JP2011515656A - 微生物を検出する方法及び組成物 - Google Patents

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Abstract

対象となる標的微生物のサンプルを分析する方法が記載される。特に、該方法は、ザイモサンなどの偏在する細胞壁構成成分の存在に基づいて様々な酵母及びカビ微生物を検出するのに有用である。リポソーム及び/又は培養基を使用して真菌微生物のサンプルを分析する方法も記載される。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年2月14日に出願された米国仮出願第61/028,898号の利益を主張するものであり、該仮出願は、参照により本明細書に組み込まれている。
真菌微生物(例えば、酵母及びカビ)は自然界に偏在している。これらは抗生物質又は酵素製造などの一部の分野においては有用であり得るが、真菌微生物(例えば、酵母及びカビ)は食品の損傷の原因となることが知られており、特定の種は、毒素を作り出す、又はヒト若しくは動物の感染の原因になることが知られている。
真菌微生物は、非常に大きく且つ多種多様な有機栄養種を含む。約1500種の酵母が存在する。ほとんどの酵母種は単細胞生物として存在し、出芽によって増殖する。多細胞形態で存在する種もあれば、二分裂で増殖する種もある。カビには、長い多細胞菌糸を形成することができる糸状菌が挙げられる。カビは、典型的には極端に高い、あるいは低い温度等のいくつもの悪い環境条件に耐性がある小胞子を形成して増殖する。
真菌微生物の存在は、典型的には、標準的な培養技術で検出される。サンプルを培養液の中に置き、微生物の増殖が可能な期間培養する。培養後、コロニーが目に見える場合があり、又は、別の方法としては、微生物を観察しかつ同定するために、サンプルを顕微鏡的に見ることができる。成長ベースの培養試験は、依然として、真菌微生物を検出及び計数するための最も一般的な方法である。
真菌微生物は様々な速度で成長する。ある酵母種は約30〜40分間隔で細胞分裂することができる。これら酵母生物は、約1〜2日で検出及び計数することができる。これに対して、あるカビはそれぞれの細胞分裂に数時間を要する。これらのカビは、4〜5日後に検出及び計数することができる。
真菌微生物を検出及び計数するために現在利用可能である方法は多く存在するが、真菌微生物を検出及び計数するための、より速く、より高感度な方法に対する必要性が存在する。
本開示は、サンプル中の酵母及び/又はカビ微生物の検出及び、任意に、計数に関する。真菌微生物の遺伝的多様性及び生化学的多様性にかかわらず、本発明の方法及び組成物は、サンプル中の様々な酵母及びカビ微生物の簡単で且つ同時検出の手だてとなっている。
一態様において、本開示は、標的微生物又はその構成要素を検出するための方法を提供する。該方法は、認識要素、及び標的微生物を含有している疑いのあるサンプル、を用意する工程を含み、この認識要素はザイモサンに選択的に結合する。該方法は、サンプルと認識要素との間の接触をもたらす工程と、標的微生物を検出する工程と、を更に含む。任意に、該方法は、培養デバイスの中に培養液を用意する工程と、少なくとも1つの細胞分裂が可能な条件下でサンプルを培養する工程と、を更に含に含んでもよい。
別の態様において、本開示は、標的微生物又はその構成要素を検出するための方法を提供する。該方法は、ザイモサンに選択的に結合する認識要素、検出可能なシグナルを生成するシグナリング要素、及び標的微生物を含有している疑いのあるサンプルを用意する工程を含むことができる。シグナリング要素は連結部分を含むことができる。該方法は、サンプルと認識要素との間の接触をもたらす工程と、検出可能なシグナルを検出する工程と、を更に含むことができる。任意に、該方法は、培養デバイスの中に培養液を用意する工程と、少なくとも1つの細胞分裂が可能な条件下でサンプルを培養する工程と、を更に含んでもよい。
別の態様において、本開示は、標的微生物又はその構成要素を検出する方法を提供する。該方法は、認識要素、検出可能なシグナルを生成するシグナリング要素、及び標的微生物を含有している疑いのあるサンプルを用意する工程を含むことができる。認識要素はシグナリング要素に連結されることができ、かつ、ザイモサンに選択的に結合することができる。該方法は、サンプルと認識要素との間に接触をもらす工程と、検出可能なシグナルを検出する工程と、を更に含むことができる。任意に、該方法は、培養デバイスの中に培養液を用意する工程と、少なくとも1つの細胞分裂が可能な条件下でサンプルを培養する工程と、を更に含んでもよい。
別の態様において、本開示は、標的微生物又はその構成要素を検出するための方法を提供する。該方法は、脂質二重層と検出可能なシグナルを生成するシグナリング要素とを含む脂質小胞、細胞壁構成成分に選択的に結合する認識要素、及び標的微生物を含有している疑いのあるサンプル、を用意する工程を含むことができる。該方法は、脂質小胞と、存在する場合には、標的微生物との結合を引き起こすのに有効な条件下で、認識要素、及び脂質小胞を、サンプルと接触させる工程と、検出可能なシグナルを検出する工程と、を更に含むことができる。任意に、該方法は、培養デバイスの中に培養液を提供する工程と、少なくとも1つの細胞分裂が可能な条件下でサンプルを培養する工程と、を更に含に含んでもよい。
別の態様において、本開示は、標的微生物を検出するための組成物を提供する。該組成物は、ザイモサンに選択的に結合することができる捕捉剤と、検出可能なシグナルを生成するシグナリング要素と、を含むことができる。
用語「検体」及び「抗原」は、交換可能に使用され、対象となる微生物(即ち、病原菌)に特徴的な種々の分子(例えば、ザイモサン)、若しくは分子のエピトープ(例えば、ザイモサンの異なる結合部位)、又は微生物の全細胞を指す。これらは、細胞壁の構成要素(例えば、細胞壁タンパク質)、外部細胞壁構成成分(例えば、マンナン、キチン又はザイモサン)、内部細胞構成要素(例えば、細胞質膜タンパク質)等を含む。
用語「好ましい」及び「好ましくは」は、特定の状況下で、特定の利点をもたらし得る本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ又は他の状況下において、他の実施形態もまた好ましい可能性がある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の詳細説明は、他の実施形態が有用でないことを示すものではなく、本発明の範囲内から他の実施形態を排除することを意図するものではない。
用語「有する(含む)」及びこの変形は、これらの用語が明細書及び特許請求の範囲中に現れる場合、制限する意味を有さない。
本明細書で使用するとき、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」は、同じ意味で使用される。したがって、1つの(a)標的微生物を含有している疑いのあるサンプルは、サンプルが「1つ以上の」標的微生物を含んでいる可能性があるということを意味すると解釈することができる。
用語「及び/又は」は、列記されている要素の1つ若しくはすべて、又は列記されている要素の2つ以上の組み合わせを意味する。
また本明細書において、端点による数の範囲の列挙には、その範囲内に包含される全ての数(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等)が包含される。
本発明の上記の「課題を解決するための手段」は、本発明が開示するそれぞれの実施形態又は全ての実施例を説明することを意図したものではない。以下の説明により、例示的な実施形態をより具体的に例示する。本明細書にわたっていくつかの箇所で、実施例の一覧を通してガイダンスを提供するが、実施例は様々な組み合わせにおいて使用できる。それぞれの事例において、列挙された一覧は、代表的な群としてのみ役目を果たすのであって、排他的な一覧として解釈されるべきではない。
本発明は、以下に列挙される図面を参照して更に説明され、類似構造は、いくつかの図にわたって、類似番号によって参照される。
本発明の一実施形態による、シグナリング要素と標的微生物との間の結合相互作用を示している。 本発明の一実施形態による、標的微生物と、認識要素と、標識した第2の認識要素との間の結合相互作用を示している。 本発明の一実施形態による、標的微生物と、ビオチンで標識した認識要素と、ストレプトアビジンで標識したシグナリング要素との間の結合相互作用を示している。 本発明の一実施形態による、支持材料に付着している捕捉剤と、細胞壁構成成分と、ビオチンで標識した認識要素と、ストレプトアビジン(streptaidin)で標識したシグナリング要素との間の結合相互作用を示している。 本発明の一実施形態による、標的微生物と、ビオチンで標識した認識要素と、潜在シグナリング要素を含有するビオチンで標識した脂質小胞との間の結合相互作用を示している。 図4aの潜在シグナリング要素の活性化を示している。 本発明の一実施形態による、標的微生物、ビオチンで標識した認識要素、ストレプトアビジン、及び潜在シグナリング要素を含有するビオチンで標識した脂質小胞の結合相互作用を示している。 図5aの潜在シグナリング要素の活性化を示している。 本発明の一実施形態による、支持材料に付着している捕捉剤、細胞壁構成成分、ビオチンで標識した認識要素、ストレプトアビジン、及び潜在シグナリング要素を含有するビオチンで標識した脂質小胞の結合相互作用を示している。 図6aの潜在シグナリング要素の活性化を示している。 サンプル中の標的微生物を検出するために捕捉剤を使用する方法のブロック図。 サンプル中の標的微生物の検出方法のブロック図。 サンプル中の標的微生物を検出するために増殖段階を用いる方法のブロック図。
酵母及びカビ微生物の多様性は、これらの群内のほとんど又は全ての種を検出するための迅速な方法を開発しようと試みる場合の課題を提示する。多様性は、真菌微生物のゲノム及びプロテオームの違いに見ることができる。多様性は、従来の培養基上の微生物の比較的広範囲にわたる増殖速度にも反映される。
本開示は、多種多様な酵母及びカビ微生物を迅速に検出するための方法及び組成物に関する。該方法は、多数の多様性のある真菌微生物に存在する検体(例えば、細胞壁構成成分)に選択的に結合して、微生物を検出するためにシグナリング要素を送達する認識要素の使用を含む。多くの真菌微生物の細胞壁に見られるグルカンであるザイモサンは、酵母及びカビ微生物を検出するために好ましい検体である。
菌類の細胞壁マトリックスの主な多糖類は、ザイモサン及びグリコーゲン様化合物などの非セルロースグルカン、マンナン(マンノースのポリマー)、キトサン(グルコサミンのポリマー)、並びにガラクタン(ガラクトースのポリマー)で構成される。少量のフコース、ラムノース、キシロース、及びウロン酸が存在してもよい。
