JPH02275758A - 繊維強化炭素系複合材料 - Google Patents

繊維強化炭素系複合材料

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JPH02275758A
JPH02275758A JP2018088A JP1808890A JPH02275758A JP H02275758 A JPH02275758 A JP H02275758A JP 2018088 A JP2018088 A JP 2018088A JP 1808890 A JP1808890 A JP 1808890A JP H02275758 A JPH02275758 A JP H02275758A
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敏弘 石川
Yasuhiro Shioji
塩路 泰広
Masaki Shibuya
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は無機繊維で強化された耐熱性、耐摩耗性炭素系
無機複合材料に関するものである。
(従来の技術及びその問題点) 無機繊維で強化した炭素系無機複合材料のうち、強化繊
維として炭素繊維、無機質マトリックスとして炭素を用
いた、所謂C/Cコンポジットは比強度、比弾性、非酸
化性雰囲気中における耐熱性、靭性、摩擦特性に優れ、
耐熱構造材、ブレーキ材として有望なものである。特に
ブレーキ用途においては、航空機、レーシングカー用と
して実用化が進められている。
しかし、C/Cコンポジットはマトリックスが炭素のみ
からなるため、酸化性雰囲気中での長時間の使用は困難
であり、また、摩擦特性においても潤滑性には優れてい
るものの、耐摩耗性は必ずしも充分ではなかった。
これら炭素マトリックスの持つ本質的欠点を補う方法と
して、Am、Ceram、 Soc、Bull、、62
(1983)916において、ウォーカー(B、E、W
alker、Jr )らは、C/Cコンポジットに有機
珪素高分子を含浸後、熱分解し、マトリックスへの炭化
珪素成分の導入を図るという方法について記載している
が、得られた複合材の曲げ強度は158MPと低強度で
ある。
また、Proc、 of Int、Symp、on C
eramic、Compon。
for Engtne+1983.Japan、p50
5において、フイツツアー(E、Fitzer)らは、
C/ C:7ンボジツトに珪素融液を含浸し、マトリッ
クスの炭化珪素化を図るという方法について記載してい
るが、得られた複合材は、そのマトリックス粒子間に未
反応のまま残存する金属珪素のため、1300°C以上
の高温ではクリープ変成を生じ、C/Cコンポジットの
有する高温特性を有していない。
上記のいずれのプロセスも、従来の複雑なC/Cコンポ
ジット製造過程に加え、さらに煩雑なプロセスが付加さ
れ、工業的利用の困難なものであった。
一方、アモルファスの無機繊維を用いた場合には、マト
リックス炭素の結晶化温度が高温であるため強化繊維の
劣化が避けられないという欠点があった。
(問題を解決するための手段) 本発明の目的は、上記問題点を解決した新規な無機繊維
強化炭素系複合材料の提供にある。
本発明の他の目的は、高温酸化雰囲気下で劣化の少ない
、耐酸化性炭素系複合材料の提供にある。
本発明の他の目的は、耐磨耗性に優れた炭素系複合材料
の提供にある。
本発明の他の目的は、低温下で製造可能な炭素系複合材
料の提供にある。
本発明の無機繊維強化炭素系複合材料は無機繊維を強化
材とし、無機物質をマトリックスとする繊維強化複合材
料であって、前記無機マトリックスは、チタン、ジルコ
ニウム及びハフニウムからなる群から選ばれる少なくと
も一種類の元素及び珪素を含有する多環状芳香族重合体
