JPH0336518B2 - - Google Patents

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JPH0336518B2
JPH0336518B2 JP1336707A JP33670789A JPH0336518B2 JP H0336518 B2 JPH0336518 B2 JP H0336518B2 JP 1336707 A JP1336707 A JP 1336707A JP 33670789 A JP33670789 A JP 33670789A JP H0336518 B2 JPH0336518 B2 JP H0336518B2
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JP
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glycosylglycyrrhizin
starch
glycyrrhizin
sweetness
partial decomposition
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JP1336707A
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JPH02219585A (ja
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Toshio Myake
Hiromi Tsucha
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Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
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Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、α−グリコシルグリチルリチンを含
有する澱粉部分分解物の生成方法に関し、更に詳
細には、澱粉質とともにグリチルリチンを含有す
る水溶液にシクロデキストリン・グルカノトラン
スフエラーゼ(Cyclodextrin
glucanotransferase、EC 2、4、1、19)を作
用させ、α−グリコシルグリチルリチンを含有す
る澱粉部分分解物を生成せしめることを特徴とす
るα−グリコシルグリチルリチンを含有する澱粉
部分分解物の生成方法に関する。 シクロデキストリン・グルカノトランスフエラ
ーゼは、澱粉質からシクロデキストリンを生成す
る糖転移酵素として古くから知られている。 近年、澱粉質にシクロデキストリン・グルカノ
トランスフエラーゼを作用させて、工業的にシク
ロデキストリンが製造されるようになつてきた。 本発明は、澱粉質とともにグリチルリチンを含
有する水溶液にシクロデキストリン・グルカノト
ランスフエラーゼを作用させようとするものであ
る。 グリチルリチン(Glycyrrhizin)は、豆科の多
年生植物甘草(Licorice)、(Glycyrrhiza glabra
Linne var.glandulifera Regal et Herder、
Glycyrrhiza uralensis Fishey)の根およびスト
ロン(stolon)を水抽出して製造される甘味物質
で、古来より甘味料、医薬品などとして広く利用
され、その構造は、次式に示すグリチルリチン酸
(Glyrrhizic asid)又はその塩である。 グリチルリチンは、砂糖などの糖類甘味料と比
較して一般に次の欠点を有している。 (1) 甘味以外に苦味、渋味、えぐ味などの嫌味
や、薬品臭を有しており、そのままでは到底甘
味を楽しめるものではない。 (2) 甘味が砂糖よりもはるかに遅れて現れ、その
甘味が前記の嫌味とともに後味として長く尾を
引き、不快感を与える。 (3) 水溶液を酸性側にすると、沈澱を生じたり、
ゲル化したりして、低PH食品に使用しにくく、
調味料として用途が制限されている。 (4) グリチルリチン水溶液は、攪拌、濃縮、煮詰
めなどにより発泡しやすく、必要に応じて消泡
剤を使用するなどその取扱いに苦心している。 グリチルリチンのこれら欠点を改良するため
に、例えば特公昭49−7227号公報では、クエン酸
ナトリウムをグリチルリチンの30%乃至500%添
加して混合使用することによりグリチルリチンの
呈味を改善することを提案し、また、特公昭43−
17721号公報では、甘草の水抽出物にアルカリ金
属塩および澱粉分解物を加えて加熱することによ
り、酸性下での沈澱やゲル形成を防止することを
提案し、更に、特開昭50−29777号公報では、酸
性下でのグリチルリチンの使用に際し、グルコノ
デルタラクトンとアルカリ金属塩類とを併用する
ことによりグリチルリチンの沈澱やゲル形成を防
止することを提案している。しかしながら、これ
ら提案においてもその改良はなお不十分であるこ
とが判明した。 本発明者等は、グリチルリチンの前記欠点を解
消することを目的に鋭意研究した。 その結果、澱粉質とともにグリチルリチンを含
有する水溶液にシクロデキストリン・グルカノト
ランスフエラーゼを作用させることにより、澱粉
部分分解物とともにグリチルリチン分子にα−グ
