JPH03232770A - ブレーキ - Google Patents

ブレーキ

Info

Publication number
JPH03232770A
JPH03232770A JP2028274A JP2827490A JPH03232770A JP H03232770 A JPH03232770 A JP H03232770A JP 2028274 A JP2028274 A JP 2028274A JP 2827490 A JP2827490 A JP 2827490A JP H03232770 A JPH03232770 A JP H03232770A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycyclic aromatic
polymer
weight
inorganic
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2028274A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2792180B2 (ja
Inventor
Taketami Yamamura
武民 山村
Junichi Kugimoto
純一 釘本
Toshihiro Ishikawa
敏弘 石川
Yasuhiro Shioji
塩路 泰広
Masaki Shibuya
昌樹 渋谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP2028274A priority Critical patent/JP2792180B2/ja
Publication of JPH03232770A publication Critical patent/JPH03232770A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2792180B2 publication Critical patent/JP2792180B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は機械的特性、摩擦特性、耐熱性及び耐酸化性に
優れたブレーキに関するものである。
(従来の技術及びその問題点) 従来の車両、とくに自動車分野で用いられているディス
クブレーキのディスクは鋳鉄製である。
また、ディスクと対で用いられるブレーキパッドは、ア
スベストを主体としたレジンモールド系が使用されてい
る。しかし、アスベストの安全衛生上の問題から、アス
ベストフリーの磨耗材が要求されている。
炭素繊維強化炭素材料(以下、C/Cコンポジットとい
う。)は炭素繊維を強化材とし、炭素をマトリックスと
した複合材料である。C/Cコンポジットは、炭素繊維
で強化されているために従来の炭素材料にくらべ常温、
高温での機械的特性にまさり、また摩擦特性、熱伝導性
、電気伝導性、耐蝕性などにもすぐれていることから、
近年航空機など厳しい性能が要求される分野でブレーキ
材料として用いられてきている。
現在C/Cコンポジットの製造方法とては大別して2つ
の系統がある。
1つはポリアクリロニトリルやレーヨンやピンチ系繊維
を炭化して得られる炭素繊維のトウ、クロス、フェルト
などに、フェノール樹脂等の炭素材原料の熱硬化性樹脂
を含浸させたプリプレグを積層し、加圧加熱し硬化成形
体とした後、非酸化性雰囲気で炭化処理をし、必要なら
ば含浸処理、炭化処理を繰り返しC/Cコンポジットと
する方法である(以下この方法をレジン・チャー法と称
する)。
レジン・チャー法は、CVD法に比べ制約も少なく工業
的には有用であるが、所定の密度をうるには含浸、炭化
を数回繰り返す必要があり、そのため後衛するCVD法
に比較し密度が上がりにくく、従って磨耗量が多いなど
の欠点によって、ブレーキ材の製造方法としてはほとん
ど利用されていないのが現実である。
もう1つはポリアクリロニトリルやレーヨンやピッチ系
繊維を炭化して得られる炭素繊維のトウ、クロス、フェ
ルトなどを簡単に成形した後、炉に入れて1000〜1
500°Cに加熱し、そこへ炭化水素ガスを導入して分
解炭化させ、炭素を炭素繊維表面に沈着せしめてC/C
コンポジットとする方法である(以下、この方法をCV
D法と称する)。
現在使用されている航空機用ディスクブレーキは、はと
んどCVD法によって製造されているが、CVD法は生
産性が低く所定の密度を得るには多大な時間を要し、ま
た均一な気孔の少ない炭素材料を得るにはかなり高度な
技術を要する(例えば、Carbon  vol、6 
 p、397〜4031968年)。
これらのうち、高コストのCVD法により得られたブレ
ーキであっても、繰り返し長期間使用した場合、耐磨耗
性が必ずしも充分でないため、次第に擦り減り、また、
発生する摩擦熱による酸化劣化のため性能低下をきたす
等の問題点がある。
(問題を解決するための手段) 本発明の目的は、上記問題点を解決し機械特性、耐磨耗
性、耐酸化性に優れ、かつ、安価なレジンチャー法で製
造できる繊維強化炭素質複合材料からなるブレーキを提
供することにある。
本発明によれば 無機繊維I、無機繊維Hの少なくとも一種類を含む繊維
を強化材とし、無機物質I、無機物質IIの少なくとも
一種類の無機物質をマトリックス中に含むことを特徴と
する繊維強化無機材料であって、 上記無機繊維■が珪素含有多環状芳香族重合体から得ら
れる無機繊維であって、その構成成分が、:)該重合体
を構成するメソフェーズ状態にある多環状芳香族化合物
から導かれるラジアル構造、オニオン構造、ランダム構
造、コアラジアル構造、スキンオニオン構造及びモザイ
ク構造からなる群から選ばれる少なくとも一種の結晶配
列状態を示す炭素質、 ii)該重合体を構成する光学的等方性の多環状芳香族
化合物から導かれる、無配向状態の結晶質炭素及び/又
は非晶質炭素、及び 1ii)Si、C及び0から実質的になる非晶質相及び
/又は粒径が500Å以下の実質的にβ−SiCからな
る結晶質超微粒子と非晶質のSin、(0<x≦2)か
らなる集合体であり、 構成元素の割合が、Si ;30〜70重量%C;20
〜60重量%及びO;0.5〜10重量%であるSi−
C−0物質 よりなる無機繊維であり、 上記無機繊維IIが、金属含有多環状芳香族重合体から
得られる無機繊維であって、その構成成分が a)該重合体を構成するメソフェーズ状態にある多環状
芳香族化合物から導かれるラジアル構造、オニオン構造
、ランダム構造、コアラジアル構造、スキンオニオン構
造及びモザイク構造からなる群から選ばれる少なくとも
一種の結晶配列状態を示す炭素質、 b)該重合体を構成する光学的等方性の多環状芳香族化
合物から導かれる、無配向状態の結晶質炭素及び/又は
非晶質炭素、及び c)(1)Si、M、C及びOから実質的になる非晶質
物質、及び/又は ■実質的にβ−SiC,MC,β−SiCとMCの固溶
体及びMC,□からなる粒径が500Å以下の結晶超微
