に問題点があるために、蛍
光物質や酵素を標識とする測定法がその感度向上に関す
る研究と相俟って一層注目を集めるに至っている。
蛍光物質又は酵素を標識物質とする免疫測定法には、
現在、標識物質の内で抗原抗体反応で結合したものと結
合しなかったものとを分離する工程を必要とするヘテロ
ジニアスな系を使用する方法と、このような分離工程を
必要としないホモジニアスな系を使用する方法とがあ
る。
ヘテロジニアスな系を使用する免疫測定法としてはラ
ジオアイソトープ標識免疫測定法においても利用されて
いる2抗体法や固相法があるが、これら方法は未反応物
と既反応物とを分離することを必須とするものであり、
この分離工程の実施が繁雑であり、従って定量の迅速化
が困難であると謂う欠陥を有している。一方、ホモジニ
アスな系を使用する免疫測定法は分離工程の必要性を廃
することによる定量の簡便化、迅速化を目的として提案
されたものであるが、実際には感度が低く且つ測定範囲
が狭いために抗原又は抗体の定量用として実用化される
に至っていないのが実情である。
斯かる問題点を克服する方法として、近年、マーカー
を封入させたリポソームに抗原又は抗体を感作させ、こ
の感作リポソームを検体と共存させてリポソームに共有
結合している抗原又は抗体と検体中の抗体又は抗原と反
応させて抗原抗体複合体を形成させ、この複合体を特異
的に破壊させてリポソームから流出するマーカーを測定
し、一方上記と同様の感作リポソームを種々既知量の抗
原又は抗体と共存させ、且つ上記と同様に流出マーカー
を測定して標準検量線を予め作成しておき、検体に関す
る上記測定結果を上記標準検量線と照合させて、抗体又
は抗原を定量する方法が提案されている。
この免疫分析方法によれば、前述の問題点を解消し
て、短時間のうちに均一系で被検物質を簡便に定量する
ことが可能となる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来提供されているリポソーム試薬
は、未だ感度が十分とは言えない欠点があった。すなわ
ち、抗原に対する特異抗体は、主として架橋剤を介して
リポソームに結合されているが、従来広く用いられてい
るN−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プ
ロピオネート(SPDP)、N−スクシンイミジル4−(p
−マレイミドフェニル)ブチレート(SMPB)、N−スク
シンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)アセテー
ト(SMPA)、N−スクシンイミジル4−(p−マレイミ
ドフェニル)プロピオネート(SMPP)、N−(γ−マレ
イミドブチリルオキシ)スクシンイミド(GMBS)及びN
−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミド
(EMCS)等の架橋剤は、抗体のアミノ残基と例えばリポ
ソーム中のホスファチジルエタノールアミンとを架橋す
ることによってリポソーム表面に抗体を共有結合する作
用を用するものである。しかし、架橋剤と結合する抗体
のアミノ基は特定することができないため、リポソーム
に結合する抗体の方向がバラバラであるという問題があ
った。
従来、抗体の結合に方向性を持たせる技術として、抗
体(IgG)をペプシン処理した後、還元し、抗体ヒンジ
部分のチオール基を利用する方法もあるが、操作が煩雑
であるばかりか、二価抗体が一価抗体(Fab′)となる
ため、抗原との結合力が低下するなどの問題があった。
〔課題を解決するための手段〕
斯かる実状において、本発明者は鋭意研究を行なった
結果、抗体(IgG)のCH2ドメインに存在する糖鎖を酸化
し、これにより生成するホルミル基を利用すれば、抗体
をリポソーム上に配向性を持って結合させることができ
ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、抗体を温和な条件で酸化し、次
いでこれを、ジ脂肪酸ホスファチジルエタノールアミン
を含有するリン脂質によって調製されかつ内部に標識物
質が封入されたリポソームに結合させることを特徴とす
る抗体結合リポソームの製造法を提供するものである。
本発明方法を実施するには、まず、抗体を温和な条件
で酸化することが必要である。ここでいう温和な条件と
は、抗体中の糖鎖の水酸基がホルミル基に酸化され、し
かも他のアミノ酸はほとんど酸化されない条件であり、
実験的に定めることはできるが、通常は過ヨウ素酸等の
酸化剤を用いるか、酸素酸化により、25〜30℃程度で15
〜60分程度反応させれば良い。
次いで、酸化された抗体は、リポソームと結合され