多くの菌類、特に酵母は、可溶性ペプチドマンナンを、α−及びβ−グルカンのマトリックス内の外側細胞壁の構成要素として有する。マンナン、ガラクトマンナン、及び、それほど多くはないが、ラムノマンナン(rhamnomannans)は、多くの医学的に重要な酵母及びカビに対する免疫応答に関与している。マンナンは、α−D−マンナン主鎖を有するマンノース又はヘテログルカンのポリマーである。構造上、マンナンは、内核、外鎖、及び塩基反応性オリゴマンノシドで構成される。
微生物を検出するために使用するシグナリング要素は、顕在シグナリング要素と潜在シグナリング要素の2つの主要な種類に分類される。顕在シグナリング要素は、蛍光等の多くの手段のうちの少なくとも1つによって容易に検出可能な分子又は組成物である。顕在シグナリング要素の非限定的な例には、染料(例えば、蛍光染料)、粒子(例えば、任意に染料で標識されていてもよい磁性、ポリマー、又は金粒子)、ポリペプチド(例えば、酵素、又はGFP若しくはYFPなどの蛍光タンパク質)、及び、検出可能な部分(例えば、フルオレセイン)で標識されることができ、認識要素(例えば、抗体)に付着させることができるその他の化学基(例えば、ポリオキシアルキレン)が挙げられる。シグナリング要素の認識要素への付着は、認識要素とその対応する結合パートナーとの間の相互作用を妨げないのが好ましい。
潜在シグナリング要素は、シグナリング要素が検出可能になる程度まで隔離又は遮蔽が低下されるまでは容易に検出できないように隔離された又は遮蔽された、分子又は組成物である。潜在シグナリング要素の非限定的な例には、脂質小胞内に隔離された酵素、酵素基質、染料、及び/又は蛍光分子が挙げられる。酵素を対応する基質から隔離することによって、発色性又は蛍光発生反応を防止する。蛍光分子は、蛍光消光を促進するのに十分な高濃度で脂質小胞の中にパッケージ化されてもよい。あるいは、蛍光分子は消光剤と共に脂質小胞の中にパッケージ化されてもよい。脂質小胞が破壊すると、蛍光分子及び/又は消光剤の濃度は消光効果を克服するのに十分な程度に希釈され得るので、検出可能な程度に蛍光になる。
図1は、認識要素に直接付着される顕在シグナリング要素を使用する、標的微生物を検出するための方法の一実施形態を示す。この実施形態では、検体122(例えば、ザイモサン)を含む標的微生物120を含有するサンプルを、検体122に選択的に結合する認識要素130(例えば、抗体)と混合する。認識要素130は、認識要素130に直接付着されるシグナリング要素140(例えば、蛍光染料)を更に含む。小分子(例えば、ビオチン若しくは蛍光染料)又はポリペプチド(例えば、酵素)を抗体に付着させる様々な方法が当該技術分野において既知であり、例えば、(「Antibodies,A Laboratory Manual」;E,Harlow and D.Lane,eds.;1988;Cold Spring Harbor Laboratory Press;Cold Spring harbor,NY)を参照されたい。フルオレセインイソチオシアネート(FITC)は、認識要素に直接付着させることができる蛍光シグナリング要素の一例である。
図1には任意の支持材料115も示されている。本発明の方法では、標的微生物120は液相中に自由に懸濁させることができ、あるいは、支持材料115に付着させることができる。支持材料115の非限定的な例には、プラスチックフィルム、粒子、若しくは基質(例えば、マイクロタイタープレート);ガラスフィルム、粒子、若しくは基質(例えば、ガラスビーズ又はスライドガラス);金属フィルム、粒子、若しくは基質;膜及び/若しくはフィルタ(例えば、ガラス繊維フィルタ、ナイロン又は硝酸セルロース);セラミックス粒子若しくは基質;ヒドロゲル(例えば、アガロース又はポリアクリルアミド);又はこれらの任意の2つ以上の組合せが挙げられる。標的微生物120を支持材料115に固定する多くの方法が当該技術分野において既知である。標的微生物120を固定する非限定的な例には、熱固定、化学的架橋(例えば、グルタルアルデヒドを使用する)、抗体捕捉等が挙げられる。標的微生物120を固定する方法は、認識要素130が検体122に選択的に結合するのを防ぐように、検体122の全てをマスクしない、変質させない、又は破壊しないように選択されるべきである。
図2aは、認識要素に間接的に付着される顕在シグナリング要素を使用する、標的微生物を検出するための方法の実施形態を示す。この実施形態では、検体222(例えば、ザイモサン)を含む標的微生物220を含有するサンプルは、検体222に選択的に結合する認識要素230(例えば、抗体)と混合される。シグナリング要素240で標識される第2の認識要素235(例えば、第2の抗体)は、認識要素230に選択的に結合する。この実施形態では、シグナリング要素240は、酵素基質254を検出可能な酵素生成物256に転換する酵素活性を含む。酵素反応は、例えば、色変化(例えば、光吸収又は反射率)によって、蛍光によって、インピーダンス若しくはコンダクタンスによって、又は発光によってなど、当該技術分野において既知多くの手段によって検出可能であってもよい。上述のように、標的微生物220は液相中に自由に懸濁させることができ、あるいは、支持材料(図示せず)に付着させることができる。
図2bは、認識要素に間接的に付着される顕在シグナリング要素を使用する、標的微生物を検出するための方法の代替実施形態を示す。この実施形態では、検体222(例えば、ザイモサン)を含む標的微生物220を含有するサンプルは、検体222に選択的に結合し、かつビオチン基236を含む認識要素230(例えば、抗体)と混合される。シグナリング要素240で標識されるビオチン結合分子238(例えば、アビジン又はストレプトアビジン)は、ビオチン基236に選択的に結合する。この実施形態では、シグナリング要素240は、酵素基質254を検出可能な酵素生成物256に転換する酵素活性を含む。シグナリング要素240は、リンカー237を介してビオチン結合分子238に付着される。2つのポリペプチドのような様々な分子を連結するために使用されるリンカー237は当該技術分野において既知であり、以下により詳細に説明がなされる。酵素反応は、上記のような多くの手段によって検出可能であり得る。上述のように、標的微生物220は液相中に自由に懸濁させることができ、あるいは、支持材料(図示せず)に付着させることができる。
図3は、サンドイッチ型アッセイにおいて、顕在シグナリング要素を使用して標的微生物を検出するための方法の実施形態を示す。この実施形態では、捕捉剤330a(例えば、ザイモサンに選択的に結合する抗体又は受容体)が支持材料315に付着される。検体322(例えば、ザイモサン)を含有するサンプルは、ビオチン336で標識される認識要素330b(例えば、ザイモサンに選択的に結合する抗体又は受容体)、シグナリング要素352で標識されるビオチン結合分子338(例えば、アビジン又はストレプトアビジン)、及び(支持材料315に付着される)捕捉剤330aと接触して、図3に示される複合体を形成する。この実施形態では、シグナリング要素352は、酵素基質354を検出可能な酵素生成物356に転換する酵素活性を含む。この実施形態及びその他の実施形態では、シグナリング要素352は、任意のリンカー337を介してビオチン結合分子338に付着され得るが、リンカー337が、ビオチン結合分子338がビオチン336に結合するのを妨げず、シグナリング要素352の酵素活性をブロックしないことを条件とする。リンカー337の例は以下に記載する。支持材料315は、多くの形態(例えば、フィルム、膜、粒子)に構成されることができ、多くの異なる材料から構成されることができる。支持材料115の非限定的な例は上述されている。
図4aは、潜在シグナリング要素を使用して標的微生物を検出するための実施形態を示している。この実施形態では、検体422(例えば、ザイモサン)を含む標的微生物420を含有するサンプルは、検体422に選択的に結合する認識要素430(例えば、デクチン−1からの糖鎖認識ドメインを含む抗体又は組成物)、及びリポソーム450と混合される。この実施形態では、リポソーム450と、認識要素430と、標的微生物420との間の相互作用それ自体は検出可能なシグナルを必ずしももたらさないので、リポソーム450は潜在シグナリング要素として機能する。むしろ、この実施形態では、付加工程(図4bに示される)が検出可能なシグナルを生成することができる。この実施形態では、認識要素430は、任意のリンカー437を介して認識要素に付着されるビオチン結合分子438(例えばアビジン又はストレプトアビジン)を更に含む。あるいは、ビオチン結合因子438は、認識要素430に直接付着されることができる。
リポソーム450は、酵素452と、ビオチン結合因子438によって選択的に結合されるビオチン436とを含む。リポソーム450は、ビオチン436を含むリン脂質で構成されてもよい。例えば、二分子膜458は、実施例3に記載のように、N−ビオチニル−1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(Avanti Polar Lipids,Alabaster,AL)から合成することができ、及び/又は非ビオチニル化リン脂質から合成することができる。酵素452は、(図4aに示されるように)リポソーム450内に(例えば水性懸濁液中に)存在してもよい。あるいは、酵素452は、リポソーム450の二分子膜458と物理的に結合されてもよい。本明細書で使用するとき、「物理的に結合する」とは、酵素が二分子膜458の両方の脂質層にまたがってもよいこと(例えば、酵素の少なくとも一部分が二分子膜458の両側にある)、又は酵素452が二分子膜458の内側又は外側の脂質層に分配され得ることを意味する。いくつかの実施形態では、二分子膜458との物理的結合を促進するために、酵素452を化学的付加物で修飾してもよい。
図4bは、図4aの潜在シグナリング要素(酵素452)がどのように活性化されて検出可能なシグナルを生成することができるのかを示している。この実施形態では、リポソーム450の二分子膜458は破壊され、その結果、酵素452が酵素基質454と接触して、酵素基質454を生成物456に転換することができる。酵素基質454の生成物456への転換は、検出可能なシグナルの生成を引き起こすことができる。検出可能なシグナルは、光学的に検出可能であってもよい。光学的検出の非限定的手段には、比色検出、蛍光検出、光測量(lumimetric)(例えば、生物発光又は化学発光)検出が挙げられる。検出可能なシグナルは、視覚的に観測されてもよく、別の方法としては、例えば、分光光度計、蛍光光度計、又は照度計などの機器で検出されてもよい。あるいは、シグナルは、混合物のインピーダンス若しくはコンダクタンスの変化によって、又は混合物のpH変化によって検出されてもよい。
