JPH06160390A - 免疫測定法 - Google Patents

免疫測定法

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JPH06160390A
JPH06160390A JP30543592A JP30543592A JPH06160390A JP H06160390 A JPH06160390 A JP H06160390A JP 30543592 A JP30543592 A JP 30543592A JP 30543592 A JP30543592 A JP 30543592A JP H06160390 A JPH06160390 A JP H06160390A
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JP
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antigen
antibody
liposome
complement
sample
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Application number
JP30543592A
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English (en)
Inventor
Kanji Tomioka
寛治 冨岡
Masaaki Kishimura
昌明 岸村
Hideki Fukuda
秀樹 福田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 リポソームと、このリポソーム中に封入され
た標識物質と、前記リポソームに固定化された抗体もし
くは抗体の一部または抗原もしくは抗原の一部とからな
る免疫測定用試薬を用い、前記リポソーム膜上で生じる
抗原抗体反応にともないポソーム膜溶解が生じ放出され
る標識物質を定量することにより試料中の抗原量または
抗体量を測定する免疫測定法であって、試料を前処理す
ることにより、試料中に存在していた補体成分を不活性
化させることを特徴とする免疫測定法である。 【効果】 非特異反応を抑えることができ、試料中の測
定したい抗原または抗体の正確な定量が可能となった。
それゆえ、簡単な操作で、高感度、正確に被検体中の抗
体(または抗原)を測定することができ、しかもその自
動化が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料中に存在する特定
の抗原または抗体を定量分析するための免疫測定法に関
する。
【0002】
【従来の技術】試料中の特定の抗原または抗体の定量分
析方法には、交差免疫電気泳動法(CIE)、二次元免
疫拡散法(MO)、受身赤血球凝集反応(PHA)、免
疫粘着赤血球凝集反応(IAHA)、酵素免疫測定法
(EIA)、固相放射免疫測定法(RIA)などが知ら
れている。現在では、主に酵素免疫測定法(EIA)が
用いられている。
【0003】このうち、CIEおよびMOは測定時間が
長く、感度も低い。また、PHAおよびIAHAは安定
した抗原被膜赤血球を用意することが困難であり、試薬
価格も高く定量はコントロールを比較として段階的にし
か決めることができない。さらに、EIAおよびRIA
は感度の高い点ではMOの5,000 〜50,000倍にもなる
が、試薬価格が高く、測定に数日かかるという欠点を有
している。
【0004】これらの問題を解決すべく、先に特開昭63
-309864 号公報に示されるように、表面に親水性の抗体
または抗原を固定化し、内部に親水性の標識物質(たと
えば蛍光物質)を封入したリポソーム試薬を用いた測定
法を開示した。この方法は、LILA(リポソームイム
ノライシスアッセイ;ジャーナル オブ イムノロジカ
ル メソッド、75巻 351〜360 頁、1984年)と称され、
前記リポソーム試薬はリン脂質および糖脂質のうち少な
くともいずれか一方を主成分とするものが用いられてい
る。このLILAは以下のようなものである。すなわ
ち、抗原または抗体が存在する試料中に前記リポソーム
試薬を加え、これと別に補体を加えると、抗原−抗体反
応およびそれに伴う補体の活性化が起こり、補体の膜障
害作用によってリポソームが破壊され、封入されていた
標識物質が流出する。この流出した標識物質の量と、試
料中の被検物質(抗体または抗原)との間には相関関係
があるので、流出した標識物質を所定の分析方法(たと
えば蛍光分析)によって定量することにより、被検物質
