JPH06160396A - 抗hiv抗体測定試薬および測定法 - Google Patents

抗hiv抗体測定試薬および測定法

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JPH06160396A
JPH06160396A JP30543892A JP30543892A JPH06160396A JP H06160396 A JPH06160396 A JP H06160396A JP 30543892 A JP30543892 A JP 30543892A JP 30543892 A JP30543892 A JP 30543892A JP H06160396 A JPH06160396 A JP H06160396A
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hiv
antibody
antigen
gly
complement
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JP30543892A
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Kanji Tomioka
寛治 冨岡
Masaaki Kishimura
昌明 岸村
Hideki Fukuda
秀樹 福田
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Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 標識物質を内包し、HIV抗原またはその一
部分を固定化したリポソームからなる抗HIV抗体測定
試薬およびこれを用いる免疫学的抗HIV抗体測定法で
ある。 【効果】 簡単な操作で、高感度、正確、かつ短時間に
被検体中の抗HIV抗体を交差反応がなく測定すること
ができ、しかもその自動化が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗HIV抗体の測定試
薬および測定法、さらにくわしくは、補体依存性リポソ
ーム膜損傷反応を利用した抗HIV抗体測定試薬および
測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】後天性免疫不全症候群(Acquired Immun
odeficiency Syndrome ;AIDS)は、1981年に米国
で初めて報告され、翌1982年に命名された疾患である。
1983年にはフランスのパスツール研究所でレトロウイル
スが分離され、1986年にはウイルス分類国際委員会で新
たにHIV(human immunodeficiency virus)という統
一名称を用いることが提唱され、その後この名称が一般
的に使われている。
【0003】HIVに感染すると、一部の人には2〜6
週間後に風邪のような症状がでることもあるが、この症
状も2〜3週間で消え、本人も周囲の人も感染に気がつ
かない状態が、6カ月から10年以上も続く。このウイル
スキャリア全てがAIDSを発症するわけではなく、感
染後8〜10年で50〜70%が発病する。AIDS発症は、
AIDS関連症候群(AIDS-related comples;ARC)
という病態を経過する。ARCでは全身リンパ節腫大、
倦怠感、発汗、盗汗、異常な体重減少などの臨床所見が
見られ、T4 細胞数は400 /mm3 以下に減少するが日和
見感染、カポジ肉腫などの合併症は見られない。疫学的
調査よりARC症例10人のうち、少なくとも1人はAI
DSを発症すると思われる。
【0004】男性同性愛者、薬物麻薬静注常習者、輸血
をうけた人および血友病患者などのハイリスクグループ
に共通した特徴からみて、HIVの感染経路は血液、精
液などの注入を伴う行為すなわち、出血を伴う性交と輸
血によると考えられている。したがって、HIV伝播防
止のためにはこの感染源であるキャリアから前記感染経
路を断つことが重要となる。HIVに感染した宿主は必
らず抗HIV抗体を保有することから、血液中の抗HI
V抗体の有無を検査することにより、HIVキャリヤの
診断が可能である。言うまでもなく、輸血や血液製剤に
用いられる血液から抗HIV抗体を含む血液を除外する
ことは、血液や血液製剤によるHIVの伝播を防ぐのに
有用である。
【0005】これまで抗HIV抗体の検出には、間接蛍
光抗体法(Indirect immunofluo-rescence method ;I
F法)やウエスタンブロット法などが用いられてきた。
しかし、これらの方法を実施するにはHIV感染細胞株
やHIV抗原が必要であり、その検査に特殊なバイオハ
ザード施設が必要であった。さらに、輸血提供者の抗H
IV抗体の大量スクリーニング法としてはその検体処理
能力に問題があった。
【0006】最近、酵素免疫測定法(Enzyme immunoass
ay法;EIA法)を測定原理とする抗HIV抗体測定用