二分子膜458の透過性は、リポソームの断片451の形成をもたらすことができる多くの手段によって破壊されることができる。破壊手段の非限定的な例には、音波振盪、凍結融解プロセス、加熱、化学(例えば界面活性剤)破壊、浸透破壊(例えば、浸透圧溶解)、又は細胞傷害性ペプチドなどの孔形成剤による透過処理によるものが挙げられる。二分子膜458の透過性の破壊は、酵素452のリポソーム450の外への通過、酵素基質454のリポソーム450の中への通過、又はその両方を可能にすることができる。更に、図4bには、認識要素430をビオチン結合分子438に連結するリンカー437が示されている。
図5aは、潜在シグナリング要素使用して標的微生物を検出するための方法の代替実施形態を示す。この実施形態では、検体522(例えば、ザイモサン)を含む標的微生物520を含有するサンプルは、検体522に選択的に結合するビオチン536で標識される認識要素530(例えば、デクチン−1からの糖鎖認識ドメインを含む抗体又は組成物)、ビオチン結合分子538、及びビオチン536を含むリポソーム550と混合される。ビオチン結合分子538は、認識要素530とリポソーム550との間にブリッジを形成することができる。この実施形態では、リポソーム550と、認識要素530と、標的微生物520との間の相互作用それ自体は検出可能なシグナルを必ずしももたらさないので、リポソーム550は潜在シグナリング要素として機能する。むしろ、この実施形態では、付加工程(図5bに示される)が検出可能なシグナルを生成することができる。この実施形態では、認識要素530はビオチン536を更に含む。また、図5aには酵素基質554が示されている。
リポソーム550は、酵素552と、ビオチン結合分子538によって選択的に結合されるビオチン536とを含む。リポソーム550は、ビオチン536を含むリン脂質で構成されてもよい。例えば、二分子膜558は、実施例3に記載のように、N−ビオチニル−1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(Avanti Polar Lipids,Alabaster,AL)から合成することができ、及び/又は非ビオチニル化リン脂質から合成することができる。酵素552は、(図5aに示されるように)リポソーム550内に(例えば水性懸濁液中に)存在してもよい。あるいは、酵素552は、リポソーム550の二分子膜558と物理的に結合してもよい。いくつかの実施形態では、二分子膜558との物理的結合を促進するために、酵素552を化学的付加物(例えば、アルキル付加物)で修飾してもよい。
図5bは、図5aの潜在シグナリング要素(酵素552)がどのように活性化されて検出可能なシグナルを生成することができるのかを示している。この実施形態では、リポソーム550の二分子膜558は破壊され、その結果、酵素552が酵素基質554と接触して、酵素基質554を生成物556に転換することができる。酵素基質554の生成物556への転換は、検出可能なシグナルの生成を引き起こすことができる。検出可能なシグナルは、上述のように光学的に検出可能であってもよく、あるいは、シグナルは、混合物のインピーダンス若しくはコンダクタンスの変化によって、又は混合物のpH変化によって、検出されてもよい。上述のように、二分子膜558の透過性は、リポソームの断片551の形成をもたらすことができる多くの手段によって破壊されることができる。二分子膜558の透過性の破壊は、酵素552のリポソーム550の外への通過、酵素基質554のリポソーム550の中への通過、又はその両方を可能にすることができる。
図6aは、サンドイッチ型アッセイにおいて、潜在シグナリング要素を使用して標的微生物を検出するための方法の実施形態を示す。この実施形態では、捕捉剤630a(例えば、ザイモサンに選択的に結合する抗体)が支持材料615に付着される。検体622(例えば、ザイモサン)を含有するサンプルは、ビオチン636で標識される認識要素630b(例えば、ザイモサンに選択的に結合する抗体又は受容体)、ビオチン結合分子638(例えば、アビジン又はストレプトアビジン)、ビオチン636を含むリポソーム、及び(支持材料615に付着される)捕捉剤630aと接触して、図6aに示される複合体を形成する。あるいは、検体622は、標的微生物又はその断片(図示せず)に付着されてもよい。リポソーム650は酵素652を更に含む。この実施形態では、リポソーム650と、認識要素630a及び630bと、検体622との間の相互作用それ自体は検出可能なシグナルを必ずしももたらさないので、リポソーム650は潜在シグナリング要素として機能する。むしろ、この実施形態では、付加工程(図6bに示される)が酵素652と酵素基質654との接触を可能として、検出可能なシグナルを生成することができる。
リポソーム658は、酵素652と、ビオチン結合分子638によって選択的に結合されるビオチン636とを含む。リポソーム658はビオチン636を含むリン脂質で構成されてもよい。例えば、二分子膜658は、実施例3に記載のように、N−ビオチニル−1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(Avanti Polar Lipids,Alabaster,AL)から合成することができる。酵素652は、(図5aに示されるよう)リポソーム650内に(例えば水性懸濁液中に)存在してもよい。あるいは、酵素652は、リポソーム650の二分子膜658と物理的に結合してもよい。いくつかの実施形態では、二分子膜658との物理的結合を促進するために、酵素652を化学的付加物(例えば、アルキル付加物)で修飾してもよい。
図6bは、図6aの潜在シグナリング要素(酵素652)がどのように活性化されて検出可能なシグナルを生成することができるのかを示している。この実施形態では、リポソーム650の二分子膜658は、孔形成ポリペプチド(図示せず)などのシグナル生成要素によって破壊されて、酵素基質654が孔657を通ってリポソームに入って酵素652と接触するのを可能にする。あるいは、リポソーム650は、上記のその他の化学的及び/又は機械的手段によって破壊されてもよい。
リポソームを透過性にすることができる例示的なポリペプチドのリストが表1に示されている。ポリペプチドによるリポソーム粒子の溶解は、「PARTICLES」と題された国際特許出願PCT/GB98/03071号、及び「ARMED PEPTIDES」と題された国際特許出願PCT/GB02/00033号に開示されており、当該両特許出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。二分子膜658の透過処理の後、酵素652は、酵素基質654を生成物656に転換する。上述のように、酵素基質654の生成物656への転換は、検出可能なシグナルの生成を引き起こすことができる。二分子膜658の透過性の破壊は、酵素652のリポソーム650の外への通過、酵素基質654のリポソーム650の中への通過、又はその両方を可能にすることができる。支持材料615は上記のように構成され得る。
Figure 2011515656
サンプル
特定の実施形態において、流体サンプルは食物又は飲料を含む。微生物分析のための食物サンプルの調製方法は既知である。既知の、多量の食物材料(例えば、25グラム)を比較的多い容量の希釈剤(例えば、225ミリリットル)内に懸濁させることを含む、食物サンプルのためのサンプルの調製方法のいくつかは既知である。サンプルは、ブレンド又は攪拌(stomaching)など激しい混合プロセスを実施し、比較的均一な懸濁液を形成する。サンプルはしばしば、ストマックカーバックと呼ばれる、プラスチックのサンプルリザーバ内で処理される。本開示の方法及び組成物は、食物又は飲料サンプルを分析する方法を提供する。微生物に関して定期的に検査されている食物の非限定的な例には、肉(例えば、ひき肉、鶏肉、魚、魚介類)、生の又は加工された農産物(例えば、果物、野菜)、乳製品(例えば、牛乳又は乳製品、乳清、チーズ)並びに飲料(例えば、牛乳、水、果汁、野菜ジュース、お茶)が挙げられる。
いくつかの実施形態において、処理されるべき、及び分析されるべきサンプルは、水体からのサンプルを含む。かかる水体の非限定的な例には、表面水、ヒト若しくは動物が消費するための水並びに工業プロセスのために使用される水が挙げられる。表面水には、海、湖、川、用水路、池、貯水池、水路等が挙げられる。プロセス水には、地方自治体又は工業目的で使用される水、例えば、洗浄、洗浄、すすぎ、冷却塔、水処理汚水槽等が挙げられる。代表的な洗浄プロセスは、ヒト若しくは動物消費用の肉又は農産物の洗浄、すすぎ及び殺菌などの食物加工プロセスが挙げられる。
他の実施形態では、本開示の方法及び組成物は、例えば、食料品、飲料、及び医薬品の溶液、混合物、ホモジネート、又は懸濁液などの、プロセシング及び微生物検出に適しているサンプルを分析するために使用される。特定の実施形態において、液体サンプルは、砂糖、塩又はタンパク質など、1つ以上の溶解溶質を含む。他の実施形態において、液体サンプルは、アルコール又は界面活性剤などの、1つ以上の溶媒を含んでもよい。溶媒及び界面活性剤を含むサンプルを本発明に従って使用することができるが、溶媒又は界面活性剤は、検出可能なシグナルの検出を妨げない、又は潜在シグナリング要素の検出可能なシグナルへの不慮の転換を引き起こす(例えば、サンプルに標的微生物が存在しない場合に検出可能なシグナルをもたらす)ことのない濃度で存在することを条件とする。サンプルを、pH感受性のシグナリング要素(例えば、4−メチルウンベリフェロンなどの蛍光標識)又はpH応答性シグナル生成要素(例えば、pHにより誘発される細胞傷害性ペプチド)と混合する場合、サンプルは、pH感受性又はpH応答性要素と混合される前に、適合性のあるpHにバッファリング及び/又は調整されてもよい。
いくつかの実施形態では、本発明の方法及び組成物は、環境又は臨床サンプル内の微生物を検出するために使用することができる。典型的に、環境又は医療サンプルは、微生物で汚染される恐れがある表面(例えば、カウンター(countertop)、床、皮膚、傷口)から残留物を収集するために、スワブ、スポンジ、ワイプ等を使用して収集される。収集デバイスは、サンプルリザーバに移され、溶媒(例えば、標準方法緩衝剤(Standard Methods Buffer)、緩衝ペプトン水、緩衝食塩水、若しくは蒸留水)と混合されるか、又は均質化され、微生物を溶媒の中に放出することができる。その後、溶媒は微生物の存在に関して分析することができる。あるいは、標的微生物は、収集デバイスを含有する溶液中で分析されてもよい。
