JP2622897B2 - 壁体の施工法および壁体背面土の排水方法 - Google Patents

壁体の施工法および壁体背面土の排水方法

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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は連続性微細空隙を有するコンクリート板を埋
設型枠に用いた壁体の施工法、および擁壁や地下壁を構
成する壁体もしくは盛土や地盤内に設けられる構造物の
側壁を構成する壁体の背面土から地下水を効果的に排出
する壁体背面土の排水方法に関する。
〈従来の技術〉 コンクリートやモルタル等のセメント合材によって不
透水性の擁壁や地下壁等の壁体を構築する際には、壁体
の背面土から地下水を排出可能なように排水処置を施す
のが一般的である。
すなわち、降雨等によって背面土の含水量が増大する
と、土の含水膨張等によって壁体に加えられる土圧が増
大すると共に、背面土に浸透した浸透水自体の静水圧が
土圧に加えられるために、壁体の対圧限界を越えて壁体
が崩壊してしまったり、壁体を支えている基礎地盤の地
盤支持力が含水によって低下し、基礎地盤が崩れること
によって壁体が崩壊する危険性も生ずるため、背面土の
排水が可能なように壁体を構築するのである。
背面土の排水を可能ならしめるために、壁体を前後に
貫通する水抜孔等を所要間隔(例えば1.5〜5m)毎に設
けて導水路を構成し、壁体背面側の背面土中の地下水を
壁体の前面側へ導出可能にすると共に、壁体と背面土と
の間に面状もしくは線状に栗石や砕石を敷設して排水層
を形成し、該排水層によって地下水を効率良く集水して
前記導水路へ導くことで、壁体背面土の排水を行う方法
が用いられている。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、前記のように排水層を壁体の背面側へ
形成する場合、地盤を掘り起こして配設した内外枠間に
コンクリートを打設して壁体を構築した後に、壁体の背
面側を埋め戻しながら栗石や砕石を所定位置に敷設する
ことで排水層を形成するために、型枠の取り外しや排水
層の敷設にかかる手間等が非能率的であり、壁体の施工
にかかる工事期間が長くなり、急を要する短期工事には
適さないと共に、工事期間が長期化することに伴う人件
費等の経費が嵩んでしまう。
また、壁体を構築する際には内外型枠を配設してコン
クリートを打設するため、コンクリートを養生する間に
未硬化状態のコンクリート前後面より水分や気泡が抜け
ず、耐久性や強度に優れた高品質の壁体を構築すること
ができない。
加えて、従来の壁体においては、排水機能を高めるた
めに、排水手段としての排水パイプ等を壁面へ適宜に散
在させて設けてあるため、流水痕にコケが生えたりして
壁体の美的外観を損ねてしまう傾向にある。
そこで、本発明は、耐久性に優れた高品質の壁体を容
易に施工できると共に、良好な壁体の外観を保持できる
壁体の施工法と、壁体背面土中の地下水を効果的に排水
できる壁体背面土の排水方法の提供を目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 上記課題を解決するために、本発明に係る壁体の施工
法は、連続性微細空隙を有するコンクリート板よりなる
埋設型枠(2)を連続微細空隙が上下方向に略々均一に
連続するように配置し、上記埋設型枠と所要間隔を隔て
て外型枠(3)を配置し、上記埋設型枠の最下部におけ
る連続性微細空隙と連通する導水手段(例えば水抜孔
5)を埋設型枠と外型枠との間に形成し、両型枠間に未
硬化状態のセメント合材を打設し、該セメント合材を養
生した後に外型枠を取り外して、背面で土圧を受ける壁
体(例えば擁壁8)を形成するようにした。
