JPH05281232A - HBs抗体測定試薬 - Google Patents

HBs抗体測定試薬

Info

Publication number
JPH05281232A
JPH05281232A JP8387592A JP8387592A JPH05281232A JP H05281232 A JPH05281232 A JP H05281232A JP 8387592 A JP8387592 A JP 8387592A JP 8387592 A JP8387592 A JP 8387592A JP H05281232 A JPH05281232 A JP H05281232A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antigen
liposome
hbs
antibody
labeling substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8387592A
Other languages
English (en)
Inventor
Kanji Tomioka
寛治 冨岡
Masaaki Kishimura
昌明 岸村
Fumiko Kii
史子 紀伊
Hideki Fukuda
秀樹 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP8387592A priority Critical patent/JPH05281232A/ja
Publication of JPH05281232A publication Critical patent/JPH05281232A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な操作で高感度、正確、安価かつ短時間
にHBs抗体を測定することができ、しかも該測定の自
動化が可能なHBs抗体測定試薬を供給しようとするも
のである。 【構成】 リン脂質または糖脂質を主要構成成分とする
リポソームの表面に架橋剤を介してHBs抗原を含むタ
ンパク質を結合させ、該リポソーム内に親水性標識物質
を封入することを特徴とするHBs抗体測定試薬および
これを用いるHBs抗体測定法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、HBs抗体(B型肝炎
表面抗体)の測定試薬、さらに詳細には、補体依存性リ
ポソーム膜損傷反応を利用した、簡単な自動的操作によ
ってHBs抗体を測定することのできるHBs抗体測定
試薬およびHBs抗体の測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】B型肝炎ウイルスは主にヒト血液を介し
て伝播するウイルスで、急性肝疾患を惹き起こすのみな
らず、慢性肝炎、肝硬変さらに原発性肝癌とも密接に関
連する重大な病原ウイルスである。このウイルスすなわ
ち抗原は直径42nm前後の大型粒子で内部に直径27nmのコ
ア(core)とそれをとりまく外層(surface )より成り
立っており、両者の組成は免疫学的に抗原性を全く異に
しているため、コア組成の抗原性はB型肝炎核抗原(H
Bc抗原)、外層の組成の抗原性はB型肝炎表面抗原
(HBs抗原)と名付けられている。さらに、HBc抗
原に関連した第3の抗原であるe抗原(HBe抗原)の
存在も明らかにされている。これらHBV関連抗原のう
ち感染予防抗原として有効なものがHBs抗原であるこ
とが1971年のクルグハムら(ジャーナル オブ ザ ア
メリカン メディカル アソシエーション(J.Am.Med.As
soc.) 217,41〜45(1971)参照)により報告されている。
したがってHBs抗体の検出は、B型肝炎の回復・治療
を知る、または、ワクチン接種後の免疫状態を知る指標
になる。
【0003】HBs抗体の検査方法には、交差免疫電気
泳動法(CIE)、二次元免疫拡散法(MO)、受身赤
血球凝集反応(PHA)、免疫粘着赤血球凝集反応(I
