JPH02247B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、転がり易い球塊状の物品、衛生上汚
れを排除すべき食品類、軽量で付着し易く滑り難
い性状の物品、等の比較的軽量小型の物品をコン
ベアの搬送方向に不定間隔でランダムにのせて搬
送し仕分け排出するスラツト状コンベア装置に関
するものである。

［従来の技術］ 従来、各種の物品をコンベアで搬送し、搬送路
の一部で仕分け排出する自動仕分けコンベア装置
としては、スチールベルトコンベアにダイバータ
を設けて物品をスクレーバー方式で側方シユート
上に滑り落すもの、スラツト型と称して、スラツ
トの中央下部に支点を設け、左又は右に所定角度
傾けて物品を斜め下方に滑り落すもの、傾斜トレ
ー型と称して一枚のトレーに１物品をのせて搬送
し、該当場所でトレーの中央下部を支点としてト
レーを左又は右に傾けて物品を斜め下方に排出す
るもの、落下式トレー型と称して半割のトレー２
枚で一つの物品収容部を形成して搬送し、排出時
に片側のトレーのラツチをはずして物品を斜め下
方に落下させるもの、等が公知であり、これらの
内容については日刊工業新聞社より発行されてい
る月刊誌「オートメーシヨン」の第25巻、第14号
（昭和55年12月発行）、の88頁〜93頁に記載されて
いる。

又、スラツト型としては、特公昭45−21774号
公報、実公昭46−15126号公報等にも開示され、
トレー型としては、特開昭47−9871号公報、実開
昭48−66288号公報等にも開示されており、これ
らのものが公知の技術として用いられている。

［発明が解決しようとする問題点］ これらスラツト型及びトレー型の従来のもの
は、いずれも物品を斜め下方へ落下させるもので
あり、小荷物、小包等の搬送仕分け装置として物
流施設の中で用いられるものであつて、大型な重
量物の荷扱い設備としては適しているが、転がり
易い球塊状の物品や食品類等の小型で軽量の物品
を取扱うには機構が複雑であり、装置が過大とな
り、広いスペースを必要とし、狭い場所に簡単に
設置することができない欠点があつた。

又、従来のものは、スラツト又はトレーの中央
部下方にチエンを配設したものであるため、チエ
ンが水平方向に直線状の上下２層（上下２径路）
をなしてエンドレスに走行回路するものにあつて
は、チエンに給油される油とこれに関連して生じ
る汚れとがチエンから直下に流出し、下層（復
路）側を走行するスラツト又はトレーの裏面に落
ちてその表面に伝わるので、食品類その他、衛生
上汚れを排除しなければならない物品の搬送仕分
けには適さない欠点があつた。

更に、従来のものは、上記の如くスラツト又は
トレーの中央部下方にチエンを配設したものであ
るためや、スラツト又はトレーの中央下部を支持
とし、スラツト又はトレーの保持・解放機構をス
ラツト又はトレーの下方に配置し、左又は右に傾
ける方式であるために、スラツト又はトレーの傾
斜角に限度があり、スラツト又はトレーを水平に
対して略90度に傾けることができず、このため斜
めに傾けてスラツト又はトレー上に載つている物
品を斜め下方に排出するものであるので、取扱う
物品が転がり易い球塊状の物品の場合には、排出
時、物品がスラツト又はトレー上から勢いよく転
がり落ちて物品を傷めたり、収容すべき場所から
物品が飛出したりする欠点があり、又、取扱う物
品の下面が水に漏れる等して物品が付着し易く滑
り難い性状にある場合には、スラツト又はトレー
を斜めに傾けるだけではスラツト又はトレー上面
に物品が密着していて排出できない欠点があつ
た。

又、従来のものは、コンベア上の物品を排出す
る位置の進行方向直前の位置に、スラツト又はト
レーを徐々に傾けるよう案内する案内レール、又
は切換えレール等が設けられているので、案内レ
ール又は切換えレール等により物品の排出位置が
コンベア進行方向の一定位置に固定され、進行方
向に沿つた他の位置に変えることが容易にできな
い欠点があつた。

更に又、従来のものは、構造上スラツト又はト
レーの小型化に限度があり、コンベアの進行方向
に対して直角な横向きのスラツト状台板の進行方
向の幅を数センチ（５〜１cm）に小さくすること
ができないので、小型の物品を搬送仕分けするに
は、コンベア上に物品を供給する際、スラツト又
はトレー一枚に対して物品が一個より多くは乗ら
ないように一定間隔をおいて供給しなければなら
ず、不定間隔でランダムに供給することができな
い欠点があつた。