また、本発明に係る壁体背面土の排水方法は、背面で
土圧を受ける壁体(例えば擁壁8)の背面側に位置させ
た連続性微細空隙を有するコンクリート板(例えば埋設
型枠2)を上下方向に略々均一に連続する排水層と成
し、壁体の背面土中より前記排水層の連続性微細空隙内
に流入する地下水を、排水層の最下部における連続性微
細空隙と連通する導水路(例えば水抜孔5)へ導くこと
で、壁体背面土の排水を壁体下方部より集中的に行うよ
うにした。
〈作用〉 壁体の施工法においては、連続性微細空隙を有するコ
ンクリート板を埋設型枠に用いて壁体を構築すること
で、壁体背面側の型枠を取り外す必要が無いと共に、壁
体の背面側には連続性微細空隙を有するコンクリート板
によって連続性微細空隙が上下方向に略々均一に連続し
た排水層が形成される。そして、排水層に地下水が流入
すると、重力方向に連続することとなる微細空隙によっ
て埋設型枠の下方部へ流下してゆき、埋設型枠の最下部
における連続性微細空隙と連通する導水手段によって所
定位置へ導かれることとなる。
さらに、両型枠間に打設したセメント合材を養生する
際に、埋設型枠と接する部分のセメント合材内に含まれ
る余剰水分や空気が埋設型枠の連続性微細空隙を介して
抜け出すことで、埋設型枠と接する部分のセメント合材
は単位水量および含有空気量が少なくなり、埋設型枠と
接する部分には強度および耐久性に優れた密実層が形成
される。
また、壁体背面土の排水方法においては、背面で土圧
を受ける壁体(例ば擁壁や地下壁を構成する壁体もしく
は盛土や地盤内に設けられる構造物の壁体等)の背面側
へ位置させたコンクリート板を上下方向に略々均一に連
続する排水層とすることによって、背面土中の水分は排
水層の背面側全面より連続性微細空隙内へ流入する。ま
た、排水層内に流入した地下水は、重力方向に連続する
こととなる微細空隙によって下方部へ効果的に集水さ
れ、前記排水層の最下部における連続性微細空隙と連通
する導水路へ至り、該導水路によって所定位置へ導かれ
る。
〈実施例〉 次に、本発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に説
明する。
第1図(a)〜(d)に示すのは、連続性微細空隙を
有するコンクリート板によって逆T型擁壁を構築する際
の施工過程を示す図である。
まず、壁体構築位置を所定深さまで掘り起こして、図
示省略の基礎工を適宜に施し、壁体を安定に保持するた
めの底版1を埋設、もしくは場所打ちによって形成する
(第1図(a))。なお、底版1内には図示を省略した
縦筋、横筋等を配筋してある。
次に、前記底版1の適所より壁体を延設可能なよう
に、連続性微細空隙を有するコンクリート板からなる埋
設型枠2と、木製、鋼製、プラスチック製等のせき板か
らなる外型枠3とを所要間隔を隔てて設け、壁体構築用
の間隔4を埋設型枠2と外型枠3との間に形成すると共
に、前記間隙4の一部に導水路たる水抜孔5を構成する
ための中空パイプ等を所定間隔を隔てて両型枠2,3間に
配設する(第1図(b))。
なお、本実施例においては底版1よりも適宜上方に位
置する水抜孔5の後方開口部に埋設型枠2の下端部を位
置させるために、埋設型枠2の下方には所要高さの内型
枠6を配設するようにしてあり、この内型枠6も上記外
型枠3と同様な木製、鋼製、プラスチック製等のせき板
で構成してある。これにより、水抜孔5の後方開口部
は、埋設型枠2の最下部における連続性微細空隙と連通
することとなる。
前記埋設型枠2に用いる連続性微細空隙を有するコン
クリート板は、所要粒度の骨材をセメントペースト、レ
ジンペースト等の接着材によって結合させ、骨材間に連
続性の微細空隙を生ぜしめた状態で、適宜厚さの板状と
したものである。斯く構成した埋設型枠2は、図面に示
す如く接合部のない一枚の板であることから、略々均一
