JP7490128B2 - 道路構造 - Google Patents

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Description

本発明は、山間部などにおいて道路を構築する際に、地形の影響を受けずに道路に必要な傾斜及び幅員を確保できる道路構造に関する。
山間部に道路を構築する場合は、既存の斜面の道路面計画高さより高い部分は切土を行い、また、低い部分には盛土を行い、路面を平坦に成形した構造が用いられる。この場合、既存の斜面を改変するため、植栽及び生物の居住環境に及ぼす影響が大きく、環境保全の面で好ましくない場合が多い。また、谷合に橋梁を設置する場合には、大規模な橋脚を斜面に構築する必要があり、大規模な掘削及び基礎工事が必要である。この場合、環境に対する影響が大きいうえ、工期が長くなりコストも大きくなる。そこで、斜面に杭を設置し、その上に桁及び道路床版を設置する桟橋形式の道路構造が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002-256504号公報
特許文献1に開示されているところによれば、地盤に打設される鋼管杭の上に杭頭ブロックが接合され、杭頭ブロックの上に桁材が設置され、桁材上に道路床版が構築されている。この道路構造は、斜面から突出した鋼管杭の上部に桁及び床版等の上部工を直接設けており、計画道路面に対して斜面の深さが深い地形に対しては、鋼管杭の突出長が多大になる。この場合、鋼管杭の打設の精度及び鋼管杭の精度の影響により、鋼管杭の杭頭の位置の誤差が大きくなる。従って、杭頭ブロック及び桁材は、地形の影響を受けて複数の鋼管杭のそれぞれの杭頭の位置の誤差を調整して設置される必要があるため、道路構造の設置の工期が長期化し、コストも増大するという課題があった。
本発明は上記課題を解決するものであって、地形によらず設置の精度を確保し、工期及びコストを抑制できる道路構造を提供することを目的とする。
本発明に係る道路構造は、道路が延びる第1方向及び前記第1方向に交差する第2方向に並列して地盤に打設された複数の支持杭と、前記複数の支持杭のそれぞれの上端に設置された上端格点鋼管と、前記複数の支持杭のうち第2方向において隣合う2つの支持杭にそれぞれ設置され、前記2つの支持杭のそれぞれの地盤から上端までの間に設置された中間格点鋼管と、前記2つの支持杭に設置された前記上端格点鋼管同士を連結する桁部材と、前記2つの支持杭に設置された前記中間格点鋼管同士を連結する梁部材と、前記上端格点鋼管及び桁部材の上方に設置される道路床版と、を備え、前記上端格点鋼管又は前記中間格点鋼管と前記2つの支持杭のそれぞれは、前記上端格点鋼管又は前記中間格点鋼管の中心軸と前記2つの支持杭のそれぞれの中心軸とを偏心させた状態で接合できる偏心接合部材により接合され、前記2つの支持杭は、一方が地盤に打設された鋼管杭と、鋼管支柱とを接合して形成された第1支持杭であり、他方が地盤に打設された鋼管杭から形成された第2支持杭である。
本発明に係る道路構造は、道路が延びる第1方向及び前記第1方向に交差する第2方向に並列して地盤に打設された複数の支持杭と、前記複数の支持杭のそれぞれの上端に設置された上端格点鋼管と、前記複数の支持杭のうち第2方向において隣合う2つの支持杭にそれぞれ設置され、前記2つの支持杭のそれぞれの地盤から上端までの間に設置された中間格点鋼管と、前記2つの支持杭に設置された前記上端格点鋼管同士を連結する桁部材と、前記2つの支持杭に設置された前記中間格点鋼管同士を連結する梁部材と、前記上端格点鋼管及び桁部材の上方に設置される道路床版と、を備え、前記上端格点鋼管又は前記中間格点鋼管と前記2つの支持杭のそれぞれは、前記上端格点鋼管又は前記中間格点鋼管の中心軸と前記2つの支持杭のそれぞれの中心軸とを偏心させた状態で接合できる偏心接合部材により接合され、前記2つの支持杭は、一方が地盤に打設された第1鋼管杭と、鋼管支柱とを接合して形成された第1支持杭である。
本発明によれば、偏心接合部材により、地盤からの突出長さが多大な杭においても杭頭の位置精度が向上し、上端格点鋼管及び桁部材の位置精度の調整を抑制できるため、地形によらず工期及びコストを抑えて道路構造を設置できる。
実施の形態1に係る道路構造100の模式図である。 図1の道路構造100のA-A部の断面構造の説明図である。 図1の道路構造100のB-B部の断面構造の説明図である。 図1の道路構造100のC-C部の断面構造の説明図である。 図1の道路構造100の桁部材41の配置図である。 実施の形態1に係る道路構造100の上端格点鋼管50a周辺の断面構造の説明図である。 実施の形態1に係る道路構造100の上端格点鋼管50aの上面図である。 実施の形態1に係る道路構造100の中間格点鋼管50b周辺の断面構造の説明図である。 実施の形態1に係る道路構造100の中間格点鋼管50bの上面図である。 実施の形態1に係る道路構造100の中間格点鋼管50bの変形例である中間格点鋼管150b周辺の断面構造の説明図である。 実施の形態1に係る道路構造100の中間格点鋼管50bの変形例である中間格点鋼管150bの一例の断面構造の説明図である。 実施の形態1に係る道路構造100及び比較例の道路構造1000の模式図である。 実施の形態2に係る道路構造200の上端格点鋼管250a周辺の断面構造の説明図である。 実施の形態2に係る道路構造200の上端格点鋼管250aの上面図である。 実施の形態2に係る道路構造200の中間格点鋼管250b周辺の構造の側面図である。 孔95に鋼管杭20を建て込んだ状態の説明図である。 実施の形態3の仮接合工程に用いられる型枠治具70の構造の説明図である。 覆工版の一例を示す側面図である。 実施の形態1に係る道路構造100の変形例の断面構造の説明図である。 上端格点鋼管250aと横桁41bとを一体化した格点桁の一例である。 上端格点鋼管250aと横桁41bとを一体化した格点桁の一例である。 実施の形態1に係る道路構造100及び実施の形態2に係る道路構造200の変形例の断面構造の説明図である。 実施の形態1に係る道路構造100及び実施の形態2に係る道路構造200の変形例の断面構造の説明図である。 実施の形態1に係る道路構造100及び実施の形態2に係る道路構造200の変形例の側面図である。 実施の形態5に係る道路構造100の上端格点鋼管550a周辺の断面構造の説明図である。 実施の形態5に係る道路構造100の上端格点鋼管550aの上面図及び側面図である。 図26(b)のF-F部の断面図である。 実施の形態5に係る道路構造100の中間格点鋼管550b周辺の断面構造の説明図である。 実施の形態5に係る上端格点鋼管550aの変形例の断面構造の説明図である。 図29(a)のH-H部の断面構造の説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。各図は模式的に示すものであって、各部材の相対的な大きさや板厚等は図示する寸法に限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る道路構造100の模式図である。図2は、図1の道路構造100のA-A部の断面構造の説明図である。図3は、図1の道路構造100のB-B部の断面構造の説明図である。図4は、図1の道路構造100のC-C部の断面構造の説明図である。図5は、図1の道路構造100の桁部材41の配置図である。道路構造100は、山間部等の起伏が大きい地盤に設置されるものである。道路構造100は、例えば、山間部の斜面に沿って道路を設ける場合、斜面に沿って設けられた既設道路を拡幅する場合、又は山間部の沢部を跨いで道路を通す場合等に用いられる構造である。実施の形態1においては、山間部の斜面に沿って設置された道路構造100について説明する。