リコシル残基が等モル以上結合したα−グリコシ
ルグリチルリチンが生成されることを見出し、更
に、この反応で生成されるα−グリコシルグリチ
ルリチンを含有する澱粉部分分解物は、従来のグ
リチルリチン製品とは全く違つて、 (1) 嫌味、薬品臭がなく、まろやかな甘味を呈す
る。 (2) 甘味が早く現れ、後味として長く尾を引かな
い。 (3) 酸性下においても沈澱形成、ゲル形成が極度
に抑えられる。 (4) 泡立ちが抑制され、取扱いが容易となる。 などの極めて優れた性質を有していること、とり
わけ、α−グリコシルグリチルリチン含有製品に
澱粉部分分解物の共存は、特に泡立ての抑制、呈
味改良に大きく寄与していることを見出し、これ
が飲食物などの甘味付け、呈味改良に好適である
ことを確認して、本発明を完成した。 本発明でいう飲食物などとは単に飲料および食
品だけでなく、味覚刺激を味わうことのできる物
品全般を意味し、例えば酒類、清涼飲料などの飲
料類、甘味料などの調味料、菓子、漬物などの食
品類、飼料、飴料類、リツプクリーム、歯磨など
の化粧品類、うがい薬、内服薬などの医療品類な
どを意味する。 本発明でいうα−グリコシルグリチルリチン含
有製品は、グリチルリチン分子にα−グリコシル
残基が等モル以上結合したα−グリコシルグリチ
ルリチンを含有しておればよい。 本発明のα−グリコシルグリチルリチンを含有
する澱粉部分分解物の生成方法としては、澱粉質
とともにグリチルリチンを含有する水溶液にシク
ロデキストリン・グルカノトランスフエラーゼ
(EC 2、4、1、19)を作用させる方法を採用
すればよい。 以下、本発明のα−グリコシルグリチルリチン
を含有する澱粉部分分解物の生成方法をより詳細
に説明する。 本発明に用いる澱粉質としては、シクロデキス
トリン・グルカノトランスフエラーゼの基質とな
り、そのα−グルコシル残基の1又は2分子以上
がグリチルリチン分子に転移されα−グリコシル
グリチルリチンを生成しうるものであればよく、
通常、アミロース、アミロペクチン、澱粉だけで
なく、例えばシクロデキストリン、DE1乃至50程
度の澱粉液化物、澱粉糖化物などの澱粉部分分解
物も好んで用いられる。また、原料の澱粉は、甘
藷、馬鈴薯などの地下系澱粉であつても、米、小
麦、コーンなどの地上系澱粉であつてもよく、更
に粗グリチルリチンなどに共存している甘草由来
の澱粉であつてもよい。 また、本発明に用いるグリチルリチンは、グリ
チルリチン酸又はその塩を含有し、α−グリコシ
ルグリチルリチンを生成するものであればよい。
従つて、高度に精製されたグリチルリチン製品だ
けでなく、甘草からのグリチルリチンを含有する
粗抽出物であつてもよい。 シクロデキストリン・グルカノトランスフエラ
ーゼは、例えば、特開昭47−20373号公報、特開
昭50−63189号公報、特開昭50−88290号公報、ハ
ンス・ベンダー(Hans Bender)、アーカイブ
ス・オブ・マイクロバイオロジー(Archives of
Microbiology)、第111巻、第271乃至282頁
(1977年)などに示されているように、バチル
ス・マセランス(Bacillus macerans)、バチル
ス・メガテリウム(Bocillus megaterium)、バ
チルス・サーキユランス(Bacillus circulans)、
バチルス・ポリミキサ(Bacillus polymyxa)、
バチルス・ステアロサーモフイラス(Bacillus
stearothermophilus)などのバチルス属、クレブ
シーラ・ニユーモニアエ(Klebsiella
pneumoniae)などのクレブシーラ属などの細菌
によつて生産されることが知られており、何れも
本発明に自由に用いることができる。また、シク
ロデキストリン・グルカノトランスフエラーゼ
は、必ずしも精製して使用する必要はなく、通常
は粗酵素で目的を達成することができる。 また、必要ならば、シクロデキストリン・グル
カノトランスフエラーゼを固定化してバツチ式で
反応に繰返し利用することも、連続式で利用する
ことも随意である。 シクロデキストリン・グルカノトランスフエラ
ーゼの反応条件は、澱粉質とグリチルリチンとを
含有する水溶液にシクロデキストリン・グルカノ
トランスフエラーゼを反応させることができれば
よい。 通常、澱粉質を溶解して反応液中の濃度を約1
乃至50W/W%とし、グリチルリチンの濃度を約
0.1乃至25W/W%とすればよく、また、澱粉質
とグリチルリチンとの比率は、澱粉質をグリチル
リチンに対して固形物当り約0.5乃至500倍の範囲
にするのが好ましい。 反応液のPHと温度はシクロデキストリン・グル
カノトランスフエラーゼが作用できればよく、通
常PH3乃至10、温度20乃至80℃の範囲から選ばれ
る。 また、シクロデキストリン・グルカノトランス
フエラーゼの作用によつて、澱粉部分分解物とと
もにα−グリコシルグリチルリチンを生成させ、
更に必要ならば、α−アミラーゼ、β−アミラー
ゼなどを作用させ、その粘度、呈味などが改善さ
れたα−グリコシルグリチルリチンを含有する澱
粉部分分解物にすることも随意である。 本発明では、目的によつては、反応液そのまま
でもα−グリコシルグリチルリチンを含有する澱
粉部分分解物として使用できるが、必要に応じて
反応後に酵素を加熱失活させた後、ケイ酸アルミ
ン酸マグネシウム(例えば、富士化学工業株式会
社製造、商品名ノイシリン)、マグネシア系吸着