を定量することができる。したがってこのLILAによ
れば前記の問題は解決される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、LILA法を
用いても被検血清試料中の各種成分につき免疫分析する
ばあい、血清にもともと含まれていた補体成分により非
特異的なリポソーム膜溶解が生じるため、流出した標識
物質の量と、試料中の被検物質(抗体または抗原)との
間の相関関係が乱されるので、測定ができないという不
都合が生じていた。
【0006】本発明は以上のような問題に鑑みなされた
ものであり、血清試料中の被検物質を安定に免疫分析し
うる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、リポソーム
と、このリポソーム中に封入された標識物質と、前記リ
ポソームに固定化された抗体もしくは抗体の一部または
抗原もしくは抗原の一部とからなる免疫測定用試薬を用
い、前記リポソーム膜上で生じる抗原抗体反応にともな
いポソーム膜溶解が生じ放出される標識物質を定量する
ことにより試料中の抗原量または抗体量を測定する免疫
測定法であって、試料を前処理することにより、試料中
に存在していた補体成分を不活性化させることを特徴と
する免疫測定法に関する。
【0008】
【実施例】補体成分の不活性化のための試料の前処理と
しては、熱処理または薬品による処理があげられる。
【0009】熱処理は、非特異反応を起こす補体が含ま
れる試料をそのまま、あるいは希釈用緩衝液で希釈した
のち一定条件で加熱することにより行なう。加熱条件
は、抗原の抗原性または抗体の抗体価が変化しても、試
料にもともと存在する補体成分の活性を充分に抑える条
件で行なうことが望ましい。具体的な加熱条件として
は、70〜100 ℃で5分〜1分程度が例示される。
【0010】薬品処理は、非特異反応を起こす補体が含
まれる試料に薬品を加え一定時間インキュベートするこ
とにより行なう。さらに、必要であるならば遠心分離操
作を行なってもよい。用いられる薬品としては、補体の
活性を著しく低下させるものが望ましく、とくに補体活
性の第2経路を主に不活性化させる物質が望ましい。具
体的には、ザイモザン、ハプテン誘導体、マレイミド誘
導体、マレイミド基を有し内部に緩衝液を含有したリポ
ソーム、トリニトロフェノール誘導体、トリニトロフェ
ノール基を有し内部に緩衝液を含有したリポソーム、そ
の他補体活性の主に第2経路を不活性化させる物質があ
げられ、好ましくはLILA法の特徴である均相を損わ
ない物質であるハプテン誘導体、マレイミド誘導体、マ
レイミド基を有し内部に緩衝液を含有したリポソーム、
トリニトロフェノール誘導体、トリニトロフェノール基
を有し内部に緩衝液を含有したリポソームが用いられ
る。インキュベートの条件はそれぞれの薬品によって室
温から70℃、3分から90分程度の条件のなかから選択さ
れる。とくに、薬品処理の温度を高温に選ぶと熱非働化
の効果もあわせてえることができ、ごく短時間で処理を
完了することができる。
【0011】LILA法の具体的な態様としては以下の
ようなものが上げられる。
【0012】すなわち、リポソームはリン脂質または糖
脂質を主要構成成分とするものをはじめ、補体活性によ
り膜溶解作用を受けるものであれば、従来使用されてい
る何れのものでもよい。このようなリン脂質としては、
動物や微生物などの細胞膜に広く存在するリン脂質、た
とえばホスファチジルエタノールアミン類、ホスファチ
ジルコリン類、ホスファチジルセリン類、スフィンゴミ
エリン類などの各種リン脂質があげられる。もちろん、
天然の卵黄、牛脳や大豆などからえられるホスファチジ
ルコリンも適用できる。また、古細菌に属する好熱性菌
脂質の天然の抽出物または人工合成物も適用できる。
【0013】このようなリン脂質中の脂肪酸の種類には
各種の飽和または不飽和脂肪酸が含まれる。たとえばホ
スファチジルコリンについてあげれば、ジヘプタノイル
ホスファチジルコリン、ジカプロイルホスファチジルコ
リン、ジデカノイルホスファチジルコリン、ジラウロイ
ルホスファチジルコリン、ジヘプタデカノイルホスファ
チジルコリン、ジベヘノイルホスファチジルコリン、ジ
ミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホ
スファチジルコリンなどがあげられ、前述のその他のリ
ン脂質にも同様に各種飽和および不飽和脂肪酸が含まれ
る。なお、炭素鎖がグリセロール部にエステル結合する
リン脂質のばあいには必要に応じて脂質に対してコレス
テロールを適量たとえば10ないし500 モル%を加えるこ