から得られる無機物質であって、その構成成分が、 a)該重合体を構成するメソフェーズ状態にある多環状
芳香族化合物から導かれる結晶質炭素、又は結晶質炭素
と非晶質炭素、 b)該重合体を構成する光学的等方性の多環状芳香族化
合物から導かれる、無配向状態の結晶質炭素及び/又は
非晶質炭素、及び C)■St、M、C及び0から実質的になる非晶質物質
、及び/又は ■実質的にβ−3iC,MC,β−3iCとMCの固溶
体及びM C+−xからなる粒径が500Å以下の結晶
超微粒子と、非晶質のSin、及びMO。
との集合体 (上記式中、MはTi、Zr及びHfから選択される少
なくとも一種の元素であり、O<x<1、Q<y≦2、
O<z≦2である。)であり、構成元素の割合がSi;
5〜60重量%、M 、 0.5〜45重景%重量;3
0〜40重量%及びO;0.01〜30重量%であるS
i−M−C−0物質よりなる炭素質無機物質である。
また、本発明における無機繊維強化炭素系複合材料は、 1)結合単位(Si  CHz)、又は結合単位(St
  CH2)と結合単位(Si−3i)とから主として
なり、珪素の側鎖に水素原子、低級アルキル基、フェニ
ル基あるいはシリル基を有し、上記結合単位からなる主
骨格の珪素原子に、M(Mはチタン、ジルコニウム及び
ハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも一種類の
元素である。)が、直接又は酸素原子を介して、珪素原
子の少なくとも一部と結合している遷移金属含有有機珪
素重合体の珪素原子の少な(とも一部が、石油系又は石
炭系のピッチあるいはその熱処理物より得られた多環状
芳香族化合物の芳香族環の炭素と珪素−炭素連結基を介
して結合したランダム共重合体及び、 2)石油系又は石炭系のピッチから得られる、メソフェ
ーズ又はメソフェーズと光学的等吉相との両相からなる
多環状芳香族化合物とを、200〜500°Cの範囲の
温度で加熱反応及び/又は加熱溶融して、M及び珪素を
含有する多環状芳香族重合体を得る第1工程、 前記金属含有多環状芳香族重合体を溶融状態において、
無機繊維と混合又は含浸し、成形する第2工程、 上記成形体を必要により不融化処理を行った後、真空中
あるいは不活性ガス中で800 ’C〜3000“Cの
温度で焼成し、無機化する第3工程、上記工程により得
られた無機繊維強化炭素系複合材料の空孔に必要により
金属含有多環状芳香族重合体の融液、又は溶液を含浸せ
しめ、焼成し、無機化させる処理を繰り返し行うこによ
り高密度化する第4工程 よりなる製造方法により提供される。
なお、高温ホットプレス等により上記第2〜第4工程を
一つの工程として製造することも可能である。
次に、上記各工程について具体的に説明する。
以下の説明において「部」は「重量部」であり、「%」
は「重量%」である。
第1工程: 有機珪素重合体とピッチを、不活性ガス中で、好ましく
は250〜500°Cの範囲の温度で加熱反応させるこ
とにより前駆重合体1)が調製される。
前駆重合体1)の出発原料の−っである有機珪素重合体
は、例えば、ジメチルジクロロシランと金属ナトリウム
の反応により得られるポリメチルシランを不活性ガス中
で400°C以上に加熱することにより得られる。上記
有機珪素重合体は、結合単位(St  CHz)、又は
結合単位(Si−CH2)と結合単位(Si−3i)と
から主としてなり、結合単位(Si  CHz)の全数
対結合単位(Si−3i)の全数の比率は1:0〜20
の範囲内にある。
この有機珪素重合体の重量平均分子量(M、)は、−船
釣には300〜1000で、M8が400〜800のも
のが、優れた炭素系無機繊維を得るための中間原料であ
るランダム共重合体2)を調製するために特に好ましい
前駆重合体1)のもう一つの出発原料であるピッチは、
石油類又は石炭類から得られるピッチで、特に好ましい
ピッチは、石油類の流動接触分解により得られる重質油
