JPH0328670Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、コンクリート工事用型枠の堰板の表
面、あるいは道路、滑走路等の舗装層の下部等に
張設、敷設され、主として排水機能を発現させる
ドレンシートに関するものである。

従来の技術 従来、コンクリート工事用の型枠においては、
堰板に多数の小孔を貫設すると共に、該堰板の表
面に布帛を張設しておき、コンクリート中の余剰
水分を排出する手段が提案され、また道路、滑走
路等の保護のためには、舗装層の下部にサンドド
レン構造部を設けて地盤の排水を図る手段が採用
されている。

考案が解決しようとする問題点 上述の従来のコンクリート工事用型枠における
排水構造や、道路や滑走路等の保護のための排水
構造は、それぞれ全く別個の構造であつて、使用
材料には全く共通点が無く、従つて、予め工場生
産された排水用の同一構造部材を、コンクリート
工事用型枠および道路や滑走路の舗装の保護工に
共通して使用できるようにすると云う技術思想の
ものは皆無であつた。

このため、本考案は、排水と云う機能を有する
単一構造部材であり、前述のコンクリート工事用
型枠にも、また道路や滑走路の保護工にも、共通
して使用しうる土木工事用ドレンシートを提供す
ることを目的として案出されたものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、実用新案登録請求の範囲に記載され
るように、間隔を存して平行に配置された合成樹
脂製の表面シートと裏面シートとが、前記間隔内
に平行に配置された同質の多数の隔壁によつて一
体に結合されて両シート間に平行に走る多数のフ
ルートが形成され、少なくとも表面シートには、
前記多数のフルートのそれぞれに連通する多数の
小孔が貫設されていると共に、該表面シートの外
表面には、透水性、通気性は有するもののセンメ
ント粒子、土壌粒子等は透過させない組識密度の
合成繊維製布帛が接着されており、前記表面シー
トと裏面シートとのフルートと直交する端面に
は、該各フルートが開口させられていると云う構
成とすることにより、前述の目的を達成しうる土
木工事用ドレンシートを得たものである。

作 用 本考案では、水分のみが合成繊維製布帛を透過
し、表面シートの小孔を通つてフルート内へ流入
し、該フルートの端部の開口部分から流出され
る。

そして、セメント粒子とか土壌粒子は、前記布
帛面で流出を阻止されるので、コンクリートや土
壌が流出したり、フルートが詰まつたりすること
は無く、コンクリート型枠の堰板の外表面に張設
した際には、コンクリート硬化速度を早め、初期
強度を向上させるし、道路や滑走路の下方に敷設
した際には、周囲に浸透した雨水等を良好に排水
し、道路や滑走路の下方の地盤の洗堀を防止しう
るものである。

実施例 第１図乃至第３図は、コンクリート工事用の型
枠１に適用した第１の実施例を示しており、ドレ
ンシート２は、第１図に示されるように、間隔Ｓ
を存して平行に配置されたポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ナイロン等の合成樹脂製の表面シート
３と裏面シート４とが、前記間隔内に平行に配置
された同質の多数の隔壁５によつて一体に結合さ
れ、両シート３，４間に平行に走る多数のフルー
ト６が形成されており、前記表面シート３と裏面
シート４とにはフルート６のそれぞれに連通する
多数の小孔７が貫設されている。

上述の表面シート３の外表面８には、透水性、
通気性は有するもののセメント粒子とか土壌粒子
は透過させない組識密度とされた合成樹脂製布帛
９が接着剤１０で接着されている。

前述のフルート６は、図示実施例の場合、第２
図に示される型枠１の高さＨ方向に走通するよう
配置され、ドレンシート２のフルート６と直交す
る端面１１，１２には、各フルート６が開口させ
られ、該端面１１，１２は型枠１の端面１３，１
４と同一面内に位置させられている。

第２図および第３図は、第１図に示されるドレ
ンシート２を、ガラス繊維強化プラスチツク製の
堰板１５の外表面１６に接着剤で接着張設された
コンクリート工事用の型枠１を示している。

この型枠を設置してコンクリートの打設を行な
うと、コンクリートは堰板１５のドレンシート２
面に直接接触し、コンクリート中の余剰水分と混
在していた気泡の空気とのみは、ドレンシート２
の合成樹脂製布帛９の組識間隙、繊維間隙を通
り、更に表面シート３の小孔７を通つてフルート
６内へ流入し、型枠１の下方へ流出し、空気はフ
ルート６を径て上方へ排出される。この結果、型
枠１に近接する部分のコンクリート硬化速度が早
くなつて初期強度が向上し、型枠１の脱型を早め
ることができるし、コンクリート面の気泡痕の発
生も防止でき、合成樹脂製布帛９の組識目の転写
により、コンクリート面の外観も良好となるもの
である。