とによって安定なリポソームをえることができる。
【0014】本発明に用いられるリポソームの形状は、
多重層リポソーム(multilamellarvesicle 、以下、M
LVと略す)、小さな一枚膜リポソーム(small unilam
ellar vesicle 、以下、SUVと略す)、大きな一枚膜
リポソーム(large unilamellar vesicle 以下、LUV
と略す)の何れであってもよい。
【0015】リポソーム内に封入される標識物質は、リ
ポソーム外に放出された際に定量可能な物質でなければ
ならない。かかる物質としては、たとえば、ラジオイム
ノアッセイでも用いられる 125Iや 131Iなどの放射性
同位元素;低濃度域(10-3M以下)でも非常に強い蛍光
を発するカルボキシフルオレセイン、フルオレセインイ
ソチオシアネートのような蛍光性化合物;リポソーム外
での酸化反応により発光するルミノールやルシフェリン
のような発光性化合物;可視部あるいは紫外部に特異的
な吸収帯を有する吸光性化合物(水溶性色素など);酸
化酵素の作用により分解され酸素消費あるいは過酸化水
素生成をもたらすグルコースおよびシュークロースなど
の糖類;テトラペンチルアンモニウムのような比較的大
きなイオン性化合物;カルシウムイオンなどの金属;ニ
コチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)のよう
な補酵素類;メチルピオロゲンを初めとするラジカル化
合物;酵素免疫測定法などで用いられるβ−ガラクトシ
ダーゼ、ペルオキシダーゼなどの酵素類などが好まし
い。標識物質としてカルシウムイオンを用いたばあいに
はカルシウム依存性酵素(カルバイン、プロテインキナ
ーゼC、トランスグルタミラーゼなど)を、酵素を用い
たばあいには基質(前述の酵素に対する基質としては、
それぞれ、4−メチルウムベリフェリルβ−D−ガラク
トシド、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸があげら
れる)を、リポソーム破壊によりこれらの物質が流出し
た際に用いる必要がある。
【0016】リポソーム上に感作させる抗原または抗体
は被検目的に応じて適宜選択される。たとえば、Ant
i−HBsAb、Anti−HBcAb、Anti−H
CVAb、Anti−HIVAb、ヒューマン・Tセル
・ロイケミア・ウイルス−I型(HTLV−I)、ヒュ
ーマン・Tセル・ロイケミア・ウイルス−III 型(HT
LV−III )などのウイルス関連の抗体やそれらに対す
る抗原や血中の各種ホルモンやIgGなどの血漿タンパ
ク質、さらにはハプテンなどの抗原となりうる化学物質
などがあげられる。
【0017】抗原または抗体のリポソームへの固定化
は、公知の方法に従えばよい。たとえば、レスルマン
(Lesrman )らの方法(ネイチャー(Nature)、288 、60
4 〜606、1980)、マルチン(Martin)らの方法(バイ
オケミストリー(Biochemistry)、20、4229〜4238、198
1)などにより行なわれる。
【0018】本発明に用いられる免疫測定試薬は、たと
えば次の方法で製造される。
【0019】まずリン脂質または糖脂質をフラスコに入
れ、溶媒を加えて反応させたのち、溶媒を留去し、吸引
乾燥する。しかるのちに、壁面に薄膜が形成されたフラ
スコ内に所定の標識物質の水溶液を加え、密栓をして振
盪し、標識物質封入リポソームをえる。
【0020】一方、抗原もしくは抗原の一部または抗体
もしくは抗体の一部と架橋剤とを緩衝液中で反応させて
架橋剤を導入し、しかるのち、必要であれば、架橋基を
還元する試薬(たとえばジチオスレイトール:DTT)
と反応させて、修飾抗原または修飾抗体をえる。
【0021】最後に、標識物質封入リポソームと修飾抗
原または修飾抗体とを緩衝液中で反応せしめることによ
り、本発明において用いられる免疫測定試薬である抗原
または抗体感作リポソームがえられる。かかる免疫測定
試薬は、通常、標識物質を内包し、表面に固定化された
抗原もしくは抗原の一部または抗体もしくは抗体の一部
を担持したマイクロカプセルとしてえられる。
【0022】前記製造法における架橋剤としては、たと
えばN−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)
プロピオネート(SPDP)、N−スクシンイミジル4
−(p−マレイミドフェニル)ブチレート(SMP
B)、N−スクシンイミジル4−(p−マレイミドフェ
ニル)アセテート(SMPA)、N−スクシンイミジル