道路構造100は、地盤90に打設された複数の鋼管杭20を備える。鋼管杭20は、地盤90に設けられた孔に、杭頭12が地盤90の表面94から突出するように建てられる。地盤90は、ダウンザホールハンマ等によって堆積層92を貫通し、支持層93まで削孔されている。地盤90に設けられた孔に鋼管杭20を建て込み、孔にコンクリート又はモルタル等の充填材が充填されることにより、鋼管杭20は、地盤90に立設される。
鋼管杭20は、道路が延びる方向である第1方向に並列して地盤90に複数打設される。図5に示される様に、桁部材41が例えば斜面などに沿って曲がって配置されており、道路は、その桁部材41の上に道路床版99を設置して構成される。第1方向は、この道路に沿った方向である。道路構造100の複数の鋼管杭20は、第1鋼管杭20aと第2鋼管杭20bとを含む。第1鋼管杭20aは、上方に鋼管支柱30が接続される。鋼管支柱30は、道路床版99及び桁部材41が設置される地盤90の表面94からの高さに応じて、第1鋼管杭20aの上端に接合される。図1中に示されている三角形の記号は、第1鋼管杭20aと鋼管支柱30との接合部11を示している。接合部11においては、偏心接合部材60(図6、図8参照)が、地盤90側に位置する下方部材と下方部材の上方に接合される上方部材とを接合している。なお、地盤90に立設された柱状の構造を支持杭10と称する場合がある。特に、上述した第1鋼管杭20aと鋼管支柱30とを接合した構造は、支持杭10aと称する場合がある。
鋼管支柱30は、第1鋼管杭20aの杭頭21aと接合され上方に延びている。鋼管支柱30の杭頭12には上端格点鋼管50aが接合されている。上端格点鋼管50aは、偏心接合部材60を用いて鋼管支柱30の杭頭12と接合されている。
上端格点鋼管50aは、第1方向において隣り合う上端格点鋼管50aと桁部材41により連結されている。第1方向に沿って設置されている桁部材41を特に縦桁41aと呼ぶ。
図2~図4に示される様に、上端格点鋼管50aは、第1方向に交差する第2方向に並列して隣り合う上端格点鋼管50aと桁部材41により連結されている。第2方向に沿って設置されている桁部材41を特に横桁41bと呼ぶ。
実施の形態1においては、図2~図4に示される様に、鋼管杭20は、第1方向に交差する第2方向に沿って2本並べられている。横桁41bは、第2方向に並べられた杭頭12を連結している。桁部材41は、第1方向及び第2方向に沿って設置され、それぞれ支持杭10の杭頭12を上端格点鋼管50aを介して連結している。桁部材41及び上端格点鋼管50aの上面には、床版固定部材42が設置されている。道路床版99は、床版固定部材42を介して桁部材41及び上端格点鋼管50aに固定される。なお、鋼管杭20は、第1方向に交差する第2方向に2本以上並べられていても良い。
横桁41bは、中央部に連結部43を備える。連結部43には縦桁41aが接続されている。連結部43に接続されている縦桁41aは、第1方向において隣り合う横桁41bの連結部43同士を接続している。
図1に戻り、第2鋼管杭20bは、上方に上端格点鋼管50aが接続されている。上端格点鋼管50aは、偏心接合部材60を用いて第2鋼管杭20bの杭頭12と接合されている。第2鋼管杭20bに接合されている上端格点鋼管50aは、支持杭10aに接合されている上端格点鋼管50aと同様に、第1方向及び第2方向に隣り合う上端格点鋼管50aと連結されている。なお、第2鋼管杭20bは、支持杭10bと称する場合がある。
図1に示される様に、支持杭10aには中間格点鋼管50bが設けられている。実施の形態1において、中間格点鋼管50bは、支持杭10aのうち鋼管支柱30の中央部に設置されている。つまり、中間格点鋼管50bは、道路構造100のうち、地盤90からの突出長さが多大な支持杭10aに設けられている。中間格点鋼管50bは、隣り合う鋼管支柱30に設けられた中間格点鋼管50bと梁部材40により連結されている。第1方向に沿って設置されている梁部材40を、特に縦梁40aと呼ぶ。
図4に示される様に、中間格点鋼管50bは、第1方向に交差する第2方向において隣り合う支持杭10に設置された中間格点鋼管50bと梁部材40により連結されている。第2方向に沿って設置されている梁部材40を、特に横梁40bと呼ぶ。
梁部材40は、図1及び図3に示される様に傾斜して設置されていても良いし、図4に示される様に水平に設置されていても良い。また、中間格点鋼管50bは、図1及び図4に示される様に鋼管支柱30に設置されるものに限定されず、図3に示される様に第2鋼管杭30bに設置されていても良い。
(上端格点鋼管50aの構造)
図6は、実施の形態1に係る道路構造100の上端格点鋼管50a周辺の断面構造の説明図である。図7は、実施の形態1に係る道路構造100の上端格点鋼管50aの上面図である。上端格点鋼管50aと支持杭10とは、偏心接合部材60aにより接合される。偏心接合部材60aは、上端格点鋼管50aの一部であり、支持杭10の杭頭12と組み合わさり、杭頭12に対する上端格点鋼管50aの位置を調整できるようにするためのものである。即ち、上端格点鋼管50aは、偏心接合部材60aにより、支持杭10と中心軸の位置がずれた状態であっても、支持杭10に接合することができる。上端格点鋼管50aと杭頭12とを接合する偏心接合部材60aを、特に第1偏心接合部材と称する場合がある。
実施の形態1において、偏心接合部材60aは、少なくとも上端格点鋼管50aを構成する筒体である鋼管部材51aと支持部材55aとから構成される。実施の形態1においては、鋼管部材51aは、円筒形状になっている。鋼管部材51aの内部の上部には支持部材55aが設置されている。支持部材55aは、円筒形状である鋼管部材51aの中心軸Cを通り、板状の部材を十字形状に組み合わせて形成されている。なお、鋼管部材51aは、円筒形状に限定されるものではなく、矩形又は多角形等の断面形状の筒体であってもよい。
上端格点鋼管50aは、桁部材41が接続される縦桁仕口52a及び横桁仕口53aを備える。縦桁仕口52a及び横桁仕口53aと桁部材41とは、添接板44により縦桁仕口52a又は横桁仕口53aの端部と桁部材41の端部とを挟みこみ、ボルト及びナットを用いて添接板44とそれぞれの部材の端部とを固定して接続される。
上端格点鋼管50aは、上部に板状の部材が取り付けられており、上面57aが平坦になっている。上面57aは、道路の傾斜に合わせて傾斜していてもよい。上面57aには、板状の部材を貫通する充填孔56aが開口されている。充填孔56aは、杭頭12と鋼管部材51aとの間の空間に充填材80を注入するための孔であり、外部と鋼管部材51aの内部の空間とを連通する。