粒子と、非晶質のSiOy及びMOzとの集合体であり 構成元素の割合がSi ;5〜70重量%、M;0,5
〜45重量%、C;20〜40重量%及びO;0.01
〜30重量%である、SiM−C−O物質(上記式中、
MはTi、Zr及びHfから選択される少なくとも一種
の元素であり、O<x<1、Q<y≦2、O<z≦2で
ある。) よりなる無機繊維であり、 前記無機物質Iが珪素含有多環状芳香族重合体から得ら
れる無機物質であって、その構成成分が、iv )該重
合体を構成するメソフェーズ状態にある多環状芳香族化
合物から導かれる結晶質炭素、又は結晶質炭素と非晶質
炭素、 v)−該重合体を構成する光学的等方性の多環状芳香族
化合物から導かれる、無配向状態の結晶質炭素及び/又
は非晶質炭素、及び vj)Si、C及びOから実質的になる非晶質相及び/
又は粒径が500Å以下の実質的にβSiCからなる結
晶質超微粒子と非晶質のSiOX(0<X≦2)からな
る集合体であり、構成元素の割合がSi;30〜70重
量%、C;20〜60重量%及びO; 0.5〜10重
量%であるSi−C−0物質 よりなる炭素質無機物質であり、 前記無機物質IIが金属含有多環状芳香族重合体から得
られる無機物質であって、その構成成分が、d)該重合
体を構成するメソフェーズ状態にある多環状芳香族化合
物から導かれる結晶質炭素、又は結晶質炭素と非晶質炭
素、 e)該重合体を構成する光学的等方性の多環状芳香族化
合物から導かれる、無配向状態の結晶質炭素及び/又は
非晶質炭素、及び f)(1)Si、M、C及び0から実質的になる非晶質
物質、及び/又は ■実質的にβ−SiC,MC1β−SiCとMCの固溶
体及びM C+−xからなる粒径が500Å以下の結晶
超微粒子と、非晶質のSiOy及びMO2との集合体で
あり 構成元素の割合がSi ;5〜70重量%、M;0.5
〜45重量%、C;20〜40重量%及びO;0.01
〜30重四%である、SiM−C−0物質(上記式中、
MはTi、Zr及びHfから選択される少なくとも一種
の元素であり、0<x< 1、Q<y≦2、O<z≦2
である。) よりなる炭素質無機物質である繊維強化炭素質複合材料
を用いたブレーキが提供される。
本発明における無機繊維I及び無機繊維■について詳細
に説明する。
以下の説明において「部」は「重量部」であり、「%」
は「重量%」である。
本発明における無機繊維Iは前述した構成成分i)、i
i)及び1ii)からなっており、Si;0.01〜2
9重量%、C;70〜99.9重量%及びO;0、00
1〜10重量%、好ましくはS i ; 0.1〜25
重量%、C;74〜99.8重量%及びO;0゜01〜
10重量%から実質的に構成されている。
無機繊維■は前述した構成成分a)、b)及びC)から
なっており、Si;0.01〜30%、M;0.01〜
10%、C;65〜99.9%及び0 ; 0. OO
1〜10%、好ましくはS i ; 0.1〜25%、
M 、 0.01〜8%、C;74〜99.8%及びO
;0.01〜8%から実質的に構成されている。 無機
繊維■及び無機繊維IIの構成成分である結晶質炭素は
500Å以下の結晶子サイズを有し、1.5人の分解能
を有する高分解能電子顕微鏡において、繊維軸方向に配
向した3、2人の(002)面に相当する微細なラティ
スイメージ像が観察されうる超微粒子のグラファイト結
晶である。
無機繊維中の結晶質炭素は、ラジアル構造、オニオン構
造、ランダム構造、コアラジアル構造、スキンオニオン
構造、モザイク構造及び一部ラジアル構造を含むランダ
ム構造をとることができる。
これは、原料中にメソフェーズ多環状芳香族化合物が存
在することに起因する。
無機繊維■における構成成分i)及びii)の総和10
0部に対する構成成分1ii)の割合は0.015〜2
00部であり、且つ構成成分i)、ii)の比率は1:
0.02〜4である。
構成成分i)及びii)の総和100部に対する構成成
分1ii)の割合が0.015未満の場合は、はとんど
ピッチ繊維と変わらず、耐酸化性やマトリックス炭素と
の界面接着力の向上は望めず、上記割合が200部を越
えた場合はグラファイトの微細結晶が効果的には生成せ
ず、高弾性率の繊維が得られない。
無機繊維■における構成成分a)及びb)の総和100
部に対する構成成分C)の割合は0.015〜200部
であり、且つ構成成分a)とb)との比率はl:o、0
2〜4である。
構成成分a)及びb)の総和100部に対する構成成分
C)の割合が0.015未満の場合は、はとんどピッチ
繊維と変わらず、耐酸化性や濡れ性の向上は望めず、上
記割合が200部を越えた場合はグラファイトの微細結
晶が効果的には生成せず、高弾性率の繊維が得られない
無機繊維I及び無機繊維■においては、層間隔が小さく
三次元的配列が付与された微結晶が効果的に生成してお
り、その微細結晶を包み込むように珪素原子が非常に均
一に分布している。
また、珪素の分布状態は、焼成時の雰囲気や原料中のメ
ソフェーズの大きさ、濃度によっても制御することがで
きる。例えば、メソフェーズを大きく成長させた場合、
珪素含有ポリマーは繊維表面相に押し出され易く、焼成
後繊維表面に珪素に冨む層を生成させることができる。
次に本発明における無機繊維I及び無機繊維IIの製造
方法について説明する。
無機繊維■は以下の第1工程〜第4工程で製造すること
ができる。
第1工程: 出発原料の一つである有機珪素重合体は、公知の方法で
合成することができ、例えば、ジメチルジクロロシラン
と金属ナトリウムの反応により得られるポリメチルシラ
ンを不活性ガス中で400°C以上に加熱することによ
り得られる。
上記有機珪素重合体は、結合単位(Si  CHz)、
又は結合単位(Si  CHz)と結合単位(Si−3
i)より主としてなり、結合単位(SiCH2)の全数
対結合単位(Si−3i)の全数の比率は1:0〜20
の範囲内にある。
有機珪素重合体の重量平均分子量(Ml)は、−船釣に
は300〜1000で、M、が400〜800のものが
、優れた炭素系無機繊維を得るための中間原料である前
駆重合体(1)を調製するために特に好ましい。
もう一つの出発原料である多環状芳香族化合物は石油類
及び/又は石炭類から得られるピンチで、特に好ましい
ピッチは、石油類の流動接触分解により得られる重質油
、その重質油を蒸留して得た留出成分又は残渣油及びそ
れらを熱処理して得られるピッチである。
上記ピッチ中には、ベンゼン、トルエン、キシレン、テ
トラヒドロフランなどの有機溶媒に不溶の成分が5〜9
8重量%重量れていることが好ましい。上記の不溶成分
が5重量%未滴のピッチを原料として用いた場合、強度
、弾性率共に優れた無機質繊維は得られず、また、98
重量%より多いピッチを原料として用いた場合、共重合
体の分子量上昇が激しく、一部コーキングの起こる場合
もあり、紡糸困難な状態になる。
このピッチの重量平均分子量(M、)は、100〜30
00である。