AHA)、酵素免疫測定法(EIA)、放射免疫測定法
(RIA)などが知られている。現在では、おもに酵素
免疫測定法(EIA)が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このうち、CIEおよ
びMOは測定時間が長く、感度も低い。また、PHAお
よびIAHAは安定した抗原被膜赤血球を用意すること
が困難であり、試薬価格も高い。さらに、EIAおよび
RIAは感度の高い点ではMOの5,000 〜50,000倍にも
なるが、試薬価格が高く、測定に数日かかるという欠点
を有している。
【0005】また、前述のようなHBs抗体の臨床上の
重要性に鑑み、測定法の自動化が望まれている。
【0006】したがって、本発明は簡単な操作で、高感
度、正確、安価かつ短時間にHBs抗体を測定すること
ができ、しかも該測定の自動化が可能なHBs抗体測定
試薬を供給することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、リン脂質また
は糖脂質を主要構成成分とするリポソームの表面に架橋
剤を介してHBs抗原を含むタンパク質を結合させ、該
リポソーム内に親水性標識物質を封入するHBs抗体測
定試薬に関する。また、本発明はリン脂質または糖脂質
を主要構成成分とするリポソームの表面に、抗原もしく
は抗原を含むタンパク質または抗体もしくは抗体を含む
タンパク質を結合または吸着させ、かつ該リポソーム内
に標識物質を封入した免疫測定試薬を用い、前記リポソ
ームの膜上で生じる抗原−抗体反応にともないリポソー
ム膜溶解が生じ、放出される標識物質を定量することに
より、試料中の抗原または抗体量を測定する免疫測定法
に関する。
【0008】
【実施例】本発明のHBs抗体測定試薬について説明す
る。
【0009】本発明において、リポソームはリン脂質ま
たは糖脂質を主要構成成分とするものであれば、従来使
用されている何れのものでもよく、とくに限定されるこ
とはない。しかし、リン脂質または糖脂質がその炭化水
素鎖がグリセロール部にエーテル結合するものであれ
ば、安定なリポソームがえられやすく、より好ましい。
炭化水素鎖がグリセロール部にエステル結合するリン脂
質または糖脂質としては、動物や微生物などの細胞膜に
広く存在するリン脂質または糖脂質、たとえばホスファ
チジルエタノールアミン類、ホスファチジルコリン類、
ホスファチジルセリン類、スフィンゴミエリン類などの
各種リン脂質があげられる。もちろん、天然の卵黄、牛
脳や大豆などからえられるホスファチジルコリンも適用
できる。このようなリン脂質中の脂肪酸の種類には各種
の飽和または不飽和脂肪酸が含まれ、たとえばホスファ
チジルコリンについてあげれば、ジヘプタノイルホスフ
ァチジルコリン、ジカプロイルホスファチジルコリン、
ジデカノイルホスファチジルコリン、ジラウロイルホス
ファチジルコリン、ジヘプタデカノイルホスファチジル
コリン、ジベヘノイルホスファチジルコリン、ジミリス
トイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファ
チジルコリンなどの脂肪酸があげられ、前述のその他の
リン脂質も同様に各種飽和および不飽和脂肪酸が含まれ
る。炭化水素鎖がグリセロール部にエーテル結合するリ
ン脂質または糖脂質としては、海産生物に含まれる1-
アルキル- 2- アセチル- sn- グリセロール- 3- フ
ォスホリルコリンとして一般的に現わされるグリセリル
エーテルなどや、古細菌に属する好熱性菌脂質などがあ
げられ、天然の抽出物であってもそれをモデルとした人
工合成物でもよい。人工合成による脂質においては、炭
化水素鎖としてポリイソプレノイド鎖、アルキル鎖、ア
ルケン鎖などがあげられ、ポリイソプレノイド鎖におい
ては鎖の途中に五員環を形成してもよい。また、アルキ
ル鎖またはアルケン鎖は側鎖に別の炭化水素化合物を有
してもよい。また、グリセロール部にエーテル結合する
炭化水素の炭素数は、脂質がリポソーム膜を形成できる