剤(例えば、北海道曹達株式会社製造、商品名M
−511)などで有色夾雑物を吸着除去し、その非
吸着部分を採取してα−グリコシルグリチルリチ
ンを含有する澱粉部分分解物とするか、更に、こ
れを濃縮してシラツプ状のα−グリコシルグリチ
ルリチンを含有する澱粉部分分解物、或いは、更
に、乾燥して粉末状のα−グリコシルグリチルリ
チンを含有する澱粉部分分解物とすることもでき
る。 必要ならば、H型イオン交換樹脂を用いて脱塩
精製したα−グリコシルグリチルリチンを含有す
る澱粉部分分解物にすることもできる。 これらのα−グリコシルグリチルリチンを含有
する澱粉部分分解物に含まれるα−グリコシルグ
リチルリチンなどのグリチルリチン化合物と遊離
の澱粉部分分解物とを分離する必要がある場合に
は、合成吸着剤(例えば、三菱化成工業株式会社
製造、商品名HP−10、HP−20、又は、ローム
&ハース社製造、商品名アンバーライトXAD−
2、アンバーライトXAD−7など)を充填した
カラムに通液すれば、α−グリコシルグリチルリ
チン、未反応のグリチルリチンなどのグリチルリ
チン化合物は吸着され、多量に共存する水溶性澱
粉部分分解物は吸着されることなくそのまま流出
する。この流出液から、シクロデキストリンなど
の澱粉部分分解物を採取することも随意である。
更に、この多孔性合成吸着剤を希アルカリ水、水
などで洗浄した後、比較的少量の有機溶媒または
有機溶媒と水との混合液、例えばメタノール水、
エタノール水などを通液すれば、まず遊離の澱粉
部分分解物を含まないα−グリコシルグリチルリ
チンが溶出され、次いで、通液量を増すか有機溶
媒濃度を高めるかすれば、未反応のグリチルリチ
ンが溶出してくる。このα−グリコシルグリチル
リチン高含有溶出液を蒸溜して、まず有機溶媒を
除去し、これを適当な濃度まで濃縮してシラツプ
状高純度α−グリコシルグリチルリチンを含有製
品とするか、更には乾燥粉末化して粉末状の高純
度α−グリコシルグリチルリチン含有製品とする
ことができる。 このようにして得られる各種α−グリコシルグ
リチルリチン含有製品は、従来極めて遅かつた甘
味の発現が著しく早まるため甘味度の比較は困難
であるが、最大発現時で比較すれば、使用したグ
リチルリチン固形物重量に見合う甘味度とほぼ同
程度乃至やや弱い程度である。また、その甘味の
質は、粉末状のものをそのまま口に含んでも苦
味、渋味、えぐ味などの嫌味をほとんど呈するこ
となく、まろやかな甘味を呈し、残り味の切れも
よい。 また、α−グリコシルグリチルリチンを含有す
るシラツプ状製品は、酸性下においても沈澱形
成、ゲル形成が極度に抑えられ、低PH飲料、低PH
食品の甘味付け、調味などに自由に利用できるこ
とが判明した。 また、α−グリコシルグリチルリチンを含有す
るシラツプ状製品、とりわけ、α−グリコシルグ
リチルリチンを含有する澱粉部分分解物は、グリ
チルリチンの場合と比較して泡立ちが極めて少な
く、その取り扱いの容易であること、更に、呈味
改良効果の高いことが判明した。 また、α−グリコシルグリチルリチンを含有す
る粉末状製品は、それに含まれる各α−グリコシ
ル化合物が互いに溶け合つたいわゆる固溶体の粉
末である。従つて、この粉末の水に対する溶解速
度は、瞬時に溶解できる程大きく、しかもその溶
解度には際限がないので、シラツプ状からペース
ト状になる程の高濃度にも自由に溶解することが
できる。 また、α−グリコシルグリチルリチン含有製品
は、そのままで甘味付け、呈味改良などのために
調味料として使用できる。必要ならば、例えば水
飴、グルコース、マルトース、異性化糖、カツプ
リングシユガー(林原株式会社の登録商標)、砂
糖、蜂蜜、メープルシユガー、ソルビツト、マル
チトール、ラクチトール、ジヒドロカルコン、L
−アスパラチルフエニルアラニンメチルエステ
ル、サツカリン、グリシン、アラニン、グリチル
リチン、ステビオシド、α−グリコシルステビオ
シド、レバウデイオシドAなどのような他の甘味
料と、またクエン酸、リンゴ酸などの有機酸又は
その塩、グルタミン酸、アスパラギン酸などのア
ミノ酸又はその塩、またデキストリン、澱粉、乳
糖などのような増量剤、更には着香料、着色料な
どと混合して使用することも随意である。 また、α−グリコシルグリチルリチン含有製品
の粉末品は、そのまま又は必要に応じて増量剤、
賦型剤と混合して顆粒状、球状、タブレツト状な
どに成型して使用することもでき、液状品は使用
上便利なように、その濃度を調節することもでき
る。 α−グリコシルグリチルリチン含有製品の甘味
度は、前記したように反応に用いた固形物重量に
見合う甘味度とほぼ同程度乃至やや弱い程度であ
ることから、反応に用いる澱粉質とグリチルリチ
ンとの固形物重量当りの比率によつて変わつてく
る。 砂糖の甘味度より高い甘味度のα−グリコシル
グリチルリチン含有製品で甘味付けする場合に
は、必要甘味に対する製品の使用量が砂糖よりも
大幅に低下することから、甘味付けされた飲料
物、嗜好物などのカロリーを低下させることがで
きる。換言すれば、α−グリコシルグリチルリチ
ン含有製品は、糖尿病者、肥満者などのカロリー
を制限している人などのための低カロリー製品と
して、また低カロリー飲食物、低カロリー嗜好物
など、いわゆる美容食、健康食、ダイエツト食へ
の甘味付けに利用できるのである。 また、α−グリコシルグリチルリチン含有製品
は、虫歯原因菌などによつて発酵されにくいこと