る。本発明においては、酸化された抗体のホルミル基を
アミノ基とのシッフ塩基生成反応によりリポソームに結
合させるものであるので、リポソーム中にはアミノ基が
存在しなければならない。このようなリポソームは天然
にも存在するであろうが、好ましくは、合成リポソーム
製造時にリポソーム構成成分となる、ジパルミトイルホ
スファチジルエタノールアミン等のジ脂肪酸ホスファチ
ジルエタノールアミンを添加し、調製すれば良い。ま
た、他のリポソーム構成成分としては、リン脂質、コレ
ステロール等の公知のものを利用することができる。こ
のうち、リン脂質としては、その脂肪酸残基の炭素原子
数が12〜18であることが好ましく、更には偶数であるこ
とがより好ましい。
本発明で用いることのできるリポソームの製造は、例
えば次の如くして行なわれる。すなわち、リン脂質とコ
レステロールからリポソームを合成する場合を例に取る
と、これらの比が1:1前後にあるとき、安定なリポソー
ムが得られ易いことが知られているので、これに対し更
にモル比で0.01〜0.5特に0.1程度となるようにジ脂肪酸
ホスファチジルエタノールアミンを添加し、常法に従っ
てリポソームを合成することが望ましい。
酸化された抗体とリポソームとの結合は、前記の通り
シッフ塩基形成反応であるので、この方法の一般的な条
件に従って実施すれば良い。例えば、酸化された抗体
(1mg/ml:0.01M炭酸緩衝液pH9.2)溶液1mlに、常法によ
り調製されたリポソームペレットを懸濁し、4〜10℃で
一昼夜転倒混和することにより実施される。
叙上の如くして得られたリポソームは、補体依存性リ
ポソーム膜損傷反応を利用する診断試薬に利用すること
ができる。具体的には、抗体結合リポソーム中に標識物
質を封入後、これを試料及び補体と反応させると、試料
中の抗原量に応じてリポソームが破壊され、これに比例
して標識物質が流出するので、この標識物質量から試料
中の抗原量が測定できるのである。
リポソーム内に封入される標識物質は、親水性であっ
て、リポソーム外に溶出された際に定量可能な物質でな
ければならない。かかる物質としては、例えば、高濃度
では自己消光により蛍光は示さないが、低濃度(10-3M
以下)で非常に強い蛍光を発するカルボキシルフルオレ
セインのような蛍光性化合物;リポソーム外で酸化反応
により発光するルミノールやルシフェリンのような発光
性化合物;可視部あるいは紫外部に特異的な吸収帯を有
する吸光性化合物(水溶性色素等);酸化酵素の作用に
より分解され酸素消費あるいは過酸化水素生成をもたら
すグルコース及びシュークロースなどの糖類;テトラペ
ンチルアンモニウムのような比較的大きなイオン性化合
物;ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の
ような補酵素類;メチルピオロゲンを初めとするラジカ
ル化合物などが望ましい。
〔発明の効果〕
本発明は、抗体(IgG)上のGH2部分の糖鎖を利用し、
リポソーム上に抗体を配向性良く結合させることができ
るので、従来の架橋剤を用いた方法に比べ、有効に働く
抗体の数が多い。したがって、試薬としての抗体結合リ
ポソームの感度も高く、より正確な免疫測定が可能とな
る。
〔実施例〕
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。
実施例1 (1) マーカー封入リポソームの調製: ジパルミトイルフォスファチジルコリン(DPPC;10m
M、100μ)、コレステロール(Chol;10mM、100μ)
及びジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン
(DPPE;1mM、100μ)をこれらのモル比で1:1:0.1の割
合で取り、クロロホルムを溶媒とし、10mlフラスコに入
れ良く攪拌する。溶媒のクロロホルムをエバポレータで
輝散させればフラスコ内面にフィルム状物が付着形成さ
れる。このフィルム状物を1〜2時間に亘り真空乾燥し
た後に、マーカーとして用いられるカルボキシフルオレ
セイン(CF)の0.1N NaOH溶液100μを添加し、ボルテ
ックスミキサで5〜10分間激しく攪拌する。
次いで、過剰のカルボキシフルオレセインを10000×
Gで遠心除去すれば、カルボキシフルオレセインがマー
カーとして封入されたリポソーム(MLV型)が得られ
る。
このリポソームは0.15モルNaClを含む0.01Mの炭酸バ
ッファー(pH9.2)を用いて3回遠心洗浄し、ペレット
を得た。
(2) 抗体の酸化処理: ヤギIgG(10mg/ml)1mlを0.1M酢酸バッファー(pH4.
