JP7138106B2 - 初期サクビトリル中間体のための新規な方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ネプリライシン(NEP)阻害剤およびそれらのプロドラッグ、特に、NEP阻害剤プロドラッグであるサクビトリルの調製に有用な中間体のための新規な化学合成経路に関する。
NEP阻害剤プロドラッグであるサクビトリル(N-(3-カルボキシル-1-オキソプロピル)-(4S)-(p-フェニルフェニルメチル)-4-アミノ-(2R)-メチルブタン酸エチルエステル;IUPAC名4-{[(1S,3R)-1-([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-4-エトキシ-3-メチル-4-オキソブチル]アミノ}-4-オキソブタン酸、AHU377としても公知である)は、下式(A)
Figure 0007138106000001

によって表される。
サクビトリルは、公知のアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)であるバルサルタンとともに、LCZ696としても公知であるナトリウム塩水和物複合体を形成し、それは、サクビトリルおよびバルサルタンのアニオン形態、ナトリウムカチオンおよび水分子を、それぞれ1:1:3:2.5のモル比(固体結晶の非対称単位格子内で6:6:18:15の比率)で含み(国際公開第2007/056546号パンフレット)、式(B)中で模式的に存在している。
Figure 0007138106000002
前記複合体はまた、以下の化学名:トリナトリウム[3-((1S,3R)-1-ビフェニル-4-イルメチル-3-エトキシカルボニル-1-ブチルカルバモイル)プロピオネート-(S)-3’-メチル-2’-(ペンタノイル{2’’-(テトラゾール-5-イルエート)ビフェニル-4’-イルメチル}アミノ)ブチレート]2.5水和物またはオクタデカナトリウムヘキサキス(4-{[(1S,3R)-1-([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-4-エトキシ-3-メチル-4-オキソブチル]アミノ}-4-オキソブタノエート)ヘキサキス(N-ペンタノイル-N-{[2’-(1H-テトラゾール-1-イド-5-イル)[1,1’-ビフェニル]-4-イル]メチル}-L-バリネート)-水(1/15)(IUPAC命名法)によって称される。
LCZ696は、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤(ARNI)として作用し、したがって、高血圧症または慢性心不全の治療に特に有用である。その有用性は、臨床試験によって、例えば画期的なPARADIGM-HF試験において確認されている。一方、2015年7月7日に、FDAは、LCZ696の市販を承認した。
NEP阻害剤およびそれらのプロドラッグ、特に、サクビトリル、およびその前駆体を調製するための化学合成経路は、例えば、Ksander et al.J.Med.Chem.1995,38,1689-1700;米国特許第5,217,996号明細書および国際特許出願国際公開第2007/083774号パンフレット、国際公開第2007/083776号パンフレット、国際公開第2008/031567号パンフレット、国際公開第2008/083967号パンフレット、国際公開第2008/120567号パンフレット、国際公開第2009/090251号パンフレット、国際公開第2010/081410号パンフレット、国際公開第2011/035569号パンフレット、国際公開第2011/088797号パンフレット、国際公開第2012/025501号パンフレット、国際公開第2012/025502号パンフレット、国際公開第2013/026773号パンフレット、国際公開第2014/032627号パンフレットおよび国際公開第2015/024991号パンフレット、国際公開第2015/037460号パンフレット、ならびに中国特許出願CN101362708号明細書、CN102260177号明細書、CN103483201号明細書、CN104557600号明細書、CN104725256号明細書、CN104725279号明細書、CN105017082号明細書、CN105061263号明細書、CN105085322号明細書、CN105152980号明細書、CN105168205号明細書、CN105198775号明細書、CN105237560号明細書、CN105330569号明細書、CN105481622号明細書、CN105566194号明細書、CN105601524号明細書、CN105884656号明細書などにおいて以前に記載されている。
特に、CN101362708号明細書、国際公開第2013/026773号パンフレット、国際公開第2014/032627号パンフレット、国際公開第2015/024991号パンフレットおよびCN105884656号明細書、は、前駆体化合物
Figure 0007138106000003

特に
Figure 0007138106000004

(式中、R1およびR2が、互いに独立して、水素または窒素保護基である)を提供するための新規な合成方法に対処する。
国際公開第2013/026773号パンフレットに開示される方法は、以下のスキーム
Figure 0007138106000005
CN101362708号明細書に開示される方法は、以下のスキーム
Figure 0007138106000006

に示される。
国際公開第2014/032627号パンフレットに開示される方法は、以下のスキーム
Figure 0007138106000007

に示される。
さらに、国際公開第2015/037460号パンフレットには、より早期の中間体、すなわち、
Figure 0007138106000008

特に、
Figure 0007138106000009

を、以下のようなプロセス:
Figure 0007138106000010

によって得るための方法が開示されている。
CN105884656号明細書に開示される方法は、以下のスキーム
Figure 0007138106000011

に示される。
しかしながら、これらの方法は、潜在的に危険な反応剤または高価な触媒の使用および/または限定された立体選択性などの欠点を依然として有する。したがって、経済的にかつ環境的に好ましい条件下で工業規模の生産に好適であり、高い化学的純度および高い立体化学選択性でこのような製剤原料前駆体を提供する、サクビトリルの合成のための前記出発材料を得るための安価な方法を提供するための化学的方法を設計する必要性が依然としてある。
本発明は、以下に表される式(III)、特に(III-a)の化合物の製造のための新規な方法であって、遊離体(educt)の製造のための方法工程ならびにサクビトリルの製造をもたらすさらなる方法工程を含む方法に関する。
したがって、第1の態様において、本発明は、式(III)
Figure 0007138106000012

(式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)の化合物、またはその塩を調製するための方法であって、
式(IV)
Figure 0007138106000013

(式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)の化合物、またはその塩を、
アキラルアミンドナーの存在下でω-トランスアミナーゼと接触させることによって、式(III)の化合物に転化することを含み、式(IV)の化合物から式(III)の化合物への転化率が、50%超である方法に関する。
その一実施形態において、本発明は、式(III-a)
Figure 0007138106000014

(式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)の化合物、またはその塩を調製するための方法であって、
式(IV)
Figure 0007138106000015

(式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)の化合物、またはその塩を、
一般式R’R’’CH-NHのアミンドナー、好ましくは、アキラルアミンドナー、および補酵素の存在下で、(R)-選択的ω-トランスアミナーゼと接触させることによって、式(III-a)の化合物に転化することを含み、式(IV)の化合物から式(III-a)の化合物への転化率が、50%超である方法に関する。
さらなる実施形態は、この反応工程の特定の反応条件、ならびに式(IV)の出発化合物を生成し、および/または式(III)および(III-a)のそれぞれの得られた化合物をさらに反応させて、最終的に、NEP阻害剤化合物サクビトリルを得るための関連するプロセス工程に関する。
式(IV)の化合物から式(III)および式(III-a)のそれぞれの化合物への、トランスアミナーゼを必要とする主なプロセス工程cを含む反応順序が、以下のスキーム1およびスキーム1-a:
Figure 0007138106000016

のそれぞれに示され、スキーム1およびスキーム1-aの両方において、R1が、任意選択的に置換されるC~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルであり、Rが、水素またはカルボキシル保護基である。
次に、式(III)および(III-a)のそれぞれの化合物は、スキーム2、2および2**およびスキーム2-a、2-aおよび2**-aのそれぞれに示される以下の代替的な反応順序:
Figure 0007138106000017

にしたがって、式(I)および(I-a)のそれぞれの化合物に変換され得、スキーム2およびスキーム2-aの両方において、Rが、水素またはカルボキシル保護基であり、Raが窒素保護基である。
Figure 0007138106000018

スキーム2およびスキーム2-aの両方において、Rが、任意選択的に置換されるC~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルであり、Raが窒素保護基である。
Figure 0007138106000019

スキーム2**およびスキーム2**-aの両方において、Rが、水素またはカルボキシル保護基であり、Raが窒素保護基である。
次に、式(I)および(I-a)のそれぞれの得られた化合物は、スキーム3およびスキーム3-a:
Figure 0007138106000020

のそれぞれに示される公知の反応工程にしたがって、NEP阻害剤化合物サクビトリルに変換され得、スキーム3およびスキーム3-aの両方において、Raが窒素保護基である。
さらに、第2の態様において、本発明は、以下のスキーム4およびスキーム4-a:
Figure 0007138106000021

Figure 0007138106000022

で表されるプロセスに関し、両方のスキームにおいて、置換基は、以下の意味を有し:Rが、水素またはカルボキシル保護基であり、R1が、任意選択的に置換されるC~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルであり、Raが窒素保護基である。
以下にもより詳細に示される上述されるその態様において、本発明は、以下の利点を提供する:記載されている新規の合成経路は、工業規模の処理に好適であり、経済的におよび環境的に好ましい。サクビトリルの合成に必要とされる中間体である式(III)の化合物は、高い収率および高い立体選択性で生成され得る。
一般的な用語:
上記および以下に使用される一般的な定義は、異なる定義がされない限り、以下の意味を有し、ここで、1つまたは複数または全ての表現または記号の、より具体的な定義への置き換えを、発明の各実施形態について独立して行い、より好ましい実施形態を得ることができる。
複数形が、化合物、出発材料、中間体、塩、医薬製剤、疾患、障害などに使用される場合、これは、1つ(好ましい)または複数の単一の化合物、塩、医薬製剤、疾患、障害などを意味することを意図しており、単数または不定冠詞(「a」、「an」)が使用される場合、これは、複数を除外することを意図せず、好ましくは「1つ」を意味するに過ぎない。
キラル化合物
「キラル」という用語は、それらの鏡像の相手に重ね合わせることができない性質を有する分子を指す一方、「アキラル」という用語は、それらの鏡像の相手に重ね合わせることができる分子を指す。
本出願の式において、C-sp上の
Figure 0007138106000023

という用語は、共有結合を表し、ここで、結合の立体化学は、定義されない。これは、C-sp上の
Figure 0007138106000024

という用語が、それぞれのキラル中心の(S)立体配置ならびに(R)立体配置を含むことを意味する。さらに、混合物、例えば、ラセミ体などの鏡像異性体の混合物も、本発明によって包含される。特に好ましいのは、式(1)または(2)の化合物の単一の立体異性体、特に、式(1-a)および(1-b)の特定のものである。
本出願の式において、C-sp上の
Figure 0007138106000025

という用語は、共有結合を表し、ここで、結合の立体化学または幾何学的配置は、定義されない。これは、C-sp上の
Figure 0007138106000026

という用語が、それぞれの二重結合の(Z)立体配置ならびに(E)立体配置を含むことを意味する。さらに、混合物、例えば、二重結合異性体の混合物も、本発明によって包含される。
本出願の式において、C-sp上の
Figure 0007138106000027