キットが開発されている。これらの試薬はキット化され
ているため特殊なバイオハザード施設を必要とせず、高
感度に抗HIV抗体を検出できることが特徴である。し
かし、測定方法が煩雑で測定に長時間を要することや、
自動化のために測定用機器を必要とする欠点がある。ま
た、測定方法に由来する非特異反応も報告されており、
その特異性に問題がある。また、粒子凝集法(Particle
aggulutinatin;PA法)を測定原理とする抗HIV抗
体検出用試薬が開発されているが、この方法でも非特異
凝集を完全に避けることができず定量性がない欠点があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
問題に鑑みなされたものであり、定量性があり測定が極
めて迅速である抗HIV抗体測定試薬を提供することを
目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は標識物質を内包
し、HIV抗原またはその一部分を固定化したリポソー
ムからなる抗HIV抗体測定試薬、ならびにそれを用
い、補体の存在下で反応させ、放出される標識物質を定
量することにより、試料中の抗HIV抗体量を測定する
免疫学的抗HIV抗体測定法に関する。
【0009】
【実施例】本発明において、リポソームとしては、リン
脂質または糖脂質を主要構成成分とするものをはじめと
して、従来使用されている何れのものも用いることがで
きる。このようなリン脂質としては、動物や微生物など
の細胞膜に広く存在するリン脂質、たとえばホスファチ
ジルエタノールアミン類、ホスファチジルコリン類、ホ
スファチジルセリン類、スフィンゴミエリン類などの各
種リン脂質があげられる。もちろん、天然の卵黄、牛脳
や大豆などからえられるホスファチジルコリンも適用で
きる。また、古細菌に属する好熱性菌脂質の天然の抽出
物または人工合成物も適用できる。
【0010】このようなリン脂質中の脂肪酸の種類には
各種の飽和または不飽和脂肪酸が含まれる。たとえばホ
スファチジルコリンについてあげれば、ジヘプタノイル
ホスファチジルコリン、ジカプロイルホスファチジルコ
リン、ジデカノイルホスファチジルコリン、ジラウロイ
ルホスファチジルコリン、ジヘプタデカノイルホスファ
チジルコリン、ジベヘノイルホスファチジルコリン、ジ
ミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホ
スファチジルコリンなどがあげられ、前述のその他のリ
ン脂質にも同様に各種飽和および不飽和脂肪酸が含まれ
る。なお、炭素鎖がグリセロール部にエステル結合する
リン脂質のばあいには必要に応じて脂質に対してコレス
テロールを適量たとえば10ないし500 モル%を加えるこ
とによって安定なリポソームをえることができる。
【0011】本発明に用いられるリポソームの形状は、
多重層リポソーム(multilamellarvesicle 、以下ML
Vと略す)、小さな一枚膜リポソーム(small unilamel
larvesicle 、以下SUVと略す)、大きな一枚膜リポ
ソーム(large unilamellarvesicle 、以下LUVと略
す)の何れであってもよい。
【0012】リポソーム内に封入される標識物質は、リ
ポソーム外に放出された際に定量可能な物質でなければ
ならない。かかる物質としては、たとえば、ラジオイム
ノアッセイで用いられる 125Iや 131Iなどの放射性同
位元素;低濃度域(10-3M以下)でも非常に強い蛍光を
発するカルボキシフルオレセイン、フルオレセインイソ
チオシアネートのような蛍光性化合物;リポソーム外で
の酸化反応により発光するルミノールやルシフェリンの
ような発光性化合物;可視部あるいは紫外部に特異的な
吸収帯を有する吸光性化合物(水溶性色素など);酸化
酵素の作用により分解され酸素消費あるいは過酸化水素
生成をもたらすグルコースおよびシュークロースなどの
糖類;テトラペンチルアンモニウムのような比較的大き
なイオン性化合物;カルシウムイオンなどの金属;ニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)のような
補酵素類;メチルピオロゲンを初めとするラジカル化合
物;酵素免疫測定法などで用いられるβ−ガラクトシダ
ーゼ、ペルオキシダーゼなどの酵素類などが好ましい。
標識物質としてカルシウムイオンを用いたばあいにはカ
ルシウム依存性酵素(カルバイン、プロテインキナーゼ
C、トランスグルタミラーゼなど)を、酵素を用いたば
あいには基質(前述の酵素に対する基質としては、それ
ぞれ、4−メチルウムベリフェリルβ−D−ガラクトシ
ド、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸があげられ
る)を、リポソーム破壊によりこれらの物質が流出した
際に用いる必要がある。
【0013】本発明に用いるHIV抗原またはその一部