重量平均分子量は以下のようにして求めた値である。即
ち、ピッチがベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒ
ドロフラン、クロロホルム及びジクロロベンゼン等のゲ
ルパーミュエーションクロマトグラフ(GPC)測定用
有機溶媒不溶分を含有しない場合はそのままGPC測定
し、ピンチが上記有機溶媒不溶分を含有する場合は、温
和な条件で水添処理し、上記有機溶媒不溶分を上記有機
溶媒可溶な成分に変えて後GPC測定する。以下、上記
有機溶媒不溶分を含有する重合体の重量平均分子量は、
上記と同様の処理を施し求めた値である。
前駆重合体(1)は、有機珪素重合体に、石油系又は石
炭系ピッチを添加し、不活性ガス中で好ましくは250
〜500°Cの範囲の温度で加熱反応させることにより
調製される。
ピンチの使用割合は、有機珪素重合体100部当たり8
3〜4900部であることが好ましい。
ピンチの使用割合が過度乙こ小さい場合は、得られる無
機繊維中の炭化珪素成分が多くなり、高弾性率を有する
無機繊維が得られなくなり、また、その割合が過度に多
い場合は、炭化珪素成分が少なくなり、マトリックス炭
素との界面接着性、耐酸化性ムこ優れた無機繊維が得ら
れなくなる。
上記反応の反応温度が過度に低いと、珪素原子と芳香族
炭素の結合が生成しにくくなり、反応温度が過度に高い
と、生成した前駆重合体(1)の分解及び高分子量化が
激しく起こり好ましくない。
メソフェーズ多環状芳香族化合物(2)は、例えば、石
油系又は石炭系ピッチを不活性ガス中で300〜500
°Cに加熱し、生成する軟質留分を除去しなから縮重合
することによって調製することができる。
上記縮重合反応温度が過度に低いと縮合環の成長が充分
でなく、またその温度が過度に高いとコーキングにより
不融化物の生成が激しくなる。
上記のメソフェーズ多環状芳香族化合物(2)は、融点
が200〜400°Cの範囲にあり、また、重量平均分
子量が200〜10000である。
メソフェーズ多環状芳香族化合物(2)の中でも、20
〜100%の光学的異方性度を有し、30〜100%の
ヘンゼン、トルエン、キシレン又はテトラヒドロフラン
に対する不溶分を含むものが、機械的性能上優れた無機
繊維を得るために特に好ましい。
第1工程では、前駆重合体(1)とメソフェーズ多環状
芳香族化合物(2)とを200〜500°Cの温度範囲
で加熱熔融及び/又は加熱反応し、珪素含有多環状芳香
族重合体からなる紡糸ポリマーを調製する。
メソフェーズ多環状芳香族化合物(2)の使用割合は前
駆重合体(1) 100部当たり5〜50000部であ
ることが好ましく、5部未満では、生成物におけるメソ
フェーズ含有量が不足するため、高弾性の焼成糸が得ら
れず、また、50000部より多い場合は、珪素成分の
不足のためマトリックス炭素との界面接着性、耐酸化性
に優れた無機繊維が得られなくなる。
上記珪素含有多環状芳香族重合体の重量平均分子量は2
00〜11000で、融点が200〜400℃である。
第2工程: 第1工程で得られる珪素含有多環状芳香族重合体である
紡糸ポリマーを加熱溶融させて、場合によってはこれを
濾過してミクロゲル、不純物等の紡糸に際して有害とな
る物質を除去し、これを通常用いられる合成繊維紡糸装
置により紡糸する。
紡糸する際の紡糸原液の温度は原料ポリマーの軟化温度
によって異なるが、220〜420°Cの範囲の温度が
有利である。
前記紡糸装置において、必要に応じて紡糸筒を取付け、
該紡糸筒内の雰囲気を空気、不活性ガス、熱空気、熱不
活性ガス、スチーム、及びアンモニアガスからなる群か
ら選ばれる一種以上の雰囲気とした後、巻取り速度を大
きくすることにより細い直径の繊維を得ることができる
。前記溶融紡糸における紡糸速度は原料の平均分子量、
分子量分布、分子構造によって異なるが、50〜500
0m/分の範囲であることが好ましい。
第3工程: 第2工程で得られる紡糸繊維を張力又は無張力の作用も
とて不融化する。
代表的な不融化方法は、紡糸繊維を酸化性雰囲気中で加
熱する方法である。不融化の温度は好ましくは50〜4
00°Cの範囲の温度である。不融化温度が過度に低い
と紡糸原糸を構成するポリマーのはしかけが起こらず、
また、この温度が過度に高いとポリマーが燃焼する。
不融化の目的は、紡糸繊維を構成するポリマーを三次元
構造の不融・不溶のはしかけ状態にし、次工程の焼成の
際に熔融せず、且つ隣接した繊維と融着しないようにす
ることである。不融化の際の酸化性雰囲気を構成するガ
スとしては、空気、オゾン、酸素、塩素ガス、臭素ガス
、アンモニアガス、及びこれらの混合ガスが挙げられる
上記とは別の不融化方法として、紡糸繊維に酸化性雰囲
気あるいは非酸化性雰囲気で、張力あるいは無張力で必
要に応じて低温加熱しなから、γ線照射、あるいは電子
線照射して不融化する方法も採用することができる。
このγ線あるいは電子線を照射する目的は、紡糸繊維を
形成するポリマーを、さらに重合させることによって、
紡糸原糸が融解し、繊維形状を失うことを防くことにあ
る。
γ線あるいは電子線の照射線量は106〜1010ラツ
ドが適当である。
照射は真空、不活性ガス雰囲気下、あるいは空気、オゾ
ン、酸素、塩素ガス、臭素ガス、アンモニアガス及びこ
れらの混合ガスのような酸化性ガス雰囲気で行うことか
できる。
照射による不融化は室温で行うこともでき、必要であれ
ば50〜200°Cの温度範囲で加熱しなから行うこと
によって不融化をより短時間で達成させることもできる
不融化は、無張力下で行うと、前記紡糸繊維は収縮のた
め波状の形を呈するようになるが、次工程の焼成工程で
矯正できる場合もあり、張力は必ずしも必要ないが、張
力を作用させる場合には、その張力の大きさは不融化時
に紡糸繊維が収縮して波状となることを少なくとも防止
できる以上の張力を作用させると良い結果が得られる。
不融化の際に、作用させる張力としては、1〜500g
/mi2の範囲が好ましく、1g7mm”以下の張力を
作用させても繊維をたるませないような緊張を与えるこ
とができず、500 g 7mm”以上の張力を作用さ
せると繊維が切断することがある。
第4工程: 第3工程で得られる不融化糸を、真空あるいは不活性ガ
ス雰囲気中で800〜3000°Cの範囲の温度で焼成
することによって、主として炭素、珪素、酸素からなる
無機繊維が得られる。
焼成工程において、張力を作用させることは必ずしも必
要ないが0.001〜100Kg/a2の範囲で張力を
作用させなから高温焼成すると屈曲を少なくした強度の
高い無機繊維を得ることができる。
加熱過程において、約700″Cから無機化が激しくな
り、約800°Cでほぼ無機化が完了するものと推定さ
れる。従って、焼成は、800 ’C以上の温度で行う
ことが好ましい。また、3000″Cより高い温度を得
るには高価な装置を必要とするため3000°Cより高
温での焼成は、コスト面からみて実際的でない。
無機繊維■は以下の第1工程〜第4工程で製造すること