ものであればとくに限定されないが、通常、12〜40が好
ましい。
【0010】本発明に用いられるリポソームの形状は、
多重層リポソーム(multi lamellarvesicle、以下ML
Vと略す)、小さな一枚膜リポソーム(small unilamel
larvesicle 、以下SUVと略す)、大きな一枚膜リポ
ソーム(large unilamellarvesicle 、以下LUVと略
す)の何れであってもよい。
【0011】リポソームに固定化するHBs抗原はヒト
血清より精製されたものでもよいしリコンビナント抗原
でもよい。またHBs抗原を含むタンパク質に含まれる
HBs抗原以外のタンパク質としては、HBc抗原、H
Be抗原、HAV(A型肝炎ウイルス)抗原、HCV
(C型肝炎ウイルス)抗原、HIV抗原、ヒューマン・
Tセル・ロイケミア・ウイルス−I型(HTLV−I)
抗原、ヒューマン・Tセル・ロイケミア・ウイルス−II
I 型(HTLV−III )抗原などのウイルス関連の抗原
があげられる。HBs抗原を含むタンパク質に、HBs
抗原、HBc抗原、HBe抗原の3種を採用すれば、同
時に抗HBs抗体、抗HBc抗体、抗HBe抗体を測定
できる測定試薬を作製することができる。HBs抗原を
含むタンパク質に、HBs抗原、HBA抗原、HCV抗
原の3種を採用すれば、同時に抗HBs抗体、抗HBA
抗体、抗HCV抗体を測定できる測定試薬を作製するこ
とができる。
【0012】リポソーム内に封入される標識物質は、リ
ポソーム外に溶出された際に定量可能な物質でなければ
ならない。かかる物質としては、たとえば、ラジオイム
ノアッセイで用いられる 125Iや 131Iなどの放射性同
位元素;低濃度域(10-3M以下)でも非常に強い蛍光を
発するカルボキシフルオレセイン、フルオレセインイソ
チオシアネートのような蛍光性化合物;リポソーム外で
の酸化反応により発光するルミノールやルシフェリンの
ような発光性化合物;可視部あるいは紫外部に特異的な
吸収帯を有する吸光性化合物(水溶性色素など);酸化
酵素の作用により分解され酸素消費あるいは過酸化水素
生成をもたらすグリコースまたはスクロースなどの糖
類;テトラペンチルアンモニウムのような比較的大きな
イオン性化合物;カルシウムイオンなどの金属;ニコチ
ンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)のような補
酵素類;メチルピオロゲンを初めとするラジカル化合
物;酵素免疫測定法などで用いられるβ- ガラクトシダ
ーゼ、ペルオキシダーゼなどの酵素類などが好ましい。
標識物質としてカルシウムイオンを用いたばあいにはカ
ルシウム依存性酵素(カルバイン、プロテインキナーゼ
C、トランスグルタミラーゼなど)を、酵素を用いたば
あいには基質(前述の酵素に対する基質としては、それ
ぞれ、4- メチルウムベリフェリルβ- D- ガラクトシ
ド、p- ヒドロキシフェニルプロピオン酸があげられ
る)を、リポソーム破壊によりこれらの物質が放出した
際に用いることにより、はじめて定量が可能となる。
【0013】本発明のHBs抗体測定試薬は、たとえば
次の方法で製造される。
【0014】まずリン脂質または糖脂質をフラスコに入
れ、溶媒を加えて反応させたのち、溶媒を留去し、吸引
乾燥する。しかる後に、壁面に薄膜が形成されたフラス
コ内に所定の標識物質の水溶液を加え、密栓をして振盪
し、標識物質封入リポソームをえる。
【0015】一方、HBs抗原と架橋剤とを緩衝液中で
反応させて架橋剤を導入し、しかるのち、必要であれ
ば、架橋基を還元する試薬(たとえばジチオスレイトー
ル:DTT)と反応させて、修飾抗原をえる。
【0016】最後に、標識物質封入リポソームと修飾抗
原とを緩衝液中で反応せしめることにより、本発明のH
Bs抗体測定試薬であるHBs抗原結合リポソームがえ
られる。かかるHBs抗体測定試薬は、通常、標識物質
を内包し、表面に固定化された抗原を担持したマイクロ
カプセルとしてえられる。