支持部材55aは、下面に支持杭10a又は10bの杭頭12の端面14が当接する。支持部材55aの下面と杭頭12の端面14とが当接することにより、上端格点鋼管50aは、支持杭10の中心軸方向の位置、即ち高さ方向の位置が決まる。鋼管部材51aは、支持杭10の上端部の外周面を包囲している。充填材80が充填される前においては、鋼管部材51aの内側面と支持杭10の外側面と間には隙間が形成されており、上端格点鋼管50aは、その隙間の分だけ支持杭10に対し、水平方向に移動させることができる。図6及び図7に示されるように、支持部材55aは、板状の部材を十字に組み合わせて形成されているが、その他の形態をとることもできる。支持部材55aは、上端格点鋼管50aを杭頭12の端面14上に保持できることができ、充填材80の注入の際に障害にならなければその他の構造であってもよい。
支持杭10は、杭頭12の位置が想定した位置からずれる場合がある。地盤90の表面94からの突出量が多大である場合には、鋼管杭20及び鋼管支柱30の単品の精度及び接合精度により、杭頭12の位置誤差が大きくなる場合がある。例えば、上端格点鋼管50aの鋼管部材51aが円筒形状であり、杭頭12が円柱形状である場合、鋼管部材51aの内径を杭頭12の外径より300mm大きく設定する。これにより、上端格点鋼管50aは、杭頭12に100mmの水平方向の位置の誤差があっても正しい位置に設置でき、充填材80の充填性も確保することができる。
充填材80は、上端格点鋼管50aの上面57aに開口している充填孔56aから鋼管部材51aと杭頭12との隙間に充填される。鋼管部材51aは、下方が開口されている。そのため、充填材80の充填工程において、下方から充填材80が漏れ出ないように、型枠治具70(図17参照)を鋼管部材51aの下端面に当接させて開口を塞ぐ。型枠治具70については、別途説明する。充填材80が充填される鋼管部材51aと杭頭12との隙間を形成する鋼管部材51aの内側面及び杭頭12の外側面は、突起54及び13が設けられている。突起54及び13が固化した充填材80と噛み合うため、充填材80は、鋼管部材51aの内側面及び杭頭12の外側面に沿った方向にずれることがなく、上端格点鋼管50aと支持杭10との間の荷重伝達を向上させることができる。
突起13及び54は、鉄筋や棒鋼を曲げて溶接にて固定することにより形成してもよい。又は、鋼管部材51a及び支持杭10は、突起付き鋼板材により形成されていてもよい。例えば、鋼管部材51a及び支持杭10は、鋼板表面に縦横に突起を有する縞鋼板、高さ2mm程度の突起が並行して並ぶリブ付き鋼板により形成されたリブ付き鋼管を用いてもよい。縞鋼板又はリブ付き鋼管を使用することによって、鋼管部材51aに突起54を、及び支持杭10に突起13を溶接接合するための工費や工程を削減することができる。また、あらかじめ一体に形成されている突起13及び54がずれ止め突起の固定強度を向上させるため、上端格点鋼管50aの鋼管部材51aは、高さ方向の寸法を縮小することが可能である。
(中間格点鋼管50bの構造)
図8は、実施の形態1に係る道路構造100の中間格点鋼管50b周辺の断面構造の説明図である。図9は、実施の形態1に係る道路構造100の中間格点鋼管50bの上面図である。中間格点鋼管50bと支持杭10とは、偏心接合部材60bにより接合される。偏心接合部材60bは、中間格点鋼管50bの一部であり、支持杭10と組み合わさり、支持杭10に対する中間格点鋼管50bの位置を調整できるようにするためのものである。即ち、中間格点鋼管50bは、偏心接合部材60bにより、支持杭10と中心軸の位置がずれた状態であっても、支持杭10に接合することができる。
実施の形態1において、偏心接合部材60bは、少なくとも中間格点鋼管50bを構成する鋼管部材51bから構成される。鋼管部材51bは、筒体であり、実施の形態1においては円筒形状になっている。ただし、鋼管部材51bは、円筒形状に限定されるものではなく、矩形又は多角形等の断面形状の筒体であってもよい。支持杭10を包囲する筒体である鋼管部材51bは、中心軸が支持杭10の中心軸とずれた状態で接合可能であり、特に第2偏心接合部材と称する。
中間格点鋼管50bは、梁部材40が接続される縦梁仕口52b及び横梁仕口53bを備える。縦梁仕口52b及び横梁仕口53bと梁部材40とは、桁部材41と同様に添接板44により縦梁仕口52b又は横梁仕口53bの端部と梁部材40の端部とを挟みこみ、ボルト及びナットを用いて添接板44とそれぞれの部材の端部とを固定して接続される。
中間格点鋼管50bの鋼管部材51bは、筒体であるため上下方向の端部は開口されている。従って、鋼管部材51bと支持杭10との隙間の上端が、充填口56bとなり鋼管部材51bと支持杭10との間の空間に充填材80を注入するための開口となり、外部と鋼管部材51aの内部の空間とを連通している。
充填材80が充填される前においては、鋼管部材51bの内側面と支持杭10の外側面と間には隙間が形成されており、中間格点鋼管50bは、その隙間の分だけ支持杭10に対し、水平方向に移動させることができる。図8に示される構造の場合、中間格点鋼管50bを上下方向に支持する構造が無いため、中間格点鋼管50bを支持杭10に取り付ける際に中間格点鋼管50bの下端面に型枠治具70(図17参照)を当接させて下側から中間格点鋼管50bを支持する。型枠治具70は、充填材80を充填する際に下側の開口から充填材80が漏れ出ないようにする機能も有する。
支持杭10は、位置が想定した位置からずれる場合がある。地盤90の表面94からの突出量が多大である場合には、鋼管杭20及び鋼管支柱30の単品の精度及び接合精度により、支持杭10の位置誤差が大きくなる場合がある。例えば、中間格点鋼管50bの鋼管部材51bが円筒形状であり、支持杭10が円柱形状である場合、鋼管部材51bの内径を支持杭10の外径より300mm大きく設定する。これにより、中間格点鋼管50bは、支持杭10が100mmの水平方向の位置の誤差を持っていても正しい位置に設置でき、充填材80の充填性も確保することができる。
充填材80が充填される鋼管部材51bと支持杭10との隙間を形成する鋼管部材51bの内側面及び支持杭10の外側面は、突起54及び13が設けられている。突起54及び13が固化した充填材80と噛み合うため、充填材80は、鋼管部材51bの内側面及び支持杭10の外側面に沿った方向にずれることがなく、中間格点鋼管50bと支持杭10との間の荷重伝達を向上させることができる。
突起13及び54は、鉄筋や棒鋼を曲げて溶接にて固定することにより形成してもよい。又は、鋼管部材51b及び支持杭10は、突起付き鋼板材により形成されていてもよい。例えば、鋼管部材51b及び支持杭10は、鋼板表面に縦横に突起を有する縞鋼板、高さ2mm程度の突起が並行して並ぶリブ付き鋼板により形成されたリブ付き鋼管を用いてもよい。縞鋼板又はリブ付き鋼管を使用することによって、鋼管部材51bに突起54を、及び支持杭10に突起13を溶接接合するための工費や工程を削減することができる。また、あらかじめ一体に形成されている突起13及び54がずれ止め突起の固定強度を向上させるため、中間格点鋼管50bの鋼管部材51bは、高さ方向の寸法を縮小することが可能である。
(中間格点鋼管50bの構造の変形例)
図10は、実施の形態1に係る道路構造100の中間格点鋼管50bの変形例である中間格点鋼管150b周辺の断面構造の説明図である。中間格点鋼管50bは、鋼管部材51bの内部に支持部材55bを設置することにより、例えば第1鋼管杭20aと鋼管支柱30とを接合することができる。変形例の中間格点鋼管150bは、鋼管部材51bの内部に上端格点鋼管50aが備える支持部材55aと同様の構造の支持部材55bを備える。
