JPH06160392A - 免疫測定試薬および免疫測定法 - Google Patents

免疫測定試薬および免疫測定法

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JPH06160392A
JPH06160392A JP30543792A JP30543792A JPH06160392A JP H06160392 A JPH06160392 A JP H06160392A JP 30543792 A JP30543792 A JP 30543792A JP 30543792 A JP30543792 A JP 30543792A JP H06160392 A JPH06160392 A JP H06160392A
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liposome
antibody
antigen
film
ribosome
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JP30543792A
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Kanji Tomioka
寛治 冨岡
Masaaki Kishimura
昌明 岸村
Hideki Fukuda
秀樹 福田
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Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 リン脂質および糖脂質のうち少なくともいず
れか一方を主要構成成分とするリポソームと、このリポ
ソーム中に封入された標識物質と、前記リポソームに固
定化された抗体、抗原もしくは化学物質またはそれらの
一部分とからなる免疫測定用試薬であって、リポソーム
が直径 100nm以下の一枚膜リポソームであることを特徴
とする免疫測定試薬である。 【効果】 均相系で抗原あるいは抗体の定量分析が高い
検出感度で精度よく行なえる。それゆえ、簡単の操作
で、高感度、正確、安価かつ短時間に被検体中の抗体
(または抗原または補体)を測定することができ、しか
もその自動化が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料中に存在する特定
の抗原、抗体または補体を定量分析するための免疫測定
試薬および測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】試料中の特定の抗原または抗体の定量分
析方法には、交差免疫電気泳動法(CIE)、二次元免
疫拡散法(MO)、受身赤血球凝集反応(PHA)、免
疫粘着赤血球凝集反応(IAHA)、酵素免疫測定法
(EIA)、固相放射免疫測定法(RIA)などが知ら
れている。現在では、主に酵素免疫測定法(EIA)が
用いられている。
【0003】このうち、CIEおよびMOは測定時間が
長く、感度も低い。また、PHAおよびIAHAは安定
した抗原被膜赤血球を用意することが困難であり、試薬
価格も高く定量はコントロールを比較として段階的にし
か決めることができない。さらに、EIAおよびRIA
は感度の高い点ではMOの5,000 〜50,000倍にもなる
が、試薬価格が高く、測定に数日かかるという欠点を有
している。
【0004】これらの問題を解決すべく、先に特開昭63
-309864 号公報に示されるように、表面に親水性の抗体
または抗原を固定化し、内部に親水性の標識物質(たと
えば蛍光物質)を封入したリポソーム試薬を用いた測定
法を開示した。この方法は、LILA(リポソームイム
ノライシスアッセイ;ジャーナル オブ イムノロジカ
ル メソッド、75巻 351〜360 頁、1984年)と称され、
前記リポソーム試薬はリン脂質および糖脂質のうち少な
くともいずれか一方を主成分とするものが用いられてい
る。このLILAは以下のようなものである。すなわ
ち、抗原、抗体または補体が存在する試料中に前記リポ
ソーム試薬を加え、これと別に補体を加えると(補体を
測定するばあいは不要)、抗原−抗体反応およびそれに
伴う補体の活性化が起こり、補体の膜障害作用によって