4−(p−マレイミドフェニル)プロピオネート(SM
PP)、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スクシ
ンイミド(GMBS)、N−(ε−マレイミドカプロイ
ルオキシ)スクシンイミド(EMCS)、グルタルアル
デヒド、テレフタルアルデヒドなどのジアルデヒドなど
があげられる。
【0023】このようにして調製した免疫測定試薬を用
いて、被検体中の抗体または抗原を測定するには、前記
の前処理を済ませた被検体中にその試薬および補体(抗
原を測定するばあいには、さらに第二抗体)を加え、抗
原−抗体と補体との結合反応を引き起こさせる。する
と、かかる反応量に比例して、リポソーム内から標識物
質が放出されてくる。ついで、この標識物質に応じた分
析方法(たとえば、標識物質が蛍光物質であれば、蛍光
分析法)により定量を行ない、たとえば、予め作成した
検量線により、試料中の抗体または抗原の量を測定する
ことができる。
【0024】この測定操作において使用する補体は、と
くに限定されないが、通常、モルモット血清が用いられ
る。しかし、ウサギ、マウス、ヒトなどの血清を使用し
てもよい。
【0025】使用される緩衝液としては、Ca2+とMg
2+を含むベロナール緩衝液(VB2+)、Ca2+とMg2+
を含むゼラチンベロナール緩衝液(GVB2+)などがあ
げられる。これら緩衝液は反応用以外にも希釈用として
用いられる。
【0026】つぎに本発明を実施例を挙げて説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
【0027】実施例1 PHA価128 〜256 の抗HBs抗体陽性の血清試料をV
2+で10倍に希釈し72℃のインキュベーターで15分間加
熱した。
【0028】HBs固定化リポソームを用いたばあいの
前記のLILA法で、試料中にもともと存在する補体に
よる非特異的な反応の影響をみるため、新たに補体を加
えないで測定を行なった。なお、HBs固定化リポソー
ムは、後述する参考例1により調製したものを用いた。
結果の経時変化を図1に示した。熱処理により蛍光放出
率が低下し、5分後には非特異反応がなくなることが観
察された。また、通常のLILA法、すなわち補体の追
加を行なう方法で測定したときの結果を併せて図1に示
した。3分まで急激な蛍光放出率の減少がおこり、その
後は徐々に低下している。これは、熱処理によって抗体
価が低下するためである。
【0029】このように、抗体価の減少も免れないが非
特異反応は72℃で5分のインキュベートで抑えられるこ
とがわかった。90℃のインキュベートでは1分で同程度
の効果がえられた。
【0030】実施例2 実施例1と同じ血清試料を、ザイモザン(作用濃度は50
mg/ml−血清)とマレイミド(作用濃度は25mg/ml−血
清)で37℃の温水浴で40分処理した。HBs固定化リポ
ソームを用いて、処理前の血清と処理後の血清の蛍光放
出率を補体を加えた系と加えない系で比較した。結果を
表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】いずれの処理でも補体を加えないときには
蛍光放出率はゼロであったが、補体を加える通常のLI
LA測定では20〜50%の蛍光放出率を観察した。このよ
うに、熱以外に薬品で処理する方法も非特異反応防止に
有効であることがわかる。
【0033】実施例3 本実施例では、ウマチトクロムC(シグマ社製)(以
下、チトクロムCと記す)を用い、抗チトクロムC抗体
は、前記チトクロムCをウサギに免疫してえられた血清
をアフィニティー精製したものを用いた。
【0034】正常人35人から採血、プールした血清試料
(標準血清)に、100 μg/ml、10μg/ml、0μg/
ml、となるように抗チトクロムC抗体を添加し、GVB
2+で10倍希釈したものをそれぞれ熱処理(72℃×5
分)、ザイモザン処理、マレイミド処理した血清を試料
として、後述する参考例2により調製したチトクロムC
固定化リポソームにより免疫測定を行なった。結果を表
2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】リポソームの蛍光放出率差(Δ%)は表2
に示した。この蛍光放出率差は陽性と陰性の判定を行な
うもので大きいほど正確な判定を与えることができる。
【0037】未処理の血清では、蛍光放出率差は10%程
度で補体価の違う血清を扱う検査業務では、ばらつきの
ため偽陽性、偽陰性が多く発生する。しかし、熱処理、
ザイモザン処理をした試料では60%強の蛍光放出率差が