個々の液体サンプルは、ほとんど任意の数及び種類の微生物を含有してもよい。液体サンプル内の微生物の数は、殺菌状況にさらされたサンプルにおける1ミリリットル当たり0の生物体から、高度に汚染されたサンプルにおける1ミリリットル当たり約10までの生物体の範囲であってもよい。本発明のデバイス及び方法は、多種多様な微生物濃度を含有する液体サンプルの分析の手だてとなる。
認識要素
本発明は、標的微生物のザイモサンなどの細胞壁構成成分に選択的に結合する認識要素の使用を含む。いくつかの実施形態では、認識要素は、単クローン抗体又はポリクローナル抗体などの抗体を含む。抗体は、Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NYの「Antibodies,A Laboratory Manual」に記載されているもののような当該技術分野において周知の方法を用いて、マウス、ウサギ、ヤギ等の多くの生物体から得ることができる。
本発明にはまた種々の抗体断片が含まれるが、これはまた抗原結合断片とも呼ばれ、非損傷抗体(antibody)の一部分のみを含み、一般に非損傷抗体の抗原結合部位を含み、それゆえに抗原を結合する能力を維持する。無傷の又は非損傷抗体又は抗体鎖の化学的又は酵素的処理によって、断片を得ることができる。組換え手段によって、断片を得ることもできる。抗抗体断片の例には、例えば、タンパク質分解及び/又はジスルフィド架橋を還元して生成されるFab、Fab’、Fd、Fd’、Fv、単鎖Fv、dAB、及びF(ab’)断片、及びFab発現ライブラリーから生成される断片が挙げられる。そのような抗体断片は、当該技術分野において周知の技術により生成することができる。本発明の抗体は、可変領域(1つ又は複数)を単独で又はヒンジ領域、CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン及び/又はFcドメインの全て又は一部と組み合わせて含むことができる。用語「抗原結合性断片」は、抗原に結合する、又は抗原結合(すなわち、特異結合)において非損傷抗体(すなわち、その断片を誘導した非損傷抗体)と競合する、免疫グロブリン又は抗体のポリペプチド断片を意味する。
本発明のモノクローナル抗体として、ヒト化抗体、キメラ抗体、1本鎖抗体、1本鎖Fv(scFv)、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、Fab断片、F(ab’)断片、F(ab’)断片、Fv断片、ダイアボディ、Fab発現ライブラリーから生成される直鎖抗体断片、VLドメイン又はVHドメイン全体を含む断片、細胞内で生成された抗体(すなわち、細胞内抗体)、及びこれらの抗原結合抗体断片が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のモノクローナル抗体は、任意のアイソタイプであることができる。本発明のモノクローナル抗体は、例えば、マウスIgM、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgA、IgD、又はIgEであってもよい。本発明のモノクローナル抗体は、例えば、ヒトIgM、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、IgD、又はIgEであってもよい。いくつかの実施形態では、モノクローナル抗体はマウスIgG2a、IgG1、又はIgG3であってもよい。本発明について、所与の重鎖は、κ又はλ形状のいずれかの軽鎖と対になってもよい。
代替実施形態において、認識要素は、細胞壁構成成分にポリペプチド受容体を含む。ポリペプチド受容体は、典型的には、特定の検体に選択的に結合する少なくとも1つのドメインを含む。ザイモサンの例示的なポリペプチド受容体は、デクチン−1受容体である。デクチン−1は糖鎖認識ドメインを含む。いくつかの実施形態では、認識要素は、ポリペプチド受容体(例えば、デクチン−1の糖鎖認識ドメイン)のリガンド結合断片を更に含む。受容体は、デクチン−1の場合はヒト単球細胞などの天然原料から精製されてもよい。あるいは、ポリペプチド受容体は、好適な宿主細胞の中で、デクチン−1ポリペプチド又はその炭水化物認識ドメインをコード化する遺伝物質をクローニング又は発現することによって生成されてもよい。
認識要素を化学成分で修飾することができるが、化学修飾が認識要素が検体(例えば細胞壁構成成分)に結合するのを妨げないことを条件とする。化学成分は、例えばシグナリング要素であってもよい。標的細胞上の所定の構造に結合する認識要素を、リポソームの二分子膜の中に挿入してもよい。例えば、デクチン−1受容体又はその誘導体をリポソームの中に挿入して、ザイモサンに結合するために使用してもよい。誘導体は、ポリペプチドとリポソームの結合を促進することができる長鎖アルキル基(例えば、ミリスチン酸誘導体)を含むことができる。
シグナリング要素
シグナリング要素は、標的微生物と結合されると、サンプルの中の標的微生物の存在を示すことができる検出可能なシグナルを用意する働きをする。シグナリング要素は、認識要素に直接付着(例えば、共有結合)させることができる。あるいは、シグナリング要素は、間接的付着(例えば、ビオチニル化認識要素、ストレプトアビジン、及びビオチニル化シグナル要素で構成される複合体の形成)によって認識要素と結合することができるようになる。シグナリング要素は、ポリペプチド(例えば、グリーン蛍光タンパク質若しくは黄色蛍光タンパク質などの蛍光ポリペプチド、又は酵素)、あるいはポリヌクレオチド(例えば、標識したポリヌクレオチド)を含んでもよい。
シグナリング要素は、即時型の及び/又は明白な検出可能なシグナル(例えば、蛍光染料)を用意することができるような、顕在シグナリング要素であってもよい。あるいは、シグナリング要素は、検出可能なシグナルを用意するために活性化されなければならないような、潜在シグナリング要素であってもよい。潜在シグナリング要素の非限定的な例には、例えば、蛍光エネルギー移動で消光される蛍光染料、及び対応する酵素基質から隔離される酵素が挙げられる。
シグナリング要素を、脂質小胞又はリポソームの中に組み込んでもよい。粒子内に組み込まれるシグナリング要素は、任意の選択された化合物であることができる。例えば、シグナリング要素は、染料又は電気化学メディエータ(例えば、電気化学伝導度に影響を及ぼし得る高分子電解質)などの比較的小さい分子であってもよい。シグナリング要素はまた、蛍光分子(ラテックス又はポリスチレン)、抗体、ホルモン、又は酵素であってもよい。
シグナル生成要素
本明細書で使用するとき、「シグナル生成要素」は、潜在シグナリング要素に検出可能なシグナルを生成させることができる分子(例えば、ポリペプチド又は化学薬品)を指す。脂質小胞の中に隔離されており、したがって、対応する酵素基質と自由に反応することができない酵素は、潜在シグナリング要素の一例である。例示的なシグナル生成要素は、酵素基質及び/又は酵素が脂質小胞の二分子膜を通過することにより酵素反応を進行させることができるように、脂質小胞の透過性を調節することが可能な細胞傷害性リペプチドであることができる。脂質小胞(シグナリング要素を含む)は、種が多くの方法で活性化され得るように適合されてもよい。例えば、脂質小胞の脂質二重層の透過性は、この二重層全体の透過性が所定の代謝シグナルに応答して増加することができるように、制御されてもよい。本発明の一態様によると、これは、細胞傷害剤として作用するぺプチドを小胞に組み込むことによって達成されてもよい。例示的な細胞障害性ペプチドが表1に示され、かつ、「PARTICLES」と題された国際特許出願PCT/GB98/03071号、「ARMED PEPTIDES」と題された国際特許出願PCT/GB02/00033号、及び「POLYPEPTIDES FOR MICROBIAL DETECTION」と題された、2008年2月14日に出願された米国特許出願第61/028,896号に記載されており、これら特許は参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。粒子の透過性を調節することが可能であれば、ぺプチドは、巨大タンパク質であっても又は短鎖ポリペプチドであってもよい。
シグナル生成要素は、分子(例えば、酵素基質)を小胞の中に入れ、それによって検出可能なシグナルを生成するために、脂質二重層内の孔又はチャネルを開く、又は開くのを媒介する役割を果たす。あるいは、又は加えて、脂質二重層内の孔又はチャネルが開くことによって、物質を小胞の外の環境へと放出させることができる。細胞傷害剤は、脂質小胞の破裂を引き起こして、その中に含有されている種を放出させることもできる。細胞傷害剤は活性化可能であってもよい(例えば、細胞から放出される化学物質又は生化学に応答して)。細胞障害性ペプチドは、イオン(例えばH’、Na+、Cl’、HCO’、K’等)に応答して「開く」イオンチャネルを作ることができる。あるいは、イオンチャネルは、標的細胞から誘導されるより大きな分子の結合に応答してもよい(例えば、増殖因子、哺乳類細胞の細胞外マトリックスの構成要素、又は微生物のカプセル多糖類)。ペプチドを、選択された細胞からの所定の代謝シグナルに応答するように遺伝子操作することも可能である。
特定の実施形態において、ペプチドは脂質二重層の内在性タンパクであることができる(即ち、ペプチドは脂質二重層にまたがる)。しかしながら、ペプチドは、他の手段(例えば、外側の脂質層への非共有結合的な付着)により脂質二重層と相互作用し得ることは理解されよう。
いくつかの実施形態では、シグナル生成要素は、活性化可能な構造、例えば化学結合又は化学成分を含むポリペプチド(例えば、細胞障害性ペプチド)であってもよい。活性化可能な構造は、活性化されると、膜の透過性を調節するポリペプチドの能力を高めることができる。いくつかの実施形態では、活性化可能な構造は、pHに応答するリン酸基などの化学物質であってもよい。例えば、リン酸基のプロトン化は、シグナル生成要素の細胞傷害活性を活性化させることができる。このようなプロトン化は、標的微生物の代謝活性(例えば、酸性代謝物の生成)によって媒介される。いくつかの例示的な細胞障害性ペプチド、GALA及びLAGA、は、pHが7から約5.0に下降すると活性化する(Advanced Drug Delivery Reviews 56,(2004)967〜985)。反対に、別の細胞障害性ペプチド、KALA、は、pHが5から約7.5に上昇すると活性化する。国際特許出願PCT/GB02/00033号は、6.5〜7.4で活性化するいくつかのペプチド、及び6.0未満又は5.5で誘発されるその他のペプチドを開示している。
代替実施形態において、活性化可能な構造は、リン酸エステルなどの化学結合の加水分解によって活性化する。結合の加水分解は、例えば、細胞障害性ペプチドの極性(親水性)を低減させることができ、及び/又は、ペプチドの等電点を変化させて、ポリペプチドに膜の透過性を調節させることができる。こよのうな結合の加水分解は、標的微生物の代謝活性(例えば、ホスファターゼ酵素活性)によって媒介されてもよい。