支持部材55bは、下面に第1鋼管杭20aの杭頭21aの端面22aが当接する。支持部材55aの下面と杭頭21aの端面22aとが当接することにより、中間格点鋼管150bは、支持杭10の中心軸方向の位置、即ち高さ方向の位置が決まる。充填材80が充填される前においては、鋼管部材51bの内側面と第2鋼管杭20bの外側面との間には隙間が形成されており、中間格点鋼管150bは、その隙間の分だけ第2鋼管杭20bに対し、水平方向に移動させることができる。図6及び図7に示されるように、支持部材55aは、板状の部材を十字に組み合わせて形成されているが、その他の形態をとることもできる。支持部材55aは、中間格点鋼管150bを杭頭12の端面14上に保持できることができ、充填材80の注入の際に障害にならなければその他の構造であってもよい。
支持部材55bは、上面に鋼管支柱30の端面31が載置される。支持部材55aの上面と鋼管支柱30の端面31とが当接することにより、鋼管支柱30は、支持杭10の中心軸方向の位置、即ち高さ方向の位置が決まる。充填材80が充填される前においては、鋼管部材51bの内側面と鋼管支柱30の外側面と間には隙間が形成されており、鋼管支柱30は、その隙間の分だけ鋼管部材51bに対し、水平方向に移動させることができる。以上より、中間格点鋼管150bは、下方部材である第1鋼管杭20aと上方部材である鋼管支柱30とを中心軸を偏心させた状態で接合させることができる。中間格点鋼管150bは、筒体である鋼管部材51bと支持部材55aとを備え、上方部材及び下方部材とを接合する。鋼管部材51b及び支持部材55aを特に第2偏心接合部材と称する。
図11は、実施の形態1に係る道路構造100の中間格点鋼管50bの変形例である中間格点鋼管150bの一例の断面構造の説明図である。中間格点鋼管150bは、図11に示される様に、鋼管部材51bの外側から内部に向かってねじ込まれるボルト57を備えていても良い。ボルト57は、支持杭10を構成する下方部材及び上方部材の鋼管部材51bに対する位置を調整し、仮固定するものである。中間格点鋼管50bの内部に充填材80が充填され固化した後は、ボルト57の頭は除去しても良い。
(実施の形態1に係る道路構造100の効果)
実施の形態1に係る道路構造100によれば、道路が延びる第1方向及び第1方向に交差する第2方向に並列して地盤90に打設される第1鋼管杭20a及び第2鋼管杭20bと、第1鋼管杭20aの上方に接続される鋼管支柱30と、第2鋼管杭20b又は鋼管支柱30の上端に設置される上端格点鋼管50aと、隣り合う2つの上端格点鋼管50aのうち連結する桁部材41と、上端格点鋼管50a及び桁部材41の上に設置される道路床版99と、を備える。第1鋼管杭20a、第2鋼管杭20b、鋼管支柱30、及び上端格点鋼管50aのうち、下方に位置する部材を下方部材とし、下方部材の上方に接合される部材を上方部材としたときに、下方部材と上方部材との接合部は、下方部材の中心軸と上方部材の中心軸とを偏心させた状態で接合できる偏心接合部材60により接合される。
このように構成されることにより、道路構造100は、地盤90からの突出長さが多大な支持杭10においても、杭頭12の位置が調整でき、また、杭頭12に接合される上端格点鋼管50aの位置及び桁部材41の位置の調整ができる。つまり、道路構造100を構成する鋼管杭20、鋼管支柱30、及び上端格点鋼管50aのうち、下方に位置する下方部材と下方部材の上方に接合される上方部材との中心軸を誤差の分だけずらして位置調整ができる。そのため、支持杭10を地盤90に立設するにあたり、上端格点鋼管50aの位置の精度を容易に確保でき、道路構造100は、精度を確保しつつ工期及びコストを抑制できる。
また、道路構造100によれば、偏心接合部材60は、少なくとも第1偏心接合部材60aを含み、上端格点鋼管50aのうち少なくとも1つは、筒体を含む第1偏心接合部材60aを備える。筒体は、鋼管杭20の外形及び鋼管支柱30の外形よりも大きく、鋼管杭20又は鋼管支柱30の外側面を包囲して設置される。そして、筒体と鋼管杭20又は鋼管支柱30との間に形成される隙間は、充填材80が充填される。
このように構成されることにより、上端格点鋼管50aは、支持杭10の杭頭12の位置に誤差があっても、位置調整を容易に行うことができる。
また、道路構造100によれば、第1鋼管杭20a、第2鋼管杭20b、又は鋼管支柱30に設置される中間格点鋼管50bと、隣り合う2つの中間格点鋼管50bを連結する梁部材40と、をさらに備える。偏心接合部材60は、少なくとも第2偏心接合部材60bを含み、第1鋼管杭20a、第2鋼管杭20b、鋼管支柱30、上端格点鋼管50a、及び中間格点鋼管50bのうち、下方に位置する部材を下方部材とし、下方部材の上方に接合される部材を上方部材としたときに、下方部材と上方部材との接合部は、第2偏心接合部材60bにより接合される。中間格点鋼管50bは、筒体を含む第2偏心接合部材60bを備える。筒体は、鋼管杭20の外形及び鋼管支柱30の外形よりも大きく、鋼管杭20又は鋼管支柱30の外側面を包囲して設置される。中間格点鋼管50bと鋼管杭20又は鋼管支柱30との間に形成される隙間は、充填材80が充填される。
このように構成されることにより、中間格点鋼管50bは、支持杭10の位置に誤差があっても、支持杭10に対し中心軸をずらして設置することができる。そのため、異なる支持杭10に設置された2つの中間格点鋼管50b同士を不都合なく梁部材40で連結することができる。また、道路構造100は、支持杭10の位置に誤差があっても中間格点鋼管50bの設置位置を鋼管部材51bと支持杭10との隙間で調整できるため、中間格点鋼管50bの設置が容易である。
図12は、実施の形態1に係る道路構造100及び比較例の道路構造1000の模式図である。実施の形態1に係る道路構造100は、中間格点鋼管50bを備え、隣り合う中間格点鋼管50b同士を梁部材40で接続している。そのため、図12(a)に示される様に、地震力による入力Fに対する支持杭10aに発生する曲げモーメントは、中間格点鋼管50bにより抑えられ、変位Δxも抑えられる。一方、比較例の道路構造1000は、中間格点鋼管50bも梁部材40も設置されていない。そのため、図12(b)に示される様に、地震力による入力Fに対する支持杭10aに発生する曲げモーメントは、実施の形態1に係る道路構造100よりも大きくなり、変位Δx1も大きくなる。
以上のように、実施の形態1に係る道路構造100によれば、設置が容易で工期及びコストを抑えるだけでなく、地震力などによる入力Fに対して発生する曲げモーメント及び変位Δxを抑えることができる。そのため、道路構造100は、信頼性を向上させることができる。特に、実施の形態1に係る道路構造100は、地盤90から突出した支持杭10の上部に桁部材41及び道路床版99等の上部工を直接設けている。そのため、計画道路面に対して斜面の深さが深く、支持杭10の地盤90からの突出長が多大になる場合には、上部工に作用する地震力に対して、比較例の道路構造1000のように支持杭10の変形量及び応力が多大となる。従って、比較例の道路構造1000は、支持杭10の突出高さが10m程度より大きくなってしまうような地形に対して適用できないという課題があった。しかし、実施の形態1に係る道路構造100によれば、上記のように、支持杭10の地盤90からの突出長が多大であっても曲げモーメント及び変位Δxを抑えることができる。そのため、道路構造100は、地形に拘わらず設置ができるという利点がある。
実施の形態2.