えられており判定の精度を著しく向上することができ
る。マレイミド処理でも、前処理に用いられ未反応のま
まのマレイミドが添加補体と反応し蛍光放出率を低下さ
せるが、40%程度の蛍光放出率差がえられており実用上
充分である。
【0038】本実施例1から3で用いたリポソームは以
下の手順で作成した。
【0039】参考例1 HBs抗原固定化リポソームの調製 (1)リポソームの調製 N−スクシンイミジル−4−(p−マレイミドフェニ
ル)ブチレート(SMPB)28.1μmol とジパルミトイ
ルフォスファチジルエタノールアミン(DPPE)20μ
mol をクロロホルム4.5 mlと無水メタノール0.5 mlとの
混液に溶解した。これにトリエチルアミン20μmol を添
加し、窒素封入下室温2時間攪拌し反応させた。反応終
了後、メタノール3.5 ml、蒸留水2mlを加え、よく振盪
した。これを静置し、クロロホルム相をとり、溶媒を蒸
発させたのち、約5mlのクロロホルムを添加し溶解し
た。この溶液を、150 ℃で12時間以上乾燥させクロロホ
ルムで平衡化した10ml容量のシリカゲル(Wakogel C−
100、和光純薬工業(株)製)カラムに負荷し、クロ
ロホルム−メタノール(20:1、v/v)40〜50mlで洗
浄した。クロロホルム−メタノール(5:1、v/v)
により溶出する画分を集め、溶媒を蒸発させたのち、新
たに5mlのクロロホルムに溶解した。以上の操作によ
り、N−(4−(p−マレイミドフェニル)ブチリル)
ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(MP
B−DPPE)を調製した。
【0040】100 mlナス型フラスコに、ジパルミトイル
ホスファチジルコリン(DPPC)75μmol 、コレステ
ロール75μmol 、リン酸ジセチル(DCP)7.5 μmol
、MPB−DPPE7.5 μmol をとり、約10mlのクロ
ロホルムに溶解し、42℃以上の水溶液中にてロータリー
エバポレーターで溶媒を除去したのち、残った脂質薄膜
に、標識物質水溶液として自己消光性の蛍光物質である
0.2 Mカルボキシフルオレセイン(CF)15mlを加えて
ボルテックス(Vortex)ミキサーで10分間振盪攪拌しM
LVを調製した。これを15分間プローブ型超音波発振装
置((株)日本精機製作所製、US−300)で超音波
処理することによって均一化したSUVにした。つい
で、リポソームに封入されなかったCFを除去するため
セファーデックスG−25(商品名、ファルマシア社
製)カラムにてクロマト分離し、反応性リポソームをえ
た。
【0041】(2)HBs抗原のリポソームへの感作 0.5 mg/mlの精製レコンビナントHBs抗原(サブタイ
プay、ケミコンインターナショナル社製)の水溶液2.
0 mlに40mM N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジ
ルジチオ)プロピオネイト(SPDP)エタノール溶液
を0.0373ml加え、室温で10分間攪拌し反応させた。未反
応のSPDPを除くために、20mM MES緩衝液(0.15
M NaCl含有、pH6.0 )で平衡化したエコノパッ
クP6カートリッジ(商品名、バイオラッド社製)カラ
ムでクロマト分離した。最初のピーク部分を集め、これ
に100mM になるようにジチオスライトール(DTT)を
固体のまま加えて溶解し、窒素封入下室温で30分間放置
した。反応終了後リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(p
H7.4 )で平衡化したエコノパックP6カートリッジカ
ラムでクロマト分離し、最初のピーク部分を集めた。以
上の操作によりSPDPを通じてHBs抗原にSH基を
導入し、SH基導入HBs抗原を調製した。
【0042】つぎに、反応性リポソームを2倍に希釈し
たものと前記操作(1)でえたSH基導入HBs抗原を
1:1(v/v)の割合で混合し、窒素封入下4℃で24
時間放置し反応させたのち、リポソームに固定化されな
かった抗原を除くためセファーデックスG−25カラム
でクロマト分離し、HBs抗原固定化リポソームをえ
た。
【0043】参考例2 チトクロムC固定化リポソームの調製 (1)チトクロムCのリポソームへの感作 0.5 mg/mlのチトクロムC蛋白リン酸緩衝生理食塩水溶
液1.5 mlに40mMN−スクシンイミジル−3−(2−ピリ
ジルジチオ)プロピオネイト(SPDP)エタノール溶
液を0.0323ml加え、室温で10分間攪拌し反応させた。未
反応のSPDPを除くために、20mM MES緩衝液(0.