本発明はスラツト型及びトレー型のコンベアの
従来装置の上記欠点を解消する新しい仕分けコン
ベア装置を提供することを目的とするものであ
る。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、上記目的を達成するために、次の技
術的手段を講じたものである。

即ち、本発明は、転がり易い球塊状の物品、衛
生上汚れを排除すべき食品類、軽量で付着し易く
滑り難い性状を有する物品、等の比較的軽量小型
の物品を、コンベアの進行方向に等間隔で多数備
えられ略水平の搬送姿勢に保持されて該進行方向
にベルト状の搬送面を形成するスラツト状受板上
に載せて搬送し、物品搬送路に沿つた適宜位置の
仕分け排出部でスラツト状受板を排出姿勢とし物
品を落下排出して仕分けるコンベア装置であつ
て、 水平方向に直線状の上下２径路をなしてエンド
レスに走行回路するコンベアチエンの側方片側
に、該コンベアチエンの進行方向に等間隔で多数
のホルダーを設け、 該多数のホルダーの夫々に、所定数の前記スラ
ツト状受板を、軸芯が該コンベアチエンの進行方
向に向いた支点ピンＡにより、該スラツト状受板
の一端部で且つ左右方向に関して該スラツト状受
板の中央部よりコンベアチエン側の点で回動自在
に軸支し、 該各スラツト状受板の上部には物品の重量によ
り適度に屈曲して物品を支える多数の弾性突起部
材を備えると共に、物品受載面を形成する該多数
の弾性突起部材の上面をその左右両端部よりも中
央部がわずかに低い斜面状に形成し、 該スラツト状受板の係合受部と係合して該スラ
ツト状受板をその物品受載面が略水平の搬送姿勢
に保持し、且つ該係合を解くと該スラツト状受板
が前記支点ピンＡを中心として瞬時に下方に回動
して該スラツト状受板の物品受載面が略垂直の排
出姿勢となることを許す係合機構を、該スラツト
状受板毎に前記ホルダー上に設け、 コンベアの走行移動と同期し、且つ物品の大き
さに応じた仕分け信号により前記係合機構に作用
して物品の大きさに応じた枚数の該スラツト状受
板の係合を解く排出作動装置を、前記仕分け排出
部におけるチエン走行路の上部又は外側側部に設
けたことを特徴とする仕分けコンベア装置の構成
であり、物品が物品受載面の略中央部に載せら
れ、該物品を搬送するスラツト状受板が仕分け排
出部で前記略垂直の排出姿勢に下方に回動したと
き、該物品を自重で物品搬送路の略垂直下方へ落
下排出して仕分けるようにして、仕分けすべき物
品が転がり易い球塊状の物品であつても、勢いよ
く転がり落して物品を傷めたり、収容すべき場所
から物品が飛び出したりすることがなく、又、仕
分けすべき物品が付着し易く滑り難い性状を有す
る物品であつても、該物品がスラツト状受板上に
付着せず該物品を確実に排出するようになしたも
のである。

又、本発明は、スラツト状受板とホルダーと係
合機構と支点ピン等とを組合せたものをコンベア
の一要素をなす搬送体ユニツトとして、これをエ
ンドレスに走行回転するチエンの各アタツチメン
トに夫々取付けて機構が簡単でコンパクトなスラ
ツト状のコンベアを形成するが、チエンリンクピ
ツチが比較的大きなチエンの場合には、チエンの
アタツチメントに、該チエンリンクピツチに応じ
て大きくしたホルダーを設け、該ホルダーに、ス
ラツト状受板の一端部で且つ左右方向（横方向）
に関して該受板の重心よりコンベアチエン側の点
で、軸芯がコンベアチエンの進行方向に向いた支
点ピンＡをもつてスラツト状受板を回動自在に複
数枚並べて軸支して、複数枚のスラツト状受板
夫々が支点ピンＡを中心として前記略水平の搬送
姿勢から前記略垂直の排出姿勢へ回動可能とな
し、該部に各スラツト状受板を夫々略水平の搬送
姿勢に保持する係合機構を組合わせて、一つのホ
ルダーに複数枚のスラツト状受板と、該受板と同
数の複数個の係合機構からなる多連型の搬送体ユ
ニツトを構成して、進行方向に対して直角な横向
きのスラツト状受板の進行方向の幅をチエンリン
クピツチの数分の一に小さく形成し、数センチ
（５〜１cm）の物品が連続的に供給されても、前
記係合機構をスラツト状受板一枚単位から複数枚
まで解放させることによつてチエンリンクピツチ
より小さい物品を仕分け排出させることができる
ように構成したものである。