な連続性微細空隙を内部に有することとなる。
次いで、埋設型枠2と外型枠3との間に形成した間隙
4内へ、セメント合材たるコンクリートを打設し(第1
図(c))、該セメント合材を所要期間養生する。そし
て、セメント合材の水和硬化作用により擁壁の壁体たる
たて壁7が形成された後、外型枠3及び内型枠6を取り
外すと共に、埋設型枠2が位置するたて壁7の背面側に
土を埋め戻して擁壁8を構築し、擁壁8の前面側には前
記水抜孔5の前面開口部よりも適宜下方に位置する側溝
9を設ける(第1図(d))。
なお、図面に示す実施例においては図示を省略した
が、埋設型枠2および外型枠3には十分な強度と剛度を
与えるための支保工を施すと共に、壁体構築用の間隙4
内に縦筋、横筋等を配筋するものとしてある。
上記のような施工法によって構築した擁壁8において
は、埋設型枠2として用いた透水性の極めて良好な連続
性微細空隙を有するコンクリート板が、背面で土圧を受
ける壁体たるたて壁7の背面側に位置する排水層として
作用するので、擁壁8の背面土中から埋設型枠2の連続
性微細空隙内に流入した地下水は、該連続性微細空隙内
を下方へ流下し、埋設型枠2の最下部で連続性微細空隙
と連通する水抜孔5を通ってたて壁7の前面側に導か
れ、排水用の側溝9に排出される。
しかも、擁壁8を構築する際にたて壁7の裏面側に配
した埋設型枠2は、上下に分割しない一枚のコンクリー
ト板を用いるものとしたので、連続性微細空隙は上下方
向に略々均一に連続した状態となり、埋設型枠2内に流
入した水分は下方部へスムースに流下することとなる。
加えて、降雨等により大量の地下水が埋設型枠2の背面
側全面から流入した場合、埋設型枠2の連続性微細空隙
内に流入した水分によって重力方向への強い圧力が生
じ、下方部への流下を促進させると共に、下方部へ集水
された水分を導水手段としての水抜孔5へ押し出す力と
しても作用することとなる。
よって、擁壁8の壁体たるたて壁7の排水能力は極め
て高いものとなり、従来の壁体の如く壁面の上下方向に
多くの導水パイプ等を散在させるまでもなく、壁体の最
下部のみから極めて効果的な排水を行うことができるの
である。しかも、導水手段としての水抜孔5は擁壁8の
最下部のみに設ければ良いので、壁体としての外観に様
々な意匠を凝らすことができると共に、壁面中央部の排
水痕にこけが生えたり変色したりして外観を著しく損ね
ることもない。
したがって、連続性微細空隙を有するコンクリート板
よりなる埋設型枠2が排水層として機能するために、た
て壁7の背面と背面土との間に栗石や砕石を別途敷設す
る必要がなく、極めて容易な施工によって背面土の排水
が可能な擁壁8を構築できると共に、擁壁8の背面側の
型枠を取り外す作業をも簡略化できるので、排水層の敷
設や型枠の取り外しにかかる手間を省いて、擁壁8の施
工にかかる工事期間を短縮し、工事期間を短期化するこ
とに伴う人件費等の経費を縮減できる。
加えて、両型枠間に形成した間隙4内へ打設したコン
クリートを養生する際に、埋設型枠2と接する部分のコ
ンクリート内に含まれる余剰水分や空気が埋設型枠2の
連続性微細空隙を介して抜け出すことで、埋設型枠2と
接する部分のコンクリートは単位水量および含有空気量
が少なくなり、埋設型枠2と接するたて壁7の背面部分
には密実コンクリート層が形成される。
したがって、たて壁7の背面側に形成された密実コン
クリート層は擁壁8自体の強度および耐久性を向上さ
せ、高品質の壁体を構築することができる。
なお、上記実施例においては、埋設型枠2内の連続性
微細空隙から導水路たる水抜孔5によって、擁壁8の壁
体たるたて壁7の背面土から擁壁8の前面側に地下水を
導く導水路を構成するようにしたが、第2図に示す他の
実施例のごとく、埋設型枠2に用いたコンクリート板と