シグナル生成要素としての役割を果たすことができる化学薬品には、潜在シグナリング要素に検出可能なシグナルを生成させることができる化学物質が挙げられる。例えば、検出可能なシグナルが脂質小胞内で隔離されている場合、脂質小胞の透過性を高めることができる化学物質(例えば、洗剤又は界面活性剤)はシグナル生成要素としての機能を果たすことができる。加えて、脂質小胞の原形質溶解を引き起こすのに有効な濃度の塩(例えば、NaCl)は、シグナル生成要素としての機能を果たすことができる。
連結部分
連結部分は、2つ以上のその他の分子(例えば、ポリペプチド)を連結するのに使用することができる分子である。連結部分は、2つの連結された分子の間に距離を設けて、結合部位又は酵素活性部位の立体障害の可能性を減少させるために使用され得る。1つの連結部分の例には、カルボキシル基を有する分子を、アミン基を有する別の分子に結合させるのに使用することができる、塩酸1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミドが挙げられる。
いくつかの実施形態では、連結部分は、ビオチン結合ポリペプチド(例えば、アビジン又はストレプトアビジン)などの結合パートナーを含んでもよい。ビオチン化キットは、Pierce Biochemical(Rockford,IL)等の多くの商業的供給源から入手可能である。特定のビオチン化剤は、ポリエチレンオキシド及び/又はポリエチレングリコールを含む「スペーサーアーム」を有する。例えば、ヒドラジド修飾ストレプトアビジンは、ビオチン結合パートナーとして使用するためにストレプトアビジンをポリペプチド(例えば、抗体又は受容タンパク)に連結するために使用され得る。
検出方法
一態様において、本開示は、非増殖依存型アッセイ中の標的微生物を検出するための方法を提供する。本明細書で使用するとき、「非増殖依存型アッセイ」は、増殖栄養素を供給して、標的微生物を増殖及び繁殖させることが意図された条件下で培養工程が行われる工程を含まない、標的微生物の試験を指す。非増殖依存型アッセイは、その方法の構成要素として増殖段階を必要としないが、非増殖依存型アッセイの前に、比較的数の少ない標的微生物を検出する能力を改善することができる増殖段階が行われてもよいことに、留意すべきである。
図7aは、例示的な非増殖依存型アッセイのブロック図を示す。この例示の実施形態では、サンプルは、任意に、(例えば、濾過又は遠心分離によって)濃縮されてもよい。サンプルは、任意に、認識要素(例えば、抗体)と、それに対応する結合パートナー(例えばザイモサンなどの細胞壁構成成分)との間の相互作用を高めるために、溶解剤で処理されてもよい。好適な溶解剤には、洗剤等の化学薬品、並びに/又は、熱若しくは超音波震動等の物理的手段(physical agent)を挙げることができる。濃縮工程及び/又は溶解工程のいずれかが所望の場合には、これら工程の後に、真菌微生物がサンプルの中に存在する場合は1つ以上の真菌微生物に特徴的な1つ以上の検体を捕捉するのに有効な条件下で、標的微生物(又はその構成要素)を支持材料に付着している捕捉剤に接触させて(図3参照)、1つ以上の捕捉された検体を形成する。いくつかの実施形態では、検体は、完全な微生物の細胞表面の構成要素である。捕捉された検体と、認識要素と、シグナリング要素との間の結合を引き起こすのに有効な条件下で、捕捉された検体を、認識要素及びそれらの対応するシグナリング要素と接触させる。
溶解工程、標的捕捉工程、及び認識部位とシグナリング要素とを結合する工程は、個別に、又は個々の工程の2つ以上を組み合わせて行うことができることにも留意すべきである。結合工程に続いて、非特異的に結合した及び/又は非結合シグナリング要素を除去するために、支持材料を洗浄することができる。洗浄工程の後、潜在シグナリング要素がアッセイに存在する場合には、この潜在シグナル成分を活性化させて検出可能なシグナルを生成することができる。活性化は、例えば、混合物への酵素基質の添加、及び/又は、化学的若しくは物理的手段による脂質小胞の破壊を含むことができる。検出可能なシグナルを検出して、サンプル中の標的微生物の存在を判定することができる。任意に、検出可能なシグナルを測定することが可能であり、オリジナルのサンプル中の標的微生物の数を推定することが可能である。
図7bは、代替的な例示的非増殖依存型アッセイのブロック図を示す。例示の実施形態において、サンプルは、任意に(例えば、濾過又は遠心分離によって)濃縮されてもよい。サンプルは、認識要素とその対応する結合パートナー(例えば、ザイモサンなどの細胞壁構成成分)との間の相互作用を高めるために、任意に溶解剤で処理されてもよい。好適な溶解剤には、洗剤、及び/又は熱若しくは超音波震動等の物理的手段など化学薬品を挙げることができる。濃縮工程及び/又は溶解工程のいずれか一方が含まれる場合は、これらの工程の後に、少なくとも1つの標的微生物が存在する場合にこの標的微生物と、認識要素と、グナリング要素との間の結合を引き起こすのに有効な条件下で、標的微生物(又はその構成要素)を認識要素及びそれらの対応するシグナリング要素と接触させることができる。非標的微生物に非特異的に結合されたシグナリング要素を除去するために、混合物を洗浄することができるが、蛍光粒子を含む方法(以下に記載)は、洗浄工程は任意とすることができることを示している。
混合物を、検出器を備えるフローサイトメーター等のフローシステムに通過させることができる。任意に、標的微生物と捕捉剤との間の結合を引き起こすのに有効な条件下で、サンプルを支持材料に結合している捕捉剤に接触させてもよい。いくつかの実施形態において、支持材料は、第1の波長で蛍光を発する蛍光粒子であってもよい。認識要素と、存在する場合には、捕捉された標的微生物(又はその構成要素)との間の結合を引き起こすのに有効な条件下で、捕捉された材料を、シグナリング要素(例えば、第2の波長で蛍光を発する蛍光染料を含む)で標識される認識要素と接触させることができる。次に、支持材料をフローサイトメーター等のフローシステムに通過させることができる。したがって、いくつかの実施形態では、第1及び第2の波長の両方において蛍光を発するフローセル中の蛍光粒子の検出は、サンプル中に標的微生物が存在することを示すことができる。任意に、フローセルシステムでは、粒子を選別することができ、例えば、陽性粒子は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)試験又は培養方法などの確証試験を受けることができる。
別の態様において、本開示は、増殖依存型アッセイにおいて標的微生物を検出するための方法を提供する。増殖依存型アッセイは、標的微生物が増殖、代謝、及び/又は細胞分裂できるようにする環境(例えば、栄養素、温度)を提供することによって、標的微生物の数を増やす工程を含む。
図7cは、例示的な増殖依存型アッセイのブロック図を示す。例示の実施形態では、サンプルは、任意に、増殖段階の前に(例えば、濾過又は遠心分離によって)濃縮されてもよい。サンプルは、培養液を含有する培養デバイスの中に置くことができる。培養液及び培養温度は、標的微生物の増殖要件に従って選択され得る。様々な培養デバイス、例えば、ペトリ皿、再水化可能な培養デバイス(例えば、3M Company,St.Paul,MNから商品名PETRIFILMで市販のフィルム培養デバイス(film culture device))、マイクロタイタープレート、フラスコ、管等、の中に培養液を入れることができる。増殖工程の前に、又は任意に、増殖工程の後に、認識部位及びシグナリング要素と標的微生物(又はその構成要素)との結合を引き起こすのに有効な条件下で、認識部位及びシグナリング要素をサンプル混合物に添加することができる。
この実施形態では、標的微生物の代謝活性によって活性化される潜在シグナリング要素を使用することができる。例えば、潜在シグナリング要素は、シグナル生成要素(例えば、国際特許出願PCT/GB98/03071号又は同PCT/GB02/00033号に記載のものような細胞障害性ペプチド)を含むことができる。かかる細胞障害性ペプチドは、(例えば、栄養素から酸性副産物への代謝によって)周囲のpHが変化すると脂質小胞に孔を形成するので、孔の形成が可能となる。あるいは、細胞障害性ペプチドのリン酸基等の官能基は加水分解され得るので、脂質小胞への孔の形成が可能となる(孔の形成が検出可能なシグナルをどのようにもたらすことができるのかを示している図6を参照のこと)。酵母及びカビ微生物は、細胞障害性ペプチドの活性化に使用することができるホスファターゼ酵素を生成することが知られている。潜在シグナリング要素の活性化後、シグナルを検出すること可能である。
栄養成長培地を含むいくつかの実施形態では、(増殖及びシグナル検出工程の後に)個々のコロニー又は微小コロニーの位置を観察することができるように、サンプルからの個々の標的微生物は空間的に分離されてもよい(例えば、寒天プレートの表面上で)。オリジナルのサンプルからの標的微生物の空間的分離を含む実施形態は、個々のコロニー又は微小コロニーをカウントする任意の計数工程を含んでもよい。更なる任意の工程には、続いて行われるアーカイビング又は追加試験(例えば、PCR分析)用に標的微生物を復元する工程が挙げられる。
増殖依存型アッセイにおける工程のいくつかを同時に実施してもよいことを理解すべきである。例えば、潜在シグナルを活性化させるための増殖細胞の代謝活性に依存して、図7cの破線のブロック内に示される工程は、同時に行われてもよい。示されている工程が同時に行われる場合、検出可能なシグナルを観察するために、培養デバイスを連続的に又は各時点においてモニタすることが可能であり得る。このプロセスは、標的微生物の早期検出をもたらすことができる。
好ましくは、上記方法において、サンプルと、固定化された抗体と、標識した認識要素(例えば、抗体)との間の接触を用意する工程は、サンプルに存在する場合、特定の標的微生物に特徴的な1つ以上の検体を捕捉するのに有効な条件下で、サンプルを固定化された抗体と接触させて、1つ以上の捕捉された検体を形成する工程と、1つ以上の捕捉された検体と標識した認識要素との間の結合を引き起こすのに有効な条件下で、存在する場合、1つ以上の捕捉された検体を標識した認識要素と接触させる工程と、を含む。好ましくは、サンプルを捕捉剤と接触させる工程は、サンプルとそれぞれの捕捉剤との間の接触を同時に用意する工程を含む。好ましくは、存在する場合、1つ以上の捕捉された標的微生物を標識した認識要素と接触させる工程は、捕捉された標的微生物とそれぞれの標識した認識要素との間の接触を同時に用意する工程を含む。
(実施例1).