実施の形態2に係る道路構造200は、実施の形態1に係る道路構造100に対し、少なくとも一部の偏心接合部材60の構造を変更したものである。実施の形態2に係る道路構造200においては、実施の形態1に対する変更点を中心に説明する。実施の形態2に係る道路構造200の各部については、各図面において同一の機能を有するものは実施の形態1の説明で使用した図面と同一の符号を付して表示するものとする。
図13は、実施の形態2に係る道路構造200の上端格点鋼管250a周辺の断面構造の説明図である。図14は、実施の形態2に係る道路構造200の上端格点鋼管250aの上面図である。実施の形態2に係る道路構造200の上端格点鋼管250aは、鋼管部材251aと縦桁41aを接続する縦桁仕口52aと横桁41bを接続する横桁仕口53aとを備え、上面57aが平坦になっている。
支持杭10の杭頭12の端面14には偏心接合部材260が接合されている。偏心接合部材260は、下端面が支持杭10の杭頭12に接合され、上端面が板部材261により形成されている。板部材261は、上面262が平坦になっており、上端格点鋼管250aの鋼管部材251aの下端面254aを載置できる様に構成されている。板部材261は、上面262が鋼管部材251aの下端面254aよりも大きく形成されている。従って、上端格点鋼管250aの鋼管部材251aは、偏心接合部材260の上面262上において水平方向にずらして載置することができる。つまり、支持杭10と上端格点鋼管250aとは、偏心接合部材260を用いて互いに中心軸を偏心させた状態で接合することができる。なお、実施の形態2における偏心接合部材260を第3偏心接合部材260と呼ぶ場合がある。また、上面262を接合面と呼ぶ場合がある。
図15は、実施の形態2に係る道路構造200の中間格点鋼管250b周辺の構造の側面図である。偏心接合部材260は、中間格点鋼管250bと第1鋼管杭20aとの接合に用いても良い。実施の形態2に係る道路構造200は、中間格点鋼管250bの鋼管部材251bが第1鋼管杭20aと同じ断面形状になっている。中間格点鋼管250bは、鋼管部材251bと縦梁仕口52bと横梁仕口53bとから構成されている。実施の形態2においては、中間格点鋼管250bは、実施の形態1における鋼管支柱30と一体化されていても良い。このように構成されることにより、偏心接合部材260を用いて接合して形成された支持杭10aに梁部材40を設置することができる。
実施の形態3.
実施の形態3においては、実施の形態1に係る道路構造100の施工方法について説明する。
道路構造100及び200は、まず道路が延びる第1方向及び前記第1方向に交差する第2方向に並列して地盤90に鋼管杭20が打設される。この工程を鋼管杭打設工程と呼ぶ。鋼管杭打設工程は、まず地盤90にダウンザホールハンマなどを用いて削孔し、鋼管杭20を建て込む孔95を形成する。孔95は、地盤90の表面94側にある堆積層92を貫通し、支持層93に達している。
図16は、孔95に鋼管杭20を建て込んだ状態の説明図である。図16の中心線から右側の部分は、鋼管杭20の中心軸を含む断面における構造を示している。鋼管杭20は、孔95の底面96に先端が達するように孔95に建て込まれる。そして、鋼管杭20の位置を決めた状態で、鋼管杭20の上端の開口から充填材80が注入される。充填材80は、例えばモルタル又はコンクリート等が用いられる。充填材80は、中空の筒形状である鋼管杭20を通り、孔95の底面96側の鋼管杭20の端部に設けられている貫通孔15から孔95と鋼管杭20の外側面との間の隙間97に流れ込む。
隙間97に流れ込んだ充填材80は、鋼管杭20の内部の空間が充填材80に満たされるに従い、隙間97を上昇する。充填材80が隙間97から地盤90の表面94から流出するのが確認できれば、鋼管杭20と孔95との間の隙間97が充填材80で満たされたことが確認できる。鋼管杭20と孔95との間の隙間97に地盤90の表面94から充填材80を直接充填した場合、鋼管杭20の周りに均等に充填材80を充填するのが困難である。また、地盤90の条件によっては、孔95の表面が円滑ではなく充填材80に土砂が混入したり、底面96まで十分に充填材80が充填されない場合がある。充填材80の充填が不十分な場合、鋼管杭20の支持力が設計値を確保できないおそれがある。しかし、実施の形態3における鋼管杭打設工程によれば、以上のように行うことで、鋼管杭20が地盤90に確実に打設される。
鋼管杭20は、道路構造100及び200に複数用いられる。複数の鋼管杭20は、全て上記の鋼管杭打設工程により地盤90に打設される。
次に、複数の鋼管杭20のうち第1鋼管杭20aに鋼管支柱30が仮接合され、支持杭10aが仮組立される。また、支持杭10aの杭頭12及び複数の鋼管杭20のうち第2鋼管杭20bの杭頭21bに上端格点鋼管50aが仮接合される。仮接合は、型枠治具70を用いることにより、一時的に鋼管支柱30、上端格点鋼管50a、及び中間格点鋼管50bを、鋼管杭20に設置することである。これを仮接合工程と呼ぶ。以下に仮接合工程の詳細について説明する。
図17は、実施の形態3の仮接合工程に用いられる型枠治具70の構造の説明図である。図17においては、上端格点鋼管50aを鋼管杭20に設置する場合の図を示しているが、中間格点鋼管50bを設置する場合においても型枠治具70の使用方法は同じである。鋼管杭20の杭頭21に中間格点鋼管50bを設置する際に、鋼管杭20の杭頭21に型枠治具70を用いる。
型枠治具70は、型枠板74を支持するブラケット71を備える。ブラケット71は、固定バンド73に接続されている。固定バンド73は、鋼管杭20の外側面を包囲する様にして鋼管杭20に着脱自在に固定され、ブラケット71の位置を固定する。固定バンド73により型枠治具70を鋼管杭20に設置する工程を特に型枠設置工程と呼ぶ。型枠設置工程は、仮接合工程に含まれる。
中間格点鋼管50bは、鋼管部材51bの下端面に型枠治具70の型枠板74を当接させるように設置される。この工程を筒体設置工程と呼ぶ。筒体設置工程は、接合工程に含まれる。型枠板74は、中間格点鋼管50bの内部に注入される充填材80が漏れ出ないように設置される。
ブラケット71は、調整ボルト75を備える。調整ボルト75の先端は、型枠板74の上に載置される中間格点鋼管50bの鋼管部材51bの外周面に当接する。調整ボルト75は、ナット部材76と螺合しており、先端の位置を精度良く調整できるとともに、中間格点鋼管50bの鋼管部材51bの位置を仮固定することができる。このように中間格点鋼管50bの鋼管部材51bの水平位置を調整し固定する工程を固定工程と呼ぶ。固定工程は、仮接合工程に含まれる。
中間格点鋼管50bが第1鋼管杭20aの杭頭21aに取り付けられた後に、中間格点鋼管50bに鋼管支柱30が建て込まれる。これを鋼管支柱建て込み工程と呼ぶ。鋼管支柱建て込み工程は、仮接合工程に含まれる。
次に、第1鋼管杭20aに鋼管支柱30が接続されている支持杭10a及び第2鋼管杭20bの杭頭12に上端格点鋼管50aが取り付けられる。上端格点鋼管50aの設置は、中間格点鋼管50bを鋼管杭20の杭頭21に設置するのと同様に、型枠設置工程、筒体設置工程、及び固定工程により行われる。
中間格点鋼管50bが設置された後に、梁部材40が設置される。この工程を梁部材設置工程と呼ぶ。また、上端格点鋼管50aが設置された後に、桁部材41が設置される。この工程を桁部材設置工程と呼ぶ。梁部材設置工程及び桁部材設置工程は、仮接合工程に含めることができる。
実施の形態1に係る道路構造100は、上記のように型枠治具70を用いることにより、格点鋼管50に充填材80を注入しない状態で支持杭10a及び10bを仮組立することができる。そのため、仮組立した支持杭10a及び10bの上に覆工版(図示せず)を設置し、道路に沿った第1方向に次々に支持杭10a及び10bを立設することができる。つまり、鋼管打設工程と仮接合工程とは、交互に繰り返され、道路全長分又は所定の道路の長さの分の支持杭10a及び10bが建て終わるまで繰り返される。以上の工程をまとめて、支持杭立設工程と呼ぶ。
支持杭立設工程により、支持杭10a及び10bが建てられ、支持杭10a及び10aの杭頭12に上端格点鋼管50aが仮固定された状態になったら、格点鋼管50の内部に充填材80が注入される。この工程を注入固化工程と呼ぶ。なお、格点鋼管50は、上端格点鋼管50a及び中間格点鋼管50bを総称したものである。注入固化工程は、道路全長分の仮組立状態の支持杭10a及び10bを立設した後に、全ての格点鋼管50について実施すると良い。
型枠治具70を用いないで道路構造100を設置する場合、道路に沿った第1方向に最初の支持杭10を建て、格点鋼管50に注入された充填材80を固化させた後に覆工版を支持杭10の上に設置する。そして、設置された覆工版の上に重機を載せ、次の支持杭10を建てる。このような工程の場合、支持杭10を建てるごとに充填材80の注入固化工程が必要となるため、工期が長くなってしまう。一方、道路構造100は、型枠治具70を用いることにより、充填材80の注入固化工程の回数を抑えることができるため、工期を短縮することができるという利点がある。
道路構造100は、注入固化工程が完了した後に覆工版が撤去され、道路床版99が設置される。
図18は、覆工版の一例を示す側面図である。覆工版は、鋼管杭打設工程と仮接合工程とを繰り返している際に仮組立てされた支持杭10の上に載置されるものである。図18に示される覆工版399は、仮設の杭頭ブロック350aを備えている。そのため、道路構造100の上端格点鋼管50aを設置せずに杭頭ブロック350aを杭頭12にはめ込み、覆工版399を設置できる様にしたものである。このような覆工版399を用いることにより、鋼管杭打設工程のみをまとめて実施することができるため、杭打機の拘束時間を短縮することができる。
実施の形態4.