という用語は、(R)または(S)のいずれかの絶対立体化学を示す。
本出願の式において、C-sp上の
Figure 0007138106000028

という用語は、(R)または(S)のいずれかの絶対立体化学を示す。
本出願の式において、
Figure 0007138106000029

という用語は、C-sp-C-sp結合またはC-sp-C-sp結合を示す。
本発明の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を有し得る。好ましい絶対配置は、本明細書に具体的に示されるとおりである。しかしながら、任意の可能な純粋な鏡像異性体、純粋なジアステレオ異性体、またはそれらの混合物、例えば、ラセミ体などの鏡像異性体の混合物が、本発明によって包含される。
立体中心を有するが、特定の立体配置の表示を有さない化合物は、それぞれの立体配置、例えばR,R;R,S;S,RおよびSSを有する化合物の混合物、または純粋な鏡像異性体/ジアステレオマーと見なされる。
立体異性体の、特に、鏡像異性体の純度は、言及される場合、化合物の全てのジアステレオマー(100%)をまとめて参照する。それは、キラルクロマトグラフィー(例としては、HPLC、uPLCおよびGCが挙げられる)またはNMR(キラル実体およびまたは金属の添加を伴う)によって決定される。
「実質的に光学的に純粋な」化合物という用語は、本明細書において定義される際、本発明に係る方法によって得られる化合物であって、少なくとも70%(ee=鏡像体過剰率)、より好ましくは、少なくとも90%(ee)、最も好ましくは、少なくとも95%(ee)以上、例えば100%(ee)の光学純度を有する化合物を指す。
プロドラッグ
「プロドラッグ」という用語は、本明細書において使用される際、例えば、T.Higuchi and V.Stella,“Pro-drugs as Novel Delivery Systems”,volume 14 of the ACS Symposium Series;Edward B.Roche,editor,“Bioreversible Carriers in Drug Design”,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987;H Bundgaard,editor,“Design of Prodrugs”,Elsevier,1985;Judkins et al.Synthetic Communications 1996,26,4351-4367、および“The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action”,second edition,R.B.Silverman(特に、第8章、497~557頁)、Elsevier Academic Press,2004に記載されるように、例えば、血液中での加水分解によって、インビボで親化合物に変換される特定の化合物を表す。
したがって、プロドラッグは、その可逆性誘導体に変換された官能基を有する薬剤を含む。典型的に、このようなプロドラッグは、加水分解によって活性な薬剤に変換される。例として、以下が挙げられる。
Figure 0007138106000030
プロドラッグは、酸化または還元反応によって活性な薬剤に転化可能な化合物も含む。例として、以下が挙げられる:
酸化的活性化
・N-およびO-脱アルキル化
・酸化的脱アミノ化
・N-酸化
・エポキシ化
還元的活性化
・アゾ還元
・スルホキシド還元
・ジスルフィド還元
・生体内還元性アルキル化
・ニトロ還元
NEP阻害剤
「NEP阻害剤」という用語は、酵素中性エンドペプチダーゼ(NEP、EC 3.4.24.11)の活性を阻害する化合物を表す。
本発明において、「NEP-阻害剤」または「NEP-阻害剤プロドラッグ」という用語は、そのままの物質またはその塩、好ましくは、その薬学的に許容できる塩に関する。例は、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩またはアンモニウム塩である。カルシウム塩が好ましい。
NEP阻害剤プロドラッグN-(3-カルボキシ-1-オキソプロピル)-(4S)-p-フェニルフェニルメチル)-4-アミノ-(2R)-メチルブタン酸エチルエステルは、任意選択的に、インビトロまたはインビボのいずれかで、活性なNEP阻害剤N-(3-カルボキシ-1-オキソプロピル)-(4S)-p-フェニルフェニルメチル)-4-アミノ-(2R)-メチルブタン酸を得るようにさらに反応され得る。
トランスアミナーゼ
本発明に関して、トランスアミナーゼは、第一級アミンからアクセプター分子のカルボニル基(C=O)への、アミノ基(NH)の転移を触媒するピリドキサールリン酸依存性酵素である。トランスアミナーゼは、E.C.2.6.1.Xに分類される。本発明の特に好ましい実施形態において、トランスアミナーゼは、(R)-または(S)-選択的トランスアミナーゼであり、特に、好ましい実施形態において、ω-トランスアミナーゼ、特に、(R)-選択的ω-トランスアミナーゼである。
本発明に関して、ω-トランスアミナーゼは、好ましくは、分類コードE.C.2.6.1.18を有する酵素である。これらのアミノトランスアミナーゼは、基質として主にアミンを使用することを特徴とする。これらの酵素は、1を超える、ω-トランスアミナーゼ触媒反応の平衡定数を示すことによってさらに特徴付けられる。
本発明はまた、トランスアミナーゼ、特に、ω-トランスアミナーゼという用語にしたがって、トランスアミナーゼ、特に、ω-トランスアミナーゼを含有する微生物または細胞などの生物の抽出物、またはトランスアミナーゼ、特に、ω-トランスアミナーゼを含む生細胞もしくは死細胞または微生物自体を理解する。このような微生物または細胞または抽出物またはトランスアミナーゼ酵素は、固定化または非固定化形態で使用され得る。
トランスアミナーゼ、特に、ω-トランスアミナーゼはまた、上で特定された生物またはそれと同等のものの1つに含まれる核酸配列またはその誘導体によって部分的にまたは完全にコードされる、組み換えにより生成される天然(野生型)または遺伝子組み換えトランスアミナーゼ、特に、ω-トランスアミナーゼであってもよい。
本発明にしたがって使用され得るか、および/または使用されるように最適化され得るω-トランスアミナーゼの最近の概説が、例えば、Koszelewski et al.,Trends in Biotechnology 2010,28,324-332、およびMalik et al.,Appl.Microbiol.Biotechnol.2012,94,1163-1171に記載されている。このようなトランスアミナーゼは、例えば、クロモバクテリウム・ビオラセウム(Chromobacterium violaceum)、ビブリオ・フルビアリス(Vibrio fluvialis)、アルカリゲネス・デニトリフィカンス(Alcaligenes denitrificans)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)などのような微生物から得られる。
一実施形態において、本発明において使用されるω-トランスアミナーゼは、Codexis Inc.から、整理番号ATA-013、ATA-015、ATA-016、ATA-25、ATA-032、ATA-033、ATA-036、ATA-301、ATA-303、ATA-412、ATA-415、ATA-417およびATA-436(Codex(登録商標)ATA Screening Kitの一部または同様にCodexis Inc.から入手されるさらなる遺伝子組み換えω-トランスアミナーゼ変異体のいずれか)で入手した。このような遺伝子組み換えω-トランスアミナーゼは、例えば、米国特許第9,889,380号明細書、および同第8,293,507号明細書、および同第9,133,445号明細書、欧州特許第2401366号明細書およびPCT出願国際公開第2010/099501号パンフレットに記載されている。
補酵素
トランスアミナーゼは、補酵素ピリドキサール-5’-リン酸(PLP)を必要とする。「ピリドキサール-リン酸」、「PLP」、「ピリドキサール-5’-リン酸」、「PYP」、および「P5P」は、トランスアミナーゼ反応における補酵素として作用する化合物を指すために、本明細書において同義的に使用される。
ある実施形態において、ピリドキサールリン酸は、構造1-(4’-ホルミル-3’-ヒドロキシ-2’-メチル-5’-ピリジル)メトキシホスホン酸、CAS番号[54-47-7]によって定義され、ピリドキサール-5’-リン酸は、ピリドキソール(ビタミンB6としても知られている)のリン酸化および酸化によってインビボで生成され得る。トランスアミナーゼ酵素を使用するアミノ基転移反応において、アミノドナーのアミン基は、補酵素に転移されて、ケト副生成物が生成される一方、ピリドキサール-5’-リン酸は、ピリドキサミンリン酸に転化される。ピリドキサール-5’-リン酸は、異なるケト化合物(アミノアクセプター)との反応によって再生される。ピリドキサミンリン酸からアミノアクセプターへのアミン基の転移により、キラルアミンが生成され、補酵素が再生される。
ある実施形態において、ピリドキサール-5’-リン酸は、ピリドキシン(PN)、ピリドキサール(PL)、ピリドキサミン(PM)、およびそれらのリン酸化された同等物である、ピリドキシンリン酸(PNP)、およびピリドキサミンリン酸(PMP)を含む、ビタミンB6ファミリーの他のメンバーによって置き換えられ得る。
アミンドナー
本発明に関して、アミンドナーは、トランスアミナーゼ、特に、ω-トランスアミナーゼを用いて、アミノ基をアミンアクセプターに提供することが可能な分子である。特定の好ましい実施形態において、アミンドナーは、アミンまたはアミノ酸である。
ある実施形態において、アミノドナーは、以下の一般式
Figure 0007138106000031

の分子であり、式中、R’およびR’’のそれぞれが、独立して考えられる場合、非置換であるか、または1つまたは複数の酵素に阻害されない基で置換される、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。R’は、構造またはキラリティーがR’’と同じかまたは異なり得る。ある実施形態において、R’およびR’’は、一緒になって、非置換であるか、置換されているか、または他の環に縮合された環を形成し得る。使用され得る典型的なアミノドナーとしては、キラルおよびアキラルアミノ酸、ならびにキラルおよびアキラルアミンが挙げられる。使用され得るアミノドナーとしては、例として、限定はされないが、イソプロピルアミン(2-アミノプロパン)、β-アラニン、アラニン、特に、D,L-アラニン、L-アラニンまたはD-アラニン、α-メチルベンジルアミン(α-MBA)、グルタメート、フェニルアラニン、グリシン、3-アミノブチレート、2-アミノブタン、γ-アミノブチレートおよびそれらのいずれか1つの塩、例えば塩化物が挙げられる。その好ましい実施形態において、イソプロピルアミン(2-アミノプロパン)がアミンドナーである。
このような実施形態において、得られるケトン生成物は、アセトン、フェニルピルビン酸またはその塩、ピルビン酸またはその塩、グリオキシル酸またはその塩、アセトフェノン、2-ケトグルタレート、3-オキソブチレート、2-ブタノン、3-オキソピロリジン(3-OP)、3-ピリジルメチルケトン(3-PMK)、3-オキソ酪酸エチルエステル(3-OBEE)、3-オキソペンタン酸メチルエステル(3-OPME)、N-1-Boc-3-オキソピペリジノンおよびN-1-Boc-3-オキソピロリジン(B3OP)またはそれらのいずれか1つの塩、例えば塩化物であろう。その好ましい実施形態において、得られるケトン生成物は、アセトンである。
酵素反応条件:
「好適な反応条件」は、選択されたトランスアミナーゼが、基質化合物を生成物化合物に転化(例えば、式(IV)、好ましくは(IV-a)の化合物を、式(III)、好ましくは(III-a)の化合物に転化)することが可能な、トランスアミナーゼ触媒反応溶液における条件(例えば、酵素負荷、基質負荷、補助因子負荷、温度、pH、緩衝液、共溶媒などの範囲)を指す。例示的な「好適な反応条件」が、本開示において提供され、実施例によって示される。
「化合物負荷」または「酵素負荷」または「補助因子負荷」などにおける「負荷」は、反応の開始時の反応混合物中の成分の濃度または量を指す。
トランスアミナーゼ触媒反応プロセスに関する「基質」は、酵素によって作用される化合物または分子を指す。例えば、本明細書に開示されるプロセスにおけるトランスアミナーゼのための例示的な基質は、化合物(IV)である。
トランスアミナーゼ触媒反応プロセスに関する「生成物」は、酵素の作用から得られる化合物または分子を指す。例えば、本明細書に開示されるプロセスにおけるトランスアミナーゼのための例示的な生成物は、化合物(III)である。
本発明に関して、トランスアミナーゼ反応は、エナンチオ選択的であり、すなわち、望ましくない鏡像異性体を上回る所望の鏡像異性体を生成する。ある実施形態において、所望の鏡像異性体は、少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の鏡像異性体過剰率(ee)で形成される。
本発明において、アミノアクセプターが、50%超、または少なくとも60、70、80、90、95、99、特に、100%の転化率で、所望のキラルアミン化合物に転化されるのが好ましい。
置換基の定義
アルキルは、直鎖状または分枝鎖状(1回または、所望され、可能な場合、複数回)の炭素鎖としての基または基の一部として定義され、特に、C~C-アルキル、好ましくは、C~C-アルキル、より好ましくは、C~C-アルキルである。
「C~C-」、「C~C-」および「C~C-」という用語はそれぞれ、7個以下(最大で7個を含む)、特に、それぞれ6および4個以下(最大で6および4個を含む)の炭素原子を有する部分を定義し、前記部分は、分枝鎖状(1回または複数回)または直鎖状であり、末端または非末端炭素を介して結合される。
シクロアルキルは、例えば、C~C-シクロアルキルであり、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルである。シクロペンチルおよびシクロヘキシルが好ましい。
アルコキシは、例えば、C~C-アルコキシであり、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n-ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec-ブチルオキシ、tert-ブチルオキシであり、対応するペンチルオキシ、ヘキシルオキシおよびヘプチルオキシ基も含む。C~C-アルコキシが好ましい。
アルカノイルは、例えば、C~C-アルカノイルであり、例えば、アセチル[-C(=O)Me]、プロピオニル、ブチリル、イソブチリルまたはピバロイルである。C~C-アルカノイル、特に、アセチルが好ましい。
ハロまたはハロゲンは、好ましくは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、最も好ましくは、クロロ、ブロモ、またはヨードである。
ハロ-アルキルは、例えば、ハロ-C~C-アルキルであり、特に、ハロ-C~C-アルキル、例えば、トリフルオロメチル、1,1,2-トリフルオロ-2-クロロエチルまたはクロロメチルである。好ましいハロ-C~C-アルキルは、トリフルオロメチルである。
アルケニルは、二重結合を含有し、好ましくは、2~12個の炭素原子(2~10個の炭素原子が、特に好ましい)を含む直鎖状または分枝鎖状アルキルであり得る。特に好ましいのは、直鎖状C~C-アルケニル、より好ましくは、C~C-アルケニルである。アルキル基のいくつかの例は、エチル、ならびにプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタシルおよびエイコシルの異性体であり、そのそれぞれが、二重結合を含有する。特に好ましいのは、アリルである。
アルキレンは、C1~7-アルキルから誘導される二価基であり、特に、C~C-アルキレンまたはC~C-アルキレンであり、任意選択的に、1つまたは複数の、例えば、3個以下の酸素、NR14または硫黄によって介在され得、ここで、R14がアルキルであり、そのそれぞれが、非置換であるか、または例えば、C~C-アルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルキルもしくはC~C-アルコキシから独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換され得る。
アルケニレンは、C2~7-アルケニルから誘導される二価基であり、1つまたは複数の、例えば、3個以下の酸素、NR14または硫黄によって介在され得、ここで、R14がアルキルであり、非置換であるか、または好ましくは、アルキレンについて上述される置換基から独立して選択される、1つまたは複数の、例えば、3個以下の置換基で置換される。
基または基の一部であるアリールは、例えばC6~10-アリールであり、好ましくは、6~10個の炭素原子を有する、単環式または多環式、特に、単環式、二環式または三環式アリール部分、例えば、フェニル、ナフチルまたはフルオレニル、好ましくは、フェニルであり、それらは、非置換であるか、または例えばC~C-アルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルキルもしくはC~C-アルコキシから独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換され得る。
アリールアルキルという用語は、アリール-C~C-アルキルを指し、ここで、アリールが、本明細書において定義されるとおりであり、例えばベンジルである。
カルボキシルという用語は、-COHを指す。
アリールオキシは、アリール-O-を指し、ここで、アリールが、上に定義されるとおりである。
非置換または置換ヘテロシクリルは、好ましくは、3~14個(より好ましくは、5~14個)の環原子を有し、および窒素、酸素、硫黄、S(=O)-またはS-(=O)から独立して選択される1つまたは複数、好ましくは、1~4個のヘテロ原子を有する、単環式または多環式、好ましくは、単環式、二環式または三環式、最も好ましくは、単環式の、不飽和、部分不飽和、飽和または芳香環系であり、非置換であるか、または好ましくは、ハロ、C~C-アルキル、ハロ-C~C-アルキル、C~C-アルコキシ、ハロ-C~C-アルコキシ、例えば、トリフルオロメトキシおよびC~C-アルコキシ-C~C-アルコキシからなる群から独立して選択される、1つまたは複数、例えば、3つ以下の置換基で置換される。ヘテロシクリルが、芳香環系である場合、それは、ヘテロアリールとも呼ばれる。ヘテロシクリルは、好ましくは、イミザゾリル(imizazolyl)、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル、ピラニル、ジアジオニル(diazionyl)、オキサジニル(oxazinyl)、チアジニル(thiazinyl)、ジオキシニル(dioxinyl)、ジチイニル(dithiinyl)、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、インドリル、イソインドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズアゼピニル(benzazepinyl)、カルバゾリル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニジル(isoxazolinidyl)、チアゾリジル、ジオキソラニル、ジチオラニル、フラザニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ジチアゾリル、テトラゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、オキソチオモルホリニル、ジオキソチオモルホリニル、ジオキサニル、ジチアニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、またはそのベンゾ縮合形態である。
ヘテロシクリルアルキルにおいて、ヘテロシクリルは、好ましくは、正に定義されたとおりであり、アルキルについて定義されるアルキルに結合される。例は、イミダゾリルメチル、ピリジルメチルまたはピペリジニルメチルである。
アセチルは、-C(=O)C~C-アルキル、好ましくは、-C(=O)Meである。
スルホニルは、(非置換もしくは置換)C~C-アルキルスルホニル、例えば、メチルスルホニル、(非置換もしくは置換)フェニル-またはナフチル-C~C-アルキルスルホニル、例えば、フェニルメタンスルホニル、または(非置換もしくは置換)フェニル-またはナフチル-スルホニルであり;ここで、2つ以上の置換基、例えば、1~3つの置換基が存在する場合、置換基は、シアノ、ハロ、ハロ-C~C-アルキル、ハロ-C~C-アルキルオキシ-およびC~C-アルキルオキシから独立して選択される。特に好ましいのは、C~C-アルキルスルホニル、例えば、メチルスルホニル、および(フェニル-またはナフチル)-C~C-アルキルスルホニル、例えば、フェニルメタンスルホニルである。
スルフェニルは、(非置換もしくは置換)C6~10-アリール-C~C-アルキルスルフェニルまたは(非置換もしくは置換)C6~10-アリールスルフェニルであり、ここで、2つ以上の置換基、例えば、1~4つの置換基が存在する場合、置換基は、ニトロ、ハロ、ハロ-C~C-アルキルおよびC~C-アルキルオキシから独立して選択される。
イミドは、窒素に結合された2つのアシル基、好ましくは、ジカルボン酸から誘導される環式基からなる(非置換もしくは置換)官能基を指す。特に好ましいのは、コハク酸から誘導されるスクシンイミジルまたはフタル酸から誘導されるフタルイミジルである。イミジル基は、例えば、C~C-アルキル、C~C-アルコキシ-C~C-アルキル、C~C-アルコキシまたはハロから独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換され得る。
アジドは、基-N=N=Nを指す。
シリルは、本明細書において使用される際、式-SiR11R12R13で表される基を指し、ここで、R11、R12およびR13が、互いに独立して、C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはフェニル-C~C-アルキルである。R11、R12およびR13の好ましい例は、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、フェニルまたはフェニル-C1~4-アルキルである。