ができる。
第1工程: 無機繊維I製造の第1工程の前駆重合体(1)の調製方
法と同様にして、有機珪素重合体とピッチより前駆重合
体(1)が調製される。
次に、前駆重合体(1)と式MX、で示される遷移金属
化合物とを100〜500°Cの範囲の温度で反応させ
ランダム共重合体(3)を製造する。
前記MX、において、MはTi5Zr及びHfから選択
される少なくとも一種の元素であり、Xは縮合により、
Mが前駆重合体(1)の珪素と直接あるいは酸素原子を
介して結合し得るものであればよく、特に規定はないが
、ハロゲン原子、アルコキシ基又はβ−ジケトンのよう
な錯体形成基が好ましい。
上記反応温度が過度に低いと、前駆重合体(1)と式M
X、との縮合反応が進行せず、反応温度が過度に高いと
、Mを介した前駆重合体(1)の架橋反応が過度に進行
しゲル化が起こったり、前駆重合体(1)自体が縮合し
高分子量化したり、あるいは、場合によってはM X 
aが揮散し好ましくない。
−例として、MがTiで、XがQC,H,の場合、反応
温度は200〜400°Cが適している。
この反応によって、前駆重合体(1)の珪素原子の少な
くとも一部を金属Mと直接あるいは酸素原子を介して結
合させたランダム共重合体(2)が調製される。
金属Mは前駆重合体(1)の珪素原子に−M X 3あ
るいは一〇−MX、のような結合様式で側鎖状に結合す
ることもできるし、前駆重合体(1)の珪素原子に直接
又は酸素を介して架橋した結合様式もとり得る。
ランダム共重合体(3)を調製する方法としては、前述
の方法以外に、有機珪素重合体とMX、を反応させ、得
られた生成物にピッチをさらに反応させて調製する方法
も可能である。
第1工程においては最後にランダム共重合体(3)とメ
ソフェーズ多環状芳香族化合物を加熱反応及び/又は加
熱溶融して、金属含有多環状芳香族重合体を調製する。
メソフェーズ多環状芳香族化合物は、無機繊維I製造の
第1工程に記載の調製方法と同様にして調製される。
上記のメソフェーズ多環状芳香族化合物は、融点が20
0〜400°Cの範囲にあり、また、重量平均分子量が
200〜10000である。
メソフェーズ多環状芳香族化合物の中でも、20〜10
0%、特に40〜100%の光学的異方性度を有し、3
0〜100%のヘンゼン、トルエン、キンレン又はテト
ラヒドロフランに対する不溶分を含むものが、機械的性
能の優れた無機繊維を得るために好ましい。
メソフェーズ多環状芳香族化合物の使用割合はランダム
共重合体(2) 100部当たり5〜50000部、よ
り好ましくは5〜10000部であり、5部未満では、
生成物におけるメソフェーズ含有量が不足するため、高
弾性の焼成糸が得られず、また、50000部より多い
場合は、珪素成分の不足のため、マトリックスに対する
濡れ性、耐酸化性に優れた無機繊維が得られなくなる。
ランダム共重合体(2)とメソフェーズ多環状芳香族化
合物とを200〜500°Cの温度範囲で加熱溶融及び
/又は加熱反応させることにより、ランダム共重合体(
2)の少なくとも一部がメソフェーズ多環状芳香族化合
物と結合した金属含有多環状芳香族重合体が得られる。
ただし、ここで言う結合とは、ランダム共重合体(2)
の珪素と多環状芳香族化合物の炭素との化学結合とラン
ダム共重合体(2)中の珪素と化学結合した多環状芳香
族環部分とメソフェーズ多環状芳香族化合物との間のフ
ァンデルワールス結合等の物理的結合を意味する。
上記溶融混合温度が200″Cより低いと不融部分が生
じ、糸が不均一となり、無機繊維の強度、弾性率に悪影
響を及ぼし、また、溶融混合温度が500°Cより高い
と縮合反応が激しく進行し、生成重合体が高融点となり
、重合体の紡糸が著しく困難となる。
金属含有多環状芳香族重合体を調製する方法としては、
前述の方法以外に、有機珪素重合体とピッチを反応させ
、得られた生成物にメソフェーズピッチとMX4を同時
に又は順次添加し、さらに反応させて調製する方法も可
能である。
上記金属含有多環状芳香族重合体の重量平均分子量は2
00〜11000で、融点が200〜400°Cである
第2工程: 第1工程で得られる金属含有多環状芳香族重合体である
紡糸ポリマーを前記した無機繊維I製造の第2工程と同
様にして紡糸する。
第3工程: 第2工程で得られる紡糸繊維を前記した無機繊維I製造
の第3工程と同様にして不融化する。
第4工程: 第3工程で得られる不融化糸を、前記した無機繊維I製
造の第4工程と同様にして焼成することによって、主と
して炭素、M、珪素及び酸素からなる無機繊維IIが得
られる。
なお、無機繊維IIの構成成分C)であるSi−M−C
−0物質の形態は、第1工程乃至第4工程で採用される
製造条件によって決定される。−船釣に言えば、第4工
程での焼成温度が例えば1000°Cより低い場合、S
i、M、C,Oからなる非晶質より実質的に構成される
一方、第4工程での焼成温度が例えば1700°C以上
の場合、実質的にβ−SiC,MC1βSiCとMCの
固溶体及びMC1−x(ただし、0< x < l )
からなる粒径500Å以下の超微粒子及びSin、(た
だし、0<y≦2)、MOz(ただし、O< z≦2)
からなる非晶質からなる集合体より実質的に構成される
上記温度の中間では、各集合体の混合系より構成されて
いる。また、無機繊維中の酸素量は、例えば第1工程に
おけるMX、の添加比率又は第3工程における不融化条
件により制御することができる。
また、構成成分C)の分布状態は、焼成時の雰囲気や原
料中のメソフェーズの大きさ、濃度によっても制御する
ことができる。例えば、メソフェーズを大きく成長させ
た場合、構成成分C)は繊維表面相に押し出されやすく
なる。
本発明においては、強化繊維中に上記無機繊維I及び/
または無機繊維■以外の公知の無機繊維、例えば、炭素
繊維、ガラス繊維、ポロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪
素繊維、炭化珪素繊維、カーボンを芯線とする炭化珪素
繊維及びSi−M−CO織繊維MはTi又はZrを示す
。)を含有していてもよいが、上記無機繊維I及び/ま
たは無機繊維IIの特性を損なわないため公知無機繊維
の繊維中の含有率は40%以下とすることが好ましい。
上記のSi−M−C−0繊維は、 (i)Si、M、C1及びOから実質的になる非晶質、
又は (ii )実質的にβ−SiC,MC1β−SiCとM
Cの固溶体及びM C+−xの粒径が500Å以下の各
結晶質超微粒子、及び非晶質のSingとMO□からな
る集合体、又は (ii)上記(i)の非晶質と上記(ii )の結晶質
超微粒子集合体の混合系、 (ただし、上式中のMはTi又はZrを示し、0<x<
1を示す) からなる無機繊維である。この無機繊維は、例えば、特
公昭60−1405号公報、同5B−5286号公報、
同60−20485号公報、同5944403号公報に
記載の方法によって調製することができる。
本発明のブレーキ部材において、強化繊維の形態は0.