、その重質油を蒸留して得た留出成分又は残渣油、さら
にはこれらの熱処理物である。
上記ヒツチ中には、ベンゼン、トルエン、キシレン、テ
トラヒドロフランなどの有機溶媒に不溶の成分が5〜9
8%、特に40〜90%含まれていることが好ましく、
不溶成分が5%未満のピッチを原料として用いた場合、
無機化時の残存率が低くなり、空孔が残存しやすく、ま
た、結晶化度が低くなるため複合材の機械特性が低下し
、一方不溶成分が98%より高い場合には、不溶、不融
のコーキング物が生じやすく成形上不利である。
この光学的等方性ピッチの重量平均分子i(Mい)は、
300〜3000で、融点は70〜200°Cである。
重量平均分子量は以下のようにして求めた値である。即
ち、ピッチがベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒ
ドロフラン、クロロホルム及ヒジクロロベンゼン等のゲ
ルバーミュエーションクロマトグラフ(GPC)測定用
有機溶媒不溶分を含有しない場合はそのままGPC測定
し、ピッチが有機溶媒不溶分を含有する場合は、温和な
条件で水添処理し、有機溶媒不溶分を有機溶媒可溶な成
分に変えて後GPC測定する。(有機溶媒不溶分を含有
する重合体の重量平均分子量は、上記と同様の処理を施
して求めた値である)。
ピッチの使用割合は、有機珪素重合体100部当たり1
0〜1900部であることが好ましい。
ピンチの使用割合が過度に小さい場合は、得られる無機
物質中の炭化珪素成分が多くなり、炭素の持つ潤滑性、
非酸化性雰囲気中での高温特性が失われ、また、その割
合が過度に多い場合は、炭化珪素成分が少なくなり、複
合材の耐酸化性、耐摩耗性が低下する。
上記反応の反応温度が過度に低いと、珪素原子と芳香族
炭素の結合が生成しにくくなり、反応温度が過度に高い
と、生成した前駆共重合体l)の分解及び高分子量化が
激しく起こり好ましくない。
ここで言う前駆重合体1)には、有機珪素重合体とピッ
チが珪素−炭素連結基を介して結合した共重合体に加え
、有機珪素重合体及びピッチの各々の重縮合物が含まれ
る。
不活性ガスとしては、窒素、アルゴン等が好適に使用さ
れる。
次に、前駆重合体1)と式MX4で示される遷移金属化
合物とを100〜500 ’Cの範囲の温度で反応させ
る。
前記MX、において、MはTi、Zr及びHfから選択
される少なくとも一種の元素であり、Xは縮合により、
Mが前駆重合体1)の珪素と直接あるいは酸素原子を介
して結合し得るものであればよ(、特に規定はないが、
ハロゲン原子、アルコキシ基又はβ−ジケトンのような
錯体形成基が好ましい。
反応温度が過度に低いと、前駆重合体1)と弐MX4と
の縮合反応が進行せず、反応温度が過度に高いと、Mを
介した前駆重合体1)の架橋反応が過度に進行しゲル化
が起こったり、前駆重合体1)自体が縮合し高分子量化
したり、あるいは、場合によってはMX、が揮散して優
れた無機材料を得るための中間原料であるランダム共重
合体2)が得られない。
一例として、MがTiで、XがOC,Hfの場合、反応
温度は200〜400″Cが適している。
この反応によって、前駆重合体1)の珪素原子の少なく
とも一部をMと直接あるいは酸素原子を介して結合させ
たランダム共重合体2)が調製される。Mは前駆重合体
1)の珪素原子に−MX3あるいは一〇−MX3のよう
な結合様式で側鎖状に結合することもできるし、前駆重
合体1)の珪素原子に直接又は酸素を介して架橋した結
合様式もとり得る。
ランダム共重合体2)を調製する方法としては、前述の
方法以外に、有機珪素重合体とMX4を反応させ、得ら
れた生成物にピンチをさらに反応させて調製する方法も
可能である。
ランダム共重合体2)中には、結合単位(SiCH2)
及び結合単位(Si−3i)の総重量に対して遷移金属
化合物の結合単位(M)が0.2%〜35%、特に0.