塩は、当業者が容易に理解する化学的理由のために塩が除外される場合を除き、本明細書に言及される中間体のいずれかの、特に薬学的に許容できる塩または一般に塩である。それらは、例えば水溶液中4~10のpH範囲内で、少なくとも部分的に解離した形態で存在し得る、または特に固体、特に結晶の形態で単離され得る、塩基性基または酸性基などの塩形成基が存在する場合に形成され得る。
このような塩は、例えば、塩基性窒素原子(例えばイミノまたはアミノ)を有する本明細書に言及される化合物または中間体のいずれかから、好ましくは有機または無機酸との酸付加塩として、特に薬学的に許容できる塩として形成される。好適な無機酸は、例えば、塩酸、硫酸、またはリン酸などのハロゲン酸である。好適な有機酸は、例えば、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸またはスルファミン酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、アミノ酸、例えば、グルタミン酸またはアスパラギン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、安息香酸、メタン-またはエタン-スルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、1,5-ナフタレン-ジスルホン酸、N-シクロヘキシルスルファミン酸、N-メチル-、N-エチル-またはN-プロピル-スルファミン酸、または他の有機プロトン酸、例えば、アスコルビン酸である。
カルボキシまたはスルホなどの、負に帯電した基の存在下で、塩はまた、塩基とともに形成され得、例えば、金属もしくはアンモニウム塩、例えば、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウムもしくはカルシウム塩、またはアンモニアもしくは好適な有機アミン、例えば、第三級モノアミン、例えば、トリエチルアミンもしくはトリ(2-ヒドロキシエチル)アミン、または複素環塩基、例えば、N-エチル-ピペリジンもしくはN,N’-ジメチルピペラジンとのアンモニウム塩であり得る。
塩基性基および酸性基が、同じ分子中に存在する場合、本明細書に言及される中間体のいずれかはまた、内部塩を形成し得る。
本明細書に言及される中間体のいずれかの単離または精製の目的のために、薬学的に許容できない塩、例えば、ピクリン酸塩または過塩素酸塩を使用することも可能である。
例えば、化合物またはその塩の精製または同定において、遊離形態およびそれらの塩(中間体として使用され得る塩を含む)の形態での化合物と中間体との間の密接な関係を考慮して、上記および下記の「化合物」、「出発材料」および「中間体」へのいずれの言及も、1つまたは複数のその塩、または対応する遊離化合物、中間体または出発材料および1つまたは複数のその塩の混合物にも言及しているものと理解されるべきであり、これらのそれぞれは、必要に応じておよび好都合であれば、別段明記されていない限り、任意の溶媒和物またはこれらのいずれか1つまたは複数の塩も含むことが意図される。異なる結晶形が得られることがあり、その場合、それらも含まれる。
窒素保護基
「窒素保護基」(例えば、本開示においてRa)という用語は、窒素官能基、好ましくは、アミンおよび/またはアミド官能基を可逆的に保護することが可能な任意の基を含む。好ましくは、窒素保護基は、アミン保護基および/またはアミド保護基である。好適な窒素保護基は、例えば、ペプチド化学に通常使用され、例えば、J.F.W.McOmie,“Protective Groups in Organic Chemistry”,Plenum Press,London and New York 1973,P.G.M.Wuts and T.W.Greene,“Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis’,fourth edition,Wiley,New Jersey,2007、および“The Peptides”;volume 3(editors:E.Gross and J.Meienhofer),Academic Press,London and New York 1981、および“Methoden der organischen Chemie”(Methods of Organic Chemistry),Houben Weyl,fourth edition,volume 15/I,Georg Thieme Verlag,Stuttgart 1974などの標準的な参考文献の関連する章に記載されている。
好ましい窒素保護基は、一般に、以下を含む:非置換もしくは置換C~C-アルキル、好ましくは、C~C-アルキル、より好ましくは、C~C-アルキル、最も好ましくは、C-アルキル、非置換もしくは置換C2~4-アルケニル(ここで、各C~C-アルキルおよびC2~4-アルケニルは、トリアルキルシリル-C~C-アルコキシ(例えばトリメチルシリルエトキシ)、シクロアルキル、アリール、好ましくは、フェニル、または複素環式基、好ましくは、ピロリジニルで任意選択的に一置換、二置換または三置換され、ここで、シクロアルキル基、アリール環または複素環式基は、非置換であるか、または例えば、C~C-アルキル、ヒドロキシ、C~C-アルコキシ、C~C-アルカノイル-オキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、およびCFからなる群から選択される、1つまたは複数、例えば2つまたは3つの残基で置換される);アリール-C~C-アルコキシカルボニル(好ましくは、フェニル-C~C-アルコキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボニル);C1~10-アルケニルオキシカルボニル;C1~6-アルキルカルボニル(例えばアセチルまたはピバロイル);C6~10-アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル);C1~6-アルコキシカルボニル(例えばtert-ブトキシカルボニル);C6~10-アリール-C1~6-アルコキシカルボニル;アリルまたはシンナミル;スルホニルまたはスルフェニル;スクシンイミジル基、置換シリル、例えばトリアリールシリルまたはトリアルキルシリル(例えばトリエチルシリル)。
好ましい窒素保護基の例は、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、クミル、ベンズヒドリル、トリチル、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、ベンジルオキシメチル(BOM)、ピバロイル-オキシ-メチル(POM)、トリクロロエトキシカルボニル(Troc)、1-アダマンチルオキシカルボニル(Adoc)、アリル、アリルオキシカルボニル、トリメチルシリル、tert-ブチル-ジメチルシリル(TBDMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、tert-ブトキシカルボニル(BOC)、tert-ブチル、1-メチル-1,1-ジメチルベンジル、(フェニル)メチルベンゼン、ピリジニルおよびピバロイルである。最も好ましい窒素保護基は、アセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、トリエチルシリル(TES)、トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、tert-ブトキシカルボニル(BOC)、ピロリジニルメチルおよびピバロイルである。
より好ましい窒素保護基の例は、ピバロイル、ピロリジニルメチル、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルおよびシリル基、特に、式SiR11R12R13基で表されるシリル基であり、ここで、R11、R12およびR13が、互いに独立して、C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはフェニル-C~C-アルキルである。R11、R12およびR13の好ましい例は、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチルおよびフェニルである。
最も好ましい窒素保護基の例は、tert-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンゾイル、スチリル、1-ブテニル、ベンジル、p-メトキシベンジル(PMB)およびピロリジニルメチル、特に、ピバロイルおよびtert-ブトキシカルボニル(BOC)である。
一実施形態において、窒素保護基という用語は、
~C-アルキル(非置換であるか、またはトリ-C~C-アルキルシリルC~C-アルコキシ、C~C10-アリール、または複素環式基(5~14個の環原子、およびN、O、S、S(O)またはS(O)から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する、単環式、二環式または三環式環系である)で一置換、二置換または三置換され、ここで、アリール環または複素環式基は、非置換であるか、またはC~C-アルキル、ヒドロキシル、C~C-アルコキシ、C~C-アルカノイル-オキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、およびCFからなる群から選択される1つ、2つまたは3つの残基で置換される);
~C10-アリール-C~C-アルコキシカルボニル;C~C10-アルケニルオキシカルボニル;C~C-アルキルカルボニル;C~C10-アリールカルボニル;C~C-アルコキシカルボニル;C~C10-アリール-C~C-アルコキシカルボニル;アリル;シンナミル;スルホニル;スルフェニル;スクシンイミジル、およびシリル(ここで、各シリル基が、SiR11R12R13基であり、ここで、R11、R12およびR13が、互いに独立して、C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはフェニル-C~C-アルキルである)
からなる群から選択される基を指す。
一般に、本出願において、「窒素保護基」という用語は、アミノ官能基を可逆的に保護することが可能な任意の基を含む。
一実施形態が、上に定義される窒素保護基の除去を必要とする場合、除去は、通常、例えば上に引用される参考文献に記載される公知の方法を用いることによって行われ得る。好ましくは、上に定義される窒素保護基は、酸性または塩基性条件を用いることによって除去される。酸性条件の例は、塩酸、トリフルオロ酢酸、硫酸である。塩基性条件の例は、水酸化リチウム、ナトリウムエトキシドである。水素化ホウ素ナトリウムなどの求核剤が使用され得る。アミノ保護基としてのN-ベンジルの場合、それは、水素化によって、またはいくつかの好適な酸化剤、例えば硝酸セリウムアンモニウム(CAN)もしくは2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン(DDQ)の使用によって除去され得る。
カルボキシル保護基
カルボキシル保護基(例えば、本開示におけるR)は、当該技術分野において公知の任意の基、特に、C~C-アルキル、例えばエチル、メチル、アリルまたはtert-ブチル、またはC~C10-アリール-C~C-アルキル、例えばベンジル、またはシリル基SiR11R12R13であることができ、ここで、R11、R12、およびR13は、互いに独立して、C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはフェニル-C~C-アルキルである。R11、R12およびR13の好ましい例は、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、フェニルまたはフェニル-C1-4-アルキルである。カルボキシル保護基自体、それらの導入反応、およびそれらの除去反応は、例えば、J.F.W.McOmie,“Protective Groups in Organic Chemistry”,Plenum Press,London and New York 1973、T.W.Greene,“Protective Groups in Organic Synthesis”,Third edition,Wiley,New York 1999、“The Peptides”;Volume 3(editors:E.Gross and J.Meienhofer),Academic Press,London and New York 1981、“Methoden der organischen Chemie”(Methods of organic chemistry),Houben Weyl,4th edition,Volume 15/I,Georg Thieme Verlag,Stuttgart 1974、H.-D.Jakubke and H.Jescheit,“Aminosaeuren,Peptide,Proteine”(Amino acids, peptides, proteins),Verlag Chemie,Weinheim,Deerfield Beach,and Basel 1982、およびJochen Lehmann,“Chemie der Kohlenhydrate:Monosaccharide und Derivate”(Chemistry of carbohydrates:monosaccharides and derivatives),Georg Thieme Verlag,Stuttgart 1974などの標準的な参考文献に記載されている。
例えば、C~C-アルキル、例えばエチル、保護基RまたはRaは、例えば、10~30℃などの、0~50℃の範囲の温度で、適切な溶媒、例えば、テトラヒドロフランなどの環状エーテル、および水の存在下で、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウムなどの塩基の存在下で、加水分解によって除去され得る。
一般に、これは、「保護基」という用語が本明細書においてどこで使用されていても、保護基は、それが次に続く生成物のために除去される場合のみ、そのまま使用され、それが残る場合、保護基は置換基になっていることを示唆する。したがって、エチルなどのアルキルは、除去される場合、保護基であり、それが残る場合、それは永続的な部分になる。
保護基が言及される場合、分子中に残る基と対照的に、それらが次の反応工程で開裂されることがそれらの特徴であり;したがって、保護基としてのエチルなどのアルキルは、この機能に基づいて、反応生成物中に残ることになるエチルなどのアルキルと区別されるべきである。
実施形態
以下の項は、上記のスキーム1~4に示され、特許請求の範囲に示されるような個々のプロセス工程を、必要に応じてより詳細に説明している。
スキーム1およびスキーム1-aで表される反応-工程c
本発明の第1の態様において、全ての実施形態は、必然的に、スキーム1およびスキーム1-a:
Figure 0007138106000032

のそれぞれのプロセス工程cを必ず含み、スキーム1およびスキーム1-aの両方において、Rが、水素またはカルボキシル保護基である。
したがって、この態様において、本発明は、式(III)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000033

好ましくは、式(III-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000034

(両方の式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)を調製するための方法であって、
式(IV)
Figure 0007138106000035

(式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)の化合物、またはその塩を、
アミンドナーの存在下で、(R)-選択的ω-トランスアミナーゼと接触させることによって、式(III)の化合物に転化することを含み、式(IV)の化合物から式(III)の化合物への、好ましくは、式(III-a)の化合物への転化率が、50%超である方法に関する。
一実施形態において、反応は、補酵素の存在下で行われる。
その一実施形態において、Rが、水素またはC~C-アルキル、例えばエチルである。特に、Rが水素である。
一実施形態において、アミンドナーは、式
Figure 0007138106000036

のものであり、式中、R’およびR’’のそれぞれが、独立して考えられる場合、非置換であるか、または1つまたは複数の酵素に阻害されない基で置換される、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。R’は、構造またはキラリティーがR’’と同じかまたは異なり得る。ある実施形態において、R’およびR’’は、一緒になって、環を形成し得る。
その一実施形態において、アミンドナーは、アキラルアミンドナーである。特に、アキラルアミンドナーは、アキラルC~C-アルキルアミン、アキラルC~C-シクロアルキルアミン、アキラルC~C10-アリール-C~C-アルキルアミン、アキラルC~C-アルキルジアミン、アキラルアミノ-C~C-アルカン酸、およびアキラルC~C10-アリール-ジ(C~C-アルキルアミン)からなる群から選択される。特定の実施形態において、アキラルアミンドナーは、イソプロピルアミン(2-アミノプロパン)であり、これは、あるいは、その好適な塩として使用することもできる。
一実施形態において、使用される補酵素は、ピリドキシル5’-リン酸である。
一実施形態において、アミノ基転移反応は、好ましくは、20~60℃の範囲の温度で、例えば20~50℃で、例えばイソプロピルアミンの添加によるpH値の調整によって潜在的に達成される、好ましくは、pH7~10で、例えばpH8~9で、適切な溶媒、例えば水性リン酸水素二カリウム緩衝液中で、Codexis,Inc.(Redwood City,CA,USA)から市販されているATA-013、ATA-015、ATA-016、ATA-025、ATA-032、ATA-033、ATA-036、ATA-301、ATA-303、ATA-412、ATA-415、ATA-417またはATA-436から選択される(R)-選択的ω-トランスアミナーゼ、アミンドナー、例えばイソプロピルアミン(あるいは好適な塩として使用される)、および補酵素、好ましくは、ピリドキシル5’-リン酸(PLP)の存在下で起こる。
式(IV)の化合物から式(III)の化合物、好ましくは、式(III-a)の化合物への転化率は、55%超、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%、あるいは100%である。
ある実施形態において、トランスアミナーゼは、式(IV)の基質化合物、特に、化合物3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-オキソプロパン酸を、式(III)および(III-a)のそれぞれの生成物化合物、特に、化合物(R)-3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-アミノプロパン酸に、好適な反応条件下で、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上、式(III-b)
Figure 0007138106000037