実施の形態4においては、実施の形態1に係る道路構造100及び実施の形態2に係る道路構造200の変形例について説明する。
図19は、実施の形態1に係る道路構造100の変形例の断面構造の説明図である。図2~図4に示されている様に、実施の形態1の道路構造100は、道路が延びる第1方向に交差する第2方向に2本の支持杭10が並列されているが、2本以上の支持杭10が並列されていても良い。また、道路構造100は、上端格点鋼管50aと中間格点鋼管50bとの間、又は2つの中間格点鋼管50bの間を連結し、横桁41bに対し傾斜している斜め梁48を備えていても良い。斜め梁48は、支持杭10及び横桁41b又は横梁40bにより構成される矩形の構造の対角に位置する2つの格点鋼管50を連結するものである。道路構造100は、斜め梁48によるトラス構造によって架構の変形が抑止され、部材応力が低減できる。
また、図19に示されている道路構造100は、実施の形態2の道路構造200で用いられている偏心接合部材260を用いて構成されていても良い。図19に示されている道路構造100は、支持杭10の杭頭12に実施の形態2に示されている上端格点鋼管250a及び偏心接合部材260が適用され、鋼管支柱30には図8に示されている二重管型の中間格点鋼管50bが設置されている。上端格点鋼管250aと横桁41bは、予め一体に製作されており、格点桁となっている。また、中間格点鋼管50bと横梁40bとは、予め一体に製作されており、格点梁となっている。これにより、格点鋼管50は、個別に測量心出し設置する手間が省け、省力化、工程短縮が図れる。また、上端格点鋼管250aは、横桁41bにより複数が一体化されているため、偏心接合部材260の上部に安定して設置できる。中間格点鋼管50bも横梁40bと一体に製造されており、同様な効果をもつ。また、格点鋼管50は斜材によって互いに接合されており、斜め梁48によるトラス構造によって架構の変形が抑止され、部材応力が低減できる。
また、図19に示されている道路構造100は、接合部11において偏心接合部材260が適用されている。偏心接合部材260の上面262には鋼管支柱30の下側の端面が載置され、鋼管支柱30の水平方向位置が調整されて接合されている。
図20及び図21は、上端格点鋼管250aと横桁41bとを一体化した格点桁の一例である。図19に示された道路構造100に適用されている格点桁は、具体的には図20及び図21に示されるような形態としても良い。
図22及び図23は、実施の形態1に係る道路構造100及び実施の形態2に係る道路構造200の変形例の断面構造の説明図である。図22に示される様に、道路構造100及び200の横桁41bは、地盤90の斜面側に張り出して形成されていても良い。この構造は、斜面勾配が急で鋼管杭20の設置が困難な場合に適用される。また、図23に示される様に、斜面を削って設けられた道路を拡幅する様に道路構造100及び200を設置することもできる。
図24は、実施の形態1に係る道路構造100及び実施の形態2に係る道路構造200の変形例の側面図である。図24に示される様に、例えば地盤90からの突出量が少ない支持杭10bの杭頭12に免震部材5を設けても良い。これにより、道路構造100及び200は、全体に掛かる荷重負担が軽減する。
実施の形態5.
実施の形態5においては、実施の形態1に係る道路構造100及び実施の形態2に係る道路構造200の上端格点鋼管50a及び中間格点鋼管150bの変形例について説明する。実施の形態5に係る道路構造100の各部については、各図面において同一の機能を有するものは実施の形態1~4の説明で使用した図面と同一の符号を付して表示するものとする。
(上端格点鋼管550aの構造)
図25は、実施の形態5に係る道路構造100の上端格点鋼管550a周辺の断面構造の説明図である。図25(b)は、図25(a)のE-E部の断面を示している。図26は、実施の形態5に係る道路構造100の上端格点鋼管550aの上面図及び側面図である。図25に示すように、上端格点鋼管550aと支持杭10とは、偏心接合部材560aにより接合される。偏心接合部材560aは、上端格点鋼管550aの一部であり、支持杭10の杭頭12と組み合わさり、杭頭12に対する上端格点鋼管550aの位置を調整できるようにするためのものである。即ち、上端格点鋼管550aは、偏心接合部材560aにより、支持杭10と中心軸の位置がずれた状態で支持杭10に接合することができる。実施の形態5に係る上端格点鋼管550aと杭頭12とを接合する偏心接合部材560aを、特に第4偏心接合部材と称する場合がある。
実施の形態5において、偏心接合部材560aは、円柱形状の差し込み部材61と差し込み部材61の外周面に接合され放射状に延びるリブ部材62とを有する。差し込み部材61とリブ部材62とは、上端格点鋼管550aを構成する筒体である鋼管部材51aの内側に配置されており、下部が鋼管部材51aの下端から下方に突出している。
図27は、図26(b)のF-F部の断面図である。上端格点鋼管550aの鋼管部材51aに接合されている下部プレート59は、鋼管部材51aの内部から差し込み部材61が突出する開口部59aを備える。実施の形態5においては、開口部59aは、差し込み部材61が挿通される程度に開口されている。リブ部材62は、鋼管部材51aの内部に配置されている内部リブ部材62bと、下部プレート59の下方に接合されている外部リブ部材62aと、からなる。すなわち、リブ部材62は、鋼管部材51aの内部と鋼管部材51aの外部とにそれぞれ接合されている。なお、外部リブ部材62aと内部リブ部材62bとは、差し込み部材61の強度及び剛性によって設置されていなくともよい。
差し込み部材61及び内部リブ部材62bの上端は、上端格点鋼管550aの上面57aを構成する上部プレート58に溶接により固定されている。また、内部リブ部材62bの下端は、下部プレート59に溶接により接合されている。内部リブ部材62bは、差し込み部材61の外周面にも接合されており、上部プレート58、下部プレート59及び差し込み部材61を連結し、強度及び剛性を確保するものである。
外部リブ部材62aは、下部プレート59の下方に配置され、下部プレート59の下面に接合されており、差し込み部材61の外周面にも接合されている。外部リブ部材62aは、下部プレート59と差し込み部材61とを連結し、強度及び剛性を確保するものである。
図26に示されるように、上端格点鋼管50aの上部に接合されている上部プレート58は、板状の部材を貫通する充填孔56aが2か所開口されている。充填孔56aは、差し込み部材61を挟んで対称な位置に設けられている。また、図27に示されるように、下部プレート59も上部プレート58と同様に充填孔56aが2か所設けられている。充填孔56aは、差し込み部材61と杭頭12との間に形成された空間に充填材80を注入するための孔である。つまり、上端格点鋼管50aが杭頭12の上方に載置された状態において、充填孔56aは、外部と鋼管部材51aの内部の空間と差し込み部材61及び杭頭12との間に形成される空間とを連通する。例えば、外部からコンクリート又はモルタル等の充填材を注入するにあたり、注入パイプ(図示なし)を上部プレート58の充填孔56aから内部に挿入し、下部プレート59の充填孔56aに充填材を注入する。充填材80は、上端格点鋼管50aの一部である偏心接合部材560aが差し込まれた杭頭12の内部に充填され固化することにより、上端格点鋼管50aと杭頭12とを接合する。