05〜50−程度の単繊維であっても、連続繊維であっ
てもよく、また、クロス、フェルト、マント、シート状
の形態でも差し支えない。また、強化繊維はマトリック
ス中に、そのままの状態で、または開繊された状態で全
くランダムな方向をむいていてもよいし、任意の特定の
方向に向けて配列していてもよい。
次に、本発明のブレーキ部材におけるマトリックスにつ
いて説明する。
本発明のブレーキ部材のマトリックスは、前記構成成分
iv)、v)及び■)よりなる無機物質I、前記構成成
分d)、e)及びf)よりなる無機物質Hの少なくとも
一種類の無機物質からなる。
無機物質IはS i+ O−5〜50%、C;40〜9
7%及びO; 0.1〜10%から実質的に構成されて
いる。
無機物質■はSi;0.5〜50%、M;0.01〜1
0%、C;40〜97%及びO;0.1〜10%から実
質的に構成されている。
無機物質Iにおいて、構成成分iv)及びV)の総和1
00部に対する構成成分vi)の割合は0.5〜500
部であり、且つ構成成分iv)、v)の比率はt:o、
o2〜4である。
構成成分iv)及び■)の総和100部に対する構成成
分vi )の割合が0.5未満の場合は、はとんど炭素
マトリックスと変わらず、耐酸化性や耐磨耗性の向上は
望めず、上記割合が500部を越えた場合は炭化珪素マ
トリックスと変わらず、高温特性、潤滑性が低下する。
無機物質Hにおいて、構成成分d)及びe)の総和10
0部に対する構成成分子)の割合は0.5〜500部で
あり、且つ構成成分d)、e)の比率は1:0.02〜
4である。
構成成分d)及びe)の総和100部に対する構成成分
子)の割合が0.5未満の場合は、はとんど炭素マトリ
ックスと変わらず、耐酸化性や耐磨耗性の向上は望めず
、上記割合が500部を越えた場合は炭化珪素マトリッ
クスと変わらず、高温特性、潤滑性が低下する。
無機物1tl及び無機物質IIの構成成分である結晶質
炭素は500Å以下の結晶子サイズを有し、1.5人の
分解能を有する高分解能電子顕微鏡において、繊維軸方
向に配向した3、2人の(002)面に相当する微細な
ラティスイメージ像が観察されうる超微粒子のグラファ
イト結晶である。
無機物質I及び無機物質■においては、層間隔が小さな
微結晶が効果的に生成しており、その微結晶を包み込む
ように珪素原子が非常に均一に分布している。
次に、本発明の繊維強化炭素質複合材料の製造方法につ
いて説明する。
前記無機繊維I又は無機繊維IIの単繊維、連続繊維、
又はクロス、フェルト、マット、シートなどの強化繊維
構造物に前記珪素含有多環状芳香族重合体又は前記金属
含有多環状芳香族重合体の粉末を加え加熱プレスし成形
する方法、前記構造物に珪素含有多環状芳香族重合体又
は金属含有多環状芳香族重合体の溶液又はスラリーを含
浸後、溶媒を除去、乾燥したプリプレグシートを加熱成
形する方法、前記無機繊維の短繊維、又はチョツプドフ
ァイバーと珪素含有多環状芳香族重合体又は金属含有多
環状芳香族重合体を熔融混練し、プレス成形、又は射出
成形する方法等により、繊維含有成形体を製造する。
成形体中の無機繊維の含有率は10〜70体積%が好ま
しい。
珪素含有多環状芳香族重合体及び金属含有多環状芳香族
重合体は、前記無機繊維1及び■製造の第一工程におい
て製造された珪素含有多環状芳香族重合体及び金属含有
多環状芳香族重合体をそのまま使用することができるが
、繊維化することが要求されないため、珪素含有多環状
芳香族重合体又は金属含有多環状芳香族重合体中の珪素
及び炭素の構成比は、前記無機繊維T及び■製造の第一
工程において製造された珪素含有多環状芳香族重合体又
は金属含有多環状芳香族重合体より広範囲に設定できる
。すなわち、珪素含有多環状芳香族重合体又は金属含有
多環状芳香族重合体は、前記無機繊維I又は■製造の第
一工程における前駆重合体製造の際のピッチの使用割合
が、有機珪素重合体100部当たり10〜4900部で
あることが好適であること以外は、前記無機繊維I又は
■製造の第一工程における珪素含有多環状芳香族重合体
又は金属含有多環状芳香族重合体の製法と同様にして製
造される。
また、繊維含有成形体の製造に当たっては、珪素含有多
環状芳香族重合体又は金属含有多環状芳香族重合体に、
それぞれの重合体を例えば不活性ガス雰囲気中、800
〜1000 ’Cで焼成、無機化した仮焼体粉末を混合
し、使用することもできる。
珪素含有多環状芳香族重合体の仮焼体粉末は、Si:0
.01〜69.9%、C:29.9〜99.9%及びO
: 0.001〜10%から実質的に構成されているこ
とが好ましい。
金属含有多環状芳香族重合体の仮焼体粉末は、S i 
: 0.01〜50%、M:0.01〜10%、C:4
0〜99.9%及び0:0.001〜10%から実質的
に構成されていることが好ましい。
次に、上記成形体に、必要に応じて不融化処理を施す。
不融化処理の方法は、前記無機繊維■製造の第3工程の
方法をそのまま採用することができる。
不融化された成形体は、真空あるいは不活性ガス中で、
800〜3000°Cの範囲の温度で焼成し、無機化さ
れ、繊維強化された、炭素、珪素及び酸素、又は炭素、
珪素、M及び酸素からなるマトリックスを有する複合材
料が得られる。
加熱過程において、約700°Cから無機化が激しくな
り、約800°Cでほぼ無機化が完了するものと推定さ
れる。従って、焼成は、800″C以上の温度で行うこ
とが好ましい。また、3000 ”Cより高い温度を得
るには高価な装置を必要とするため3000°Cより高
温での焼成は、コスト面からみて実際的でない。
なお、本工程における無機化の昇温速度を極めて遅くす
ることや、成形体保形用治具、パウダーヘッド等の保形
手段を用いること等により、不融化工程を省略すること
もできるし、成形方法として高温ホットプレスを用いる
ことにょリー工程で高密度複合材を得ることも可能であ
る。
焼成、無機化によって得られたハイブリッド繊維強化炭
素質複合材料は、多少とも開気孔を含んでいるため、必
要により、珪素含有多環状芳香族重合体又は金属含有多
環状芳香族重合体の融液、溶液又はスラリーを含浸後必
要により不融化、焼成し、無機化することにより複合体
を高密度化、高強度化することができる。含浸は、珪素
台を多環状芳香族重合体又は金属含有多環状芳香族重合
体の融液、溶液又はスラリーのいずれを用いてもさしつ
かえないが、微細な開気孔への浸透を図るため、この複
合材に前記重合体の溶液又はスラリーを含浸後減圧下で
微細気孔への浸透を促進後溶媒を留去しつつ昇温し、1
0〜500kg/cnに加圧することにより、前記重合
体の融液を気孔に充填させることが好ましい。
得られた含浸体は、前記と同様にして、不融化し、焼成
し、無機化することができる。この操作を2〜10回繰
り返すことにより高密度、高強度な繊維強化複合材を得
ることができる。