【0017】前記製造法における架橋剤としては、たと
えば、N- スクシンイミジル3- (2- ピリジルジチ
オ)プロピオネート(SPDP)、N- スクシンイミジ
ル4-(p- マレイミドフェニル)ブチレート(SMP
B)、N- スクシンイミジル4- (p- マレイミドフェ
ニル)アセテート(SMPA)、N- スクシンイミジル
4- (p- マレイミドフェニル)プロピオネート(SM
PP)、N- (γ- マレイミドブチリルオキシ)スクシ
ンイミド(GMBS)、N- (ε- マレイミドカプロイ
ルオキシ)スクシンイミド(EMCS)、グルタルアル
デヒド、テレフタルアルデヒドなどのジアルデヒドなど
があげられる。
【0018】このようにして調製したHBs抗体測定試
薬を用いて、被検体中のHBs抗体を測定するには、被
検体中にその試薬および補体を加え、抗原- 抗体と補体
との結合反応を引き起こさせる。すると、かかる反応量
に比例して、リポソーム内から標識物質が放出されてく
る。ついで、この標識物質に応じた分析法(たとえば、
標識物質が蛍光物質であれば、蛍光分析法)により定量
を行ない、たとえば、あらかじめ作成した検量線によ
り、試料中の抗体の量を測定することができる。
【0019】この測定操作において使用する補体は、と
くに限定されないが、通常、モルモット血清が用いられ
る。しかし、ウサギ、マウスまたはヒトなどの血清を使
用してもよい。
【0020】次に本発明を実施例をあげて説明するが、
本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0021】実施例1 (1) リポソームの調製 N- スクシンイミジル4- (p- マレイミドフェニル)
ブチレート(SMPB)28.1μmol とジパルミトルフォ
スファチジルエタノールアミン(DPPE)20μmol を
クロロホルム4.5ml と無水メタノール0.5ml との混液に
溶解した。これにトリエチルアミン20μmol を添加し、
窒素封入下室温で2時間撹拌し反応させた。反応終了
後、メタノール3.5ml 、蒸留水2mlを加え、よく振盪し
た。これを静置し、クロロホルム相をとり、溶媒を蒸発
させたのち、約5mlのクロロホルムを添加し溶解した。
この溶液を、150 ℃で12時間以上乾燥させクロロホルム
で平衡化した10ml容量のシリカゲル(Wakogel C-100 、
和光純薬工業(株)製)カラムに負荷し、クロロホルム
- メタノール(20:1、v/v)40〜50mlで洗浄した。
クロロホルム- メタノール(5:1、v/v)により溶
出する画分を集め、溶媒を蒸発させたのち、新たに5ml
のクロロホルムに溶解した。以上の操作により、N-
(4- (p- マレイミドフェニル)ブチリル)ジパルミ
トイルホスファチジルエタノールアミン(MPB- DP
PE)を調製した。
【0022】100ml ナス型フラスコに、特願平3-262142
号明細書記載の方法で合成した1、2ジ- O- フタニル
グリセロ- 3- フォスホコリン(Phy- PC)150 μ
mol、リン酸ジセチル(DCP)7.5 μmol 、MPB-
DPPE7.5 μmol をとり、約10mlのクロロホルムに溶
解し、42℃以上の水溶液中にてロータリーエバポレータ
ーで溶媒を除去したのち、残った脂質薄膜に、標識物質
水溶液として自己消光性の蛍光物質である0.2 Mカルボ
キシフルオレセイン(CF)15mlを加えてボルテックス
(Vortex)ミキサーで10分間振盪撹拌しMLVを調製し
た。これを15分間プローブ型超音波発振装置(US-300
(株)日本精機製作所製、)で超音波処理することによ
って均一化したSUVにした。ついでリポソームに封入
されなかったCFを除去するためセファデックスG-25
(商品名、ファルマシア社製)カラムにてクロマト分離
し、反応性リポソームをえた。
【0023】(2) リポソームへのHBs抗原の結合 0.5 mg/mlのHBs抗原(サブタイプay、ケミコンイ
ンターナショナル社製)のリン酸緩衝生理食塩水溶液1.