などより、虫歯を起しにくい甘味料としても利用
できる。例えば、チユーインガム、チヨコレー
ト、ビスケツト、クツキー、キヤラメル、キヤン
デーなどの菓子類、コーラ、サイダー、ジユー
ス、コーヒー、乳酸飲料などの飲料水類などにお
ける虫歯を起こしにくい飲食物、嗜好物などへの
甘味付けに好適である。また、うがい水や練歯磨
など、化粧品、医薬品などへも虫歯を懸念するこ
となく甘味付けできるので好都合である。 更に、α−グリコシルグリチルリチン含有製品
は、酸味、塩から味、渋味、旨味、苦味などの他
の呈味を有する各種物質ともよく調和し、耐酸
性、耐熱性も大きいので、今まで述べたような特
殊な場合だけでなく、普通一般の飲食物、嗜好物
などへの甘味付けに、また呈味改良などの目的で
利用することも随意である。例えば、醤油、粉末
醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、ひしお、マヨネ
ーズ、ドレツシング、食酢、三杯酢、粉末すし
酢、中華の素、天つゆ、麺つゆ、ソース、ケチヤ
ツプ、焼肉のタレ、カレールウ、シチユーの素、
スープの素、ダシの素、複合調味料、みりん、新
みりん、テーブルシラツプなどの各種調味料、せ
んべい、あられ、おこし、餅類、まんじゆう、う
いろう、あん類、羊羹、水羊羹、錦玉、ゼリー、
カステラ、飴玉などの各種和菓子、パン、ビスケ
ツト、クラツカー、クツキー、パイ、プリン、シ
ユークリーム、ワツフル、スポンジケーキ、ドー
ナツ、チヨコレート、チユーインガム、キヤラメ
ル、キヤンデーなどの各種洋菓子、アイスクリー
ム、シヤーベツトなどの氷菓、果実のシロツプ
漬、氷蜜などのシロツプ類、バタークリーム、カ
スタードクリーム、フラワーペースト、ビーナツ
ツペースト、フルーツペーストなどのスプレツ
ド、ペースト類、ジヤム、マーマレード、シロツ
プ漬、糖菓などの果実、野菜の加工食品類、福神
漬、べつたら漬、千枚漬、らつきよう漬などの漬
物類、ハム、ソーセージなどの畜肉製品類、魚肉
ハム、魚肉ソーセージ、カマボコ、チクワ、天ぷ
らなどの魚肉製品、ウニ、イカの塩辛、さきする
め、ふぐのみりん干しなどの各種珍味類、のり、
山菜、するめ、小魚、貝などで製造されるつくだ
煮類、煮豆、ポテトサラダ、コンブ巻などのそう
菜食品、魚肉、畜肉、果実、野菜などのビン詰、
缶詰類、合成酒、果実酒、洋酒などの酒類、コー
ヒー、ココア、ジユース、炭酸飲料、乳酸飲料、
乳酸菌飲料などの清涼飲料水、プリンミツクス、
ホツトケーキミツクス、即席ジユース、即席コー
ヒー、即席しるこなど即席飲食品などの各種飲食
物、嗜好物の甘味付け、呈味改良などに使用する
ことも随意である。 また、家畜、家禽、その他蜜蜂、蚕、魚などの
飼育動物のための飼料、餌料、ペツトフードなど
の嗜好性を向上させる目的で使用することもでき
る。 その他、タバコ、練歯磨、口紅、リツプクリー
ム、内服薬、トローチ、肝油ドロツプ、口中清涼
剤、口中香錠、うがい薬など各種固型状、ペース
ト状、液状の嗜好物、化粧品、医薬品などへの甘
味剤として、又は呈味改良剤、矯味剤などとして
利用することも有利に実施できる。 更に、α−グリコシルグリチルリチン含有製品
を生薬甘草と同じ薬効用途、すなわち消炎、整
腸、きよ痰、咳止め、抗ウイルス剤、抗アレルギ
ー剤などの用途にも使用することができ、例えば
咳止めシロツプ、ぜんそくの発作を抑える錠剤な
どとして使用できる。 特に、α−グリコシルグリチルリチンを含有す
る澱粉部分分解物の場合には、泡立ちが極度に抑
制され、呈味改良効果を高いので、例えば、醤
油、麺つゆ、飲料などの液状飲食物、ハードキヤ
ンデー、佃煮などの煮詰工程を必要とする飲食
物、ドリンク剤、シロツプなどの液状医薬品など
への用途に有利に利用できる。 以上述べたような飲食物、嗜好物、飼料、餌
料、化粧品、医薬品などにα−グリコシルグリチ
ルリチン含有製品を使用するには、その最終製品
が完成するまでの工程に、例えば、混和、混捏、
溶解、浸漬、滲透、散布、塗布、噴霧、注入など
公知の方法で適宜含有せしめることにより行なわ
れる。 以下、α−グリコシルグリチルリチン含有製品
を実験に基づいて説明する。 実験 α−グリコシルグリチルリチン含有製品の調製 1−1 グルコシル転移酵素の調製 バチルス・ステアロサーモフイラス
(Bacillus stearothermophilus)FERM−P
No.2222をソリユブルスターチ2W/V%、硝酸
アンモニウム1W/V%、リン酸2カリウム
0.1W/V%、硫酸マグネシウム・7水塩
0.05W/V%、コーンステイープリカー
0.5W/V%、炭酸カルシウム1W/V%および
水からなる殺菌した液体培地10に植菌し、50
℃で3日間通気攪拌培養した。得られた培養液
を遠心分離して、その上清を硫安0.7飽和で塩
析し、シクロデキストリン・グルカノトランス
フエラーゼ(EC2、4、1、19)の活性約
80000単位を有する粗酵素標品を得た。ここで
いう活性1単位とは、PH5.5、0.02Mの酢酸緩
衝液および2×10-3Mの塩化カルシウムを含む
0.3W/W%のソリユブルスターチ溶液5mlに、
適当に希釈した酵素液0.2mlを加え、40℃で10
分間反応させた後、その反応液0.5mlをとり、
0.02N−硫酸水溶液15mlに混合して反応を停止
させ、さらにこの反応停止液に0.1Nヨウ素ヨ
ウ化カリウム溶液0.2mlを加えて発色させ、次