(発明の効果) 本発明のブレーキ部材は、高強度、高靭性であり、かつ
、耐磨耗性、耐酸化性にすくれているため、航空機のブ
レーキ、レーシングカーのブレーキに好適である。また
、安価なレジンチャー法で製造できるため一般の乗用車
ブレーキ部材にも適用できるものである。
(実施例) 以下実施例によって本発明を説明する。
参考例1(無機繊維Iの製造) 51!、の三ロフラスコに無水キシレン2.51及びナ
トリウム400gを入れ、窒素ガス気流下でキシレンの
沸点まで加熱し、ジメチルジクロロシラン11を1時間
で滴下した。滴下終了後、10時間加熱還流し沈澱物を
生成させた。沈澱を濾過し、メタノールついで水で洗浄
して、白色粉末のポリジメチルシラン420gを得た。
このポリジメチルシラン400gを、ガス導入管、攪拌
機、冷却器及び留出管を備えた3!の三ロフラスコに仕
込み、攪拌しなから50戚/分の窒素気流下に420”
Cで加熱処理して、留出受器に350gの無色透明な少
し粘性のある液体を得た。
この液体の数平均分子量は蒸気圧浸透法で測定したとこ
ろ470であった。
この物質の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、6
5 (1−900cm−’と1250CI+−’にSi
CH3の吸収、2100cm−’にSi−Hの吸収、1
020CI+1−’付近と1355cm−’にSi−C
H2Siの吸収、2900cm−’と2950cm−’
にCHの吸収が認められ、またこの物質の遠赤外線吸収
スペクトルを測定したところ、380a++−’にSi
−3iの吸収が認められることから、得られた液状物質
は、主として(Si  CH2)結合単位及び(Si−
3i)結合単位からなり、珪素の側鎖に水素原子及びメ
チル基を有する有機珪素重合体であることが判明した。
核磁気共鳴分析及び赤外線吸収分析の測定結果から、こ
の有機珪素重合体は(Si−CH2)結合単位の全数対
(Si−Si)結合単位の全数の比率がほぼ1:3であ
る重合体であることが確認された。
上記有機珪素重合体300gをエタノールで処理して低
分子量物を除去して、数平均分子量が1200の重合体
40gを得た。
この物質の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、上
記と同様の吸収ピークが認められ、この物質は主として
(Si  CHz)結合単位及び(Si−3i)結合単
位からなり、珪素の側鎖に水素原子及びメチル基を有す
る有機珪素重合体であることが判明した。
核磁気共鳴分析及び赤外線吸収分析の測定結果から、こ
の有機珪素重合体は(Si  CH2)結合単位の全数
対(Si−3i)結合単位の全数の比率がほぼ7:1で
ある重合体であることが確認された。
一方、石油留分のうち、軽油以上の高沸点物をシリカ・
アルミナ系分解触媒の存在下、500°Cの温度で流動
接触分解・精留を行い、その塔底より残渣を得た。以下
、この残渣をFCCスラリーオイルと呼ぶ。
このFCCスラリーオイルは、元素分析の結果、炭素原
子対水素原子の原子比(C/H)が0.75で、核磁気
共鳴分析による芳香炭素率が0.55であった。
上記FCCスラリーオイル200gを21/分の窒素ガ
ス気流下450℃で0.5時間加熱し、同温度における
留出分を留去後、残渣を200°Cにて熱時濾過を行い
、同温度における不融部を除去し、軽質付除去ピッチ5
7gを得た。
この軽質骨除去ピンチは25%のキシレン不溶分を含ん
でいた。
この軽質付除去ピッチ57gに先に合成した有機珪素重
合体25g及びキシレン20−を加え、撹拌しなから昇
温し、キシレンを留去後、400°Cで6時間反応させ
51gの前駆重合体(1)を得た。
この反応生成物は赤外線吸収スペクトル測定の結果、有
機珪素重合体中に存在するSi−H結合(IR: 21
00CII−’)の減少、及び新たなSiC(ベンゼン
環の炭素)結合(IR:1135cm−’)の生成が認
められることより有機珪素重合*の珪素原子の一部が多
環状芳香族環と直接結合した部分を有する共重合体であ
ることがわかった。
二の前駆重合体(1)は、キシレン不溶部を含まず重量
平均分子量が1400で、融点が265°Cで、軟化点
が310℃であった。
一方、前記軽質付除去ピッチ180gを窒素気流下、反
応により生成する軽質骨を除去しなから400°Cで8
時間縮重合を行い、熱処理ピンチ97.2gを得た。
この熱処理ピッチは融点263°C1軟化点308°C
、キシレン不溶分77%、キノリンネ溶分31%を含有
しており、研磨面の偏光顕微鏡観察による光学的異方性
が75%のメソフェーズ多環状芳香族化合物(2)であ
った。
このメソフェーズ多環状芳香族化合物(2) 90 g
と前記前駆重合体(1)6.4gを混合し、窒素雰囲気
下、380°Cで一時間溶融加熱し、均一な状態にある
珪素含有多環状芳香族重合体を得た。
この重合体は、融点が267°Cで、軟化点が315°
Cで、70%のキシレン不溶分を含んでいた。
上記高分子量物を紡糸用原料とし、ノズル径0゜150
の金属製ノズルを用い、360°Cで溶融紡糸を行い、
得られた紡糸原糸を、空気中、300゛Cで酸化、不融
化し、更にアルゴン雰囲気中、1300°Cで焼成を行
い、直径8μmの無機繊維■を得た。
この繊維は引張強度が320kg/an” 、引張弾性
率26 t /wa”であり、破壊面の観察よりラジア
ル構造であった。
この無機繊維Iを粉砕後アルカリ溶融、塩酸処理を施し
水溶液とした後、高周波プラズマ発光分光分析を行った
結果、この無機繊維I中の珪素含有率は0.95%であ
ることがわかった。
参考例2(無機繊維IIの製造) 参考例1で得られた軽質付除去ピッチ57gに参考例1
で得た有機珪素重合体25g及びキシレン20dを加え
、攪拌しなから昇温し、キシレンを留去後、400°C
で4時間反応させ57.4 gの前駆重合体(1)を得
た。
この前駆重合体(1)は赤外線吸収スペクトル測定の結
果、有機珪素重合体中に存在するSi−H結合(IR:
2100cm−’)の減少、及び新たなSi−C(ベン
ゼン環の炭素)結合(IR:113賀11)の生成が認
められることより有機珪素重合体の珪素原子の一部が多
環状芳香族環の炭素と直接結合した部分を有する重合体
であることがわかった。
前駆重合体(1)57.4 gにテトラオクトキシチタ
ン(T i  (OCs H+tL) 3.87 gの
キシレン?容液(25%キシレン溶液15.5 g )
を加え、キシレン留去後、340°Cで1時間反応させ
、ランダム共重合体(2) 56 gを得た。
この重合体は、キシレン不溶部を含まず重量平均分子量
は1580、融点は258°C1軟化点292°Cであ
り、キシレン可溶であった。
上記ランダム共重合体(2) 6.4 gと参考例1で
得られたメソフェーズ多環状芳香族化合物(2) 90
 gを混合、窒素雰囲気下380°Cで1時間溶融加熱