スラツト状受板を略水平の搬送姿勢に保持する
係合機構の係合を解放する排出作動装置は、ソレ
ノイド又はエアーシリンダー等により前記係合機
構を解放するもので、コンベアの進行と同期して
送られる仕分け信号により作動する。各排出作動
装置に対して仕分け信号をシフトする方法は、従
来の公知のものを用いることができるが、物品の
大きさ（長さ）が大小さまざまなものを仕分け排
出するのには物品が載つたスラツト状受板の枚数
に応じた作動時間を有する信号が送られるので、
小さいものは１〜２枚、大きい（長い）ものは複
数枚を解放させるから、物品と物品の間には１cm
程度のスキ間を与えるだけでよい。

又、本発明は、チエン走行路と搬送体ユニツト
（スラツト状受板）の走行路とを左右（側方）で
並行させた構造となし、チエン走行部を除く搬送
体部を走行中にクリーニングすることが容易にで
きると共に、チエンに給油される油や、油に関連
して生じる汚物が直下に流出しても下層（復路）
側を走行するスラツト状受板を汚すことがなく、
衛生的な取扱いを必要とする食品類でも搬送する
ことができるようにしたものである。

本発明の仕分けコンベア装置を構成する搬送体
ユニツトは、スラツト状受板と、ホルダーと、係
合機構としての係合片と、ピン及びスプリングと
の少ない部品点数で１ユニツトを構成し、このユ
ニツトをチエンのアタツチメントに取付けるだけ
であるから、簡単な構造であり、且つ大量生産を
することが容易である。即ち、本発明は、スラツ
ト状受板、ホルダー、及び係合片が射出成形機に
より連続自動生産され、又、ピンがヘツダーによ
り、スプリングも自動成形機により生産されるも
のとなし、いずれの部品も後加工することなく組
立てられて廉価に生産できるようにしたものであ
る。

更に、本発明は、排出作動装置を、取付け取外
しが容易にできるようにチエン走行路の上部又は
外側側部に独立させて設け、且つ係合機構をスラ
ツト状受板毎に設けることによつて、必要に応じ
て排出作動装置の進行方向における取付け位置を
容易に変え得る如くなし、必要に応じて進行方向
の所用の位置に物品を排出させることができるよ
うになしたものである。即ち、本発明は、排出位
置の前後にスラツト状受板を徐々に傾けるよう案
内する案内レール、切換えレール等がなく且つス
ラツト状受板毎に係合機構が設けられているの
で、コンベア装置ができた後で排出させたい位置
に排出作動装置を取付ければよいものである。こ
のことは、コンベア本体フレームを仕分け位置が
決まらなくても製作できるのでコンベアフレーム
も単純化されてユニツト生産ができて廉価で供給
することを実現するものである。

［実施例］ 以下本発明の実施例を示す図に基づいて本発明
を説明する。

第１図は自動仕分け装置に本発明の仕分けコン
ベア装置を２条配置した場合の説明図であり、１
はコンベアであり、転がり易い球塊状の物品、衛
生上汚れを排除すべき食品類、軽量で付着し易く
滑り難い性状を有する物品、等の比較的軽量小型
の物品１０の搬送路３とチエン走行路２とが側方
で並行した形で矢印方向に走行している。４は搬
送路３に沿つた適宜位置に設けられた仕分け排出
部であり、５は仕分け情報の読取り装置である。
仕分け情報の読取り装置５はコンベア１の入口近
くに設ける場合と、コンベア１の手前側に別の搬
送装置６と共に仕分け情報の読取り装置５′を設
ける場合がある。前者の場合は、仕分け情報の読
取り装置５として、ラベル読取り装置、パーコー
ドリーダー、視覚認識又は計測用のカメラ等が用
いられ、又、人手により情報をインプツトするこ
ともある。後者の場合は、コンベア１の物品搬送
路３上では情報の読取り、入力ができない場合で
あり、仕分け情報の読取り装置５′として、重量
測定装置、オートチエツカー、その他が用いられ
るものである。７はコンベアの走行移動と同期を
取る同期クロツク装置であり、８は仕分け制御装
置であつて、一般にマイクロコンピユーターを用
いて仕分け信号９を仕分け排出部４の排出作動装
置２３に物品１０の搬送移動と同期して送る。