いで660nmにおける吸光度を測定して、40℃
で10分間反応させることによりソリユブルスタ
ーチ15mgのヨウ素の呈色を完全に消失させる酵
素量をいう。 1−2 酵素反応 精製グリチルリチン(丸善化成株式会社製
造、商品名純グリチミン)100gと、澱粉質と
してマルトデキストリン(DE30)500gとを水
5に加熱溶解した後、60℃に冷却すると共
に、PH6.0に調整し、これに前述の粗シクロデ
キストリン・グルカノトランスフエラーゼ標品
の5000単位を加え、PH6.0、60℃に維持しつつ
24時間反応させた。この反応液を95℃に10分間
保つて酵素を加熱失活させた(この標品は第1
表の試料No.3に相当する。)後、濾過して得た
濾液を70℃以下で減圧濃縮するとともに、乾燥
して粉末品(この標品は第1表の試料No.4に相
当する。)を得た。対照品は同様に加熱溶解後、
反応工程、加熱失活工程までを経たもので、そ
の配合組成は第1表に示す。
【表】 実験2 甘味の質の比較テスト 予備テストから求めた甘味度から算出して、各
試料を10%砂糖水溶液に相当する甘味度の水溶液
に調製した。そして、最も劣つているものと、最
も優れているものを各1つずつ選出させ、かつ味
質について意見を求めた。 20名のパネル員で25℃の室温で行つた。その結
果は、第2表に示す通りであつた。
【表】 第2表の結果から、試料No.1、No.2の対照品
は、甘味の質が劣つており、これに対し、澱粉部
分分解物とグリチルリチンとを含有する水溶液に
シクロデキストリン・グルカノトランスフエラー
ゼを作用させて得られた試料No.3、No.4の本発明
品は、甘味の質が砂糖のそれに近く優れている。 従つて、α−グリコシルグリチルリチンを含有
する澱粉部分分解物は、従来のグリチルリチン、
またはグリチルリチンと澱粉部分分解物との単な
る混合物などとは違つて、嫌味がなく、まろやか
な砂糖に近い甘味を有しており、しかも残り味の
切れもよいことから、そのまま口に含んで甘味を
味わうことのできる極めて優れた甘味料である。 実験3 α−グリコシルグリチルリチンの確認 実験1−2で調製した試料No.4の15gを水100
mlに溶解して得られる溶液を、合成吸着剤(三菱
化成工業株式会社製造、商品名HP−20)100ml
のカラムに通液した後、充分水洗して遊離の澱粉
部分分解物を除去した。次いで、このカラムに
50V/V%メチノール300mlを通してα−グリコ
シルグリチルリチンなどのグリチルリチン化合物
を溶出し、濃縮、乾燥、粉砕して約2.5gの粉末
(試料No.5)を得た。 この試料No.5は水に極めてよく溶け、まろやか
な甘味を有する無臭、無色でほぼ中性の物質であ
る。また、酸性下においては、グリチルリチンと
比較すれば、著しくゲル形成を起こしにくい物質
である。 また、メタノール、エタノール、n−ブタノー
ルなどの低級アルコールには一部溶け、クロロホ
ルムやエチルエーテルには難溶性の物質である。 試料No.5のKBr錠剤法による赤外線吸収スペ
クトルを図に示した。この図で840cm-1付近の吸
収はα−結合に特有な吸収であつて、原料のグリ
チルリチンの場合には見られない吸収である。試
料No.5の一部を少量の水に溶解した溶液に市販の
結晶グルコアミラーゼ(EC 3、2、1、3)を
0.02M酢酸塩緩衝液(PH5.0)の存在下のもとに
50℃で作用させて、経時的にサンプリングし、薄
層板(メルク社製造、商品名Kieselgel F 254)
にスポツトし、展開溶媒、酢酸エチル:メタノー
ル:水=2.5:1:1の混合溶媒を使用して上昇
法で展開させた。これを乾燥した後、グリチルリ
チン化合物を紫外線照射で確認し、更に5W/V
%バニリン50V/V%硫酸メタノール溶液からな
る発色剤を噴霧して発色させた。また、試料No.
1、No.5およびD−グルコースを同様にスポツト
して比較してみた。 その結果、試料No.5には、試料No.1のグリチル
リチンに相当するRf0.70付近のスポツト以外に、
新たにRf0.66、Rf0.60、Rf0.57、Rf0.54、Rf0.51、
Rf0.48、Rf0.44、Rf0.40、Rf0.34および原点近く
に分離不充分なRf0.22ならびにRf0.11のスポツト
が確認できた。 これらの新たなスポツトは、グリチルリチン同
様に紫外線照射による螢光で、紫外線吸収スポツ
トとして確認され、発色剤で青色に発色した。 また、試料No.5にグルコアミラーゼを作用さ
せ、経時的にサンプリングして同様にクロマト分
析したものは、反応時間とともに新しいスポツト
を示す物質が徐々に加水分解を受け、最終的に青
色のRf0.70のスポツトを示すグリチルリチンと緑
褐色のRf0.57のスポツトを示すD−グルコースと
になることが判明した。 また、試料No.5にβ−アミラーゼを作用させ、
経時的にサンプリングして同様に薄層クロマト分
析したものは、反応時間とともにRf0.54以下の新
しいスポツトを示す物質が徐々に加水分解を受
け、最終的に青色のRf0.70のスポツトを示すグリ
チルリチン、青色のRf0.66、Rf0.60、Rf0.57のス
ポツトを示す新しい物質および緑褐色のRf0.36の
スポツトを示すマルトースとなることが判明し
た。 以上の事実から、Rf0.66、Rf0.60、Rf0.57、Rf
0.54、Rf0.51、Rf0.48、Rf0.44、Rf0.40、Rf0.34、