し、均一な状態にある金属含有多環状芳香族重合体を得
た。
この重合体の融点は264°Cで、軟化点307°C1
68%のキシレン不溶分を含んでいた。
上記高分子量物を紡糸用原料とし、ノズル径0゜15+
+++++の金属製ノズルを用い、360″Cで溶融紡
糸を行い、得られた紡糸原糸を、空気中、300°Cで
酸化、不融化し、更にアルゴン雰囲気中、1300°C
で焼成を行い、直径7.5μmの無機繊維を得た。
この繊維は引張強度が358kg/■2、引張弾性率3
2 t 71mn2であり、破断面の走査型電子顕微鏡
を用いた観察より、結晶層が幾重にも重なった珊瑚様の
ランダムラジアル混在構造であった。
この無機繊維を粉砕後、アルカリ溶融、塩酸処理を施し
、水溶液とした後高周波プラズマ発光分光分析(ICP
)を行った結果、珪素含有率は0゜95%、チタン含有
率は0.06%であった。
実施例1 参考例1で得た無機繊維Iの2次元平織クロスに参考例
1で得た珪素含有多環状芳香族重合体の30%キシレン
スラリーに含浸後乾燥しプリプレグシートを作成した。
このプリプレグシートを積層し300°C150kg/
cm”でホットプレスし、120X120X10mm+
の板状成形体を得た。
この成形体を250°C1空気中で不融化後、窒素雰囲
気中、5°C/hの昇温速度で800°Cまで昇温し、
重合体を無機化した。
この複合材料を参考例1に記載の珪素含有多環状芳香族
重合体中に埋め、オートクレーブ中、350°C110
0kg/c+++”の窒素加圧下、珪素含有多環状芳香
族重合体を含浸後、上記条件にて不融化、無機化を行っ
た。この操作をさらに2回繰り返した後1300 ”C
で焼成し、嵩密度1.65g/−の複合材を得た。この
複合材中の無機繊維の体積含有率は55%であった。
この板状複合材を円板状に加工し、ブレーキディスクを
作成した。一方、加工時の端片より、曲げ試験片(3X
4X40mm)を作成し、三点曲げ試験を行ったところ
、曲げ強度が28kg/llll112であった。また
、同試験片を700°C1空気中に1時間さらしても強
度低下は認められなかった。
実施例2 強化繊維として、参考例2に記載の無機繊維IIのクロ
スを用い、マトリックス用ポリマー・とじて参考例2に
記載の金属含有多環状芳香族重合体を用い、含浸回数を
4回とし、最終焼成温度を2100°Cとした以外は実
施例1と同様にして板状成形体を作成した。
この成形体の嵩密度1.65g/cdであり、無機繊維
の体積含有率は60%であった。
この板状複合材を扇形に加工し、ブレーキパッドとした
。この複合材の三点曲げ強度は36kg/mm”であり
、700°C1空気中に1時間さらしても強度低下は認
められなかった。
比較例1 引張強度300kg/g2、引張弾性率24t/mm2
のポリアクリロニトリル系炭素繊維の平織織物にレヅー
ルタイプのフェノール樹脂(明相化成■製MRW−30
00)の40%アセトン溶液に浸し引き上げた後、アセ
トンを除去後、乾燥し、プリプレグシートを得た。この
プリプレグシートを、150°C150kg/cm2で
ホントプレスし、800°Cで無機化した後、参考例1
で用いたメソフェーズ多環状芳香族重合体を用い、実施
例1の条件で3回含浸、無機化を行って、嵩密度1.6
0g/−〇C/C複合材を得た。
この複合材の曲げ強度は18kg/閣2であり、700
°C1空気中に1時間さらした結果、強度測定ができな
い程劣化が進行していた。
この板状複合材材料より実施例1.2と同様にディスク
とパッドを切り出した。
実施例3 実施例1.2で製造したディスクとパッドの組合せ及び
比較例1で製作したディスクとパッドの組合せにより、
第1表に示した条件で摩擦試験を行った。
摩擦試験はブレーキディスクを回転させ、所定の周速に
達した後、一定圧力でブレーキパッドを押し付け、その
際生じるトルクから摩擦係数を求め、磨耗量は試験後の
パッドの厚みより直接測定し求めた。
結果を第2表に示した。
得られた複合材は、高い制動性と低い磨耗量を示し、 ブレーキ特性が優れていた。
第1表 慣性モーメント 0、04 kg −m −s 2 周速 ; 15m/S 面圧 ;13kgf/m” 回数 8100回 第2表

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 無機繊維 I 、無機繊維IIの少なくとも一種類を含む繊
    維を強化材とし、無機物質 I 、無機物質IIの少なくと
    も一種類の無機物質をマトリックス中に含むことを特徴
    とする繊維強化無機材料であって、 上記無機繊維 I が珪素含有多環状芳香族重合体から得
    られる無機繊維であって、その構成成分が、i)該重合
    体を構成するメソフェーズ状態にある多環状芳香族化合
    物から導かれるラジアル構造、オニオン構造、ランダム
    構造、コアラジアル構造、スキンオニオン構造及びモザ
    イク構造からなる群から選ばれる少なくとも一種の結晶
    配列状態を示す炭素質、 ii)該重合体を構成する光学的等方性の多環状芳香族
    化合物から導かれる、無配向状態の結晶質炭素及び/又
    は非晶質炭素、及び iii)Si、C及びOから実質的になる非晶質相及び
    /又は粒径が500Å以下の実質的にβ−SiCからな
    る結晶質超微粒子と非晶質の SiO_x(0<x≦2)からなる集合体であり、 構成元素の割合が、Si;30〜70重量%C;20〜
    60重量%及び0;0.5〜10重量%であるSi−C
    −O物質 よりなる無機繊維であり、 上記無機繊維IIが、金属含有多環状芳香族重合体から得
    られる無機繊維であって、その構成成分が a)該重合体を構成するメソフェーズ状態にある多環状
    芳香族化合物から導かれるラジアル構造、オニオン構造
    、ランダム構造、コアラジアル構造、スキンオニオン構
    造及びモザイク構造からなる群から選ばれる少なくとも
    一種の結晶配列状態を示す炭素質、 b)該重合体を構成する光学的等方性の多環状芳香族化
    合物から導かれる、無配向状態の結晶質炭素及び/又は
    非晶質炭素、及び c)(1)Si、M、C及びOから実質的になる非晶質
    物質、及び/又は (2)実質的にβ−SiC、MC、β−SiCとMCの
    固溶体及びMC_1_−_xからなる粒径が500Å以
    下の結晶超微粒子と、非晶質のSiO_y及びMO_z
    との集合体であり 構成元素の割合がSi;5〜70重量%、M;0.5〜
    45重量%、C;20〜40重量%及びO;0.01〜
    30重量%である、Si−M−C−O物質(上記式中、
    MはTi、Zr及びHfから選択される少なくとも一種
    の元素であり、0<x<1、0<y≦2、0<z≦2で
    ある。) よりなる無機繊維であり、 前記無機物質 I が珪素含有多環状芳香族重合体から得