(式中、Rが、水素およびカルボキシル保護基、例えばC~C-アルキル、好ましくは、水素から選択される)の対応する化合物を上回る鏡像異性体過剰率で、転化することが可能である。
一実施形態において、トランスアミナーゼ反応は、ATA-013、ATA-015、ATA-016、ATA-025、ATA-032、ATA-033、ATA-036、ATA-301、ATA-303、ATA-412、ATA-415、ATA-417またはATA-436から選択される(R)-選択的ω-トランスアミナーゼの存在下で起こり、90%超の、式(IV)の化合物から式(III)の化合物、好ましくは、式(III-a)の化合物への転化率を達成し、生成物である式(III-a)の化合物、特に、化合物(R)-3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-アミノプロパン酸を、式(III-b)の対応する化合物を85%超上回る鏡像異性体過剰率で生成する。
ある実施形態において、本開示において使用されるトランスアミナーゼは、好適な反応条件下で、化合物(IV)を、基質の存在に対する向上した耐性(tolerance)を有する化合物(III-a)に転化することが可能である。したがって、ある実施形態において、トランスアミナーゼは、少なくとも約1g/L、約5g/L、約10g/L、約20g/L、約30g/L、約40g/L、約50g/L、約70g/L、約80g/L、またはそれ以上の基質負荷濃度の存在下で、基質化合物(IV)を生成物化合物(III-a)にそれぞれ転化することが可能である。このような基質負荷は、好適な反応条件下で、約120時間以下、約96時間以下、約72時間以下、約48時間以下、約36時間以下、または約24時間以下、約18時間以下あるいは12時間以下の反応時間で、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の転化率パーセントをなお達成する。
このような転化率を達成するための好適な反応条件は、以下および実施例にさらに記載されるように、トランスアミナーゼの濃度または量、基質、補助因子、緩衝液、共溶媒、pH、および/または温度および反応時間を含む条件に関して決定され得る。
トランスアミナーゼ酵素を使用する詳細な方法
上記のプロセスについて、好ましくは、整理番号ATA-013、ATA-015、ATA-016、ATA-25、ATA-032、ATA-033、ATA-036、ATA-301、ATA-303、ATA-412、ATA-415、ATA-417およびATA-436でCodexis Inc.から入手可能なω-トランスアミナーゼ(Codex(登録商標)ATA Screening Kitの一部または同様にCodexis Inc.から入手されるさらなる遺伝子組み換えω-トランスアミナーゼ変異体のいずれか)を使用した。このような遺伝子組み換えω-トランスアミナーゼは、例えば、米国特許第9,889,380号明細書、および同第8,293,507号明細書、および同第9,133,445号明細書、欧州特許第2401366号明細書およびPCT出願国際公開第2010/099501号パンフレットに記載されている。
本明細書におけるおよび実施例に示される実施形態において、限定はされないが、アミノドナー、pH、温度、緩衝液、溶媒系、基質負荷、酵素(トランスアミナーゼ)負荷、補助因子負荷、圧力、および反応時間の範囲を含む、様々な範囲の好適な反応条件が、本プロセスに使用され得る。権利請求されるトランスアミナーゼプロセスを行うためのさらなる好適な反応条件は、限定はされないが、濃度、pH、温度、溶媒条件の実験反応条件で、トランスアミナーゼおよび基質化合物を接触させ、生成物化合物を検出することを含む、日常的な実験によって、本明細書において提供される指針を考慮して容易に最適化され得る。
本発明の一実施形態において、トランスアミナーゼは、アミンドナーとしてイソプロピルアミン(本明細書において「IPM」とも呼ばれる)を使用する。好適な反応条件は、少なくとも約0.1~約3.0M、0.2~約2.5M、約0.5~約2Mまたは約1~約2Mの濃度で存在するアミンドナー、特に、IPMを含む。ある実施形態において、アミノドナーは、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、1.0、1.5、2.0、2.5または3.0Mの濃度で存在する。より高い濃度のアミンドナー、例えば、IPMを用いて、平衡状態をアミン生成物の形成の方向にシフトさせることができる。
好適な反応条件は、典型的に、補助因子も含む。一実施形態において、補助因子は、ピリドキサール-5’-リン酸である。ある実施形態において、補助因子PLPは、細胞抽出物中に自然に存在し、補充される必要がない。他の実施形態において、好適な反応条件は、例えば、部分的に精製された、または精製されたトランスアミナーゼ酵素を用いる場合、酵素反応混合物に加えられる補助因子を含む。好適な反応条件は、約0.1g/L~約10g/L、約0.2g/L~約5g/L、約0.5g/L~約2.5g/Lの濃度で、補助因子、好ましくは、PLPの存在を含み得る。ある実施形態において、反応条件は、約0.1g/L以下、0.2g/L以下、0.5g/L以下、1g/L以下、2.5g/L以下、5g/L以下、または10g/L以下のPLP濃度を含む。ある実施形態において、補助因子は、反応の開始時に加えられ得、および/またはさらなる補助因子が、反応中に加えられる。
反応混合物中の式(IV)の基質化合物の濃度は、例えば、生成物化合物の所望の量、酵素活性に対する基質濃度の影響、反応条件下における酵素の安定性、および生成物への基質の転化率パーセントを考慮に入れて、変化され得る。ある実施形態において、好適な反応条件は、少なくとも約0.5~約100g/L、1~約90g/L、5~約80g/L、約10~約70g/L、20~約60g/Lまたは約30~約50g/Lの基質化合物負荷を含む。ある実施形態において、好適な反応条件は、少なくとも約0.5g/L、少なくとも約1g/L、少なくとも約5g/L、少なくとも約10g/L、少なくとも約15g/L、少なくとも約20g/L、少なくとも約30g/L、少なくとも約50g/L、少なくとも約75g/L、または少なくとも約80g/Lの基質化合物負荷を含む。
好適な反応条件は、約0.01~約50g/L;約0.05~約50g/L;約0.1~約40g/L;約1~約40g/L;約2~約40g/L;約5~約40g/L;約5~約30g/L;約0.1~約10g/L;約0.5~約10g/L;約1~約10g/L;約0.1~約5g/L;約0.5~約5g/L;または約0.1~約2g/Lのトランスアミナーゼ濃度を含む。ある実施形態において、トランスアミナーゼ濃度は、約0.01、0.05、0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、15、20、25、30、35、40、または50g/Lである。
アミノ基転移反応の過程中、反応混合物のpHは、変化し得る。反応混合物のpHは、所望のpHにまたは所望のpH範囲内に維持され得る。これは、反応の前および/または反応の過程中、酸または塩基の添加によって行われ得る。あるいは、pHは、緩衝液を用いることによって制御され得る。ある実施形態において、好適な反応条件は、溶液pHが、約6~約12のpH、約7~約11のpH、約7~約9のpH、約8~約10のpH、約7~約9のpH、または約8~約9のpHを含むことを含む。ある実施形態において、反応条件は、約6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10.0 10.5、11、11.5または12の溶液pHを含む。
したがって、ある実施形態において、反応条件は、緩衝液を含む。所望のpH範囲を維持するための好適な緩衝液は、当該技術分野において公知であり、例として、限定はされないが、ホウ酸緩衝液、炭酸緩衝液、リン酸緩衝液、トリエタノールアミン緩衝液などが挙げられる。ある実施形態において、緩衝液はホウ酸緩衝液である。本プロセスのある実施形態において、好適な反応条件は、リン酸の緩衝液を含み、ここで、リン酸濃度は、約0.001~約0.4M、0.01~約0.2M、0.05~約0.1M、または約0.05~約0.1Mである。ある実施形態において、反応条件は、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.07、0.08、0.09、0.1、0.12、0.14、0.16、0.18、0.2、0.3、または0.4Mのリン酸濃度を含む。ある実施形態において、反応条件は、緩衝液が存在しない好適な溶媒として水を含む。
アミノ基転移プロセスの実施形態において、例えば、より高い温度における反応速度の上昇、および反応時間中の酵素の活性を考慮に入れて、好適な温度が、反応条件のために使用され得る。したがって、ある実施形態において、好適な反応条件は、約10℃~約70℃、約10℃~約65℃、約15℃~約60℃、約20℃~約60℃、約20℃~約55℃、約30℃~約55℃、または約40℃~約50℃の温度を含む。ある実施形態において、好適な反応条件は、約10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、または70℃の温度を含む。ある実施形態において、酵素反応中の温度は、反応の過程にわたってある温度に維持され得る。ある実施形態において、酵素反応中の温度は、反応の過程中に温度分布にわたって調整され得る。
本開示のプロセスは、一般に、溶媒中で行われる。好適な溶媒としては、水、水性緩衝液、有機溶媒、ポリマー溶媒、および/または一般に、水性溶媒、有機溶媒および/またはポリマー溶媒を含む共溶媒系が挙げられる。水性溶媒(水または水性共溶媒系)は、pH緩衝されていてもまたは緩衝されていなくてもよい。ある実施形態において、トランスアミナーゼプロセスは、一般に、有機溶媒(例えば、エタノール、イソプロパノール(IPA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチル、酢酸ブチル、1-オクタノール、ヘプタン、オクタン、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、トルエンなど)、イオン性または極性溶媒(例えば、1-エチル-4-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、グリセロール、ポリエチレングリコールなど)を含む水性共溶媒系中で行われる。ある実施形態において、共溶媒は、ポリオール、ジメチルスルホキシド、DMSO、または低級アルコールなどの極性溶媒であり得る。水性共溶媒系の非水性共溶媒成分は、水性成分と混和性であり、単一液相を提供してもよく、または水性成分と部分的に混和性もしくは非混和性であり、2つの液相を提供し得る。例示的な水性共溶媒系は、水と、有機溶媒、極性溶媒、およびポリオール溶媒から選択される1つまたは複数の共溶媒とを含み得る。一般に、水性共溶媒系の共溶媒成分は、反応条件下で、トランスアミナーゼ酵素を不利に不活性化しないように選択される。適切な共溶媒系は、本明細書に記載されるものなどの酵素活性アッセイを用いて、候補溶媒系中で、対象とする規定の基質を用いて、特定のトランスアミナーゼ酵素の酵素活性を測定することによって、容易に特定され得る。
本プロセスのある実施形態において、好適な反応条件は、水性共溶媒を含み、ここで、共溶媒は、ポリオール溶媒、特に、グリコールを含む。好適なポリオール溶媒の例としては、例として、限定はされないが、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、およびポリプロピレングリコールが挙げられる。ある実施形態において、水性共溶媒は、様々な分子量で入手可能なポリエチレングリコールを含む。特に有用なのは、PEG200~PEG600などの低分子量グリコールである。したがって、ある実施形態において、水性共溶媒は、約1%~約40%v/v;約1%~約40%v/v;約2%~約40%v/v;約5%~約40%v/v;2%~約30%v/v;5%~約30%v/v;1~約20%v/v;約2%~約20%v/v;約5%~約20%v/v;約1%~約10%v/v;約2%~約10%v/vのPEG200を含む。ある実施形態において、好適な反応条件は、約1%、2%、5%、10%、15%、20%;25%;30%;35%;35%または約40%v/vのPEG200を含む水性共溶媒を含む。好ましくは、共溶媒は使用されない。
本プロセスのある実施形態において、好適な反応条件は、水性共溶媒を含み、ここで、共溶媒は、約1%~約80%(v/v)、約1~約70%(v/v)、約2%~約60%(v/v)、約5%~約40%(v/v)、10%~約40%(v/v)、10%~約30%(v/v)、または約10%~約20%(v/v)のDMSOを含む。本プロセスのある実施形態において、好適な反応条件は、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または80%(v/v)のDMSOを含む水性共溶媒を含む。
ある実施形態において、反応混合物は、界面活性剤も含有し得る。
アミノ基転移反応において使用される反応剤の量は、一般に、所望の生成物の量、および同時に、用いられるトランスアミナーゼ基質の量に応じて変化する。当業者は、これらの量をいかに変化させて、それらを生産性および生産規模の所望のレベルに合わせるかを容易に理解するであろう。
ある実施形態において、反応剤の添加の順序は重要でない。反応剤は、溶媒(例えば、単相溶媒、二相水性共溶媒系など)に同時に一緒に加えられてもよく、あるいは、反応剤のいくつかは個別に、いくつかは異なる時点で一緒に加えられてもよい。例えば、補助因子、トランスアミナーゼ、およびトランスアミナーゼ基質は、最初に溶媒に加えられ得る。
固体反応剤(例えば、酵素、塩など)は、粉末(例えば、凍結乾燥粉末、噴霧乾燥粉末など)、溶液、エマルション、懸濁液などを含む、様々な異なる形態で反応に提供され得る。反応剤は、当業者に公知の方法および装置を用いて、容易に凍結乾燥または噴霧乾燥され得る。例えば、タンパク質溶液は、少量のアリコートで、-80℃で凍結され、次に、予め冷却された凍結乾燥チャンバに加えられた後、真空が加えられ得る。
水性共溶媒系が使用されるとき、混合効率を改善するために、トランスアミナーゼ、および補助因子が、最初に水性相に加えられ、混合され得る。次に、有機相が、加えられ、混合された後、トランスアミナーゼ基質が加えられ得る。あるいは、トランスアミナーゼ基質は、水性相への添加の前に、有機相中で予め混合され得る。
アミノ基転移反応は、一般に、ケトン基質からアミン生成物へのさらなる転化が、反応時間とともに著しく変化しなくなるまで、例えば、基質の10%未満が転化されるか、または基質の5%未満が転化されるまで、進行される。ある実施形態において、反応は、基質ケトンが生成物アミンに完全にまたはほぼ完全に転化されるまで進行される。生成物への基質の変換は、基質および/または生成物を検出することによる公知の方法を用いてモニターされ得る。好適な方法としては、ガスクロマトグラフィー、HPLCなどが挙げられる。反応混合物中で生成されるキラルアミン生成物の転化収率は、一般に、約50%超であり、また約60%超であってもよく、また約70%超であってもよく、また約80%超であってもよく、また90%超であってもよく、多くの場合、約97%を超える。
一般に、アミノ基転移反応は、好適な反応条件下で、約120時間以下、約96時間以下、約72時間以下、約48時間以下、約36時間以下、約24時間以下、約18時間以下、または約12時間以下の反応時間にわたって進行する。
ある実施形態において、好適な反応条件下でトランスアミナーゼを用いて、式(III)および(III-a)の化合物を調製するための方法により、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の、ケトン基質、例えば、式(IV)の化合物のそれぞれの、アミン生成物化合物、例えば、式(III)および(III-a)の化合物のそれぞれへの転化が、約48時間以下、約36時間以下、約24時間以下、約18時間以下、あるいはより少ない時間で得られる。
さらなる実施形態において、好適な反応条件は、反応溶液への初期の基質負荷、次に、それが、トランスアミナーゼと接触されることを含む。この反応溶液には、少なくとも約1g/L/時、少なくとも約2g/L/時、少なくとも約4g/L/時、少なくとも約6g/L/時、またはそれ以上の速度で、時間をかけた連続的な添加として化合物のさらなる基質がさらに補充される。したがって、これらの好適な反応条件によれば、トランスアミナーゼは、少なくとも約20g/L、30g/L、または40g/Lの初期の基質負荷を有する溶液に加えられる。次に、トランスアミナーゼのこの添加の後、少なくとも約30g/L、40g/L、50g/L、60g/L、70g/L、100g/L、150g/L、200g/Lまたはそれ以上のはるかに多い最終的な基質負荷に達するまで、約2g/L/時、4g/L/時、または6g/L/時の速度で、溶液にさらなる基質が連続的に加えられる。したがって、本方法のある実施形態において、好適な反応条件は、少なくとも約20g/L、30g/L、または40g/Lの初期の基質負荷を有する溶液へのトランスアミナーゼの添加、続いて、少なくとも約30g/L、40g/L、50g/L、60g/L、70g/L、100g/Lまたはそれ以上の最終的な基質負荷に達するまでの、約2g/L/時、4g/L/時、または6g/L/時の速度での、溶液へのさらなる基質の添加を含む。この基質補充反応条件により、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の、アミン生成物へのケトン基質の高い転化率を維持しながら、より高い基質負荷を達成することが可能になる。この方法のある実施形態において、さらなる基質は、少なくとも約0.5M、少なくとも約1.0M、少なくとも約2.5M、少なくとも約5.0M、少なくとも約7.5M、少なくとも約10.0Mの濃度でイソプロピルアミンまたは酢酸イソプロピルアミンを含む溶液中で加えられる。
本プロセスのある実施形態において、アミノ基転移反応は、以下の好適な反応条件を含み得る:(a)約5g/L~100g/Lの基質負荷;(b)約0.1~50g/Lのトランスアミナーゼ;(c)約0.1~4Mのイソプロピルアミン(IPM);(d)約0.1~10g/Lのピリドキサールリン酸(PLP)補助因子;(e)約6~10のpH;および(f)約30~60℃の温度。
本プロセスのある実施形態において、アミノ基転移反応は、以下の好適な反応条件を含み得る:(a)約10~約80g/Lの基質負荷;(b)約0.5~25g/Lのトランスアミナーゼ;(c)約0.1~2Mのイソプロピルアミン(IPM);(d)約0.1~1g/Lのピリドキサールリン酸(PLP)補助因子;(e)約8~10のpH;(f)約40~55℃の温度、および(g)18時間~36時間の反応時間。
本プロセスのある実施形態において、アミノ基転移反応は、以下の好適な反応条件を含み得る:(a)約25~約80g/Lの基質負荷;(b)約0.5~10g/Lのトランスアミナーゼ;(c)約0.1~2Mのイソプロピルアミン(IPM);(d)約0.1~1g/Lのピリドキサールリン酸(PLP)補助因子;(e)約0.005~約0.1Mのホウ酸(または同等の)緩衝液;(f)約8~10のpH;および(g)約40~55℃の温度。
ある実施形態において、さらなる反応成分またはさらなる技術が、反応条件を補うために行われる。これらは、酵素を安定させ、もしくは酵素の不活性化を防ぎ、生成物阻害を減少させ、または反応の平衡状態を生成物形成にシフトさせるための手段を取ることを含み得る。
したがって、キラルアミンなどのアミンを調製するための方法のある実施形態において、さらなる量のアミノアクセプターが加えられてもよく(飽和するまで)および/または形成されたアミノアクセプター(ケトン)は、反応混合物から連続的に除去され得る。例えば、溶媒架橋または二相共溶媒系を用いて、アミン生成物を抽出溶液に移動し、それによって、アミン生成物による阻害を減少させ、また、平衡状態を生成物形成の方向にシフトさせることができる(例えば、Yun and Kim,Biosci.Biotechnol.Biochem.2008,72,3030-3033を参照)。
ある実施形態において、アミノドナーの選択により、水より高い蒸気圧を有するカルボニル副生成物(例えば、揮発性有機カルボニル化合物などの低沸点の副産物)が生じる場合、カルボニル副生成物は、反応溶液を非反応性ガスでスパージすることによって、または真空を加えて、反応圧力を低下させ、気相中に存在するカルボニル副生成物を除去することによって除去され得る。非反応性ガスは、反応成分と反応しない任意のガスである。様々な非反応性ガスとしては、窒素および希ガス(例えば、不活性ガス)が挙げられる。ある実施形態において、非反応性ガスは、窒素ガスである。ある実施形態において、本プロセスにおいて使用されるアミノドナーは、アミノ基がアミノ基アクセプターに転移するときにカルボニル副生成物であるアセトンを形成するイソプロピルアミン(IPM)である。アセトンは、窒素ガスでスパージするか、または反応溶液に真空を加え、コンデンサまたは他の冷却トラップなどのアセトントラップによって気相からアセトンを除去することによって、除去され得る。
カルボニル副生成物が除去される上記のプロセスのある実施形態において、対応するアミノ基ドナーは、アミノ基転移反応中に加えられて、アミノ基ドナーを補給し、および/または反応のpHを維持することができる。また、アミノ基ドナーの補給により、平衡状態を生成物形成の方向にシフトさせ、それによって、生成物への基質の転化を増加させる。したがって、アミノ基ドナーがイソプロピルアミンであり、アセトン生成物がインサイチュで除去される、ある実施形態において、イソプロピルアミンが、溶液に加えられて、アセトン除去中に失われたアミノ基ドナーを補給することができる。
さらなる実施形態において、生成物化合物への基質化合物の転化のための上記のプロセスのいずれかは、生成物化合物の抽出;単離;精製;および結晶化から選択される1つまたは複数の工程をさらに含み得る。上に開示される方法によって生成される生体触媒反応混合物から生成物アミンを抽出、単離、精製、および/または結晶化するための方法、技術、およびプロトコルは、当業者に公知であり、および/または日常的な実験によって利用される。
スキーム1およびスキーム1-aで表される反応-工程aおよびb
本発明の第1の態様において、スキーム1およびスキーム1-aのそれぞれの必須のプロセス工程の前に、反応工程bおよびaがある。したがって、さらなる実施形態において、トランスアミナーゼ反応の出発材料、すなわち、式(IV)
Figure 0007138106000038