Rf0.22、Rf0.11などを示す新しい物質は、グリチ
ルリチンにD−グルコースが等モル以上α−グル
コシド結合しているものと判断される。従つて、
試料No.5は、シクロデキストリン・グルカノトラ
ンスフエラーゼによつて新たに生じたRf0.66、Rf
0.60、Rf0.57、Rf0.54、Rf0.51、Rf0.48、Rf0.44、
Rf0.40、Rf0.34、Rf0.22、Rf0.11を示す新物質と
少量の未反応のグリチルリチンとの混合物であ
る。 また、試料No.5と同様にして調製した試料にβ
−アミラーゼを作用させたものを用いて、酢酸エ
チル:メタノール:水=2.5:1:1の混合溶媒
を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフイー
を行つて、前述の薄層クロマトグラフイーでRf
0.66、Rf0.60、Rf0.57のスポツトを示す新物質の
混合物を分離し、乾燥して粉末を得た。 本粉末は、試料No.5と同様に水によく溶け、ま
ろやかな甘味を有する無臭、無色でほぼ中性の物
質である。また、酸性下においては、グリチルリ
チンと比較すれば著しくゲル形成を起こしにくい
物質である。また、メタノール、エタノール、n
−ブタノールなどの低級アルコールには一部溶
け、クロロホルムやエチルエーテルには難溶性の
物質である。 また、本粉末のKBr錠剤法による赤外線吸収
スペクトルを求めたところ、試料No.5の場合と同
様に、α−結合に特有な840cm-1付近の吸収が見
られた。 また、これら新物質は、豚の肝臓から抽出し、
部分精製したα−グルコシダーゼによつても同様
にグリチルリチンとD−グルコースとに加水分解
されることが判明した。このことから、これら新
物質は、人や動物が摂取するとき、体内でグリチ
ルリチンとD−グルコースとに容易に分解される
ことを示唆している。 また、試料No.5は、実験2で使用した試料No.3
および試料No.4と同様に、嫌味、薬品臭なくまろ
やかな甘味で甘味の発現も早く、残り味の切れも
よく、砂糖に近い優れた甘味を有していることか
ら、α−グリコシルグリチルリチン含有製品とし
て好適である。 従つて、本発明のグリチルリチンの欠点を解消
するという目的は、澱粉質とグリチルリチンとを
含有する水溶液にシクロデキストリン・グルカノ
トランスフエラーゼを作用させてα−グリコシル
グリチルリチンを含有する澱粉部分分解物を生成
させ、α−グリコシルグリチルリチン含有製品に
変換せしめることによつて達成されるものと判断
される。 次に実施例及び参考例を述べる。 実施例 1 α−グリコシルグリチルリチンを含有する澱粉
部分分解物 バチルス・メガテリウムFERM−P No.935
を、実験1−1の培地5Lに植菌し、28℃で3日
間通気攪拌培養した。培養終了後、遠心分離して
得た上清に硫安を0.7飽和にし、更に遠心分離し
て沈澱を採取した。 この沈澱は、実験1−1に記載する活性の測定
方法でシクロデキストリン・グルカノトランスフ
エラーゼ(EC2、4、1、19)を30万単位含んで
いた。 コーンスターチを30W/W%、PH6.0で市販の
液化酵素剤を澱粉固形物当り0.2%加え、温度95
乃至98℃連続液化し、90℃で反応を進めてDE20
になつた時に液化酵素を加熱失活させた。この液
化液に、精製グリチルリチン(丸善化成株式会社
製造、商品名純グリチミン)を固形物重量でグリ
チルリチン:澱粉部分分解物の比が1:3になる
ように溶解して50℃に冷却し、これに上記のシク
ロデキストリン・グルカノトランスフエラーゼを
原料澱粉固形物グラム当り10単位の割合で加え、
50℃、PH5.5で48時間反応させた。反応液の酵素
を加熱失活させて濾過した後、濾液にケイ酸アル
ミン酸マグネシウム(富士化学工業株式会社製
造、商品名ノイシリン)を原料澱粉固形物当り
0.3%加え、徐々に攪拌しつつ30分間保つた後、
濾過し、次いで減圧濃縮、乾燥、粉末化して、粉
末状のα−グリコシルグリチルリチンを含有する
澱粉部分分解物を固形物収率約95%で得た。減圧
濃縮中の発泡は極めて抑制されていた。 本製品は、吸湿性が少なく、取扱いが容易であ
る。また、水に対する溶解速度は極めて大きく、
冷水に容易に溶け、また溶解量も非常に大で、本
製品がペースト状になる程の高濃度にまで容易に
溶けた。 本製品は、固形物当りの甘味度が砂糖の約25倍
であつて、甘味の質もまろやかで残り味の切れも
よい。本製品は、甘味付けまたは呈味改良を必要
とするあらゆる場合に利用できるが、中でも低カ
ロリー甘味料、低う蝕性甘味料などとして好適で
ある。 また、本製品は、泡立ちが極度に抑制され、呈
味改良効果も高いので、例えば、醤油、麺つゆ、
飲料などの液状飲食物、ハードキヤンデー、佃煮
などの煮詰工程を必要とする飲食物、ドリンク
剤、シロツプなどの液状医薬品などへの用途に有
利に利用できる。 実施例 2 α−グリコシルグリチルリチン含有製品 β−シクロデキストリン500gとグリチルリチ
ン酸三ナトリウム(東京化成株式会社製造)100
gとを水5に加熱溶解し、60℃に冷却してPH
5.5に調整し、これに実験1の方法で調製したシ
クロデキストリン・グルカノトランスフエラーゼ
をβ−シクロデキストリン固形物グラム当り100
単位の割合で加え、60℃、PH5.5に24時間保つた。
反応液の酵素を加熱失活させて濾過した後、濾液
にマグネシア系吸着剤(北海道曹達株式会社製