上記の如く全体のシステムは、チエン走行路２
と物品搬送路３とが側方で並行していることを除
いて、従来の公知のものと類似したものを用いる
ことができる。

次に仕分けコンベア装置について説明する。

１１はコンベアフレーム、１２はチエンレー
ル、１３はチエン、１４はチエン１３のアタツチ
メント、１５はホルダー、１６はスラツト状受
板、１７はその支点ピンＡであり、１８は係合機
構としての係合片、１９はその支点ピンＢであ
る。チエン１３は、該チエン１３の上、下面が摺
接するチエン走行路２に沿つて水平方向に直線状
の上下２層（上下２径路）をなしてエンドレスに
走行回転し、チエン走行路２は前記物品搬送路３
の側方で物品搬送路３に並行している。アタツチ
メント１４は図例では用いられているが、ホルダ
ー１５をチエン１３の側方片側に直接固定設置す
るようにしてアタツチメント１４を省略しても、
本発明はその目標とする効果を達成できる。しか
し、好ましくは、アタツチメント１４を介してホ
ルダー１５をチエン１３の側方片側に固定するの
が良い。なぜならば、アタツチメント１４を用い
ることにより、搬送体ユニツト（スラツト状受板
１６、係合片１８、ホルダー１５等からなるも
の）をチエン１３に取付けるのがより一層容易に
なるという長所があるからである。アタツチメン
ト１４はチエンリンクプレートの側部に搬送路３
側に向つて側方へ突出して進行方向に等間隔に多
数設けられている。チエン１３及びチエンレール
１２は通常のコンベアチエン幅の２〜３倍以上の
幅、即ち２列〜３列用チエンの幅相当以上の広幅
に形成するのが好ましい。チエンレール１２は、
例えば、押し出し成形で製造され、チエン１３の
上、下面が摺接する面に耐摩耗性の合性樹脂材１
２ａを有し、チエン１３の走行摩擦及びチエン１
３の走行により生ずる騒音を減少させると共にチ
エン１３のアタツチメント１４に負荷がかかつて
もチエン１３が左右に傾いたり捩れたりしないよ
うにチエン１３を保持する如くなしてチエン走行
路２を形成している。

尚、チエン１３及びアタツチメント１４は、第
４図、及び第６図に示す如く、各種の形状が用い
られ、第６図の場合には、丸棒状のもの２本で１
つのアタツチメント１４を構成している。

ホルダー１５は、アタツチメント１４の夫々に
１つ設けられたものであり、ホルダー15の夫々は
コンベアチエン１３の進行方向に互いに等間隔を
なしており、ホルダー１５の夫々には、物品１０
を載せるための所定数のスラツト状受板１６が、
該受板１６の一端部で且つ左右方向（横方向）に
関して該受板１６の中央部よりコンベアチエン１
３側の点で、軸芯がチエン１３の進行方向に向い
た支点ピンＡ１７により、回動自在に軸支されて
おり、スラツト状受１６の夫々が支点ピンＡ１７
を中心として該受板１６の物品受載面が略水平の
搬送姿勢から該物品受載面が略垂直の排出姿勢へ
と回動可能になつている。又、ホルダー１５の
夫々には、該受板１６の一部分の係合受部１６ａ
と係合片１８のキヤツチ部１８ａとが係合して該
受板１６を前記略水平の搬送姿勢に保持するよう
に、係合片１８がスラツト状受板１６毎にホルダ
ー１５上に支点ピンＢ１９により軸支されてい
る。支点ピンＡ１７がスラツト状受板１６の一端
部で且つ横方向に関して該受板１６の中央部より
コンベアチエン１３側にあるため、上記係合を解
くと、スラツト状受板１６は、その自重と後述す
るスプリング２０の作用とにより支点ピンＡ１７
のまわりに瞬時に下方に回動して垂下できるもの
である。こうして、スラツト状受板１６は、各ホ
ルダー１５上に所定数軸支されて、コンベアチエ
ン１３の進行方向に等間隔で多数設けられてお
り、該多数のスラツト状受板１６が前記略水平の
搬送姿勢にあるときには該進行方向にベルト状の
搬送面を形成している。尚、スラツト状受板１６
が回動垂下する径路には、部材が配置されておら
ず、そのためスラツト状受板１６は物品受載面が
略垂直の排出姿勢になることが可能で、スラツト
状受板１６上に載せていた物品を自重で物品搬送
路３の略垂直下方へ排出できるものである。