(式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)の化合物、またはその塩は、
式(IV)の化合物(ここで、Rが水素である)を得るための、酸性または塩基性条件下での、式(V)
Figure 0007138106000039

(式中、R1が、任意選択的に置換されるC~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルである)の化合物の加水分解、および任意選択的に、カルボキシル保護基Rの導入を含むプロセスによって得られる。次に、前記プロセス工程の後、上記のトランスアミナーゼ反応が続いて、式(III)および(III-a)のそれぞれの化合物が提供される。
その一実施形態において、R1は、メチル、ベンジルまたはフェニルである。
適切な反応条件は、当該技術分野において周知である。反応は、好ましくは、50℃から反応混合物の還流温度までの範囲の好ましい温度、例えば70~100℃で、適切な溶媒または溶媒混合物、例えば、酢酸などのカルボン酸、および/または水中で、水性無機酸、例えば、塩酸などのハロゲン化水素酸、または硫酸;または50℃から反応混合物の還流温度までの範囲の好ましい温度、例えば70~100℃で、適切な溶媒または溶媒混合物、例えば水中で、水性無機塩基、例えば、水酸化ナトリウムなどの水酸化アルカリの存在下で起こる。
本発明のさらなる実施形態において、
Figure 0007138106000040

(式中、R1が、任意選択的に置換されるC~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルである)は、
式(VI)
Figure 0007138106000041

の化合物と、式(VII)
Figure 0007138106000042

(式中、R1が、任意選択的に置換されるC~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルである)の化合物、またはその塩との反応を含むプロセスによって得られる。
適切な反応条件は、当該技術分野において周知である(例えばエルレンマイヤーのアズラクトン合成)。反応は、好ましくは、50℃から反応混合物の還流温度までの範囲の好ましい温度、例えば70~100℃で、任意選択的に、適切な溶媒、例えばトルエン、またはテトラヒドロフランなどのエーテル中で、無水酢酸、および無機塩基、例えば酢酸ナトリウムなどの酢酸アルカリなどの活性化剤の存在下で起こる。
式(IV)の化合物の調製のための代替的な方法が、米国特許第4721726号明細書、米国特許第4447644号明細書、Tetrahedron 2012,68,3708-3716,Org.Biomol.Chem.2004,2,1864-1871、または国際公開第2011/035569号パンフレット(工程a)に記載されている。
スキーム2およびスキーム2-a、スキーム2およびスキーム2-a、ならびにスキーム2**およびスキーム2**-aで表される反応:
本発明の第1の態様において、トランスアミナーゼ反応の結果として得られる、式(III)および(III-a)
Figure 0007138106000043

(式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)のそれぞれの化合物は、次に、後続の工程において、スキーム2およびスキーム2-a、スキーム2およびスキーム2-a、ならびにスキーム2**およびスキーム2**-aのいずれか1つにそれぞれ示される反応順序によって、式(I)および(I-a)
Figure 0007138106000044

(式中、Raが窒素保護基である)のそれぞれの化合物、またはその塩に転化される。
その第1の実施形態において、スキーム2およびスキーム2-a、工程dにしたがって、式(III)の得られた化合物、またはその塩
Figure 0007138106000045

好ましくは、式(III-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000046

(両方の式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)は、
窒素保護基Raの導入を含むプロセスによって、式(II)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000047

好ましくは、式(II-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000048

(両方の式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基であり、Raが窒素保護基である)に転化される。
その一実施形態において、Rが水素である。
一実施形態において、式(II-a)の化合物は、式(III-a)の化合物と二炭酸ジ-tert-ブチルとの反応によって得られる、式(II-a)
Figure 0007138106000049

(式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基、好ましくは、水素である)の化合物である。
その一実施形態において、反応は、慣例的な条件下で、例えば好ましいtert-ブトキシカルボニル(Boc)基の導入のための、無水物などの、アミノ保護基を導入する当該技術分野において公知の試薬を用いて起こり得、好ましくは、反応は、試薬として二炭酸ジ-tert-ブチル(Boc無水物)を使用し、例えば、20℃~40℃などの周囲温度で、適切な溶媒または溶媒混合物、例えば、テトラヒドロフランなどの有機溶媒と、水との混合物中で、無機塩基、例えば、水酸化ナトリウムなどの水酸化アルカリなどの塩基の存在下で;または例えば-20℃から反応混合物の還流温度までの範囲の温度、例えば0~30℃で、アルコール、例えばメタノール、エーテル、例えばテトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン、またはジクロロメタンなどの適切な溶媒または溶媒混合物中で、有機塩基、例えばトリエチルアミンを用いて行われる。
そのさらなる実施形態において、スキーム2およびスキーム2-a、工程eにしたがって、式(II)のここで得られた化合物、またはその塩
Figure 0007138106000050

好ましくは、式(II-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000051

(両方の式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基であり、Raが窒素保護基である)は、
還元剤の存在下での、式(II)の化合物の還元を含むプロセスによって、式(I)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000052

好ましくは、式(I-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000053

(両方の式中、Raが窒素保護基である)に転化される。
一実施形態において、式(II)および(II-a)のそれぞれの化合物において、Rが水素である場合、すなわち、反応が、遊離カルボン酸基の還元である場合、有機塩基、例えば、N-メチルモルホリンなどのアミン塩基の存在下で、塩化アシル、例えば塩化ピバロイル、またはクロロホルメート、例えばクロロギ酸イソブチルなどの活性化剤が使用され、続いて、アルカリ金属水素化ホウ素塩などの複合水素化物、例えば水素化ホウ素ナトリウム、または水素化アルミニウムリチウムなどのアルカリ金属アルミニウム水素化物が使用される。反応は、好ましくは、例えば-40~40℃の範囲、例えば-20~25℃の適切な温度で、慣例的な溶媒または溶媒混合物、例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル、またはテトラヒドロフランなどのエーテルと、水との混合物中で起こる。あるいは、ヨウ素と組み合わせた、水素化ジイソブチルアルミニウム、ボラン、Red-Al(水素化ビス(2-メトキシエトキシ)-アルミニウムナトリウム)またはテトラヒドロホウ酸ナトリウムが、例えば-100~0℃の範囲の低温で、例えば-78℃で、エーテル、例えばテトラヒドロフランなどの適切な溶媒中で使用され得る。
代替的な実施形態において、式(II)および(II-a)のそれぞれの化合物において、Rがカルボキシル保護基である場合、すなわち、反応が、エステル化カルボン酸基の還元である場合、アルカリ金属水素化ホウ素塩、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、または水素化アルミニウムリチウムなどのアルカリ金属アルミニウム水素化物、またはボランもしくはボラン錯体、またはDIBALなどの水素化アルキルアルミニウムなどの複合水素化物が使用される。反応は、好ましくは、例えば-20~40℃の範囲、例えば0~25℃の適切な温度で、任意選択的に、添加剤、例えば、塩化リチウムなどのハロゲン化アルカリの存在下で、慣例的な溶媒または溶媒混合物、例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル、またはテトラヒドロフランなどのエーテルと、メタノールなどのアルコールとの混合物中で起こる。Rが、アルキルまたはアリール基である場合、還元はまた、Pd/Cなどの適切な金属触媒の存在下での水素化によって行われ得る。
好ましい実施形態において、式(II-a)
Figure 0007138106000054

(式中、Rが水素である)の化合物は、N-メチルモルホリンの存在下での、クロロギ酸イソブチルとの反応、続いて、水素化ホウ素ナトリウムを用いた還元によって活性化されて、式(I-a)
Figure 0007138106000055

の化合物が得られる。
その第2の実施形態において、スキーム2およびスキーム2-a、工程dにしたがって、式(III)の得られた化合物、またはその塩
Figure 0007138106000056

好ましくは、式(III-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000057

(両方の式中、Rが水素である)は、
アルコールR-OH(ここで、任意選択的に置換されるRが、C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルである)との反応(エステル化反応)を含むプロセスによって、最初に、式(III)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000058

好ましくは、式(III-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000059

(両方の式中、Rが、C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルである)に転化され、
次に、それが、続いて、窒素保護基Raの導入を含むプロセスによって、式(II)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000060