図25に示されるように、杭頭12は、先端が開口されており、内部の空間に充填材受け板16が設置されている。充填材受け板16は、杭頭12の内部に差し込まれた差し込み部材61の下端よりも下方に配置されている。充填材受け板16は、充填孔56aから注入された充填材80を支持し、杭頭12の内部に充填材を保持するための部材である。
杭頭12は、端面14が上端格点鋼管50aの下部プレート59の下面に当接する。つまり、上端格点鋼管50aは、支持杭10の端面14に載置されている。これにより、上端格点鋼管550aは、高さ方向の位置が決まる。そして、上端格点鋼管50aは、偏心接合部材560aと杭頭12の内面との隙間の分だけ水平方向にずらすことが可能である。これにより、支持杭10の中心軸の位置がずれた場合であっても、上端格点鋼管50aを設計通りの位置に配置することが可能となる。
図27に示されるように、実施の形態5において差し込み部材61は、円筒形状の鋼管である。ただし、差し込み部材61は、円筒形状の鋼管に限定されるものではなく、断面が矩形状、楕円形状、長円形状又は多角形状の鋼管であってもよい。差し込み部材61は、図26において紙面上下方向及び左右方向の強度及び剛性が等しいものが望ましい。実施の形態5に係る道路構造100は、差し込み部材61が円筒形状であり、全方向に強度及び剛性が等しい。道路構造100に必要とされる強度及び剛性に応じて差し込み部材61は適宜形状を変更することができる。
差し込み部材61は、下端が板材65で塞がれていても良い。板材65は、円筒形状の鋼管で構成された差し込み部材61の内部に充填材80が侵入するのを防ぐことにより、上端格点鋼管50aと支持杭10との接合に必要な充填材80の量を抑制することができる。また、板材65の外形は、差し込み部材61の断面形状よりも大きく形成され、差し込み部材61の外周面よりも突出することにより、充填材80が固化した後に差し込み部材61が杭頭12から引き抜かれる方向についての強度が高くなる。
上記の差し込み部材61を用いた偏心接合部材560aは、実施の形態1に係る中間格点鋼管150bにも応用することができる。
図28は、実施の形態5に係る道路構造100の中間格点鋼管550b周辺の断面構造の説明図である。中間格点鋼管550bは、上端格点鋼管550aと同様に偏心接合部材560bを備える。偏心接合部材560bは、上部プレート58及び下部プレート59の両方から突出するように設けられた差し込み部材61と、差し込み部材61と上部プレート58及び下部プレート59とを接合するリブ部材62と、を備える。差し込み部材61は、リブ部材62により上部プレート58及び下部プレート59と接合されている。なお、中間格点鋼管550bが備える偏心接合部材560bは、特に第5偏心接合部材と称する場合がある。
差し込み部材61は、鋼管部材51bの内側に配置されており、上部プレート58及び下部プレート59を貫通するように配置されている。なお、差し込み部材61は、上部プレート58及び下部プレート59と直接接合されていても良い。
また、差し込み部材61は、図28に示されるような上下に貫通する構成でなくともよく、上部プレート58の上面及び下部プレート59の下面にそれぞれ接合されて、上部プレート58の上面及び下部プレート59の下面のそれぞれから上下に延びるように構成されていても良い。
中間格点鋼管550bの上方に延びる差し込み部材61は、上方部材である鋼管支柱30に挿入される。中間格点鋼管550bの下方に延びる差し込み部材61は、下方部材である第1鋼管杭20aに挿入される。中間格点鋼管550bから上下方向に延びる差し込み部材61は、それぞれ鋼管支柱30又は第1鋼管杭20aとの間に差し込まれた状態で充填材80が充填されて、鋼管支柱30、中間格点鋼管550b及び第1鋼管杭20aを接合する。中間格点鋼管550bの偏心接合部材560bは、上端格点鋼管550aと同様に下方部材である第1鋼管杭20aの中心軸と中間格点鋼管550bの中心軸とをずらした状態で接合できる。また、偏心接合部材560bは、中間格点鋼管550bの中心軸と鋼管支柱30の中心軸とをずらした状態で接合できる。
また、鋼管支柱30及び第1鋼管杭20aには、それぞれ充填孔17が設けられており、ここから充填材80が充填される。充填材80は、固化することにより、中間格点鋼管550bと鋼管支柱30及び第1鋼管杭20aとを接合する。
なお、図28においてG-G部で示されるように、実施の形態5に係る中間格点鋼管550bの鋼管部材51bの部分の断面構造は、図27と同様な構造である。ただし、G-G部で示される断面においては、充填孔56aは設けられていなくても良い。
(実施の形態5の効果)
上記のように、偏心接合部材560aは、下方部材である支持杭10の杭頭12に向かって突出している差し込み部材61を備える。差し込み部材61は、支持杭10の外形よりも小さく、支持杭10の内側面に包囲されて設置されている。差し込み部材61と支持杭10の間に形成される隙間は、充填材80が充填される。このように構成されることにより、偏心接合部材560aは、支持杭10の杭頭12の内側に配置されるため、接合部分の外形が大きくなることがない。
上端格点鋼管550aは、上面を構成し桁部材41に接合される上部プレート58と、下面を構成し桁部材41に接合される下部プレート59と、を備える。差し込み部材61は、上部プレート58の下面に接合され、鋼管部材51a及び下部プレート59を貫通し下方に突出して配置される。このように構成されることにより、上端格点鋼管50aは、偏心接合部材560aを介して、下方部材である支持杭10に強固に接合される。
第1鋼管杭20a、第2鋼管杭20b、鋼管支柱30、上端格点鋼管50a、550a、及び中間格点鋼管550bのうち、下方に位置する部材を下方部材とし、下方部材の上方に接合される部材を上方部材としたときに、下方部材と上方部材との接合部は、偏心接合部材560bにより接合される。中間格点鋼管550bは、偏心接合部材560bを備える。偏心接合部材560bは、上方部材及び下方部材に向かって突出している差し込み部材61を備える。差し込み部材61は、鋼管杭20又は鋼管支柱30の外形よりも小さく、鋼管杭20又は鋼管支柱30の内側面に包囲されて設置される。差し込み部材61と鋼管杭20又は鋼管支柱30との間に形成される隙間は、充填材80が充填される。このように構成されることにより、中間格点鋼管550bは、偏心接合部材560bを備えることにより、鋼管杭20及び鋼管支柱30に対して外形を大きくすることなく、鋼管杭20及び鋼管支柱30を偏心させた状態で接合することができる。
(実施の形態5の変形例)
実施の形態5に係る偏心接合部材560a及び560bは、差し込み部材61の断面形状を適宜変更することができる。
図29は、実施の形態5に係る上端格点鋼管550aの変形例の断面構造の説明図である。図29(b)は、図29(a)のK-K部の断面を示している。変形例の上端格点鋼管550aにおいては、差し込み部材61は、断面T形状の部材を十字に接合して構成されている。このように構成されることにより、差し込み部材61は、図29(b)の上下方向及び左右方向において、同じ強度及び剛性を有する。また、差し込み部材61は、断面がT形状であるため、充填材80とウェブ部材63及びフランジ部材64とがかみ合い、接合強度が高い。
図30は、図29(a)のH-H部の断面構造の説明図である。差し込み部材61は、鋼管部材51aの内部にも設置されている。図29においては、鋼管部材51aの内部に充填材80は存在しないが、必要に応じて充填しても良い。鋼管部材51aの内部に充填材80を充填することにより、上端格点鋼管550aは、強度及び剛性をさらに向上させることができる。