２０はスプリングであり、上記係合片１８とス
ラツト状受板１６の係合が常時かみ合つて振動等
で外れないように作用しているものであり、スラ
ツト状受板１６に対しては該受板１６が略水平の
搬送姿勢から略垂直の排出姿勢に下方に回動（水
平から略90度垂直方向に倒す）する力を与え、係
合片１８に対してはキヤツチ部１８ａがスラツト
状受板１６の係合受部１６ａに喰い込む方向に力
を与える如くなしている。該スプリング２０は、
第５図に示す如く、支点ピンＡ１７に取付けて１
個で上記双方のスプリング作用をせしめる場合
と、第７図に示す如く、夫々別個に２０，２０ａ
を設ける場合もあり、その他設計によつて任意の
方法で用いられる。

又、係合片１８は支点ピンＢ１９を中心にして
キヤツチ部１８ａを係合が外れる方向に逃がすた
めのタツチレバー部１８ｂを有し、該タツチレバ
ー部１８ｂはスラツト状受板１６の上面より低
く、端面１６ｂより外側（チエンレール１２側）
に突出させ、チエン走行路２とスラツト状受板１
６の間に位置する如く形成している。又、第５，
７，９，１０図に示される如く、スラツト状受板
１６の夫々は、物品を載せるための上部にブラシ
状又は人工芝状又はヒレ状形状でゴム・合成樹脂
等からなり物品の重量により適度に屈曲する多数
の弾性突起部材１６ｃを備えると共に、該受板１
６の夫々において物品受載面を形成する該多数の
弾性突起部材１６ｃの上面はその左右両端部より
も中央部がわずかに低い斜面状に形成されてお
り、搬送仕分けする物品１０が転がり易い球塊状
の物品の場合でも、この弾性突起部材１６ｃによ
り、例えば、ボールが芝生に沈む如く、スラツト
状受板１６の中央部に安定して支え、該受板１６
上に載つている物品を安定させ搬送することがで
きるようになしており、又、逆に物品１０が表面
に水分を含んだりして付着し易く滑り難い性状を
有する場合でも、この突起部材１６ｃにより、物
品１０との接触面積を少なくし、該受板１６上に
載つている物品１０を該受板１６に密着あるいは
付着させることがないようにして排出時に容易に
排出することができるようになしている。更に、
スラツト状受板１６は、係合機構としの係合片１
８により物品受載面が略水平の搬送姿勢に保持さ
れてチエン１３と共に走行移動するとき、チエン
走行路２に対して側方で並行する物品搬送路３を
形成しており、このため、本発明は、チエン１３
に給油される油が直下に流出しても復路側を走行
するスラツト状受板１６を汚すことがないもので
ある。又、スラツト状受板１６は、係合片１８と
の係合が解かれたとき、物品受載面が略水平の搬
送姿勢から物品受載面が略垂直の排出姿勢に瞬時
に下方に回動してその上に載せられた物品１０を
物品搬送路３の略直下に排出する如く構成されて
いる。従来のスラツト型及びトレー型のコンベア
では物品を斜め下方へ排出するのに対し、本発明
は、物品を略垂直下方へ排出するものであるか
ら、転がり易い球塊状の物品１０でもスラツト状
受板１６上から自重で自然に略直下に排出でき、
勢いよく転がり落して物品１０を傷めたり、収容
すべき場所から物品１０が飛び出したりすること
がないと共に、付着し易く滑り難い性状を有する
物品１０でも、スラツト状受板１６が略垂直の排
出姿勢に回動することに加えて前記突起部材１６
ｃにより物品１０との接触面積が少なく物品との
装着が防がれるので、排出時、物品１０が受板１
６に付着することなく確実に排出することができ
るものである。

上記１つのホルダー１５と、これに設けるスラ
ツト状受板１６、係合片１８、支点ピンＡ１７、
支点ピンＢ１９、スプリング２０とで搬送体ユニ
ツト２１の１ユニツトを構成しており、搬送体ユ
ニツト２１を前記チエンアタツチメント１４の
夫々に取付けてチエン走行路２の側方に搬送体走
行路、即ち物品搬送路３を形成している。