ウサギ抗ザイモサン抗体は間接ELISAによってザイモサンを認識する。
A.一般材料及び方法
1000mLの蒸留水の中で3.03gのNaCO及び6.0gのNaHCOを混合することによって、被覆緩衝液(0.1Mの重炭酸塩/炭酸塩緩衝液、pH9.6)を1X原液として調製した。リン酸緩衝生理食塩水(PBS、155mMのNaCl、10mMのリン酸緩衝液中、pH7.4)を、Biosource(Rockville,MD)から入手した10X原液から調製した。BD Falcon Microtest(商標)96ウェル表面強化型ELISAプレートを、BD Biosciences(Bedford,MA)から入手した。すべての手順は、他に特定されない限り、室温で実施された。すべてのELISA洗浄手順は、1ウェルあたり200マイクロリットルの容積の3回順次洗浄を含み、すべての洗浄は、PBS緩衝液で行われた。西洋ワサビペルオキシダーゼ発色性基質、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)は、Pierce Biotechnology(Rockford,IL)から入手した。硫酸、2M、を、Mallinckrodt Baker(Phillipsburg,NJ)から入手したストック濃縮物(18.4M)で調製した。この実験ではウシ血清アルブミン(BSA)をPBS中1%溶液として使用し、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)から入手した。
この実験で使用した抗原は、InvivoGen(San Diego,CA)から入手のザイモサン(カタログ番号tlrl−zyn)を含んだ。ザイモサンを1mg/mL水溶液に戻し、4℃で保管した。
この実験で使用した抗原は、Molecular Probes(Carlsbad,CA)から入手のウサギ抗ザイモサン(Rabbit−anti−Zymosan)(カタログ番号Z2850)と、Amersham Biosciences(Buckinghamshire,England)から入手の西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)固定ロバ抗ウサギIgG(カタログ番号NA934V)と、を含んだ。
B.ELISA条件
このアッセイではザイモサンを被覆抗原として使用した。ザイモサンを被覆緩衝液中で冷却貯蔵出発濃度からマイクロウェル被覆濃度(1ウェル当たり20マイクログラム)まで希釈した。200マイクロリットルの被覆溶液が、マイクロウェルプレートのウェルに加えられた。プレートを、速度100rpmのロッキングプラットフォーム(Barnstead Lab−Line Maxi Rotator,Dubuque,Iowa)の上で、周囲温度で120分間培養した。ブロッキング工程の前にPBSで洗浄して被覆溶液を除去した。
マイクロタイタープレートを、PBS中で希釈された1ウェル当たり200マイクロリットルの1%BSAで、ロッキングプラットフォームの上で周囲温度で60分間ブロッキングした。PBSで洗浄してブロッキング溶液を除去した。
400マイクロリットルのPBS中で2000ng/mLに希釈したウサギ抗ザイモサン抗体(分子プローブ#Z−2850)をA列に加えた。ウェルの残りは200マイクロリットルのPBSを含んでいた。この列を次のように2倍に希釈した:A列から200マイクロリットルを取り出してB列に希釈し、次に、B列から200マイクロリットルを取り出してC列に希釈し、C列をD列に希釈し、D列をE列に希釈し、E列をF列に希釈し、及びF列をG列に希釈した。H列はブランクとしてウサギ抗ザイモサンを含んでいなかった。1ウェル当たりの容積を200マイクロリットルに一貫して維持するために、G列から200マイクロリットルを廃棄した。ウサギ抗ザイモサン抗体の濃度は2000ng/mL〜31.25ng/mLの範囲であった。プレートをロッキングプラットフォームの上で周囲温度で120分間培養した。次に、プレートをPBSで洗浄した。
HRP結合ロバ抗ウサギIgG(Amersham #NA934V)を係数1:625でPBS中で希釈した。400マイクロリットルの(希釈された?)ロバ抗ウサギIgG、HRP固定化をカラム11及び12に加えた。ウェルの残りは200マイクロリットルのPBSを含んでいた。類似サンプルを得るために、プレートに対してHRP結合ロバ抗ウサギIgGを2倍に希釈した。カラム11から200マイクロリットルを取り出してカラム9に加え、次に、カラム9から200マイクロリットルを取り出してカラム7に加え、次に、カラム7から200マイクロリットルを取り出してカラム5に加え、次に、カラム5から200マイクロリットルを取り出してカラム3に加え、次に、カラム3から200マイクロリットルを取り出してカラム1に加えた。1ウェル当たりの容積を200マイクロリットルに一貫して維持するために、カラム1から200マイクロリットルを廃棄した。同様に、カラム12から200マイクロリットルを取り出してカラム10に加え、次に、カラム10から200マイクロリットルを取り出してカラム8に加え、次に、カラム8から200マイクロリットルを取り出してカラム6に加え、次に、カラム6から200マイクロリットルを取り出してカラム4に加え、次に、カラム4から200マイクロリットルを取り出してカラム2に加えた。1ウェル当たりの容積を200マイクロリットルに一貫して維持するために、カラム2から200マイクロリットルを廃棄した。HRP結合ロバ抗ウサギIgGの希釈係数は1:625〜1:20,000の範囲であった。プレートをロッキングプラットフォームの上で周囲温度で60分間培養した。プレートをPBSで洗浄した。
100マイクロリットルのTMB基質を各ウェルに加えた。プレートを室温で15分間培養し、発色を観察した。100マイクロリットルの2M硫酸を各ウェルに加えてペルオキシダーゼ反応を止めた。プレートリーダーの中にプレートを置いて、450nm波長における吸光度を読み取った。
これらの実験で使用した抗体はウサギ抗ザイモサン抗体であった。使用した第2の抗体は、ウサギで産生された全ての一次抗体を認識するHRP結合抗ウサギIgGであった。これらの抗体がザイモサンを認識するかどうかを判定するために滴定曲線を描いた。表2に示されるように、滴定は、標的ザイモサンに対する抗体の線形応答を提供した。
Figure 2011515656
(実施例2).
ビオチニル化抗ザイモサンはビオチン―ストレプトアビジンELISAによってザイモサンを認識する。
A.一般材料及び方法
被覆緩衝液、PBS、ELISAプレート、培養イオン、及び洗浄手順は実施例1に記載の通りに実施された。アルカリホスファターゼ発色性基質、p−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム塩(pNPP、カタログ番号37621)をPierce Biotechnologyから入手した。水酸化ナトリウム、2N、を5Mのストック濃度から調製し、Sigma−Aldrichから入手した。この実験ではウシ血清アルブミン(BSA)をPBS中1%溶液として使用し、Sigma−Aldrichから入手した。アルカリホスファターゼ(AP)結合イムノピュア(Immunopure)ストレプトアビジンをPierce Biotechnologyから入手した。
実施例1に記載の通りにザイモサン抗原を調製して保管した。
この実験で使用した抗体は、分子プローブからのウサギ抗ザイモサン(カタログ番号Z2850)を含んでいた。ウサギ抗ザイモサンを、Pierce Biotechnologyから入手したEZ−Link Sulfo−NHS−Biotinylation Kitを使用してビオチニル化した。
B.ELISA条件
ELISA条件は実施例1に記載のものと同様であったが、i(ウサギ抗ザイモサン抗体の代わりにビオチニル化ウサギ抗ザイモサン抗体)カタログ番号Z−2850、分子プローブ(を使用したこと、ii)HRP結合ロバ抗ウサギIgGの代わりにアルカリホスファターゼ(AP)結合ストレプトアビジン(カタログ番号21324、Pierce Biotechnology)を使用したこと、iii)以下に記載のようにTMB基質の代わりにpNPP基質を使用したこと、が異なっていた。
100マイクロリットルのpNPP基質を各ウェルに加えた。プレートを室温で15分間培養し、発色を観察した。100マイクロリットルの2N水酸化ナトリウムを各ウェルに加えてホスファターゼ反応を止めた。プレートリーダーの中にプレートを置いて、405nm波長における吸光度を読み取った。
Figure 2011515656
実施例3及び5で使用したリポソームはビオチニル化リン脂質を有し、これは、抗体がビオチン−ストレプトアビジンの化学的性質によってこれらのリポソームに結合したことを意味する。この実験は、抗体をリポソームに結合するためにビオチン−ストレプトアビジンの化学的性質を用いるための条件を最適化して行われた。この実験では、抗ザイモサン抗体はビオチニル化され、抗体結合ザイモサンの検出はAP結合ストレプトアビジンを使用して行われた。滴定データは、ザイモサンに対するビオチニル化抗体及びストレプトアビジンの線形応答を示した(表3)。
(実施例3).
リポソームは抗ザイモサン抗体相互作用によってザイモサンを認識する。
A.一般材料及び方法
被覆緩衝液、PBS、ELISAプレート、培養イオン、及び洗浄手順は実施例1に記載の通りに実施された。この実験ではウシ血清アルブミン(BSA)をPBS中1%溶液として使用し、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)から入手した。イムノピュア(Immunopure)ストレプトアビジンはPierce Biotechnologyから入手した。
0.25%TRITON X−100水溶液を使用してリポソームを溶解した。西洋ワサビペルオキシダーゼ発色性基質、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)をPierce Biotechnologyから入手した。硫酸、2M、を、実施例1に記載の通りにストック濃縮物から調製した。
ザイモサン抗原を実施例1に記載の通りに調製及び保管した。
ビオチニル化ウサギ抗ザイモサン抗体を実施例2に記載の通りに調製した。
B.HRPリポソームの合成
1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)(Avanti Polar Lipids,Alabaster,AL)の20mg/mLCHCl溶液1.25mLをフラスコの中に量り取った。次に、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−(ビオチニル)(ナトリウム塩)(Avanti Polar Lipids,Alabaster,AL)の50mg/mLCHCl溶液5μLを加えた。続いて、この混合溶液をロータリーエバポレーターの上で乾燥させ、真空下に置いて余分な溶媒を除去した。
次に、乾燥された脂質膜を、10mmolのN−トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−2−アミノエタンスルホン酸(TES)中で西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP、Sigma Aldrichより入手)の5mg/mL溶液1mLで水和し、pHを1NのHClで6.5に調節した。
続いて、この溶液を超音波浴(Bransonic 2510,Branson Ultrasonic Corp.,Danbury,CT)の中に置いて、50℃で1時間超音波処理した。
超音波処理の後、リポソーム溶液をドライアイス/アセトン浴で交互に凍結させ、次に温水で5回解凍した。濁った溶液は、まず、50℃〜55℃で400nmのポリカーボネート膜(Avanti Polar Lipids)を通して15回押し出され、次に、同じ温度で200nmの膜を通して押し出された。
包まれていない余剰HRPを、まず、Q−XL陰イオン交換カラム(GE Healthcare,Piscataway,NJ)を介して、続いて、Sephacryl S−300サイズ排除カラムで、カラムクロマトグラフィーによって除去し、いずれのケースも10mMのTESで溶出された。脂質濃度を、4.13mg/mLでPhospholipid Cテスト(Wako Chemicals,Richmond VA)により評価し、動的光散乱(Malvern Zetasizer Nano ZS,Malvern Instruments Ltd,Worcestershire,UK)によってz−平均粒子径は12nmであることが判明した。
C.ELISA条件
このアッセイではザイモサンを被覆抗原として使用した。ザイモサンを被覆緩衝液中で冷却貯蔵出発濃度からマイクロウェル被覆濃度(1ウェル当たり20マイクログラム)まで希釈した。200マイクロリットルの被覆溶液が、マイクロウェルプレートのウェルに加えられた。プレートをロッキングプラットフォームの上で周囲温度で120分間培養した。ブロッキング工程の前にPBSで洗浄して被覆溶液を除去した。
マイクロタイタープレートを、PBS中で希釈された1ウェル当たり200マイクロリットルの1%BSAで、ロッキングプラットフォームの上で周囲温度で60分間ブロッキングした。PBSで洗浄してブロッキング溶液を除去した。
PBS中で2000ng/mLに希釈したビオチニル化ウサギ抗ザイモサン抗体(分子プローブ#Z−2850)200マイクロリットルをA、B、E、及びF列に加えた。C、D、G、及びH列は200マイクロリットルのPBSを含んでいた。プレートをロッキングプラットフォームの上で周囲温度で120分間培養した。次に、プレートをPBSで洗浄した。
PBS中で5000ng/mLに希釈したイムノピュア(Immunopure)ストレプトアビジン(Pierce Biotechnology #21122)200マイクロリットルをA、B、C、及びD列に加えた。E、F、G、及びH列は200マイクロリットルのPBSを含んでいた。プレートをロッキングプラットフォームの上で周囲温度で60分間培養した。次に、プレートをPBSで洗浄した。
ビオチニル化リポソームを625分の1でPBSの中で希釈した。400マイクロリットルのリポソームをカラム6の全てのウェルに加えた。ウェルの残りは200マイクロリットルのPBSを含んでいた。プレートに対してリポソームを2倍に希釈した。カラム6から200マイクロリットルを取り出してカラム5に加え、次に、カラム5から200マイクロリットルを取り出してカラム4に加え、次に、カラム4から200マイクロリットルを取り出してカラム3に加え、次に、カラム3から200マイクロリットルを取り出してカラム2に加え、次に、カラム2から200マイクロリットルを取り出してカラム1に加えた。1ウェル当たりの容積を200マイクロリットルに一貫して維持するために、カラム1から200マイクロリットルを廃棄した。リポソームの希釈係数は1:625〜1:20,000の範囲であった。プレートをロッキングプラットフォームの上で周囲温度で60分間培養した。プレートをPBSで洗浄した。
25マイクロリットルの0.25%Triton X−100を各ウェルに加えてリポソームを溶解した。Triton X−100の添加直後に、100マイクロリットルのTMB基質を各ウェルに加えた。プレートを室温で15分間培養し、発色を観察した。100マイクロリットルの2M硫酸を各ウェルに加えてペルオキシダーゼ反応を止めた。プレートリーダーの中にプレートを置いて、450nm波長における吸光度を読み取った。
表4において、結果は、リポソームは抗体相互作用を介してザイモサンを認識したことを示した。ビオチニル化リン脂質含有リポソームはストレプトアビジンリンカーを介してビオチニル化抗ザイモサン抗体に結合した。グラフに示される対照群は、抗ザイモサン抗体の省略、ストレプトアビジンの省略、又は抗体及びストレプトアビジンの省略を含んでいた。
Figure 2011515656
(実施例4).