5ml に40mM N- スクシンイミジル- 3- (2- ピリジ
ルジチオ)プロピオネイト(SPDP)エタノール溶液
0.0323mlを加え、室温で10分間撹拌し反応させた。未反
応のSPDPを除くために、20mM MES緩衝液(0.15
M NaCl含有、pH6.0 )で平衡化したエコノパック
P6カートリッジ(商品名、バイオラッド社製)カラム
でクロマト分離した。最初のピーク部分を集め、これに
100mM になるようにジチオスライトール(DTT)を固
体のまま加えて溶解し、窒素封入下室温で30分間放置し
た。反応終了後リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH
7.4 )で平衡化したエコノパックP6カートリッジカ
ラムでクロマト分離し、最初のピーク部分を集めた。以
上の操作によりSPDPを通じてHBs抗原にSH基を
導入し、SH基入りHBs抗原を調製した。
【0024】つぎに、(1) でえた反応性リポソームを2
倍に希釈したものと前記操作でえたSH基導入HBs抗
原溶液を1:1(v/v)の割合で混合し、窒素封入下
4℃で20時間放置し反応させたのち、リポソームに結合
しなかったHBs抗原を除くためセファデックスG-25カ
ラムでクロマト分離し、HBs抗原結合リポソームをえ
た。
【0025】前記の抗原結合リポソームをその初期蛍光
強度が適当なものとなるように、0.5mM MgCl2 およ
び0.15mM CaCl2 を含有したゼラチンベロナール緩
衝液(GVB2+)で100 倍程度に希釈したもの25μl
に、HBs抗体測定試薬(オーサブ・EIA、商品名
(ダイナボット社製))により陽性と判断された非働化
した血清(HBs抗体血清)を倍々希釈したものを25μ
l加え37℃で60分間放置して反応させた。そののち、10
CH50/mlに希釈した。モルモット全補体(石津製薬
社製)50μlを加え、37℃で60分間放置して反応させた
のち、各試料の蛍光強度をマイクロプレート用蛍光光度
計MTP-32(コロナ社)で測定した(励起波長490nm 、蛍
光波長520nm )。なお、測定値は、測定終了後測定試料
に1- プロパノール(n- プロピルアルコール)を100
μl加えリポソームを完全に破壊したのちの蛍光強度を
2倍したものと、HBs抗体血清の代わりにGVB2+
25μl添加したものの差を100 %として、各被験試料の
蛍光強度を相対的に換算したものを標識物質遊離率
(%)とした。結果を、図1に示す。このように、希釈
倍数1から64の範囲でHBs抗体が定量可能であるこが
わかる。
【0026】実施例2 (1) リポソームの調製 N- スクシンイミジル4- (p- マレイミドフェニル)
ブチレート(SMPB)28.1μmol とジパルミトルフォ
スファチジルエタノールアミン(DPPE)20μmol を
クロロホルム4.5ml と無水メタノール0.5ml との混液に
溶解した。これにトリエチルアミン20μmol を添加し、
窒素封入下室温で2時間撹拌し反応させた。反応終了
後、メタノール3.5ml 、蒸留水2mlを加え、よく振盪し
た。これを静置し、クロロホルム相をとり、溶媒を蒸発
させたのち、約5mlのクロロホルムを添加し溶解した。
この溶液を、150 ℃で12時間以上乾燥させクロロホルム
で平衡化した10ml容量のシリカゲル(Wakogel C-100 、
和光純薬工業(株)製)カラムに負荷し、クロロホルム
- メタノール(20:1、v/v)40〜50mlで洗浄した。
クロロホルム- メタノール(5:1、v/v)により溶
出する画分を集め、溶媒を蒸発させたのち、新たに5ml
のクロロホルムに溶解した。以上の操作により、N-
(4- (p- マレイミドフェニル)ブチリル)ジパルミ
トイルホスファチジルエタノールアミン(MPB- DP
PE)を調製した。
【0027】100ml ナス型フラスコに、ジパルミトイル
ホスファチジルコリン(DPPC)150 μmol 、リン酸
ジセチル(DCP)7.5 μmol 、MPB- DPPE7.5
μmol をとり、約10mlのクロロホルムに溶解し、42℃以
上の水溶液中にてロータリーエバポレーターで溶媒を除
去したのち、残った脂質薄膜に、標識物質水溶液として
自己消光性の蛍光物質である0.2 Mカルボキシフルオレ
セイン(CF)15mlを加えてボルテックス(Vortex)ミ
キサーで10分間振盪撹拌しMLVを調製した。ついでリ
ポソームに封入されなかったCFを除去するためセファ
デックスG-25(商品名、ファルマシア社製)カラムにて
クロマト分離し、反応性リポソームをえた。
【0028】(2) リポソームへのHBs抗原の結合 0.5 mg/mlのHBs抗原(サブタイプay、ケミコンイ
ンターナショナル社製)のリン酸緩衝生理食塩水溶液1.