リポソームが破壊され、封入されていた標識物質が流出
する。この流出した標識物質の量と、試料中の被検物質
(抗体、抗原または補体)との間には相関関係があるの
で、流出した標識物質を所定の分析方法(たとえば蛍光
分析)によって定量することにより、被検物質を定量す
ることができる。したがってこのLILAによれば前記
の問題は解決される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、LILA法を
用いて被検試料中、とくに血清試料中の特定の微量成分
を免疫分析するばあい、微量であることから非常に高い
検出感度が要求される。
【0006】本発明は以上のような問題に鑑みなされた
ものであり、被検物質の極めて高い精度を有する免疫測
定用試薬を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、リン脂質およ
び糖脂質のうち少なくともいずれか一方を主要構成成分
とするリポソームと、このリポソーム中に封入された標
識物質と、前記リポソームに固定化された抗体、抗原も
しくは化学物質またはそれらの一部分とからなる免疫測
定用試薬であって、リポソームが直径 100nm以下の一枚
膜リポソームであることを特徴とする免疫測定試薬に関
する。また、本発明は、前記免疫測定試薬を用い、前記
リポソームの膜上で生じる抗原−抗体反応にともないリ
ポソーム膜溶解が生じて放出される標識物質を定量する
ことにより、試料中の抗原、または抗体量を測定するこ
とを特徴とする免疫測定法に関する。
【0008】
【実施例】本発明において、リポソームはリン脂質また
は糖脂質を主要構成成分とするものであれば、従来使用
されている何れのものでもよい。このようなリン脂質と
しては、動物や微生物などの細胞膜に広く存在するリン
脂質、たとえばホスファチジルエタノールアミン類、ホ
スファチジルコリン類、ホスファチジルセリン類、スフ
ィンゴミエリン類などの各種リン脂質があげられる。も
ちろん、天然の卵黄、牛脳や大豆などからえられるホス
ファチジルコリンも適用できる。また、古細菌に属する
好熱性菌脂質の天然の抽出物または人工合成物も適用で
きる。
【0009】このようなリン脂質中の脂肪酸の種類には
各種の飽和または不飽和脂肪酸が含まれる。たとえばホ
スファチジルコリンについてあげれば、ジヘプタノイル
ホスファチジルコリン、ジカプロイルホスファチジルコ
リン、ジデカノイルホスファチジルコリン、ジラウロイ
ルホスファチジルコリン、ジヘプタデカノイルホスファ
チジルコリン、ジベヘノイルホスファチジルコリン、ジ
ミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホ
スファチジルコリンなどがあげられ、前述のその他のリ
ン脂質にも同様に各種飽和および不飽和脂肪酸が含まれ
る。なお、炭素鎖がグリセロール部にエステル結合する
リン脂質のばあいには必要に応じて脂質に対してコレス
テロールを適量たとえば10ないし500 モル%を加えるこ
とによって安定なリポソームをえることができる。
【0010】リポソームの形状には、多重層リポソーム
(multilamellar vesicle 、以下、MLVと略す)、小
さな一枚膜リポソーム(small unilamellar vesicle 、
以下、SUVと略す)、大きな一枚膜リポソーム(larg
e unilamellar vesicle 以下、LUVと略す)がある
が、本発明の免疫測定試薬において、リポソームは小さ
な一枚膜リポソームである。
【0011】リポソームの直径は 100nm以下、好ましく
は80nm以下である。直径が 100nmより大きいばあいに
は、膜損傷反応時に充分な標識物質の放出がえられず、
測定の感度が不充分となる。
【0012】リポソーム内に封入される標識物質は、リ
ポソーム外に放出された際に定量可能な物質でなければ
ならない。かかる物質としては、たとえば、ラジオイム
ノアッセイでも用いられる 125Iや 131Iなどの放射性
同位元素;低濃度域(10-3M以下)でも非常に強い蛍光
を発するカルボキシフルオレセイン、フルオレセインイ
ソチオシアネートのような蛍光性化合物;リポソーム外
での酸化反応により発光するルミノールやルシフェリン
のような発光性化合物;可視部あるいは紫外部に特異的