ビオチニル化抗ザイモサンはビオチン−ストレプトアビジンELISAによって酵母及びカビの全細胞可溶化物中のザイモサンに結合する。
A.一般材料及び方法
被覆緩衝液、PBS、ELISAプレート、培養イオン、及び洗浄手順は実施例1に記載の通りに実施された。西洋ワサビペルオキシダーゼ発色性基質、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)は、Pierce Biotechnologyから入手した。硫酸、2M、は、Mallinckrodt Baker(Phillipsburg,NJ)から入手した18.4Mのストック濃縮物で調製した。この実験ではウシ血清アルブミン(BSA)をPBS中1%溶液として使用し、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)から入手した。西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合イムノピュア(Immunopure)ストレプトアビジンはPierce Biotechnologyから入手した。
実施例1に記載の通りにザイモサン抗原を調製して保管した。
この実験で使用した酵母は、サッカロマイセス・セレヴィシエ(ATCC #24297)、サッカロマイセス・セレヴィシエ(ATCC #201390)、及びカンジダ・アルビカンス(ATCC #10231)を含んでいた。この実験で使用したカビは、アスペルギルス・フラバス(ATCC #9643)、アスペルギルス・ニゲル(ATCC #16404)、クラドスポリウム・ヘルバレム(ATCC #76226)、及びペニシリウム・フニクロスム(ATCC #11797)を含んでいた。酵母は、BD Biosciences(San Jose,CA)から入手したDifco(商標)サブロー寒天培地で培養した。カビは、BD Biosciencesから入手したDifco(商標)ポテトデキストロース寒天培地で培養した。カンジダ・アルビカンス培養物を37℃で増殖させた。他の培養物の全ては28℃で増殖させた。
この実験で使用した抗体は、捕捉抗体として分子プローブからのウサギ抗ザイモサン(カタログ番号Z2850)を含んでいた。ウサギ抗ザイモサンを、Pierce Biotechnologyから入手したEZ−Link Sulfo−NHS−Biotinylation Kitを使用してビオチニル化し、酵母及びカビの全細胞可溶化物中のザイモサンを検出するための一次抗体として使用した。
B.酵母及びカビの全細胞可溶条件
この実験で使用した酵母は、サッカロマイセス・セレヴィシエ(ATCC #24297)、サッカロマイセス・セレヴィシエ(ATCC #201390)、及びカンジダ・アルビカンス(ATCC #10231)を含んでいた。この実験で使用したカビは、アスペルギルス・フラバス(ATCC #9643)、アスペルギルス・ニゲル(ATCC #16404)、クラドスポリウム・ヘルバレム(ATCC #76226)、及びペニシリウム・フニクロスム(ATCC #11797)を含んでいた。酵母は、BD Biosciences(San Jose,CA)から入手したDifco(商標)サブロー寒天培地で培養した。カビは、BD Biosciencesから入手したDifco(商標)ポテトデキストロース寒天培地で培養した。RIPA緩衝液(10mM NaHPO、pH7、150mM NaCl、0.1%SDS、1%NP−40、1%デオキシコール酸ナトリウム,2mM EDTA)を添加して菌叢を採取した。RIPA緩衝液の化学物質は全てSigma−Aldrichから入手した。RIPA緩衝液の添加後、スパチュラを使用してプレートからコロニーをこすり取り、このコロニーを1.5mLの微小遠心管に移した。グラスウールを通してカビを濾過して胞子を除去した。Kimble/Kontes(Vineland,NJ)から入手したMicro Ultrasonic Cell Disrupterを使用して、細胞を50Hertzで1時間超音波処理し、次に、溶解物を13,000rpm、4℃で10分間スピンしてペレット化した。上清を新しい管に移し、全タンパク質濃度を、Pierce Biotechnologyから入手したBCA(商標)タンパクアッセイキットを使用して測定した。それぞれの細胞可溶化物の20マイクログラムを分析に使用した。
C.ELISA条件
このアッセイの捕捉抗原としてウサギ抗ザイモサンを使用した。ウサギ抗ザイモサンを被覆緩衝液中で冷凍保存出発濃度からマイクロウェル被覆濃度(1ウェル当たり20マイクログラム)まで希釈した。200マイクロリットルの被覆溶液をマイクロウェルプレートのウェルに加えた。プレートをロッキングプラットフォームの上で周囲温度で120分間培養した。ブロッキング工程の前にPBSで洗浄して被覆溶液を除去した。
マイクロタイタープレートを、1ウェル当たり200マイクロリットルのPBS中で希釈された1%BSAで、ロッキングプラットフォームの上で周囲温度で60分間ブロッキングした。PBSで洗浄してブロッキング溶液を除去した。
サッカロマイセス・セレヴィシエ(ATCC #24297)、サッカロマイセス・セレヴィシエ(ATCC #201390)、カンジダ・アルビカンス(ATCC #10231)、アスペルギルス・フラバス(ATCC #9643)、アスペルギルス・ニゲル(ATCC #16404)、クラドスポリウム・ヘルバレム(ATCC #76226)、及びペニシリウム・フニクロスム(ATCC #11797)からの全細胞可溶化物20マイクログラムを、PBSの中で全容積200マイクロリットルまで希釈した。ザイモサンを200マイクロリットルのPBS中で冷却貯蔵出発濃度から1ウェル当たり20マイクログラムまで希釈した。ザイモサンをカラム1のA、B、及びC列に加え、サッカロマイセス・セレヴィシエ(ATCC #24297)をカラム2の対応する列に加え、サッカロマイセス・セレヴィシエ(ATCC #201390)をカラム3に加え、カンジダ・アルビカンス(ATCC #10231)をカラム4に加え、アスペルギルス・フラバス(ATCC #9643)をカラム5に加え、アスペルギルス・ニゲル(ATCC #16404)をカラム6に加え、クラドスポリウム・ヘルバレム(ATCC #76226)をカラム7に加え、及びペニシリウム・フニクロスム(ATCC #11797)をカラム8に加えた。カラム12はあくまでブランクとして200マイクロリットルのPBSを含んでいた。プレートをロッキングプラットフォームの上で周囲温度で60分間培養した。プレートをPBSで洗浄した。
PBS中で5000ng/mLに希釈された200マイクロリットルのビオチニル化ウサギ抗ザイモサン抗体(分子プローブ#Z−2850)をA列に加えた。PBS中で2500ng/mLに希釈された200マイクロリットルのビオチニル化ウサギ抗ザイモサン抗体をB列に加えた。PBS中で1250ng/mLに希釈された200マイクロリットルのビオチニル化ウサギ抗ザイモサン抗体をC列に加えた。プレートをロッキングプラットフォームの上で周囲温度で120分間培養した。プレートをPBSで洗浄した。
PBS中で西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合ストレプトアビジンを、作用濃度100ng/mLに希釈した。200マイクロリットルのHRP結合ストレプトアビジンを各ウェルに加えた。プレートをロッキングプラットフォームの上で周囲温度で60分間培養した。プレートをPBSで洗浄した。
100マイクロリットルのTMB基質を各ウェルに加えた。プレートを室温で15分間培養し、発色を観察した。100マイクロリットルの2M硫酸を各ウェルに加えてペルオキシダーゼ反応を止めた。プレートリーダーの中にプレートを置いて、450nm波長における吸光度を読み取った。
表5に示される結果は、ビオチニル化ウサギ抗ザイモサン抗体は酵母及びカビからの全細胞可溶化物の中のザイモサンを認識したこを示した。精製されたザイモサンを対照として使用した。
Figure 2011515656
(実施例5).