5ml に40mM N- スクシンイミジル- 3- (2- ピリジ
ルジチオ)プロピオネイト(SPDP)エタノール溶液
0.0323mlを加え、室温で10分間撹拌し反応させた。未反
応のSPDPを除くために、20mM MES緩衝液(0.15
M NaCl含有、pH6.0 )で平衡化したエコノパック
P6カートリッジ(商品名、バイオラッド社製)カラム
でクロマト分離した。最初のピーク部分を集め、これに
100mM になるようにジチオスライトール(DTT)を固
体のまま加えて溶解し、窒素封入下室温で30分間放置し
た。反応終了後リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH
7.4 )で平衡化したエコノパックP6カートリッジカラ
ムでクロマト分離し、最初のピーク部分を集めた。以上
の操作によりSPDPを通じてHBs抗原にSH基を導
入し、SH基入HBs抗原を調製した。
【0029】つぎに、(1) でえた反応性リポソームを2
倍に希釈したものと前記操作でえたSH基導入HBs抗
原溶液を1:1(v/v)の割合で混合し、窒素封入下
4℃で12時間放置し反応させたのち、リポソームに結合
しなかったHBs抗原とリポソームと遊離したCFを除
くためセファデックスG-25カラムでクロマト分離し、H
Bs抗原結合リポソームをえた。
【0030】すぐに、前記の抗原結合リポソームをその
初期蛍光強度が適当なものとなるように、0.5mM Mg
Cl2 および0.15mM CaCl2 を含有したゼラチンベ
ロナール緩衝液(GVB2+)で100 倍程度に希釈したも
の25μlに、HBs抗体測定試薬(オーサブ・EIA、
商品名(ダイナボット社製))により陽性と判断された
非働化した血清(HBs抗体血清)を倍々希釈したもの
を25μl加え30℃で10分間放置して反応させた。そのの
ち、10 CH50/mlに希釈したモルモット全補体(石津
製薬社製)50μlを加え、30℃で60分間放置して反応さ
せたのち、各試料の蛍光強度をマイクロプレート用蛍光
光度計MTP-32(コロナ社)で測定した(励起波長490nm
、蛍光波長520nm )。なお、測定値は、測定終了後測
定試料に1- プロパノール(n- プロピルアルコール)
を100 μl加えリポソームを完全に破壊したのちの蛍光
強度を2倍したものと、HBs抗体血清の代わりにGV
2+を25μl添加したものの差を100 %として、各
被検試料の蛍光強度を相対的に換算したものを標識物質
遊離率(%)とした。結果を、図2に示す。このよう
に、希釈倍数1から64の範囲でHBs抗体が定量可能で
あるこがわかる。
【0031】
【発明の効果】前述のように、本発明のHBs抗体測定
試薬を使用すれば、簡単の操作で、高感度、正確、安価
かつ短時間に被検体中のHBs抗体を測定することがで
き、しかもその自動化が可能である。さらに、リポソー
ム作成時にコレステロールを使用しないのでさらに安価
に抗体測定試薬を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1によるHBs抗体測定試薬を
用いて測定した、検体中のHBsの抗体濃度と標識物質
遊離率との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の実施例2によるHBs抗体測定試薬を
用いて測定した、検体中のHBsの抗体濃度と標識物質
遊離率との関係を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン脂質または糖脂質を主要構成成分と
    するリポソームの表面に架橋剤を介してHBs抗原を含
    むタンパク質を結合させ、該リポソーム内に親水性標識
    物質を封入することを特徴とするHBs抗体測定試薬。
  2. 【請求項2】 リン脂質または糖脂質を主要構成成分と
    するリポソームの表面に架橋剤を介してHBs抗原を含
    むタンパク質を結合させ、該リポソーム内に親水性標識
    物質を封入したHBs抗体測定試薬を用い、前記リポソ
    ームの膜上で生じる抗原−抗体反応にともないリポソー
    ム膜溶解が生じ、放出される標識物質を定量することに
    より、試料中の抗原または抗体量を測定することを特徴