    られる無機物質であって、その構成成分が、iv)該重
    合体を構成するメソフェーズ状態にある多環状芳香族化
    合物から導かれる結晶質炭素、又は結晶質炭素と非晶質
    炭素、 v)該重合体を構成する光学的等方性の多環状芳香族化
    合物から導かれる、無配向状態の結晶質炭素及び/又は
    非晶質炭素、及び vi)Si、C及びOから実質的になる非晶質相及び/
    又は粒径が500Å以下の実質的にβ−SiCからなる
    結晶質超微粒子と非晶質のSiO_x(0<x≦2)か
    らなる集合体であり、構成元素の割合がSi;30〜7
    0重量%、C;20〜60重量%及びO;0.5〜10
    重量%であるSi−C−O物質 よりなる炭素質無機物質であり、 前記無機物質IIが金属含有多環状芳香族重合体から得ら
    れる無機物質であって、その構成成分が、d)該重合体
    を構成するメソフェーズ状態にある多環状芳香族化合物
    から導かれる結晶質炭素、又は結晶質炭素と非晶質炭素
    、 e)該重合体を構成する光学的等方性の多環状芳香族化
    合物から導かれる、無配向状態の結晶質炭素及び/又は
    非晶質炭素、及び f)(1)Si、M、C及びOから実質的になる非晶質
    物質、及び/又は (2)実質的にβ−SiC、MC、β−SiCとMCの
    固溶体及びMC_1_−_xからなる粒径が500Å以
    下の結晶超微粒子と、非晶質のSiO_y及びMO_z
    との集合体であり 構成元素の割合がSi;5〜70重量%、M;0.5〜
    45重量%、C;20〜40重量%及び0;0.01〜
    30重量%である、Si−M−C−O物質(上記式中、
    MはTi、Zr及びHfから選択される少なくとも一種
    の元素であり、0<x<1、0<y≦2、0<z≦2で
    ある。) よりなる炭素質無機物質であることを特徴とする繊維強
    化炭素質複合材料を用いたブレーキ。
JP2028274A 1990-02-09 1990-02-09 ブレーキ Expired - Lifetime JP2792180B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2028274A JP2792180B2 (ja) 1990-02-09 1990-02-09 ブレーキ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2028274A JP2792180B2 (ja) 1990-02-09 1990-02-09 ブレーキ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03232770A true JPH03232770A (ja) 1991-10-16
JP2792180B2 JP2792180B2 (ja) 1998-08-27

Family

ID=12244009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2028274A Expired - Lifetime JP2792180B2 (ja) 1990-02-09 1990-02-09 ブレーキ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2792180B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001322133A (ja) * 2000-03-07 2001-11-20 Hitachi Chem Co Ltd 硬化製品の製造法
JP2008539315A (ja) * 2005-04-26 2008-11-13 ボーグワーナー・インコーポレーテッド 摩擦材料

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2428671B (en) * 2005-07-29 2011-08-31 Surface Transforms Plc Method for the manufacture of carbon fibre-reinforced ceramic brake or clutch disks

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001322133A (ja) * 2000-03-07 2001-11-20 Hitachi Chem Co Ltd 硬化製品の製造法
JP2008539315A (ja) * 2005-04-26 2008-11-13 ボーグワーナー・インコーポレーテッド 摩擦材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2792180B2 (ja) 1998-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH03232770A (ja) ブレーキ
JP2547110B2 (ja) ハイブリッド繊維強化炭素質複合材料
JPH03112868A (ja) 繊維強化炭素質複合材料
JP2547113B2 (ja) ハイブリッド繊維強化炭素質複合材料
JP2547112B2 (ja) ハイブリッド繊維強化炭素質複合材料
JPH03103359A (ja) 繊維強化炭素材料
JPH03104926A (ja) 高強度・高弾性率無機繊維及びその製造方法
JP2547108B2 (ja) 繊維強化炭素質複合材料
JP2547109B2 (ja) 繊維強化炭素系複合材料
JPH02289463A (ja) 繊維強化炭素材料
JPH03109264A (ja) 繊維強化炭素質複合材料
JPH03234820A (ja) ハイブリッド繊維
JP2547111B2 (ja) 耐熱性繊維強化無機複合材料
JPH038768A (ja) 繊維強化炭素質複合材料
JP2559637B2 (ja) 耐熱性繊維強化無機複合材料
JP2514426B2 (ja) 珪素含有多環状芳香族重合体並びにその製造方法
JPH0757713B2 (ja) 繊維強化炭素質複合材料
JPH0781209B2 (ja) 高強度・高弾性率無機繊維及びその製造方法
JPH0726166B2 (ja) 無機繊維強化金属複合材料
JP2514424B2 (ja) 珪素含有多環状芳香族重合体並びにその製造方法
JPH0781232B2 (ja) 複合材料用繊維体並びにその製造方法
JPH02217358A (ja) 炭素質無機材料
JPH0757710B2 (ja) 炭素系無機繊維強化セラミックス複合材料
JPH03103475A (ja) ハイブリッド繊維強化プラスチック複合材料
JPH0726165B2 (ja) 無機繊維強化金属複合材料