5%〜20%含まれていることが好ましい。
第1工程においては最後にランダム共重合体2)とメソ
フェーズ多環状芳香族化合物を加熱反応及び/又は加熱
溶融して、金属含有多環状芳香族重合体3)を調製する
メソフェーズ多環状芳香族化合物は、例えば、石油系又
は石炭系ピッチを不活性ガス中で300〜500 ’C
に加熱し、生成する軟質留分を除去しながら縮重合する
ことによって調製するこ七ができる。
上記縮重合反応温度が過度に低いと縮合環の成長が充分
でなく、またその温度が過度に高いどコーキングにより
不溶、不融の生成物が生じる。
上記のメソフェーズ多環状芳香族化合物は、融点が20
0〜400°Cの範囲にあり、また、重量平均分子量が
200〜10000である。
メソフェーズ多環状芳香族化合物の中でも、20〜10
0%、特に40〜100%の光学的異方性度を有し、2
〜60%のキノリンネ溶分並びに30〜100%のベン
ゼン、トルエン、キシレン又はテトラヒドロフランに対
する不溶分を含むものが、機械的性能上価れた無機繊維
を得るために好ましい。
メソフェーズ多環状芳香族化合物の使用割合はランダム
共重合体2)100部当たり5〜1900部であること
が好ましく、5部未満では、生成物におけるメソフェー
ズ含有量が不足するため、高温特性が低下し、また、1
900部より多い場合は、珪素成分が不足するため耐酸
化性、耐磨耗性が低下する。
ランダム共重合体2)とメソフェーズ多環状芳香族化合
物とを200〜500 ’Cの温度範囲で加熱溶融及び
/又は加熱反応させることにより、ランダム共重合体2
)の少な(とも一部がメソフェーズ多環状芳香族化合物
と結合した金属含有多環状芳香族重合体3)が得られる
。ただし、ここで言う結合とは、珪素と多環状芳香族化
合物の炭素との化学結合及び/又はランダム共重合体2
)中の珪素と化学結合した多環状芳香族環部分とメソフ
ェーズ多環状芳香族化合物との間のファンデルワールス
結合等の物理的結合を意味する。
上記溶融混合温度が200°Cより低いと不融部分が生
じ、系が不均一となり、複合材の機械的特性の低下を招
き、また、溶融混合温度が500°Cより高いと縮合反
応が激しく進行し、ブロック状の不融物が生じる場合が
あり、成形上不利である。
金属含有多環状芳香族重合体3)を調製する方法として
は、前述の方法以外に、有機珪素重合体とピッチを反応
させ、得られた生成物にメソフェーズピッチとMX4を
同時に又は順次添加し、さらに反応させて調製する方法
も可能である。
上記多環状芳香族重合体3)の重量平均分子量は200
〜11000で、融点が200〜400°Cである。
第2工程: 無機繊維と第1工程で得られた金属含有多環状芳香族重
合体より通常のFRPの成形法と類似の方法により成形
体を得ることができる。
無機繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維
、アルミナ繊維、窒化珪素繊維、炭化珪素繊維、カーボ
ンを芯線とする炭化珪素繊維及びSi−M−C−0繊維
(宇部興産■製チラノ繊維:登録商標)が挙げられ、こ
れらの繊維は単独又は組み合わせて用いることができる
上記のSi−M−C−0繊維は、例えば特公昭60−1
405号公報、同58−5286号公報、同60−20
485号公報、同59−44403号公報に記載の方法
によって調製することができる。式中、MはTi又はZ
rである。
成形法の具体例としては、上記無機繊維の平織、朱子織
、模沙織、綾織、螺旋織、三次元縁等の織物に金属含有
多環状芳香族重合体の粉末を加え加熱プレスし成形する
方法;前記織物に金属含有多環状芳香族重合体の溶液又
はスラリーを含浸後、溶媒を除去し、乾燥したプリプレ
グを加熱成形する方法;前記無機繊維の短繊維、又はチ
ョツプドファイバーと金属含有多環状芳香族重合体を溶
融混練し、プレス成形、又は射出成形により成形体を得
る方法が挙げられる。その際、成形体中の無機繊維の割
合は10〜70体積%であることが好ましい。
第3工程: 上記成形体に必要により不融化処理を施す。
代表的な不融化方法は上記成形体を酸化性雰囲気中で加
熱する方法である。不融化の温度は好ましくは50〜4
00°Cの範囲の温度である。不融化温度が過度に低い
とマトリックスを構成するポリマーのはしかけが起こら
ず、また、この温度が過度に高いとポリマーが燃焼する
不融化の目的は、前記成形体のマトリックスを構成する
ポリマーを三次元構造の不融・不溶のはしかけ状態にし
、次工程の無機化の際に熔融せず、成形体形状を保持さ