分として、HIV−1またはHIV−2より抽出した蛋
白成分、たとえば、エンベロープ糖蛋白質(gp160 、
gp120 、gp41など)、ギャグ蛋白質(p55、p24、
p17、p15など)、ポリメラーゼ蛋白質(p65、p53、
p34)や、各蛋白成分の一部を構成するオリゴペプチ
ド、たとえば、以下のようなアミノ酸配列を有するエン
ベロープ糖蛋白質の部分オリゴペプチド(Leu-Gly-Leu-
Trp-Gly-Cys-Ser-Gly-Lys-Lue-Ile-Cys,Leu-Gly-Ile-Tr
p-Gly-Cys-Ser-Gly-Lys-Lue-Ile-Cys,Leu-Gly-Ile-Trp-
Gly-Cys-Ser-Gly-Lys-His-Ile-Cys,Leu-Gly-Met-Trp-Gl
y-Cys-Ser-Gly-Lys-His-Ile-Cys またはLeu-Asn-Ser-Tr
p-Gly-Cys-Ala-Phe-Arg-Gln-Val-Cys,)、gp41の一部
分(Leu-Gly-Leu-Trp-Gly-Cys-Ser-Gly-Lys-Leu-Ile-Cy
s,Leu-Gly-Ile-Trp-Gly-Cys-Ser-Gly-Lys-Leu-Ile-Cys,
Leu-Gly-Ile-Trp-Gly-Cys-Ser-Gly-Lys-Leu-Ile-Cys,Le
u-Gly-Met-Trp-Gly-Cys-Ser-Gly-Lys-His-Ile-Cys,Leu-
Asn-Ser-Trp-Gly-Cys-Ala-Phe-Arg-Gln-Val-Cys または
Arg-Gly-Pro-Asp-Arg-Pro-Glu-Gly-Ile-Glu-Glu-Glu-Gl
y-Gly-Glu-Arg-Asp-Arg-Asp )、p24の一部分(Gly-Le
u-Asn-Lys-Val-Arg-Met-Tyr-Ser-Pro-Thr-Ser-Ile-Leu-
Asp-Ile-Arg またはAla-Asn-Pro-Asp-Cys-Lys-Thr-Ile-
Leu-Lys-Ala-Leu-Gly-Gly-Pro-Ala-Ala-Thr )、gp12
0 の一部分(Cys-Thr-His-Gly-Ile-Arg-Pro-Val-Val-Se
r-Thr-Gln-Leu-Leu-Leu-Asn-Gly-Ser-Leu-Ala-Glu )な
どがあげられる。
【0014】本発明の抗HIV抗体測定試薬は、たとえ
ば次の方法で製造される。
【0015】まずリン脂質または糖脂質をフラスコに入
れ、溶媒を加えて反応させたのち、溶媒を留去し、吸引
乾燥する。しかるのちに、壁面に薄膜が形成されたフラ
スコ内に所定の標識物質の水溶液を加え、密栓をして振
盪し、標識物質封入リポソームをえる。
【0016】一方、抗原もしくはその一部分と架橋剤と
を緩衝液中で反応させて架橋剤を導入し、しかるのち、
必要であれば、架橋基を還元する試薬(たとえばジチオ
スレイトール:DTT)と反応させて、修飾抗原をえ
る。
【0017】最後に、標識物質封入リポソームと修飾抗
原とを緩衝液中で反応せしめることにより、本発明の抗
HIV抗体測定試薬である抗原感作リポソームがえられ
る。かかる抗体測定試薬は、通常、標識物質を内包し、
表面に固定化された抗原もしくは抗原の一部分を担持し
たマイクロカプセルとしてえられる。
【0018】前記製造法における架橋剤としては、たと
えばN−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)
プロピオネート(SPDP)、N−スクシンイミジル4
−(p−マレイミドフェニル)ブチレート(SMP
B)、N−スクシンイミジル4−(p−マレイミドフェ
ニル)アセテート(SMPA)、N−スクシンイミジル
4−(p−マレイミドフェニル)プロピオネート(SM
PP)、N−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スクシ
ンイミド(GMBS)、N−(ε−マレイミドカプロイ
ルオキシ)スクシンイミド(EMCS)、グルタルアル
デヒド、テレフタルアルデヒドなどのジアルデヒトなど
があげられる。
【0019】このようにして調製した抗HIV抗体測定
試薬を用いて、被検体中の抗HIV抗体を測定するに
は、被検体中にその試薬および補体を加え、抗原−抗体
と補体との結合反応を引き起こさせる。すると、かかる
反応量に比例して、リポソーム内から標識物質が放出さ
れてくる。ついで、この標識物質に応じた分析方法(た
とえば、標識物質が蛍光物質であれば、蛍光分析法)に
より定量を行ない、たとえば、予め作成した検量線によ
り、試料中の抗体の量を測定することができる。
【0020】この測定操作に置いて使用する補体は、と
くに限定されないが、通常、モルモット血清が用いられ
る。しかし、ウサギ、マウス、ヒトなどの血清を使用し
てもよい。
【0021】リポソーム表面へ蛋白を固定化するばあい
は、リポソームが剛直な固相と違って柔らかいため、E
LISA法におけるプレート表面(固相)への固定化ま