同様な連続性微細空隙を有する部材を所要形状に形成し
た透水体10を適宜に配設することで、埋設型枠2内の連
続性微細空隙をたて壁7の前面側まで連通させ、該連続
性微細空隙によって地下水をたて壁7の前面側へ導き、
背面土の排水を行うように構成してもよ。
斯くすれば、小径の導水パイプを用いて水抜孔5を形
成する場合に比して、排水有効断面積を大ならしめるこ
とができると共に、パイプ詰まりのような不具合も生ず
ることが無く、一層効果的な排水機能を斯せるのであ
る。また、四角ブロック状の導水体を用いた場合には、
壁体施工時の作業効率も高いものとなる。
第3図に示すのは前記実施例と同様の施工法によっ
て、地中に構築した地下壁11であり、前述したと同様
に、埋設型枠2と水抜孔5によってたて壁7の背面土の
排水を行えると共に、壁体の背面側に排水層を備えた地
下壁11を極めて簡便に構築できる。しかも、たて壁7の
背面側には密実コンクリート層が形成され、強度および
耐久性に優れた地下壁11とすることができる。なお、地
下壁11の水抜き孔5に代えて、上記透水体10を用いるよ
うに構成してもよい。
第4図に示すのは盛土や地盤内に設けられる構造物、
例えば道路や宅地等の下を横断する水路や道路等の空間
を構成するためのボックスカルバート12である。
このボックスカルバート12は、適宜基礎工を施して敷
設した割栗石13aの上方に均しコンクリート13bを打設し
てなる基礎13を形成し、該基礎13上に底版14を場所打ち
により形成した後、前述した擁壁8と同様にして左右側
壁15a,15bを形成することによって、連続性微細空隙を
有するコンクリート板よりなる埋設型枠2が各側壁15a,
15bの背面側に位置することとなり、該埋設型枠2が各
側壁15a,15bの背面土中から水分を効果的に集水する排
水層として作用する。
ここで、各側壁15a,15bの背面側の埋設型枠2の下端
には、連続性微細空隙を有するコンクリートを中空パイ
プ状に形成した導水パイプ16,16を配設し、該導水パイ
プ16の連続性微細空隙が上部に位置する埋設型枠2の連
続性微細空隙と上下方向に連通するようにしてある。
さらに、左右側壁15a,15bの上端間へ頂版17を形成す
ることで、左右側壁15a,15bと底版14及び頂版17によっ
て囲まれる空間を内部に有するボックスカルバート12が
構築され、該ボックスカルバート12の左右および上部を
埋め戻すことによって、地盤内に所要空間が形成され
る。
上記のように構築したボックスカルバート12において
も、壁体たる左右側壁15a,15bを構築する際の背面側の
型枠として、連続性微細空隙を有するコンクリート板に
よって形成した埋設型枠2を用いることにより、土圧を
受ける左右側壁背面側の型枠の取り外し及び排水層の敷
設にかかる手間を省力化でき、前述した擁壁8および地
下壁11と同様の効果を期せる。
また、左右側壁15a,15bの背面側に配設した連続性微
細空隙を有する埋設型枠2,2が排水層として作用するこ
とで効果的に集水された地下水は導水パイプ16,16内へ
流入し、該導水パイプ16によって貯水槽等の適所へ導か
れて排出されることで、ボックスカルバート12の左右側
壁15a,15bの背面土の排水を効果的に行うことができ
る。なお、導水パイプ16の下方に基礎13の均しコンクリ
ート13bを不透水性層として位置させることで、導水パ
イプ16内に流入した地下水が再び背面土へ浸透すること
を極力防止するようにしてある。
さらに、埋設型枠2と接する左右側壁15a,15bの背面
部分には密実コンクリート層が形成され、ボックスカル
バート12自体の強度および耐久性を向上させることがで
きる。
第5図(a),(b)に示すのはバックスカルバート
12の他の実施例であり、上記導水パイプ16に代えて第1
導水ブロック18、第2導水ブロック19を用いたものであ