造、商品名M−511)2gを加え、徐々に攪拌し
つつ30分間保ち、次いで、濾過し得られた濾液
を、合成吸着剤(ローム&ハース社製造、商品名
XAD−7)4を充填したカラムに通液し、こ
のカラムを充分水洗して遊離の澱粉部分分解物を
除去した。次いで、このカラムに50V/V%エタ
ノール10を通してα−グリコシルグリチルリチ
ンを溶出し、濃縮、乾燥して約150gの粉末状の
α−グリコシルグリチルリチン含有製品を得た。 本製品を実験3の試料No.5の場合と同様に薄層
クロマトグラフイーで調べたところ、Rf0.70付近
の小スポツトを示すグリチルリチン以外に、新た
にRf0.67付近、Rf0.59付近のスポツトを示す物
質、更に原点からRf0.26付近に至る分離不充分で
巨大なスポツトを示す物質などがシクロデキスト
リン・グルカノトランスフエラーゼによつて生成
していることが確認された。また、試料No.5の場
合と同様に、これら新しい物質はグルコアミラー
ゼによつてグリチルリチンとD−グルコースとに
徐々に加水分解されることも確認された。 本製品は、固形物当りの甘味度が砂糖の約60倍
であつて、甘味の質もまろやかで、残り味の切れ
もよい。従つて、各種飲食物、嗜好物など多方面
への甘味付け、呈味改良などに有利に利用でき
る。また、実施例1の場合と同様に、低カロリー
甘味料、低う蝕性甘味料などとして利用すること
も随意である。 実施例 3 α−グリコシルグリチルリチンを含有する澱粉
部分分解物 マルトデキストリン(DE18)100gと純グリチ
ルリチンを約25%しか含有せず黄褐色したグリチ
ルリチン粗製品(丸善化成株式会社製造、商品名
リコゲン)100gとを水3に加熱溶解した後、
60℃に冷却し、PH5.5に調整した。これに実験1
の方法で調製したシクロデキストリン・グルカノ
トランスフエラーゼ標品の3000単位を加え、PH
5.5、60℃に維持しつつ44時間反応させた。この
反応液を加熱して酵素を失活させた後濾過し、濾
液に実施例2の場合に用いたマグネシア系吸着剤
5gを加え、徐々に攪拌しつつ20分間保ち、次い
で濾過し得られた濾液を、減圧濃縮し、水分
30W/W%の淡黄色液状(シラツプ状)のα−グ
リコシルグリチルリチンを含有する澱粉部分分解
物を原料固形物当り約97%の収率で得た。減圧濃
縮中の発泡は極めて抑制されていた。 本製品は、精製グリチルリチンを用いる場合以
外に甘味の質の改良に著しいことがわかつた。本
製品の甘味度は、砂糖の約4倍であつて、各種飲
食物、嗜好物、医薬品などの甘味付け、呈味改良
などに有利に利用できる。 本製品の製造には、原料の粗グリチルリチンか
らの有色夾雑物の完全除去にやや難点があるが、
色にこだわらない、例えば、醤油、ソース、味
噌、マヨネーズ、焼肉のたれ、スープの素などの
調味料、福神漬、沢庵漬、奈良漬などの漬物類、
チヨコレート、ココア、チユーインガム、プリ
ン、あんなどの菓子類、その他佃煮、珍味、塩
辛、乳酸飲料などの製造には高度に精製したグリ
チルリチンを用いる場合よりも安価に大量に供給
できるので好都合である。 また、本製品は泡立ちが極度に抑制され、呈味
改良効果も高いので、例えば、醤油、麺つゆ、飲
料などの液状飲食物、ハードキヤンデー、佃煮な
どの煮詰め工程を必要とする飲食物、ドリンク
剤、シロツプなどの液状医薬品などへの用途に有
利に実施できる。 参考例 1 甘味料 還元麦芽糖水飴(株式会社林原生物化学研究所
製造、商品名マビツト)1Kgに実施例1の方法で
製造したα−グリコシルグリチルリチンを含有す
る澱粉部分分解物10gを溶解して調製した液状甘
味料は、甘味の質が優れ、砂糖と同程度の甘味を
有し、カロリーは砂糖の約1/20である。 本甘味料は、低カロリー甘味料としてカロリー
摂取を制限をしている人、例えば、肥満者、糖尿
病者などのための低カロリー飲食物、嗜好物の甘
味付けに好適であり、またこのままテーブルシラ
ツプとしても自由に利用できる。また、虫歯原因
菌によつて酸の生成もなく、水不溶性グルカンの
生成もないことより、虫歯を予防する飲食物など
への甘味付けに好適である。 参考例 2 甘味料 グルコース800gに、砂糖200g、実施例2の方
法で製造したα−グリコシルグリチルリチン含有
製品5gとを均一に混合して粉末化したものに、
少量の水をスプレーしてかるく圧縮して成形し、
角砂糖様形状の甘味料を製造した。 本甘味料は、砂糖とほぼ同程度の甘味度を有す
ると同時に、極めて優れた甘味質を持つていて、
冷水にも容易に溶ける。冷水に溶かしたものは、
そのままでも清涼飲料水に好適である。 本甘味料の甘味の質が優れているのは、これら
混合した三つの甘味源の相乗効果と判断された。 参考例 3 甘味料 実施例2の方法で製造したα−グリコシルグリ
チルリチン含有製品16gを水20mlに溶かし込み、
これに蜂蜜1Kgを均一に混合して複合甘味料を得
た。 本甘味料は、甘味度が砂糖の約2倍であつて、
甘味の質も極めて優れており、蜂蜜の香りを一段
とひき立たせた。 本甘味料は、美容飲料、健康食品、ダイエツト
フードなどへの甘味付や医薬品などの矯味剤など
に有利に利用できる。 参考例 4 ハードキヤンデー 還元麦芽糖水飴(株式会社林原生物化学研究所
製造、商品名マビツト)15Kgに実施例1の方法で
製造したα−グリコシルグリチルリチンを含有す
る澱粉部分分解物60gを溶解した後、減圧下で水
分が約2%以下になるまで加熱濃縮し、これにク