２２はホルダー受レールであり、搬送体ユニツ
ト２１の荷重がチエン１３に対して片持ち荷重に
なるのを軽減させるために設けられた補助レール
であるが、省くこともできる。

２３は、物品搬送路３に沿つた適宜数個所の位
置の仕分け排出部４に夫々設けられた排出作動装
置であり、取付け取外しが容易にできるようにチ
エン走行路２の上部或は外側側部に独立して取付
けられており、コンベア１の進行方向に関して途
中のどの位置にも取付けることができるようにな
つていて、必要に応じて進行方向に関する取付位
置を容易に変え得る如くなしている。排出作動装
置２３は、図例においてはチエン走行路２の上部
に設けられており、２４はスタンド、２５はソレ
ノイド取付台、２６はソレノイド、２７はソレノ
イド２６の先端に取付けたプツシヤー、２８は作
動レバーであり、スタンド２４の一部に設けられ
た支点ピン２９を支点として先端部には前記係合
片１８のタツチレバー部１８ｂを押し下げるタツ
チカム２８ａを形成している。３０は上記作動レ
バー２８を非作動時に上方に保持するための復元
バネであり、作動レバー２８とソレノイド２６の
可動コア２６ａ、及びプツシヤー２７を上方に押
し上げ待機させておく作用をなす。

排出作動装置２３は、仕分け制御装置８から出
され、スラツト状受板１６上に載せられた物品１
０の移動（コンベア１の走行移動）と同期して送
られてくる物品１０の大きさ（長さ）に応じた仕
分け信号９によりソレノイド２６が通電される
と、プツシヤー２７により作動レバー２８を復元
バネ３０の力以上の力で瞬間的に押し下げ、タツ
チカム２８ａで係合片１８のタツチレバー部１８
ｂを押し下げて、スラツト状受板１６の係合受部
１６ａと係合片１８のキヤツチ部１８ａとの係合
を開放するもので、該当する物品１０を物品受載
面の左右方向の略中央部に載せたスラツト状受板
１６は、支点ピンＡ１７を中心として物品受載面
が略水平の搬送姿勢から物品受載面が略垂直の排
出姿勢に瞬時に下方に回動して物品１０を自重で
物品搬送路３の略垂直下方に排出する。

仕分け排出部４で係合を解かれて下方へ略垂直
の排出姿勢に回動したスラツト状受板１６は、コ
ンベア１の終端近くまでそのままの状態で進行
し、終端部スプロケツトの手前側に復元レール３
２を設けて略水平の搬送姿勢に復元した状態で回
転してリターン側（復路側）へ走行する。

スラツト状受板１６の物品受載面に汚れを付着
させるような物品（粉末、粘性体、等の付着物）
を仕分け排出した後、スラツト状受板１６を傾斜
させたまま進行させて上方からシヤワー等をかけ
てクリーニングしても、チエン走行路２とスラツ
ト状受板１６の走行路とが側方で並行しているの
で、チエン走行路２やチエン１３にシヤワーを被
せることなくスラツト状受板１６の上部をクリー
ニングできて精潔さを保つことができる。又、上
記の如く、スラツト状受板１６の走行路とチエン
走行路２とが側方で並行していて、上下で並行し
ているものではないから、スラツト状受板１６は
チエン走行路２の垂直下方空間を移動することが
ないので、チエン１３等から落下する汚物、油等
がスラツト状受板１６の物品受載面にもその裏面
にも付着することがない。

第６図、第８図はホルダー１５、１個に対して
複数個のスラツト状受板１６及び係合片１８、ス
プリング２０を支点ピンＡ１７、支点ピンＢ１９
で組合せて多連型の搬送体ユニツト２１ａを形成
したものを示し、この多連型の搬送体ユニツト２
１ａは、チエン１３のリンクピツチの大きさによ
つてホルダー１５の小型化に限度が生じるので、
チエンリンクピツチの大きさよりも小さい物品を
能率よく搬送するために用いられる。即ちコンベ
アチエン１３は安定走行とアタツチメント取付等
の構造上一般の動力伝動チエンより大きいピツチ
のチエンリンクが用いられるので、１つのチエン
リンクに複数個のスラツト状受板１６を対応させ
るため多連型の搬送体ユニツト２１ａが使用され
る。