せることにある。不融化の際の酸化性雰囲気を構成する
ガスとしては、空気、オゾン、酸素、塩素ガス、臭素ガ
ス、アンモニアガス、及びこれらの混合ガスが挙げられ
る。
上記とは別の不融化方法として、前記成形体を酸化性雰
囲気あるいは非酸化性雰囲気で、必要に応じて低温加熱
しながら、γ線照射、あるいは電子線照射して不融化す
る方法も採用することができる。
このγ線あるいは電子線を照射する目的は、前記成形体
のマトリックスを形成するポリマーを、さらに重合させ
ることによって、マトリックスが融解し、成形体形状を
失うことを防ぐことにある。
γ線あるいは電子線の照射線量は10′′〜10ランド
が適当である。
照射は真空、不活性ガス雰囲気下、あるいは空気、オゾ
ン、酸素、塩素ガス、臭素ガス、アンモニアガス及びこ
れらの混合ガスのような酸化性ガス雰囲気で行うことが
できる。
照射による不融化は室温で行うこともでき、必要であれ
ば50〜200°Cの温度範囲で加熱しながら行うこと
によって不融化をより短時間で達成させることもできる
不融化された成形体は、真空あるいは不活性ガス中で、
800〜3000 ”Cの範囲の温度で焼成し、無機化
され、繊維強化された、炭素、M(MはTi、Zr及び
Hfから選択される少なくとも一種の元素である。)、
珪素及び酸素からなるマトリックスを有する複合材料が
得られる。
加熱過程において、約700°Cから無機化が激しくな
り、約s o o ’cでほぼ無機化が完了するものと
推定される。従って、焼成は、800°C以上の温度で
行うことが好ましい。また、3000°Cより高い温度
を得るには高価な装置を必要とするため3000°Cよ
り高温での焼成は、コスト面からみて実際的でない。
得られる複合材のマトリックス成分は前述した構成成分
a)、b)及びC)からなっており、S i  ; 0
.5〜50%、M;0.01−10%、C;40〜97
%及びo ; o、 i〜10%から実質的に構成され
ている。
この複合材のマトリックスの構成成分である結晶質炭素
は500Å以下の結晶子サイズを有し、1.5人の分解
能を有する高分解能電子顕微鏡において、繊維軸方向に
配向した3、2人の(002)面に相当する微細なラテ
ィスイメージ像が観察されうる超微粒子のグラファイト
結晶である。
上記マトリックスにおける構成成分a)及びb)の総和
100部に対する構成成分C)の割合は0.5〜500
部であり、且つ構成成分a)、b)の比率は1:0.0
2〜4である。
構成成分a)及びb)の総和100部に対する構成成分
C)の割合が0.5未満の場合は、はとんど炭素マトリ
ックスと変わらず、耐酸化性や耐磨耗性の向上は望めず
、上記割合が500部を越えた場合は炭化珪素マトリッ
クスと変わらず、高温特性、潤滑性が低下する。
構成成分C)についてさらに詳細に説明する。
構成成分C)におけるSi、M、C10の存在状態は、
第1工程乃至第3工程で採用される製造条件によって決
定される。−船釣に言えば、第3工程での焼成温度が例
えば1000°Cより低い場合、Si、M、C,Oから
なる非晶質より実質的に構成される。
一方、第4工程での焼成温度が例えば1700°C以上
の場合、実質的にβ−3iC,MC1β−3iCとMC
の固溶体及びMCI−)l  (ただし、0<x<1)
からなる粒径500Å以下の超微粒子及びSin、(た
だし、Q<y≦2)、MO。
(ただし、O<z≦2)からなる非晶質からなる集合体
より実質的に構成される。
上記温度の中間では、各集合体の混合系より構成されて
いる。また、複合材のマトリックス中の酸素量は、例え
ば第1工程におけるMX、の添加比率又は第3工程にお
ける不融化条件により制御することができる。
本発明における複合材中のマトリックスは、層間隔が小
さな炭素微結晶が効果的に生成しており、その微結晶を
包み込むように珪素原子及びMが非常に均一に分布して
いる。なお、本工程における無機化の昇温速度を極めて
遅くすることや、成形体保形用の治具、パウダーヘッド
等の保形手段を用いること等により不融化工程を省略す
ることもできるし、また第2工程の成形において、高温
ホットプレス法を用いることにより第3工程自体を省略
することもできる。
第4工程: 第3工程で得られた繊維強化炭素系無機材料は必要によ
り、前記珪素含有多環状芳香族重合体の融液、溶液又は
スラリーを含浸後必要により不融化、焼成し、無機化す
ることにより複合体を高密度化、高強度化することがで
きる。含浸は、珪素含有多環状芳香族重合体の融液、溶
液又はスラリーのいずれを用いてもさしつかえないが、