リポソームは抗体相互作用を介して酵母及びカビの全細胞可溶化物の中のザイモサンを認識する。
A.一般材料及び方法
被覆緩衝液、PBS、ELISAプレート、培養イオン、及び洗浄手順は実施例1に記載の通りに実施された。この実験ではウシ血清アルブミン(BSA)をPBS中1%溶液として使用し、Sigma−Aldrichから入手した。イムノピュア(Immunopure)ストレプトアビジンはPierce Biotechnologyから入手した。
使用したリポソームは、10mMのTES中の5mg/mLのHRPと共にDPPC/ビオチンを含み、pHは6.5であった。0.25%TRITON X−100水溶液を使用してリポソームを溶解した。西洋ワサビペルオキシダーゼ発色性基質、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)、はPierce Biotechnologyから入手した。硫酸、2M、を、Mallinckrodt Baker(Phillipsburg,NJ)から入手した18.4Mのストック濃縮物でで調製した。
この実験で使用した抗原は、InvivoGenから入手のザイモサン(カタログ番号tlrl−zyn)を含んだ。ザイモサンを1mg/mL水溶液に戻し、4℃で保管した。
この実験で使用した酵母及びカビは、実施例4に記載の通りに調製した。この実験で使用した抗体は、実施例4に記載の通りに調製した。
B.酵母及びカビの全細胞可溶条件
酵母及びカビの全細胞可溶条件及び手順は実施例4に記載の通りであった。
C.HRPリポソーム合成
実施例3に記載の通りにリポソームを合成した。
D.ELISA条件
実施例4に記載の通りに、プレートをウサギ抗ザイモサンで被覆して、BSAでブロッキングした。
実施例4に記載の通りに、全細胞可溶化物及びザイモサンをプレートのウェルに加え、プレートを培養して洗浄した。
PBS中で5000ng/mLに希釈したビオチニル化ウサギ抗ザイモサン抗体(分子プローブ#Z−2850)200マイクロリットルを各ウェルに加えた。プレートをロッキングプラットフォームの上で周囲温度で120分間培養した。プレートをPBSで洗浄した。
PBS中で5000ng/mLに希釈したイムノピュア(Immunopure)ストレプトアビジン(Pierce Biotechnology #21122)200マイクロリットルを各ウェルに加えた。プレートをロッキングプラットフォームの上で周囲温度で60分間培養した。次に、プレートをPBSで洗浄した。
ビオチニル化リポソームを係数1:625でPBS中で希釈した。400マイクロリットルのリポソームをA列の全てのウェルに加えた。列の残りは200マイクロリットルのPBSを含んでいた。プレートに対してリポソームを2倍に希釈した。A列から200マイクロリットルを取り出してB列に加え、次に、B列から200マイクロリットルを取り出してC列に加え、次に、C列200マイクロリットルを取り出してD列に加え、次に、D列から200マイクロリットルを取り出してE列に加え、次に、E列から200マイクロリットルを取り出してF列に加え、次に、F列から200マイクロリットルを取り出してG列に加え、次に、G列から200マイクロリットルを取り出してH列に加えた。1ウェル当たりの容積を200マイクロリットルに一貫して維持するために、H列から200マイクロリットルを廃棄した。リポソームの希釈係数は1:625〜1:40,000の範囲であった。プレートをロッキングプラットフォームの上で周囲温度で60分間培養した。プレートをPBSで洗浄した。
25マイクロリットルの0.25%Triton X−100を各ウェルに加えてリポソームを溶解した。Triton X−100の添加直後に、100マイクロリットルのTMB基質を各ウェルに加えたプレートを室温で15分間培養し、発色を観察した。100マイクロリットルの2M硫酸を各ウェルに添加することによってペルオキシダーゼ反応は停止された。プレートリーダーの中にプレートを置いて、450nm波長における吸光度を読み取った。
表6に示される結果は、リポソームは、抗体相互作用を介して酵母及びカビからの全細胞可溶化物の中のザイモサンを認識したこを示した。
Figure 2011515656
ここで、本発明は、可能な記述が実施可能な発明者によって予測される、いくつかの特定の実施形態を参照して記載されている。現在予測されていない修正を含む、本発明の実体の無い修正は、それでもなお、それらと同等であると定めることができる。したがって、本発明の範囲は、本明細書において説明した詳細及び構造に限定されるべきではなく、むしろ、以下の特許請求の範囲、及びそれらと同等の物によって単に限定されるべきである。

Claims (56)

  1. 標的微生物又はその構成要素を検出するための方法であって、
    ザイモサンに選択的に結合する認識要素を用意する工程と、
    前記認識要素を前記標的微生物を含有している疑いのあるサンプルと接触させる工程と、
    前記標的微生物を検出する工程と、を含む方法。
  2. 標的微生物又はその構成要素を検出するための方法であって、
    ザイモサンに選択的に結合する認識要素を用意する工程と、
    検出可能なシグナルを生成し、連結部分を含む、シグナリング要素を用意する工程と、
    前記認識要素及び前記シグナリング要素を、前記標的微生物を含有している疑いのあるサンプルと接触させる工程と、
    前記検出可能なシグナルを検出する工程と、を含む方法。
  3. 標的微生物又はその構成要素を検出するための方法であって、
    ザイモサンに選択的に結合する認識要素を用意する工程と、
    検出可能なシグナルを生成し、前記認識要素がそれに連結されるシグナリング要素を用意する工程と、
    前記認識要素及び前記シグナリング要素を、前記標的微生物を含有している疑いのあるサンプルと接触させる工程と、
    前記検出可能なシグナルを検出する工程と、を含む方法。
  4. 標的微生物又はその構成要素を検出するための方法であって、
    脂質二重層と検出可能なシグナルを生成するシグナリング要素とを含む脂質小胞を用意する工程と、
    細胞壁構成成分に選択的に結合する認識要素を用意する工程と、
    前記脂質小胞と、前記標的微生物が存在する場合、その標的微生物との結合を引き起こすのに有効な条件下で、前記脂質小胞及び前記認識要素を、前記標的微生物を含有している疑いのあるサンプルと接触させる工程と、
    前記検出可能なシグナルを検出する工程と、を含む方法。
  5. 前記脂質二重層が少なくとも1つのビオチン分子を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記認識要素が少なくとも1つのビオチン分子を含む、請求項4又は5に記載の方法。
  7. ビオチン結合分子を用意する工程を更に含む、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. i)培養デバイスの中に培養液を用意する工程と、ii)少なくとも1つの細胞分裂が可能な条件下で前記サンプルを培養する工程と、を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 生存微生物を前記培養デバイスから除去する工程を更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記サンプル中の微生物を溶解する工程を更に含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. i)捕捉試薬を用意する工程と、ii)前記標的微生物又はその構成要素を捕捉する工程と、を更に含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記シグナリング要素が、脂質小胞、磁性粒子、ポリマー粒子、又は金粒子を含む、請求項2〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記シグナリング要素がポリペプチドを含む、請求項2〜11のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記シグナリング要素がポリヌクレオチドを含む、請求項2〜11のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記シグナリング要素が、検出可能なシグナルに転換される潜在シグナル成分を含む、請求項2〜12のいずれか一項に記載の方法。
  16. i)シグナル生成要素を用意する工程と、ii)前記潜在シグナル成分を検出可能なシグナルに転換するために、前記シグナル生成要素を前記シグナリング要素と接触させる工程と、を更に含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記シグナル生成要素が活性化可能なシグナル生成要素であり、かつ前記活性化可能なシグナル生成要素を活性化する工程を更に含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記活性化可能なシグナル生成要素がポリペプチドを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記ポリペプチドが、活性化されると膜の透過性を調節する前記ポリペプチドの能力を高める活性化可能な構造体を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記活性化可能な構造体が加水分解性結合を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記ポリペプチドがpH変化によって活性化される、請求項18又は19に記載の方法。
  22. 前記サンプルの中の前記標的微生物を計数する工程を更に含む、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記検出可能なシグナルが光学的に検出されることができる、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 光学的に検出することが、比色検出、蛍光検出、あるいは光測量検出を含む、請求項23に記載の方法。
  25. 光学的に検出することが機器を用いて検出することを含む、請求項23又は24に記載の方法。
  26. ザイモサンに選択的に結合する認識要素と、
    検出可能なシグナルを生成する粒子を含むシグナリング要素と、を含む、標的微生物を検出するための組成物。
  27. 前記粒子が脂質小胞を含む、請求項26に記載のシグナリング要素。
  28. 前記粒子が蛍光分子を含む、請求項26に記載のシグナリング要素。
  29. 前記粒子が磁性粒子を含む、請求項26に記載のシグナリング要素。
  30. 前記粒子がポリマー粒子を含む、請求項26に記載のシグナリング要素。
  31. 前記粒子が金粒子を含む、請求項26に記載のシグナリング要素。
  32. 前記粒子がポリペプチドを含む、請求項26に記載のシグナリング要素。
  33. 連結部分を更に含む、請求項26に記載の組成物。
  34. 前記認識要素が前記シグナリング要素に連結される、請求項33に記載の組成物。
  35. 前記シグナリング要素が、検出可能なシグナルに転換される潜在シグナリング要素を含む、請求項26〜34のいずれか一項に記載の組成物。
  36. 前記潜在シグナリング要素が酵素基質を含む、請求項35に記載のシグナリング要素。
  37. 前記シグナリング要素がポリペプチドを含む、請求項35に記載のシグナリング要素。
  38. 前記ポリペプチドが酵素活性を含む、請求項37に記載のポリペプチド。
  39. シグナル生成要素を更に含み、前記シグナル生成要素が前記潜在シグナリング要素を検出可能なシグナルに転換する、請求項35に記載の組成物。
  40. 前記シグナル生成要素が活性化可能である、請求項39に記載の組成物。
  41. 前記活性化可能なシグナル生成要素がポリペプチドを含む、請求項40に記載の組成物。
  42. 前記ポリペプチドが、活性化されると膜の透過性を調節する前記ポリペプチドの能力を高める活性化可能な構造体を含む、請求項41に記載のポリペプチド。
  43. 前記活性化可能な構造体が加水分解性結合を含む、請求項41又は42に記載の組成物。
  44. 前記加水分解性結合がエステル結合又はアミド結合である、請求項43に記載の組成物。
  45. 前記シグナル生成要素がpH変化によって活性化される、請求項41〜44のいずれか一項に記載の組成物。
  46. 捕捉剤を更に含む、請求項26〜45のいずれか一項に記載の組成物。
  47. 前記捕捉剤が固体支持体に付着される、請求項46に記載の組成物。
  48. 前記固体支持体が、プラスチックフィルム、プラスチック物品、金属フィルム、粒子、膜、ヒドロゲル、セルロース組成物、不織布、繊維、及びマイクロチャネルからなる群から選択される、請求項47に記載の組成物。
  49. 前記捕捉剤又は前記認識要素がザイモサンに選択的に結合する、請求項46〜48のいずれか一項に記載の組成物。
  50. 前記捕捉剤及び前記認識要素がザイモサンに選択的に結合する、請求項46〜48のいずれか一項に記載の組成物。
  51. 前記捕捉剤又は前記認識要素が、ザイモサン結合ドメインを有するポリペプチドを含む、請求項26〜50のいずれか一項に記載の組成物。
  52. 前記ポリペプチドが、ザイモサンに選択的に結合する、抗体又は前記抗体から誘導される抗原結合断片を含む、請求項51に記載の組成物。
  53. 前記抗体の抗原結合断片が、Fab断片、Fab’断片、F)ab)断片、単鎖Fv、及びFv断片からなる群から選択される、請求項52に記載の抗体の抗原結合断片。
  54. 前記ポリペプチドが受容体を含む、請求項51に記載のポリペプチド。
  55. 前記受容体がデクチン−1からの糖鎖認識ドメインを含む、請求項54に記載の受容体。
  56. 前記ポリペプチドが、デクチン−1の前記糖鎖認識ドメインによって認識されるザイモサンの同じエピトープに結合する、請求項51に記載のポリペプチド。
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