好ましくは、式(II-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000061

(両方の式中、Rが、C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルであり、Raが窒素保護基である)に転化される。
一実施形態において、エステル化反応は、メタノールを使用し、したがって、Rはメチルである。
別の実施形態において、窒素保護基は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)基であり、したがって、第2の反応工程は、二炭酸ジ-tert-ブチルを使用する。
一実施形態において、エステル化反応は、実際のエステル化反応を行う前に、活性化剤、例えば、遊離カルボン酸をハロゲン化アシルまたは酸無水物に変換するための薬剤の存在下で、所望のアルコールR-OH(ここで、Rが、任意選択的に置換されるC~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキル、好ましくは、非置換C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキル、好ましくは、C~C-アルキル、例えば、メチル、エチル、フェネチルまたはベンジル、より好ましくはメチルである)を用いて、慣例的な条件下で起こり得る。ハロゲン化アシルの形成のための好適な試薬は、例えば、塩化チオニル、臭化チオニル、PCl、PCl、塩化オキサリル、MeC=C(Cl)NMe、PhCOCl、PBr、PBr、PhPBr、臭化オキサリルまたはMeC=C(Br)NMeから選択される。反応は、好ましくは、上に定義されるそれぞれのアルコールR-OH、好ましくは、メタノールまたはエタノールなどの慣例的な溶媒中で、および例えば0~100℃の範囲、例えば10~90℃の適切な温度で起こる。
別の実施形態において、第2の工程、すなわち、式(III)および(III-a)(式中、Rが、C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルである)のそれぞれの化合物への窒素保護基の導入は、上述されるように行われ得る:反応は、慣例的な条件下で、および例えば好ましいtert-ブトキシカルボニル(Boc)基の導入のための、無水物などの、アミノ保護基を導入する当該技術分野において公知の試薬を用いて起こり得、好ましくは、反応は、試薬として二炭酸ジ-tert-ブチル(Boc無水物)を使用し、例えば、20℃~40℃などの周囲温度で、適切な溶媒または溶媒混合物、例えばテトラヒドロフランなどの有機溶媒、またはテトラヒドロフランおよび水の混合物中で、無機塩基、例えば、水酸化ナトリウムなどの水酸化アルカリなどの塩基の存在下で;または例えば-20℃から反応混合物の還流温度までの範囲の温度、例えば0~30℃で、トルエン、アルコール、例えばメタノール、エーテル、例えばテトラヒドロフランまたは1,4-ジオキサン、またはジクロロメタンなどの、適切な溶媒または溶媒混合物中で、有機塩基、例えばトリエチルアミンを用いて行われる。
その好ましい実施形態において、得られた化合物は、式(III-a)
Figure 0007138106000062

の化合物またはその塩であり、これは、メタノールとの反応を含むプロセスによって、最初に、式(III-a)**
Figure 0007138106000063

の化合物、またはその塩に転化され、
次に、それが、続いて、式(III-a)**の化合物と二炭酸ジ-tert-ブチルとの反応によって、式(II-a)**
Figure 0007138106000064

の化合物、またはその塩に転化される。
そのさらなる実施形態において、スキーム2およびスキーム2-a、工程eにしたがって、式(II)のここで得られた化合物、またはその塩
Figure 0007138106000065

好ましくは、式(II-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000066

(両方の式中、Rが、任意選択的に置換されるC~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキル、好ましくは、非置換C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルであり、Raが窒素保護基である)は、
還元剤の存在下での、式(II)および(II-a)のそれぞれの化合物の還元を含むプロセスによって、式(I)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000067

好ましくは、式(I-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000068

(両方の式中、Raが窒素保護基である)に転化される。
その一実施形態において、エステル化カルボン酸基の還元は、アルカリ金属水素化ホウ素塩などの複合水素化物、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、または水素化アルミニウムリチウムなどのアルカリ金属アルミニウム水素化物、またはボランもしくはボラン錯体、またはDIBALなどの水素化アルキルアルミニウムの使用によって行われる。反応は、好ましくは、例えば-20~40℃の範囲、例えば0~25℃の適切な温度で、任意選択的に、添加剤、例えば、塩化リチウムなどのハロゲン化アルカリの存在下で、慣例的な溶媒または溶媒混合物、例えば、テトラヒドロフランもしくはメチル-テトラヒドロフランなどのエーテル、またはテトラヒドロフランなどのエーテルと、エタノールなどのアルコールとの混合物中で起こる。あるいは、還元はまた、Pd/Cなどの適切な金属触媒の存在下での水素化によって行われ得る。
好ましい実施形態において、式(II-a)**
Figure 0007138106000069

の化合物は、水素化ホウ素ナトリウムを用いることによって還元されて、式(I-a)
Figure 0007138106000070

の化合物が得られる。
その第3の実施形態において、スキーム2**およびスキーム2**-a、工程eにしたがって、式(III)の得られた化合物、またはその塩
Figure 0007138106000071

好ましくは、式(III-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000072

(両方の式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)は、
還元剤の存在下での、式(III)の化合物の還元を含むプロセスによって、式(I
Figure 0007138106000073

の化合物、またはその塩、好ましくは、式(I-a)
Figure 0007138106000074

の化合物、またはその塩に転化される。
一実施形態において、還元は、スキーム2およびスキーム2-a、工程eにしたがって、還元反応について上述されるように行われる。
その好ましい実施形態において、式(III-a)
Figure 0007138106000075

の化合物は、N-メチルモルホリンの存在下でのクロロギ酸イソブチルとの反応、続いて、水素化ホウ素ナトリウムを用いた還元によって活性化されて、式(I-a)
Figure 0007138106000076

の化合物が得られる。
そのさらなる実施形態において、スキーム2**およびスキーム2**-a、工程dにしたがって、式(I
Figure 0007138106000077

のここで得られた化合物、またはその塩、好ましくは、式(I-a)
Figure 0007138106000078

の化合物、またはその塩は、窒素保護基Raの導入を含むプロセスによって、式(I)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000079

好ましくは、式(I-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000080

(両方の式中、Raが窒素保護基である)に転化される。
一実施形態において、式(I-a)の化合物は、式(I-a)の化合物と二炭酸ジ-tert-ブチルとの反応によって得られる式(I-a)
Figure 0007138106000081

の化合物である。
一実施形態において、窒素保護基Raの導入は、スキーム2およびスキーム2-a、工程dにしたがって、この反応について上述されるように行われる。
スキーム3およびスキーム3-aで表される反応:
本発明の第1の態様において、トランスアミナーゼ反応ならびにスキーム2およびスキーム2-a、スキーム2およびスキーム2-a、ならびにスキーム2**およびスキーム2**-aのそれぞれに示される反応工程の結果として得られる、式(I)および(I-a)
Figure 0007138106000082

(式中、Raが窒素保護基である)のそれぞれの化合物は、次に、式(VII)および(VII-a)のそれぞれの化合物、またはその塩に転化され得、次に、スキーム3およびスキーム3-aのそれぞれに示される反応順序によって、NEP阻害剤であるプロドラッグサクビトリルにさらに転化され得る。
したがって、その一実施形態において、式(I)の得られた化合物、またはその塩、
Figure 0007138106000083

好ましくは、式(I-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000084

(両方の式中、Raが窒素保護基である)は、
TEMPO媒介酸化反応またはデス・マーチン・ペルヨージナンによる酸化を含むプロセスによって反応されて、式(VIII)の化合物、またはその塩、
Figure 0007138106000085

好ましくは、式(VIII-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000086

(両方の式中、Raが、水素または窒素保護基である)が得られる。
式(I)、またはより特定的に式(I-a)の化合物の、対応するアルデヒドへのこのような反応は、TEMPO媒介酸化を用いることによって(例えば、国際公開第2008/031567号パンフレットまたは国際公開第2014/032627号パンフレット、24~25頁を参照されたい)またはデス・マーチン・ペルヨージナンによる酸化などの代替的な反応条件を用いることによって(例えば国際公開第2008/136561号パンフレットを参照されたい)、行われる。
そのさらなる実施形態において、式(VIII)
Figure 0007138106000087

の得られた化合物、またはその塩、好ましくは、式(VIII-a)
Figure 0007138106000088

の化合物、またはその塩は、さらに反応されて、N-(3-カルボキシル-1-オキソプロピル)-(4S)-(p-フェニルフェニルメチル)-4-アミノ-(2R)-メチルブタン酸エチルエステル、またはその塩が調製される。
好ましくは、前記反応は、以下の工程またはそれに類似する工程を含む(同様に国際公開第2008/031567号パンフレットまたは国際公開第2014/032627号パンフレット、24~25頁を参照されたい):
Figure 0007138106000089
上記のTEMPO酸化の後、式(VIII-a)のアルデヒドが、カルベトキシエチリデン-トリフェニルホスホランを用いたウィッティヒ反応に供されて、(R)-5-ビフェニル-4-イル-4-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-メチルペンタ-2-エン酸エチルエステルを生じる。次に、エステルまたは(エステルの鹸化後)対応する遊離酸(R)-5-ビフェニル-4-イル-4-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-メチルペンタ-2-エン酸は、好ましくは、高い選択性で好ましいジアステレオ異性体を生成しながら、触媒の存在下で水素化される。窒素官能基の脱保護、すなわち、Boc基の除去、必要であれば、エチルエステル基の再導入、およびそれに続く無水コハク酸とのカップリングは、所望のNEP阻害剤プロドラッグ化合物またはその塩を生じる。任意選択的に、エステルは、鹸化されて、NEP阻害剤薬剤化合物をもたらす遊離酸になり得る。
スキーム4およびスキーム4-aで表される反応:
第2の態様において、本発明は、スキーム4およびスキーム4-aで表されるプロセスに関する:
スキーム4およびスキーム4-aの両方における反応工程は、より詳細に上述されるように、スキーム1およびスキーム1-aのそれぞれにおける反応工程と同一である。
反応工程b
Figure 0007138106000090

(式中、R1が、任意選択的に置換されるC~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルであり、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)は、開環反応であり、ここで、例えば参照により本明細書に援用される、国際公開第2004/002977号パンフレット(17頁、スキーム2)、国際公開第2011/035569号パンフレット(水との反応については、4~5頁)、および国際公開第2013/026773号パンフレット(スキーム1、第2の工程)に一般に記載される、当該技術分野において周知の方法にしたがって、式(V)の化合物は、水またはアルコールR-OHで処理されて、式(VIII)の化合物が提供される。
Rが水素であるか、または別の置換基が所望される場合、カルボキシル保護基が、本明細書において上に示される手順にしたがって導入され得る。
反応工程b**
Figure 0007138106000091

好ましくは、
Figure 0007138106000092

(式中、R1が、任意選択的に置換されるC~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルであり、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)は、還元反応であり、ここで、例えば参照により本明細書に援用される、Adv.Synth.Catal.2003,345,308-323、国際公開第02/04466号パンフレット、国際公開第2009/090251号パンフレット(セクションB.3.3またはC.2)、国際公開第2011/035569号パンフレット(工程b)、および国際公開第2013/026773号パンフレット(触媒の存在下で不斉水素化を使用する)に記載される、当該技術分野において周知の方法にしたがって、式(VIII)の化合物は、還元されて、式(IX)および(IX-a)のそれぞれの化合物が提供される。
反応工程b***
Figure 0007138106000093

好ましくは、
Figure 0007138106000094

(式中、R1が、任意選択的に置換されるC~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルであり、Rが、水素またはカルボキシル保護基、好ましくは、C~C-アルキル基である)は、次に、例えば参照により本明細書に援用される、Adv.Synth.Catal.2003,345,308-323、およびCN101362708A号明細書に記載される、当該技術分野において周知の方法にしたがって、化合物(III)中の遊離アミノ基を提供するための、化合物(IX)のアシル基の除去を含む。
反応は、好ましくは、0℃から反応混合物の還流温度までの範囲の好ましい温度、例えば20~100℃で、適切な溶媒または溶媒混合物、例えばメタノールなどのアルコール、または1,4-ジオキサンなどのエーテル、または酢酸などのカルボン酸、および/または水中で、水性無機酸、例えば、塩酸などのハロゲン化水素酸;または50℃から反応混合物の還流温度までの範囲の好ましい温度、例えば60~70℃で、適切な溶媒、例えば、メタノールなどのアルコール中で、有機酸、例えば、メタンスルホン酸などのスルホン酸の存在下で起こる。
スキーム4およびスキーム4-aの両方における反応工程d、すなわち、式(II)の化合物を提供するための式(III)の化合物への窒素保護基Raの導入は、より詳細に上述されるように、およびいずれにせよ当該技術分野において周知であるように、スキーム2およびスキーム2-aのそれぞれにおける反応工程dと同一である。
スキーム4およびスキーム4-aの両方における反応工程e、すなわち、式(I)の保護されたアミノアルコール化合物への式(II)の化合物中のカルボン酸基の還元は、より詳細に上述されるように、スキーム2およびスキーム2-aのそれぞれにおける反応工程eと同一である。同様の反応がまた、参照により本明細書に援用される国際公開第2008/138561号パンフレット(36頁)内に記載されている。
スキーム4およびスキーム4-aの両方における反応工程fおよび後続の工程、すなわち、式(VII)の対応するアルデヒドへの式(I)の保護されたアミノアルコール化合物の酸化、およびNEP阻害剤であるプロドラッグサクビトリルへのその後の変換は、より詳細に上述されるように、およびいずれにせよ当該技術分野において周知であるように、スキーム3およびスキーム3-aのそれぞれに示される反応順序と同一である。
さらなる実施形態:
スキーム1~4-aで表される上記のプロセスのいずれかにおいて、一実施形態において、R1は、非置換であるか、またはトリ-C~C-アルキルシリルC~C-アルコキシ、C~C10-アリール、または5~14個の環原子およびN、O、S、S(O)もしくはS(O)から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する単環式、二環式もしくは三環式環系である複素環式基で一置換、二置換もしくは三置換されるC~C-アルキル(ここで、アリール環または複素環式基は、非置換であるか、またはC~C-アルキル、ヒドロキシル、C~C-アルコキシ、C~C-アルカノイル-オキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、およびCFからなる群から選択される1つ、2つまたは3つの残基で置換される);
~C10-アリール-C~C-アルコキシカルボニル;C~C10-アルケニルオキシカルボニル;C~C-アルキルカルボニル;C~C10-アリールカルボニル;C~C-アルコキシカルボニル;C~C10-アリール-C~C-アルコキシカルボニル;アリル;シンナミル;スルホニル;スルフェニル;スクシンイミジル、およびシリルから選択される窒素保護基であり、
ここで、各シリル基は、SiR11R12R13基であり、ここで、R11、R12およびR13は、互いに独立して、C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはフェニル-C~C-アルキルである。
その好ましい実施形態において、R1は、C~C-アルコキシカルボニル、特に、tert-ブトキシカルボニル(Boc)である。
上記の反応スキームのいずれかにおいて、アミノ基を有する炭素原子における特定の配置なしで示される得られたキラル化合物(I)、(II)、(III)、(VII)および(IX)のいずれかが、鏡像異性体混合物(ラセミ体など)からの鏡像異性体の分解のための慣例的な方法を用いることによって、例えば、溶液もしくはエマルションからの(例えばジアステレオマー塩による)選択的結晶化またはキラルクロマトグラフィーによって、式(I-a)、(II-a)、(III-a)、(VII-a)または(IX-a)の対応する純粋な鏡像異性体に分解され得る。このような方法は、当該技術分野において周知である。
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することなく、本発明を例示する。
使用される略語:
Aq.、aq.:水溶液
Ac:アセチル
Bu:ブチル
CDI:N,N-カルボニルジイミダゾール
Et:エチル
h:時間
Me:メチル
min:分
Ph:フェニル
概要I
Figure 0007138106000095