［効果］ 本発明は、上記の如く、走行回転するコンベア
チエンの側方片側に設けられた多数のホルダーの
夫々に、所定数のスラツト状受板を、軸芯がコン
ベアチエンの進行方向に向いた支点ピンＡによ
り、スラツト状受板の一端部で且つ左右方向に関
してスラツト状受板の中央部よりコンベアチエン
側の点で回動自在に軸支し、スラツト状受板の係
合受部と係合して該スラツト状受板をその物品受
載面が略水平の搬送姿勢に保持し且つ該係合を解
くと該スラツト状受板が前記支点ピンＡを中心と
して瞬時に下方に回動して該受板の物品受載面が
略垂直の排出姿勢となることを許す係合機構を、
スラツト状受板毎に前記ホルダー上に設け、更
に、物品を載せるためのスラツト状受板上部には
物品の重量により適度に屈曲して物品を支える多
数の弾性突起部材を備えると共に物品受載面を形
成する該多数の弾性突起部材の上面をその左右両
端部よりも中央部がわずかに低い斜面状に形成し
たものであるから、物品の搬送時には、上記多数
の弾性突起部材の適度な屈曲と上面の斜面形状と
により、物品をスラツト状板上の左右方向（横方
向）の略中央部に安定させて搬送することがで
き、スラツト状受板が係合機構により搬送姿勢に
保持されて物品を搬送する際、上記多数の弾性突
起部材の適度な屈曲作用と上面の斜面形状とによ
り、物品をスラツト状受板上の左右方向（横方
向）の略中央部に安定させて搬送することがで
き、前記係合を解いて物品を排出する際、当該物
品を載せたスラツト状受板が支点ピンＡを中心と
して瞬時に下方に回動して該受板の物品受載面が
略垂直の排出姿勢となるので、搬送仕分けすべき
物品が転がり易い球塊状の物品であつても、物品
を自重で自然にその略直下に落下排出することが
できて、従来のものの如く斜め下方へ転がして排
出するものと異なり、勢いよく転がり落すことが
ないので、物品を傷めたり、収容すべき場所から
物品が飛び出したりすることなく排出することが
できるものである。更に本発明は、搬送仕分けす
べき物品が軽量で付着し易く滑り難い性状を有す
る物品であつても、スラツト状受板がその上部に
前記弾性突起部材を備えることにより、該受板と
該受板上の物品との接触面積が少なく物品との密
着が防れている上に、上述の如く、物品を排出す
る際、スラツト状受板が瞬時に下方に回動して該
受板の物品受載面が略垂直の搬出姿勢となるの
で、物品を自動で自然にその略直下に落下排出す
ることができて、従来のものの如く斜め下方へ滑
らせて排出するものと異なり、物品がスラツト状
受板に付着することなく、確実に排出することが
できるものである。

又、本発明は、コンベアチエンが水平方向に直
線状の上下２径路（上下２層）をなしてエンドレ
スに走行回転するものであるが、スラツト状受板
がコンベアチエンの側方片側に突き出て保持され
て、スラツト状受板がチエン走行路に対して側方
で並行する物品搬送路を形成したものであるか
ら、チエンに給油される油が直下に流出しても復
路（下層）側を走行するスラツト状受板を汚すこ
とがないので、搬送仕分けする物品が衛生上汚れ
を排除すべき食品類であつても、搬送仕分けする
ことができる。

更に、本発明は、ホルダーの夫々に、チエンリ
ンクピッチの大きさに応じた所定数のスラツト状
受板を枢着した構成であり、チエンリンクピツチ
が大きい場合には、第６図等に示される如く複数
（３ケ）のスラツト状受板を枢着し得るようにな
してスラツト状受板の進行方向の幅を小さくした
ものであるから、コンベア上に物品を供給する
際、物品が受板１枚に対して１個より多くは載ら
ないように比較的大きな間隔をおいて供給する必
要がなく、略不定間隔でランダムに供給すること
ができる。

又、本発明は、スラツト状受板毎に係合機構を
設けたものであり、スラツト状受板と係合機構と
の係合を解くとスラツト状受板がチエンの進行方
向に向いた支点ピンＡを中心として物品受載面が
略水平の搬送姿勢から物品受載面が略垂直の排出
姿勢に瞬時に下方に回動するものであつて、スラ
ツト状受板を徐々に傾けるよう案内する如き、案
内レール又は切換えレール等をチエン走行路に沿
つて用いるものではなく、更に、上記係合を解く
排出作動装置をチエン走行路の上部又は外側側部
に設けたものであるから、必要に応じて、進行方
向における排出作動装置の取付位置を容易に変え
得て、物品を排出する進行方向の位置が固定又は
制限されることがない。