    とするHBs抗体測定法。
  3. 【請求項3】 リポソームの膜上で生じる抗原- 抗体反
    応にともなうリポソーム膜溶解が補体の活性化によるも
    のである請求項2記載のHBs抗体測定法。
JP8387592A 1992-04-06 1992-04-06 HBs抗体測定試薬 Pending JPH05281232A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8387592A JPH05281232A (ja) 1992-04-06 1992-04-06 HBs抗体測定試薬

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8387592A JPH05281232A (ja) 1992-04-06 1992-04-06 HBs抗体測定試薬

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05281232A true JPH05281232A (ja) 1993-10-29

Family

ID=13814836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8387592A Pending JPH05281232A (ja) 1992-04-06 1992-04-06 HBs抗体測定試薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05281232A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009532167A (ja) * 2006-04-03 2009-09-10 ギブン イメージング リミテッド 生体内分析のための装置、システムおよび方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009532167A (ja) * 2006-04-03 2009-09-10 ギブン イメージング リミテッド 生体内分析のための装置、システムおよび方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4704355A (en) Assay utilizing ATP encapsulated within liposome particles
AU551950B2 (en) Immunoassay products and methods
JPH05281232A (ja) HBs抗体測定試薬
JP2577930B2 (ja) 抗ストレプトリジンoの新規測定法
JPH05281233A (ja) 免疫測定試薬
Orellana et al. Europium chelate-loaded liposomes: a tool for the study of binding and integrity of liposomes
JPS63158461A (ja) 免疫分析用試薬
JPS60159652A (ja) 免疫分析用試薬
JPH06160390A (ja) 免疫測定法
JP3654732B2 (ja) 免疫測定法
JPH06130061A (ja) 免疫測定試薬および免疫測定法
JPH08211062A (ja) 免疫測定用試薬及び免疫測定方法
JPH06130057A (ja) 免疫測定試薬および免疫測定法
JPH05142230A (ja) Hcv抗体測定試薬
JP2652881B2 (ja) 免疫分析方法
JP4250704B2 (ja) 乾式免疫測定試薬
JPH01155271A (ja) 補体活性測定用試薬
WO1987004795A1 (en) Immunoliposome assay - methods and products
JP2003149246A (ja) 物質の検出法
JPS63179253A (ja) 免疫分析用試薬
JPH06160391A (ja) 免疫分析法
JP2668403B2 (ja) Atl抗体測定試薬
JPS63151859A (ja) 免疫分析用試薬の製造方法
JPS63293470A (ja) 補体価測定用試薬およびこれを用いた補体価測定法
JP2717711B2 (ja) 免疫測定試薬