微細な開気孔への浸透を図るため、この複合材に前記重
合体の溶液又はスラリーを含浸後減圧下で微細気孔への
浸透を促進役溶媒を留去しつつ昇温し、10〜500k
g/胴2に加圧し、前記重合体の融液を気孔に充填させ
る。
得られた含浸体は、第3工程と同様にして、不融化し、
焼成し、無機化することができる。この操作を2〜10
回繰り返すことにより高密度、高強度な繊維強化複合材
を得ることができる。
(発明の効果) 本発明の繊維強化炭素系複合材料は、マトリックスの炭
素中に非常に均一に分散、一体化した炭化珪素、炭化チ
タン成分を含む。これらの成分の存在が、低温における
炭素の微結晶化の促進、炭素の酸化による消耗の抑制、
強化繊維との濡れ性、接着性の制御、摩擦抵抗の向上を
もたらす。
従って、得られた複合材料は機械的物性、耐酸化性、耐
磨耗性に優れ、各種のブレーキ類、耐熱構造材料として
優れたものである。
(実施例) 以下実施例によって本発明を説明する。
参考例1(マトリックス用ポリマーIの製法)5i!、
の三ロフラスコに無水キシレン2.52及びナトリウム
400gを入れ、窒素ガス気流下でキシレンの沸点まで
加熱し、ジメチルジクロロシラン12を1時間で滴下し
た。滴下終了後、10時間加熱還流し沈澱物を生成させ
た。沈澱を濾過し、メタノールついで水で洗浄して、白
色粉末のポリジメチルシラン420gを得た。
このポリジメチルシラン400gを、ガス導入管、攪拌
機、冷却器及び留出管を備えた32の三ロフラスコに仕
込み、攪拌しながら50m11分の窒素気流下に420
°Cで加熱処理して、留出受器に350gの無色透明な
少し粘性のある液体を得た。
この液体の数平均分子量は蒸気圧浸透法で測定したとこ
ろ470であった。
この物質の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、6
50〜900cm−’と1250cm−’に5i−CH
,の吸収、2100c+n−’に5i−Hの吸収、10
2102O’付近と135.5 cm−’にSt  C
Hz−3tの吸収、2900cm−’と2950cm−
’にC−Hの吸収が認められ、またこの物質の遠赤外線
吸収スペクトルを測定したところ、380c++r’に
5i−3iの吸収が認められることから、得られた液状
物質は、主として(Si−CH□)結合単位及び(Si
−3i)結合単位からなり、珪素の側鎖に水素原子及び
メチル基を有する有機珪素重合体であることが判明した
核磁気共鳴分析及び赤外線吸収分析の測定結果から、こ
の有機珪素重合体は(St  CHz)結合単位の全数
対(Si−3i)結合単位の全数の比率がほぼ1:3で
ある重合体であることが確認された。
上記有機珪素重合体300gをエタノールで処理して低
分子量物を除去して、数平均分子量が1200の重合体
40gを得た。
この物質の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、上
記と同様の吸収ピークが認められ、この物質は主として
(S 1−CH,)結合単位及び(Si−3i)結合単
位からなり、珪素の側鎖に水素原子及びメチル基を有す
る有機珪素重合体であることが判明した。
核磁気共鳴分析及び赤外線吸収分析の測定結果から、こ
の有機珪素重合体は(Si  CHz)結合単位の全数
対(Si−3i)結合単位の全数の比率がほぼ7:1で
ある重合体であることが確認された。
一方、石油留分のうち、軽油以上の高沸点物をシリカ・
アルミナ系分解触媒の存在下、500°Cの温度で流動
接触分解・精留を行い、その塔底より残渣を得た。以下
、この残渣をFCCスラリーオイルと呼ぶ。
このFCCスラリーオイルは、元素分析の結果、炭素原
子対水素原子の原子比(C/H)が0.75で、核磁気
共鳴分析による芳香炭素率が0.55であった。
上記FCCスラリーオイル500gを窒素ガス気流下4
50°Cに加熱し、同温度における留出分を留去後、残
渣を200°Cにて熱時濾過を行い、同温度における不
融部を除去し、軽質分除去ピッチ225gを得た。
この軽質分除去ピッチは75%のキシレン不溶分を含む
光学的に等方性のピッチであった。
この軽質骨除去ピッチ49gに参考例1で得た有機珪素
重合体21g及びキシレン20m2を加え、攪拌しなか
ら昇温し、キシレンを留去後、400゛Cで6時間反応
させ39gの前駆重合体を得た。
この前駆重合体は赤外線吸収スペクトル測定の結果、有
機珪素重合体中に存在する5i−H結合(I R: 2
100cm−’)の減少、及び新たな5i−C(ベンゼ