たはPA法におけるラテックス粒子表面(固相)への固
定化と違い、固定化される蛋白質に歪みが生じない。よ
って、その歪みによって引き起こされていた交差反応に
よる非特異反応を完全に除去でき、HIV抗原またはそ
の一部分に特異な抗体だけを見分けることが可能となる
のである。また、リポソームを用いる本発明の測定法で
は、全測定時間が1時間程度と短いため、ELISA法
やPA法と比べて迅速に結果を出すことができ、定量測
定が可能となる。
【0022】つぎに本発明を実施例をあげて説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
【0023】実施例1 HIV抗原感作リポソームの調製 (1)リポソームの調製 N−スクシンイミジル−4−(p−マレイミドフェニ
ル)ブチレート(SMPB)28.1μmol とジパルミトイ
ルフォスファチジルエタノールアミン(DPPE)20μ
mol をクロロホルム4.5ml と無水メタノール0.5ml との
混液に溶解した。これにトリエチルアミン20μmol を添
加し、窒素封入下室温で2時間撹拌し反応させた。反応
終了後、メタノール3.5ml 、蒸留水2mlを加え、よく振
盪した。これを静置し、クロロホルム相をとり、溶媒を
蒸発させたのち、約5mlのクロロホルムを添加し溶解し
た。この溶液を、150 ℃で12時間以上乾燥させクロロホ
ルムで平衡化した10ml容量のシリカゲル(Wakogel C−
100 、和光純薬工業(株)製)カラムに負荷し、クロロ
ホルム−メタノール(20:1、v/v)40〜50mlで洗浄
した。クロロホルム−メタノール(5:1、v/v)に
より溶出する画分を集め、溶媒を蒸発させたのち、新た
に5mlのクロロホルムに溶解した。以上の操作により、
N−(4−(p−マレイミドフェニル)ブチリル)ジパ
ルミトイルホスファチジルエタノールアミン(MPB−
DPPE)を調製した。
【0024】100ml ナス型フラスコに、ジパルミトイル
ホスファチジルコリン(DPPC)75μmol 、コレステ
ロール75μmol 、リン酸ジセチル(DCP)7.5 μmol
、MPB−DPPE7.5 μmol をとり、約10mlのクロ
ロホルムに溶解し、42℃以上の水溶液中にてロータリー
エバポレーターで溶媒を除去したのち、残った脂質薄膜
に、標識物質水溶液として自己消光性の蛍光物質である
0.2 Mカルボキシフルオレセイン(CF)15mlを加えて
ボルテックス(Vortex)ミキサーで10分間振盪撹拌しM
LVを調製した。これを15分間プローブ型超音波発振装
置((株)日本精機製作所製、US−300 )で超音波処
理することによって均一化したSUVにした。ついで、
リポソームに封入されなかったCFを除去するためセフ
ァーデックスG−25(商品名、ファルマシア社製)カラ
ムにてクロマト分離し、反応性リポソームをえた。
【0025】(2)HIV抗原のリポソームへの感作 0.5mg/mlの精製レコンビナントHIV抗原のうちギャグ
蛋白(p24)(ギャク蛋白のcDNAを有するプラスミ
ドを大腸菌に形質転換した菌株より抽出精製してえたも
の)リン酸緩衝生理食塩水溶液1.5ml に40mM N−スク
シンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネ
イト(SPDP)エタノール溶液を0.0323ml加え、室温
で10分間撹拌し反応させた。未反応のSPDPを除くた
めに、20mM MES緩衝液(0.15M NaCl含有、p
H6.0 )で平衡化したエコノパックP6カートリッジ
(商品名、バイオラッド社製)カラムでクロマト分離し
た。最初のピーク部分を集め、これに100mM になるよう
にジチオスライトール(DTT)を固体のまま加えて溶
解し、窒素封入下室温で30分間放置した。反応終了後リ
ン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH7.4 )で平衡化し
たエコノパックP6カートリッジカラムでクロマト分離
し、最初のピーク部分を集めた。以上の操作によりSP
DPを通じてP24にSH基を導入し、SH基導入p24を
調製した。同様にして、精製レコンビナントHIV抗原
のうちエンベロープ糖蛋白(gp41)(エンベロープ糖
蛋白のcDNAを有するプラスミドを大腸菌に形質転換
した菌株より抽出精製してえたもの)にSPDPを通じ
てSH基を導入し、SH基導入gp41を調製した。
【0026】つぎに、反応性リポソームを2倍に希釈し
たものと前記操作(1)でえたSH基導入抗原を1:1
(v/v)の割合で混合し、窒素封入下4℃で24時間放
置し反応させたのち、リポソームに結合しなかった抗原
を除くためセファーデックスG−25カラムでクロマト分
離し、2種類のHIV抗原結合リポソームをえた。
【0027】(3)抗HIV抗体の測定 前記のp24抗原固定化リポソームを、その初期蛍光強度
が適当なものとなるように、0.5mM MgCl2 および0.