な吸収帯を有する吸光性化合物(水溶性色素など);酸
化酵素の作用により分解され酸素消費あるいは過酸化水
素生成をもたらすグルコースおよびシュークロースなど
の糖類;テトラペンチルアンモニウムのような比較的大
きなイオン性化合物;カルシウムイオンなどの金属;ニ
コチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)のよう
な補酵素類;メチルピオロゲンを初めとするラジカル化
合物;酵素免疫測定法などで用いられるβ−ガラクトシ
ダーゼ、ペルオキシダーゼなどの酵素類などが好まし
い。標識物質としてカルシウムイオンを用いたばあいに
はカルシウム依存性酵素(カルバイン、プロテインキナ
ーゼC、トランスグルタミラーゼなど)を、酵素を用い
たばあいには基質(前述の酵素に対する基質としては、
それぞれ、4−メチルウムベリフェリルβ−D−ガラク
トシド、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸があげら
れる)を、リポソーム破壊によりこれらの物質が流出し
た際に用いる必要がある。
【0013】リポソーム上に感作させる抗原または抗体
は被検目的に応じて適宜選択される。たとえば、Ant
i−HBsAb、Anti−HBcAb、Anti−H
CVAb、Anti−HIVAb、ヒューマン・Tセル
・ロイケミア・ウイルス−I型(HTLV−I)、ヒュ
ーマン・Tセル・ロイケミア・ウイルス−III型(H
TLV−III)などのウイルス関連の抗体やそれらに
対する抗原や血中の各種ホルモンやIgGなどの血漿タ
ンパク質、さらにはハプテンなどの抗原となりうる化学
物質などがあげられる。
【0014】抗原または抗体のリポソームへの結合は、
公知の方法に従えばよい。たとえば、レスルマン(Lesrm
an) らの方法(ネイチャー(Nature)、 288、 604〜 60
6、1980)、マルチン(Martin)らの方法(バイオケミス
トリー(Biochemistry)、20、4229〜4238、1981)などの
より行なわれる。
【0015】本発明で用いられる化学物質とは補体系第
2経路を活性化する物質であり、たとえば酵母細胞壁多
糖類であるザイモザン(zymosan) 、ストレプトコッカス
ミュータンス(Streptococcus mutans)の産生するムタ
ン(mutan) 、ダリヤやキクイモ類の根塊に由来するイヌ
リン(inulin)などの種々の多糖類や、グラム陰性細菌細
胞壁のリポ多糖類(LPS、endotoxin)、コブラ毒因子(Co
F) 、グラム陽性陰性を問わず多くの細菌の表面構成物
質、ある種の動物細胞表面構成物質、種々の抗体あるい
はγ−グロブリンまたはこれらを含む免疫複合体、トリ
ニトロフェニル(trinitrophenyl)基やジニトロフェニル
(dinitrophenyl) 基などのハプテン基、マレイミド基な
ど補体系第2経路を活性化しリポソーム表面上に固定化
されうるものであればとくに限定されない。
【0016】本発明の免疫測定試薬は、たとえば次の方
法で製造される。
【0017】まずリン脂質または糖脂質をフラスコに入
れ、溶媒を加えて反応させたのち、溶媒を留去し、吸引
乾燥する。しかるのちに、壁面に薄膜が形成されたフラ
スコ内に所定の標識物質の水溶液を加え、密栓をして振
盪し、標識物質封入リポソームをえる。さらに、このリ
ポソームにSUVの形状とする操作を加える。
【0018】一方、抗原、抗体もしくは化学物質または
それらの部分と架橋剤とを緩衝液中で反応させて架橋剤
を導入し、しかるのち、必要であれば、架橋基を還元す
る試薬(たとえばジチオスレイトール:DTT)と反応
させて、修飾抗原、修飾抗体もしくは修飾化学物質また
はそれらの部分の修飾物をえる。抗体のFab´フラグ
メントを用いるばあいには架橋剤を用いなくても(Fa
b´)2 フラグメントを還元すれば修飾抗体Fab´フ
ラグメントがえられる。
【0019】最後に、標識物質封入リポソームと修飾抗
原、修飾抗体または修飾化学物質とを緩衝液中で反応せ
しめることにより、本発明の免疫測定試薬である抗原、
抗体または化学物質感作リポソームがえられる。かかる
免疫測定試薬は、通常、標識物質を内包し、表面に固定
化された抗原、抗体もしくは化学物質またはそれらの一