ン環の炭素)結合(IR:1135crn−’)の生成
が認められることより有機珪素重合体の珪素原子の一部
が多環状芳香族環と直接結合した部分を有する共重合体
であることがわかった。
前駆重合体39gにテトラオクトキシチタン(Ti(○
C9H1□)、)2.75gのキシレン?容ン夜(25
%キシレン溶液11g)を加え、キシレン留去後、34
0°Cで2時間反応させ、ランダム共重合体38gを得
た。
この共重合体は、キシレン不溶部を含まず重量平均分子
量は1650、融点は272 ”Cであった。
これと並行して、FCCスラリーオイル400gを、窒
素ガス気流下450°Cに加熱し、同温度における留出
分を留去後、残渣を200″Cにて熱時濾過を行い、同
温度における不融部を除去し、軽質骨除去ピッチ180
gを得た。得られた軽質骨除去ピッチ180gを窒素気
流下、反応により生成する軽質骨を除去しなから400
 ”Cで7時間縮重合を行い、熱処理ピッチ85gを得
た。
この熱処理ピッチは融点268°C、キシレン不溶分9
2%、キノリンネ溶分12%を含有しており、研磨面の
偏光顕微鏡観察による光学的異方性が89%のメソフェ
ーズピッチであった。
前記ランダム共重合体35gと上記メソフェーズピッチ
70gを混合し、窒素雰囲気下、350°Cで一時間溶
融加熱し、均一な状態にある珪素及びチタンを含有した
多環状芳香族重合体を得た。
この重合体は、融点が272°Cで、59%のキシレン
不溶分を含んでいた。
参考例2(マトリックス用ポリマーHの製法)参考例1
で得られた前駆共重合体39gにテトラキスアセチルア
セトナトシルコニウム5.4gのエタノール−キシレン
溶液(1,5%)を加え、キシレン及びエタノールを留
去後250°Cで1時間重合し39.5 gのジルコニ
ウム含有ランダム共重合体を得た。
この重合体20gと参考例1と同様にして調製したメソ
フェーズピッチ50gを微粉砕混合し、紡糸筒内で35
0″Cで溶融させてジルコニウム含有多環状芳香族重合
体を得た。
参考例3(マトリックス用ポリマー■の製法)軽質骨除
去ピッチ及び有機珪素重合体の使用量をそれぞれ50g
及び50gに変えた以外は参考例1と同様にして、57
gの前駆重合体を得た。
この前駆共重合体40gにハフニウムクロライド7.2
gのエタノール−キシレン?容?ff1(1,5%)を
加え、キシレン及びエタノールを留去後250°Cで1
時間重合し43.5 gのハフニウム含有ランダム共重
合体を得た。
この重合体60gとメソフェーズピッチ40gを320
°Cで溶融混合し、ハフニウム含有多環状芳香族重合体
を得た。
実施例1 繊維径1um、引張強度300 kg/mm2、引張弾
性率21 t 7mm2の市販PAN系炭素繊維の2次
元平織織布を直径7 cmの円板状に切り、マl−’J
ックス用ポリマーIの30%キシレンスラリーに含浸後
乾燥し、プリプレグシートを作成した。金型内で、プリ
プレグシート間にマトリックス用ポリマーIの微粉末を
充填し、各プリプレグシートを、強化繊維の繊維方向を
45°ずつ順次ずらしながら30枚積層し、50kg/
mm2の加圧化、350°Cにてホントプレスし円板状
成形体を得た。
この成形体を炭素粉末のパウダーベンド中に埋め保形し
、窒素気流中で5°c/hの速度で800°Cまで昇温
後、さらに1300°Cへ昇温しマトリックスを無機化
した。得られた複合材料の嵩密度は1.36g/cボで
あった。
この複合体をポリマーIの50%キシレンスラリーに浸
し、減圧下キシレンを留去しながら350′Cに昇温、
その後100kg/皿2に加圧含浸した後、空気中で5
°C/hの速度で300°Cまで昇温し、不融化した後
1300″Cで無機化した。この含浸操作を3回繰り返
し嵩密度カ月、77g/cfflの材料を得た。得られ
た複合材料の曲げ強度は55 kg / mm 2であ
った。
比較例1 マトリックス用ポリマーとして、軟化点が150゛Cで
、残炭率が60%の石油系熱処理ピッチを用い、実施例
1と同様にして炭素繊維強化炭素材料を得た。この材料
は嵩密度が1.71 g /ciと低く、曲げ強度も1
9kg/ll1In”であった。
実施例2 Si −M−C−OHM維(宇部興産■製チラノ繊維:
登録商標)の三次元織物に参考例3で得られたマトリッ
クス用ポリマー■の50%キシレン溶液をオートクレー
ブ中で含浸後、キシレンを留去し、380°Cにて、1
00 kg/mm2で加圧し、成形体を得た。この成形
体を280°Cで不融化し、1300 ’Cで無機化し
、焼成した。上記操作を合計4回繰り返し、嵩密度1.