15M NaCl含有、pH6.0 )で平衡化したエコノパ
ックP6カートリッジ(商品名、バイオラッド社製)カ
ラムでクロマト分離した。最初のピーク部分を集め、こ
れに100mM になるようにジチオスライトール(DTT)
を固体のまま加えて溶解し、窒素封入下室温で30分間放
置した。反応終了後リン酸緩衝生理食塩水(PBS)
(pH7.4 )で平衡化したエコノパックP6カートリッ
ジカラムでクロマト分離し、最初のピーク部分を集め
た。以上の操作によりSPDPを通じてチトクロムC
(ウマ)蛋白にSH基を導入し、SH基導入チトクロム
C(ウマ)蛋白を調製した。
【0044】つぎに、反応性リポソームを2倍に希釈し
たものと前記操作(1)でえたSH基導入チトクロムC
蛋白を1:5(v/v)の割合で混合し、窒素封入下4
℃で24時間放置し反応させたのち、リポソームに固定化
されなかった抗原を除くためセファーデックスG−25
カラムでクロマト分離し、チトクロム蛋白(抗原)固定
化リポソームをえた。
【0045】実施例4 試料中の抗体測定 前記の反応性リポソームと抗原固定化リポソームを、そ
の初期蛍光強度が適当なものとなるように、0.5 mM M
gCl2 および0.15mM CaCl2 を含有したゼラチン
ベロナール緩衝液(GVB2+)で100 倍程度に希釈した
もの25μlに、測定試料を25μl加えて10分間放置して
反応させた。そののち、補体を加える通常のLILA測
定では、12CH50/mlに希釈したモルモット全補体(石
津製薬社製)50μl加え、補体を加えない測定系では補
体の代わりにGVB2+を50μl加え、37℃で60分間放置
して反応させたのち、各試料の蛍光強度をマイクロプレ
ート用蛍光光度計MTP−32(コロナ社)で測定した
(励起波長490 nm、蛍光波長520 nm)。なお、測定値
は、測定終了後測定試料に1%−トライトンX−100
を100 μl加えリポソームを完全に破壊したのちの蛍光
強度を2倍したものと、測定試料の代わりにGVB2+
25μl添加したものの差を100 %として、各被検試料の
蛍光強度を相対的に換算したものを蛍光放出率(%)と
した。
【0046】
【発明の効果】上述のように、本発明の免疫測定法にお
いては、血清試料中にもともと存在する補体を、熱また
は薬品によって処理することにより、試料中に含まれる
補体を非働化させ、非特異反応を抑えることができ、試
料中の測定したい抗原または抗体の正確な定量が可能と
なった。
【0047】それゆえ、簡単な操作で、高感度、正確に
被検体中の抗体(または抗原)を測定することができ、
しかもその自動化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】補体を添加する通常のLILA測定法と補体を
添加しない測定法によって測定したHBs陽性血清の蛍
光放出率の熱処理時間による変化を示した特性図であ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リポソームと、このリポソーム中に封入
    された標識物質と、前記リポソームに固定化された抗体
    もしくは抗体の一部または抗原もしくは抗原の一部とか
    らなる免疫測定用試薬を用い、前記リポソーム膜上で生
    じる抗原抗体反応にともないポソーム膜溶解が生じ放出
    される標識物質を定量することにより試料中の抗原量ま
    たは抗体量を測定する免疫測定法であって、試料を前処
    理することにより、試料中に存在していた補体成分を不
    活性化させることを特徴とする免疫測定法。
  2. 【請求項2】 測定される試料が血清である請求項1記
    載の免疫測定法。
  3. 【請求項3】 測定される試料を抗体価または抗原性の
    低下にかかわらず試料を熱処理することにより補体成分
    を完全に不活性化する請求項2記載の免疫測定法。
  4. 【請求項4】 前処理が薬品による処理である請求項2
    記載の免疫測定法。
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