0)を用いるセファデックスG25のゲル過によりバッフ
ァー交換を行なった。得られたタンパク分画1.6ml(4.3
mg蛋白/ml)を分取し、これに過ヨウ素酸ナトリウムを
0.01Mとなるように加え、25℃のウォーターバス中で30
分放置した。次いで、反応物を0.15M NaClを含む0.01M
炭酸バッファー(pH9.2)を用い、セファデックスG25で
ゲル過し、タンパク分画1ml(約1.9mg蛋白/ml)を得
た。
(3) リポソームへの被酸化抗体の結合: (2)で得たタンパク分画(被酸化抗体)に、(1)
で得たリポソームペレットを加え、4℃で一昼夜転倒混
和した。次いで、GVB-で遠心洗浄し、1mlのGVB-(0.1%
NaN3含有)に懸濁してヤギIgG結合リポソームを得た。
実施例2 96穴U型マイクロプレート及び実施例1で得たヤギIg
G結合リポソームを用い、以下の方法でリリース・アッ
セイ(LILA)を行なった。なお、以下において各試薬の
希釈にはすべてGVBを用いた。まず、1000倍に希釈した
ヤギIgG感作リポソーム25μ、10〜106倍に希釈したウ
サギ抗ヤギIgG抗体(MBL製)25μ、10CH50の補体25μ
及びGVB 25μを混合し、37℃で1時間インキュベー
トした。次いで、10mM EDTA−VBS(pH7.5)を100μ加
えて反応を停止させ、蛍光強度を測定した。蛍光強度測
定は、コロナ電気製MTP−32を用い、励起波長492nm、蛍
光測定波長530nmで行なった。また、リポソーム中から
のCF漏出率(%)は、ウサギ抗ヤギIgG抗体を加えない
時の蛍光強度を0とし、10%トリトンX−100を加えた
ときの蛍光強度を100とする相対強度より求めた。この
結果は第1図に示す。
第1図から、ウサギ抗ヤギIgG抗体濃度に依存したマ
ーカーリリースが見られた。これにより、リポソームに
ヤギIgGが結合されたことが明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のヤギIgG感作リポソームを用いたリ
リース・アッセイの結果を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−214357(JP,A) 特開 昭52−154520(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗体を温和な条件で酸化し、次いでこれ
    を、ジ脂肪酸ホスファチジルエタノールアミンを含有す
    るリン脂質によって調製されかつ内部に標識物質が封入
    されたリポソームに結合させることを特徴とする抗体結
    合リポソームの製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS52154520A (en) * 1976-06-18 1977-12-22 Seikagaku Kogyo Co Ltd Modified antibody and its preparation
JPS62214357A (ja) * 1986-03-17 1987-09-21 Toshiba Corp 免疫分析用試薬の製造方法

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