また、実施の形態5に係る上端格点鋼管550aの変形例において、差し込み部材61は、H形鋼に置換しても良い。差し込み部材61がH形鋼で構成された上端格点鋼管550aは、図29(b)に相当する断面において、上下方向と左右方向とで強度及び剛性が異なるが、道路構造100に必要とされる上端格点鋼管550aの強度及び剛性によって適宜変更することができる。差し込み部材61をH形鋼にすることによって、上端格点鋼管550aに係るコストを低減できる。
なお、図29及び図30に示されている実施の形態5に係る上端格点鋼管550aの変形例に係る差し込み部材61は、中間格点鋼管550bにも適用できる。
以上に本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態の構成のみに限定されるものではない。特に構成要素の組み合わせは、実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、各実施の形態に記載した構成要素の組み合わせは適宜変更することができる。また、いわゆる当業者が必要に応じてなす種々なる変更、応用、利用の範囲をも本発明の要旨(技術的範囲)に含むことを念のため申し添える。
5 免震部材、10 支持杭、10a 支持杭、10b 支持杭、11 接合部、12 杭頭、13 突起、14 端面、15 貫通孔、20 鋼管杭、20a 第1鋼管杭、20b 第2鋼管杭、21 杭頭、21a 杭頭、21b 杭頭、22a 端面、30 鋼管支柱、30b 第2鋼管杭、31 端面、40 梁部材、40a 縦梁、40b 横梁、41 桁部材、41a 縦桁、41b 横桁、42 床版固定部材、43 連結部、44 添接板、48 梁、50 格点鋼管、50a 上端格点鋼管、50b 中間格点鋼管、51a 鋼管部材、51b 鋼管部材、52a 縦桁仕口、52b 縦梁仕口、53a 横桁仕口、53b 横梁仕口、54 突起、55a 支持部材、55b 支持部材、56a 充填孔、56b 充填口、57 ボルト、57a 上面、58 上部プレート、59 下部プレート、59a 開口部、60 偏心接合部材、60a (第1)偏心接合部材、60b (第2)偏心接合部材、61 差し込み部材、62 リブ部材、62a 外部リブ部材、62b 内部リブ部材、63 ウェブ部材、64 フランジ部材、65 板材、70 型枠治具、71 ブラケット、73 固定バンド、74 型枠板、75 調整用ボルト、76 ナット部材、80 充填材、90 地盤、92 堆積層、93 支持層、94 表面、95 孔、96 底面、97 隙間、99 道路床版、100 道路構造、150b 中間格点鋼管、200 道路構造、250a 上端格点鋼管、250b 中間格点鋼管、251a 鋼管部材、251b 鋼管部材、254a 下端面、260 (第3)偏心接合部材、261 板部材、262 上面、350a 杭頭ブロック、399 覆工版、550a 上端格点鋼管、550b 中間格点鋼管、560a 偏心接合部材、560b 偏心接合部材、1000 道路構造、C 中心軸、F 入力、Δx 変位、Δx1 変位。

Claims (9)

  1. 道路が延びる第1方向及び前記第1方向に交差する第2方向に並列して地盤に打設された複数の支持杭と、
    前記複数の支持杭のそれぞれの上端に設置された上端格点鋼管と、
    前記複数の支持杭のうち第2方向において隣合う2つの支持杭にそれぞれ設置され、前記2つの支持杭のそれぞれの地盤から上端までの間に設置された中間格点鋼管と、
    前記2つの支持杭に設置された前記上端格点鋼管同士を連結する桁部材と、
    前記2つの支持杭に設置された前記中間格点鋼管同士を連結する梁部材と、
    前記上端格点鋼管及び桁部材の上方に設置される道路床版と、を備え、
    前記上端格点鋼管又は前記中間格点鋼管と前記2つの支持杭のそれぞれは、
    前記上端格点鋼管又は前記中間格点鋼管の中心軸と前記2つの支持杭のそれぞれの中心軸とを偏心させた状態で接合できる偏心接合部材により接合され、
    前記2つの支持杭は、
    一方が地盤に打設された鋼管杭と、鋼管支柱とを接合して形成された第1支持杭であり、
    他方が地盤に打設された鋼管杭から形成された第2支持杭である、道路構造。
  2. 道路が延びる第1方向及び前記第1方向に交差する第2方向に並列して地盤に打設された複数の支持杭と、
    前記複数の支持杭のそれぞれの上端に設置された上端格点鋼管と、
    前記複数の支持杭のうち第2方向において隣合う2つの支持杭にそれぞれ設置され、前記2つの支持杭のそれぞれの地盤から上端までの間に設置された中間格点鋼管と、
    前記2つの支持杭に設置された前記上端格点鋼管同士を連結する桁部材と、
    前記2つの支持杭に設置された前記中間格点鋼管同士を連結する梁部材と、
    前記上端格点鋼管及び桁部材の上方に設置される道路床版と、を備え、
    前記上端格点鋼管又は前記中間格点鋼管と前記2つの支持杭のそれぞれは、
    前記上端格点鋼管又は前記中間格点鋼管の中心軸と前記2つの支持杭のそれぞれの中心軸とを偏心させた状態で接合できる偏心接合部材により接合され、
    前記2つの支持杭は、
    一方が地盤に打設された第1鋼管杭と、鋼管支柱とを接合して形成された第1支持杭である、道路構造。
  3. 前記梁部材は、
    前記桁部材に対し傾斜している、請求項1又は2に記載の道路構造。
  4. 前記偏心接合部材は、
    鋼管杭又は前記鋼管支柱の外形よりも大きく、前記鋼管杭又は前記鋼管支柱の外側面を包囲して設置される筒体を有し、
    前記筒体と前記鋼管杭又は前記鋼管支柱との間に形成される隙間は、
    充填材が充填される、請求項1~3の何れか1項に記載の道路構造。
  5. 前記偏心接合部材は、
    下方部材に向かって突出している差し込み部材を備え、
    前記差し込み部材は、
    鋼管杭又は前記鋼管支柱の外形よりも小さく、
    前記鋼管杭又は前記鋼管支柱の内側面に包囲されて設置され、
    前記差し込み部材と前記鋼管杭又は前記鋼管支柱との間に形成される隙間は、
    充填材が充填される、請求項1~3の何れか1項に記載の道路構造。
  6. 鋼管杭、前記鋼管支柱、前記上端格点鋼管及び前記中間格点鋼管のうち何れかであって、互いに接合されうる2つの部材のうち下方に位置する部材を下方部材とし、前記下方部材の上方に接合される部材を上方部材としたときに、
    前記偏心接合部材は、
    上面に前記上方部材が接合される接合面を備え、前記下方部材の上端に接合され、
    前記接合面の外形は、
    前記上方部材の外形よりも大きい、請求項1~3の何れか1項に記載の道路構造。
  7. 前記上端格点鋼管は、
    前記桁部材が接続される2つの縦桁仕口を備え、
    前記縦桁仕口の上面と前記上端格点鋼管の上面とは、
    平坦になっている、請求項1~6の何れか1項に記載の道路構造。
  8. 前記上端格点鋼管及び前記桁部材の少なくとも一方は、
    上面に床版固定部材が設置されている、請求項1~7の何れか1項に記載の道路構造。
  9. 前記地盤は、
    少なくとも第2方向に傾斜しており、
    前記複数の支持杭のうち前記第2方向に並列した2つの支持杭は、
    前記地盤からの突出量が異なる、請求項1~8の何れか1項に記載の道路構造。
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