部分を担持した小さな一枚膜リポソームとしてえられ
る。
【0020】前記製造法における架橋剤としては、たと
えばN−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)
プロピオネート(SPDP)、N−スクシンイミジル4
−(p−マレイミドフェニル)ブチレート(SMP
B)、N−スクシンイミジル4−(p−マレイミドフェ
ニル)アセテート(SMPA)、N−スクシンイミジル
4−(p−マレイミドフェニル)プロピオネート(SM
PP)、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スクシ
ンイミド(GMBS)、N−(ε−マレイミドカプロイ
ルオキシ)スクシンイミド(EMCS)、グルタルアル
デヒド、テレフタルアルデヒドなどのジアルデヒドなど
があげられる。
【0021】このようにして調製した免疫測定試薬を用
いて、被検体中の抗体、抗原または補体を測定するに
は、被検体中にその試薬および補体(補体測定のばあい
には不要)(抗原を測定するばあいには、さらに第二抗
体)を加え、抗原−抗体と補体との結合反応を引き起こ
させる。すると、かかる反応量に比例して、リポソーム
内から標識物質が放出されてくる。ついで、この標識物
質に応じた分析方法(たとえば、標識物質が蛍光物質で
あれば、蛍光分析法)により定量を行ない、たとえば、
予め作成した検量線により、試料中の抗体、抗原または
補体の量を測定することができる。
【0022】この測定操作に置いて使用する補体は、と
くに限定されないが、通常、モルモット血清が用いられ
る。しかし、ウサギ、マウス、ヒトなどの血清を使用し
てもよい。
【0023】つぎに本発明を実施例をあげて説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
【0024】実施例1 本実施例では、ウマチトクロムC(シグマ社製)(以
下、チトクロムCと記す)を感作したリポソームを調製
し、それを用いてウサギ抗ウマチトクロムC抗体(以
下、抗チトクロムC抗体と記す)の測定を行なった。用
いた試薬は精製せずに使用した。水は蒸留水を用いた。
抗チトクロムC抗体は、前記チトクロムCをウサギに免
疫してえられた血清をアフィニティー精製したものを用
いた。
【0025】(1)リポソーム(MLV)の調製 N−スクシンイミジル−4−(p−マレイミドフェニ
ル)ブチレート(SMPB)28.1μmol とジパルミトイ
ルフォスファチジルエタノールアミン(DPPE)20μ
mol をクロロホルム4.5ml と無水メタノール0.5ml との
混液に溶解した。これにトリエチルアミン20μmol を添
加し、窒素封入下室温で2時間攪拌し反応させた。反応
終了後、メタノール3.5ml 、蒸留水2mlを加え、よく振
盪した。これを静置し、クロロホルム相をとり、溶媒を
蒸発させたのち、約5mlのクロロホルムを添加し溶解し
た。この溶液を、150 ℃で12時間以上乾燥させクロロホ
ルムで平衡化した10ml容量のシリカゲル(Wakogel C−
100、和光純薬工業(株)製)カラムに負荷し、クロ
ロホルム−メタノール(20:1、v/v)40〜50mlで洗
浄した。クロロホルム−メタノール(5:1、v/v)
により溶出する画分を集め、溶媒を蒸発させたのち、新
たに5mlのクロロホルムに溶解した。以上の操作によ
り、N−(4−(p−マレイミドフェニル)ブチリル)
ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(MP
B−DPPE)を調製した。
【0026】100ml ナス型フラスコに、ジパルミトイル
ホスファチジルコリン(DPPC)75μmol 、コレステ
ロール75μmol 、リン酸ジセチル(DCP)7.5 μmol
、MPB−DPPE7.5 μmol をとり、約10mlのクロ
ロホルムに溶解し、42℃以上の水溶液中にてロータリー
エバポレーターで溶媒を除去したのち、残った脂質薄膜
に、標識物質水溶液として自己消光性の蛍光物質である
0.2 Mカルボキシフルオレセイン(CF)15mlを加えて
ボルテックス(Vortex)ミキサーで10分間振盪撹拌しM
LVを調製した。ついで、リポソームに封入されなかっ
たCFを除去するためバイオゲルA−15m(Medi