更に、本発明は、前記の如く、簡単な構造でユ
ニツト化された部材を用いてコンベア装置を構成
したので、小さなスペースに設置することができ
ると共に小型軽量の物品を仕分け排出するのに最
適な装置を安価に提供することができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本発明の実施例を示すものであ
り、第１図は仕分けコンベア装置を２条配置した
場合の全体平面説明図、第２図は第１図の側面説
明図、第３図は第１図の要部断面略図、第４図は
要部平面図、第５図は要部断面図、第６図は第４
図とは別の実施例の要部平面図、第７図は第５図
とは別の実施例の要部断面図、第８図は多連形搬
送体ユニツトの側面図、第９図はスラツト状受板
の側面図、第１０図は搬送体ユニツトの分解説明
図、第１１図は復元レール説明図である。 １…コンベア、２…チエン走行部、３…物品搬
送路、４…仕分け排出部、５，５′…仕分け情報
の読取り装置、６…搬送装置、７…同期クロツク
装置、８…仕分け制御装置、９…仕分け信号、１
０…物品、１１…コンベアフレーム、１２…チエ
ンレール、１３…チエン、１４…アタツチメン
ト、１５…ホルダー、１６…スラツト状受板、１
７…支点ピンＡ、１８…係合片、１９…支持ピン
Ｂ、２０，２０ａ…スプリング、２１，２１ａ…
搬送体ユニツト、２２…ホルダー受レール、２３
…排出作動装置、２４…スタンド、２５…ソレノ
イド取付台、２６…ソレノイド、２７…プツシヤ
ー、２８…作動レバー、２９…支点ピン、３０…
復元バネ、３２…復元レール、１２ａ…合成樹脂
材、１６ａ…係合受部、１６ｂ…端面、１６ｃ…
弾性突起部材、１８ａ…キヤツチ部、１８ｂ…タ
ツチレバー部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 転がり易い球塊状の物品、衛生上汚れを排除
   すべき食品類、軽量で付着し易く滑り難い性状を
   有する物品、等の比較的軽量小型の物品を、コン
   ベアの進行方向に等間隔で多数備えられ略水平の
   搬送姿勢に保持されて該進行方向にベルト状の搬
   送面を形成するスラツト状受板に載せて搬送し、
   物品搬送路に沿つた適宜位置の仕分け排出部でス
   ラツト状受板を排出姿勢とし物品を落下排出して
   仕分けるコンベア装置であつて、 水平方向に直線状の上下２径路をなしてエンド
   レスに走行回転するコンベアチエンの側方片側
   に、該コンベアチエンの進行方向に等間隔で多数
   のホルダーを設け、 該多数のホルダーのそれぞれに、所定数の前記
   スラツト状受板を、軸芯が該コンベアチエンの進
   行方向に向いた支点ピンＡにより、該スラツト状
   受板の一端部で且つ左右方向に関して該スラツト
   状受板の中央部よりコンベアチエン側で回動自在
   に軸支し、 該各スラツト状受板の上部には物品の重量によ
   り適度に屈曲して物品を支える多数の弾性突起部
   材を備えると共に、物品受載面を形成する該多数
   の弾性突起部材の上面をその左右両端部よりも中
   央部がわずかに低い斜面状に形成し、 該スラツト状受板の係合受部と係合して該スラ
   ツト状受板をその物品受載面が略水平の搬送姿勢
   に保持し、且つ該係合を解くと該スラツト状受板
   が前記支点ピンＡを中心として瞬時に下方に回動
   して該スラツト状受板の物品受載面が略垂直の排
   出姿勢となることを許す係合機構を、該スラツト
   状受板毎に前記ホルダー上に設け、 コンベアの走行移動と同期し、且つ物品の大き
   さに応じた仕分け信号により前記係合機構に作用
   して物品の大きさに応じた枚数の該スラツト状受
   板の係合を解く排出作用装置を、前記仕分け排出
   部におけるチエン走行路の上部又は外側側部に設
   けたことを特徴とする仕分けコンベア装置。