エン酸150gおよび少量のレモン香料と着色料と
を混和し、次いで、常法に従つて成形しハードキ
ヤンデーを得た。グリチルリチンを使用する場合
と比較して、加熱濃縮時の泡立ちは極めて抑制さ
れていた。 本品は、高甘味、低カロリー、低う蝕性のハー
ドキヤンデーである。 参考例 5 チユーインガム ガムベース2Kgを柔らかくなる程度に加熱溶融
し、これにラクチトール(結晶粉末)6Kg、実施
例2の方法を製造したα−グリコシルグリチルリ
チン含有製品160g、ソルビトール(結晶粉末)
1Kgおよび少量のハツカ香料と着色料とを混合し
た後、常法に従つて、ロールにより練り合せ、成
型することによつてチユーインガムを得た。 本品は、テクスチヤー、甘味ともに良好で、低
カロリー、低う蝕性のチユーインガムである。 参考例 6 チヨコレート カカオペースト40Kg、カカオバター10Kg、麦芽
糖10Kg、乳糖5Kg、前脂粉乳20Kgおよび実施例1
の方法で製造したα−グリコシルグリチルリチン
を含有する澱粉部分分解物1Kgを混合し、レフア
イナーを通した。そして粒度を下げた後、コンチ
エに入れてレシチン500gを加え、50℃で二昼夜
練り上げた。次いで、常法に従い成型機に流し込
み固化成型することにより製品とした。 本品は、泡の混入、フアツトブルームおよびシ
ユガーブルームの恐れがなく、舌にのせた時の融
け具合、風味ともに良好で、低う蝕性のチヨコレ
ートである。 参考例 7 乳酸飲料 10Kgの脱脂乳を80℃で20分間加熱殺菌した後、
40℃に冷却し、これにスターター300gを加え35
乃至37℃で10時間発酵させた。次いで、これをホ
モゲナイズした後、実施例1の方法で製造したα
−グリコシルグリチルリチンを含有する澱粉部分
分解物2Kgとカツプリングシユガー2Kgとを加え
80乃至85℃で攪拌混合しつつ殺菌した。 これを冷却した後、少量の香料を加えてビン詰
めし、製品とした。 本品は、泡立ちもなく、風味良好な低う蝕性の
乳酸飲料である。 参考例 8 佃 煮 常法に従つて、砂取り、酸処理して角切りした
昆布250gに、醤油212ml、アミノ酸液318ml、粉
飴50g、プルラン1gおよび実施例3の方法で製
造したα−グリコシルグリチルリチンを含有する
澱粉部分分解物10gを加えて煮込みつつ、更にグ
ルタミン酸ソーダ12g、カラメル8g、みりん21
mlを加えて炊き上げ、昆布の佃煮を得た。グリチ
ルリチンを使用する場合と比較して、煮込時の泡
立ちは極めて抑制されていた。 本品は、味、香りだけでなく、色、艶も充分で
食欲をそそる商品価値の高い製品であつた。 参考例 9 ラツキヨウ漬 生ラツキヨウ5Kgを、常法に従つて、約20%食
塩水2.5に塩漬けして3週間の後、水切りして
得た塩漬ラツキヨウを水2.0、氷酢酸80ml、食
塩80gからなる酢酸液に1ケ月間酢漬けした。 得られた酢漬ラツキヨウを、更に食酢800ml、
みりん400ml、唐辛子10gおよび実施例2の方法
で製造したα−グリコシルグリチルリチン含有製
品10gからなる調味液に10日間漬けて風味豊かな
ラツキヨウを甘酢漬を得た。 参考例 10 錠 剤 アスピリン50gに、麦芽糖13g、コーンスター
チ4gおよび実施例2の方法で製造したα−グリ
コシルグリチルリチン含有製品1gを均一に混合
した後、直径12mm、20R杵を用いて1錠680mg、
錠剤の厚さ5.25mm、硬度8Kg±1Kgで打錠した。 本品は、適度の甘味を有する飲み易い錠剤であ
る。 参考例 11 練歯磨 配合 第2リン酸カルシウム 45.0 % プルラン 2.75% ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 % グリセリン 20.0 % ポリオキシエチレン ソリビタンモノラウレート
0.5 % 防腐剤 0.05% 実施例2の方法で製造したα−グリコシルグリチ
ルリチン含有製品 0.2 % 水 30.0 % 上記の材料を常法に従つて混合し、練歯磨を得
た。 本品は適度の甘味を有しており、子供用練歯磨
として利用できる。
【図面の簡単な説明】
図は、実験3で得た試料No.5の赤外線吸収スペ
クトル図を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 澱粉質にシクロデキストリン・グルカノトラ
    ンスフエラーゼを作用させるに際し、澱粉質とと
    もにグリチルリチンを含有する水溶液にシクロデ
    キストリン・グルカノトランスフエラーゼを作用
    させ、α−グリコシルグリチルリチンを含有する
    澱粉部分分解物を生成せしめることを特徴とする
    α−グリコシルグリチルリチンを含有する澱粉部
    分分解物の生成方法。 2 澱粉質とともにグリチルリチンを含有する水
    溶液にシクロデキストリン・グルカノトランスフ
    エラーゼを作用させるに際し、澱粉質をグリチル
    リチンに対して固形物当り約0.5乃至500倍の範囲
    にして、シクロデキストリン・グルカノトランス
    フエラーゼを作用させることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載のα−グリコシルグリチルリ
    チンを含有する澱粉部分分解物の生成方法。
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