um)(商品名、バイオラッド社製)カラムにてクロマ
ト分離し、反応性リポソーム(MLV)をえた。
【0027】(2)リポソーム(LUV)の調製 (1)でえたMLVを、メイヤーらの方法(バイオキミ
カ エト バイオフィジカ アクタ858 巻 161〜 168ペ
ージ、1986年)にしたがい、直径サイズ 200nmのLUV
をえた。ついで破損リポソームによるCFを除去するた
めバイオゲルA−15m(Medium)(商品名、バ
イオラッド社製)カラムにてクロマト分離し、反応性リ
ポソーム(LUV)をえた。
【0028】(3)リポソーム(SUV)の調製 (1)でえたMLVを、15分間プローブ型超音波発振装
置((株)日本精機製作所製、US−300)で超音波
処理( 130W)することによって均一化したSUVにし
た。ついで破損リポソームによるCFを除去するためバ
イオゲルA−15m(Medium)(商品名、バイオ
ラッド社製)カラムにてクロマト分離し、反応性リポソ
ーム(SUV)をえた。NICOMP370粒度分析計
(商品名、ナイコンプ社製)による測定直径サイズは67
nmであった。
【0029】(4)チトクロムCのリポソームへの感作 0.5mg /mlのチトクロムCリン酸緩衝生理食塩水溶液1.
5ml に40mM N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジ
ルジチオ)プロピオネイト(SPDP)エタノール溶液
を0.0323ml加え、室温で10分間攪拌し反応させた。未反
応のSPDPを除くために、20mM MES緩衝液(0.15
M NaCl含有、pH6.0 )で平衡化したエコノパッ
クP6カートリッジ(商品名、バイオラッド社製)カラ
ムでクロマト分離した。最初のピーク部分を集め、これ
に100mM になるようにジチオスライトール(DTT)を
固体のまま加えて溶解し、窒素封入下室温で30分間放置
した。反応終了後リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(p
H7.4 )で平衡化したエコノパックP6カートリッジカ
ラムでクロマト分離し、最初のピーク部分を集めた。以
上の操作によりSPDPを通じてチトクロムCにSH基
を導入し、SH基導入チトクロムCを調製した。
【0030】つぎに、前記操作(1)、(2)、(3)
でえた反応性リポソームと前記操作でえたSH基導入チ
トクロムCを1:1(v/v)の割合で混合し、窒素封
入下4℃で24時間放置し反応させたのち、リポソームに
結合しなかった抗原を除くためバイオゲルA−15m
(Medium)カラムでクロマト分離し、それぞれの
抗原固定化リポソーム(MLV、LUV、SUV)をえ
た。
【0031】(5)抗チトクロムC抗体の測定 前記のそれぞれの抗原固定化リポソームを、その初期蛍
光強度が適当なものとなるように、0.5mM MgCl2
よび0.15mM CaCl2 を含有したゼラチンベロナール
緩衝液(GVB2+)で100 倍程度に希釈したもの25μl
に、抗チトクロムC抗体を含む緩衝液を倍々希釈したも
のを25μl加え37℃で10分間放置して反応させた。その
後、6CH50/mlに希釈したモルモット全補体(石津製
薬社製)50μl加え、37℃で60分間放置して反応させた
のち、各試料の蛍光強度をマイクロプレート用蛍光光度
計MTP−32(コロナ社)で測定した(励起波長490n
m、蛍光波長520nm )。なお、測定値は、測定終了後測
定試料に1%−トライトンX−100を100 μl加えリ
ポソームを完全に破壊したのちの蛍光強度を2倍したも
のと、抗チトクロムC抗体緩衝液の代わりにGVB2+
25μl添加したものの差を100 %として、各被検試料の
蛍光強度を相対的に換算したものを標識物質遊離率
(%)とした。結果を、図1に示す。MLV、LUVを
使用した測定では飽和標識物質遊離率が 100%まで上が
らず、充分な感度がえられていないことがわかる。
【0032】実施例2 正常人35名から採血、プールした血清試料(標準血清)
に、1000μg/ml、0μg/ml、となるように抗チトク
ロムC抗体(実施例1と同じ)を添加し、GVB2+で10
倍希釈した血清を試料として、前記のそれぞれのチトク
ロムC結合リポソームにより免疫測定を行なった。リポ