第４図および第５図は道路１７の保護工に使用
される第２の実施例を示しており、このドレンシ
ート１８は、間隔ｓを存して平行に配置された合
成樹脂製の表面シート１９と裏面シート２０と
が、同質の隔壁２１によつて一体に結合され、両
シート１９，２０間に多数のフルート２２が形成
され、表面シート１９の外表面２３に、透水性、
通気性は有するもののセメント粒子とか土壌粒子
は透過させない合成繊維製布帛２４が接着されて
いる点では、第１図に示す第１の実施例と同じで
あるが、表面シート１９のフルート２２に対応す
る部分にのみ小孔２５が貫設され、裏面シート２
０には小孔が貫設されていない点で第１の実施例
と相違している。

第５図は第４図に示すものの使用の例であつ
て、地山２６の一部を切り崩して、道路１７を構
成したとき、その路盤２７の下方に、ドレンシー
ト１８を、合成繊維布帛２４を上面とし、フルー
ト２２が道路と直交し、その開口部２８が路盤２
７より下方の法面に露出するように敷設し、地下
水、雨水の含水３０を排出するようにした例であ
る。

この使用例では、第１図に示すもの複数枚を上
層とし、最下層に第４図に示すものを使用し、複
数のドレンシートを用いてもよい。

なお何れの実施例においても、隔壁５，２１の
存在により、ドレンシートは著しく高い面圧に耐
えうるものである。

勿論、本考案に係るドレンシートは盛土の下層
に敷設し、盛土の保護を図ることも可能である。

効 果 本考案は、以上説明した構成、作用のものであ
つて、合成繊維製布帛は、隔壁によつて一体に結
合されている表面シートと裏面シートとよりなる
合成樹脂シート体の表面シートに接着されている
ので、取り扱い中に組識のずれ、変形等が生ぜ
ず、常に当初の組識形態を維持しうる効果があ
り、また合成樹脂製の表面シートと裏面シートの
存在により保形性が大であつて、コンクリート工
事用の型枠の堰板への接着、張設が容易となる効
果も有するし、合成繊維製布帛は前記表面シート
に接着されているので、切断端からの構成糸のほ
つれが進行することもない効果もある。

更に使用に当り、水分あるいは空気のみが合成
繊維製布帛を通過し、表面シートの小孔からフル
ート内へ流入し、フルートの端部から流出、排除
され、セメント粒子や土壌粒子は合成繊維布帛に
よつてその流出を阻止されるので、土木工事に必
要な排水を良好に実現しうる効果がある。

またドレンシート自在は軽量であり、比較的小
型に梱包しうるので、作業現場への搬送等のコス
トを低くでき、作業性を向上させうる効果もあ
る。

然もコンクリート工事用型枠に適用すれば、コ
ンクリートの硬化速度を早め、初期強度を向上さ
せうるし、道路、滑走路等の保護工に使用すれ
ば、常時地盤の含水の排除ができ、その保護を簡
単かつ容易に達成しうる等の効果も有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１の実施例の拡大縦断面図、第２図
は第１図に示すものを使用したコンクリート型枠
の斜面図、第３図は第２図中−線断面図、第
４図は第２の実施例の拡大断面図、第５図は第４
図に示すものの使用の一例を示す略示断面図であ
る。 ２……ドレンシート、３……表面シート、４…
…裏面シート、５……隔壁、６……フルート、７
……小孔、８……外表面、９……合成繊維製布
帛、１０……接着剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 間隔を存して平行に配置された合成樹脂製の表
   面シートと裏面シートとが、前記間隔内に平行に
   配置された同質の多数の隔壁によつて一体に結合
   されて両シート間に平行に走る多数のフルートが
   形成され、少なくとも表面シートには、前記多数
   のフルートのそれぞれに連通する多数の小孔が貫
   設されていると共に、該表面シートの外表面に
   は、透水性、通気性は有するもののセメント粒
   子、土壌粒子等は透過させない組識密度の合成繊
   維製布帛が接着されており、前記表面シートと裏
   面シートとのフルートと直交する端面には、該各
   フルートが開口させられている土木工事用ドレン
   シート。