15mM CaCl2 を含有したゼラチンベロナール緩衝液
(GVB2+)で100 倍程度に希釈したもの25μlに、抗
p24モノクローナル抗体を含む緩衝液を倍々希釈したも
のを25μl加え37℃で60分間放置して反応させた。その
後、12CH50/mlに希釈したモルモット全補体(石津製
薬社製)50μlを加え、37℃で60分間放置して反応させ
たのち、各試料の蛍光強度をマイクロプレート用蛍光光
度計MTP−32(コロナ社)で測定した(励起波長490n
m,蛍光波長520nm )。なお、測定値は、測定終了後測
定試料に1%−トライトンX−100 を100 μl加えリポ
ソームを完全に破壊したのちの蛍光強度を2倍したもの
と、抗HIV抗体緩衝液の代りにGVB2+を25μl添加
したものの差を100%として、各被検試料の蛍光強度を
相対的に換算したものを標識物質遊離率(%)とした。
gp41抗原リポソームと抗HIV抗体(抗gp41抗体)
の系についても同様に行なった。
【0028】なお、抗p24モノクローナル抗体および抗
gp41抗体については、それぞれマウス腹水によりアフ
ィニティークロマトグラフィーで精製した抗p24モノク
ローナル抗体およびgp41を免疫したマウスの血清より
アフィニティークロマトグラフィーで精製した抗gp41
抗体を用いた。
【0029】結果を、図1に示す。このように、抗体希
釈率0.2 から0.004 の範囲で抗HIV抗体を検出可能で
あることがわかる。
【0030】また、本実施例の測定時間は1時間20分
(前操作15分、インギュベーション1時間、測定5分)
であり、粒子凝集法の2時間20分(前操作15分、インギ
ュベーション2時間、測定5分)や酵素免疫測定法の20
時間30分(前操作15分、インギュベーション20時間、洗
浄10分、測定5分)に比べて極めて迅速であることがわ
かる。
【0031】実施例2 (4)抗HIV抗体の測定 前記のgp41抗原固定化リポソームを、その初期蛍光強
度が適当なものとなるように、0.5mM MgCl2 および
0.15mM CaCl2 を含有したゼラチンベロナール緩衝
液(GVB2+)で100 倍程度に希釈したもの25μlに、
ELISA法で陽性と判断されたがウエスタンブロット
プロット法でバンドが認められず陰性と判断された非働
化血清を10倍希釈したものを25μl加え37℃で60分間放
置して反応させた。その後、12CH50/mlに希釈したモ
ルモット全補体(石津製薬社製)50μlを加え、37℃で
60分間放置して反応させたのち、各試料の蛍光強度をマ
イクロプレート用蛍光光度計MTP−32(コロナ社)で
測定した(励起波長490nm,蛍光波長520nm )。なお、
測定値は、測定終了後測定試料に1%−トライトンX−
100 を100 μl加えリポソームを完全に破壊したのちの
蛍光強度を2倍したものと、抗HIV抗体緩衝液の代り
にGVB2+を25μl添加したものの差を100%として、
各被検試料の蛍光強度を相対的に換算したものを標識物
質遊離率(%)とした。
【0032】結果は表1に示されるように交差反応によ
ってELISA法で偽陽性と判断された血清について本
発明で測定したところ、陰性血清と同程度の標識物質遊
離率がえられ陰性と判断された。このように本発明の測
定法では交差反応による疑陽性は起こっていないことが
判る。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】上述のように、本発明の抗HIV抗体測
定試薬を用いることにより、簡単な操作で、高感度、正
確、かつ短時間に被検体中の抗HIV抗体を交差反応が
なく測定することができ、しかもその自動化が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】抗HIV抗体(抗p24モノクロナール抗体、抗
gp41抗体)をLILA免疫測定法の実施例によって測
定してえられた特性図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標識物質を内包し、HIV抗原またはそ
    の一部分を固定化したリポソームからなる抗HIV抗体
    測定試薬。
  2. 【請求項2】 標識物質を内包し、HIV抗原またはそ
    の一部分を固定化したリポソームを用い、補体の存在下
    で反応させ、放出される標識物質を定量することによ
    り、試料中の抗HIV抗体量を測定する免疫学的抗HI
    V抗体測定法。
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