実施例1:(Z)-4-([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチレン)-2-メチルオキサゾール-5(4H)-オン2の製造
無水酢酸(250mL)中のビフェニル-4-カルボキシアルデヒド1(例えばSigma-Aldrich、カタログ番号B34680、CAS番号3218-36-8)(25.1g、135.0mmol)、N-アセチルグリシン(16.2g、138.3mmol)および無水酢酸ナトリウム(11.1g、135.3mmol)の懸濁液を、110~120℃に加熱し、この温度で10時間撹拌した。反応混合物を5℃に冷却し、沈殿した固体をろ過して取り出し、低温ジイソプロピルエーテルで洗浄し、減圧下で、50℃で乾燥させて、生成物2を黄色がかっているオレンジ色の固体(36.5g、定量的)として得た。得られた粗生成物を、さらに精製せずに次の工程に引き継いだ。
H-NMR(400MHz、DMSO-d6):δ ppm 2.42(s,3H)、7.28(s,1H)、7.37-7.45(m,2H)、7.47-7.54(m,2H)、7.73-7.79(m,2H)、7.83(m,2H)、8.28(m,2H)ppm.
実施例2:3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-オキソプロパン酸3の製造
酢酸(60mL)および37%のHCl水溶液(140mL)中の(Z)-4-([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチレン)-2-メチルオキサゾール-5(4H)-オン2(20.0g、75.96mmol)の懸濁液を、80~100℃に加熱し、この温度で10時間撹拌した。反応混合物を室温に冷まし、次に、水(200mL)を加えた。沈殿した固体をろ過して取り出し、冷水で洗浄し、減圧下で、50℃で乾燥させて、生成物3をオレンジ色の固体(9.83g、53.9%の収率)として得た。
H-NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 6.45(s,1H)、7.33-7.40(m,1H)、7.46(m,2H)、7.64-7.73(m,4H)、7.85(m,2H)、9.34(s,1H)、13.23(br.s,1H)ppm;MS(ES-API):ポジティブモード258.1[M+NH;MS(ES-API):ネガティブモード239.2[M-H]
実施例3:(R)-3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-アミノプロパン酸4
変形a)
イソプロピルアミン塩酸塩(19.95g、208.8mmol)を、67mMのKHPO水溶液(210mL;pH9.39)に溶解させ、次に、ピリドキサール5’-リン酸(PLP)(54mg)を加えた。pH値を、イソプロピルアミンの添加によってpH9に調整した。3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-オキソプロパン酸3(1.00g、4.167mmol)を、200mLのこの緩衝液中で懸濁させ、40℃および180rpmで5分間振とうした。トランスアミナーゼATA-415(34mg;Codexis,Inc.(Redwood City,CA,USA)から市販されている)を加え、反応混合物を室温で18時間振とうした。混合物を遠心分離し、固体を、水(5mL)中で再懸濁させ、ろ過した。得られた白色の固体を減圧下で乾燥させて、生成物4(1.13g、90%の収率)を対応するイソプロピルアンモニウムクロリド塩として得た。
H-NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 3.18(d,2H)、4.21(br.t,1H)、7.34-7.41(m,3H)、7.44-7.51(m,2H)、7.61-7.70(m,4H)、8.46(br.s,3H)、13.41-14.37(m,1H)ppm(塩酸塩として測定される);鏡像異性体純度(HPLC):>99%。
変形b)
イソプロピルアミン塩酸塩(19.95g、208.8mmol)を、67mMのKHPO4水溶液(105mL;pH9.39)に溶解させ、次に、ピリドキサール5’-リン酸(PLP)(27mg)を加えた。pH値を、イソプロピルアミンの添加によってpH9に調整して、緩衝液Aを得た。3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-オキソプロパン酸3(80mg、0.333mmol)を、2mLの緩衝液A中で懸濁させ、40℃で10分間振とうした。pH値を、イソプロピルアミンの添加によってpH8.15に調整した。イソプロピルアミン塩酸塩(4.75g、49.70mmol)およびピリドキサール5’-リン酸(PLP)(6.25mg)を、0.1Mのトリエチルアミン緩衝液(25mL;pH7.0)に溶解させて、緩衝液Bを得た。トランスアミナーゼATA-032(6.4mg;Codexisから市販されている)を、緩衝液B(640μL)に溶解させ、30℃で5分間振とうし、遠心分離した。トランスアミナーゼATA-032の溶液(100μL)を加え、反応混合物を40℃および180rpmで17時間振とうした。HPLCによる反応混合物の分析は、100%の転化率および99%を超えるeeを示した。
物理的データについては、変形a)を参照されたい。
変形c)
98%の硫酸(45.0g、450mmol、0.54当量)を、水(300g)にゆっくりと加えた後、KHPO・3HO(47.5g、208mmol、0.25当量)および化合物3(200g、832mmol、1.00当量)を加える。得られた懸濁液に、70%のイソプロピルアミン水溶液(147.6g、1748mmol、2.10当量)を加える。45℃に加熱した後、pHを、pH8.8~8.9に調整し、次に、水(70.0g)中のTween 20(30.0g)を加える。PLP一水和物(1.68g、6.80mmol、0.008当量)を投入した後、pH8.5~8.6に調整する。pH8緩衝液(40mL、KHPO・3HOおよび水から調製された)中のATA-032(2.00g)の懸濁液を加え、反応混合物を41℃で18時間撹拌する。1Mの硫酸水溶液(1270g)を投入し、続いて、反応混合物を95℃に加熱し、10時間にわたってこの温度に保持する。25℃に冷却した後、固体をろ過して取り出し、ケーキを、水(1400mL)、1%のKHPO・3HO水溶液(1400mL)および2-ブタノン(320g)の混合物および2-ブタノン(640g)で洗浄し、次に、乾燥させて、化合物4を得る。
物理的データについては、変形a)を参照されたい。
実施例4:(R)-3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-プロパン酸5の製造
室温で、テトラヒドロフラン(9mL)および水(9mL)中の(R)-3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-アミノプロパン酸4(0.9g、2.996mmol;対応するイソプロピルアンモニウムクロリド塩として)の懸濁液に、テトラヒドロフラン(2mL)中のBoc無水物(0.91g、4.103mmol)の溶液、続いて、水(2mL)中の水酸化ナトリウム(335mg、8.206mmol)の溶液を加えた。得られた透明な溶液を室温で18時間撹拌し、次に、10%のHCl水溶液を加えて、pH値をpH4に調整した。有機溶媒を減圧下で除去し、水性残渣を酢酸エチルで抽出した。組み合わされた有機層をMgSO上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、生成物5(1.28g、定量的)をベージュ色の固体として得た。
H-NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 1.32(s,9H)、2.87(dd,1H)、3.06(dd,1H)、4.13(ddd,1H)、7.15(d,1H)、7.31-7.39(m,3H)、7.45(m,2H)、7.58(m,2H)、7.64(m,2H)、12.63(br.s,1H).
実施例5:(R)-tert-ブチル(1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-3-ヒドロキシプロパン-2-イル)カルバメート6の製造
-15℃で、テトラヒドロフラン(8mL)中の(R)-3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-プロパン酸5(1.28g、2.996mmolに相当する)の溶液に、クロロギ酸イソブチル(539mg、3.749mmol)、続いてN-メチルモルホリン(402mg、3.937mmol)を加えた。沈殿物が形成され、-15℃で30分間撹拌した後、沈殿物をろ過して取り出した後、ケーキをTHFで洗浄した。ろ液を、1時間にわたって、0℃で、水(4mL)中の水素化ホウ素ナトリウム(296mg、7.499mmol)の溶液に加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次に、水(15mL)を加え、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。組み合わされた有機層をMgSO上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。クロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン/酢酸エチル)による精製により、生成物6(0.74g、2工程で75%の収率)を白色の固体として得た。
H-NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 1.32(s,9H)、2.60(dd,1H)、2.86(dd,1H)、3.24-3.31(m,1H)、3.33-3.42(m,1H)、3.52-3.70(m,1H)、4.72(t,1H)、6.56-6.71(m,1H)、7.28(m,2H)、7.30-7.38(m,1H)、7.44(m,2H)、7.56(m,2H)、7.60-7.66(m,2H);MS(ES-API):ポジティブモード350.3[M+Na]
概要II
Figure 0007138106000096

実施例6:(Z)-4-([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチレン)-2-ベンジルオキサゾール-5(4H)-オン3の合成:
[1,1’-ビフェニル]-4-カルバルデヒド1(90.0g、493.9mmol、1.0当量)、2-ベンズアミド酢酸2(106.2g、592.7mmol、1.2当量)、酢酸カリウム(19.4g、197.7mmol、0.4当量)およびトルエン(720mL)を、反応器中に投入する。反応混合物を55~65℃に加熱し、次に、無水酢酸(32.6mL、345.8mmol、0.6当量)を、1時間にわたって加えて、白色の懸濁液を形成させる。2時間撹拌した後、反応混合物を、1時間にわたって45~55℃に冷却する。種晶を加え、反応混合物を、さらに1時間撹拌する。さらなる無水酢酸(107.2mL、113.6mmol、2.4当量)を、2時間にわたって加えた後、さらに6時間撹拌する。続いて、反応混合物を、2.5時間にわたって15~25℃に冷却し、固体をろ過して取り出す。ケーキを、トルエン(90mL、2回)で洗浄し、次に、乾燥させて、化合物3を得る。
実施例7:3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-オキソプロパン酸4の合成:
化合物3、68%の硫酸水溶液(803mL、8.85mol、化合物1を基準にして18.0当量)および酢酸(576mL)を、反応器中に投入する。反応混合物を95~105℃に加熱し、さらに10時間撹拌する。続いて、反応混合物を、5時間にわたって約25℃に冷却する。メチルtert-ブチルエーテル(778mL)を、2時間にわたって加え、反応混合物を、3時間にわたってさらに撹拌する。固体をろ過して取り出し、ケーキを、水(500mL)、0.2%のリン酸水素二カリウム水溶液(300mL)および水(300mL)で洗浄し、次に、乾燥させて、化合物4を得る。
実施例8:(R)-3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-アミノプロパン酸5の合成:
98%の硫酸(45.0g、450mmol、0.54当量)を、水(300g)にゆっくりと加えた後、KHPO・3HO(47.5g、208mmol、0.25当量)および化合物4(200g、832mmol、1.00当量)を加える。得られた懸濁液に、70%のイソプロピルアミン水溶液(147.6g、1748mmol、2.10当量)を加える。45℃に加熱した後、pHを、pH8.8~8.9に調整し、次に、水(70.0g)中のTween 20(30.0g)を加える。PLP一水和物(1.68g、6.80mmol、0.008当量)を投入した後、pH8.5~8.6に調整する。pH8緩衝液(40mL、KHPO・3HOおよび水から調製された)中のATA-032(2.00g)の懸濁液を加え、反応混合物を41℃で18時間撹拌する。1Mの硫酸水溶液(1270g)を投入し、続いて、反応混合物を95℃に加熱し、10時間にわたってこの温度に保持する。25℃に冷却した後、固体をろ過して取り出し、ケーキを、水(1400mL)、1%のKHPO・3HO水溶液(1400mL)および2-ブタノン(320g)の混合物および2-ブタノン(640g)で洗浄し、次に、乾燥させて、化合物5を得る。
実施例9:(R)-3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸メチルエステル7の合成:
化合物5(20.00g、82.9mmol、1.0当量)およびメタノール(160mL)を、反応器中に投入する。得られた懸濁液を50℃に加熱し、次に、塩化チオニル(12.82g、107.7mmol、1.3当量)を、30分間滴下して加える。撹拌を、50~55℃で10時間続け、次に、トリエチルアミン(29.36g、290.1mmol、3.5当量)を50℃で加えた後、トルエン(100mL)を加える。メタノールを、50℃で蒸留によって、減圧下で除去する。反応混合物を20℃に冷却し、次に、Boc無水物(19.9g、91.2mmol、1.1当量)を加え、反応物を、20℃で2時間さらに撹拌する。反応を、10%のNaCl水溶液(100mL)の添加によってクエンチし、相を分離する。有機層を、10%のNaCl水溶液(50mL)で洗浄し、次に、部分的に濃縮し、50℃で、ヘプタン画分(120mL)で希釈する。反応混合物を、5時間にわたって10℃に冷却し、形成された固体をろ過して取り出し、ヘプタン画分(20mL)で洗浄し、乾燥させて、化合物7を得る。
H-NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 1.32(s,9H)、2.89(dd,1H)、3.04(dd,1H)、3.63(s,3H)、4.21(ddd,1H)、7.29-7.38(m,4H)、7.41-7.47(m,2H)、7.55-7.61(m,2H)、7.61-7.67(m,2H);MS(ES-API):ポジティブモード356.4[M+H]
実施例10:(R)-tert-ブチル(1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-3-ヒドロキシプロパン-2-イル)-カルバメート8の合成:
0℃で、メチル-THF(5.0mL)中の化合物7(1.00g、2.81mmol、1.00当量)の溶液に、0~5℃で水素化ホウ素ナトリウム(319mg、8.43mmol、3.00当量)を加えて、白色の懸濁液を得る。メタノール(0.7mL、17.3mmol、6.15当量)をゆっくりと加えて、ガス発生をもたらす。反応混合物を、20~25℃にゆっくりと温め、次に、完全な転化までこの温度で撹拌する。反応混合物を0℃に冷却し、次に、40%のクエン酸水溶液(6.0mL)をゆっくりと加えて、激しいガス発生をもたらす。相を分離し、有機相を水(3.0mL)で洗浄する。溶媒をトルエン(5.0mL)に変更し、次に、ヘプタン画分(5.0mL)を加えて、化合物8を沈殿させる。生成物をろ過して取り出し、ヘプタン画分で洗浄し、乾燥させて、化合物8を得る。
概要III
Figure 0007138106000097

実施例11:(R)-メチル3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-アミノプロパノエートメタンスルホネート11の製造
40℃で、メタノール(1.2mL)中の(R)-メチル3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-アセトアミドプロパノエート10(0.190g、0.639mmol)の懸濁液を、メタンスルホン酸(0.070g、1.078mmol)で処理した。反応混合物を加熱還流させ、21時間にわたってこの温度に保持した。50℃に冷却した後、イソプロパノールおよびヘプタン1:1の混合物(10mL)を加えて、白色の沈殿物を形成させた。反応混合物を0℃にさらに冷却し、固体をろ過して取り出し、イソプロパノールおよびヘプタン1:1の低温混合物で洗浄した。減圧下で、50℃で乾燥させることにより、生成物11(0.150g、67%の収率)を灰色の固体として得た。
H-NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 2.30(d,4H)、3.14(m,2H)、3.73(s,3H)、4.39(t,1H)、7.32(m,2H)、7.38(m,1H)、7.44-7.52(m,2H)、7.63-7.71(m,4H)、8.41(br.s,3H);MS(ES-API):ポジティブモード256.2[M+H]
実施例12:(R)-メチル3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノエート12の製造
室温で、ジクロロメタン(2mL)中の(R)-メチル3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-アミノプロパノエートメタンスルホネート11(0.136g、0.378mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(0.054mL、0.395mmol)、続いてBoc無水物(0.093mL、0.401mmol)を加えた。反応混合物を30℃で4.5時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)および酢酸エチル(5mL)の添加の後、相を分離した。水性相を酢酸エチルで抽出し、組み合わされた有機層をNaSO上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、生成物12(0.148g、定量的)をベージュ色の固体として得た。
H-NMR(400MHz、DMSO-d6):δ 1.32(s,9H)、2.85-2.93(m,1H)、3.00-3.08(m,1H)、3.63(s,3H)、4.16-4.25(m,1H)、7.27-7.38(m,4H)、7.40-7.49(m,2H)、7.58(m,2H)、7.62-7.68(m,2H);MS(ES-API):ポジティブモード356.3[M+H]
実施例8:(R)-tert-ブチル(1-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-3-ヒドロキシプロパン-2-イル)カルバメート6の製造
室温で、エタノールおよびテトラヒドロフラン1:1の混合物(2mL)中の(R)-メチル3-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-((tert-ブトキシカルボニル)-アミノ)プロパノエート12(0.140g、mmol)の溶液に、塩化リチウム水和物(0.183g、mmol)、続いて水素化ホウ素ナトリウム(0.109g、mmol)を加えた。反応混合物を、25℃で27時間撹拌した。反応混合物を、エタノールおよびテトラヒドロフラン1:1の混合物で希釈し、固体をろ過して取り出し、エタノールおよびテトラヒドロフラン1:1の混合物で洗浄した。透明なろ液を減圧下で濃縮して、生成物6(0.080g、2工程で67%の収率)を得た。
分析データについては、上記の化合物5からの化合物6の調製を参照されたい。