91 g /cffl、曲げ強度42kg/mm2の複
合材料を得た。
実施例3 繊維径10μm、引張強度300 kg/mm2、引張
弾性率50L/mm2の市販ピッチ系炭素繊維を一方向
に引き揃えたものとマトリックス用ポリマーHを800
″Cにて無機化した微粉末を交互に積層し、500kg
/mm”の圧力で、2000°Cでホットプレスした。
得られた複合材の嵩密度は2.06g/cfflで、曲
げ強度は61kg/++un”であった。
実施例4 実施例1〜3の複合材及び比較例】の複合材を600 
’Cの大気雰囲気のオーブン中で1時間加熱後、曲げ強
度を測定した。
比較例1の複合材は強度測定ができないほど酸化劣化が
進行していたが、実施例1の複合材の曲げ強度は7%減
少したに過ぎず、実施例2.3の複合材では強度低下は
認められなかった。
実施例5 実施例1で用いたPAN系炭素繊維と実施例2で用いた
Si−M−C−0繊維との混繊トウより製造した平織織
物を用いた以外は実施例1と同様にして複合材を製造し
た。
なお、上記混繊トウは、PAN系炭素繊維とSi−M−
C−0繊維との体積割合が1:1であった。
得られた複合材の嵩密度は1.79 g /ctAで、
曲げ強度は39kg/nun2であったが、ダイナモメ
ータ−による耐廖耗性試験の結果、摩擦係数が0.5〜
0.7、磨耗量が0.4〜0.6 X 10−’mm/
5top/5urfの耐磨耗性に優れた材料を得た。
なお、耐磨耗性試験条件は以下の通りであった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】  無機繊維を強化材とし、無機物質をマトリックスとす
    る繊維強化複合材料において、上記無機物質がチタン、
    ジルコニウム及びハフニウムからなる群から選ばれる少
    なくとも一種類の元素及び珪素を含有する多環状芳香族
    重合体から得られる無機物質であって、その構成成分が
    、 a)該重合体を構成するメソフェーズ状態にある多環状
    芳香族化合物から導かれる結晶質炭素、又は結晶質炭素
    と非晶質炭素、 b)該重合体を構成する光学的等方性の多環状芳香族化
    合物から導かれる、無配向状態の結晶質炭素及び/又は
    非晶質炭素、及び c)(1)Si、M、C及びOから実質的になる非晶質
    物質、及び/又は (2)実質的にβ−SiC、MC、β−SiCとMCの
    固溶体及びMC_1_−_xからなる粒径が500Å以
    下の結晶超微粒子と、非晶質のSiO_y及びMO_2
    との集合体 (上記式中、MはTi、Zr及びHfから選択される少
    なくとも一種の元素であり、0<x<1、0<y≦2、
    0<z≦2である。)であり、構成元素の割合がSi;
    5〜60重量%、M;0.5〜45重量%、C;30〜
    40重量%及びO;0.01〜30重量%であるSi−
    M−C−O物質よりなる炭素質無機物質であることを特
    徴とする繊維強化炭素系複合材料。
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