ソームの標識物質遊離率差(Δ%)は表1に示した。こ
の標識物質遊離率差は陽性血清(抗体を含む血清)の標
識物質遊離率から陰性血清(抗体を含まない血清)の標
識物質遊離率を引いた値であり抗体陽性または陰性の判
定を行なうもので大きいほど正確な判定を与えることが
できる。
【0033】測定結果を、表1に示す。SUVを使用し
たときのみ標識物質遊離率差が有意な値としてえられる
ことがわかる。それゆえ、免疫測定試薬として用いるリ
ポソームの形状はSVUがすぐれていることがわかる。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】従来、免疫測定試薬として用いられるリ
ポソームの形状は、その製造上および固定化操作の簡便
性からMLVやLUVが用いられることが多かった。従
来の免疫測定試薬の感度が充分なものでなかったの
は、、MLVでは、多重層の間に標識物質がサンドイッ
チされ膜損傷が起ったときに必ずしも 100%の標識物質
が放出されることはなく、バックグラウンドが高いか
ら、およびLUVでは一枚膜であるにも関わらずリポソ
ームの曲率が緩やかであるため、膜損傷反応時に必ずし
も 100%の標識物質が放出されないからであると考えら
れる。もし、膜損傷反応時に 100%の標識物質が放出さ
れなければ、免疫分析試薬の感度を著しく下げることに
なり都合が悪く、とくに、血清中の被検物質を測定する
ときには、血清中に補体をはじめとする種々の非特異膜
損傷をおこす成分が存在し充分なS/N比がえられな
い。
【0036】本発明の免疫測定試薬は、直径 100nm以下
のSUVであり、小さい一枚膜のリポソームの曲率がス
トレスがかかっているため、膜損傷反応時にほぼ 100%
の標識物質遊離がえられ前記のような問題は起らない。
【0037】すなわち、上述のように、本発明の免疫測
定試薬を用いることにより、均相系で抗原あるいは抗体
の定量分析が高い検出感度で精度よく行なえる。それゆ
え、簡単の操作で、高感度、正確、安価かつ短時間に被
検体中の抗体(または抗原または補体)を測定すること
ができ、しかもその自動化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】チロクロムC固定化リポソームを用いて抗チト
クロムC抗体測定を行なったばあいにおける抗チトクロ
ムC抗体の濃度と標識物質遊離率との関係を表す特性図
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン脂質および糖脂質のうち少なくとも
    いずれか一方を主要構成成分とするリポソームと、この
    リポソーム中に封入された標識物質と、前記リポソーム
    に固定化された抗体、抗原もしくは化学物質またはそれ
    らの一部分とからなる免疫測定用試薬であって、リポソ
    ームが直径 100nm以下の一枚膜リポソームであることを
    特徴とする免疫測定試薬。
  2. 【請求項2】 リン脂質および糖脂質のうち少なくとも
    いずれか一方を主要構成成分とするリポソームと、この
    リポソーム中に封入された標識物質と、前記リポソーム
    に固定化された抗体、抗原もしくは化学物質またはそれ
    らの一部分とからなる免疫測定用試薬であって、リポソ
    ームが直径 100nm以下の一枚膜リポソームである免疫測
    定試薬を用い、前記リポソームの膜上で生じる抗原−抗
    体反応にともないリポソーム膜溶解が生じて放出される
    標識物質を定量することにより、試料中の抗原、または
    抗体量を測定することを特徴とする免疫測定法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011515656A (ja) * 2008-02-14 2011-05-19 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 微生物を検出する方法及び組成物
CN103197066A (zh) * 2013-03-07 2013-07-10 美国纳米材料创新有限公司 一种免疫脂质体生物芯片、其制备方法及其在生物检测中的应用

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