る。
第1導水ブロック18,18は、埋設型枠2に用いたコン
クリート板と同様な連続性微細空隙を有する部材を例え
ば断面四角形状の長尺なブロックに形成すると共に、該
ブロックの内部へ中空部18aを長手方向に連続するよう
に設けたものとしてある。
また、第2導水ブロック19,19も上記第1導水ブロッ
ク18と同様な断面四角形状の長尺なブロックよりも構成
してあり、該ブロックの下面部へ導水溝19aを長手方向
に連続するように設けたものとしてある。
上記のような第1,第2導水ブロック18,19によって導
水路を構成した場合にも、導水パイプ16によって導水路
を構成した第4図に示す実施例と同様に、左右側壁15a,
15bの背面土の排水を効果的に行うことが可能となる。
なお、ボックスカルバート12の左右側壁15a,15bから
集水した地下水を適所へ導くための導水路を構成する手
段は、上記導水パイプ16や第1,第2導水ブロック18,19
に限定されるものではなく、埋設型枠2の連続性微細空
隙と連通する導水路が形成されるものであれば、どのよ
うな構成であってもよい。
また、上記実施例においては場所打ちによってボック
スカルバート12を構築するものとしたが、比較的小さな
地下水路等を盛土や地盤内に構成する場合には、予め所
要形状に形成されたボックスカルバートを埋設すること
によって、施工現場における省力化を図ることができ
る。その際、ボックスカルバート成形用の型内へ、左右
側壁の背面側に位置する状態となるように連続性微細空
隙を有するコンクリート板を配した状態で、ボックスカ
ルバート成形用の型内へコンクリートを打設することに
よってボックスカルバートを形成すれば、各側壁の背面
側に位置させた連続性微細空隙を有するコンクリート板
が排水層として作用することで、上記実施例と同様に効
果的な背面土の排水を行えると共に、ボックスカルバー
ト成形用の型内へ打設したコンクリートの左右側壁部の
背面側には密実コンクリート層が形成されることで、ボ
ックスカルバート自体の強度および耐久性を向上させら
れる。
以上、本発明を図面の実施例に基づいて説明したが、
本発明は上記の各実施例に限定されるものではなく、特
許請求の範囲に記載の構成を変更しない限り、どのよう
にでも実施することができる。
〈発明の効果〉 以上説明したように、本発明に係る壁体の施工法によ
れば、略々均一な連続性微細空隙を有するコンクリート
板を埋設型枠として用いることにより、該埋設型枠の連
続性微細空隙が背面土中の水分を効果的に集水する排水
層として機能するので、壁体の背面と背面土との間に栗
石や砕石を別途敷設することなく、壁体背面土中の水分
を集水することができる。しかも、排水層たる埋設型枠
によって集水した地下水は導水路を介して適所へ導き排
出されるので、極めて容易な施工によって背面土の排水
が可能な擁壁や地下壁、盛土や地盤内に設けられる構造
物の側壁を構築できると共に、壁体の背面側の型枠を取
り外す作業をも簡略化できるので、排水層の敷設や型枠
の取り外しにかかる手間を省いて、壁体の施工にかかる
工事期間を短縮し、工事期間を短期化することに伴う人
件費等の経費を縮減できる。
さらに、埋設型枠を連続性微細空隙が上下方向に略々
均一に連続するように配置しておくので、重力方向に連
続することとなる微細空隙に流入した地下水は、埋設型
枠の下方部へ良好に流下してゆくこととなり、埋設型枠
の最下部における連続性微細空隙と連通するように設け
た導水手段へ効果的に導くことが可能となる。よって、
従来の壁体のように排水パイプ等を壁面の上部等にも適
宜散在させることなく、良好な排水能力を保持できると
共に、壁体中央部に開口する導水口からの流水痕等によ
って壁体の外観を著しく損ねることもない。
しかも、埋設型枠の最下部と導水手段とを連通させる