本発明は、以下の態様を含む。
[1]
式(III)の化合物、またはその塩、
Figure 0007138106000098

好ましくは、式(III-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000099

(両方の式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)を調製するための方法であって、
式(IV)
Figure 0007138106000100

(式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)の化合物、またはその塩を、
アミンドナーの存在下で、(R)-選択的ω-トランスアミナーゼと接触させることによって、式(III)の前記化合物に転化することを含み、式(IV)の前記化合物から式(III)の前記化合物への、好ましくは、式(III-a)の前記化合物への転化率が、50%超である方法。
[2]
前記アミンドナーが、アキラルC ~C -アルキルアミン、アキラルC ~C -シクロアルキルアミン、アキラルC ~C 10 -アリール-C ~C -アルキルアミン、アキラルC ~C -アルキルジアミン、アキラルアミノ-C ~C -アルカン酸、およびアキラルC ~C 10 -アリール-ジ(C ~C -アルキルアミン)からなる群から選択されるアキラルアミンドナーである、[1]に記載の方法。
[3]
前記アキラルアミンドナーが、イソプロピルアミン(2-アミノプロパン)である、[2]に記載の方法。
[4]
式(IV)
Figure 0007138106000101

(式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)の前記化合物、またはその塩が、式(IV)(式中、Rが水素である)の化合物を得るための、酸性または塩基性条件下での、式(V)
Figure 0007138106000102

(式中、R1が、C ~C -アルキル、C ~C 10 -アリールまたはC ~C 10 -アリール-C ~C -アルキルである)の化合物の加水分解、および任意選択的に、カルボキシル保護基Rの導入を含むプロセスによって得られる、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
式(V)
Figure 0007138106000103

(式中、R1が、C ~C -アルキル、C ~C 10 -アリールまたはC ~C 10 -アリール-C ~C -アルキルである)の前記化合物が、
式(VI)
Figure 0007138106000104

の前記化合物と、式(VII)
Figure 0007138106000105

(式中、R1が、C ~C -アルキル、C ~C 10 -アリールまたはC ~C 10 -アリール-C ~C -アルキルである)の化合物、またはその塩との反応を含むプロセスによって得られる、[6]に記載の方法。
[6]
式(III)の前記得られた化合物、またはその塩
Figure 0007138106000106

好ましくは、式(III-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000107

(両方の式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)が、
窒素保護基Raの導入を含むプロセスによって、式(II)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000108

好ましくは、式(II-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000109

(両方の式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基であり、Raが窒素保護基である)に転化される、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
式(II)の前記得られた化合物、またはその塩
Figure 0007138106000110

好ましくは、式(II-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000111

(両方の式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基であり、Raが窒素保護基である)が、
還元剤の存在下での、式(II)の前記化合物の還元を含むプロセスによって、式(I)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000112

好ましくは、式(I-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000113

(両方の式中、Raが窒素保護基である)に転化される、[6]に記載の方法。
[8]
式(III)の前記得られた化合物、またはその塩
Figure 0007138106000114

好ましくは、式(III-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000115

(両方の式中、Rが水素である)が、
アルコールR-OH(ここで、Rが、C ~C -アルキル、C ~C 10 -アリールまたはC ~C 10 -アリール-C ~C -アルキルである)との反応を含むプロセスによって、最初に、式(III)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000116

好ましくは、式(III-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000117

(両方の式中、Rが、C ~C -アルキル、C ~C 10 -アリールまたはC ~C 10 -アリール-C ~C -アルキルである)に転化され、
次に、それが、続いて、窒素保護基Raの導入を含むプロセスによって、式(II)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000118

好ましくは、式(II-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000119

(両方の式中、Rが、C ~C -アルキル、C ~C 10 -アリールまたはC ~C 10 -アリール-C ~C -アルキルであり、Raが窒素保護基である)に転化される、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[9]
式(II)の前記得られた化合物、またはその塩
Figure 0007138106000120

好ましくは、式(II-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000121

(両方の式中、Rが、C ~C -アルキル、C ~C 10 -アリールまたはC ~C 10 -アリール-C ~C -アルキルであり、Raが窒素保護基である)が、
還元剤の存在下での、式(II)の前記化合物の還元を含むプロセスによって、式(I)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000122

好ましくは、式(I-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000123

(両方の式中、Raが窒素保護基である)に転化される、[8]に記載の方法。
[10]
式(III)の前記得られた化合物、またはその塩
Figure 0007138106000124

好ましくは、式(III-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000125

(両方の式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)が、
還元剤の存在下での、式(III)の前記化合物の還元を含むプロセスによって、式(I
Figure 0007138106000126

の化合物、またはその塩、好ましくは、式(I -a)
Figure 0007138106000127

の化合物、またはその塩に転化される、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[11]
式(I
Figure 0007138106000128

の前記得られた化合物、またはその塩、好ましくは、式(I -a)
Figure 0007138106000129

の前記化合物、またはその塩が、窒素保護基の導入を含むプロセスによって、式(I)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000130

好ましくは、式(I-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000131

(両方の式中、Raが窒素保護基である)に転化される、[10]に記載の方法。
[12]
式(I)の前記得られた化合物、またはその塩、
Figure 0007138106000132

好ましくは、式(I-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000133

(両方の式中、Raが窒素保護基である)が、
TEMPO媒介酸化反応またはデス・マーチン・ペルヨージナンによる酸化を含むプロセスによって反応されて、式(VIII)の化合物、またはその塩、
Figure 0007138106000134

好ましくは、式(VIII-a)の化合物、またはその塩
Figure 0007138106000135

(両方の式中、Raが、水素または窒素保護基である)が得られる、[7]、[9]または[11]に記載の方法。
[13]
式(VIII)
Figure 0007138106000136

の前記得られた化合物、またはその塩、好ましくは、式(VIII-a)
Figure 0007138106000137

の化合物、またはその塩が、さらに反応されて、N-(3-カルボキシル-1-オキソプロピル)-(4S)-(p-フェニルフェニルメチル)-4-アミノ-(2R)-メチルブタン酸エチルエステル、またはその塩が調製される、[12]に記載の方法。
[14]
Raは各式中において窒素保護基であり、それが存在する場合、水素、またはC ~C -アルキル(非置換であるか、またはトリ-C ~C -アルキルシリルC ~C -アルコキシ、C ~C 10 -アリール、または複素環式基(5~14個の環原子、およびN、O、S、S(O)またはS(O) から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する、単環式、二環式または三環式環系である)で一置換、二置換または三置換され、ここで、前記アリール環または前記複素環式基は、非置換であるか、またはC ~C -アルキル、ヒドロキシル、C ~C -アルコキシ、C ~C -アルカノイル-オキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、およびCF からなる群から選択される1つ、2つまたは3つの残基で置換される);
~C 10 -アリール-C ~C -アルコキシカルボニル;C ~C 10 -アルケニルオキシカルボニル;C ~C -アルキルカルボニル;C ~C 10 -アリールカルボニル;C ~C -アルコキシカルボニル;C ~C 10 -アリール-C ~C -アルコキシカルボニル;アリル;シンナミル;スルホニル;スルフェニル;スクシンイミジル、およびシリル(ここで、各シリル基が、SiR11R12R13基であり、ここで、R11、R12およびR13が、互いに独立して、C ~C -アルキル、C ~C 10 -アリールまたはフェニル-C ~C -アルキルである)
から選択される、[1]~[11]のいずれかに記載の方法。
[15]
窒素保護基としてのRaは、C ~C -アルコキシカルボニル、好ましくは、tert-ブトキシカルボニルである、[13]に記載の方法。

Claims (15)

  1. 式(III-a)の化合物、またはその塩、
    Figure 0007138106000138
    (式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)を調製するための方法であって、式(IV)
    Figure 0007138106000139
    (式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)の化合物、またはその塩を、
    アミンドナーの存在下で、(R)-選択的ω-トランスアミナーゼと接触させることによって、式(III-a)の前記化合物に転化することを含み、式(IV)の前記化合物から式(III-a)の前記化合物への転化率が、50%超である方法。
  2. 前記アミンドナーが、アキラルC~C-アルキルアミン、アキラルC~C-シクロアルキルアミン、アキラルC~C10-アリール-C~C-アルキルアミン、アキラルC~C-アルキルジアミン、アキラルアミノ-C~C-アルカン酸、およびアキラルC~C10-アリール-ジ(C~C-アルキルアミン)からなる群から選択されるアキラルアミンドナーである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アキラルアミンドナーが、イソプロピルアミン(2-アミノプロパン)である、請求項2に記載の方法。
  4. 式(IV)
    Figure 0007138106000140
    (式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)の前記化合物、またはその塩が、式(IV)(式中、Rが水素である)の化合物を得るための、酸性または塩基性条件下での、式(V)
    Figure 0007138106000141
    (式中、R1が、C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルである)の化合物の加水分解、および任意選択的に、カルボキシル保護基Rの導入を含むプロセスによって得られる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 式(V)
    Figure 0007138106000142
    (式中、R1が、C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルである)の前記化合物が、式(VI)
    Figure 0007138106000143
    の前記化合物と、式(VII)
    Figure 0007138106000144
    (式中、R1が、C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルである)の化合物、またはその塩との反応を含むプロセスによって得られる、請求項4に記載の方法。
  6. 式(III-a)の前記得られた化合物、またはその
    Figure 0007138106000145
    (式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)が、
    窒素保護基Raの導入を含むプロセスによって、式(II-a)の化合物、またはその
    Figure 0007138106000146
    (式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基であり、Raが窒素保護基である)に転化される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 式(II-a)の前記得られた化合物、またはその
    Figure 0007138106000147
    (式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基であり、Raが窒素保護基である)が、
    還元剤の存在下での、式(II-a)の前記化合物の還元を含むプロセスによって、式(I-a)の化合物、またはその
    Figure 0007138106000148
    (式中、Raが窒素保護基である)に転化される、請求項6に記載の方法。
  8. 式(III-a)の前記得られた化合物、またはその
    Figure 0007138106000149
    (式中、Rが水素である)が、
    アルコールR-OH(ここで、Rが、C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルである)との反応を含むプロセスによって、最初に、式(III-a)の化合物、またはその
    Figure 0007138106000150
    (式中、Rが、C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルである)に転化され、
    次に、それが、続いて、窒素保護基Raの導入を含むプロセスによって、式(II-a)の化合物、またはその
    Figure 0007138106000151
    (式中、Rが、C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルであり、Raが窒素保護基である)に転化される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  9. 式(II-a)の前記得られた化合物、またはその
    Figure 0007138106000152
    (式中、Rが、C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはC~C10-アリール-C~C-アルキルであり、Raが窒素保護基である)が、
    還元剤の存在下での、式(II-a)の前記化合物の還元を含むプロセスによって、式(I-a)の化合物、またはその
    Figure 0007138106000153
    (式中、Raが窒素保護基である)に転化される、請求項8に記載の方法。
  10. 式(III-a)の前記得られた化合物、またはその
    Figure 0007138106000154
    (式中、Rが、水素またはカルボキシル保護基である)が、
    還元剤の存在下での、式(III-a)の前記化合物の還元を含むプロセスによって、式(I -a
    Figure 0007138106000155
    の化合物、またはその塩に転化される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  11. 式(I -a
    Figure 0007138106000156
    の前記化合物、またはその塩が、窒素保護基Raの導入を含むプロセスによって、式(I-a)の化合物、またはその
    Figure 0007138106000157
    (式中、Raが窒素保護基である)に転化される、請求項10に記載の方法。
  12. 式(I-a)の前記得られた化合物、またはその塩
    Figure 0007138106000158
    (式中、Raが窒素保護基である)が、
    TEMPO媒介酸化反応またはデス・マーチン・ペルヨージナンによる酸化を含むプロセスによって反応されて、式(VIII-a)の化合物、またはその塩
    Figure 0007138106000159
    (式中、Raが、水素または窒素保護基である)が得られる、請求項7、9または11に記載の方法。
  13. 式(VIII-a

    Figure 0007138106000160
    の化合物、またはその塩が、さらに反応されて、N-(3-カルボキシル-1-オキソプロピル)-(4S)-(p-フェニルフェニルメチル)-4-アミノ-(2R)-メチルブタン酸エチルエステル、またはその塩が調製される、請求項12に記載の方法。
  14. Raは各式中において窒素保護基であり、それが存在する場合、水素、またはC~C-アルキル(非置換であるか、またはトリ-C~C-アルキルシリルC~C-アルコキシ、C~C10-アリール、または複素環式基(5~14個の環原子、およびN、O、S、S(O)またはS(O)から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する、単環式、二環式または三環式環系である)で一置換、二置換または三置換され、ここで、前記アリール環または前記複素環式基は、非置換であるか、またはC~C-アルキル、ヒドロキシル、C~C-アルコキシ、C~C-アルカノイル-オキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、およびCFからなる群から選択される1つ、2つまたは3つの残基で置換される);
    ~C10-アリール-C~C-アルコキシカルボニル;C~C10-アルケニルオキシカルボニル;C~C-アルキルカルボニル;C~C10-アリールカルボニル;C~C-アルコキシカルボニル;C~C10-アリール-C~C-アルコキシカルボニル;アリル;シンナミル;スルホニル;スルフェニル;スクシンイミジル、およびシリル(ここで、各シリル基が、SiR11R12R13基であり、ここで、R11、R12およびR13が、互いに独立して、C~C-アルキル、C~C10-アリールまたはフェニル-C~C-アルキルである)
    から選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 窒素保護基としてのRaは、tert-ブトキシカルボニルである、請求項14に記載の方法。
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