ものとしたので、導水手段によって前面側へ導出されな
い水分が連続性微細空隙の下方部に滞留してしまうこと
がなく、壁体の基端部たる最下部に大きな土圧がかかる
ことを効果的に防ぐことが可能となる。
加えて、壁体形成用の両型枠間に打設したセメント合
材を養生する際に、埋設型枠と接する部分のセメント合
材内に含まれる水分や気泡が埋設型枠の連続性微細空隙
を介して抜け出すことで、埋設型枠と接する部分のコン
クリートは単位水量および含有空気量が少なくなり、埋
設型枠と接する壁体の背面部分には密実コンクリート層
が形成され、この密実コンクリート層は壁体自体の強度
および耐久性を向上させ、高品質の壁体を構築すること
ができる。
また、本発明に係る壁体背面土の排水方法によれば、
壁体の背面側に位置させた透水性の極めて良好な連続性
微細空隙を有するコンクリート板を排水層とすることに
より、該排水層によって壁体の背面側全面から背面土中
の地下水を効果的に集水でき、排水層は重力方向に略々
均一に連続することとなるので、排水層内へ流入した地
下水は排水層の下方部へ流下してゆき、排水層の最下部
における連続性微細空隙と連通する導水路へ集中的に導
かれ、壁体下方部より壁体背面土の排水を効果的に行う
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(d)は略々均一な連続性微細空隙を有
するコンクリート板を用いて擁壁を構築する際の施工過
程の概略を示す図、第2図は略々均一な連続性微細空隙
を有するコンクリート板を用いて構築した擁壁の他の実
施例を示す概略断面図、第3図は略々均一な連続性微細
空隙を有するコンクリート板を用いて構築した地下壁の
概略を示す斜視図、第4図は地盤内に設けられたボック
スカルバートの概略を示す斜視図、第5図(a),
(b)は他の実施例のボックスカルバートの概略を示す
斜視図である。 図中、2は埋設型枠、3は外型枠、4は間隙、5は水抜
孔、6は内型枠、7はたて壁、8は擁壁、10は透水体、
11は地下壁、12はボックスカルバート、15a,15bは左右
側壁、16は導水パイプ、18は第1導水ブロック、18aは
中空部、19は第2導水ブロック、19aは導水溝である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続性微細空隙を有するコンクリート板よ
    りなる埋設型枠を連続微細空隙が上下方向に略々均一に
    連続するように配置し、上記埋設型枠と所要間隔を隔て
    て外型枠を配置し、上記埋設型枠の最下部における連続
    性微細空隙と連通する導水手段を埋設型枠と外型枠との
    間に形成し、両型枠間に未硬化状態のセメント合材を打
    設し、該セメント合材を養生した後に外型枠を取り外し
    て、背面で上圧を受ける壁体を形成するようにしたこと
    を特徴とする壁体の施工法。
  2. 【請求項2】上記導水手段は、埋設型枠と同様な連続性
    微細空隙を有する部材を所要形状に形成してなる透水体
    を用いるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の
    壁体の施工法。
  3. 【請求項3】背面で土圧を受ける壁体の背面側に位置さ
    せた連続性微細空隙を有するコンクリート板を上下方向
    に略々均一に連続する排水層と成し、壁体の背面土中よ
    り前記排水層の連続性微細空隙内に流入する地下水を、
    排水層の最下部における連続性微細空隙と連通する導水
    路へ導くことで、壁体背面土の排水を壁体下方部より集
    中的に行うようにしたことを特徴とする壁体背面土の排
    水方法。
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